JP2007205884A - 基板検査装置及びこれに使用される電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光を金属表面に照射して、その金属表面から負の電荷を帯びた粒子を放出する現象を利用し、プローブをランドに接触させずに配線パターンの断線や短絡を検査することの可能な基板検査装置を提供する。
【解決手段】基板検査装置1は、配線パターン上の第1の検査点に、光電効果現象及びレーザアブレーション現象の両方又はいずれか一方を発生させるレーザ光を照射して荷電粒子を放出させるレーザ光照射手段22と、第1の検査点から放出された荷電粒子を捕捉する捕捉電極14cと、前記捕捉電極と第2の検査点との間に、該捕捉電極が第1の検査点より高電位になるように所定の大きさの電圧を印加する電圧印加手段16と、前記電圧印加手段に直列に接続され、前記捕捉電極と第2の検査点の間を流れる電流の値を検出する電流検出手段18とを備え、前記捕捉電極は、前記レーザ光を変向させる反射機能を有する捕捉電極である。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板検査装置に関し、更に具体的には、例えば、光電効果現象及びレーザアブレーション現象(「レーザアブレージョン現象」ともいう。)のような、レーザ光を金属表面に照射して、その金属表面から負の電荷を帯びた粒子を放出する現象を利用した基板検査を行う基板検査装置に関する。
一般に、基板検査装置は、被検査基板に形成された複数の配線パターンの中から1の配線パターンを順次選択して配線パターンの両端間に流れる電流の値を検出して導通(断線)状態、又は隣接する2つの配線パターンを順次選択して隣接配線パターン間に流れる電流の値を検出して絶縁(短絡)状態の少なくとも一方の検査を行っている。
この出願書類で、「被検査基板」又は単に「基板」とは、プリント配線基板に限らず、例えば、フレキシブル基板、多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリアなど種々の基板を意味する。
基板には、種々の基板が存在し、それらの配線パターンが設計通りに製造されているか否かを検査するために、従来から数多くの種類の基板検査装置が提供されている。特に、近年、電子機器の小型化等に伴って基板の配線パターンの微細化が進み、ランドが増加すると共に微小化しているため、基板検査装置のプローブを全ての検査点であるランドに直接接触させて配線パターンの断線や短絡を検査することが困難となる場合があった。
そこで、本出願人は、下記特許文献1として、プローブをランドに接触させずに、配線パターンの断線や短絡を検査する基板検査装置を提案している。
特開2002-318258「回路基板の検査装置および検査方法」(公開日:2002年10月31日) 前掲特許文献1では、実施例として、紫外線領域のレーザ光を被検査配線パターンの一端に照射して、そこから光電効果によって放出された光電子をプラス電極で捕捉し、それによる電流を利用して基板を検査する装置を開示している。
前掲特許文献1の方法を用いると、プローブをランドに接触させずに、配線パターンの断線や短絡を検査することが可能となる。
ここで、特許文献1では、光電効果現象により発生した光電子を捕捉するため、被検査基板2の上面を覆うハウジング44の側壁42の一部に、光電子を捕捉する電極部442bを設けた具体例が開示されている。
しかし、本発明者等は、その後の研究・開発を通じて、光電効果現象のみならずレーザアブレーション現象を利用しても基板の検査が出来ることを発見した。更に、本発明者等は、主として光電効果現象及び/又はレーザアブレージョン現象を利用した基板検査装置において、これらの現象を更に十分に利用するために捕捉電極構造の改良に着手した。
そこで、本発明は、光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象等のレーザ光を金属表面に照射することで発生する負の電荷を帯びた粒子を捕捉して検査を行う基板検査装置に用いられる捕捉電極に関する構造であって、効果的に負電荷粒子を捕捉することができる、負の電荷を帯びた粒子を捕捉する新規な捕捉電極及びこれを備えた基板検査装置を提供することを目的とする。
上記目的に鑑みて、本発明に係る基板試験装置は、被検査基板に形成された複数の配線パターンの良否を、該被検査基板に形成される配線パターンの検査点にレーザ光を照射し、前記検査点から放出される荷電粒子を捕捉することにより、該配線パターンの良否を判定する基板検査装置であって、配線パターン上の検査点に、荷電粒子を放出させるためのレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、前記検査点から放出された荷電粒子を捕捉する捕捉電極と、前記捕捉電極が前記検査点より高電位又は低電位になるように所定の大きさの電圧を印加する電圧印加手段と、前記捕捉電極に捕捉される荷電粒子を基に、該荷電粒子による電流の値を検出する電流検出手段とを備え、前記捕捉電極は、前記レーザ光照射手段からの前記レーザ光を反射させて前記検査点へ照射させる反射機能を有している。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記被検査基板を取り囲み、減圧可能な閉空間を形成するためのハウジングを備えることもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記レーザ光照射手段及び前記捕捉電極が、前記ハウジングの内部に配置することもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記レーザ光照射手段が、前記ハウジングの外部に配置され、前記ハウジングが、前記レーザ光照射手段からのレーザ光を前記ハウジング内部へ通過させるレーザ透過窓を有することもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記被検査基板が、前記ハウジングの一部を形成することもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記捕捉電極が、前記ハウジングの一部分を形成することもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記捕捉電極が、前記被検査基板の端部と当接するとともに該被検査基板側へ傾斜して配置することもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記捕捉電極と前記被検査基板が形成する傾斜角が、約45度とすることもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記ハウジングが、前記被検査基板、前記レーザ透過窓と前記捕捉電極により形成することもできる。
更に、上記基板試験装置では、更に、前記ハウジングが、側面視に於いて、前記捕捉電極を傾斜辺とする直角三角形状とすることもできる。
更に、上記基板試験装置では、前記反射機能を有する捕捉電極は、レーザ光を反射する金属板からなることもできる。
更に、上記基板試験装置では、前記金属板がアルミニウムとすることもできる。
更に、上記基板試験装置では、前記レーザ光照射手段から発行されるレーザ光が、波長λが第三高調波の355nm又は第四高調波の266nmのレーザ光を照射することもできる。
更に、本発明に係る電極又は電極構造は、被検査基板の検査点にレーザ光を照射して、該検査点からの放出される電荷を帯びた荷電粒子を捕捉し、該荷電粒子の捕捉量から前記被検査基板の良不良を検査する基板検査装置に於ける電極又は電極構造であって、前記電極構造が、照射されるレーザ光を反射して、所望する検査点へ照射する反射機能を有すると共に該レーザ光の照射により該検査点から放出される荷電粒子を捕捉する捕捉電極として機能する。
更に、上記電極又は電極構造では、前記電極構造は、前記被検査基板を密閉するためのハウジングの一部とすることもできる。
更に、上記電極又は電極構造では、前記電極構造がアルミニウム板からなることもできる。
本発明によれば、光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象等のレーザ光を金属表面に照射することで発生する負の電荷を帯びた粒子を捕捉して検査を行う基板検査装置に用いられる、新規な負の電荷を帯びた粒子を捕捉する捕捉電極及びこれを備えた基板検査装置を提供することができる。
以下、本発明に係る基板検査装置の実施形態の一例について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図面中、同じ要素に対しては同じ符号を付して、重複した説明を省略する。
[光電効果とレーザアブレーション]
最初に、本発明の理解を容易にするため、前掲特許文献1(特開平14-318258)及び本発明で利用する光電効果現象と、本発明で新たに利用するレーザアブレーション現象とに関して簡単に説明する。
光電効果は、金属表面に光を当てたとき光エネルギにより電子(光電子)が飛び出す現象である。光電効果は、例えば、真空のガラス管内に配置された金属製の2枚の平行電極間に直流電圧を印加し、マイナス(−)電極に光を照射すると光電子が飛び出して、プラス(+)電極に捕捉され、電流が流れることで知られている。
光電効果現象は、次のような特徴を有する。(1)印加電圧を十分に高くした場合、流れる電流はマイナス(−)電極に照射した光の強さに比例する。(2)どのような金属面に対しても、光電効果の起こり得る最小の振動数(「限界波長」に対応する周波数)があり、それ以下の振動数では、どんなに入射光の強度を強くしても光電効果は起こらない。(3)光電子の持つ最大運動エネルギは、入射光の強度に無関係であり、アインシュタインの光電子則E=hν−Wに完全に一致している。ここで、hはプランクの常数、νは入射光の振動数、Wは金属から電子を放出するために必要なエネルギ(仕事関数)である。従って、hν>Wを満たす振動数νの光でなければ光電効果は起こらない。そして、この仕事関数Wは、金属によって異なる。
一方、レーザアブレーション現象は、その詳細は未だ明らかになっていない面がある。本発明者等の理解する範囲では、レーザアブレーション現象は、エネルギ密度が非常に高いレーザを集光して金属に照射した場合、照射箇所で局所的に急激な温度上昇が起き、金属材料を急激に溶融・気化させ、爆発的な体積膨張に伴って金属材料が原子、分子、クラスタ等となって金属表面より飛び出していく。この飛び出した原子、分子、クラスタ等は、レーザ光に曝されているため急激な温度上昇と共に再励起されて熱プラズマ化し、電子、イオン等の荷電粒子が爆発的に発生する。
このように、光電効果現象は、主として光エネルギを利用した現象であり、一方、レーザアブレーション現象は、主として熱エネルギを利用した現象である。これらは、レーザパワー、印加電圧値、真空のガラス管内の真空度、使用する金属の種類等によって、光電効果現象が起こったり、レーザアブレーション現象が起こったりする。
現象面で見ると、光電効果現象は光電子が放出されるだけなので、ミクロに観察しても金属表面に何等変化はない。一方、レーザアブレーション現象は、金属材料が原子、分子、クラスタ等となって金属表面より飛び出していくため、ミクロに観察した場合(XMA等の測定装置で測定した場合を含む。)には程度の差はあれ、金属表面にスポット状の痕跡(損傷)が残ったり、金属膜厚が薄くなったりする。
本発明者等は、図1A及び図1Bに示すような基板検査装置の実験モデルを作成し、光電効果現象を利用した実験と、レーザアブレーション現象を利用した実験とを行った。被検査基板10には、上面に上面パターン部11と、下面に下面パターン部12と、これら両パターン部を電気的に接続する内層パターン部13とが形成されている。上面パターン部11の近傍には、荷電粒子捕捉電極14が配置されている。
下面パターン部12に対して荷電粒子捕捉電極14が相対的に高い電位となるように、直流電圧印加手段16が、荷電粒子捕捉電極14と下面パターン部12との間に接続されている。これにより、電粒子捕捉電極14と上面パターン部11の間には、前者が後者に対して高電位となる電界が発生する。
直流電圧印加手段16の負電極と下面パターン部12との間に、この回路を流れる電流を測定するための電流検出手段18と、可変抵抗20とが、直列に接続されている。ここで、可変抵抗13の抵抗値を変化させることにより、内層パターン部13の断線又は損傷状態をシミュレートする。少なくとも、被検査基板10及び荷電粒子捕捉電極14を含む領域は、真空雰囲気中に配置される。
図1Aに示すように、レーザ光Lを上面パターン部11に照射して光電効果現象を発生させながら、可変抵抗13の抵抗値の大きさを変化させたとき、上部パターン11から荷電粒子(この場合は、光電子)20が飛び出し、荷電粒子捕捉電極14に捕捉され、この荷電粒子の移動により抵抗値に影響を受けた電流が流れ、電流検出手段18で感知される。
同様に、図1Bに示すように、レーザ光Lを上面パターン部11に照射してレーザアブレーション現象を発生させながら、可変抵抗13の抵抗値の大きさを変化させたとき、上部パターン11は局所的に急激に溶融・気化し、その金属材料が原子、分子、クラスタ等となって金属表面より飛び出し、飛び出した原子、分子、クラスタ等は更にレーザ光Lに曝されて熱プラズマ化し、電子、イオン等の荷電粒子20が発生する。荷電粒子(この場合は、電子、マイナスイオン等)20が飛び出し、荷電粒子捕捉電極14に捕捉され、この荷電粒子の移動により抵抗値に影響を受けた電流が流れ、電流検出手段18で感知される。
本発明は、このような光電効果現象及び/又はレーザアブレージョン現象等のレーザ光を金属表面に照射して、その金属表面から負の電荷を帯びた粒子を放出する現象を利用して、検査点である金属表面へレーザ光を照射することによって、負の電荷を帯びた粒子(負荷電粒子)を発生させることのできる現象であればどのような現象でも利用することができる。
[基板検査装置]
図2は、基板10を検査する基板検査装置1の構成の要部を示す概念図である。
基板検査装置1は、基板2の第1の検査点12bと捕捉電極14との間に、捕捉電極14cが第1の検査点11bより高電位になるように所定の電圧を印加する電圧印加手段16と、第1の検査点11bにレーザ光Lを照射して光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象等の現象により負の荷電粒子を放出させるレーザ照射手段22と、負荷電粒子が捕捉電極14へ移動することにより発生する電流を検出する電流検出手段18とを備えている。
基板10は、例えば、基板ベース10aに複数の配線パターンが形成されている。例えば、配線パターン(11a−13a−12a)は、基板ベース10aの上面に形成された上面パターン部11aと、下面に形成された下面パターン部12aと、これら上面パターン部11aと下面パターン部12aとを電気的に接続するためビアホールを利用して形成された内層パターン部13aとで構成されている。他の配線パターン(11b−13b−12b),(11c−13c−12c)等も同様である。ここで、説明の都合上、被検査パターンを配線パターン(11b−13b−12b)とし、この上面パターン部11bを「第1の検査点」と呼び、下面パターン部12bを「第2の検査点」と呼ぶこととする。
検査時には、基板10は、基板位置決め駆動機構(図3の符号40参照)によって位置決めされ、基板10の下面側には、下面パターン部12bに対して、検査治具(図3の符号25参照)に保持された複数本の内の接触子の1本24bが圧接される。
一方、基板10の上面側には、ハウジング位置決め駆動機構(図3の符号38参照)によって、被検査基板10との間にほぼ直角三角形の内部空間を形成するハウジング26が圧接される。このハウジング26は、例えばガラスのような透明な材料で形成された垂直壁26aと、例えば金属板(好ましくはアルミニウム板)からなる斜辺壁26bと、これら垂直壁26a及び斜辺壁26bの各々の下端に設けられた例えばゴムにて形成された壁端部26cとから形成され、基板10の上面の所定範囲を覆うように形成されている。
ここで、斜辺壁26bは、レーザ反射ミラーとしての機能と捕捉電極としての機能を奏しているので、以下、反射機能を有する捕捉電極14cとも称する。なお、反射機能を有する捕捉電極14cの構造に関しては、後で図8に関して詳しく説明する。
ハウジング位置決め駆動機構38によってハウジング26が基板10の上面側に圧接されると、壁端部26cが基板上面に当接して押圧されて変形してパッキンとして機能する。その結果、基板10の上面及びハウジング26で取り囲まれる気密な閉空間28が形成される。この閉空間28内の空気を減圧するべく、減圧ポンプ30に接続された配管30aがハウジング26の適所を貫通して、閉空間28と減圧ポンプ30との間に接続されている。
電圧印加手段16は、直流電源を有し、反射機能を有する捕捉電極14cと、接触子24bを介して第2の検査点12bとの間に、反射機能を有する捕捉電極14cに対して第2の検査点12b(これは、第1の検査点11bと同電位である。)が低電位となるよう所定の電圧を印加する。複数本の接触子24a〜24cは、各々、複数個のスイッチ32a〜32cの内の1個の対応するスイッチの一端に接続され、各スイッチ32の他端は相互に接続されて電流計18を介して直流電源16に接続されている。なお、これら複数個のスイッチ32a〜32cは、スキャナ33を構成し、図3に関連して説明するようにテスターコントローラ34の制御の下、被検査パターンを順次選択し、これに圧接する接触子(例えば、24b)に接続するスイッチ(例えば、32b)を閉じ、他の接触子(例えば、24a,24c)に接続するスイッチ(例えば、32a,32c)を開くように動作する。
ここで、直流電源16は、制御部36(図3参照)からの指示に従って、スイッチ32b,接触子24bを介して第2の検査点12bと、ハウジング26に形成された捕捉電極14との間に、所定値の電圧を印加する。
レーザ照射手段22は、発光部22aと、レーザ光走査部22bとを有している。発光部22aは、制御部36(図4のレーザ光照射部36-3b参照)からの動作指令に従ってレーザ光Lを射出し、レーザ光走査部22bは、射出されたレーザ光Lを制御部36からの動作指令に従って、透明な垂直壁26aを通って、反射機能を有する捕捉電極14cで反射して、基板10上の第1の検査点11bを照射する。
発光部22aは、好ましくは、YAGレーザからなり、波長λが第三高調波の355nm,第四高調波266nm等のレーザ光を発光するように構成され、且つ、照射された第1の検査点11bにおいて光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象が発生する強度のレーザ光を発光するものである。また、発光部22aは、好ましくは、Qスイッチ素子等を用いてパルス駆動が可能であるように構成されている。
レーザ光走査部22bは、例えば、ガルバノミラー(ガルバノメータ)を用いて構成されている。ここでは、制御部36からの動作指令に基づきガルバノミラーを駆動させることにより、発光部22aから射出されたレーザ光Lを、反射機能を有する捕捉電極14cで反射させて、第1の検査点11bに正確且つ高速に照射することができる。なお、レーザ光走査部22bは、図3に関連して説明するようにテスターコントローラ34の制御の下、被検査パターンを順次選択し、この被検査パターンの上面パターン部(第1の検査点)11a,11b又は11cに正確且つ高速に照射する。
電流検出手段18は、第1の検査点11bから放出された荷電粒子が反射ミラー兼捕捉電極14cへ移動することにより発生する電流を検出する。ここでは、電流検出手段18は、直流電源16の一方の端子から反射ミラー兼捕捉電極14c及び被検査配線パターン(11b−13b−12b)を介して直流電源16の他方の端子に戻る導電経路に介挿され、この導電経路を流れる電流値を検出している。具体的には、直流電源16のプラス(+)側端子が反射ミラー兼捕捉電極14cと電気的に接続され、直流電源16のマイナス(−)側端子が電流計18,スイッチ32bを介して第2の検査点12bに接続されている。
図3は、基板検査装置10の電気的構成を示す構成図である。基板検査装置1は、CPU,ROM,RAM,モータドライバ等を有して予めROMに記憶されているプログラムに従って装置全体を制御する制御部36と、制御部36からの指示を受け付けてハウジング位置決め駆動機構38,基板位置決め駆動機構40及び検査治具位置決め駆動機構42に対して駆動指令を夫々出力する駆動部44と、テスターコントローラ34と、スキャナ33とを備えている。
基板搬送駆動機構40は、駆動部44からの駆動指令を受けて、基板10をX方向(基板幅方向)駆動及びY方向(基板奥行き方向)駆動して搬送し、所定の検査位置に位置決めする。
ハウジング位置決め駆動機構38は、駆動部44からの駆動指令を受けて、基板10に対して、ハウジング26をX方向駆動,Y方向駆動,Z方向(基板厚み方向)を回転軸に角度θだけ回転移動させるθ駆動及びZ方向駆動して、ハウジング26を基板10に対して相対的に位置決めする。
検査治具駆動機構42は、駆動部44からの駆動指令を受けて、基板10に対して、複数本の接触子42を支持する検査治具41をX方向駆動,Y方向駆動,Z方向を回転軸に角度θだけ回転移動させるθ駆動、及びZ方向駆動して、検査治具基板10に対して相対的に位置決めし、接触子42を基板10に形成された被検査パターンに対して当接又は離間させる。
テスターコントローラ34は、制御部36からの検査開始指令を受け付けて、予め記憶されたプログラムに従って、順次選択された基板10の被検査パターンの下面パターン部(第2検査点)12に圧接している接触子24に接続するスイッチ32を閉じ、他の接触子24に接続するスイッチ32を開くように動作する。また、テスターコントローラ34は、レーザ照射手段22の発光部22a及び走査部22bに動作指令を出して、順次選択された被検査パターンの上面パターン部(第1検査点)11に対してレーザ光が照射されるようにする。
図4は、図3の制御部36の機能構成を示す図である。制御部36は、例えば、パーソナルコンピュータ等からなり、ハウジング26によって形成される閉空間28内の空気圧を設定する圧力設定部36-1aと、減圧ポンプ30に対して設定圧力となるように閉空間28内を減圧する指示情報を出力する減圧部36-1bと、所定の電圧値を設定する電圧設定部36-2aと、直流電源16に対してこの所定電圧値の直流電圧を生成するように指示情報を出力する電圧印加部36-2bと、発光するレーザ光の強度を設定する強度設定部36-3aと、レーザ光照射手段22に対して設定強度のレーザ光を発光するべく指示情報を出力するレーザ光照射部36-3bと、電流計18からの検出信号を受け付けて電流値を取得する電流検出部36-4と、取得された電流値と所定の閾値とを比較して断線又は短絡状態の判定を行う判定部36-5とを備えている。
圧力設定部36-1aによって設定される閉空間28内の空気圧は、例えば、10−2気圧程度が望ましい。実験によると、これよりも圧力が高いと光電現象及び/又はレーザアブレーション現象によって発生する荷電粒子の捕捉効率が悪い。一方、圧力を低くすればする程、荷電粒子の捕捉効率は高められるが、減圧に要する時間が増大し、検査時間が長くなる。
減圧部36-1bは、例えば、閉空間28内に設置する圧力計(図示せず。)から所定時間(例えば、1秒)毎に閉空間28内の圧力の測定値を取得し、閉空間28内が設定圧力になるように減圧ポンプ30に対して減圧指示情報を出力する。
強度設定部36-3aで設定されるレーザ光の発光強度PWは、光電効果現象を利用する場合には発生条件であるhν>W(光子エネルギ>材料固有の仕事関数)を満たす振動数νのレーザ光とする。レーザアブレーション現象を利用する場合、実験によると、例えば、約25〜60kW/cm2で発光させることが好ましいことが判明した。レーザ光照射部36-3bは、レーザ光照射手段22に対して設定強度のレーザ光を発光するよう指示情報を出力する。
電流検出部36-4は、電流計18からの検出信号を受け付けて測定電流値AM(図5参照)を取得する。
判定部36-5は、取得された測定電流値AMと所定の閾値SHとを比較して断線又は短絡状態の判定を行う。閾値は、短絡検査を行う場合には第1の閾値SH1に設定され、断線検査を行う場合には第2の閾値SH2に設定される。即ち、判定部36-5は、短絡検査を行う場合、測定電流値AMが閾値SH1より小さい場合(AM<SH1)には非短絡(良好)と判定し、測定電流値AMが閾値SH1以上である場合(AM≧SH1)には短絡(不良)と判定する。また、判定部36-5は、断線検査を行う場合、測定電流値AMが閾値SH2以上の場合(AM≧SH2)には導通(良好)と判定し、測定電流値AMが閾値SH2未満である場合(AM<SH2)には非導通(不良)と判定する。
[基板検査方法]
図6A,6B及び6Cを参照しながら、この基板検査装置1を用いた基板検査方法について説明する。ここで、図6Aは、基板検査方法の全体的なフローチャート、図6Bは、断線検査処理(図6AのS109)のフローチャート、図6Cは、短絡検査処理(図6AのステップS111)のフローチャートである。
図6Aに示す基板検査方法では、ステップS101で、検査員の操作によって基板10を基板検査装置1に搬入する。搬入されるとステップS103に進む。
ステップS103で、基板10が基板載置部9(図2参照)に適当な手段により固定される。
ステップS105で、基板位置決め駆動機構40によって、基板10が所定の検査位置に移動される。
ステップS107で、ハウジング位置決め駆動機構38によって、基板10に対してハウジング26が所定の位置に移動され上方から圧接される。同時に、検査治具位置決め駆動機構42によって、基板10に対して複数本の接触子24を持つ検査治具25が所定の位置に移動され下方から圧接される。ハウジング26が位置決めされた結果、ハウジング26と基板10の上面とで取り囲まれる閉空間28が形成される(図2参照)。また、検査治具25が位置決めされた結果、接触子24a,24b,24cの先端部が配線パターンの対応する下面パターン部12a,12b,12cに夫々圧接され電気的に接続される。
ステップS109で、断線検査が実行される。この詳細は、図6Bを参照されたい。
ステップS111で、短絡検査が実行される。この詳細は、図6Cを参照されたい。なお、所望により、断線検査と短絡検査はどちらを先に実行してもよく、又はいずれか一方の検査を実行してもよい。
ステップS113で、検査終了に伴い、基板10からハウジング26及び検査治具25を離間させる。
ステップS115で、基板10を基板載置部9から取り外し、基板検査装置1から搬出する。
ステップS117で、基板10が基板検査装置1から搬出されたことを確認し、終了する。
図6Bに示す断線検査処理は、被検査パターン(11b−13b−12b)の上部パターン12bと捕捉電極部14aとの間に電界を形成し、光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象を利用して上部パターン11bから生じる荷電粒子を反射ミラー兼捕捉電極14cへ移動させることにより、直流電源16のプラス側端子から反射ミラー兼捕捉電極14c,被検査パターン(11b−13b−12b),接触子24b,電流計18を通って直流電源16のマイナス側端子へ戻る実質的な閉回路を形成し、電流計18で測定される電流値で被検査パターンの断線の有無を判定する処理である。
ステップS201で、10−2気圧程度まで閉空間28内の減圧処理が行われる。
ステップS203で、被検査パターンが選択される。即ち、テスターコントローラ34の制御の下、スキャナ33により被検査パターンが順次選択される。テスターコントローラ34は、選択された基板10の被検査パターンの下面パターン部(第2検査点)12bに圧接する接触子24bに接続するスイッチ32bを閉じ、他の接触子24a,24cに接続するスイッチ32a,32cを開く。また、テスターコントローラ34は、レーザ照射手段22の走査部22bに動作指令を出して、レーザ光Lを反射ミラー兼捕捉電極14cで反射させて、順次選択された被検査パターンの上面パターン部(第1検査点)12bに対して照射されるように準備する。
ステップS205で、被検査パターンの下面パターン部(第2検査点)12bと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間に、直流電源16によって電圧が印加される。これによって、上面パターン部11bと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間に電界が発生する。
ステップS207で、テスターコントローラ34はレーザ発行部22aに動作指令を出して、レーザ照射手段22により、被検査パターンの上面パターン部(第1検査点)11bに対してレーザ光Lが照射される。これにより、第1検査点11bにおいて光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象が発生し、荷電粒子が生成される。
ステップS209で、電流値AMを測定する。即ち、レーザ光Lが照射されている間、電流計18によって測定電流値AM(図5参照)が取得される、ここで、被検査パターンが良好な場合(非断線状態)、上面パターン部11bと捕捉電極部14との間に電界が発生しているので、レーザ光Lの照射により生成された荷電粒子の内のマイナスの電荷を帯びたもの(電子を含む。)は反射ミラー兼捕捉電極14cに引き寄せられ捕捉される。この荷電粒子の移動を、電流計18は電流値AMとして測定することができる。しかし、被検査パターンが不良な場合(断線状態)、上面パターン部11bと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間に電界が発生していないので、荷電粒子の移動はほとんど起こらず、測定電流計18には僅かな電流値AMしか現れない。
ステップS211で、判定部36-5により、被検査パターンの断線の有無が判定される。即ち、測定電流値AMが閾値SH2以上場合には導通(良好)と判定され、測定電流値AMが閾値SH2未満である場合には非導通(不良)と判定される。
ステップS213で、全配線パターンの検査が完了したか否かが判定される。全配線パターンの検査が終了していない場合、ステップ203に戻り、テスターコントローラ73の制御の下、次の被検査パターンが選択される。検査が終了している場合、断線検査は終了する。
図6Cに示す短絡検査処理は、2本の被検査パターン(11a−13a−12a),(11b−13b−12b)の内の一方のパターン(11b−13b−12b)の上部パターン11bと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間に電界を形成した場合、両パターン間に短絡が有れば他方のパターン(11a−13a−12a)の上部パターン11aと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間にも電界が形成されることを利用している。即ち、光電効果及び/又はレーザアブレーション現象を利用して他方のパターンの上部電極11aから生じる荷電粒子が反射ミラー兼捕捉電極14cへ移動すれば両パターン間に短絡があり、移動しなければ両パターン間には短絡がないと判定する処理である。
図6Cに示す短絡検査処理は、図6Bの短絡検査処理とほぼ同様に行われる。相違する点は、次の通りである。
ステップS301で減圧処理が行われるが、図6Bの断線検査で既に減圧処理されている場合は不要である。
ステップS303で、短絡試験であるため、被検査対象として隣接する2つの被検査パターン、例えば(11a−13a−12a),(11b−13b−12b)が選択される。
ステップS305で、一方の被検査パターン(11b−13b−12b)に関して、下面パターン部(第2検査点)12bと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間に、直流電源16によって電圧が印加される。これによって、上面パターン部11bと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間に電界が発生する。
ステップS307で、レーザ照射手段22により、他方の被検査パターン(11a−13a−12a)の上面パターン部(第1検査点)11aに対してレーザ光が照射される。ここで、2つの被検査パターンが正常な場合(非短絡状態)、上面パターン部11aと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間には電界が発生していないので、荷電粒子の移動はほとんど起こらず、電流計18には僅かな電流値AMしか現れない。反対に、2つの被検査パターンが不良な場合(短絡状態)、上面パターン部11aと反射ミラー兼捕捉電極14cとの間は電界が発生しているので、荷電粒子の内のマイナスの電荷を帯びたものは反射ミラー兼捕捉電極14cに引き寄せられ捕捉される。この荷電粒子の移動を、電流計18は電流値AMとして測定することができる。電流計の代わりに、電荷出力をそれに比例した低インピーダンス電圧に変換するチャージアンプを使用してもよい。
ステップS311で、判定部36-5は、測定電流値AMが閾値SH1より小さい場合には非短絡(良好)と判定し、測定電流値AMが閾値SH1以上である場合には短絡(不良)と判定する。
ステップS313で、全ての配線パターンの組合せについて検査が完了したか否かが判定される。
その他のステップに関しては、図6Bの断線検査処理の同じようなステップの説明を参照されたい。
図5は、断線検査(図6B)及び短絡検査(図6C)における電圧の印加、レーザ光Lの照射、電流値測定の動作を示すタイミングチャートである。時刻T0において、反射ミラー兼捕捉電極14cの捕捉電極部14aと被検査パターン11bとの間に電圧V0が印加される。時刻T1から時刻T2の間(TLの期間)レーザ光照射手段22からレーザ光Lが被検査配線パターンの上面パターン11bに照射される。時刻T1から光電効果現象及び/又はレーザアブレージョン現象が起りはじめるが、流れる電流が安定するまでに所定の時間を要するため、例えば、時刻T1から所定時間TLM経過後の時刻TMで安定した電流値AMを取得することが好ましい。
図7A,7Bは、断線検査(図6B)及び短絡検査(図6C)におけるレーザ光の強度PWと、測定電流値AMとの関係を示す図表である。図7Aにおいて、横軸は、レーザ光の強度PWであり、縦軸は測定電流値AMである。レーザ光LはYAGレーザからなり、波長λが第三高調波の355nm,第四高調波266nmのレーザ光を使用する。3本のグラフG1,G2,G3は、それぞれ、直流電源76によって印加される電圧V0が400,200,100Vの場合である。
図7A,7Bに示すように、第四高調波の266nmを使用した場合、レーザ光の強度PWが約20kW/cm2以下の場合に上面パターン部211aの表面で光電効果現象が発生し、約20kW/cm2以上の場合にレーザアブレーション現象が発生する。第三高調波の355nmを使用した場合、レーザ光の強度PWが約20kW/cm2以下でも限界波長を超えるため光電効果現象は発生せず、約20kW/cm2以上の場合にレーザアブレーション現象が発生する。
これらのデータを元に、レーザ強度,印加電圧を適宜選択して、光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象等のレーザ光を金属表面に照射して、その金属表面から負の電荷を帯びた粒子を放出する現象を利用することができる。
[基板検査装置の電極構造]
次に、図2の基板検査装置1の反射ミラー兼捕捉電極14cの具体的構造に関して説明する。
図8の電極構造は、レーザ光の変向(進行方向を変える)のための反射機能を有する捕捉電極14cとしたことを特徴としており、この電極構造の基本原理は、レーザ照射手段22から照射されるレーザを反射して、被検査基板10の所望する検査点11に照射するとともに、検査点11から発生する負荷電粒子を捕捉するという2つの機能を有していることである。
この電極構造は、上記の如き2つの機能を有することによって、検査点11から発生する負荷電粒子を効率良く捕捉する。
また、このハウジングは、レーザ透過窓26aと反射機能を有する捕捉電極14cによって、被検査基板10の検査点11を覆うように形成されている。このハウジングは、被検査基板10と、反射機能を有する捕捉電極14c、レーザ透過窓26aの三部材から形成されることが好ましい。このように三部材から形成することによって無駄な部材を用いることなく効率良く形成することができるからである。
このレーザ透過窓26aは、レーザ照射手段22からのレーザ光をハウジング内に導入するためのレーザ光の透過路となる。このレーザ透過窓26aは、レーザ光を減衰させることなく透過させる必要があるので、例えば、光透過率の高い素材である石英ガラスを用いることが好ましい。
反射機能を有する捕捉電極14c、レーザ透過窓26aを用いる場合、図2で示す如く、ハウジング26が、ほぼ直角三角形の断面形状となる気密な閉空間28を形成し、垂直壁26aの一部に透明基材を用いてレーザ透過窓26aを形成し、垂直壁26aに対して(又は、被検査基板に対して)ほぼ角度45度に位置するレーザ反射ミラー兼用の捕捉電極14cを、垂直壁26aの上端と被検査基板10の間に設けている。このように配置することにより、被検査基板10に対して、反射機能を有する捕捉電極14cが45度傾斜して配置されることになる。
このため、この反射機能を有する捕捉電極14cは、ガルバノメータ22bから水平方向に入射するレーザ光Lをほぼ角度90度変向して基板10の被検査パターン(第1の検査点)11bに向かわせる。同時に、反射機能を有する捕捉電極14cは、被検査基板10の実質的に上方(負荷電粒子が突出する方向を覆う位置)に配置され、第1の検査点11bから発生する負荷電粒子を効率良く捕捉する捕捉電極としても機能することができる。
この反射機能を有する捕捉電極14cは、レーザ光を所望する方向へ変向することができ且つレーザ光の減衰がない素材を用いて形成される。この反射機能を有する捕捉電極14cを形成するための素材としては、上記の如き条件を有していれば特に限定されるものではないが、金属板が好ましく、更に好ましくはアルミニウム金属板である。。
このように、ほぼ直角三角形の断面形状の気密な閉空間28の内の斜辺部分の全面又は一部分を捕捉電極とすることにより、光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象等のレーザ光を金属表面に照射して、その金属表面から負の電荷を帯びた粒子を放出する現象によって上方に向かって飛び出す荷電粒子の捕捉効率を上げることができる。
なお、この電極構造は、以下の変形例を有する。
(1)閉空間28の近傍に磁界発生手段を備えて、第1の検査点11bから発生した荷電粒子を反射機能を有する捕捉電極14cに向けて加速する磁場を形成する構成を採ってもよい。この場合、反射機能を有する捕捉電極14cにおける荷電粒子の捕捉効率が向上する。
(2)ハウジング26が形成する気密な閉空間28は、ほぼ直角三角形の断面形状となる例を紹介したが、これに限定されない。照射されたレーザ光を反射機能を有する捕捉電極14cで反射して第1の検査点11bに向かわせることが出来る限り、ハウジング26が形成する気密な閉空間28は任意の形状を取り得る。
(3)反射機能を有する捕捉電極14cがハウジング26の一部を構成する例を紹介したが、これに限定されない。例えば、ハウジング26と反射機能を有する捕捉電極14cとを別個に形成した場合、反射機能を有する捕捉電極14cはレーザ反射機能と荷電粒子捕捉機能を奏する限り任意の形状を取ることができ、気密な閉空間28は反射機能を有する捕捉電極14cを内蔵する限り任意の形状を取り得る。
(4)水平方向に入射するレーザ光を変向するため側壁26aに対してほぼ角度45度に位置する反射機能を有する捕捉電極14cの例を紹介したが、これに限定されない。ガルバノメータ22bから入射するレーザ光Lを基板10の被検査パターン(第1の検査点)11bに向かわせるためであれば、レーザ光の入射角度は任意の角度を取りことができ、このレーザ光の入射角度に対応して反射機能を有する捕捉電極14cの角度も変更することができる。
(5)反射機能を有する捕捉電極14cは、金属板(好ましくはアルミニウム金属板)の例を紹介したが、これに限定されない。反射機能を有する捕捉電極14cは、レーザ光を変向し且つ捕捉電極として機能する限り、素材も任意の素材で形成することができ、その形状も湾曲した形状,波形形状等任意の形状を取り得る。
(6)反射機能を有する捕捉電極14cは、ハウジング26の斜辺壁を構成する例を紹介したが、これに限定されない。ハウジング26の斜辺壁26bを、例えばガラス,金属又は合成樹脂のような剛体で構成し、この斜辺壁の内面の所定の領域を、例えばめっき、金属板又は薄膜の貼り付け等の適当な方法で金属化してもよい。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらは本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、本実施形態に対して当業者が容易になし得る付加・削除・変換・改良を含むものである。
例えば、本発明は以下の形態をとることができる。
(A)レーザ光Lが被検査パターンに対して光電効果現象及び/又はレーザアブレーション現象等のレーザ光を金属表面に照射することで負の電荷粒子を発生させることが出来る限り、任意の領域(例えば、可視光領域、赤外線領域)のレーザ光Lを発光する形態を取り得る。
(B)実施形態においては、直流電源16により反射機能を有する捕捉電極14cを下面パターン部11bに圧接される接触子24より高電位となるように電圧を付与する場合について説明した。しかし、反対に、反射機能を有する捕捉電極14cを下面パターン部11bに圧接される接触子24より低電位となるように電圧を付与する形態でもよい。この場合には、主としてレーザアブレーション現象によって生成されたプラス荷電粒子が反射機能を有する捕捉電極14cに移動し、この移動を電流検出手段18が検出する。
(C)実施形態においては、基板10の上面の所定箇所を取り囲むハウジング26によって、気密な閉空間28を形成しているが、基板検査装置1の全体を減圧された空間内に配置してもよい。この場合には、ハウジング26によって局所的な気密な閉空間28を形成する必要はない。
(D)本実施形態では、表面に第1の検査点を有し且つ裏面に第2の検査点を有する配線パターンが形成される被検査基板を例示して説明を行ったが、表面に2つの検査点を有する配線パターンが形成される被検査基板に対しても、本発明の電極構造を用いることができる。この場合も、レーザ照射される検査点から放出される荷電粒子を効率良く捕捉することができる。
従って、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。
図1Aは、光電効果現象を利用した基板検査装置の実験モデルを示す図である。 図1Bは、レーザアブレーション現象を利用した基板検査装置の実験モデルを示す図である。 図2は、基板を検査する基板検査装置の構成の要部を示す概念図である。 図3は、図2の基板検査装置の電気的構成を示す構成図である。 図4は、図3の制御部の機能構成を示す図である。 図5は、断線検査(図6B)及び短絡検査(図6C)における電圧の印加、レーザ光Lの照射、電流値測定の動作を示すタイミングチャートである。 図6Aは、図2の基板検査装置で行われる基板検査方法の全体的なフローチャートである。 図6Bは、図6AのステップS109に示す断線検査処理のフローチャートである。 図6Cは、図6AのステップS111に示す短絡検査処理のフローチャートである。 図7Aは、断線検査(図6B)及び短絡検査(図6C)におけるレーザ光の強度PWと測定電流値AMとの関係を示す図である。 図7Bは、断線検査(図6B)及び短絡検査(図6C)におけるレーザ光の強度PWと測定電流値AMとの関係を示す表である。 図8は、ハウジングの側壁の全部又は一部を捕捉電極とした電極構造を示す図である。
符号の説明
1:基板検査装置、 10:被検査基板,基板、 10b:基板ベース、 11b:第1の検査点、 12b:第2の検査点、 11a−13a−12a,11a−13a−12a,11a−13a−12a:配線パターン、 11:上面パターン部、 12:下面パターン部、 13:内層パターン部、 13:可変抵抗、 14:荷電粒子捕捉電極、 14a:透明電極、 14b:捕捉電極、 14c:反射機能を有する捕捉電極、 16:直流電圧印加手段,電圧印加手段,直流電源、 18:電流検出手段,電流計、 20:荷電粒子、 22:レーザ照射手段、 22a:レーザ照射部、 22b:レーザ走査部,ガルバノメータ、 24,24a,24b,24c:接触子、 25:検査治具、 26:ハウジング、 26a:垂直壁(レーザ透過窓)、 26b:斜辺壁、 26c:壁端部、 28:閉空間、 30:減圧ポンプ、 32,32a,32b,32c:スイッチ、 33:スキャナ、 34:テスターコントローラ、 36:制御部、 36-1a:圧力設定部、 36-1b:減圧部、 36-2a:電圧設定部、 36-2b:電圧印加部、 36-3a:強度設定部、 36-3b:レーザ光照射部、 36-4:電流検出部、 36-5:判定部、 38:ハウジング位置決め駆動機構、 42:検査治具駆動機構、 44:駆動部、
AM:測定電流値、 L:レーザ光、 SH,SH1,SH2:閾値、 V0:印加電圧、

Claims (16)

  1. 被検査基板に形成された複数の配線パターンの良否を、該被検査基板に形成される配線パターンの検査点にレーザ光を照射し、前記検査点から放出される荷電粒子を捕捉することにより、該配線パターンの良否を判定する基板検査装置において、
    配線パターン上の検査点に、荷電粒子を放出させるためのレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、
    前記検査点から放出された荷電粒子を捕捉する捕捉電極と、
    前記捕捉電極が前記検査点より高電位又は低電位になるように所定の大きさの電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記捕捉電極に捕捉される荷電粒子を基に、該荷電粒子による電流の値を検出する電流検出手段とを備え、
    前記捕捉電極は、前記レーザ光照射手段からの前記レーザ光を反射させて前記検査点へ照射させる反射機能を有している、基板検査装置。
  2. 請求項1に記載の基板検査装置において、更に、
    前記被検査基板を取り囲み、減圧可能な閉空間を形成するためのハウジングを備える、基板検査装置。
  3. 請求項2に記載の基板検査装置において、更に、
    前記レーザ光照射手段及び前記捕捉電極が、前記ハウジングの内部に配置されている、基板検査装置。
  4. 請求項2に記載の基板検査装置において、更に、
    前記レーザ光照射手段が、前記ハウジングの外部に配置され、
    前記ハウジングが、前記レーザ光照射手段からのレーザ光を前記ハウジング内部へ通過させるレーザ透過窓を有してなる、基板検査装置。
  5. 請求項2乃至4いずれかに記載の基板検査装置において、更に、
    前記被検査基板が、前記ハウジングの一部を形成している、基板検査装置。
  6. 請求項2乃至5いずれかに記載の基板検査装置において、更に、
    前記捕捉電極が、前記ハウジングの一部分を形成している、基板検査装置。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の基板検査装置において、更に、
    前記捕捉電極が、前記被検査基板の端部と当接するとともに該被検査基板側へ傾斜して配置されている、基板検査装置。
  8. 請求項7に記載の基板検査装置において、更に、
    前記捕捉電極と前記被検査基板が形成する傾斜角が、約45度である、基板検査装置。
  9. 請求項4乃至8いずれかに記載の基板検査装置において、更に、
    前記ハウジングが、前記被検査基板、前記レーザ透過窓と前記捕捉電極により形成される、基板検査装置。
  10. 請求項9記載の基板検査装置において、更に、
    前記ハウジングが、側面視に於いて、前記捕捉電極を傾斜辺とする直角三角形状に配置される、基板検査装置。
  11. 請求項1乃至10いずれかに記載の基板検査装置において、
    前記反射機能を有する捕捉電極は、レーザ光を反射する金属板からなる、基板検査装置。
  12. 請求項11に記載の基板検査装置において、
    前記金属板がアルミニウムである、基板検査装置。
  13. 請求項1乃至12いずれかに記載の基板検査装置において、
    前記レーザ光照射手段から発行されるレーザ光が、波長λが第三高調波の355nm又は第四高調波の266nmのレーザ光を照射する、基板検査装置。
  14. 被検査基板の検査点にレーザ光を照射して、該検査点からの放出される電荷を帯びた荷電粒子を捕捉し、該荷電粒子の捕捉量から前記被検査基板の良不良を検査する基板検査装置に於ける電極構造であって、
    前記電極構造が、照射されるレーザ光を反射して、所望する検査点へ照射する反射機能を有すると共に該レーザ光の照射により該検査点から放出される荷電粒子を捕捉する捕捉電極として機能する、電極構造。
  15. 請求項14に記載の電極構造において、
    前記電極構造は、前記被検査基板を密閉するためのハウジングの一部である、電極構造。
  16. 請求項14又は15に記載の電極構造において、
    前記電極構造がアルミニウム板からなる、電極構造。
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