JP3804571B2 - 食肉用改良剤ならびに該食肉用改良剤を用いる食肉加工食品の製造法 - Google Patents

食肉用改良剤ならびに該食肉用改良剤を用いる食肉加工食品の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、畜肉、魚介類等の食肉用改良剤と該食肉用改良剤を用いる品質の改良された食肉加工食品の製造法に関する。更に詳しくは、蒸し・焼き・フライ等の加熱工程や、保存時に発生する食感の硬さ・食味の劣化を抑制する効果、及び歩留まりの低下を防止する効果があり、常温ないしチルド又は冷凍下で24時間以上の保存でも従来技術に比べより品質劣化が少なく、ジューシーでソフトな食感・繊維感・食味が保持されることを目的とする畜肉及び魚介類等の食肉用改良剤及び該食肉用改良剤を用いる食肉加工食品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛・豚・鶏等の鳥獣肉及び淡・海水魚や貝類などの魚介類の食肉加工食品は、柔らかく且つジューシーでソフトな食感で美味しい食味が好まれる。しかしながら充分に満足のいく食感・食味を得られていない食肉加工食品が流通しているのが現状である。これら加工食品の大部分はコンビニエンス・ストアやスーパーマーケットなどで販売されている。コンビニエンス・ストアやスーパーマーケットなどで販売されている食肉や魚介類加工製品は、主にセントラルキッチンなどで下処理され大量調理されている。かかる調理時の加熱工程(蒸し・焼き・フライ等)で食肉及び魚介類は美味しいとされている肉汁(油脂+味液)が抜け出して硬く筋っぽくジューシー及びソフト感の無い不美味な肉が得られがちである。
又、セントラルキッチンなどから売り場に輸送される為、美味しく喫食される時間を超えてしまい食感及び食味が低下してしまうという現状があり、これらの改善が課題となっている。
【0003】
このような畜肉や魚介類加工食品の、時間が経過してもジューシー及びソフト感があり、美味しい食感・食味を有する等品質劣化防止対策として数々の検討が為されてきた。例えば(1)アルカリ製剤(リン酸塩類、炭酸塩類)などの単独もしくは組合わせで改質する方法(特開平4−36167号、特開平11−200823号、特許第2568946号)、(2)酵素製剤(タンパク質分解酵素など)により改質する方法(特開平5−276899号、特開平5−284944号)、(3)乳化剤配合(特開平8−276074号)、及び(4)これらの組合わせ法などそれぞれの特性を利用して効果を見出す方法が知られている。しかし、いずれも充分な食感及び食味の改質効果は得られていないのが現状である。(1)のアルカリ製剤を用いる方法は、ジューシー感の向上と歩留まり効果はあるものの、体内カルシウムがリン酸塩により排出する問題があり、更に時間が経過すると食感が硬くなり品質が低下する事や異味(主に苦味、渋み)の発生があり、(2)については、酵素製剤の安定性の確保が困難なこと及び添加量幅が狭く品質が不安定になること、更に時間が経過すると肉質が硬くなり品質の劣化の問題があった。また、(3)の乳化剤は肉質の表面にコーテイングする為調理すると柔らかさがに乏しい問題があった。(4)の例としては、アルカリ金属塩化物とアルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を含む食肉改質剤(特開平10−370923号)がある。これの添加効果を確認すると、食感及び食味が時間とともに劣化し、出来上がり時の機能(食肉の食感と食味のバランス)が損なわれておりジューシー感と肉の柔らかさの低下が認められた。このように、多数の先行技術はあるものの、また、無処理に比べればそれなりの効果はあるものの、食味と食感の向上を有する改質効果の優れた素材もしくは効率的な改質方法が更に求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カルシウム溶出の問題があるリン酸塩を使用しない食肉用改質剤の開発を目指し、該食肉用改質剤を畜肉、魚肉等食肉に添加処理した時、加熱工程で食感のソフト・ジューシー感の低下、歩留まりの低下、及びとりわけ食味の劣化を生じる事がなく、特に、少なくとも加熱調理後24時間常温ないしチルド又は冷凍下で保存しても食味の良い食肉加工食品の提供をその目的とする。ここでいう食味とは、他の調味料による調味付けによる味ではなく、本発明による改良剤自体での処理による、食肉の持つ本来の味、風味、食感を総合した美味しさを指す。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明者は上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、従来用いられていた食塩に代えて、焼き塩を用いただけでも歩留まりは5〜10%向上し、特に食味に関して著しい改善効果が得られること、また、この効果が焼き塩に含まれるマグネシウムによるものであることを発見し、更にこれをベースに、糖アルコール、エステル化又はエーテル化された化工澱粉、及び有機酸塩を適量配合した改質剤は、これを単独又は他の調味液などの溶液に添加し溶解もしくは分散させ、一定時間の浸漬・タンブリング・インジェクションなどの下処理工程を経て蒸し・焼き・フライ等の加熱工程にかけるか又は冷凍等により保存後加熱工程にかけると、従来の方法より効果的に食肉加工製品の食味改善でき、とりわけアルカリ剤使用の場合にみられた苦味・渋みの発生がなく、又、歩留まりも従来法に匹敵するまで向上し、作業効率を向上できる事等、驚くべき効果があることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、塩化ナトリウムに対しマグネシウムを0.025〜0.7重量%含む焼き塩1重量部に対し、糖アルコールを2.5〜5.5重量部、エステル化又は/及びエーテル化された澱粉誘導体を1.0〜2.5重量部、及び有機酸塩を0.3〜1.3重量部含有することを特徴とする食肉用改良剤であり、更に該食肉用改良剤を単独又は他の調味料とともに直接又は溶液状態で食肉に添加し、漬け込み、タンブリング、又はインジェクション等の処理を行う食肉加工食品の製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明について好ましい態様を挙げて更に詳細に説明する。本発明にいう食肉とは牛、豚、鶏等の鳥獣畜肉、一般に食される淡・海水魚、貝類等魚介類の食用となる肉部をいう。又、本発明でいう食肉加工食品とは、本発明による食肉用改良剤を用いて下処理され、そのまま保存されて喫食時に加熱調理されるもの、あるいは下処理後に加熱調理され流通におかれるものをさす。
【0008】
本発明における焼き塩とは、塩化ナトリウムに対しマグネシウムが0.025〜0.7重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%含まれ、焼成された食塩として用いられるものであればよく、特に300〜600℃、好ましくは400〜550℃で焼成されたものが食味の向上、更には食肉用改良剤自体の物性の取り扱いやすさの向上からより好ましい。本焼き塩は、塩化ナトリウムと塩化マグネシウムの混合物を焼成しても良いし、又はマグネシウムを海水のミネラル成分を濃縮して調整したものを塩化ナトリウムと共に焼成したものでも良く、塩化ナトリウムとマグネシウムの割合が上記範疇であるものは本発明に含まれる。塩化ナトリウムに対するマグネシウムの割合が0.025重量%以下では効果なく、0.7重量%以上では苦味が発生し好ましくない。
【0009】
本発明による食肉用改良剤中の焼き塩の含有量は、賦形剤等を添加しなけばおよそ10〜20重量%のものが調製できる。これをそのまま使用しても良いし、又は適宜賦形剤なり他の調味料等で調整し、使用しやすい食塩濃度とすることができる。一般的には食塩濃度は5〜15重量%に調整しておくと作業がし易い。というのは、これを原料生食肉に0.5〜10重量%添加すると食肉に対する塩濃度は0.025〜1.5重量%となり、改良剤として最も使い易いからである。 本改良剤の食肉に対する食塩濃度は0.025〜1.5重量%の範囲、より好ましくは0.2〜1.0重量%で用いることが望ましく、0.025重量%以下では効果が得られず、1.5重量%を超えると塩味が発生し、食肉・魚介類加工製品の食味が低下してしまうので好ましくない。
【0010】
本発明にいう糖アルコールとは、麦芽糖水飴及びオリゴ糖を主成分にした澱粉糖化物を水素添加して得られた還元澱粉糖化物から適宜1種以上を選択できる。本発明の食肉改良剤中の配合割合は焼き塩1重量部に対し2.5〜5.5重量部、好ましくは3.5〜4.5重量部の範囲が適当である。これ以下では求める効果が出ず、多すぎると食肉加工製品に不自然な甘味を与えてしまうので好ましくない。
【0011】
本発明にいう澱粉のエステル化又は/及びエーテル化された澱粉誘導体とは、食品又は食品添加物として利用できるものであれば適宜1種以上を用いることができる。又、澱粉誘導体以外の化工澱粉、例えばデキストリン等の分解産物、アルファ澱粉、アミロースなどの分画澱粉等は、エーテル化又は/及びエステル化して得られる澱粉誘導体の示す作用はないが、本発明による食肉用改良剤の賦形剤として用いることには何ら差しつかえない。エステル化又は/及びエーテル化された澱粉誘導体である化工澱粉の添加量は、焼き塩1重量部に対し、1.0〜2.5重量部であれば良く、好ましくは1.5〜2.3重量部である。添加量が1.0重量部未満では本発明の添加効果が得られず、また、添加量が2.5重量部を超えると食肉加工製品自体に澱粉様のボソボソした不自然な食感を付与してしまい好ましくない。
【0012】
本発明にいう有機酸塩は、調味料、酸味料として使用可能な食品添加物の中から適宜選択でき、例えばクエン酸、酒石酸、フマール酸、酢酸等の塩から1種以上が選ばれる。本発明には、クエン酸塩を主体とした有機酸塩が最も適している。有機酸塩類の添加量は、焼き塩1重量部に対し、0.3〜1.3重量部、より好ましくは0.5〜1.0重量部が良い。添加量0.3重量部未満では本発明の添加効果が得られず、また、添加量1.3重量部を超えると食肉加工製品自体に不自然な酸味を付与してしまい好ましくない。
【0013】
本発明による食肉用改良剤は、実際の作業のし易さを考慮し、焼き塩を基準に配合されるものであり、改良剤中の食塩濃度は目的とする食肉加工食品の呈味及び作業の仕方により、上述の配合割合をとる範囲内で適宜設定できる。この範囲で配合された改良剤は、いずれも本発明の効果を発揮できる。又、本発明の効果を阻害しないものであれば、賦形剤又は調味料として自由に添加できることは当然である。
【0014】
本発明による食肉改良剤の形態、使用方法は特に限定されないが、市水に添加、溶解又は混合するか、下処理時の調味付け用の調味液に添加する等の方法が挙げられる。この時の市水又は調味液の量は、経済的かつ効率的な観点から任意に選定できるが、通常食肉1重量部に対して0.1〜1.5重量部であることが望ましい。又、本発明品は食塩を含むので、調味液中に食塩がある場合は、目的とする食肉加工製品の最終食塩濃度には充分注意する必要があることは当然である。又、下処理は、漬け込み、タンブリング、インジェクション等、公知の方法が用いられる。漬け込み温度、時間等は、対象とする食肉の種類、形状により異なるが、通常1〜10℃にて30分ないし24時間処理され、これらは当業者であれば適宜選択できる。
【0015】
本発明の食肉・魚介類品質改質剤、又は品質改質剤を使用した食肉・魚介類製品の流通形態としては、(1)食肉用改質剤として流通される。(2)食肉用改質剤を生原料である畜肉・魚介類の食肉へ単独で、又は調味付けに用いる調味液に添加し、漬け込み・タンブリング・インジェクション等の下処理後、蒸し・焼き・フライ等の加熱調理された状態で流通される。(3)食肉用改質剤を生原料である畜肉・魚介類の肉類へ単独で、又は調味付けに用いる調味液に添加し、漬け込み・タンブリング・インジェクション等の下処理工程後、冷蔵又は冷凍し流通する。本発明に用いられる塩化物と糖アルコール、エステル化又は/及びエーテル化された澱粉誘導体及び有機酸塩類とを組み合わせた混合系は、品質劣化が低く冷凍〜チルド〜常温の畜肉・魚介類加工製品に適用できる。
【0016】
又、本発明による食肉改良剤を食肉の下処理に用いることにより、食肉・魚介類の加熱調理による食感の劣化、苦味・渋み発生の回避、離水などによる品質の低下が効果的に抑制され、且つ歩留まりが低下されず、畜肉、魚介類等の本来の食感、食味を付与することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実験例、及び実施例によりさらに説明する。尚、以下に示す「%」は全て「重量%」である。
(実験例1)本発明におけるマグネシウムの効果
生エビ(25〜30g/尾)の殻及び頭を除いたもの1000gに対して、市水1000gに、(A)塩化ナトリウム、(B)塩化ナトリウム98.5gと塩化マグネシウム6水塩1.5gを含む混合物(Mgとして0.18%)、(C)(B)を電気炉で450℃、2時間焼成したもの、(D)市販の焼き塩として味の素株製「瀬戸のほんじお焼き塩」(Mgとして0.18%)を各々30g溶解もしくは分散させた後、8〜10℃にて15時間漬け込みを行った。対照として従来から使用されている(E)炭酸水素ナトリウム、及び(F)ポリ燐酸塩としてトリポリ燐酸ナトリウムとピロ燐酸ナトリウム1:1(重量比)の混合物(以下ポリリン酸塩と略記)を、通常の肉に対する添加量である0.3%となるよう、3gを市水1000gに溶解し、同様の処理をした。 液切りを行い、衣を付けて170℃4分間フライし、得られたエビのてんぷらを密閉式保存容器に入れ冷蔵庫にて24時間保存した。これを電子レンジで温め(500W、30秒)、官能検査によりソフト感、ジューシ−感、食味について比較評価した。評価は開発担当者5名で行い、無添加品(市水のみ)より若干良い又は若干効果あるものを1点、良い又は効果があるものを2点、非常に良い又は効果が明らかなものを3点、無添加品より明らかに良くないものを−1点とし、結果を表1にその結果を示した。
【表1】
Figure 0003804571
【0018】
表1から明らかなように、炭酸水素ナトリウム、ポリ燐酸塩では水分が保たれ、ジューシー感はあるものの食味については明らかに塩化ナトリウムとマグネシウムを含むものが良く、市販の焼き塩で充分効果が発揮できた。
【0019】
(実施例1)本発明による食肉用改良剤の利用例
焼き塩として味の素株製「瀬戸のほんじお焼き塩」(マグネシウム0.18%含有)、糖アルコールとして東和化成工業株製「アマルティMR」、エステル化された澱粉誘導体として松谷化学株製「エマルスター30A」、有機酸塩としてクエン酸3ナトリウムを用いて表2に示す食肉用改良剤A〜D(以下改良剤と略記)を調製した。同時に、改良剤Dからそれぞれ糖アルコール、澱粉誘導体、有機酸塩を除き、その分をデキストリンで補った対象品E、F、Gを調製した。尚、作業性、比較評価をし易くするため、焼き塩濃度は10%に統一した。
【表2】
Figure 0003804571
【0020】
(実施例2)むきエビでの評価
実施例1で調製した改良剤A〜D及び対照品E〜Gを用い、実験例1と同様の操作により、むきエビを漬け込み処理し、てんぷらにした後24時間冷凍保存し、パネル数を10名として官能評価を行ったところ、改良剤A〜Dは何れもソフト感、ジューシー感があり、食味が優れていた。改良剤A〜Dに比べると、対照品Eは食味が、Fはソフト感が、又Gではジューシー感の点で劣り、焼き塩に対し、糖アルコール、澱粉誘導体、有機酸塩の3成分が本発明には必須であることが判明した。しかし、同時に行った無処理(市水浸漬)、炭酸水素ナトリウム、ポリ燐酸塩処理品よりはこれら対照品は食味の点で明らかに優れていた。改良剤Cと無添加、炭酸水素ナトリウム、ポリ燐酸塩処理での歩留まりと官能評価結果を表3に示した。尚評点は、無添加品を0とし、それと比較した。評価基準は以下の通り。3:非常に好ましい、2:好ましい、1:やや好ましい、−1:やや悪い、−2:悪い、−3:非常に悪い。
【表3】
Figure 0003804571
【0021】
改良剤は歩留まりもよく、食味が著しく改善されている。尚歩留まりは以下の式で計算した。
歩留まり=フライ後のエビ重量(衣を除く)/下処理前むきエビ重量X100
【0022】
(実施例3)鶏唐揚げでの評価
1片25〜30gにカットした鶏モモ肉1000gに対し、調味液160g(醤油40g、砂糖5g、MSG5g、酒10g、ジンジャーペースト15g、ガーリックペースト5g、市水80g)を調製し、これに実施例1に示した改良剤Cを20g溶解した。上と同じ組成の調味液を3ヶ調製し、それぞれに市水20g(無添加品)、炭酸水素ナトリウム3g、ポリ燐酸ナトリウム3gを溶解した調味液を用意した。 これら調味液に鶏モモを漬け込み、8〜10℃にて1時間下処理を行った。 その後、小麦粉バッター液で衣付けを行い、170℃4分間フライし、得られた鶏唐揚げを密閉容器にてチルド条件下の5〜10℃で24時間保存した。喫食事は電子レンジで温め、歩留まり測定と、無添加品を対照にしてパネル10名による官能評価に付した。評価基準は実施例2と同じである。結果を表4に示した。
【表4】
Figure 0003804571
【0023】
表4に示す通り、本発明による改良剤による鶏唐揚げは、24時間保存後でも、アルカリ製剤の特徴である肉の繊維感の劣化もなく、食味の高い評価を得た。又、製品の歩留まりもアルカリ製剤、ポリ燐酸塩を使用しなくてもこれらと同等の効果を示した。
【0024】
(実施例4)下処理工程の比較
実施例1の改良剤Bの澱粉誘導体をエーテル化された松谷化学株製フードテックスに変え、更にデキストリンの10%をMSG(グルタミン酸ナトリウム)に変えた改良剤B1を調製し、漬け込み、タンブリング、インジェクションによる下処理工程の効果を比較した。実験は、下処理工程以外は実施例4に準じて行った。漬け込み条件は8〜10℃1時間、タンブリングはタンブラー(3連式マッサジワゴン)により1時間、インジェクションはインジェクター(スーパーミニインジェクター)によりに改良剤を溶解した調味液10〜30ml/100g鶏モモ肉の割合で打ち込んだ。下処理終了後の歩留まりを測定し、結果を表5に示した。
【表5】
Figure 0003804571
【0025】
表5に示す通り、いずれの下処理工程も本発明品で有効に機能し、従来の改良剤と同等以上の効果を示した。この内、改良剤B1で下処理処理した3種をそのまま凍結し、48時間後に170℃4分フライした鶏唐揚げは、下処理直後にフライしたものと全く同等の、ソフト感、ジューシー感、繊維感を示し、良好な食味を呈した。
【0026】
(実施例5)穴子での評価
実施例1での改良剤Cの糖アルコールを東和化成株製アマルティと東和化成株製粉末ピーオー(1:1、重量比)に変え、また澱粉誘導体を松谷化学株製エマルスター30Aと日本食品化工株製アルスターH(1:1、重量比)に変え、更にデキストリンの25%分をMSGに変えた改良剤C1を調製し、実施例3と同様の調味液を用い、漬け込み法による蒸し穴子での効果をみた。蒸しは95℃30分行い、得られた蒸し穴子を24時間冷凍後電子レンジで解凍/加熱し、10名のパネルで官能評価した。評価基準は実施例2と同様である。結果を表6に示した。
【表6】
Figure 0003804571
【0027】
上記結果が示すように、改良剤の添加量が1〜7%で良く、特に3〜5%が良かった。
【0028】
【発明の効果】
以上示したように、本発明による食肉用改良剤を用いて食肉を下処理し、加熱調理を加えることにより、歩留まりを保ちつつ、ソフト感・ジューシー感、繊維感があり、24時間の常温ないしチルド又は冷凍保存後でも食味の劣化が少ない食肉の加熱加工食品が得られる。

Claims (4)

  1. 塩化ナトリウムに対しマグネシウムを0.025〜0.7重量%含む焼き塩1重量部に対し、糖アルコールを2.5〜5.5重量部、エステル化又は/及びエーテル化された澱粉誘導体を1.0〜2.5重量部、及び有機酸塩を0.3〜1.3重量部含有することを特徴とする食肉用改良剤。
  2. 糖アルコールが還元澱粉糖化物の1種以上であり、有機酸塩がクエン酸、酢酸、酒石酸、コハク酸の塩から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の食肉用改良剤。
  3. 請求項1または2記載の食肉用改良剤を、直接又は溶液状態で食肉に添加し、漬け込み、タンブリング又はインジェクションから選ばれる1種以上の下処理に供せられることを特徴とする品質の改良された食肉加工食品の製造法。
  4. 請求項1または2記載の食肉用改良剤が、請求項3に記載の下処理時に、他の調味料とともに添加されることを特徴とする請求項記載の食肉加工食品の製造法。
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