JP3804046B2 - 回路基板の検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回路基板に形成された複数の配線の導通・断線、短絡等の電気的な状態を検査する検査装置および検査方法に関するものである。なお、この発明は、プリント配線基板、フレキシブル基板、多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用のガラス基板、ならびに半導体パッケージ用のフィルムキャリアなど種々の基板上の電気的配線検査に適用でき、この明細書では、それら種々の配線基板を総称して「回路基板」と称する。
【0002】
【従来の技術】
回路基板には、複数の配線からなる配線パターンが形成されており、配線パターンが設計通りに仕上がっているか否かを検査するために、従来より数多くの検査装置が提供されている。特に、近年、電子機器の小型化や軽量化などに伴って配線パターンのファイン化が進んでおり、全ての配線に直接プローブを接触させて配線の断線や短絡を検査することが困難となる場合があった。そこで、この方式の代わりに、微小なパッドには直接プローブを接触させずに、配線の断線等を検査する検査装置が提案されている。
【0003】
このような検査装置として、例えば特許第3080158号公報に記載された装置がある。この装置は回路基板に形成された配線の断線/短絡を検査する装置であり、次のようにして検査を行っている。すなわち、この装置では、回路基板に形成された各配線のパターンのパッドに電磁波を照射し、該パッドから光電効果によって放出された電子に起因して、配線と静電容量結合しているGND(グラウンド)プレーンまたは外部金属平板に誘起される電流を測定することにより、検査対象配線の導通状態を検査している。
【0004】
本願発明は、この従来装置とは異なり、回路基板に形成された配線のパターンの一端に電磁波を照射し、そこから光電効果によって放出された電子を、空間を介して電極部により捕捉し、検査対象配線に流すことにより、検査対象配線の導通・断線・短絡を検査するものである。
【0005】
光電効果によって放出された電子を、空間を介して検出する回路基板検査装置としては、特開平8−278342号(特許第2940815号)公報に記載された装置がある。この装置は、被検査回路基板上方から所定空間を隔てて、電荷検出センサ及び電磁波発生手段を対向配置し、これら電荷検出センサおよび電磁波発生手段を被検査基板に対して相対移動しつつ放出電子を走査し、電流変化分布により被検査基板の導通・断線を検出するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、次のような問題があった。特開平8−278342号公報に記載の装置では、電荷検出センサおよび電磁波発生手段を被検査基板に対して相対移動しつつ放出電子を走査するため、装置が大型になる。また、もし電荷検出センサおよび電磁波発生手段と被検査基板とが対向する空間を真空にしようとすると、両者の相対移動範囲をカバーするために、真空装置も大型になる。
【0007】
さらに、上記二つの従来装置では、被検査配線またはそのパッドに単に電磁波を照射しているに過ぎないため、光電効果により空間に放出された電子が再び配線に戻ったり、空間で散乱したりする。また、放出された電子が空間電荷領域を形成し、光電効果による電子放出効率を低下させる。その結果、十分な検査精度が期待できない。
【0008】
そこで、この発明は上記問題を解決するためになされたものであって、光電効果によって生ずる電子を利用して回路基板に形成された配線の断線/短絡を精度よく安定して検査することができる回路基板の検査装置および検査方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査装置であって、上記目的を達成するため、一端が開放されるとともに前記回路基板の一方主面に前記一端が当接し、前記複数の配線の一端部を取り囲み閉空間を形成するハウジングと、前記閉空間を減圧する減圧手段と、前記閉空間の外部から、前記複数の配線のうち検査対象とする一の検査対象配線の一端部に選択的に電磁波を照射し、光電効果によって電子を放出させる電磁波照射手段と、前記閉空間内に放出された電子を捕捉する位置に設けられた電極部と、高電位側極が前記電極部に接続された直流電源と、前記複数の配線のうち前記検査対象配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続する接続手段と、光電効果により前記検査対象配線の一端部から放出された電子が前記電極部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記電極部、前記直流電源および前記接続手段を経由して前記検査対象配線の他端部から前記一端部に至る導電経路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段による検出結果に基づき前記検査対象配線の導通状態を判定する判定手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明では、検査対象配線の一端に電磁波を照射し、光電効果により電子が放出されて電極部に捕捉されることにより、電極部、直流電源および接続手段を経由して検査対象配線の他端部から一端部に至る導電経路が形成される。このとき、電極部を検査対象配線よりも高電位しているので、検査対象配線の一端部から放出された電子が再び配線に戻ったり散乱したりすることがなく、電極部で確実に捕捉して電流として検出することが可能であり、高い精度で配線の検査を行うことができる。また、一端部に電磁波を照射した検査対象配線の他端部を含む導電経路において電流を検出している、つまり検査対象配線を含む導電経路を流れる電流を検出しているので、当該検査対象配線の導通の有無を確実に判定することができる。
【0011】
なお、光電効果による電子放出の効率を高めて検査精度を向上させるためには、上記した端子部への電磁波照射は真空下で行われるのが好ましい。そこで、この発明では、電磁波が照射される配線の一端部を取り囲み閉空間を形成するハウジングを設け、その閉空間内を減圧するようにしている。そして、電磁波をハウジングの外部から配線に向けて照射するようにしているので、ハウジングを大幅に小型化することができるとともに、短時間でその内部閉空間を減圧することができるので、検査に要する時間を短縮することが可能となる。
【0012】
この場合、電極部を透明電極やメッシュ電極で形成したり、ハウジングの上壁を透明にしてハウジングの側壁に電極部を設けることにより、照射された電磁波を遮ることなく確実に所望の配線に入射させることができる。さらに、回路基板に設けられた他の配線を検査対象配線よりも高電位にするとともに上記導電経路中に含ませることにより、この他配線を上記した電極部として作用させるようにしてもよい。
【0013】
また、この発明は、回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査装置であって、上記目的を達成するため、一端が開放されるとともに前記回路基板の一方主面に前記一端が当接し、前記複数の配線の一端部を取り囲み閉空間を形成するハウジングと、前記閉空間を減圧する減圧手段と、前記閉空間の外部から、前記複数の配線のうち第1の配線の一端部に選択的に電磁波を照射し、光電効果によって電子を放出させる電磁波照射手段と、前記閉空間内に放出された電子を捕捉する位置に設けられた電極部と、高電位側極が前記電極部に接続された直流電源と、前記複数の配線のうち前記第1の配線と異なる第2の配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続する接続手段と、光電効果により前記第1の配線の一端部から放出された電子が前記電極部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記電極部、前記直流電源および前記接続手段を経由して、前記第2の配線の他端部から前記第1の配線の一端部に至る導電経路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段による検出結果に基づき前記第1および第2の配線間の短絡状態を判定する判定手段とを備えたことを特徴としている。このように構成された発明では、電極部、直流電源および接続手段を経由して、第2の配線の他端部から第1の配線の一端部に至る導電経路に流れる電流値によって第1および第2の配線間の短絡状態を効率よく、しかも安定して判定することができる。
【0014】
また、電磁波の照射方向を変化させる偏向手段を設けた場合には、この偏向手段を作動させることにより電磁波の照射対象を切り替えることができるので装置構成が簡単となり、装置の小型化を図ることができる。
【0015】
また、この発明にかかる回路基板検査方法は、上記目的を達成するため、検査対象配線の一端部に電磁波を照射して光電効果により空間に電子を放出し、直流電源により検査対象配線よりも高電位に設定された電極部により放出された電子を捕捉するとともに、検査対象配線の他端部を直流電源に接続することにより形成される検査対象配線を含む導電経路に流れる電流により、検査対象配線の導通状態を判定する。また、この発明にかかる回路基板の検査方法の他の態様は、電磁波を照射した第1の配線の一端部と、直流電源に接続した第2の配線の他端部とを含む導電経路に流れる電流により、第1および第2の配線の短絡状態を判定する。
【0016】
この回路基板検査方法では、配線の一端部に電磁波を照射して光電効果による電子を放出させ、その電子を電極部で捕捉して電流として検出することで、配線の電気的状態の検査を行っている。そして、上記した装置と同様に、光電効果により放出された電子を検査対象配線を含む閉回路を流れる電流として確実に検出し、その検出結果に基づいて配線の電気的状態を判定しているので、配線の導通・短絡いずれについても高い精度で検査することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
A.第1実施形態
図1は、この発明にかかる回路基板の検査装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の検査装置の電気的構成を示すブロック図である。この検査装置は、例えばC4(=Controlled Collapse Chip Connection)方式で半導体チップを実装可能となっている回路基板10を検査する装置である。この回路基板10では、図1に示すように、ベース基板11に複数の配線12、121、122が形成されている。なお、図1では、3本の配線のみを代表的に示しているが、実際の回路基板では、周知のように多数の配線がベース基板11の上下面および内部のいずれかまたは全てに形成されている。また例えば配線12は、ベース基板11の一方表面上で半導体チップのパッドに対応して設けられたパッド部12aと、ベース基板11の他方表面上に設けられたボールグリッド12bと、ベース基板11内に形成された孔(=Via)に設けられてパッド部12aとボールグリッド12bとを電気的に接続する導電部12cとで構成されている。そして、パッド部12aは半導体チップのパッドに対応すべく狭ピッチで配置される一方、ボールグリッド12bはパッド部12aに比べて広ピッチで配置されている。なお、この実施形態では、上記のように構成された回路基板10を検査対象たるワークとして検査する場合について説明するが、本発明の適用対象となる回路基板はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0018】
この検査装置には、1枚の回路基板をワーク10として保持するワークホルダ21が設けられている。このワークホルダ21は、ワーク10の検査を行うための検査位置(図1に示す位置)と、ワークホルダ21へのワーク10のローディングおよびワークホルダ21からのワーク10のアンローディングを行うためのロード/アンロード位置(図示省略)との間を移動自在となっており、装置全体を制御する制御部30からの制御信号に応じてワーク駆動機構22がワークホルダ21を検査位置とロード/アンロード位置との間を往復駆動する。
【0019】
この検査位置では、ワーク10の下方側に下部治具40が配置されている。この下部治具40は、各配線のボールグリッドに対応して設けられた複数の導電性スプリングプローブ41と、マルチプレクサー42と、プローブ41およびマルチプレクサー42を保持しながらワーク10に対して接近/離間移動自在な下部治具ベース(図示省略)とで構成されている。また、下部治具ベースには、下部治具駆動機構43が連結されており、制御部30からの制御信号に応じて下部治具ベースをワーク10に対して接近/離間駆動する。
【0020】
一方、検査位置に位置決めされるワーク10の上方側には、上部治具50が配置されている。この上部治具50は、透明電極にて形成されたプレート電極51と例えばゴムにて形成された遮断隔壁52とを用いて、ワーク10の一方表面の所定範囲を覆うようにキャップ状に形成されたハウジングであり、この上部治具50は一体的にワーク10に対して接近/離間移動自在となっている。このため、上部治具50に連結された上部治具駆動機構55が制御部30からの駆動指令にしたがって作動し、上部治具50がワーク10側に向かって移動すると、遮断隔壁52の端部52aがワーク10の表面に当接し、その表面によって押圧されて変形し、この端部52aがパッキンとして機能する。その結果、ワーク10およびハウジング50で取り囲まれる気密閉空間SPが形成される。なお、ここでは遮断隔壁52の端部52aをパッキンとして機能させる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて遮断隔壁52とワーク10との間にパッキンを設けてもよい。
【0021】
ハウジング50には、ハウジング雰囲気制御部70が接続されており、気密閉空間SP内を減圧できるようになっている。検査時における気密閉空間SPの真空度は、10−2気圧程度が望ましい。これよりも真空度が低いと光電効果による電子の放出効率が悪い。真空度を高めれば電子の放出効率は高まるが、気密閉空間SP内を所望真空度にするまでに時間がかかり、検査時間が長くなってしまう。本発明者の実験によれば、10−2気圧で十分な電子放出効果が得られた。また、この程度の真空度であれば、比較的に短時間で達成できる。
【0022】
また、この検査装置においては、ワーク10に形成された複数の配線のうち検査対象となる一つの配線の一端部に電磁波を照射するための電磁波照射ユニット60が設けられている。この電磁波照射ユニット60は、制御部30からの動作指令に従って電磁波Lを発射する電磁波発射部61と、電磁波発射部61から発射された電磁波Lを制御部30からの動作指令に従ってワーク10上の任意の位置に照射させる電磁波走査部62とを用いて構成されている。本実施例における電磁波発射部61は、266nmの波長の紫外線レーザー光を発光するように構成されている。また、電磁波発射部61は、光収斂光学系が付設されており、レーザー光が所望パッド部に収斂されて投射されるようになっている。このように、この実施形態では、電磁波照射ユニット60が本発明の「電磁波照射手段」として機能している。
【0023】
本実施形態において、電磁波発射部61は、光電効果の効率の面から紫外線レーザー光を発射する装置が用いられているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて可視光線や赤外線等を用いてもよい。
【0024】
ここで、一般に、光電効果の発生条件は、
(光子エネルギー)≧(材料固有の仕事関数:固体内部からの電子の放出エネルギー)
であるから、この不等式を満足させるレーザー光のような電磁波を入射させればよい。
【0025】
また、この電磁波発射部61は、Qスイッチ素子等を用いてパルス駆動が可能であるように構成されている。さらに、電磁波Lの走査を行う電磁波走査部62は、ガルバノミラーを用いて構成されている。そして、本実施形態にかかる電磁波照射ユニット60においては、制御部30からの動作指令に基づきガルバノミラーを駆動させることにより、電磁波発射部61から発射された電磁波Lを、ワーク10の表面の所望の箇所に正確且つ高速に照射することができる。このように、この実施形態では、電磁波走査部62が本発明の「偏向手段」として機能している。
【0026】
また、この検査装置では、プレート電極51と検査対象配線の他端部との間に電位差を与える直流電源80が設けられており、直流電源80は制御部30からの動作指令に従って所定の電位を出力する。この実施形態にかかる検査装置では、このように電位差を与えることによって、後に詳述するように、光電効果によって生ずる電子の戻りや散乱、さらには空間電荷領域の形成を抑制し、測定を効率的に行うことができる。
【0027】
また、この検査装置では、電源80の一方端子からプレート電極51および検査対象配線を介して電源80の他方端子に戻る導電経路に電流検出部90が介挿されて、当該導電経路を流れる電流を検出する。具体的には、電源80のプラス側端子がプレート電極51と電気的に接続され、電源80のマイナス側端子が電流検出部90を介してマルチプレクサー42の一方端子に接続され、マルチプレクサー42の他方端子は、各配線のボールグリッドに対応して設けられた複数のプローブ41に接続されている。
【0028】
そして、本実施形態においては、電源80の出力電圧を設定した状態のまま、制御部30からの選択指令に応じてマルチプレクサー42を構成するスイッチ部がそれぞれ切り替わって複数の配線のうち一つの配線12が選択されると、検査対象配線12のボールグリッド12bとプレート電極51との間に設定された電圧が印加され、検査対象配線12が導通状態にあるとき、パッド部12aとプレート電極51との間に電界が発生する。次いで、制御部30からの動作指令に基づき電磁波照射ユニット60から検査対象配線のパッド部12aに電磁波Lが照射されると、パッド部12aの表面では光電効果が起こり電子が放出される。こうして放出された電子は電界によりプレート電極51側に引き寄せられ、従来技術のように放出された電子が再びそのパッドに戻ったり、散乱したり、さらには、放出された電子が空間電荷領域を形成し、光電効果による電子放出効率を低下させたりしない。したがって、本実施形態においては、ボールグリッド12bにつながるパッド部12aの表面で電子が放出されることにより、電源80のプラス側端子から、プレート電極51、配線12、プローブ41、マルチプレクサー42、電流検出部90を経由して電源80のマイナス側端子に至る導電経路が形成される。電流検出部90は、この導電経路に流れる電流を測定し、その測定電流に相当するアナログ信号を出力する。このように、この実施形態では、プレート電極51が本発明の「電極部」として機能しており、電流検出部90が本発明の「電流検出手段」として機能している。
【0029】
ここで、例えば図1に示すように、マルチプレクサー42を構成する複数のスイッチ部のうちスイッチ部421のみが他方端子側に接続され、このスイッチ部421につながるプローブ411に対してのみ電圧が印加され、パッド部121aに対して電磁波Lが照射される場合について検討してみる。この場合、配線121が本発明の「検査対象配線」に相当することとなり、この配線121が正常な導通状態にあれば、パッド部121a表面における電子放出により、上記した導電経路に沿って所定の電流が流れる。一方、配線121が非導通状態にあれば、電流検出部90によって検出される電流値はゼロ、あるいは導通状態でのそれに比べて大きく低下した値を示すこととなる。そのため、制御部30は電流検出部90にて検出された測定電流に基づいて、検査対象配線121の導通/非導通状態を判定可能となっている。このように、この実施形態では、制御部30が本発明の「判定手段」として機能している。
【0030】
なお、検査対象配線121の断線検査が完了し、各スイッチ部での接続状況を切り替えると、検査対象配線が順次切り替えられ、切り替えの後、新たに検査対象配線となった一つの配線のパッド部に電磁波を照射すれば、上述のように、各配線の断線検査を行うことができる。このように、この実施形態では、マルチプレクサー42が本発明の「接続手段」または「スイッチ」として機能している。
【0031】
また、本実施形態においては、マルチプレクサー42のスイッチ部を切替制御するとともに、電磁波Lを照射するパッド部を適宜選択することによって、配線間の短絡検査を行うことができる。ここでは、ワーク10の左側に設けられた配線12を「第1検査対象配線」とし、ワーク10の略中央に設けられた配線121を「第2検査対象配線」とし、これらの配線対12、121間の短絡状態を検査する場合について説明する。例えば、マルチプレクサー42を構成する複数のスイッチ部のうち第2検査対象配線121に電気的に接続されている中央のスイッチ部421のみが他方端子側に接続される。そして、第1検査対象配線12を構成するパッド部12aに電磁波Lが照射される。
【0032】
ここで、もし第1検査対象配線12と第2検査対象配線121とが短絡している場合には、プレート電極51と第2検査対象配線121への電圧印加によってプレート電極51と第1検査対象配線12のパッド部12a(一方端)との間に電界が発生しており、電磁波照射による光電効果によって第1検査対象配線12のパッド部12aから放出された電子が電界によりプレート電極51側に引き寄せられ、電源80からプレート電極51、第1検査対象配線12、短絡箇所および第2検査対象配線121を経由して電源80に戻る導電経路が形成され、検査対象配線対を流れる電流を電流検出部90で確実に測定することができる。
【0033】
一方、検査対象配線対が非短絡状態にあるときには、上記導電経路は形成されず、電流検出部90によって検出される電流値はゼロあるいは短絡状態のそれよりも大きく低下した値となる。したがって、検査対象配線対を流れる電流を検出することで検査対象配線対の短絡状態を効率よく、しかも安定して判定することが可能となる。
【0034】
なお、他の配線間についても同様の方向で短絡検査が可能であり、例えば図1の状態において、ワーク10の右側の配線122のパッド部に電磁波Lを照射すれば、第2検査対象配線121と右側配線122との間における短絡検査を行うことができる。つまり、この装置においては、マルチプレクサー42のスイッチ部と電磁波Lを照射する配線とを適宜選択することによって、容易に各配線間の短絡検査を行うことができる。
【0035】
図3は、図1に示す回路基板の検査装置の動作を示すフローチャートである。この検査装置では、ロード/アンロード位置に位置しているワークホルダ21に対して未検査のワーク(回路基板)10が検査装置に並設されたハンドリング装置(図示省略)やオペレータのマニュアル操作などによってローディングされる(ステップS1)と、制御部30が装置各部を制御し、以下のステップS2〜S9を実行してワーク10を検査する。
【0036】
まずステップS2で、ワークホルダ21がワーク10をクランプ保持する。そして、ワーク10を保持したまま、ワークホルダ21がワーク10の検査を行うための検査位置(図1に示す位置)に移動する(ステップS3)。こうして、ワーク10が検査位置に位置決めされる。
【0037】
それに続いて、上部治具50および下部治具40がワーク10に向かって移動し、ワーク10をサンドイッチプレスする(ステップS4)。このワーク10への下部治具40の移動によって、図1に示すように、各導電性スプリングプローブ41の先端部がそれぞれ対応する配線12のボールグリッド12bに押し当てられて電気的に接続される。一方、ワーク10への上部治具50の移動によって、同図に示すように、プレート電極51と遮断隔壁52とで取り囲まれる気密閉空間SPが形成される。
【0038】
こうして、ワーク10の検査準備が完了すると、断線検査(ステップS5)および短絡検査(ステップS6)を実行してワーク10の導通状態を検査する。なお、これらの検査内容については後で詳述する。
【0039】
そして、検査終了に伴い、下部治具40および上部治具50がワーク10から離間移動してワーク10のプレスを解除した(ステップS7)後、ワークホルダ21がロード/アンロード位置に移動してワーク10のクランプを解除する(ステップS8)。最後に、ステップS9で検査が完了したワーク10がワークホルダ21から搬出されたことを確認すると、ステップS1に戻って上記一連の処理を実行する。
【0040】
次に、断線検査(ステップS5)について、図4および図5を参照しつつ以下に詳述する。図4は、この発明にかかる回路基板の検査装置における断線検査を示すフローチャートである。また、図5は断線検査におけるタイミングチャートである。
【0041】
ステップS4によって形成された気密閉空間SPには、酸素を含む空気が充満しており、この状態で気密閉空間SP内のパッド部、例えば図1の符号121aに電磁波を照射すると、空気分子が障害となって光電効果により生ずる電子がパッド部121aの表面から適切に放出されず、電流を定常的に測定することが困難となる。そこで、この実施形態では、制御部30からの動作指令に従って、ハウジング(上部治具)50内を減圧すべくハウジング雰囲気制御部70を作動させ、10−2気圧程度まで気密閉空間SP内の減圧処理を行っている(ステップS51)。
【0042】
減圧処理が完了すると、図5に示すように、所定タイミングで電極プレート51と配線121との間に電圧が印加される(ステップS52)。これによって、検査対象配線121が導通状態にあるとき、パッド部121aとプレート電極51との間に電界が発生する。そして、電磁波Lの照射により生ずる電子は、パッド部121aに戻ることなく、電極プレート51側に引き寄せられるため、本実施形態においては、定常的に電流値を測定することが可能となる。
【0043】
電圧印加後は、制御部30からの選択指令に応じてマルチプレクサー42が作動し、検査対象となる一つの配線121のみが電源80のマイナス側出力端子と電気的に接続される(ステップS53)。こうして、最初の検査対象配線が選択されると、図5に示すような所定タイミングで、検査対象配線のパッド部121aにパルス状の紫外線レーザー光すなわち電磁波Lの照射が行われる(ステップS54)。
【0044】
電磁波Lが照射されている間、電流検出部90にて検出出力(図5に示される測定電流)を計測する(ステップS55)。そして、その電流値に基づき、選択された配線が断線しているか否かを判定する(ステップS56)。なお、ここでは、検出出力の有無のみにて断線判定を行うことも可能であるが、好ましくは、予め測定された良品回路基板の電流値と、計測された電流値(図5に示される測定電流)とを比較して、検査対象配線が断線しているか否かを判定する。そして、検査対象配線の選択(ステップS53)から断線判定(ステップS56)までの一連の処理は、ステップS57で全ての配線について検査が完了したと判定されるまで繰り返して実行される。
【0045】
以上のように、この実施形態にかかる検査装置では、プレート電極51と検査対象配線121のボールグリッド(他端部)121bへの電圧印加によってプレート電極51とパッド部121aとの間に電界が発生しており、電磁波照射による光電効果によって検査対象配線121の一端部から放出された電子は電界によりプレート電極51側に引き寄せられる。このため、検査対象配線121が導通状態にあるときには、電源80からプレート電極51および検査対象配線121を経由して電源80に戻る導電経路が形成され、検査対象配線121を流れる電流を電流検出部90で確実に測定することができる。一方、検査対象配線121が非導通状態にあるときには、上記導電経路は形成されず、電流検出部90によって検出される電流値はゼロあるいは導通状態のそれよりも大きく低下した値となる。したがって、検査対象配線121を流れる電流を検出することで検査対象配線121の導通状態を精度よく、しかも安定して判定することができる。
【0046】
また、本実施形態においては、電磁波Lが照射されるパッド部を囲む気密閉空間SP内の減圧処理が行われ、光電効果にて電子が放出される際の障害となる空気分子が低減されているため、電子放出が効率よく行われる。したがって、定常的に安定した電流測定が可能となる。さらに、気密閉空間SPを構成するハウジング50が、ワーク10上の必要最小限の面積を覆うように構成されているため、減圧対象となる空間が狭くなり、装置の小型化、減圧処理時間の短縮化を図ることができる。
【0047】
また、本実施形態においては、電源80のプラス側端子から、プレート電極51、配線121、プローブ41、マルチプレクサー42、電流検出部90を経由して電源80のマイナス側端子に至る導電経路が形成され、この導電経路における電流変化を測定して、配線の断線を判定している。つまり、検査装置が回路として構成されているため、安定した電流値測定を行うことができる。
【0048】
さらに、本実施形態においては、プレート電極51が透明電極を用いて構成されているため、検査対象である配線の上方に所定間隔を隔ててプレート電極51を設けても、プレート電極51を透過させて、検査対象配線のパッド部に電磁波Lを照射することができる。したがって、この実施形態によれば、透明電極51を検査対象配線121のパッド部121aに近接して配置することができ、電磁波照射によりパッド部121aから放出された電子を透明電極51で確実に捕捉することができ、より安定した検査が可能となる。
【0049】
また上記実施形態では、プレート電極51が検査対象の配線群を覆うようにプレート状に形成されているため、次のような作用効果も得られる。すなわち、検査対象配線の位置に応じてプレート電極51の配設位置を移動させる必要がなく、プレート電極51の位置を固定し、プレート電極51を透過させて検査対象配線に対する電磁波照射が可能となるため、上部治具50および上部治具駆動機構55を簡単な構成とすることができ、検査時間を短縮することもできる。また、このプレート電極51がハウジング50の一内側面を構成するため、構成部材の減少も図ることができる。
【0050】
次に、短絡検査(ステップS6)について、図6を参照しつつ説明する。図6は、この発明にかかる回路基板の検査装置における短絡検査を示すフローチャートである。この短絡検査の全体の流れは、基本的に、断線検査(ステップS5)と同様であるが、マルチプレクサー42の切り替え制御と、電磁波Lが照射されるパッド部との組み合わせが断線検査とは異なる。以下、主に異なる部分について説明する。
【0051】
短絡検査においても、断線検査と同様に、減圧処理(ステップS61)が行われた後に、制御部30からの選択指令に応じて、複数の配線の中から検査対象として一対の検査対象配線が選択される(ステップS62)。この際、制御部30からの選択指令に応じてマルチプレクサー42が作動し、検査対象配線対を構成する第1検査対象配線と電源80のマイナス側出力端子とは電気的に接続されず、検査対象配線対を構成するもう一方の第2検査対象配線のみが電源80のマイナス側出力端子と電気的に接続される。これにより、プレート電極51と第2検査対象配線との間に電源80からの出力電圧が印加される(ステップS63)。
【0052】
ステップS62にて検査対象配線対が選択された後は、制御部30からの動作指令に従って、第1検査対象配線のパッド部に電磁波Lの照射が行われる(ステップS64)。ここで、電磁波照射によりパッド部から電子が放出されると、検査対象配線対間が短絡していれば、プレート電極51と第2検査対象配線への電圧印加によってプレート電極51と第1検査対象配線のパッド部(一方端)との間に電界が発生しており、電磁波照射による光電効果によって第1検査対象配線のパッド部から放出された電子が電界によりプレート電極51側に引き寄せられ、電源80からプレート電極51、第1検査対象配線、短絡箇所および第2検査対象配線を経由して電源80に戻る導電経路が形成され、検査対象配線対を流れる電流を電流検出部90で確実に測定することができる。一方、検査対象配線対が非短絡状態にあるときには、上記導電経路は形成されず、電流検出部90によって検出される電流値はゼロあるいは短絡状態のそれよりも大きく低下した値となる。したがって、検査対象配線対を流れる電流を検出することで検査対象配線対の短絡状態を精度よく、しかも安定して判定することができる。
【0053】
そこで、この実施形態では、電磁波Lが照射されている間、電流検出部90にて検出出力(電流値)を計測する(ステップS65)。そして、その電流値に基づき、選択された配線間が短絡しているか否かを判定する(ステップS66)。なお、ここでは、検出出力の有無のみにて短絡判定を行うことも可能であるが、好ましくは、予め測定された良品回路基板の電流値と、計測された電流値とを比較して、検査対象配線対間が短絡しているか否かを判定する。そして、検査対象配線対の選択(ステップS62)から短絡判定(ステップS66)までの一連の処理は、ステップS67で全ての配線について検査が完了したと判定されるまで繰り返して実行される。
【0054】
なお、以上の第1実施形態においては、透明電極を用いてプレート電極51を構成する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、メッシュ電極を用いてプレート電極を構成してもよい。ただし、この場合には、メッシュ電極にてハウジング50の一内側面を構成するのではなく、透明なガラス材料等を用いてハウジングを構成し、このハウジング上壁内面(下面)にメッシュ電極を貼り付けるような構成にするのが好ましい。このような構成とすれば、電磁波Lは、ハウジングを透過した後、メッシュ電極の空隙部を通過して、検査対象配線に照射することができるので、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0055】
また、ハウジング50の遮断隔壁または側壁52の内面に電極を形成し、光電効果によって放出された電子を捕捉するようにしてもよい。この場合、側壁を導電性の金属で形成して遮断隔壁兼電極部とし、上壁を透明なガラスで形成すれば、簡単に側壁の外部から電源への接続が可能になる。
【0056】
B.第2実施形態
図7は、この発明にかかる回路基板の検査装置の第2実施形態を示す図である。この実施形態にかかる検査装置の基本的な原理は、第1実施形態と同様であって、本実施形態と第1実施形態とは、電源80からの電圧印加の方法、およびこれに起因して若干の構成が異なる。そこで、ここでは、第1実施形態と同様の構成要素については同様の符号を付し、以下には主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0057】
この実施形態にかかる検査装置は、電圧印加用のプレート電極を設けることなく構成されたもので、選択された検査対象配線の周囲に配設されている全ての配線、あるいは一部の配線に対して電圧を印加し、電磁波Lが照射された検査対象配線からの電子の捕捉を効率よく行うように構成された装置である。このような構成を実現するために本実施形態においては、電源80のプラス側端子がマルチプレクサー45の一方端子に接続されている一方、電源80のマイナス側端子が電流検出部90を介してマルチプレクサー45の他方端子に接続されている。
【0058】
また、上部治具は、ワーク10の一方表面の所定範囲を覆うようにキャップ状に形成されたハウジング54を備えており、このハウジング54には、検査対象配線の上方であって電磁波Lの照射経路となる範囲に光学窓が設けられている。具体的には、光学的に透明であるガラス等を用いて、電磁波Lが照射される光学窓、あるいはハウジング54全体が形成されている。さらに、この上部治具であるハウジング54はワーク10に対して接近/離間移動自在となっており、上部治具駆動機構55が制御部30からの駆動指令に従って作動し、ハウジング54がワーク10側に向かって移動すると、ハウジング54の端部54aがワーク10の表面に当接し、押圧されて変形し、この端部54aがパッキンとして機能する。その結果、ワーク10およびハウジング54で取り囲まれる気密閉空間SPが形成される。
【0059】
ここで、例えば図7に示すように、マルチプレクサー45を構成する複数のスイッチ部のうちスイッチ部451のみがa端子側を選択し、残りのスイッチ部452、453はb端子側を選択した場合について検討してみる。この場合、このスイッチ部451に繋がる配線121が本発明の「検査対象配線」に相当することとなって、電源80によってスイッチ部452、453に繋がる配線には所定の電圧が印加され、パッド部121aに対して電磁波Lが照射される。
【0060】
そして、この配線121が正常な導通状態にあれば、検査対象配線121の他端部と、スイッチ部452、453に繋がる配線(以下「他配線」という)とに電圧を印加することによって、それらの他配線のパッド部と、検査対象配線121のパッド部121aとの間に電界が発生しており、電磁波照射による光電効果によって検査対象配線121のパッド部121aから放出された電子は電界により他配線のパッド部に引き寄せられる。このため、検査対象配線121が導通状態にあるときには、電源80から他配線および検査対象配線121を経由して電源80に戻る導電経路が形成され、検査対象配線121を流れる電流を電流検出部90で確実に測定することができる。一方、検査対象配線121が非導通状態にあるときには、上記導電経路は形成されず、電流検出部90によって検出される電流値はゼロあるいは導通状態のそれよりも大きく低下した値となる。したがって、検査対象配線121を流れる電流を検出することで検査対象配線の導通状態を精度よく、しかも安定して判定することが可能となる。そのため、制御部30は電流検出部90にて検出された測定電流に基づいて、検査対象配線121の導通/非導通状態を判定可能となっている。
【0061】
検査対象配線121の断線検査が完了し、マルチプレクサー45を構成する各スイッチ部での接続状況を切り替えると、検査対象配線が順次切り替えられ、切り替えの後、次々と、新たに検査対象配線となった一つの配線のパッド部に電磁波を照射すれば、全ての配線についての断線検査を行うことができる。
【0062】
なお、本実施形態においては、上述した装置を用いて断線検査を行う際には、各ボールグリッド間の短絡検査を事前に行う必要がある。各ボールグリッド間に短絡部分があると、マルチプレクサー45の切り替え状態によって、電流が流れてしまうおそれがあるからである。ボールグリッド側からの短絡検査については、従来から種々の方法が知られているため、ここでは省略する。
【0063】
以上説明したように、本実施形態においては、マルチプレクサー45を適宜切り替えることによって他配線のパッド部を第1実施形態の「プレート電極51」として機能させており、検査対象配線121のパッド部121aと他配線のパッド部との間に電界を発生させるとともに、電磁波Lを照射した際の光電効果によって他配線のパッド部から生ずる電子をパッド部121aで捕捉している。したがって、本実施形態によれば、プレート電極を有しない構成であっても、第1実施形態と同様に、安定して検査対象配線の導通/非導通を検査することができる。
【0064】
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態にかかる検査装置は、ワーク(回路基板)10についての導電状態の検査として「断線検査」と「短絡検査」とをこの順序で行っているが、検査順序はこれに限定されるものではない。また、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、少なくとも「断線検査」または「短絡検査」のいずれかを行う検査装置に対して本発明を適用することができる。
【0065】
また、上記各実施形態では、C4方式で半導体チップを実装可能となっている回路基板10を検査対象としているが、本発明によって検査可能な回路基板は、これに限定されるものではない。例えばベース基板の一方表面にのみ配線が形成された回路基板や折返し配線パターンを有する回路基板などについても、本発明を適用することができる。
【0066】
また、上記各実施形態では、電磁波Lをパルス状に1回だけ照射しているが、この照射回数については1回に限定されるものではなく、複数回照射するようにしてもよい。さらに、上記各実施形態では、ハウジング内を減圧処理する場合について説明しが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて、減圧処理を行わず、あるいは適宜減圧状態を加減してもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、電極部と検査対象配線の一端部との間に電界を発生させ、電磁波照射による光電効果によって検査対象配線の一端部から放出された電子を電界により電極部側に引き寄せて導電経路を形成するとともに、その検査対象配線に流れる電流に基づき配線検査を行うようにしているので、検査対象配線の断線/短絡を精度よく安定して検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる回路基板の検査装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1の検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す回路基板の検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明にかかる回路基板の検査装置における断線検査を示すフローチャートである。
【図5】断線検査におけるタイミングチャートである。
【図6】この発明にかかる回路基板の検査装置における短絡検査を示すフローチャートである。
【図7】この発明にかかる回路基板の検査装置の第2実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10…ワーク(回路基板)
12…配線(検査対象配線)
12a、121a…パッド部
12b、121b…ボールグリッド
12c、121c…導電部
30…制御部(判定手段)
42、45…マルチプレクサー
50、54…ハウジング
51…プレート電極(電極部)
60…電磁波照射ユニット(電磁波照射手段)
80…電源
90…電流検出部(電流検出手段)
121…配線(検査対象配線)
SP…気密閉空間

Claims (11)

  1. 回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査装置において、
    一端が開放されるとともに前記回路基板の一方主面に前記一端が当接し、前記複数の配線の一端部を取り囲み閉空間を形成するハウジングと、
    前記閉空間を減圧する減圧手段と、
    前記閉空間の外部から、前記複数の配線のうち検査対象とする一の検査対象配線の一端部に選択的に電磁波を照射し、光電効果によって電子を放出させる電磁波照射手段と、
    前記閉空間内に放出された電子を捕捉する位置に設けられた電極部と、
    高電位側極が前記電極部に接続された直流電源と、
    前記複数の配線のうち前記検査対象配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続する接続手段と、
    光電効果により前記検査対象配線の一端部から放出された電子が前記電極部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記電極部、前記直流電源および前記接続手段を経由して前記検査対象配線の他端部から前記一端部に至る導電経路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段による検出結果に基づき前記検査対象配線の導通状態を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする回路基板の検査装置。
  2. 回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査装置において、
    一端が開放されるとともに前記回路基板の一方主面に前記一端が当接し、前記複数の配線の一端部を取り囲み閉空間を形成するハウジングと、
    前記閉空間を減圧する減圧手段と、
    前記閉空間の外部から、前記複数の配線のうち第1の配線の一端部に選択的に電磁波を照射し、光電効果によって電子を放出させる電磁波照射手段と、
    前記閉空間内に放出された電子を捕捉する位置に設けられた電極部と、
    高電位側極が前記電極部に接続された直流電源と、
    前記複数の配線のうち前記第1の配線と異なる第2の配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続する接続手段と、
    光電効果により前記第1の配線の一端部から放出された電子が前記電極部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記電極部、前記直流電源および前記接続手段を経由して、前記第2の配線の他端部から前記第1の配線の一端部に至る導電経路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段による検出結果に基づき前記第1および第2の配線間の短絡状態を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする回路基板の検査装置。
  3. 前記ハウジングの上壁は透明になされ、前記ハウジングの側壁に前記電極部が設けられるとともに、前記電磁波照射手段は、前記透明上壁を透過して電磁波を照射する請求項1または2に記載の回路基板の検査装置。
  4. 前記ハウジングの上壁に透明電極またはメッシュ電極が形成されて前記電極部として作用するとともに、前記電磁波照射手段は、前記透明電極を透過してまたは前記メッシュ電極の間隙を透過して電磁波を照射する請求項1または2に記載の回路基板の検査装置。
  5. 回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査装置において、
    一端が開放されるとともに前記回路基板の一方主面に前記一端が当接し、前記複数の配 線の一端部を取り囲み閉空間を形成するハウジングと、
    前記閉空間を減圧する減圧手段と、
    前記閉空間の外部から、前記複数の配線のうち検査対象とする一の検査対象配線の一端部に選択的に電磁波を照射し、光電効果によって電子を放出させる電磁波照射手段と、
    直流電源と、
    前記複数の配線のうち前記検査対象配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続する一方、前記複数の配線のうち前記検査対象配線以外の少なくとも1つの他配線の他端部を前記直流電源の高電位側極に接続する接続手段と、
    光電効果により前記検査対象配線の一端部から放出された電子が前記他配線の一端部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記直流電源および前記接続手段を経由して、前記他配線の一端部から前記検査対象配線の一端部に至る導電経路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段による検出結果に基づき前記検査対象配線の導通状態を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする回路基板の検査装置。
  6. 回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査装置において、
    一端が開放されるとともに前記回路基板の一方主面に前記一端が当接し、前記複数の配線の一端部を取り囲み閉空間を形成するハウジングと、
    前記閉空間を減圧する減圧手段と、
    前記閉空間の外部から、前記複数の配線のうち第1の配線の一端部に選択的に電磁波を照射し、光電効果によって電子を放出させる電磁波照射手段と、
    直流電源と、
    前記複数の配線のうち前記第1の配線と異なる第2の配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続する一方、前記第1および第2の配線と異なる第3の配線の他端部を前記直流電源の高電位側極に接続する接続手段と、
    光電効果により前記第1の配線の一端部から放出された電子が前記第3の配線の一端部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記直流電源、前記接続手段及び前記第2の配線の他端部を経由して、前記第3の配線の一端部から前記第1の配線の一端部に至る導電経路に流れる電流値を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段による検出結果に基づき前記第1および第2の配線間の短絡状態を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とする回路基板の検査装置。
  7. 前記電磁波照射手段は、前記複数の配線それぞれの一端部に順次選択的に電磁波を照射するように、電磁波の照射方向を変化させる偏向手段を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  8. 前記接続手段は、前記複数の配線の他端部にそれぞれ接触して電気的に接続されるプローブと、そのプローブを選択的に前記直流電源に接続するスイッチとを備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の回路基板の検査装置。
  9. 回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査方法において、
    前記回路基板の一方主面の前記複数の配線の一端部を一端が開口されたハウジングで取り囲むように覆い、前記一方主面と前記ハウジングにより閉空間を形成して、該閉空間を減圧し、
    前記複数の配線のうち検査対象とする一の検査対象配線の一端部の近傍に電極部を設けて直流電源の高電位側極に接続するとともに、前記複数の配線のうち前記検査対象配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続することにより前記電極部に前記検査対象配線の他端部よりも高電位を与え、
    前記検査対象配線の一端部に電磁波を照射して光電効果により空間に電子を放出させ、
    光電効果により前記検査対象配線の一端部から放出された電子が前記電極部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記電極部および前記直流電源を経由して、前記検査対象配線の他端部から前記一端部に至る導電経路に流れる電流値を検出し、
    該電流検出結果に基づき前記検査対象配線の導通状態を判定する
    ことを特徴とする回路基板の検査方法。
  10. 前記複数の配線を1つずつ順番に検査対象配線として選択し、選択した検査対象配線の導通状態を順次判定する請求項9に記載の回路基板の検査方法。
  11. 回路基板の一方主面に設けられた一端部と、前記回路基板の前記一方主面と反対側の他方主面に設けられた他端部とを電気的に接続してなる配線を複数有する回路基板の検査方法において、
    前記回路基板の一方主面の前記複数の配線の一端部を一端が開放されたハウジングで取り囲むように覆い、前記一方主面と前記ハウジングにより閉空間を形成して、該閉空間を減圧し、
    前記複数の配線のうち第1の配線の一端部の近傍に電極部を設けて直流電源の高電位側極に接続するとともに、前記複数の配線のうち前記第1の配線と異なる第2の配線の他端部を前記直流電源の低電位側極に接続することにより前記電極部に前記第2の配線の他端部よりも高電位を与え、
    前記第1の配線の一端部に電磁波を照射して光電効果により空間に電子を放出させ、
    光電効果により前記第1の配線の一端部から放出された電子が前記電極部に引き寄せられ捕捉されることに起因して、前記電極部および前記直流電源を経由して、前記第2の配線の他端部から前記第1の配線の一端部に至る導電経路に流れる電流を検出し、
    該電流検出結果に基づき前記第1および第2の配線の間の短絡状態を判定する
    ことを特徴とする回路基板の検査方法。
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