JP3805238B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車、機器等において、光ファイバ同士を接続する際に用いられる光コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光コネクタでは、光ファイバ端部を保持するファイバ挿入孔部の後側に直線上に連続してコード挿入孔部が形成されている。そして、光ファイバコードの端部に露出する光ファイバをファイバ挿入孔部内に挿入すると共に、その手前の被覆部分をコード挿入孔部内に挿入し、当該コード挿入孔部内でストッパ等を用いて光ファイバコードの被覆部分をその軸方向に位置決め保持していた。
【0003】
また、例えば、自動車内に光ファイバコードを敷設する場合、敷設スペースの都合等により、光コネクタから引出される光ファイバコードをその光コネクタの直ぐ後ろで曲げて敷設する必要を生じる場合がある。
【0004】
ここで、光ファイバに急激な曲げが加わると、そこで光の損失増加が著しくなる。
【0005】
そこで、従来では、コネクタハウジングの後側に、所定の曲げ半径に屈曲した形状のゴムブーツを取付け、コード挿入孔部から外方に引出される光ファイバコードを前記ゴムブーツ内に挿通しつつ所定方向に引出して、光ファイバコードに急激な曲げが加わらないようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記光コネクタでは、直線上に形成されたコード挿入孔部のさらに後方に、ゴムブーツが設けられる構成であるため、その全体構成が大型化するという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、小型化が可能な光コネクタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1記載の光コネクタは、光ファイバコードの端部に露出する光ファイバを収容するファイバ収容孔部を有し、相手側の光コネクタに接続されるハウジング本体部と、前記ハウジング本体部の後方に連設され、前記ファイバ収容孔部後方に延出する光ファイバコードを一定の曲げ形態で保持する保持孔部又は保持溝部を有する曲げガイド部と、を備え、前記曲げガイド部の曲げ形状の内周部、外周部、一側部及び他側部のいずれかに、ストッパ挿入孔部が形成され、ストッパが、前記ストッパ挿入孔部を通って前記保持孔部又は保持溝部内に挿入配置されて、前記光ファイバコードの被覆部に係合することで、前記曲げガイド部で、前記光ファイバコードが位置決め保持され、前記ハウジング本体部と前記曲げガイド部とが、一体形成されているものである。
【0013】
また、請求項2記載のように、前記ハウジング本体部に、取付対象となる板状取付部材に形成された係止孔部に挿通されて前記板状取付部材の一方面側から係止する係止突部を有するロックアーム部と、前記板状取付部材にその他方面側から係止する位置決突起部とが形成されていてもよい。
【0014】
また、請求項3記載の光コネクタは、光ファイバコードの端部に露出する光ファイバを収容するファイバ収容孔部を有し、相手側の光コネクタに接続されるハウジング本体部と、前記ハウジング本体部の後方に連設され、前記ファイバ収容孔部後方に延出する光ファイバコードを一定の曲げ形態で保持する保持孔部又は保持溝部を有する曲げガイド部と、を備え、前記曲げガイド部の曲げ形状の内周部、外周部、一側部及び他側部のいずれかに、ストッパ挿入孔部が形成され、ストッパが、前記ストッパ挿入孔部を通って前記保持孔部又は保持溝部内に挿入配置されて、前記光ファイバコードの被覆部に係合することで、前記曲げガイド部で、前記光ファイバコードが位置決め保持され、前記ハウジング本体部に、取付対象となる板状取付部材に形成された係止孔部に挿通されて前記板状取付部材の一方面側から係止する係止突部を有するロックアーム部と、前記板状取付部材にその他方面側から係止する位置決突起部とが形成され、前記ロックアーム部と前記位置決突起部とは、前記ハウジング本体部の外周部からそれぞれ異なる方向に突出するように形成されたものである。
【0015】
またさらに、請求項4記載のように、前記ハウジング本体部の両側部に、前記ロックアーム部が一対形成され、前記曲げガイド部は、前記一対のロックアーム部を結ぶ仮想ラインと実質的に直交する方向に向けて引出すように、前記光ファイバコードを保持するものであってもよい。
【0016】
さらに、請求項5記載のように、位置決突起部に、その位置決突起部と板状取付部材の他方面側に介在する弾性部材を配設してもよく、また、請求項6記載のように、前記各板状取付部材側にネジ止めするためのネジ止用孔部を形成した前記位置決突起部が少なくとも1つ形成され、そのネジ止用孔部を有する位置決突起部が、前記曲げガイド部が前記光ファイバコードを引出す方向に対して反対方向に向けて突出するように形成されていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
{第1の実施の形態}
以下、この発明の第1の実施の形態に係る光コネクタについて説明する。
【0018】
図1に示すように、この光コネクタ10は、光ファイバコード1を保持した状態で、相手側の光コネクタ50に接続可能に構成されている。そして、両コネクタ10,50の接続により一対の光ファイバコード1が光学的に接続されるようになっており、即ち、両光コネクタ10,50は光ファイバコード1同士を中継接続する中継コネクタとして機能する。
【0019】
ここで、相手側の光コネクタ50について説明しておくと、光コネクタ50は、ハウジング本体部51を有している。
【0020】
ハウジング本体部51は、樹脂等により略筒状に形成されており、その内部に光ファイバコード1をその軸方向に沿って挿入し収容するためのコード収容孔部52が形成されている。また、ハウジング本体部51の先端部には、略円管状のフェルール部55が形成されており、そのフェルール部55内にファイバ収容孔部56が形成されている。
【0021】
コード収容孔部52とファイバ収容孔部56とは同一直線上に連続して形成されている。そして、光ファイバコード1の端部に所定長の光ファイバ2を露出させた状態で、当該光ファイバコード1をハウジング本体部51の後方からファイバ収容孔部56内に挿入することにより、光ファイバ2の露出端部がファイバ収容孔部56に収容配置されると共に、光ファイバコード1の被覆部3部分がコード収容孔部52内に収容配置されるように構成されている。
【0022】
上記状態で、光ファイバコード1が光コネクタ50に保持される。本実施の形態に係る光コネクタ50では、ハウジング本体部51の一側である底面に、コード収容孔部52に連通するストッパ取付開口部53を形成し、このストッパ取付開口部53を通って、ストッパ60をコード収容孔部52内に挿入配置し、このストッパ60により光ファイバコード1をその軸方向に位置決め保持している。
【0023】
即ち、ストッパ60は、後述するストッパ30と同様の部材であり、コード収容孔部52内の所定位置に挿入配置した状態で、当該位置決め歯が被覆部3に係合して、光ファイバコード1をその軸方向に位置決め保持する構成となっている。なお、その他、例えば接着剤等を用いて位置決め保持してもよい。
【0024】
このように、光ファイバコード1が保持された状態では、光ファイバ2の端面がフェルール部55の先端面に露出しており、フェルール部55の先端部で光ファイバ2の端面が適宜鏡面処理される。
【0025】
なお、ハウジング本体部51には、フェルール部55を適宜間隔を有して囲繞する角筒状のフェルール保護壁部54が形成されている。このフェルール保護壁部54は、フェルール部55の先端部よりもその先端側に延びており、外部の部材,人の指等がフェルール部55の端部に露出する光ファイバ2の端面に接触するのを防止する役割を有している。
【0026】
また、ハウジング本体部51の上部には、その後端部から先端側に向けて係合延設片57が片持ち状に延設されると共に、その係合延設片57の先端部に光コネクタ10側に形成された係合孔部19(後述する)に係脱自在に係合する係合突部58が突設されている。そして、両光コネクタ10,50の接続に際して、係合延設片57の下方への弾性変形を利用して、係合突部58と係合孔部19とが係合される構造とされている。
【0027】
また、係合延設片57の上部には解除操作部59が形成されており、両光コネクタ10,50の接続状態を解除する際には、解除操作部59を下方に押下げることにより、光コネクタ50側の係合突部58と光コネクタ10側の係合孔部19との係合を解除可能な構成とされている。
【0028】
光コネクタ10自体の説明に戻ると、図1及び図2(a)〜図2(d)に示すように、光コネクタ10は、ハウジング本体部11と、曲げガイド部20とを有している。
【0029】
ハウジング本体部11は、ファイバ収容孔部15を有し、上述したような相手側の光コネクタ50に接続可能に構成されている。
【0030】
具体的には、ハウジング本体部11は、樹脂等により形成されるもので、一端側である先端側に向けて開口する略筒状の全体形状を有しており、その内部に上記光コネクタ50の先端側部分が内嵌め接続されるように構成されている。
【0031】
また、ハウジング本体部11の背面部12に、その前後に貫通するようにして、光ファイバ2を挿入可能なファイバ収容孔部15が形成されている。
【0032】
さらに、ハウジング本体部11の背面部12の内面側であってファイバ収容孔部15と対応する位置にフェルール案内筒部13が突出形成され、このフェルール案内筒部13に、フェルール部55を挿入ガイド可能なフェルール案内孔部14が形成されている。
【0033】
そして、光ファイバコード1の端部に露出する光ファイバ2を上記ファイバ収容孔部15内に挿入すると、光ファイバ2の端面がフェルール案内孔部14の奥部に露出配置されるように構成されている。また、この状態で、フェルール部55をフェルール案内孔部14内に挿入すると、フェルール部55の端部に露出する光ファイバ2の端面が、ファイバ収容孔部15側で露出する光ファイバ2の端面に向けて案内され、フェルール部55を最も奥に挿入した状態では、両光ファイバ2の端面が対向して配置されて光学的に結合される構成となっている。
【0034】
なお、ハウジング本体部11の上部には、光コネクタ50側の係合突部58が係脱自在に係合可能な係合孔部19が形成されている。そして、両光コネクタ10,50を接続すると、係合突部58が係合孔部19に係合して、その接続状態が保持される構成となっている。
【0035】
曲げガイド部20は、ハウジング本体部11の後方に連設され、上記ファイバ収容孔部15の後方に延出する光ファイバコード1を一定の曲げ形態で保持する保持孔部21を有している。
【0036】
具体的には、曲げガイド部20は、略円筒状の部材を所定の曲げ半径で曲げた形状とされている。そして、光ファイバコード1を曲げガイド部20内に挿入することで、当該光ファイバコード1が前記所定の曲げ半径で曲げた一定の曲げ形態で保持されるように構成されている。
【0037】
ここで、曲げガイド部20の曲げ半径は、光損失を可及的に小さくするため、光ファイバコード1の最小曲げ半径(光ファイバコード1の種類等に応じて決定される値で、この最小曲げ半径よりも小さな曲げ半径に曲げると光損失が激増する)よりも大きく設定することが好ましい。
【0038】
また、上記保持孔部21の先端部は、ファイバ収容孔部15に連通している。そして、光ファイバコード1を曲げガイド部20内にその後方から挿入すると、光ファイバコード1の端部の光ファイバがファイバ収容孔部15に向けて案内されるように構成されている。
【0039】
また、本実施の形態では、曲げガイド部20は、樹脂等により形成され、上記ハウジング本体部11と一体形成されている。必ずしもハウジング本体部11と曲げガイド部20とが一体形成されている必要はなく、両者を別体とし、例えば、周知の係合構造や接着材等を用いて一体化する構成を採用してもよい。
【0040】
もっとも、ハウジング本体部11と曲げガイド部20とを一体形成しておくことにより、光コネクタ10の構成部品点数及び組立工数の削減を図ることができるという利点がある。また、ハウジング本体部11と曲げガイド部20との分解を防止し、もって、光ファイバコード1に加わる急激な曲げを防止して、光の損失増加が防止できるという利点もある。
【0041】
また、この光コネクタ10では、上記曲げガイド部20で光ファイバコード1がその軸方向に位置決め保持される。
【0042】
本実施の形態では、曲げガイド部20の曲げ形状の内周部にストッパ挿入孔部22を形成し、ストッパ30を、当該ストッパ挿入孔部22を通って、保持孔部21内に挿入配置して、光ファイバコード1の被覆部3に係合させて、当該光ファイバコード1を位置決め保持するようにしている。
【0043】
具体的には、上記曲げガイド部20の曲げ形状の内周部であってその長手方向中間部に、その延設方向に沿って所定間隔あけて一対のストッパ挿入孔部22が形成されている。各ストッパ挿入孔部22は、曲げガイド部20の幅方向に沿って延びるスリット状に形成されている。
【0044】
また、曲げガイド部20の外周部の内面部であって上記各ストッパ挿入孔部22と対向する位置に、一対のストッパ受溝部23が形成されている。このストッパ受溝部23は、ストッパ30の先端部を受けて、該ストッパ30を保持孔部21内の所定位置により確実に位置決めする機能を有している。
【0045】
また、ストッパ30は、図1及び図3に示すように、金属等の薄板状部材をプレス加工等して形成したものであり、略方形で所定の厚み寸法を有する一対の位置決板部31が所定間隔あけて対向配置された状態で、連結片部32を介して互いに連結された側面視略U字状に形成されている。
【0046】
また、各位置決板部31の幅方向中央部にその先端側に開口する略U字状の位置決スリット33が形成されている。各位置決スリット33のスリット幅は、位置決め対象となる光ファイバコード1の直径寸法よりも小さく、かつ光ファイバ2の直径寸法よりも大きな幅寸法に形成されている。
【0047】
そして、図1に示すように、各位置決板部31を、各ストッパ挿入孔部22に挿入して、保持孔部21内に挿入配置すると、連結片部32が曲げガイド部20の曲げ形状の内周側外面に当接すると共に、各位置決板部31の先端部が各ストッパ受溝部23に嵌合した状態で、ストッパ30の各位置決板部31が保持孔部21内に位置決め状態で挿入配置される。
【0048】
この状態では、各位置決板部31が、その面方向を曲げガイド部20の曲げ方向(具体的には曲げガイド部20の曲げ方向であって各ストッパ挿入孔部22における接線方向)に直交させた姿勢で、保持孔部21内に位置決め固定される。
【0049】
また、この状態では、ストッパ30の各位置決スリット33の両側縁部が光ファイバコード1の被覆部3の両側部に喰い込むように係合し、当該光ファイバコード1がその軸方向に位置決め保持される構成となっている。
【0050】
なお、曲げガイド部20において、接着剤等を用いて光ファイバコード1の被覆部3をその軸方向に位置決固定するようにしてもよい。
【0051】
このように構成された光コネクタ10に光ファイバコード1を保持する手順について説明する。
【0052】
まず、光ファイバコード1の端部において所定長に亘り被覆部3を剥離し、当該所定長に亘って光ファイバ2を露出させる。この光ファイバコード1を曲げガイド部20の後方開口より保持孔部21内に挿入する。そして、光ファイバコード1を保持孔部21に沿って挿入して、その端部の光ファイバ2をファイバ収容孔部15内に挿入配置し、この状態で、ストッパ30の各位置決板部31を、ストッパ挿入孔部22内を通って保持孔部21内に位置決固定して、各位置決スリット33の両側縁部を保持孔部21内で光ファイバコード1の被覆部3の両側部に喰い込ませて係合させると、当該光ファイバコード1の位置決め保持作業が終了する。
【0053】
以上のように構成された光コネクタ10によると、光ファイバコード1が、曲げガイド部20でその軸方向に位置決め保持されるため、従来の光コネクタにおけるコード挿入孔部を省略でき、光コネクタ10を小型化できる。
【0054】
また、曲げガイド部20の曲げ形状の内周部に、一対のストッパ挿入孔部22が形成され、ストッパ30が、各ストッパ挿入孔部22を通って保持孔部21内に位置決固定されて、光ファイバコード1の被覆部3に係合可能とされているため、ストッパ30を曲げガイド部20の曲げ形状の内周部側から保持孔部21内に位置決固定することにより、簡易かつ容易に光ファイバコード1をその軸方向に位置決め保持できる。
【0055】
なお、光コネクタ10の可及的な小型化を図るため、ハウジング本体部11のファイバ収容孔部15と曲げガイド部20の保持孔部21とを、実質的に連続して形成することが好ましい。
【0056】
具体的には、光ファイバ2を収容するファイバ収容孔部15の直ぐ後方に、直線部分を経由することなく、曲げガイド部20の保持孔部21が形成されていることが好ましい。
【0057】
{第1の実施の形態の変形例}
本実施の形態では、一対のストッパ挿入孔部22のそれぞれにストッパ30の位置決板部31を挿入して、より確実に光ファイバコード1を位置決め保持するようにしているが、ストッパ挿入孔部22や位置決板部31は、それぞれ1つだけであってもよく、また、それぞれ3つ以上あってもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、曲げガイド部20は、光ファイバコード1をファイバ収容孔部15に対して約90度に曲げた方向に引出すように、当該光ファイバコード1を保持しているが、光ファイバコード1の引出し方向やその曲げ形態は、本光コネクタ10が用いられる場所等に応じて適宜変更してもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、曲げガイド部20の曲げ形状の内周部の長手方向中間部にストッパ挿入孔部22を形成した構成としているが、ストッパ挿入孔部22を形成する位置は、これに限られない。
【0060】
例えば、図4に示す変形例1に係る光コネクタ10Bのように、曲げガイド部20B(曲げガイド部20に相当)の外周部であってその後端側に、一対のストッパ挿入孔部22B(ストッパ挿入孔部22に相当)が形成され、それに対向する位置にストッパ受溝部23B(ストッパ受溝部23に相当)が形成されており、当該曲げガイド部20Bの後端部においてストッパ30による光ファイバコード1の位置決め保持が行われる構成であってもよい。
【0061】
また、その他、ストッパ挿入孔部22やストッパ受溝部23を、曲げガイド部20の前端部(ハウジング本体部11)側に形成したり、また、曲げガイド部20の一側部や他側部に形成してもよく、さらに、複数箇所に設けてあってもよい。ここで、曲げガイド部20の一側部及び他側部は、曲げガイド部20のうち当該曲げガイド部20の曲げ軸に沿って曲る曲面と交わる各部分、換言すれば、曲げガイド部20の曲げ形態の内周部及び外周部を連結する各側部を示している。
【0062】
また、本実施の形態では、曲げガイド部20を略筒状に形成しその内部に保持孔部21を形成しているが、曲げガイド部20の外周部、一側部又は他側部を開放させて、その内部に断面略U字状の保持溝部を形成した構成であってもよい。
【0063】
また、例えば、図5に示す第2変形例の光コネクタ10Cのように、曲げガイド部20C(曲げガイド部20に相当)の外周部の中間部において所定長に亘って開口20Caが形成された構成であってもよい。この開口20Caは、光ファイバ2がファイバ収容孔部15内に挿入される挿入方向延長線上に沿って開口していることが好ましい。
【0064】
なお、この第2変形例では、上記第1変形例と同様の位置に、一対のストッパ挿入孔部22B及び一対のストッパ受溝部23Bが形成されている。
【0065】
この第2変形例における光ファイバコード1の保持作業は、次のようにして行われる。
【0066】
まず、光ファイバコード1の端部を、保持孔部21C(保持孔部21に相当)内にその後方(図2の下方)から挿入し、一旦開口20Caを通って外方に引出す。
【0067】
次に、光ファイバコード1の端部を、開口20Caを通って再度保持孔部21C内に挿入して、光ファイバコード1の端部の光ファイバ2をファイバ収容孔部15内に挿入する(図5の2点鎖線参照)。
【0068】
最後に、曲げガイド部20Cの先端部から外方(下方)に延出する光ファイバコード1を引張ると、光ファイバコード1が保持孔部21C内に収容配置される。
【0069】
そして、上記第1変形例と同様に、ストッパ30を用いて光ファイバコード1をその軸方向に位置決め固定すると、当該光ファイバコード1の保持作業が終了する。
【0070】
この第2変形例によると、光ファイバコード1を、開口20Caを通って一旦外に引出した状態で、光ファイバコード1の端部の光ファイバ2をファイバ収容孔部15内に挿入することができるため、当該挿入作業を容易に行えるという利点がある。
【0071】
また、本実施の形態では、光コネクタ10と光コネクタ50のうち、光コネクタ10側に本発明を適用している。その理由は、次の通りである。
【0072】
即ち、光コネクタ10と光コネクタ50とを接続した状態で、当該接続状態を維持するために、光コネクタ50側に、係合突部58を有する係合延設片57が形成されている。従って、光コネクタ50に関しては、この係合延設片57により小型化の制約がなされる。一方、光コネクタ10側には、比較的コンパクトな構成の係合孔部19が形成されているだけであるため、小型化に関する制約が小さい。このため、本実施の形態では、小型化に関して制約の小さい光コネクタ10側に本発明を適用している。
【0073】
もっとも、例えば、光コネクタ10,50の接続状態を保持するための構成を、もっとコンパクトな構成にできる場合等、小型化に関する制約が小さい場合等には、フェルール部55を有する光コネクタ50側に、本発明を適用してもよい。
【0074】
またさらに、本実施の形態では、1極タイプの光コネクタ10について説明したが、複数極タイプの光コネクタについても適用できる。
【0075】
{第2の実施の形態}
次に、この発明の第2の実施の形態に係る光コネクタ10Dについて図6(a)〜図6(d),図7及び図8を参照して説明する。
【0076】
なお、この光コネクタ10Dの説明において、上記第1の実施の形態において説明したものと同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0077】
この光コネクタ10Dは、上記光コネクタ10に、取付対象となる板状取付部材に取付けるための構成を付加したものである。なお、板状取付部材としては、自動車のボディ等の板状取付部材Xを想定しており、該板状取付部材Xには、一対の係止孔部Xaが形成されている(図8参照)。
【0078】
即ち、この光コネクタ10Dでは、ハウジング本体部11に、2つのロックアーム部17Dと2つの位置決突起部18Dとが形成されている。
【0079】
ロックアーム部17Dは、上記係止孔部Xaに挿通されて板状取付部材Xの一方面側(図8の右面側)に係合する係止突部17Daを有している。
【0080】
具体的には、ロックアーム部17Dは、ハウジング本体部11の外周面に突出して該ハウジング本体部11の前方に向けて延びる略L字状の部材に形成されており、その先端部に内側に向けて突出する係止突部17Daが形成されている。
【0081】
また、位置決突起部18Dは、板状取付部材Xにその他方面側(図8の左面側)から係止可能に形成されている。
【0082】
具体的には、位置決突起部18Dは、ハウジング本体部11の外周面から外方に向けて突出する小板状片に形成されている。
【0083】
また、上記各ロックアーム部17Dと各位置決突起部18Dとは、ハウジング本体部11の外周部からそれぞれ異なる方向に突出するように形成されている。
【0084】
本実施の形態では、各ロックアーム部17Dは、ハウジング本体部11の上部及び下部に突出形成され、位置決突起部18Dは、ハウジング本体部11の両側部に突出形成されている。
【0085】
なお、曲げガイド部20との関係で説明すると、曲げガイド部20は、上記一対のロックアーム部17Dを結ぶ仮想ラインLと実質的に直交する方向に向けて引出すように、光ファイバコード1を保持する。
【0086】
そして、各ロックアーム部17Dの先端部を板状取付部材Xの他方面側から各係止孔部Xa内に挿入し押込んで、係止孔部Xaの周縁部において、該各ロックアーム部17Dの係止突部17Daを板状取付部材Xの一方面側に係合させると共に、位置決突起部18Dを板状取付部材Xの他方面側に係合させると、板状取付部材Xが係止突部17Daと位置決突起部18Dとの間に挟まれるようになって、光コネクタ10Dが板状取付部材Xに取付けされるように構成されている。
【0087】
なお、この状態で、ハウジング本体部11の前部は、板状取付部材Xに形成された図示省略の開口を通じて、当該板状取付部材Xの一方面側に露出している。そして、当該一方面側より相手側の光コネクタ50が光コネクタ10Dに接続される。
【0088】
以上のように構成された光コネクタ10Dによると、各ロックアーム部17Dの先端部を板状取付部材Xの他方面側から各係止孔部Xa内に挿入して押込むことにより、容易に光コネクタ10Dの取付を行うことができる。特に、取付作業スペースが狭い環境下で、光コネクタ10Dを取付ける場合に有効である。
【0089】
また、各ロックアーム部17Dと各位置決突起部18Dとが、ハウジング本体部11の外周部からそれぞれ異なる方向に突出するように形成されているため、板状取付部材Xへの取付状態で、各ロックアーム部17Dの係止突部17Daと、各位置決突起部18Dとが、それぞれ異なる位置で板状取付部材Xに係止する。従って、光コネクタ10Dのがたつきを有効に防止できる。
【0090】
また、曲げガイド部20が、一対のロックアーム部17Dを結ぶ仮想ラインLと実質的に直交する方向に向けて引出すように、光ファイバコード1を保持しているため、板状取付部材Xへの取付状態で、光ファイバコード1に引張り力が加わっても、その力を2つのロックアーム部17Dで受止めることができる。従って、各ロックアーム部17Dの係止突部17Daと板状取付部材Xの係止孔部Xaとの係止状態が解除され難くなり、光コネクタ10Dの取付強度に優れる。
【0091】
なお、本実施の形態では、ロックアーム部17Dや位置決突起部18Dは、それぞれ2つ設けられているが、1つであってもよいし、また、3つ以上設けられていてもよい。がたつき無く固定するためには、それぞれ2つ以上設けられていることが好ましい。
【0092】
また、上記第1の実施の形態の説明において述べた変形例は、本第2の実施の形態にも適用できる。
【0093】
{第3の実施の形態}
次に、この発明の第3の実施の形態に係る光コネクタ10Eについて図9(a)〜(d),図10及び図11を参照して説明する。
【0094】
なお、この光コネクタ10Eの説明において、上記第2の実施の形態において説明したものと同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】
この光コネクタ10Eでは、上記光コネクタ10Dにおける各位置決突起部18Dのうちの少なくとも1つ(ここでは、ハウジング本体部11の上部の位置決突起部18D)に、ネジ止用孔部としてネジ挿通孔部18Eaを形成して、ネジ挿通孔部18Ea付の位置決突起部18Eに形成している。
【0096】
そして、そのネジ挿通孔部18Ea付の位置決突起部18Eが、曲げガイド部20が光ファイバコード1を引出す方向(下方向)に対して反対側に向けて(上向きに)突出するように形成されている。
【0097】
また、さらに、位置決突起部18D,18Eに、その位置決突起部18D,18Eと板状取付部材Xの他方面側に介在する弾性部材Pが配設されている。弾性部材Pとしては、ウレタン樹脂やゴム等により形成された板状部材を用いることができる。この弾性部材Pは、脱落防止のため、位置決突起部18D,18Eの前面側に接着剤等で貼付けておくことが好ましい。
【0098】
この光コネクタ10Eは、上記第2の実施の形態で説明したのと同様態様で、板状取付部材Xに取付けられた状態で、ネジSが位置決突起部18Eのネジ挿通孔部18Eaを通って板状取付部材Xのネジ孔部Xbに螺合締結される。
【0099】
なお、板状取付部材X側にネジSを挿通可能な孔部を形成し、位置決突起部18E側にネジSを螺合可能なネジ孔部を形成し、板状取付部材Xの一方面側からネジSを螺合させて、ネジ止固定する構成であってもよい。
【0100】
以上のように構成された光コネクタ10Eによると、位置決突起部18D,18Eと板状取付部材Xの他方面側に介在する弾性部材Pが配設されるため、板状取付部材Xへの取付状態で、光コネクタ10Eのがたつきを防止できる。
【0101】
また、ネジ挿通孔部18Ea付の位置決突起部18Eは、光ファイバコード1の引出し方向(下方向)に対して反対方向(上方向)に向けて突出するように形成されているため、板状取付部材Xへの取付状態で、光ファイバコード1に引張り力が加わっても、その力を、主にネジ挿通孔部18Ea付の位置決突起部18Eと板状取付部材Xとのネジ止固定部分で受止めることができる。従って、光コネクタ10Eの取付強度に優れる。
【0102】
なお、上記第1及び第2の実施の形態の説明において述べた変形例は、本第2の実施の形態にも適用できる。
【0103】
また、ここで説明した弾性部材Pを上記第2の実施の形態における光コネクタ10Dに適用してもよい。
【0104】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1記載の光コネクタによると、前記曲げガイド部の曲げ形状の内周部、外周部、一側部及び他側部のいずれかに、ストッパ挿入孔部が形成され、ストッパが、前記ストッパ挿入孔部を通って前記保持孔部又は保持溝部内に挿入配置されて、前記光ファイバコードの被覆部に係合することで、前記曲げガイド部で、前記光ファイバコードが位置決め保持されるため、従来の光コネクタにおけるコード挿入孔部を省略でき、光コネクタを小型化できる。また、ハウジング本体部と曲げガイド部とが、一体形成されているため、光コネクタの構成部品点数及び組立工数の削減を図ることができる。また、ハウジング本体部と曲げガイド部との分解を防止することができる。
【0109】
また、この発明の請求項2記載の光コネクタによると、ロックアーム部を板状取付部材に形成された係止孔部に挿通して押込んで、当該ロックアーム部の係止突部及び位置決突起部を板状取付部材に係合させることで、容易に光コネクタを板状取付部材に取付けることができる。
【0110】
また、請求項3記載の発明によれば、ロックアーム部と位置決突起部とが、ハウジング本体部の外周部からそれぞれ異なる方向に突出するように形成されているため、板状取付部材への取付状態で、ロックアーム部の係止突部と、位置決突起部とが、それぞれ異なる位置で板状取付部材に係止する。従って、板状取付部材への取付状態で、光コネクタのがたつきを防止できる。
【0111】
この場合、請求項4記載のように、曲げガイド部が、一対のロックアーム部を結ぶ仮想ラインと実質的に直交する方向に向けて引出すように、光ファイバコードを保持すれば、板状取付部材への取付状態で、光ファイバコードに引張り力が加わっても、その力を2つのロックアーム部で受止めることができる。従って、各ロックアーム部の係止突部と板状取付部材の係止孔部との係止状態が解除され難くなり、光コネクタの取付強度に優れる。
【0112】
また、請求項5記載のように、位置決突起部と前記板状取付部材の他方面側に介在する弾性部材を配設すると、板状取付部材への取付状態で、光コネクタのがたつきを防止できる。
【0113】
さらに、請求項6記載の発明によれば、ネジ止用孔部付の位置決突起部は、光ファイバコードの引出す方向に対して反対方向に向けて突出するように形成されているため、被取付部材への取付状態で、光ファイバコードに引張り力が加わっても、その力を、ネジ止用孔部付の位置決突起部と板状取付部材とのネジ止部分で受止めることができる。従って、光コネクタの取付強度に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る光コネクタ及び相手側の光コネクタを示す断面図である。
【図2】図2(a)は同上の光コネクタの平面図、図2(b)は同光コネクタの側面図、図2(c)は同光コネクタの背面図、図2(d)は同光コネクタの正面図である。
【図3】ストッパを示す斜視図である。
【図4】第1変形例に係る光コネクタを示す断面図である。
【図5】第2変形例に係る光コネクタを示す断面図である。
【図6】図6(a)はこの発明の第2の実施の形態に係る光コネクタの平面図、図6(b)は同光コネクタの側面図、図6(c)は同光コネクタの背面図、図6(d)は同光コネクタの正面図である。
【図7】同上の光コネクタを示す断面図である。
【図8】同上の光コネクタを板状取付部材に取付けた状態を示す一部断面平面図である。
【図9】図9(a)はこの発明の第3の実施の形態に係る光コネクタの平面図、図9(b)は同光コネクタの側面図、図9(c)は同光コネクタの背面図、図9(d)は同光コネクタの正面図である。
【図10】同上の光コネクタを示す断面図である。
【図11】同上の光コネクタを板状取付部材に取付けた状態を示す一部断面平面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバコード
2 光ファイバ
3 被覆部
10,10B,10C,10D,10E 光コネクタ
11 ハウジング本体部
13 フェルール案内筒部
14 フェルール案内孔部
15 ファイバ収容孔部
17D ロックアーム部
17Da 係止突部
18D,18E 位置決突起部
18Ea ネジ挿通孔部
20,20B,20C ガイド部
21,21C 保持孔部
22,22B ストッパ挿入孔部
30 ストッパ
50 光コネクタ
P 弾性部材
S ネジ
X 板状取付部材
Xa 係止孔部
Xb ネジ孔部
Claims (6)
- 光ファイバコードの端部に露出する光ファイバを収容するファイバ収容孔部を有し、相手側の光コネクタに接続されるハウジング本体部と、
前記ハウジング本体部の後方に連設され、前記ファイバ収容孔部後方に延出する光ファイバコードを一定の曲げ形態で保持する保持孔部又は保持溝部を有する曲げガイド部と、
を備え、
前記曲げガイド部の曲げ形状の内周部、外周部、一側部及び他側部のいずれかに、ストッパ挿入孔部が形成され、ストッパが、前記ストッパ挿入孔部を通って前記保持孔部又は保持溝部内に挿入配置されて、前記光ファイバコードの被覆部に係合することで、前記曲げガイド部で、前記光ファイバコードが位置決め保持されると共に、前記ハウジング本体部と前記曲げガイド部とは、一体形成されている、光コネクタ。 - 請求項1記載の光コネクタであって、
前記ハウジング本体部に、取付対象となる板状取付部材に形成された係止孔部に挿通されて前記板状取付部材の一方面側から係止する係止突部を有するロックアーム部と、前記板状取付部材にその他方面側から係止する位置決突起部とが形成された、光コネクタ。 - 光ファイバコードの端部に露出する光ファイバを収容するファイバ収容孔部を有し、相手側の光コネクタに接続されるハウジング本体部と、
前記ハウジング本体部の後方に連設され、前記ファイバ収容孔部後方に延出する光ファイバコードを一定の曲げ形態で保持する保持孔部又は保持溝部を有する曲げガイド部と、
を備え、
前記曲げガイド部の曲げ形状の内周部、外周部、一側部及び他側部のいずれかに、ストッパ挿入孔部が形成され、ストッパが、前記ストッパ挿入孔部を通って前記保持孔部又は保持溝部内に挿入配置されて、前記光ファイバコードの被覆部に係合することで、前記曲げガイド部で、前記光ファイバコードが位置決め保持され、
前記ハウジング本体部に、取付対象となる板状取付部材に形成された係止孔部に挿通されて前記板状取付部材の一方面側から係止する係止突部を有するロックアーム部と、前記板状取付部材にその他方面側から係止する位置決突起部とが形成され、
前記ロックアーム部と前記位置決突起部とは、前記ハウジング本体部の外周部からそれぞれ異なる方向に突出するように形成された、光コネクタ。 - 請求項2又は請求項3記載の光コネクタであって、
前記ハウジング本体部の両側部に、前記ロックアーム部が一対形成され、
前記曲げガイド部は、前記一対のロックアーム部を結ぶ仮想ラインと実質的に直交する方向に向けて引出すように、前記光ファイバコードを保持する、光コネクタ。 - 請求項2〜請求項4のいずれかに記載の光コネクタであって、
前記位置決突起部に、その位置決突起部と前記板状取付部材の他方面側に介在する弾性部材を配設した、光コネクタ。 - 請求項2〜請求項5のいずれかに記載の光コネクタであって、
前記各板状取付部材側にネジ止めするためのネジ止用孔部を形成した前記位置決突起部が少なくとも1つ形成され、
そのネジ止用孔部を有する位置決突起部が、前記曲げガイド部が前記光ファイバコードを引出す方向に対して反対方向に向けて突出するように形成された、光コネクタ。
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