JP3804557B2 - 空気調和機の室外機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば空気調和機の室外機などのようにプロペラファンの吹出し側に吹出グリルを有する送風機器、及び吹出グリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の送風機器として、一般的な空気調和機の室外機を示す。(a)は正面図、(b)は上面から見た断面構成図である。
1はプロペラファン(以下、ファンと記す)、2はモータ、3は熱交換器、4は吹出口、5は吸込口、6は吹出グリル、7は吹出グリル6の第一の桟、8は吹出グリル6の第二の桟である。箱型の機体の中にファン1とファン1を駆動するモータ2が設置され、その吹出口4側に吹出グリル6が設置されている。機体への外気の吸込口5には熱交換器3が配置されている。
ファン1が矢印に示すように反時計回りに回転すると、吸込口5から熱交換器3を通って外気が室外機内に吸込まれる。室外機内に吸込まれた空気は、吹出口4に設置される吹出グリル6を通って室外機外に吹出される。
【0003】
室外機における吹出グリル6は、回転するファンに人が触れることによる危険を防止したり異物が機内に侵入して室外機が破損するのを防止したりするために設けられている。そして、近年では室外に置かれている室外機内を機外から目隠しすることで室外機の美観性を高めたり、室外機の設置場所によって吹出風の風向を変更して、吹出風が周囲に影響を及ぼさないように考慮されている。このため、吹出グリル6は一方向には平行桟列である第一の桟7を有し、これと直行する方向に第一の桟7を保持するように第二の桟8を有するような格子状の構成が一般的である。そして、第一の桟7はある程度の幅を有し、目隠しや空気流の吹出し方向を変更できる構成となっている。
【0004】
このような構成の吹出グリル6を空気流が通過する際に、吹出グリル6の格子状の桟7、8、特に幅を有する桟7と空気流との干渉により騒音が発生し、その低減の為にこれまでに様々な工夫がされている。
例えば、図13は、特開平10−281499号公報に掲載されている室外ユニットを示す正面図である。直線Lは、ほぼファン中心軸を通ってこれに直交する方向に延びると共に、ファン1の吹出側から見て第一の桟7に対してファン回転方向に所定の交差角をもつ直線である。
この吹出グリル6では、第一の桟7の入口角を、上流から下流に向かって傾斜させている。さらに、直線Lを境として、その一方側C1に位置する部分の第一の桟7の入口角と他方側C2に位置する部分の第一の桟7の入口角とを異なるように構成している。
【0005】
ファン1から吹出される空気流はファン回転方向に沿った旋回流となり、吹出グリル6を通過する。直線Lに対して向かって左下側の領域C1においては、吹出グリル6に対し気流が上流から下流に向かって下向きに流入する。逆に、直線Lに対して向かって右上側の領域C2においては、吹出グリル6に対し気流が上流から下流に向かって上向きに流入する。この空気流に沿うように第一の桟7の入口角を構成し、グリル6における空力騒音の低減及び通風抵抗の減少を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示すように、従来の送風機器では吹出グリル6の領域を直線Lによって大きく2つに分割し、上方から通過する空気流と下方から通過する空気流に沿うように、第一の桟7の入口角を構成している。例えば図13において、位置Mと位置Nにおける空気流は同じ領域C2でありどちらも上流から下流に向かって上向きに通過するので、従来装置では同様の入口角で構成している。ところが、プロペラファン1が反時計回りの矢印方向に回転して送風を行なう場合、ファン1から吹出グリル6側に吹出される空気流は、回転軸を中心とした旋回流になり、ファン1の回転軸方向成分を有すると共に、回転方向成分を有する。このため、位置Mにおける空気流は下側から通過する成分は小さく、右から左へ水平方向に通過する成分が大きくなる。他方、位置Nにおける空気流は下側から通過する成分が大きく、左から右へ水平方向に通過する成分は小さくなる。このように、従来の吹出グリル6の桟7では、例えば位置Mと位置Nで通過する空気流に最適な構成であるとは言えず、騒音をある程度低減できるものの、まだ改良の余地がある。
【0007】
また、空気調和機の室外機の場合には、図12(b)の矢印14のように、吹出した空気がその側面の吸込口5から直ぐに機内に吸込まれる現象が起こる。この現象はショートサーキットと呼ばれ、吹出した空気の温度は外気よりも熱交換器3の温度に近いので、熱交換効率が低下してサイクルの効率が悪くなり、場合によっては運転できなくなることもある。ところが従来の送風機器における吹出グリルでは、ショートサーキットを低減する工夫は含まれておらず、実際にショートサーキットを避けることはできない構成となっている。また、従来、ショートサーキットを避ける送風機器としては、プロペラファンの羽根の形状を変更して吹出し気流の広がりを抑えたりしていた。
【0008】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、プロペラファンの吹出し側に吹出グリルを有する送風機器において、ファンから吐出される空気の流れを考慮して吹出グリルを構成し、騒音を低減すると共に通風抵抗を小さくでき、送風性能に優れ、低騒音の送風機器を得ることを目的とするものである。
また、さらに吹出口の端部での空気流の広がりを抑え、ショートサーキットなど、吹出した空気流が周囲に影響するのを低減できる送風機器を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る空気調和機の室外機は、空気調和機の室外機本体内に設置されたプロペラファンと、前記プロペラファンの回転により吹出される空気流を通過させて前記室外機本体外に吹出す吹出グリルと、前記吹出グリルと隣接する前記室外機本体の側面および前記吹出グリルと対する前記室外機本体の側面に設けられた吸込口と、前記吸込口に沿って配置され、前記吸込口からすいこまれる外気と熱交換を行う熱交換器と、前記吹出グリルに鉛直方向に伸びるよう設けられ略平行に配置した複数の第一の桟であり、少なくとも前記プロペラファンの回転軸を中心とし前記プロペラファンから吹出される空気流の風速が最大となる円周の近傍で、前記第一の桟の軸方向に垂直な断面の弦線を、回転軸方向からその位置の前記空気流の通過方向に所定の角度傾けた第一の桟と、を備え、前記第一の桟の軸に垂直な方向の距離において前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟の前記円周の近傍での角度を、前記回転軸から遠い位置に配置された第一の桟の前記円周の近傍での角度よりも大きくするとともに前記第一の桟の前記円周の近傍における弦線の方向と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟から、前記回転軸から遠い位置に配置された第一の桟に向かって、漸次小さくし、さらに前記風速が最大となる円周よりも外側に配置される第一の桟の弦線の方向を、ほぼ前記回転軸方向に向け、前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸近傍で逆方向に変化させ、前記回転軸から遠くかつ前記風速が最大となる円周よりも近い位置に配置された第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記第一の桟の軸方向位置によって漸次変化させたことを特徴とするものである。
【0010】
また、この発明の請求項2に係る空気調和機の室外機は、前記プロペラファンのファン半径の約70〜100%を半径とする円周よりも外側に配置される前記第一の桟の弦線の方向をほぼ回転軸方向に向けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項3に係る空気調和機の室外機は、前記第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸の位置から前記プロペラファンの回転軸方向にずれた位置で逆方向に変化させたことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る送風機器として、例えば空気調和機の室外機(以下室外機と略記する)について説明する。図1は実施の形態1による送風機器である室外機を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は上面から見た断面構成図である。図において、1は軸流ファンや斜流ファンなどのプロペラファン(以下ファンと略記する)、1aはファンの回転軸、2はファン1を駆動するモータ、3は熱交換器、4は空気の吹出口、5は空気の吸込口、6は吹出グリル、7は吹出グリルの第一の桟、8は吹出グリルの第二の桟、矢印10はファン1の回転方向で、ここでは反時計回りとしている。このファン1は回転軸1aのまわりに例えば3枚の羽根を有し、モータ2によって回転軸1aを軸として回転する。
【0019】
概直方体の送風機器本体、例えば室外機本体の中にファン1を設置し、吹出口4は室外機本体の側面に配置し、吹出口4には吹出グリル6が固定されている。吸込口5は吹出口4と隣接する側面に配置し、図1の室外機では吹出口4と対する側面にも配置される。吸込口5には熱交換器3を配置して、室外機内に吸込まれる外気が熱交換器3を通過することで熱交換するように構成している。
ファン1の作用により吸込口5から熱交換器3を通って外気が室外機本体内に吸込まれる。室外機本体内に吸込まれた空気は、吹出口4に設置される吹出グリル6を通過し室外機本体外に吹出される。
【0020】
吹出グリル6の第一の桟7は、例えばその軸方向が鉛直方向に延びるように配設され、複数の桟7で概平行の桟列を構成し、この桟列と交差する第二の桟8で保持されている。第一の桟7の軸方向と垂直な断面形状について、図2を用いて説明する。図2は、この実施の形態による送風機器の吹出しグリルの第一の桟の傾きを説明する説明図であり、図2(a)は室外機の正面図、図2(b)は第一の桟7のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線における断面を示す。ここでは、第一の桟7の断面は例えば翼形状とする。図において、直線7aは弦線と称し、第一の桟7の断面において回転軸方向で最もファン側である点と最も機外側である点とを結ぶ直線である。9はファン回転軸と平行な直線で、この直線9の伸びている方向をここでは回転軸方向と称する。
A−A線、B−B線は、第一の桟の軸に垂直な方向の距離において、回転軸1aから近い位置に配置された第一の桟7の断面を示し、C−C線、D−D線は回転軸1aから遠い位置に配置された第一の桟7の断面を示す。また、図3はこの実施の形態に係り、風速の最大となる領域の流速ベクトルを示す説明図で、ファン1で吹出される空気の風速が最も速い領域の流れベクトルを、回転軸1aに垂直な面に投影したベクトル成分であり、矢印11は正面(回転軸下流側)から見たベクトル成分を示している。吹出グリル6へ流入する風速の最大となる位置は、ほぼ同一半径の円周の位置になる。この位置は一般的にはファン径の70%〜100%の間の半径の円周付近あり、図2におけるA−A線〜D−D線はこの円周近傍における断面を示している。実際にファン1から吹出される空気流は、ベクトル成分11に回転軸方向のベクトル成分が合成されたものとなる。回転軸方向のベクトル成分は、最大の風速となる円周ではほぼ同一の大きさである。
【0021】
また、回転軸1aを通り第一の桟7の軸に垂直な方向の距離で、モータ2に接続され回転中心となる回転軸1aの位置を基準として、羽根の接続されているあたりまでを回転軸に近いと称する。この範囲では、ファンから吹出す空気流がそれほど速くない部分である。羽根の接続部から遠ざかるに連れて、ファンから吹出す空気流の速さが次第に増し、ファン径の70%〜100%の間あたりで、ファン1から吹出す空気流の風速が最大になる。さらに最大となる位置よりも遠くになると風速は遅くなる。
【0022】
ファン1が回転方向10に回転すると、A−A線の位置ではファン側から機外側に図に向かって右下から左上へ空気が流れる。そこで、桟7はこの空気の流れに沿うように弦線7aを回転軸方向9から20°〜50°程度空気流の通過方向である左側に傾けている。またB−B線の位置ではファン側から機外側に図に向かって左上から右下へ空気が流れる。そこで、桟7はこの空気の流れに沿うように弦線7aを回転軸方向9から20°〜50°程度空気流の通過方向である右側に傾けている。回転軸1aから遠い位置に配置された桟7では、C−C線断面、D−D線断面に示す様に、弦線7aをほぼ回転軸方向9に平行にしている。
【0023】
吹出グリル6と空気流との干渉音やショートサーキットは、流速の速い空気流の影響が大きい。そこで図2では、少なくとも回転軸1aに垂直な面で風速の最大となる円周近傍での桟7の弦線7aの角度を、これを通過する空気流に沿うように、回転軸方向9から所定角度傾けている。この所定角度について、以下に説明する。
図3の空気流11を回転軸方向に平行な面、かつ桟7の軸に垂直な断面で示すと、図4のようになる。図4は桟を通過する空気流の角度を説明する説明図であり、図4(a)は図3の矢印11aの位置における説明図である。この図で矢印11aは、図3の矢印11aを桟7の軸に垂直な面に投影したベクトルを示すものであり、11fは空気流の回転軸方向のベクトルを示す。合成するとベクトル11gとなり、回転軸方向からの角度Θaだけ傾いて上流から下流へ吹出す。一方、図3の矢印11bの位置における説明図を図4(b)に示す。この矢印11bは図3の矢印11bを桟7の軸に垂直な面に投影したベクトルを示すものであり、11fは空気流の回転軸方向のベクトルを示す。合成するとベクトル11hとなり、回転軸方向からの角度Θbだけ傾いて上流から下流へ吹出す。このようにファン1から吹出した空気流が吹出グリル6へ流入するので、つまりはベクトル11g、11hが、桟7の軸に垂直な面において第一の桟7を通過する空気流となる。
【0024】
図4で示したように、11a>11bの時にはΘa>Θbとなる。即ち、図3においてベクトル11の桟7の軸方向に垂直な方向(図では水平方向)の幅11a、11bが大きいほど、桟7を通過する空気流は回転軸方向9から大きな角度を有することになる。そこで、図2(b)に示すように、第一の桟7の軸に垂直なA−A線〜D−D線断面で、弦線7aの上流から下流への方向を、回転軸方向9からファン1の回転方向に所定の角度傾ける。更に、風速の最大となる円周近傍における弦線7aと回転軸方向9との角度を、回転軸1aから近い位置に配置された第一の桟7の弦線7aの角度、即ちA−A線、B―B線での角度を、回転軸1aから遠い位置に配置された第一の桟7の弦線7aの角度、即ちC−C線、D―D線での角度よりも大きくした。また、A−A線とB−B線断面ではファン1によって吹出される空気流が第一の桟7を通過するときの通過方向が逆であるので、図2(b)に示すように、A―A線では上流から下流に向かって回転軸方向9から左側へ傾け、B−B線では回転軸方向9から右方向へ傾けている。
【0025】
このように、回転軸方向9から弦線7aを傾けることで、最大風速の空気流による桟7の表面や後流の乱れが少なく、空力騒音を低減できる。更にファン1から吹出す空気流の抵抗が少なくなり、送風性能を向上できる。
さらに、第一の桟7の軸に垂直な方向の距離において、回転軸1aから遠い位置に配置された桟では、桟7の断面方向を回転軸1aとほぼ平行とすることで空力騒音を低減でき、かつ、ファン1から吹出した径方向へ広がる成分をもつ空気流を回転軸1aと平行な方向、即ち吹出口4の前方へ向けることができる。室外機本体の設置場所によっては、広範囲に広がる空気流を吹出すと隣家や通行人や植木などの周囲に影響を及ぼす場合があり、これをある程度防ぐことができる。特に図2における第一の桟7は鉛直方向に延びる桟としており、吹出口4から左右へ広がる空気流を吹出口4の前方への空気流に風向を変更できる。このため、送風機器が空気調和機の室外機である場合、吹出口4と隣接する側面に配置されている吸込口5へ流れにくくなり、ショートサーキットが低減され、熱交換効率が低下するのを防ぐことができる。
【0026】
実際に、断面形状の弦線7aの長さである最大距離とそれと直交する方向の幅方向の最大距離との比が3以上(例えば弦線長が12mmであれば、直交する方向の幅が4mm以下)の場合、騒音の低減及びショートサーキットの低減に効果が見られたのを試験によって確認した。
【0027】
図2に示した構成では、A−A線〜D−D線断面における例えば3本づつの桟の弦線7aと回転軸方向9との角度を同じにしている。これは3本に限るものではなく、2本にしてもよいし、4本以上の桟7について同じ角度にしてもよい。また、A−A線断面とB−B線断面では1本の桟7で鉛直方向の上側では回転軸方向9から左側に傾き、下側では右方向に傾けている。即ちこれを実現しようと思うと、途中で傾ける方向を変更する必要がある。これは上側から下側に向かって段階的に変化させてもいいし、漸次変化させてもいいし、回転軸1a付近で変更点を設けてもよい。
【0028】
また、第一の桟7の弦線7aと回転軸方向9との角度を図5のように構成してもよい。図5は実施の形態1に係り、別の構成の送風機器の吹出しグリルの第一の桟の傾きを説明する説明図である。図に示すように、少なくとも風速が最大となる円周近傍において、第一の桟7の軸方向に垂直な断面における弦線7aを回転軸方向9から所定角度傾けている。更に、第一の桟7の軸に垂直な方向の距離が、回転軸1aから近い位置に配置される桟7から、回転軸1aから遠い位置に配置される桟7に向かって、漸次小さくしている。ここでは、全ての桟7について記載していないが、省略した桟7に関しては弦線7aを両隣の桟のどちらか一方の桟7と同様に傾けるか、両隣の角度の中間の角度だけ傾けている。
【0029】
このように、第一の桟7の軸方向に垂直な断面の弦線7aと回転軸方向9との角度を構成することで、流入速度の速い領域で空気流に沿うように第一の桟7を傾けているので、桟7の表面や後流の乱れが少なく、空力騒音を低減できる。更にファン1からの吹出流れの抵抗を少なくでき、送風性能を向上できる。
さらに、図2の構成と同様、回転軸1aから遠い位置に配置された桟7では、桟7の弦線7aをほぼ回転軸方向9に向けている。このため、径方向へ広がる成分をもつファンからの吹出し空気流の方向を、回転軸1aと平行な方向へ向けることにより、吹出風の広がりによる周囲への影響を防止でき、隣接する吸込口5へ直ぐに流入してしまうショートサーキットを低減できる。
【0030】
第一の桟7の軸方向断面における弦線7aの傾き角度は、ファン1から吹出す空気流が最も速い半径位置での流れ特性を基準にして決め、少なくともこの円周近傍での弦線7aを、その位置を通過する空気流に沿うように傾けることが望ましい。ファン1から吹出す空気流の風速が最大になる円周は、ファン径の70%〜100%の間にあるので、その範囲で最大風速となる半径位置を探せばよい。例えばファン径の70%〜100%の位置にセンサを設けて、風速および風向を検出してプロペラファン1の特性を知り、この空気流の風速および風向に合うように吹出グリル6の構成を決定すればよい。
また、図2と同様、1本の桟7において鉛直方向の上側では回転軸方向9から左側に傾き、下側では右方向に傾けている。即ちこれを実現しようと思うと、途中で傾ける方向を変更する必要がある。これは上側から下側に向かって段階的に変化させてもいいし、漸次変化させてもいいし、回転軸1a付近で変更点を設けてもよい。
【0031】
また、図6のように吹出グリル6の第一の桟7を構成してもよい。図6は、さらに別の構成の送風機器の吹出しグリルの第一の桟の傾きを説明する説明図で、図6(a)は室外機を吹出し側から見た正面図であり、吹出グリル6の第一の桟7が鉛直桟列の場合を例に挙げている。回転軸1aと同一の水平位置を基準とし、上側をプラス(+)側の軸方向位置とし、下側をマイナス(−)側の軸方向位置とする。図6(b)は弦線7aの傾きを定義する説明図であり、桟7の軸に垂直な断面(E−E線断面)での回転軸方向9と弦線7aとのなす角度を弦線7aの傾きと称し、回転軸方向9からの弦線7aの下流側に開く角度を、図に向かって左側にプラス(+)側、右側にマイナス(−)側とする。
ここでは1本の桟7、例えば桟A〜桟Fのそれぞれにおいて、軸方向位置で弦線7aの回転軸方向9からの角度を漸次変化させている。さらに、風速の最大となる円周近傍では、回転軸1aから近い位置に配置された桟C,Dから遠い位置に配置された桟A,Fに向かって、弦線7aの回転軸方向9からの角度を漸次変化させている。例えば桟Cから桟Aに向かって、弦線7aと回転軸方向9との角度を次第に小さくしている。
【0032】
図7は、略平行な桟列を構成する第一の桟7のうち、桟A、桟B、桟C、桟D、桟E、桟Fに関して、桟の軸方向位置に対する弦線7aの傾きを示すグラフである。第一の桟の軸に垂直な方向において、各桟と回転軸1aからの距離を示すと、(桟C、桟D)<(桟B、桟E)<(桟A、桟F)である。図7の縦軸は第一の桟7の軸方向位置を示すものである。また、図7の横軸は弦線7aの傾きである。
【0033】
ここで、一本の桟、例えば桟Bの弦線7aの回転軸方向9からの傾きについて検討する。図8は桟Bの軸方向位置について、桟を通過する流入ベクトルを正面(回転軸下流側)から見た説明図である。ベクトルを示す矢印12は方向を表しているが、向きを見易いように大きさ(風速)は変えている。桟Bに流入する空気流は、図3に示した風速の最大となる円周近傍で最も大きく回転軸方向9から傾いて通過する。軸方向位置の+側から見ていくと、桟Bの弦線7aは、範囲Q付近で回転軸方向9から+側に大きな角度、例えば40°を有し、この位置はほとんど桟Bの上端であるので、これより上側も同じ角度とする。範囲Qから軸方向位置がー側に向かうにつれて、次第にこの角度は小さくなる。軸方向位置が回転軸を通る位置、即ち軸方向位置が0である位置で、桟Bに流入する空気流はまだ半径方向の外側を向いているので、弦線7aは回転軸方向9から+側に傾いている。ファン1から吹出す空気流が旋回流であるため、桟Bの弦線7aが回転軸方向9と一致する位置は回転方向にずれて、位置S付近となる。ここから軸方向位置が更に−側に向かうと、範囲R付近で回転軸方向9から−側に大きな角度、例えば−40°を有し、位置Sから位置Rの間は漸次−側に変化する。範囲R位置はほとんど桟Bの下端であるので、これより下側も同じ角度とする。全体として桟Bは螺旋状に捻じれた形状となっている。桟Bの軸方向位置に対する弦線の傾きの変化のようすを、図7のグラフの桟Bに示している。
【0034】
回転軸1aから同等の距離にある桟Eでも同様に、螺旋状に捻じれた形状となるが、ファン1から吹出す空気流が旋回流であるため、桟Eの弦線7aが回転軸方向9と一致する位置は回転方向にずれる。即ち、弦線の傾きが逆方向に変化するのは、図8で示す軸方向位置が+側の位置T付近となる。このため、弦線の傾きは図7の桟Eに示すようになる。
桟B、桟Eは、回転軸1aを通り第一の桟7の軸に垂直な方向の距離で、モータ2に接続され回転中心となる回転軸1aの位置を基準として、羽根の接続部から遠く、かつ風速が最大となる円周よりも近い位置に配置された桟である。この範囲にある第一の桟7を通過する空気流は、風速が最大となる円周付近である桟の上部及び下部で最大となり、その中間部分では通過する空気流の速さ及び風向は連続的に漸次変化する。このため、弦線7aと回転軸方向9との角度を、軸方向位置によって漸次変化させている。
【0035】
次に、ファン1の回転軸1aに垂直な面で、回転軸1aから近い位置、即ち回転軸1aの位置から羽根の接続部近傍までの範囲に配置された第一の桟7、例えば桟C、桟Dについて説明する。図7に示すように、桟C、桟Dは、軸方向位置が+側の端部では弦線7aの傾きを例えば50°程度に大きくし、軸方向位置が回転軸1aのほぼ近くになるまで大きな弦線7aの傾きを保っている。そして、回転軸1a近傍を通過し軸方向位置がー側になると、弦線7aの傾きを逆に例えば−50°程度にする。回転軸1aから近い位置に配置される桟C、桟Dは、回転軸1a近傍を中心とする円の径方向に延びる桟であり、桟C、桟Dの風速が最大となる円周位置での空気流は、図3で述べたように、第一の桟7の軸に垂直な断面では直線9と大きい角度で上流から下流へ流れる。このため、桟C、桟Dの弦線7aを直線9から大きく傾けて構成することで、桟の表面や後流の乱れが少なく、空力騒音を低減される。
さらに、回転軸1aに垂直な面において、ファン1から吹出される旋回流は、回転軸1aから風速が最大となる位置までは、半径方向に遠ざかるに従って空気流の方向はほぼ同じ方向であり風速は次第に大きくなる。空気流の方向はほぼ同じ方向であるため、図7に示すように、桟C、桟Dの軸方向の両端では弦線7aの傾きを+側と−側に大きくし、回転軸1a近傍で逆方向に変化させている。
【0036】
次に、桟A、桟Fに関しても弦線7aの傾きに対する設定は、桟C、桟Dと同様であるが、桟A、桟Fの回転軸1aに垂直な面で風速の最大となる円周の位置では、図3に示すようにわずかに径方向外側を向いており、回転軸方向9の成分が大きい。桟A、Fの軸方向の両端部では風速の最大となる円周よりも外側である。そこで、軸方向位置が+側では弦線7aの傾きを例えば20°程度とし、軸方向位置が回転軸1aのほぼ近くになるまで徐々に傾きを小さくしている。そして、軸方向位置が+側から−側に向かうに連れて、ねじるように漸次変化させ、回転軸1a近傍を通過し軸方向位置がー側になると、弦線7aの傾きを逆に例えばー20°程度にする。弦線7aが+側から−側に変化するのは、桟Aでは軸方向位置が−側、即ち回転軸1aよりもファン1の回転方向である下側の位置であり、桟Fでは軸方向位置が+側で、やはり回転軸1aよりもファン1の回転方向である上側である。この弦線7aの傾きを逆方向に変化させる軸方向位置は、桟A、桟Fでは、桟B、桟Eよりもさらに回転方向にずらしている。
【0037】
桟A〜桟Fに示したように、桟の弦線7aの回転軸方向9からの傾きを、桟7の軸方向のあらゆる個所で桟7を通過する空気流に沿った形状にしており、通過する空気流と桟との干渉を極力小さくでき、桟の表面や後流の乱れが少なく、空力騒音を大幅に低減できる。更にファンからの吹出し流れの抵抗が少なくなり送風性能を向上できる。
また、桟A、桟Fでは、回転軸1aに垂直な面で風速の最大となる円周近傍において、弦線7aの方向は回転軸方向9に比較的平行な方向となる。これにより、空気の吹出口4から吹出す空気流が横方向に広がるのをある程度防ぐことができ、例えば空気調和機の室外機などのショートサーキットが起こるような送風機器で、ショートサーキットを低減できる。
【0038】
また、図9は、図7と同様、各桟7の弦線7aの回転軸方向9からの傾きを示すグラフで、桟A,Fの弦線の傾きを図7の構成とは変化させたものである。ファン1からの吹出し風速が最大となる領域は、回転軸1aを中心とし、ファン半径の約70〜100%を半径とする円周の位置近傍にあり、その位置よりも回転軸1aから遠い位置、即ち外側に配置する桟において、弦線7a傾きをほぼ回転軸方向9にしている。例えば桟A、桟Fがこの吹き出し風速が最大となる円周よりも外側にあるとし、その弦線7aの傾きを、軸方向位置に関わらず、図9のようにほぼ回転軸方向9と平行、即ち傾きをほぼゼロとした。
このように構成することにより、吹出口から径方向に広がる空気流を回転軸方向9に風向を変更することができ、空気の吹出口4から左右方向に吹出される空気流が側面や裏面に位置する空気の吸込口5に流れるのを防止して、ショートサーキットを低減することができる。
【0039】
なお、上記では第一の桟列7を、その軸が鉛直方向に延びるように平行に配置した桟列としたが、その軸が水平方向に延びるように平行に配置してもよい。水平方向に第一の桟7を配置した構成においても、少なくともファンから吹出される空気流の風速が最大となる円周の近傍で、第一の桟7の軸方向に垂直な断面の弦線を、回転軸方向9からその位置の空気流の通過方向に所定の角度傾ける。更に、第一の桟7の軸に垂直な方向の距離において、回転軸1aから近い位置に配置された第一の桟の円周の近傍での角度を、回転軸1aから遠い位置に配置された第一の桟の円周の近傍での角度よりも大きくするすればよい。この構成により、鉛直方向に伸びる桟と同様、桟の弦線7aの回転軸方向9からの傾きを、桟7の軸方向のあらゆる個所で桟7を通過する空気流に沿った形状にできる。このため、通過する空気流と桟との干渉を極力小さくでき、桟の表面や後流の乱れが少なく、空力騒音を大幅に低減できる。更にファンからの吹出し流れの抵抗が少なくなり送風性能を向上できる。
また、第一の桟7を水平方向に延びる桟とすれば、吹出口4から上下へ広がる空気流を吹出口4の前方への空気流に風向を変更できる。このため、吹出口4と対する側面に配置されている吸込口5へ流れにくくなり、この場合にもショートサーキットをある程度は低減できる。即ち、図6を回転軸1aを中心として90度回転した図になり、各桟7の構成は実施の形態1と同様である。そして、回転軸1aの遠くに配置される桟A、桟Fによって上下に広がる方向の空気流を回転軸方向へ方向変更させることになる。このため、空気の吹出口4から上下方向に吹出される空気流が側面や裏面に位置する空気の吸込口5に流れるのを防止して、ショートサーキットをある程度低減することができる。
また、第一の桟7で構成される平行な桟列が、水平でも垂直でもなく、設置面に対して斜めに設けられていても、同様である。
また、上記では第一の桟7の弦線7aを回転軸方向9から傾けて通過する空気流に沿うような構成としたが、これに交差する第二の桟8も同様に回転軸方向にある程度の幅を設け、これを空気流の向きに沿うように傾けてもよい。
【0040】
また、第一の桟7の軸方向の断面形状は、翼型や楕円型や薄板など、どのような形状のものでもよいが、回転軸方向に数mm以上の幅のある構成とし、その回転軸からの傾きを設定できるものとする。その場合にも、第一の桟7の断面において、回転軸方向9で最もファン側に近い端部と最も機外側に近い端部とを結ぶ直線を弦線とし、この弦線を回転軸方向から傾ければよい。また、空気の吹出口4は円形であるものについて述べたが、これに限るものではなく、四角など、他の形状でもよい。
【0041】
実施の形態2.
この実施の形態は、第一の桟7を保持する第二の桟8に関するものである。第一の桟7に関しては実施の形態1に記載した構成の何れでもよい。図10はこの実施の形態による吹出グリルの第一の桟と第二の桟の接続部を示す説明図で、第二の桟8を第一の桟7の軸方向から見た上面図である。
図10(a)において、ア、イ、ウは、略平行に配置された複数の第一の桟7であり、第一の桟7の軸に垂直な断面の弦線7aの上流側(ファン側)から下流側(気外側)への方向を、通過する空気流の方向に沿う方向に傾けて桟列を構成している。この弦線7aは各第一の桟7の軸に垂直な断面で、ファン側に近い端部と機外側に近い端部とを結ぶ線である。8は第一の桟7の桟列と交差する第二の桟である。その交差部で第一の桟7と固着されて第一の桟7の桟列を保持している。
【0042】
特にこの実施の形態における第二の桟8は、隣接する一方の第一の桟の上流側と、この上流側から近い位置に下流側が配置される他方の第一の桟の前記下流側と、を連結している。図では、桟アと桟イ,桟イと桟ウとが隣接している。この隣接する桟を第二の桟8で連結する場合に、隣接する一方の第一の桟7、例えば桟イの上流側と、この上流側から近い位置に下流側が配置される桟ウの下流側とを連結している。桟イの下流側はこれに近い位置に上流側が配置されている桟アの上流側と連結される。
【0043】
このように第二の桟8を構成すれば、型抜きで第一の桟7及び第二の桟8を一体に容易に製造できる。図11は第一の桟7及び第二の桟8を一体で製造する場合の型を示しており、型13はファン側、型14は機外側の型である。この型に、例えば液状としたポリプロピレンを流し込み、固まった後に型13、14を方向Gへ開くことで、第一の桟7及び第二の桟8を一体に製造できる。特に、この第二の桟8は、隣接する一方の第一の桟7、例えば桟イの上流側と、この上流側から近い位置に下流側が配置される桟ウの下流側とを連結しているので、スムーズに型を外すことができる。
例えば、図10(b)に示すように、第一の桟ア、イ、ウの中央部同士を第二の桟8で連結する構成では、桟アの第二の桟8との連結部から上流側端までに大きく型残り部8aができることになる。このような型残り部8aができるとアンダーカットが必要となり、工程が増えることになる。そこで、この実施の形態のように第二の桟8を構成すれば、図10(a)のように型残り部8aを小さくすることができ、アンダーカットを不必要とし工程の増加を避けることができる。
【0044】
また、型残り部8aのある状態で吹出グリル6を構成すると、実際には第二の桟8が強度から考慮した太さよりも太く構成されてしまい、通過する空気流との干渉によって、送風特性の低下、騒音の増加を招くことになる。この実施の形態では型残り部8aを小さくして、第二の桟8が強度上の必要以上の太さとなることを極力抑えることができる。このため、吹出グリルを通過する空気流との干渉を抑え、送風特性の低下、騒音の増加を防止することができる。
【0045】
なお、実施の形態1、2ではプロペラファンを有する送風機器として、空気調和機の室外機について説明したが、換気扇や扇風機などにこの発明を適用してもよい。これらの機器に適用することでも、通過する気流と桟との干渉を小さくでき、送風性能に優れ、低騒音の送風機器を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、空気調和機の室外機本体内に設置されたプロペラファンと、前記プロペラファンの回転により吹出される空気流を通過させて前記室外機本体外に吹出す吹出グリルと、前記吹出グリルと隣接する前記室外機本体の側面および前記吹出グリルと対する前記室外機本体の側面に設けられた吸込口と、前記吸込口に沿って配置され、前記吸込口からすいこまれる外気と熱交換を行う熱交換器と、前記吹出グリルに鉛直方向に伸びるよう設けられ略平行に配置した複数の第一の桟であり、少なくとも前記プロペラファンの回転軸を中心とし前記プロペラファンから吹出される空気流の風速が最大となる円周の近傍で、前記第一の桟の軸方向に垂直な断面の弦線を、回転軸方向からその位置の前記空気流の通過方向に所定の角度傾けた第一の桟と、を備え、前記第一の桟の軸に垂直な方向の距離において前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟の前記円周の近傍での角度を、前記回転軸から遠い位置に配置された第一の桟の前記円周の近傍での角度よりも大きくするとともに前記第一の桟の前記円周の近傍における弦線の方向と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟から、前記回転軸から遠い位置に配置された第一の桟に向かって、漸次小さくし、さらに前記風速が最大となる円周よりも外側に配置される第一の桟の弦線の方向を、ほぼ前記回転軸方向に向け、前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸近傍で逆方向に変化させ、前記回転軸から遠くかつ前記風速が最大となる円周よりも近い位置に配置された第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記第一の桟の軸方向位置によって漸次変化させたので、鉛直方向に伸びる桟の弦線の角度を調整することで、ファンからの吹出流れの抵抗を極力少なくしつつ、空気の吹出口から吹出す空気流が横方向に広がるのをある程度防ぎ、ショートサーキットを低減でき、送風性能向上、低騒音の効果を高めるとともに、熱交換効率の低下を防止できる空気調和機の室外機を得る。
【0047】
また、この発明の請求項2によれば、空気調和機の室外機は、前記プロペラファンのファン半径の約70〜100%を半径とする円周よりも外側に配置される前記第一の桟の弦線の方向をほぼ回転軸方向に向けたのでショートサーキットを低減でき、熱交換効率の低下を防止できる空気調和機の室外機を得る。
【0048】
また、この発明の請求項3によれば、前記第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸の位置から前記プロペラファンの回転軸方向にずれた位置で逆方向に変化させたので、桟の弦線の角度を通過する気流の向きに更に良好にあわせることができ、送風性能の向上、低騒音の効果を高めることができる空気調和機の室外機を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による送風機器である室外機を示す正面図(図1(a))、上面から見た断面構成図(図1(b))である。
【図2】 実施の形態1による送風機器の吹出しグリルの第一の桟の傾きを説明する説明図である。
【図3】 実施の形態1に係り、風速の最大となる領域の流速ベクトルを示す説明図である。
【図4】 実施の形態1に係り、桟を通過する空気流の角度を説明する説明図である。
【図5】 実施の形態1に係り、別の構成の送風機器の吹出しグリルの第一の桟の傾きを説明する説明図である。
【図6】 実施の形態1に係り、さらに別の構成の送風機器の吹出しグリルの第一の桟の傾きを説明する説明図である。
【図7】 実施の形態1に係り、吹出グリルの軸方向位置に対する第一の桟の弦線の傾きを示すグラフである。
【図8】 実施の形態1に係り、1本の桟の軸方向位置について、桟を通過する空気流のベクトルを示す説明図である。
【図9】 実施の形態1に係り、吹出グリルの軸方向位置に対する第一の桟の弦線の傾きを示すグラフである。
【図10】 この発明の実施の形態2による吹出グリルの第一の桟と第二の桟の接続部を示す説明図である。
【図11】 実施の形態2に係り、吹出グリルを製造する型を示す正面図である。
【図12】 従来の送風機器を示す正面図(図12(a))、断面構成図(図12(b))である。
【図13】 従来の送風機器を示す正面図である。
【符号の説明】
1 プロペラファン、1a 回転軸、2 モータ、3 熱交換器、4 空気の吹出口、5 空気の吸込口、6 吹出グリル、7 吹出グリルの第一の桟、7a第一の桟の弦線、8 吹出グリルの第二の桟、9 回転軸方向、10 ファンの回転方向。
Claims (3)
- 空気調和機の室外機本体内に設置されたプロペラファンと、
前記プロペラファンの回転により吹出される空気流を通過させて前記室外機本体外に吹出す吹出グリルと、
前記吹出グリルと隣接する前記室外機本体の側面および前記吹出グリルと対する前記室外機本体の側面に設けられた吸込口と、
前記吸込口に沿って配置され、前記吸込口からすいこまれる外気と熱交換を行う熱交換器と、
前記吹出グリルに鉛直方向に伸びるよう設けられ略平行に配置した複数の第一の桟であり、少なくとも前記プロペラファンの回転軸を中心とし前記プロペラファンから吹出される空気流の風速が最大となる円周の近傍で、前記第一の桟の軸方向に垂直な断面の弦線を、回転軸方向からその位置の前記空気流の通過方向に所定の角度傾けた第一の桟と、を備え、
前記第一の桟の軸に垂直な方向の距離において前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟の前記円周の近傍での角度を、前記回転軸から遠い位置に配置された第一の桟の前記円周の近傍での角度よりも大きくするとともに
前記第一の桟の前記円周の近傍における弦線の方向と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟から、前記回転軸から遠い位置に配置された第一の桟に向かって、漸次小さくし、
さらに前記風速が最大となる円周よりも外側に配置される第一の桟の弦線の方向を、ほぼ前記回転軸方向に向け、
前記回転軸から近い位置に配置された第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸近傍で逆方向に変化させ、
前記回転軸から遠くかつ前記風速が最大となる円周よりも近い位置に配置された第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記第一の桟の軸方向位置によって漸次変化させたことを特徴とする空気調和機の室外機。 - 前記プロペラファンのファン半径の約70〜100%を半径とする円周よりも外側に配置される前記第一の桟の弦線の方向をほぼ回転軸方向に向けたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室外機。
- 前記第一の桟の弦線と前記回転軸方向との角度を、前記回転軸の位置から前記プロペラファンの回転軸方向にずれた位置で逆方向に変化させたことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機の室外機。
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