JP3803534B2 - ユーザ課金方法とその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は課金方法およびその装置に関し、特に、回線交換呼あるいはパケット呼の課金方法と装置に関する。ここで課金距離は無視するものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来の回線交換呼の課金方式を図5を参照して説明する。図5において、ユーザがあるユーザに対し回線交換呼を発信し(これを第一呼と称す)その通信中にそのユーザとの呼を切断する前に他のユーザに対し呼を発信し(これを第二呼と称す)、以前の呼を切断(第一呼終了)してから他のユーザとの呼を切断(第二呼終 了)した場合を例示する。これはいわゆる三者通話である。この場合において課金方式は第一呼が開始したときに時間測定が開始し第一呼が終了するまでの時間「T1」と、第二呼が開始したときに時間測定が開始し第二呼が終了するまでの時間「T2」を加えたものを当該ユーザの負うべき課金のファクタとしている。
【0003】
また、従来のパケット交換呼の課金方式を図6を参照して説明する。図6において、ユーザがあるユーザに 対しパケット交換呼を発信した場合を例示する。パケット呼の場合転送される情報はユーザの送る情報の有無によって通信が中断したり、情報の転送速度が変化したりすることがある。このような場合には回線交換呼の 様に呼が開始してから呼が終了するまでの時間を求めるのではなく、この区間に転送された情報量を求める。これはいわゆる従量課金とよばれる。この方法をもって当該ユーザの負うべき課金としている。図6においては通信開始時より計測された転送情報量「M」を通信終了時点で収集しこれを課金情報とすることを示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の 課金方式においては、次のような課題がある。
【0005】
第1の課題は、図1に示す課金方式では開始時間と終了時間によって課金量を決定する機構となっているため、通信中にユーザデータの速度が変化した場合にユーザの使用した情報量に応じた適切な課金ができないということである。すなわち、ユーザの通信時間中に通信速度が高くなる場合において、通信開始時に申告した通信速度に通信時間を乗ずる課金方式を採った場合、ユーザの平均情報転送速度は前期申告通信速度より高くなり通信システムの資源は観測された量より過剰に使用されてしまう。他方、ユーザの通信時間中に通信速度が低くなる場合において、通信開始時に申告した通信速度に通信時間を乗ずる課金方式を採った場合、ユーザの平均情報転送速度は前期申告通信速度より低くなり通信システムの資源は観測さ れた量より低く使用されているにも拘わらずユーザに対して過剰に要求してしまう事になる。
【0006】
第2の課題は、図5に示す課金方式では、ユーザが複数の呼を掛けた時に複数の課金情報が生成してしまい課金情報が増加する結果となる。当該ユーザは唯一であるので該ユーザが通信を開始してから終了するまでに占有したシステムの資源の情報をもってその課金情報とする事が可能である。また、回線交換呼で時間的に情報転送速度が異なった場合に 第3の課題は、図6に示す課金方式では通信開始時点から通信終了時点までに送られた転送情報の量を 評価するという機構となっているため、通信中に送られた情報量を計測する機構が必要であるということである。
【0007】
本発明の目的は時間的に転送量が変化する情報を、統計的に計測し課金情報を得ることにあり、回線交換呼およびパケット交換呼共に同一の課金原理に基づいて課金情報を得る事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、時間的に変化する転送情報の課金を行う課金方法であって、定期的に基本回線速度を1とカウントし、回線速度を基本回線速度の何倍かをスキャン測定し、その測定結果に基づき転送された情報量を算出する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のユーザ課金方法の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明のユーザ課金方法の一実施の形態としての回線交換呼の課金方法が示されている。図1において13回のサンプリングによって回線交換呼の転送情報量が測定されている。
【0013】
本図においてユーザがあるユーザに対し回線交換呼を発信し(これを第一呼と称す)、その通信中にそのユーザとの呼を切断する前に他のユーザに対し呼を発信し(これを第二呼と称す)、以前の呼を切断(第一呼終了)してから他のユーザとの呼を切断(第二呼終了)した場合を例示する。これはいわゆる三者通話である。
【0014】
サンプリング結果として最初のサンプリング時には回線が占有されていないために使用検出の観測値0が観測されており、.その後第一呼の使用が検出され、5回のサンプ リング区間において第一呼の使用中のみが検出され、観測毎に値1がカウントされている。
【0015】
その後第二呼が発生し、3回のサンプリング区間において第一呼および第二呼が使用中を検出され観測値2がカウントされ、更に第一呼が開放され、4回のサンプリング区間において第二呼のみの使用が検出される。ここで、12回のサンプリング区間において合計観測値15が累積された。
【0016】
これにより、本図における回線交換呼は観測値15の課金情報が得られたこととなる。これは12サンプル区間の内3区間に二つの呼が発信されたものと同等の結果となる。
【0017】
図2を参照すると、本発明の一実施例としてのパケット交換呼の課金方式が示されている。パケット交換呼の特徴として、速度が変化すること、および無送信区間が存在する事が挙げられる。図2において13回のサンプリングによってパケット交換呼の転送情報量が測定されている。
【0018】
サンプリング結果として最初のサンプリング時には情報が転送されていないためにスキャン結果観測値0が観測されている。.その後通信が開始し、1回のサンプリング区間のスキャンにおいて転送情報量の使用中である観測値1がカウントされている。
【0019】
その後通信が中断し一回のサンプリング区間において観測値0が観測され、その後通信が再開し2回のサンプリング区間において転送情報量の観測値1がカウントされている。更に再び通信が中断し一回のサンプリング区間において観測値0が観測され、その後通信が再開し1回のサンプリング区間において転送情報量の観測値1がカウントされている。
【0020】
次に、他の発信が追加され通話中となって、引き続く4回のサンプリング区間において転送情報量の観測値2がカウントされ、続いて、2回のサンプリング区間において転送情報量の観測値1がカウントされて、通信が終了している。これにより、本図におけるパケット交換呼は観測値14の課金情報がカウントされたこととなる。
【0021】
このようにして、本願発明では、回線の占有量及びデータの転送量をサンプリングによって測定しているので、回線交換呼およびパケット交換呼において同一の基本概念による方法で課金測定ができる。
【0022】
次に本発明の他の実施の形態について説明する。
【0023】
本発明の他の実施例として、その基本的課金方式は上記の通りであるが、回線交換呼の情報転送速度が呼の進行中に変化した場合についても考慮している。従来の状況から考えれば回線交換呼は通話中に情報転送速度は変化しないと想定されるが、これは回線交換インフラを想定しているからである。
【0024】
この場合回線交換インフラとはたとえばISDNにおける2B+DのBチャネルを用いて64kbps非制限デジタルベアラを用いるケースを考える。このように64kbpsのベアラを使用して速度の変化するアプリケーションを実行する場合このアプリケーションの情報転送速度が変化しても64kbps以下のベアラに変更する事は行わない。
【0025】
この場合の課金方式としては64kbpsのベアラをどれだけの区間使用したかという原則に基づき課金処理が行われる.このときアプリケーションが64kpbs未満しか使用しなかったとしても64kbps使用しているものとみなして課金処理が行われる。これは交換インフラが64kbpsの通信路を最低速度単位として構築されているためであり、これを更に遅い速度に分割する事が不可能だからである。
【0026】
しかしながら、情報転送速度がこの単位より小さくなり得る場合、あるいは情報転送速度がアプリケーションの変更によって変化できる場合において、通信インフラがアプリケーションの使用していないベアラを開放してベアラの使用効率を高められるような機構になっている場合においては、使用しているベアラの量だけをユーザが使用しているような課金方式が望ましい。
【0027】
図3を参照すると、本発明の一実施例としての情報転送速度が時間的に変化する回線交換呼の課金方式が示されている。ここで情報転送速度がこの様に時間的に変化する例としては、最初に3.1khz音声呼で通話が開始し、その後より速度の速いたとえばマルチメディア電話、TV電話等のアプリケーションを使用するケースを想定している。図3において13回のサンプリングによって回線交換呼の転送情報量が測定されている。本図において回線交換呼が開始し、最初の2サンプル区間で転送情報量の観測値1、次の3サンプル区間で転送情報量の観測値3、次の3サンプル区間で転送情報量の観測値6、次の1サンプル区間で転送情報量の観測値3及び最後の3サンプル区間で転送情報量の観測値1が観測されており、通信が終了している。これにより、本図におけるパケット交換呼は観測値35の課金情報がカウントされたこととなる。
【0028】
このように、本実施例では、サンプリングによる情報転送速度を観測する方法をとっているので、回線交換呼の情報転送速度が変化する場合でも課金処理が出来るというという効果が得られる。
【0029】
本発明の他の実施例として、その基本的課金方式は上記の通りであるが、サンプリング時間区間をランダムに変化させる場合も考慮している。これはたとえば、パケット呼を生成した装置が自律的クロック機能を有して定期的にパケットデータを生成する場合に、通信システムのサンプリング周期と前期装置のパケットデータ生成周期が同期してしまいユーザが転送したデータの転送量が少なく観測されたり多く観測されたりするのを防止するための処置を行った例である。
【0030】
図4を参照すると、本発明の一実施例としてのパケット交換呼の課金方式が示されている。図4において14回のサンプリングによってパケット交換呼の転送情報量が測定されている。サンプリング結果として最初のサンプリング時には情報が転送されていないために観測値0が観測されている。
【0031】
その後通信か開始され、1回のサンプリング区間において転送情報量の観測値1が観測されている。その後通信が中断し一回のサンプリング区間において観測値0が観測され、その後通信が再開し2回のサンプリング区間において転送情報量の観測値1が観測されている。更に再び通信が中断し1回のサンプリング区間において観測値0が観測され、その後通信が再開し2回のサンプリング区間において転送情報量の観測値1、3回のサンプリング区間において転送情報量の観測値2、1回のサンプリング区間において転送情報量の観測値1が観測され、通信が終了している。これにより、本図におけるパケット交換呼は観測値12の課金情報がカウントされたこととなる
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような効果を奏する。
【0033】
第1の効果は、呼が開始した時間と終了した時間ではなく観測時刻における転送情報量を測定する方式を行っているので、回線交換呼において呼が生成してから呼の消滅の間に呼数の増減があってもユーザの呼が占有したシステムの資源の量に応じた課金処理ができることである。
【0034】
第2の効果は、呼が開始した時間と終了した時間ではなく観測時刻における転送情報量を測定する方法を行っているので、回線交換呼において呼が生成してから呼の消滅の間に情報転送速度の増減があってもユーザの呼が占有したシステムの資源の量に応じた課金処理ができることである。
【0035】
第3の効果は、回線交換呼の課金観測もパケット交換呼の課金観測も同一の方式で行っているので、両種類の呼が占有するシステムの資源の量に応じた課金処理ができることである。
【0036】
第4の効果は、呼種に拘わらず呼が占有するシステムの資源の量に応じた課金処理が出来るので、フレームリレー交換機やATM交換機等によって回線交換呼を伝送する場合に該交換装置及びそれらに付随する装置の使用状態に応じた課金処理ができることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のユーザ課金方法の第1の実施の形態の適用図である。
【図2】本発明のユーザ課金方法の第1の実施の形態の一実施例の適用図である。
【図3】情報転送速度が時間的に変化する回線交換呼の課金方法の適用図である。
【図4】本発明のユーザ課金方法のパケット交換呼の課金方法の一実施例の適用図である。
【図5】従来の回線の課金方法を示す説明図である。
【図6】通信中に送出されたパケット呼の情報量の積算を表示する従来の課金方法の適用図である。
Claims (2)
- 時間的に変化し得る転送情報の課金を行う課金方法であって、基本回線速度のトラフィックを1とカウントして、発信回線の回線速度をサンプリングスキャンし、各スキャンピリオド毎に基本回線速度の倍数を測定し、その測定結果を積算して、積算値を基本単価の乗算のファクタとするユーザ課金方法。
- 時間的に変化する転送情報の課金を行う課金装置であって、発信回線の回線速度をサンプリングスキャンする手段と、
各スキャンピリオド毎に基本回線速度の倍数を測定する手段と、
測定結果を積算する手段と、
積算値を基本単価の乗算のファクタとして課金算出する手段を有するユーザ課金装置。
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