JPH05264070A - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 送風機の旋回成分９により各箇所で異なる吹
出し風向７に対し、最適な形状の導風板６にて特定方向
に効果的にかつ確実に送風すると共に、吹出口部２の圧
力損失を低減し、低騒音の空気調和機を提供することが
目的である。 【構成】 吹出し空気７の風向が送風機である軸流ファ
ン８の旋回成分９の影響を受け一定でないことを考慮し
て、吹出口２前面に装備する導風装置３の導風板６の形
状を左右長さの異なる円弧とし、各箇所の流入角度に対
して最適となるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は空気調和機の室外ユニ
ットの導風装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】空気調和機は室内ユニットと室外ユニッ
トとを分離した分離型空気調和機が広く用いられてお
り、設置場所の省スペース化のため、複数台の室外ユニ
ットが横連続に集中設置されるケースが多くなってい
る。このため、隣接する室外ユニットどうしで影響を与
えることのないよう、吹出口前面に導風装置を装備し対
策をとっている。図１３は例えば実開昭５５−１７４５
５５号公報に示された従来の分離型空気調和機の室外ユ
ニットの分解斜視図であって、ほゞ直方体をなす室外ユ
ニットの本体１の前面には、上下一対の吹出口２が開口
されているとともに、全体を符号３で示す導風装置が複
数個のビス孔４に装着されている。この導風装置３は、
Ｌ字状に形成された左右一対の支持部材５と、これに両
端を固定され互に平行して傾斜する複数個の導風板６と
で一体的に形成されている。図１４および図１５はそれ
ぞれ室外ユニットの側面図であって、図１４と図１５と
では、導風装置３が導風板６の傾斜方向を互に逆方向に
して装着されている。こうすることにより、図１４に示
すものにおいては吹出口２から吹出された空気７が斜め
上方へ向い、また図１５に示すものにおいてはこの空気
７が斜め下方へ向かう。以上のように構成された従来の
室外ユニットにおいては、導風装置３の付け替えによっ
て空気の吹出し方向を変えることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の空気調和機は以
上のように構成され前方への送風を目的としており、左
右同一形状の導風板を水平に設置し、同一方向へ吹出そ
うとしている。しかし、送風機により吹出される空気は
送風機の旋回成分により一定方向ではなく、特に送風機
回転の中心に対し左右では、吹出し方向が上下とまった
く逆方向になるため、導風装置として効果的でなく送風
が確実に行えず、隣接する室外ユニットの影響を受け吸
込口と吹出口とでショートサイクルを起こし能力を低下
させたり、導風板の形状が適切でないため、吹出口部で
抵抗となり騒音が大きくなるなどの問題点があった。

【０００４】また従来の室外側吹き出し気流導風板は、
各導風板も同じものが平行に配設されていたので、吹き
出し気流が円周方向に広がりを持つ軸流送風機を持つユ
ニットに付けられた場合意図した方向に風を導けないと
いう問題点があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、送風機の旋回成分により各箇所
で異なる吹出し風向に対し、最適な形状の導風板にて特
定方向に効果的にかつ確実に送風すると共に、吹出口部
の圧力損失を低減し、低騒音の空気調和機を提供するこ
と及び吹き出し気流が円周方向に広がりを持つ軸流送風
機と組み合わせた時意図した方向に吹き出し気流を導く
導風装置を得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の空気調和機の
室外ユニットは、吹出口前面に複数枚設置する導風板の
形状を、両端で長さの異なる円弧としたのである。

【０００７】請求項２の空気調和機の室外ユニットの導
風装置は上下に複数枚配設した導風板の形状、又は導風
板同士の配設する間隔を軸流形送風機の吹き出し気流方
向に合せ変化させて設置したものである。

【０００８】請求項３の空気調和機の室外ユニットは、
複数枚の板状に形成された導風板を備えた導風装置のく
みあわせよりなり、その各々の有する導風板の形状が異
なるものである。

【０００９】請求項４の空気調和機の室外ユニットは、
吹出口前面に複数枚設置する導風板を、中央で対称に捩
らせ、左右で逆方向に反り返る円弧形状としたものであ
る。

【００１０】

【作用】請求項１の空気調和機の室外ユニットは、吹出
口全面において吹出し角度の転向を効果的に行い、特定
な方向に確実に送風し、室外ユニットの吸込口と吹出口
とで生じるショートサイクルを防止して安定した運転を
確保すると共に、低騒音の空気調和機を得ることができ
る。

【００１１】請求項２の空気調和機の室外ユニットは、
軸流形送風機の上下方向における、各部位の吹き出し気
流の方向に合わせ、各導風板形状又はピッチを設定する
事により導風装置通過後の吹き出し気流方向を一定に保
つことができる。

【００１２】請求項３の空気調和機の室外ユニットは、
吹出口全面において吹出し角度の転向を効果的に行い、
特定な方向に確実に送風し、室外ユニットの吸込口と吹
出口とで生じるショートサイクルを防止して安定した運
転を確保すると共に、低騒音である。

【００１３】請求項４の空気調和機の室外ユニットは、
吹出口全面において最適な方向に効果的かつ確実に送風
し、室外ユニットの吸込口と吹出口とで生じるショート
サイクルを防止して安定した運転を確保すると共に、低
騒音である。

【００１４】

【実施例】

実施例１．以下、この発明の実施例１について説明す
る。実施例１の空気調和機においても、従来例と同様に
複数枚の導風板６からなる導風装置３が室外ユニット本
体の吹出口前面に装備されている。図１は実施例１の導
風装置３に設置される導風板６を示す斜視図であり、円
弧状の導風板６は左右で幅寸法（円弧長）を変えてい
る。図２は室外ユニット本体の内部構造斜視図であり、
軸流ファン８が図中矢印で示すように左回りに回転し送
風する際、回転の中心に対し左側では下向きの旋回成分
９、右側では上向きの旋回成分９が作用するため、圧力
差１０と旋回成分９との合成となる空気の吹出し方向７
は、左側では下向きの７ｃ、右側では上向きの７ａとな
っている。すなわち、吹出しの旋回成分９により、軸流
ファン８の左右で、導風板６に対する流入角度が異なっ
ている。図３と図４はそれぞれ軸流ファン８の中心に対
し、左側と右側とで導風板６による空気の吹出し方向７
の転向効果を示しており、共に上向きへの転向の状態で
ある。

【００１５】前述の通り、実施例１の導風装置３では、
流入角度に対し導風板６が適切な形状となるよう左右で
円弧長を変えている。下向きの旋回成分９が作用する左
側では、導風板６の円弧長を長くして、下向きの吹き出
し空気７ａを効果的に上向きに転向している。上向きの
旋回成分９が作用する右側では、吹出し空気７ｂが上向
きであるため導風板６の円弧長を短くし、極力吹き出し
口部での抵抗を小さくして吹出すようにしている。導風
板６の形状は、必要に応じて一定半径の円弧状にした
り、またスクロール状にすることが可能である。

【００１６】実施例２．図５にこの発明の実施例２を示
す。図において、１は室外ユニット本体、３は導風装
置、６は各導風板、７は送風機からの吹き出し気流方向
を示す矢印で、軸流方向成分１１と、円周方向成分１２
の合力により決められる。又８は導風装置３を通過後の
吹き出し気流方向を示す矢印で各番号の添字ａ，ｂ，ｃ
は、縦断面において、ａは軸流形送風機の上部、ｂは中
部、ｃは下部をれぞれ示す。導風板６において、Ｌは弦
長、ｔは導風板同士の間隔θは弦弧であり、又βは導風
板への流入角度、αは流出角度をそれぞれ示す。

【００１７】図６に導風装置３の無い状態における軸流
形送風機を使用した室外機の吹き出し気流方向を示す。
図６（ａ）の正面図に示す様に軸流送風機の内には円周
方向への広がり成分１２を持つものがある。この場合の
風の吹き出し方向は、図６（ｂ）に示す様に、軸流成分
１１と円周方向成分１２の合成にて決まる。その為軸流
形送風機の上部では、矢印７ａで示す様に左上向きに、
逆に軸流形送風機の下部においては、矢印７ｃで示す様
に、左下向きとなる。その為、従来の導風装置の様に、
同形状の導風板を同間隔で配設したものを、この様に円
周方向に吹き出しの広がりを持つ軸流送風機を使用した
室外機に取り付けると、吹き出し気流の方向が上下でバ
ラバラとなり、導風装置の機能が半減する。その為、導
風装置３を通過後の吹き出し気流角度αを一定とする為
には、導風板の弦長、弦弧、ピッチ等を導風板への流入
角（送風機からの吹き出し角度）により個々に設定する
必要が生じる。

【００１８】例えば図５に示す様に、ある軸流送風機に
おいてβ_a ＝＋３０゜、β_c ＝−３０゜であった時、導
風板通過後の吹き出し角度α_a ＝α_c ＝６０゜にしよう
とすると、θ_c ＞θ_a が必要となり、比例してＬ_c ＞Ｌ
_a となる。又ピッチｔは通常Ｌ／ｔ＝一定とする場合が
多いのでＬ_c ＞Ｌ_a に従いｔ_c ＞ｔ_a となる。又意匠を
考慮してｔ_c ＝ｔ_a とし、その分Ｌ寸にて、調整する事
も可能である。以上の様に図５に示すごとく、下部設置
の導風板は、その弦弧Ｌを大きくし、上部設置の導風板
はＬを小さくするなど、各導風板の形状を軸流送風機の
吹き出し角度に合わせる事により、図５矢印８に示す様
に導風板出口の吹き出し気流角度を一様にする事を得
る。

【００１９】実施例３．以下、この発明の実施例３を図
について説明する。図７は実施例３の導風装置３に設置
される導風板６の斜視図である。導風装置３は２分割式
であり、その拡大図を図８に示す。図８による分割され
た導風板６の各々６ａと６ｂは幅寸法（円弧長）が異な
る。図９は軸流ファン８の中心に対し、左側と右側とで
導風板６による空気の吹出し方向７の転向効果を示して
おり、共に上向きへの転向の状態である。

【００２０】前述の通り、実施例３の導風装置３では、
流入角度に対し、導風板６が適切な形状となるよう左右
で円弧長を変えている。下向きの旋回成分９が作用する
左側では導風板６ａの円弧長を長くして、下向きの吹出
し空気７ｃを効果的に上向きに転向している。上向きの
旋回成分９が作用する右側では、吹出空気７ａが上向き
であるため導風板６ｂの円弧長を短くし、極力吹き出し
口部での抵抗を小さくして吹出すようにしている。導風
板６の形状は必要に応じて一定半径の円弧状にしたり、
またスクロール状にすることが可能である。

【００２１】また、同一導風装置３において、導風板６
の幅寸法を変えることによる製造上の負荷上昇を低減す
るため、導風板６の異なる形状により一体型とせずに導
風装置３を分割するようにし、各々、異なる形状の導風
板６を有するものとした。

【００２２】実施例４．以下、この発明の実施例４につ
いて説明する。実施例４の空気調和機においても、従来
例と同様に複数枚の導風板６からなる導風装置３が室外
ユニット本体の吹出口前面に装着されている。図１０は
実施例４の導風装置３に設置される導風板６を示す斜視
図であり、導風板６は中央で対称に捩らせ、左右で逆方
向に反り返る円弧形状としている。図１１と図１２はそ
れぞれ軸流ファン８の中心に対し、左側と右側とにおけ
る導風板６による空気の吹出し方向７の導風効果を示し
ている。

【００２３】前述の通り、実施例４の導風装置３では、
流入角度に対し導風板６が最適な方向へ吹出せるよう左
右で逆方向に反り返る円弧形状としている。下向きの旋
回成分９が作用する左側では、導風板６の円弧を下向き
に反り返る円弧形状とし吹き出し空気７ｃを効率良く下
向きへ吹出している。上向きの旋回成分９が作用する右
側では、導風板６の円弧を上向きに反り返る円弧形状と
し吹出し空気７ａを効率良く上向きへ吹出している。こ
のことにより、吹出口部での抵抗を極力小さくして吹出
すようにしている。

【００２４】

【発明の効果】請求項１の空気調和機の室外ユニットの
導風装置では、送風機の旋回成分により吹出し空気の風
向が各箇所で異なり導風板への流入角度が異なるのに対
応し、どの箇所においても導風板が最適な形状となるよ
う、左右で円弧長を変えており、特定方向への送風を効
果的にかつ確実に行い、室外ユニットの吸込口と吹出口
とで生じるショートサイクルを防止し安定した運転を確
保できると共に、吹出口部の圧力損失を低減し、低騒音
の空気調和機を得ることが可能である。

【００２５】請求項２の空気調和機の室外ユニットは、
軸流形送風機に付ける吹き出し気流方向変更の為の導風
装置において、各導風板の形状及び導風板同士の間隔を
送風機吹き出し気流角度に合せたので、導風装置通過後
の吹き出し気流角度を一定にすることができる。

【００２６】請求項３の空気調和機の室外ユニットは、
送風機の旋回成分により吹出し空気の風向が各箇所で異
なり、導風板への流入角度が異なるのに対し、どの箇所
においても導風板が最適な形状となるよう、左右で円弧
長を変えており、再に、円弧長の長さに応じて導風装置
を分割式としたため、特定方向への送風を効果的にかつ
確実に行い、室外ユニットの吸込口と吹出口とで生じる
ショートサイクルを防止し、安定した運転を確保できる
と共に吹出口部の圧力損失を低減し、低騒音の空気調和
機を得ることが可能であり、その円弧長の変化に伴う製
造上の負荷を分割式にしたことにより低減している。ま
た、例えば短い円弧長の導風板を有する導風装置を用い
て、左側では下向きの吹出空気を下向きに吹出すように
導風板を下向きになるようにし、右側では、上向きの吹
出空気を上向きに吹出すように導風板を上向きになるよ
うし、互いに導風板の向きが逆になるようにとりつけれ
ば最小の圧力損失で最適の導風を行うことが可能な導風
装置を安価に得ることができる。

【００２７】請求項４の空気調和機の室外ユニットは、
送風機の旋回成分により吹出し空気の風向が各箇所で異
なり導風板への流入角度が異なるのに対応し、どの箇所
においても導風板が効率良く吹出せるよう左右で逆方向
に反り返る円弧形状としており、適切な方向への送風を
効果的にかつ確実に行い、室外ユニットの吸込口と吹出
口とで生じるショートサイクルを防止し安定した運転を
確保できると共に、吹出口部の圧力損失を低減し、低騒
音の空気調和機を得ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１による空気調和機の室外ユ
ニットの導風装置の導風板の斜視図である。

【図２】この発明の実施例１による空気調和機の室外ユ
ニットの斜視図である。

【図３】この発明の実施例１による空気調和機の室外ユ
ニットの導風装置の左側における吹き出し方向の転向効
果を示す図である。

【図４】この発明の実施例１による空気調和機の室外ユ
ニットの導風装置の右側における吹き出し方向の転向効
果を示す図である。

【図５】この発明の実施例２による空気調和機の室外ユ
ニットの側面図である。

【図６】この発明の実施例２による空気調和機の室外ユ
ニットの軸流送風機の吹き出し気流方向を示す図であ
る。

【図７】この発明の実施例３による空気調和機の室外ユ
ニットの斜視図である。

【図８】この発明の実施例３による空気調和機の室外ユ
ニットの導風装置の拡大図である。

【図９】この発明の実施例３による空気調和機の室外ユ
ニットの導風装置の左側と右側における吹き出し方向の
転向効果を示す図である。

【図１０】この発明の実施例４による空気調和機の室外
ユニットの導風装置の導風板の斜視図である。

【図１１】この発明の実施例４による空気調和機の室外
ユニットの導風装置の左側における吹き出し方向の転向
効果を示す図である。

【図１２】この発明の実施例４による空気調和機の室外
ユニットの導風装置の右側における吹き出し方向の転向
効果を示す図である。

【図１３】従来の空気調和機の室外ユニットの分解斜視
図である。

【図１４】従来の空気調和機の室外ユニットの側面図で
ある。

【図１５】従来の空気調和機の室外ユニットの側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 室外ユニット本体 ２ 吹出口 ３ 導風装置 ６ 導風板 ７ 空気の吹出方向 ７ａ 上向きの吹出空気 ７ｃ 下向きの吹出空気 ８ 軸流ファン ９ 旋回成分 １０ 圧力差 １１ 吹出空気の軸流成分 １２ 吹出空気の円周方向成分

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 佳宏 静岡市小鹿三丁目18番１号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 森主 憲 尼崎市塚口本町８丁目１番１号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室外ユニット本体と、この本体の吹出口
   前面に設けられ、両端で長さの異なる円弧状の導風板を
   有する導風装置とを備えたことを特徴とする空気調和機
   の室外ユニット。
2. 【請求項２】 軸流方送風機を有する室外ユニット本体
   と、この本体の吹出口前面に設けられ、導風板の形状又
   は該導風板同士の間隔を前記軸流方送風機の吹き出し気
   流方向に合わせて変化させた導風装置とを備えたことを
   特徴とする空気調和機の室外ユニット。
3. 【請求項３】 室外ユニット本体と、この本体の吹出口
   前面に設けられ、左右で異なる幅寸法の導風板を有する
   導風装置とを備えたことを特徴とする空気調和機の室外
   ユニット。
4. 【請求項４】 室外ユニット本体と、この本体の吹出口
   前面に設けられ、中央で対称に捩らせ、左右で逆方向に
   そり返る円弧とした導風板を有する導風装置とを備えた
   ことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。