JP2006308327A - 基板検査装置及び基板検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プローブをランドに接触させずに、配線パターンの断線や短絡を正確且つ迅速に検査する。
【解決手段】制御部71は、閉空間44a内を所定の圧力とするべく減圧する減圧部71bと、所定の強度のレーザ光を発光するべくレーザ光照射ユニット45に対して指示情報を出力するレーザ光照射部71cと、所定の直流電圧を生成するべく直流電圧源76に対して指示情報を出力する電圧印加部71dと、電流計77からの検出信号を受け付けて電流値を取得する電流検出部71eと、電流検出部71eによって取得された電流値に基づいて断線状態及び短絡状態の判定を行う判定部71fとを備える。レーザ光照射部71cからの動作指令に基づき、照射部材の中心点に向けて、レーザ光照射ユニット45からレーザ光Lが照射され、照射部材の上面から放出された荷電粒子によって、配線パターン間等にある浮遊容量が充電される。
【選択図】図6

Description

本発明は、被検査基板の基材表面に形成された複数の配線パターンの中から1の配線パターンを順次選択し、選択された配線パターン又はそれと隣接する配線パターンに流れる電流の値を検出して断線及び短絡状態の少なくとも一方の検査を行う基板検査装置及び基板検査方法に関するものである。
なお、この発明は、プリント配線基板に限らず、例えば、フレキシブル基板、多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリアなど種々の基板における電気的配線の検査に適用でき、この明細書では、それら種々の配線基板を総称して「基板」という。
基板には、複数の配線パターンが形成されており、それらの配線パターンが設計通りに(又は、適正に)製造されているか否かを検査するために、従来から数多くの種類の基板検査装置が提供されている。特に、近年、電子機器の小型化等に伴って基板の配線パターンの微細化が進み、検査点となるランドが増加すると共に狭小化しているため、全ての検査点に直接プローブを接触させて配線パターンの断線や短絡を検査することが困難となる場合があった。そこで、プローブをランドに接触させずに、配線パターンの断線や短絡を検査する基板検査装置が提案されている。
例えば、レーザ光をランドに照射することによって発生する電子を用いる基板検査装置が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献においては、実施例として、紫外線領域のレーザ光を被検査配線パターンの一端に照射して、そこから光電効果によって放出された電子をプラス電極で捕捉し、それによる電流(以下、検査電流という)を利用して基板を検査する装置が開示されている。
特開2002−318258号公報
上記の方法を用いると、プローブをランドに接触させずに、配線パターンの断線や短絡を検査することが可能となる。しかし、光電効果等を利用する方法であることに起因して、検査電流は微弱なものであり、配線パターン間の浮遊容量等の影響を受けて正しい検査結果が得られない場合又は、正確な検査を行うために、検査電流が安定するまで検査を継続する必要があり、検査時間が長くなる場合があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、プローブをランドに接触させずに、配線パターンの断線や短絡を正確且つ迅速に検査することの可能な基板検査装置及び基板検査方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の基板検査装置は、被検査基板の基材表面に形成された複数の配線パターンの電気的特性の良否を2つの検査点間の導通の有無によって検査する基板検査装置であって、少なくとも前記配線パターン上の第1の検査点を包含する閉空間を形成するハウジングと、前記閉空間内を減圧する減圧手段と、前記第1の検査点に、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射する第1のレーザ光照射手段と、前記電極部と前記配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧を印加する電圧印加手段と、前記第1の検査点から放出された荷電粒子を捕捉する電極部と、前記電圧印加手段に直列に接続され、電流の値を検出する電流検出手段と、被検査基板の検査を開始する所定時間前に、前記閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射する第2のレーザ光照射手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、ハウジングによって、配線パターン上の第1の検査点を包含する閉空間が形成され、その閉空間内が減圧手段によって減圧され、第1のレーザ光照射手段によって、第1の検査点に、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される。そして、電圧印加手段によって、電極部と配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧が印加されて、電極部によって、第1の検査点から放出された荷電粒子が捕捉される。更に、電流検出手段が、電圧印加手段に直列に接続されて、電流の値が検出される。加えて、第2のレーザ光照射手段によって、被検査基板の検査を開始する所定時間前に、第1の検査点が包含される閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される。
従って、レーザ光が照射される第1の検査点には、包含される閉空間が減圧された状態でレーザ光が照射されるため、第1の検査点から効率的に荷電粒子が放出される。そして、電極部と配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧が印加された状態で、第1の検査点から放出された荷電粒子が電極部で捕捉され、その荷電粒子による電流の値(以下、検査電流という)が検出されるため、第1の検査点と第2の検査点との間の導通検査が、プローブを第1の検査点に接触させずに行われ得る。
更に、このような被検査基板の検査を開始する所定時間前に、第1の検査点が包含される閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射されるため、検査電流が配線パターン間の浮遊容量等の影響を受けず、正確且つ迅速に検査することが可能となる。
すなわち、被検査基板の検査を開始する前に、第1の検査点が包含される閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射されて、放出された荷電粒子によって、配線パターン間等の浮遊容量が充電状態とされるため、検査電流が配線パターン間の浮遊容量の影響を受けないと考えられる。
請求項2に記載の基板検査装置は、前記第1のレーザ光照射手段が、前記第2のレーザ光照射手段として兼用されることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1のレーザ光照射手段が、第2のレーザ光照射手段として兼用されるため、基板検査装置の構成が簡略化される。
請求項3に記載の基板検査装置は、前記電流検出手段が、前記電圧印加手段と前記電極部との間に介設されることを特徴としている。
上記の構成によれば、電流検出手段が、電圧印加手段と電極部との間に介設されるため、電極部で捕捉される荷電粒子により流れる電流が正確に検出される。
請求項4に記載の基板検査装置は、前記所定時間が、10分以下であることを特徴としている。
上記の構成によれば、被検査基板の検査を開始する10分前から検査を開始するまでの間に、第1の検査点が包含される閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射されるため、配線パターン間等の浮遊容量が充電状態を維持したまま(つまり、浮遊容量に蓄積された電荷が自然放電することなく)、検査することが可能となると考えられ、更に正確に検査することが可能となる。
請求項5に記載の基板検査装置は、前記所定箇所が、被検査基板の基材表面であることを特徴としている。
上記の構成によれば、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される所定箇所が、被検査基板の基材表面であるため、レーザ光が照射される部材等を配設する必要がなく、装置が簡略化される。
請求項6に記載の基板検査装置は、前記所定箇所が、前記閉空間内の適所に配設されると共に、接地された金属部材であることを特徴としている。
上記の構成によれば、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される所定箇所が、第1の検査点が包含される閉空間内の適所に配設されると共に、接地された金属部材であるため、荷電粒子が効果的に放出されると共に、レーザ光により被検査基板の表面の損傷等を受けることが確実に回避される。
請求項7に記載の基板検査装置は、前記所定箇所が、被検査基板の基材表面に配設された金属部材であることを特徴としている。
上記の構成によれば、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される所定箇所が、被検査基板の基材表面に配設された金属部材であるため、第1の検査点にレーザ光を照射する第1のレーザ光照射手段を第2のレーザ光照射手段として兼用することが容易に可能となる。
請求項8に記載の基板検査装置は、前記第1のレーザ光照射手段が、光電効果によって荷電粒子を放出させることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1のレーザ光照射手段によって、光電効果により荷電粒子が放出されるため、第1の検査点のレーザ光による損傷が抑制される。
請求項9に記載の基板検査装置は、前記減圧手段が、前記閉空間内を100Pa以下の気圧に減圧することを特徴としている。
上記の構成によれば、減圧手段によって、第1の検査点が包含される閉空間内が100Pa以下の気圧に減圧されるため、第1の検査点から効率的に荷電粒子が放出される。
請求項10に記載の基板検査方法は、被検査基板の基材表面に形成された複数の配線パターンの電気的特性の良否を2つの検査点間の導通の有無によって検査する基板検査方法であって、少なくとも配線パターン上の第1の検査点を包含する閉空間内を減圧し、前記閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射し、その所定時間後に、前記第1の検査点に、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射し、電極部と前記配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧を印加し、前記第1の検査点と第2の検査点との間に流れる電流の値を検出することを特徴としている。
上記の構成によれば、配線パターン上の第1の検査点を包含する閉空間が形成され、その閉空間内が減圧され、この閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射される。そして、その所定時間後に、電極部と配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧が印加され、第1の検査点に、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される。更に、電極部によって、第1の検査点から放出された荷電粒子が捕捉され、第1の検査点と第2の検査点との間に流れる電流の値が検出される。
従って、レーザ光が照射される第1の検査点には、包含される閉空間が減圧された状態でレーザ光が照射されるため、第1の検査点から効率的に荷電粒子が放出される。そして、電極部と配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧が印加された状態で、第1の検査点から放出された荷電粒子が電極部で捕捉され、その荷電粒子による電流の値(以下、検査電流という)が検出されるため、第1の検査点と第2の検査点との間の導通検査が、プローブを第1の検査点に接触させずに行われ得る。
更に、このような被検査基板の検査を開始する所定時間前に、第1の検査点が包含される閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射されるため、検査電流が配線パターン間の浮遊容量等の影響を受けず、正確且つ迅速に検査することが可能となる。
すなわち、被検査基板の検査を開始する前に、第1の検査点が包含される閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射されて、放出された荷電粒子によって、配線パターン間等の浮遊容量が充電状態とされるため、検査電流が配線パターン間の浮遊容量の影響を受けないと考えられる。
請求項1、10に記載の発明によれば、レーザ光が照射される第1の検査点には、包含される閉空間が減圧された状態でレーザ光が照射されるため、第1の検査点から効率的に荷電粒子が放出される。そして、電極部と配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧が印加された状態で、第1の検査点から放出された荷電粒子が電極部で捕捉され、その荷電粒子による電流の値(以下、検査電流という)が検出されるため、第1の検査点と第2の検査点との間の導通検査が、プローブを第1の検査点に接触させずに行うことができる。
更に、このような被検査基板の検査を開始する所定時間前に、第1の検査点が包含される閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射されるため、正確且つ迅速に検査することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1のレーザ光照射手段が、第2のレーザ光照射手段として兼用されるため、基板検査装置の構成を簡略化できる。
請求項3に記載の発明によれば、電流検出手段が、電圧印加手段と電極部との間に介設されるため、電極部で捕捉される荷電粒子により流れる電流を正確に検出できる。
請求項4に記載の発明によれば、第2のレーザ照射手段によるレーザ光の照射から10分以内に検査を行うことで、更に正確に検査することができる。
請求項5に記載の発明によれば、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される所定箇所が、被検査基板の基材表面であるため、レーザ光が照射される部材等を配設する必要がなく、装置を簡略化できる。
請求項6に記載の発明によれば、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される所定箇所が、第1の検査点が包含される閉空間内の適所に配設されると共に、接地された金属部材であるため、荷電粒子を効果的に放出できると共に、レーザ光により被検査基板の表面の損傷等を受けることを確実に回避できる。
請求項7に記載の発明によれば、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光が照射される所定箇所が、被検査基板の基材表面に配設された金属部材であるため、第1の検査点にレーザ光を照射する第1のレーザ光照射手段を第2のレーザ光照射手段として兼用することが容易にできる。
請求項8に記載の発明によれば、第1のレーザ光照射手段によって、光電効果により荷電粒子が放出されるため、第1の検査点のレーザ光による損傷を抑制できる。
請求項9に記載の発明によれば、減圧手段によって、第1の検査点が包含される閉空間内が100Pa以下の気圧に減圧されるため、第1の検査点から効率的に荷電粒子を放出できる。
図1は、本発明に係る基板検査装置の一実施形態を示す側面断面図であり、図2は図1の基板検査装置の平面図である。後述する各図との方向関係を明確にするために、XYZ直角座標軸を記載している。
これらの図に示すように、この基板検査装置は、装置前方側(−Y側)に装置本体1に対して開閉扉11が開閉自在に配設されており、この開閉扉11を開いた状態で、検査対象である配線パターンが形成されたプリント基板等の基板2(被検査基板に相当する)を、装置前方側中央部に設けられた搬出入部3から装置本体1内に搬入可能とされている。また、この搬出入部3の後方側(+Y側)には、検査信号を伝送する複数本(例えば、200本)の接触子42を備え、基板2の配線パターンのランド(検査点に相当する)に接触子42を当接させるべく後述する検査治具41を移動させる検査部4が設けられている。
更に、この検査部4に対して接触子42を検査点に当接させるべく移動させる指示信号及び接触子42を介して検査点に出力する検査信号等を出力すると共に、検査部4を介して検査信号等が入力され、検査信号を用いて基板の良否判定を行うスキャナ74が適所(ここでは、装置本体1内の上部)に配設されている。そして、検査部4及びスキャナ74による検査(すなわち、良否判定)が終了した基板2は、搬出入部3に戻され、開閉扉11が開状態とされてオペレータによって搬出可能となる。
この基板検査装置では、搬出入部3と検査部4との間で基板2を搬送するために、搬送テーブル5がY方向に移動自在に設けられるとともに、搬送テーブル5は搬送テーブル駆動機構6によってY方向に移動されて位置決めされるように構成されている。すなわち、搬送テーブル駆動機構6では、Y方向に延びる2本のガイドレール61が所定間隔だけX方向に離間して配置され、これらのガイドレール61に沿って搬送テーブル5がスライド自在となっている。
また、これらのガイドレール61と平行にボールネジ62が配設され、このボールネジ62の一方(−Y側)端が装置本体1に軸支されるとともに、他方(+Y側)端が搬送テーブル駆動用のモータ63の回転軸64と連結されている。更に、このボールネジ62には、搬送テーブル5を固定したブラケット65が螺合され、後述する制御部71(図3参照)からの指令に応じてモータ63が回転駆動されると、その回転量に応じて搬送テーブル5がY方向に移動して搬出入部3と検査部4との間を往復移動される。
図2を参照して、搬送テーブル5は、基板2を載置するための基板載置部51を備えている。この基板載置部51は、載置された基板2が3つの係合ピン53と係合するとともに、これらの係合ピン53と対向する方向から基板2を付勢する付勢手段(図示省略)によって、基板2が係合ピン53側に付勢されて基板載置部51上で基板2を保持可能となっている。また、このように保持された基板2の下面に形成された配線パターンに後述する下部検査ユニット4Dの接触子42を当接させるために、基板載置部51には貫通開口(図示省略)が形成されている。
検査部4は、搬送テーブル5の移動経路を挟んで上方側(+Z側)に基板2の上面側に形成された配線パターンを非接触で検査するための上部検査ユニット4Uと、下方側(−Z側)に基板2の下面側に形成された配線パターンを接触子42を圧接させて検査するための下部検査ユニット4Dとを備えている。検査ユニット4U,4Dは、搬送テーブル5の移動経路を挟んで略対称に配置されている。上部検査ユニット4Uは、下面が開放された略直方体形状のハウジング44(図4参照)と、ハウジング44を駆動する駆動機構43と、レーザ光を出力するレーザ光照射ユニット45とを備え、下部検査ユニット4Dは、接触子42を多針状に保持する検査治具41と、検査治具41を駆動する駆動機構43とを備えている。
図3は、基板検査装置の電気的構成の一例を示す構成図である。基板検査装置は、CPU、RAM、HDD、モータドライバ等を備えて予めHDDに記憶されているプログラムに従って装置全体を制御する制御部71と、制御部71からの指示を受け付けて駆動機構43及び搬送テーブル駆動機構6に対して駆動指令を出力する駆動部72と、テスターコントローラ73と、スキャナ74とを備えている。
テスターコントローラ73は、制御部71からの検査開始指令を受け付けて、予め記憶されたプログラムに従って、基板2の下面側に形成された配線パターンのランドに当接された下部検査ユニット4Dの複数本の接触子42の中から検査すべき配線パターンの一端に位置する1のランドに接触した接触子42を順次、選択するものである。また、テスターコントローラ73は、選択した1つの接触子42と、レーザ光照射ユニット45から照射されたレーザ光が照射される基板2の上面側に形成された配線パターンのランドとの間の検査を行わせるべく、スキャナ74及びレーザ光照射ユニット45(走査部452:図4参照)へスキャン指令を出力するものである。
一方、駆動機構43は、図3に示すように、装置本体1に対してX方向に検査治具41(又は、ハウジング44)を移動させるX駆動部43Xと、X駆動部43Xに連結されて検査治具41(又は、ハウジング44)をY方向に移動させるY駆動部43Yと、Y駆動部43Yに連結されて検査治具41(又は、ハウジング44)をZ軸回りに回転移動させるθ駆動部43θと、θ駆動部43θに連結されて検査治具41(又は、ハウジング44)をZ方向に移動させるZ駆動部43Zとで構成されており、制御部71により検査治具41(又は、ハウジング44)を搬送テーブル5に対して相対的に位置決めしたり、検査治具41(又は、ハウジング44)を上下方向(Z方向)に昇降させて接触子42(又は、ハウジング44)を基板2に形成された配線パターンに対して当接させたり、離間させたりすることができるように構成されている。
図4は、基板検査装置の要部の一例を示す構成図である。基板2は、ベース基板20(基材に相当する)に複数の配線パターン21、211、212が形成されている。なお、ここでは、便宜上、3本の配線パターンを示しているが、実際の基板2では、周知のように多数の配線パターンがベース基板20の上下面および内部のいずれかまたは全てに形成されている。
ここで、図5を用いて基板2の構造を説明する。図5は、基板2の一例を示す斜視図である。基板2は、ここでは、両面に配線パターンが形成された両面プリント配線基板である。配線パターン21は、それぞれ、ベース基板20の上面に形成された上面パターン部21aと、ベース基板20の下面に形成された下面パターン部21bと、ベース基板20内に形成された孔(=Via:ビア)に設けられて上面パターン部21aと下面パターン部21bとを電気的に接続するビア部21cとで構成されている。また、基板2の上面の右下部には、金箔又は銅箔からなる接地された照射部材22(金属部材に相当する)がベース基板20の上面に貼付されている。
再び、図4に戻って、基板検査装置の要部について説明する。基板2の下面側に形成された下面パターン部21bには、駆動機構43によって検査治具41(図示省略)に保持されて接触子42が圧接される。この接触子42は、それぞれ、スキャナ74を構成する複数のスイッチの内の1のスイッチ741の一方端に接続されている。スイッチ741の他方端は直流電圧源76(電圧印加手段に相当する)に接続されている。ここで、直流電圧源76は、制御部71(後述する条件設定部71a)からの指示に従って所定値の電圧を生成し(図6参照)、スキャナ74を介して接触子42と、ハウジング44に形成された電極部442bとの間に印加するものである(図3参照)。
一方、基板2の上面側には、駆動機構43によってハウジング44が圧接される。このハウジング44は、透明な材料(ここでは、ガラス)で形成された上壁441と、例えばゴムにて形成された側壁442とを備え、基板2の上面の所定範囲を覆うようにキャップ状に形成されている。なお、側壁442の適所には、上面パターン部21aから放出される荷電粒子(ここでは、電子)を捕捉する電極部442bが形成されている。駆動機構43によってハウジング44が基板2側に圧接されると、側壁442の端部442aが基板2の表面に当接して押圧されて変形し、この端部442aがパッキンとして機能する。その結果、基板2の上面及びハウジング44で取り囲まれる気密な閉空間44aが形成される。この閉空間44a内の空気を減圧するべく、減圧ポンプ75に接続された配管751がハウジング44の適所(ここでは、上壁441)を貫通して、閉空間44aと減圧ポンプ75と(減圧手段の一部に相当する)の間に接続されている。
更に、上部検査ユニット4U(図示省略)には、基板2に形成された複数の配線パターン21のうち検査対象となる一つの配線パターン21の上面パターン部21aの検査点にレーザ光を照射するレーザ光照射ユニット45(第1のレーザ光照射手段の一部、及び、第2のレーザ光照射手段の一部に相当する)が配設されている。このレーザ光照射ユニット45は、制御部71(後述するレーザ光照射部71c)からの動作指令に従ってレーザ光Lを射出する発光部451と、発光部451から射出されたレーザ光Lを制御部71からの動作指令に従って基板2上の任意の位置に照射させる走査部452とを備えている。ここでは、発光部451は、波長λが266nmの紫外線領域のレーザ光を発光するように構成され、且つ、照射された配線パターン21の上面パターン部21aの検査点(第1の検査点に相当する)において光電効果が発生する強度(例えば、10kw/cm)のレーザ光を発光するものである。
また、この発光部451は、半導体(例えば、トランジスタ)スイッチ素子等を用いてパルス駆動が可能である(ここでは、1パルス当りのエネルギーが25μJであるパルスを、周波数が30kHzでパルス幅が8nsecの条件で所定パルス数だけ生成する)ように構成されている。さらに、レーザ光Lの走査を行う走査部452は、例えば、ガルバノミラーを用いて構成されている。そして、ここでは、制御部71からの動作指令に基づきガルバノミラーを駆動させることにより、発光部451から射出されたレーザ光Lを、基板2の上面の所望の位置(制御部71によって選択された配線パターン21の上面パターン部21a内に設定された検査点:第1の検査点に相当する、及び、照射部材22の中心点)に正確且つ高速に照射することができる。
加えて、ハウジング44の側壁442に配設された電極部442bと、スキャナ74のスイッチ741を介して下面パターン部21bに圧接される接触子42との間に電圧を付与する直流電圧源76が配設されている。直流電圧源76は、制御部71(後述する電圧印加部71d)からの動作指令に従って所定値の電圧を発生するものである。ここでは、直流電圧源76は、ハウジング44の側壁442に配設された電極部442bが、下面パターン部21bに圧接される接触子42より高電位となるべく電圧を付与するものである。
また、直流電圧源76の一方(プラス側)の端子からハウジング44の電極部442b及び検査対象となる配線パターン21(ここでは、配線パターン211)を介して直流電圧源76の他方(マイナス側)の端子に戻る導電経路に電流計77が介挿されており、この導電経路を流れる電流計77によって電流値が検出される。具体的には、直流電圧源76のプラス側端子が電流計77を介してハウジング44の電極部442bと電気的に接続され、直流電圧源76のマイナス側端子がスキャナ74の一方側の端子に接続され、スキャナ74の他方側の端子は、各配線パターン21の下面パターン部21b(第2の検査点に相当する)に対応して設けられた複数の接触子42に接続されている。
ここで、このようにして構成された基板検査装置を用いて断線検査又は短絡検査をする方法について説明する。まず、断線検査及び短絡検査に共通なレーザ予備照射処理について説明する。レーザ予備照射処理において、制御部71からの動作指令に基づき、図5に示す照射部材22の中心点に向けて、レーザ光照射ユニット45からレーザ光Lが照射され、照射部材22の上面から、荷電粒子が放出される。そして、この荷電粒子によって、配線パターン21間等にある浮遊容量FCが充電されると考えられる。
つぎに、配線パターン21の断線検査をする場合について、レーザ予備照射処理の後に行われる基板検査装置の動作を説明する。制御部71からの選択指示に応じてスキャナ74を構成するスイッチ741によって一つの配線パターン21(ここでは配線パターン211)が選択されると、配線パターン211の上面パターン部211aと電極部442bとの間に直流電圧源76によって電圧が印加されているため、配線パターン211が断線状態にない(導通状態にある)場合には、上面パターン部211aと電極部442bとの間に電界が発生する。また、制御部71からの動作指令に基づきレーザ光照射ユニット45から配線パターン211の上面パターン部211aにレーザ光Lが照射されると、上面パターン部211aの表面から光電効果によって、荷電粒子(電子)が放出される。
こうして放出された電子は、直流電圧源76によって形成されている電界により電極部442b側に引き寄せられる。このようにして、配線パターン211が断線状態にない(導通状態にある)場合には、ビア部211cを介して下面パターン部211bと通電可能な上面パターン部211aの表面で電子が放出されて電極部442bに到達することにより、直流電圧源76のプラス側端子から、電流計77、電極部442b、配線パターン211、接触子421、及び、スキャナ74(スイッチ741)を経由して直流電圧源76のマイナス側端子に至る導通経路に電流が流れ、電流計77によってこの電流が検出される。
一方、配線パターン211が断線状態にある場合(例えば、ビア部211cの一部が欠損していて、非導通箇所がある場合)には、上記導通経路が形成されないため、電流計77によって電流が検出されない。従って、電流計77に電流が流れるか否かによって配線パターン21の断線状態の検査を行うことができる。
つぎに、配線パターン21の短絡検査をする場合について、上述のレーザ予備照射処理の後に行われる基板検査装置の動作を説明する。ここでは、基板2の略中央に設けられた配線パターン211と、基板2の右側に設けられた配線パターン212との間の短絡状態を検査する場合について説明する。制御部71からの選択指示に応じてスキャナ74を構成するスイッチ741によって一つの配線パターン211が選択されると、配線パターン211と配線パターン212とが短絡状態にある場合には、その短絡部を介して上面パターン部212aと電極部442bとの間に電界が発生する。また、制御部71からの動作指令に基づきレーザ光照射ユニット45から配線パターン212の上面パターン部212aにレーザ光Lが照射されると、上面パターン部212aの表面では光電効果によって、荷電粒子(電子)が放出される。
こうして放出された電子は、直流電圧源76によって形成されている電界により電極部442b側に引き寄せられる。このようにして、配線パターン211と配線パターン212とが短絡状態にある場合には、配線パターン211の下面パターン部211bと短絡状態にある配線パターン212の上面パターン部212aの表面で電子が放出されて電極部442bに到達することにより、直流電圧源76のプラス側端子から、電流計77、電極部442b、配線パターン212、配線パターン211、接触子421、及び、スキャナ74(スイッチ741)を経由して直流電圧源76のマイナス側端子に至る導通経路に電流が流れ、電流計77によってこの電流が検出される。
一方、配線パターン211と配線パターン212とが短絡状態にない場合には、上記導通経路が形成されないため、電流計77によって電流が検出されない。従って、電流計77に電流が流れるか否かによって配線パターン21の短絡状態の検査を行うことができる。
図6は、制御部71の機能構成の一例を示す機能構成図である。制御部71は、例えば、パーソナルコンピュータ等からなり、レーザの照射条件等を設定する条件設定部71aと、閉空間44a内を所定の圧力とするべく減圧指示する減圧部71bと、所定の強度のレーザ光を発光するべくレーザ光照射ユニット45に対して指示情報を出力するレーザ光照射部71c(第1のレーザ光照射手段の一部、及び、第2のレーザ光照射手段の一部に相当する)と、所定の直流電圧を生成するべく直流電圧源76に対して指示情報を出力する電圧印加部71d(電圧印加手段に相当する)と、電流計77からの検出信号を受け付けて電流値を取得する電流検出部71e(電流検出手段の一部に相当する)と、電流検出部71eによって取得された電流値に基づいて断線状態及び短絡状態の判定を行う判定部71fとを備えている。
条件設定部71aは、ハウジング44によって形成される閉空間44a内の空気の圧力値、レーザ光照射ユニット45から照射するレーザ光の強度、直流電圧源76に生成させる直流電圧値等を設定するものである。具体的には、例えば、検査時における閉空間44a内の空気の圧力は、50Paに設定され、レーザ光の強度は、10kw/cmに設定され、直流電圧源76に生成させる直流電圧は、250Vに設定される。
減圧部71bは、減圧ポンプ75に対して条件設定部71aによって設定された圧力とするべく閉空間44a内を減圧する指示情報を出力するものである。具体的には、所定時間(例えば1秒)毎に閉空間44a内の圧力の測定値を取得し、圧力の測定結果が条件設定部71aによって設定された圧力より大きい場合には、減圧ポンプ75の減圧動作を継続させ、圧力の測定結果が条件設定部71aによって設定された圧力以下である場合には、減圧ポンプ75の減圧動作を停止させるものである。ただし、閉空間44a内の圧力の測定する圧力計がハウジング44の適所に配設されているものとする。
レーザ光照射部71cは、条件設定部71aによって設定された強度のレーザ光を照射させるべく、レーザ光照射ユニット45に対して指示情報を出力するものである。電圧印加部71dは、条件設定部71aによって設定された電圧値の直流電圧を生成するべく直流電圧源76に対して指示情報を出力するものである。
電流検出部71eは、電流計77からの検出信号を受け付けて電流値AMを取得するものである。判定部71fは、電流検出部71eによって取得された電流値AMと所定の閾値との大小に基づいて断線状態及び短絡状態の判定を行うものである。例えば、短絡検査を行う場合には、閾値SH1は、2μAに設定されており、断線検査を行う場合には、閾値SH2は、4μAに設定される。
つまり、判定部71fは、短絡検査を行う場合には、電流計77によって測定された電流値AMが閾値SH1より小さい場合には、短絡していない(良好である)と判定し、電流値AMが閾値SH1以上である場合には、短絡している(不良である)と判定するものである。また、判定部71fは、断線検査を行う場合には、電流計77によって測定された電流値AMが閾値SH2以上である場合には、導通している(良好である)と判定し、電流値AMが閾値SH2未満である場合には、導通していない(不良である)と判定するものである。
図7は、基板検査装置の動作の一例を示すフローチャートである。まず、搬出入部3位置に位置している基板載置部51に対して未検査の基板2がオペレータのマニュアル(手動)による操作などによって搬入される(ステップS101)。そして、制御部71によって装置の各部の動作が制御され、以下のステップS103〜S117が実行されて基板2が検査される。
まず、基板載置部51の係合ピン53によって基板2が保持された状態で、搬送テーブル駆動機構6によって、搬送テーブル5の基板載置部51が基板2の検査を行うための検査位置(検査部4の位置)に移動される(ステップS103)。そして、駆動機構43によって検査ユニット4U,4Dが基板2に向かって移動され、基板2が上下から圧接される(ステップS107)。この基板2への下部検査ユニット4Dの移動によって、図4に示すように、各接触子42の先端部がそれぞれ対応する配線パターン21の下面パターン部21bに圧接され電気的に接続される。一方、基板2への上部検査ユニット4Uの移動によって、同図に示すように、ハウジング44と基板2の上面とで取り囲まれる閉空間44aが形成される。
こうして、基板2の検査準備が完了すると、断線検査(ステップS109)及び短絡検査(ステップS111)が実行される。なお、断線検査及び短絡検査の詳細フローチャートについては、図8、9を用いて後述する。そして、検査終了に伴い、下部検査ユニット4D及び上部検査ユニット4Uが基板2から離間する方向に移動されて、基板2への圧接が開放され(ステップS113)、搬送テーブル5の基板載置部51が搬出入部3の位置に移動されて、基板2の基板載置部51の係合ピン53による保持が解除される(ステップS115)。つぎに、検査が完了した基板2が搬出入部3から搬出されたことが確認される(ステップS117でYES)と処理が終了される。
図8は、図7に示すフローチャートのステップS109の断線検査処理の一例を示す詳細フローチャートである。図7に示すステップS107で形成された閉空間44aには、大気圧と同等の気圧の空気が充満しており、この状態で閉空間44a内の、例えば図4の上面パターン部211aにレーザ光を照射すると、空気分子が障害となって光電効果により生ずる電子が上面パターン部211aの表面から安定的に放出されず、電流計77によって電流を測定することが困難となる。そこで、減圧部71bからの動作指令に従って、ハウジング44内を減圧するべく減圧ポンプ75が作動され、50Paまで閉空間44a内の減圧処理が行われる(ステップS201)。
減圧処理が完了すると、レーザ光照射部71cからの指令に応じて、照射部材22の中心点に向けて、レーザ光照射ユニット45から紫外線領域のパルス状のレーザ光Lが照射される(レーザ予備照射処理:ステップS202)。そして、制御部71からの選択指令に応じてスキャナ74が作動され、検査対象となる一つの配線パターン211が直流電圧源76のマイナス側出力端子と電気的に接続される(ステップS203)。
次いで、電圧印加部71dによって、ハウジング44の電極部442bと配線パターン21(ここでは、配線パターン211)との間に電圧V0が印加される(ステップS205)。これによって、配線パターン211が断線状態にあるとき、上面パターン部211aと電極部442bとの間に電界が発生する。そして、レーザ光Lの照射により生ずる電子は、上面パターン部211aに戻ることなく、電極部442b側に引き寄せられるため、電流計77によって定常的に電流値AMを測定することが可能となる。
更に、走査部452によって照射位置が、検査対象として選択された配線パターン211の上面パターン部211aに設定されて、レーザ光照射部71cからの指令に応じてレーザ光照射ユニット45から紫外線領域のパルス状のレーザ光Lが照射される(ステップS207)。ここで、検査を正確に行うために、ステップS202で行われるレーザ予備照射処理から、ステップS207の処理までに要する時間は、10分以下とするべく動作が制御される。
レーザ光Lが照射されている間、電流検出部71eによって、電流計77からの電流値AMが取得される(ステップS209)。そして、判定部71fによって、その電流値AMと閾値SH1とが比較されて、選択された配線パターン211が導通しているか否かが判定される(ステップS211)。そして、検査対象の配線パターン21の選択(ステップS205)から導通判定(ステップS211)までの一連の処理は、ステップS213で全ての配線パターンについて検査が完了したと判定されるまで繰り返して実行される。
図9は、図7に示すフローチャートのステップS111の短絡検査処理の一例を示す詳細フローチャートである。図7に示すステップS107で形成された閉空間44aには、大気圧と同等の気圧の空気が充満しているため、減圧部71bからの動作指令に従って、ハウジング44内を減圧するべく減圧ポンプ75が作動され、50Pa程度まで閉空間44a内の減圧処理が行われる(ステップS301)。
減圧処理が完了すると、レーザ光照射部71cからの指令に応じて、照射部材22の中心点に向けて、レーザ光照射ユニット45から紫外線領域のパルス状のレーザ光Lが照射される(レーザ予備照射処理:ステップS302)。そして、制御部71からの選択指令に応じてスキャナ74及び走査部452が作動され、検査対象となる2つの配線パターン211,212選択され、配線パターン211が直流電圧源76のマイナス側出力端子と電気的に接続される(ステップS303)。つぎに、電圧印加部71dによって、所定タイミングで、ハウジング44の電極部442bと配線パターン21(ここでは、配線パターン211)との間に電圧V0が印加される(ステップS305)。これによって、配線パターン211が配線パターン212と短絡状態にあるとき、上面パターン部212aと電極部442bとの間に電界が発生する。そして、所定のタイミングで、走査部452によって照射位置が配線パターン212の上面パターン部212aに設定されて、レーザ光照射部71cからの指令に応じてレーザ光照射ユニット45から紫外線領域のパルス状のレーザ光Lが照射される(ステップS307)。ここで、検査を正確に行うために、ステップS302で行われるレーザ予備照射処理から、ステップ307の処理までに要する時間は、所定時間(例えば、10分)以下とするべく動作が制御される。この時間が10分を超えると、浮遊容量に充電された電荷が自然放電し、これにより、浮遊容量が検査精度に影響し始めると考えられるからである。ただし、10分を超えた場合でも、閾値SH2の値等の他の条件を変更すれば、正確な検査が可能な場合もある。
レーザ光Lが照射されている間、電流検出部71eによって、電流計77からの電流値AMが取得される(ステップS309)。そして、判定部71fによって、その電流値AMと閾値SH2とが比較されて、選択された配線パターン211と配線パターン212とが短絡しているか否かが判定される(ステップS311)。そして、検査対象の配線パターン21の選択(ステップS303)から短絡判定(ステップS311)までの一連の処理は、ステップS313で全ての配線パターンの組み合わせについて検査が完了したと判定されるまで繰り返して実行される。
図10は、レーザ予備照射処理を行う場合の試験結果の一例を示す図である。ここでは、基板の特定の2組の検査点間の断線検査を、それぞれ、所定時間(例えば、10msec)毎に所定回数(例えば、50回)行う場合について説明する。ただし、2組の検査点の内、1組は、2つの検査点212a、212b間の配線パターン等で断線が発生している検査点の組み合わせ(以下、断線配線という)であり、他の1組は、2つの検査点211a、211b間の配線パターン等で断線が発生していない検査点の組み合わせ(以下、正常配線という)である。
図の横軸は、検査回数であり、縦軸は、電流計77によって検出される検査電流I1である。グラフG11は、正常配線の検査電流I1の変化であり、グラフG12は、断線配線の検査電流I1の変化である。また、図には閾値SH2を示している。グラフG11は、1回目の検査から閾値SH2超の値を示しており、グラフG12は、1回目の検査から閾値SH2未満の値を示しており、1回目の検査から正確な断線の有無の判定が可能であることがわかる。
図11は、レーザ予備照射処理を行わない場合の試験結果の一例を示す図である。ここでは、図10の場合と同様に、基板の特定の2組の検査点間(断線配線、正常配線)の断線検査を、それぞれ、所定時間(例えば、10msec)毎に所定回数(例えば、50回)行う場合について説明する。
図の横軸は、検査回数であり、縦軸は、電流計77によって検出される検査電流I0である。グラフG01は、正常配線の検査電流I0の変化であり、グラフG02は、断線配線の検査電流I0の変化である。また、図には閾値SH2を示している。グラフG01は、1回目の検査から閾値SH2超の値を示しているが、グラフG02は、10回目の検査まで閾値SH2超の値を示しており、10回目の検査までは正確な断線の有無の判定が不可能であることがわかる。
上述のようにして、基板2の検査を開始する前に、第1の検査点21aが包含される閉空間44a内の所定箇所(ここでは、図5に示す照射部材22)に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光Lが照射されるため、図10に示すように、検査電流I1が配線パターン間の浮遊容量FC等の影響を受けず、正確且つ迅速に検査することが可能となると考えられる。
すなわち、基板2の検査を開始する前に、第1の検査点21aが包含される閉空間44a内の照射部材22に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光Lが照射されて、放出された荷電粒子によって、配線パターン間等の浮遊容量FCが充電状態とされるため、図10に示すように、検査電流I1が配線パターン間の浮遊容量FCの影響を受けないと考えられるのである。
また、電流計77が、直流電圧源76と電極部442bとの間に介設されるため、電極部442bで捕捉される電子により流れる電流が正確に検出される。
更に、基板2の検査を開始する10分前から検査を開始するまでの間に、第1の検査点21aが包含される閉空間44a内の照射部材22に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光Lが照射されるため、配線パターン間等の浮遊容量FCが充電状態を維持したまま(つまり、浮遊容量FCに蓄積された電荷が自然放電することなく)、検査することが可能となると考えられ、更に正確に検査することが可能となる。
加えて、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光Lが照射される照射部材22が、第1の検査点21aが包含される閉空間44a内の適所に配設されると共に、接地された金属部材であるため、電子が効果的に放出されると共に、レーザ光Lにより基板2の表面の損傷等を受けることが確実に回避される。
また、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光Lが照射される照射部材22が、基板2のベース基板20表面に配設された金属部材であるため、第1の検査点21aにレーザ光Lを照射するレーザ光照射ユニット45によって、照射部材22に対してレーザ光Lを照射することが容易に可能となる。
更に、レーザ光照射ユニット45によって、光電効果により電子が放出されるため、第1の検査点21aのレーザ光による損傷が抑制される。
加えて、第1の検査点21aが包含される閉空間44a内が100Pa以下の気圧(ここでは、50Pa)に減圧されるため、第1の検査点21aから効率的に電子が放出される。
なお、本発明は以下の形態をとることができる。
(A)本実施形態においては、レーザ光照射ユニット45(発光部451)が紫外線領域のレーザ光Lを発光する場合について説明したが、レーザ光照射ユニット45(発光部451)がその他の領域(例えば、可視光領域、赤外線領域)のレーザ光Lを発光する形態でもよい。
(B)本実施形態においては、基板2の上面及びハウジング44で取り囲まれる気密な閉空間44aが減圧ポンプ75によって減圧される場合について説明したが、基板検査装置全体が減圧された空間内に配設されている形態でもよい。この場合には、ハウジング44によって気密な閉空間44aを形成する必要はない。
(C)本実施形態においては、レーザ予備照射処理において、図5に示す照射部材22の中心点に向けてレーザ光Lを照射する場合について説明したが、中心点でなくてもよく、また、照射部材22はハウジング44内の適所(例えば、ハウジング44の側壁442)に配設されている形態でもよい。更に、ベース基板20の上面にレーザ光Lを照射する形態でもよい。この形態では、ベース基板20の材質がセラミックスであることが、レーザ光Lの照射による損傷が軽減されるため、好適である。
(D)本実施形態においては、レーザ光照射ユニット45が第1の検査点21a及び照射部材22に対してレーザ光Lを照射する場合について説明したが、第1の検査点21a及び照射部材22に対して、それそれ、レーザ光Lを照射するレーザ光照射ユニットを配設する形態でもよい。
本発明に係る基板検査装置の一実施形態を示す側面断面図である。 図1に示す基板検査装置の平面図である。 基板検査装置の電気的構成の一例を示す構成図である。 基板検査装置の要部の一例を示す構成図である。 基板の一例を示す斜視図である。 制御部の機能構成の一例を示す機能構成図である。 基板検査装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、図7に示すフローチャートのステップS109の断線検査処理の一例を示す詳細フローチャートである。 図7に示すフローチャートのステップS111の短絡検査処理の一例を示す詳細フローチャートである。 レーザ予備照射処理を行う場合の試験結果の一例を示す図である。 レーザ予備照射処理を行わない場合の試験結果の一例を示す図である。
符号の説明
1 装置本体
2 基板
3 搬出入部
4D 下部検査ユニット
4U 上部検査ユニット
41 検査治具
42 接触子
43 駆動機構
44 ハウジング
441 上壁
442 側壁
442b 電極部
44a 閉空間
45 レーザ光照射ユニット(第1のレーザ照射手段の一部、第2のレーザ照射手段の一部)
451 発光部
452 走査部
71 制御部
71a 条件設定部
71b 減圧部(減圧手段の一部)
71c レーザ光照射部(第1のレーザ照射手段の一部、第2のレーザ照射手段の一部)
71d 電圧印加部(電圧印加手段の一部)
71e 電流検出部(電流検出手段の一部)
71f 判定部
72 駆動部
73 テスターコントローラ
74 スキャナ
75 減圧ポンプ(減圧手段の一部)
76 直流電源(電圧印加手段の一部)
77 電流計(電流検出手段の一部)

Claims (10)

  1. 被検査基板の基材表面に形成された複数の配線パターンの電気的特性の良否を2つの検査点間の導通の有無によって検査する基板検査装置であって、
    少なくとも前記配線パターン上の第1の検査点を包含する閉空間を形成するハウジングと、
    前記閉空間内を減圧する減圧手段と、
    前記第1の検査点に、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射する第1のレーザ光照射手段と、
    前記第1の検査点から放出された荷電粒子を捕捉する電極部と、
    前記電極部と前記配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記電圧印加手段に直列に接続され、電流の値を検出する電流検出手段と、
    被検査基板の検査を開始する所定時間前に、前記閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射する第2のレーザ光照射手段とを備えることを特徴とする基板検査装置。
  2. 前記第1のレーザ光照射手段は、前記第2のレーザ光照射手段として兼用されることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
  3. 前記電流検出手段は、前記電圧印加手段と前記電極部との間に介設されることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
  4. 前記所定時間は、10分以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板検査装置。
  5. 前記所定箇所は、被検査基板の基材表面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板検査装置。
  6. 前記所定箇所は、前記閉空間内の適所に配設されると共に、接地された金属部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板検査装置。
  7. 前記所定箇所は、被検査基板の基材表面に配設された金属部材であることを特徴とする請求項6に記載の基板検査装置。
  8. 前記第1のレーザ光照射手段は、光電効果によって荷電粒子を放出させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板検査装置。
  9. 前記減圧手段は、前記閉空間内を100Pa以下の気圧に減圧することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の基板検査装置。
  10. 被検査基板の基材表面に形成された複数の配線パターンの電気的特性の良否を2つの検査点間の導通の有無によって検査する基板検査方法であって、
    少なくとも配線パターン上の第1の検査点を包含する閉空間内を減圧し、
    前記閉空間内の所定箇所に対して荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射し、
    その所定時間後に、電極部と前記配線パターン上の第2の検査点との間に所定の大きさの電圧を印加し、
    前記第1の検査点に、荷電粒子を放出させる強度のレーザ光を照射し、
    前記第1の検査点から放出された荷電粒子を前記電極部で捕捉し、
    前記第1の検査点と第2の検査点との間に流れる電流の値を検出することを特徴とする基板検査方法。
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