JP3804267B2 - ヒーター付ミラー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防曇用又はミラーの表面に付着した水滴、雨滴、露、氷といったものを除去するヒーター付ミラーに関するもので、特に車両用ミラーに好適なヒーター付ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒーター付ミラーは、降雨時や降雪時の車両の走行において、バックミラー等に付着した水滴、雪、氷などを加温して除去すると共に、水滴が再付着したり再氷結したりすることを防止することで、後方視認を容易にし走行安全性を確保することを目的として利用されている。
特にこの種のミラーにおいては、ミラー表面の加熱温度分布をできるだけ均一にすることで効率の良い水滴、氷の除去が可能となる。
これを実現するために、例えば、特開昭61−200051号公報では、非導電基板と、上記基板表面に被覆され電流を流すことによって発熱する電気抵抗性材料によって構成した反射膜と、前記基板端部の反射膜上に設けた一対の給電電極を備えたことを特徴とするヒーター被覆鏡体において、鏡体の端部に設けた一対の給電電極の間に、抵抗値の十分小さい補助電極を設けたことによって、ヒーター被覆鏡体の使用目的、形状に応じて所望の加熱温度分布をきわめて容易につくり出すことができると提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開昭61−200051号公報に記載されたヒーター付ミラーは、配設された補助電極のシート抵抗値が、反射膜のシート抵抗値よりも極端に低くなる場合には、抵抗値が低いことにより補助電極を配設した部分での発熱が抑制されて加熱されず、ミラーの表面に付着した水滴、雨滴、露、氷といったものを除去する性能がむしろ悪化してしまうという問題を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の問題点を解決するためになしたものであり、非導電性のミラー基板と、この基板裏面に被覆される反射膜兼発熱抵抗体膜または反射膜及び発熱抵抗体膜と、反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜上に配設された少なくとも1対の給電電極と、該給電電極によって囲まれる領域の内側、すなわち給電電極によって加熱される領域の部分から、該給電電極によって囲まれる領域の外側、すなわち給電電極によって加熱されない領域の部分へ延びる様に反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜上に配設されそのシート抵抗値が反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜のシート抵抗値の1%〜30%となるような補助電極とを備えることを特徴とするヒーター付ミラーを要旨とするものである。
【0005】
以下、詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態である自動車用バックミラーに用いるヒーター付ミラーの背面模式図であり、図2はその断面模式図である。
非導電性のミラー基板1は、ガラス、アクリル板等の透明材料を用い、その断面は、平板や曲面板形状などからなる。
上記ミラー基板1の裏面には、反射膜兼発熱抵抗体膜2が形成されている。この反射膜兼発熱抵抗体膜2は、チタン、クロム、ニッケル−クロム系合金、アルミ−チタン系合金等の金属薄膜をスパッタリング法や真空蒸着法により形成したものである。
この反射膜兼発熱抵抗体膜2は、上記のように反射膜と発熱抵抗体膜が兼用となっている単層のもの以外の構成も採用できる。即ち、反射膜としての働きを有する第1層の膜と発熱抵抗体膜としての働きを有する第2層の膜とからなる2層構造のものも採用できる。この場合、第1層は、アルミニウム、クロム、ニッケル、ニッケル−クロム系合金、ニッケル−燐などの金属薄膜をスパッタリング法や真空蒸着法またはめっき法などにより形成し、第2層は、チタン、チタンシリサイド、クロムシリサイド、窒化タンタル、炭化チタン、炭化タングステン、ホウ化ニオブ、鉄−クロム−アルミニウム系合金などの金属薄膜をスパッタリング法や真空蒸着法またはめっき法などにより形成することができる。
更には、反射膜と発熱抵抗体膜との間に絶縁層を設けることで、反射膜と発熱抵抗体膜とが電気的に接続されないように独立して形成したものを採用してもよい。この場合、反射膜としてはアルミニウム、クロム、ニッケル、ニッケル−クロム系合金、ニッケル−燐などの金属薄膜をスパッタリング法や真空蒸着法またはめっき法などにより形成し、絶縁層としてはシリカ等を用い、発熱抵抗体膜としてはチタン、チタンシリサイド、クロムシリサイド、窒化タンタル、炭化チタン、炭化タングステン、ホウ化ニオブ、鉄−クロム−アルミニウム系合金などの金属薄膜をスパッタリング法や真空蒸着法またはめっき法などにより形成することができる。
なお、反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜のシート抵抗値については、車両側の電源出力を考慮すると2〜20Ω/□であることが望ましい。
【0006】
そして、この反射膜兼発熱抵抗体膜2の上には、少なくとも一対の給電電極3a、3bが形成されている。この給電電極3a、3bは、電源と直接接続されることで、反射膜兼発熱抵抗体膜2に通電して発熱させるために形成されている。この給電電極3a、3bは、反射膜兼発熱抵抗体膜2の上に銀ペースト、銅ペースト等を印刷することで形成したり、銀、銅、ニッケル等の金属薄膜を直接スパッタリングや電解エッチング等により形成する等、種々の方法で形成することができる。
給電電極3a、3b上には、はんだ付け等により、リード線4a、4bが接続されており、このリード線4a、4bは電源と接続される。
更に、反射膜兼発熱抵抗体膜2の上の給電電極3a、3b間には、反射膜兼発熱抵抗体膜2を介して給電電極3a、3bと電気的に接続される補助電極5a、5bが形成されている。
この補助電極5a、5bは、反射膜兼発熱抵抗体膜2の上にカーボンペースト、カーボン−銀ペースト、銅ペースト等を印刷や塗装することにより形成したり、金属薄膜をスパッタリングや電解エッチング等により形成する事ができる。
ここで、補助電極5a、5bのシート抵抗値は、反射膜兼発熱抵抗体膜2のシート抵抗値の1%〜30%の値をとっている必要がある。これは、補助電極のシート抵抗値を反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜のシート抵抗値の1%未満にすると、補助電極の抵抗値が低すぎるために発熱が抑制され、この部分が加熱されず、温度分布が不均一になるためであり、また、この補助電極のシート抵抗値が反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜のシート抵抗値の30%を超えると、補助電極と反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜の抵抗差が小さくなり補助電極への電流誘引作用が弱まり、反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜の電流分布を制御できなくなり、温度分布が不均一になるためである。
補助電極のシート抵抗値を反射膜兼発熱抵抗体膜のシート抵抗値の1%〜30%の値となすには、補助電極の材料の選定や膜厚の調整などにより行う。なお、補助電極のシート抵抗値のより好ましい値は、反射膜兼発熱抵抗体膜のシート抵抗値の5%〜30%である。
【0007】
因みに、本実施の形態においては、補助電極5a、5bをストライプ形状に2個形成しているが、ミラーの形状や所望とするミラーの温度分布状態にあわせて、補助電極の形成位置や形状を変えたり、補助電極の数量などを変更することも可能である。補助電極の形成位置としては、ミラー基板が給電電極で加熱される領域と加熱されない領域とにまたがるように形成することが特に好ましい。
また、補助電極内に膜厚分布を設けたり、補助電極上に抵抗値の異なる補助電極を重ねたりする等の方法により補助電極内に温度分布をつくることも可能である。尚、ミラー加温制御の為に温度検出素子を設置したり、耐久性向上の為に絶縁防湿材によるコーティングを行うこともできる。
【0008】
図3は、本発明の第2の実施の形態である自動車用バックミラーに用いるヒーター付ミラーの背面模式図である。
本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態と比較して、ミラー基板11形状が異なっていること、1対の給電電極13a、13bがミラー基板11の上下辺に沿って形成されていること、補助電極15a、15bが、前記給電電極13a、13bと同様にミラー基板11の上下辺に沿って形成されると共に、給電電極13a、13bによって囲まれる領域の外側(給電電極によって加熱されない領域)の部分(図の右側の部分)が明らかに太く形成されていること、更に、給電電極13aと電源(不図示)との間に、温度検出素子であるサーモスタット16と温度ヒューズ17を配接した以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0009】
【作用】
本発明のヒーター付ミラーは、補助電極のシート抵抗値を反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜のシート抵抗値の1%〜30%としたので、電流を補助電極に誘引し反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜の電流分布を制御でき、かつ補助電極部もある程度抵抗を持つことで加熱されることが可能であるため、ミラー上の温度分布を均一化できる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細説明する。
実施例1
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約55nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bを膜厚が約75μmとなるように銅ペーストの印刷により形成し、補助電極5a、5bを膜厚が約130μmとなるようにカーボン−銀ペーストの印刷により形成してヒーター付ミラーを作成した。
実施例1によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ11.0Ω/□、0.04Ω/□、0.05Ω/□、0.12Ω/□、0.11Ω/□であった。
【0011】
実施例2
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約60nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bを膜厚が約50μmとなるように銅ペーストの印刷により形成し、補助電極5a、5bを膜厚が約30μmとなるように銅ペーストの印刷により形成してヒーター付ミラーを作成した。
実施例2によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ10.0Ω/□、0.06Ω/□、0.06Ω/□、0.20Ω/□、0.19Ω/□であった。
【0012】
実施例3
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約50nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bとして膜厚が約250nmとなるように銅膜をスパッタリング法により形成し、補助電極5a、5bとして膜厚が約50nmとなるようにアルミ膜をスパッタリング法により形成してヒーター付ミラーを作成した。
実施例3によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ12.5Ω/□、0.08Ω/□、0.08Ω/□、0.62Ω/□、0.62Ω/□であった。
【0013】
実施例4
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約70nmの膜厚を有するニッケル−クロム合金膜と約80nmの膜厚を有するチタン膜の2層膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bを膜厚が約75μmとなるように銀ペーストの印刷により形成し、補助電極5a、5bを膜厚が約80μmとなるようにカーボンペーストの印刷により形成してヒーター付ミラーを作成した。
実施例4によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ4.3Ω/□、0.02Ω/□、0.02Ω/□、0.41Ω/□、0.42Ω/□であった。
【0014】
実施例5
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約40nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bを膜厚が約30μmとなるように銅ペーストの印刷により形成し、補助電極5a、5bとして膜厚が約200nmとなるようにニッケル−クロム合金膜をスパッタリング法により形成してヒーター付ミラーを作成した。
実施例5によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ15.8Ω/□、0.20Ω/□、0.18Ω/□、3.16Ω/□、3.19Ω/□であった。
【0015】
実施例6
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約40nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bを膜厚が約90μmとなるように銅ペーストの印刷により形成し、補助電極5a、5bとして膜厚が約8μmとなるようにカーボンペーストを塗装することにより形成してヒーター付ミラーを作成した。
実施例6によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ15.3Ω/□、0.03Ω/□、0.03Ω/□、4.58Ω/□、4.55Ω/□であった。
【0016】
実施例7
第2の実施の形態において、ミラー基板11としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜12として約200nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極13a、13bを膜厚が約75μmとなるように銅ペーストの印刷により形成し、補助電極15a、15bとして膜厚が約40μmとなるように銅ペーストの印刷により形成してヒーター付ミラーを作成した。
実施例7によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極7a、7bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ3.0Ω/□、0.04Ω/□、0.04Ω/□、0.16Ω/□、0.17Ω/□であった。
【0017】
比較例1
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約90nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bを膜厚が約75μmとなるように銅ペーストの印刷により形成し、補助電極5a、5bを膜厚が約75μmとなるように銅ペーストの印刷により形成してヒーター付ミラーを作成した。
比較例1によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ7.5Ω/□、0.04Ω/□、0.04Ω/□、0.04Ω/□、0.04Ω/□であった。
【0018】
比較例2
第1の実施の形態において、ミラー基板1としてR=1400mmの曲面を有する、異型形状のガラス製基板を用い、反射膜兼発熱抵抗体膜2として約55nmの膜厚を有するチタン膜をスパッタリング法により形成し、給電電極3a、3bを膜厚が約75μmとなるように銅ペーストの印刷により形成し、補助電極5a、5bを膜厚が約8μmとなるようにカーボンぺーストの塗装により形成してヒーター付ミラーを作成した。
比較例2によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜2、給電電極3a、3b、補助電極5a、5bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ11.2Ω/□、0.04Ω/□、0.04Ω/□、4.50Ω/□、4.48Ω/□であった。
【0019】
比較例3
図4は、比較例3のヒーター付ミラーの背面模式図である。比較例3は、実施例7において、補助電極を除いた以外は、実施例7と同様になしてヒーター付ミラーを作成した。
比較例3によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜12、給電電極13a、13bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ3.0Ω/□、0.04Ω/□、0.04Ω/□であった。
【0020】
比較例4
図5は、比較例4のヒーター付ミラーの背面模式図である。比較例4は、比較例3において、下側給電電極13bを右側に延長することで、給電電極3a、3bで加熱できない領域を減少させた以外は、比較例3と同様になしてヒーター付きミラーを製作した。
比較例4によって得たヒーター付ミラーの反射膜兼発熱抵抗体膜12、給電電極13a、13bのそれぞれのシート抵抗値を4端子法で測定したところ3.0Ω/□、0.04Ω/□、0.04Ω/□であった。
【0021】
上記実施例1〜7、比較例1〜4によって得たヒーター付ミラーについて、常温常湿の環境下において同一電力にて通電試験を行い、ミラー表面温度をサーモグラフィーにて測定した。
結果を図6〜15に示す。なお、図6〜15は、サーモグラフィーの模式図であり、実施例1〜7は、各々図6〜12に対応し、比較例1、2は図13及び図14に対応し、比較例3、4は、図15に対応する。
【0022】
図6〜15において、8、8a、8b、8cの領域はミラーの表面温度がミラー表面の平均温度に対して±5℃以内となる範囲であり、9の領域はミラー表面の平均温度に対して−5℃以下となる範囲、10、10a、10bの領域はミラー表面の平均温度に対して+5℃以上となる範囲である。
これらの各領域面積のミラー表面積に対する比率を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003804267
【0024】
尚、比較例4では、10aの領域が電流集中により火傷などの危険性がある温度まで著しく加熱された。
【0025】
ミラー平均温度±5℃以内の領域が80%以上のときにミラー表面がほぼ均一に加熱され、ヒーター付ミラーとして防曇及び水滴、霜等の除去性能が良好であり、特にミラー平均温度±5℃以内の領域が85%以上のときには、大変優れた防曇及び水滴、霜等の除去性能を示した。
【0026】
【発明の効果】
本発明によるヒーター付ミラーは、補助電極のシート抵抗値を反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜のシート抵抗値の1%〜30%となしたので、反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜の電流分布を均一化する作用を損なうことなく補助電極上の低温化を防止したもので、ミラー表面上の温度分布を均一化することで、効率の良い防曇及び水滴、霜等の除去性能が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の裏面模式図である。
【図2】 図1の断面模式図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態の裏面模式図である。
【図4】 本発明の比較例3の裏面模式図である。
【図5】 本発明の比較例4の裏面模式図である。
【図6】 本発明の実施例1のサーモグラフィー写真模写図である。
【図7】 本発明の実施例2のサーモグラフィー写真模写図である。
【図8】 本発明の実施例3のサーモグラフィー写真模写図である。
【図9】 本発明の実施例4のサーモグラフィー写真模写図である。
【図10】 本発明の実施例5のサーモグラフィー写真模写図である。
【図11】 本発明の実施例6のサーモグラフィー写真模写図である。
【図12】 本発明の実施例7のサーモグラフィー写真模写図である。
【図13】 本発明の比較例1のサーモグラフィー写真模写図である。
【図14】 本発明の比較例2のサーモグラフィー写真模写図である。
【図15】 本発明の比較例3のサーモグラフィー写真模写図である。
【符号の説明】
1 ミラー基板
11 ミラー基板
2 反射膜兼発熱抵抗体膜
12 反射膜兼発熱抵抗体膜
3a 給電電極
3b 給電電極
13a 給電電極
13b 給電電極
4a リード線
4b リード線
5a 補助電極
5b 補助電極
15a 補助電極
15b 補助電極
16 サーモスタット
17 温度ヒューズ
8 ミラー平均温度±5℃以内の領域
8a ミラー平均温度±5℃以内の領域
8b ミラー平均温度±5℃以内の領域
8c ミラー平均温度±5℃以内の領域
9 ミラー平均温度−5℃以下の領域
10 ミラー平均温度+5℃以上の領域
10a ミラー平均温度+5℃以上の領域
10b ミラー平均温度+5℃以上の領域

Claims (2)

  1. 非導電性のミラー基板と、この基板裏面に被覆される反射膜兼発熱抵抗体膜または反射膜及び発熱抵抗体膜と、反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜上に配設された少なくとも1対の給電電極と、該給電電極によって囲まれる領域の内側、すなわち給電電極によって加熱される領域の部分から、該給電電極によって囲まれる領域の外側、すなわち給電電極によって加熱されない領域の部分へ延びる様に反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜上に配設されそのシート抵抗値が反射膜兼発熱抵抗体膜または発熱抵抗体膜のシート抵抗値の1%〜30%となるような補助電極とを備えることを特徴とするヒーター付ミラー。
  2. 補助電極は、給電電極によって囲まれる領域の内側、すなわち給電電極によって加熱される領域の部分に対して、給電電極によって囲まれる領域の外側、すなわち給電電極によって加熱されない領域の部分が太く形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のヒーター付ミラー。
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