JP3802997B2 - 電子スチルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント機構を内蔵した電子スチルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサなどにより光学的な被写体画像を電気的な画像信号に変換し、さらにデジタル変換して得られた画像データをメモリに保存するようにした携帯型の電子スチルカメラが普及している。メモリに記録された画像データを適宜に読み出すことによって、カメラボディに組み込まれた液晶(LCD)表示パネルのほか、CRTモニタやパーソナルコンピュータなどの外部機器を利用して被写界画像を再生することができる。
【0003】
また、本出願人は、小型で大容量の電源を必要としない光プリンタを内蔵した電子スチルカメラを特願平9−291058号で提案している。この電子スチルカメラには、記録材料として自己現像処理型のインスタントフイルムが用いられ、撮像を行ってメモリに画像データを記録した後に、メモリから読み出した画像データに基づいて光プリンタを駆動し、インスタントフイルムに光学記録(露光)を行ってハードコピーを得る構成となっている。このため、独立したプリンタに接続する必要がなく、撮影したその場でプリントした画像を楽しむことができる。このインスタントフイルムは、複数枚がセットされたフイルムパックの形で本体に収納される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光プリンタを内蔵することにより、電源を収納するスペースが相対的に小さくなってしまう。そして、電源の容量が小さくなるので、長時間の撮影に使用できないという問題が生じてしまう。電子スチルカメラの場合、CCDDイメージセンサやLCDパネルを駆動する必要があり、通常のカメラと比較すると電力消費が格段に大きくなるので、重要な問題となる。
【0005】
そこで、大容量の電源を収納するために、ボディサイズを大型化することが考えられる。しかし、こうすると、持ち運びに不便となり携帯性を悪化させてしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、携帯性を損なうことなく、長時間使用が可能な電子スチルカメラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の電子スチルカメラは、イメージセンサから画像信号を得てメモリにデジタル記録する撮像記録手段と、前記メモリに記録された画像データに基づいて、記録媒体に画像を記録するプリント手段と、これらを駆動する電源電池を装填する電源電池収納部と、前記記録媒体を装填する装填室とを備えた電子スチルカメラにおいて、前記装填室に、補助用の電池,外部記憶媒体,ACアダプタなど、カメラ本体が有する機能を拡張するための拡張機器を装填することができるように、これらを前記カメラ本体と接続する接続手段を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
なお、前記補助用の電池から前記電源電池に充電するための充電回路を設けることが好ましい。また、前記装填室を前記プリントヘッドが移動する移動空間と隣接させ、前記拡張機器を前記装填室から前記移動空間に渡って装填できるようにすることが好ましい。
【0009】
また、前記プリント手段は、感光性を有する記録媒体にプリント光を照射して画像を記録するプリントヘッドを有し、前記記録媒体として自己現像処理型のインスタントフイルムが用いられ、プリント手段による画像記録後のインスタントフイルムは展開ローラを含む展開装置を経て外部に排出されるようにすることが好ましい。
【0010】
さらに、前記装填室には、前記記録媒体を複数枚収納した記録媒体パックが装填されるとともに、前記プリント手段は、未使用の記録媒体が残されている使用途中の前記記録媒体パックが装填された場合でも、その未使用の記録媒体にプリントできるようにすることが好ましい。
【0011】
また、請求項6記載の電子スチルカメラは、感熱記録方式のプリントヘッドを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
電子スチルカメラの正面外観を示す図2において、カメラボディ2の上方に電源スイッチ3が設けられ、これをオン操作することによって各種操作キーの操作が有効化されるとともに、この電子スチルカメラは自動的に被写体撮像用の撮像モードに移行する。また、カメラボディ2の前面上方には、撮影レンズ4とストロボ発光窓5とが設けられている。グリップ部6の側面に電池室蓋7が設けられ、これを開放することによって電源電池8が交換される。電源電池8には、例えば充電が可能な単3型の電池が4本用いられる。
【0013】
グリップ部6の前面にはレリーズボタン9が設けられ、レリーズボタン9を押すとカメラレンズ4を通して一回の撮像が行われる。撮影レンズ4には、例えば1.2mから無限遠までを焦点深度内に含むパンフォーカスレンズが用いられる。
【0014】
カメラボディ2の上面にはスリット状の排出口10が形成されており、この排出口10は、常態ではドア11によって光密に覆われている。プリント操作を行ったときには、排出口10から露光済みのインスタントフイルム12が突出し、ドア11を押し開きながらカメラボディ2外に排出される。
【0015】
このインスタントフイルム12としては、周知のモノシートタイプのインスタントフイルムが用いられる。モノシートタイプのインスタントフイルム12は、本出願人などによる商品化によってすでに広く普及しており、感光シート、受像シート、現像処理液を内包したポッドとを基本的な構成要素としている。そして、感光シートに露光を与えることによって光化学的に潜像を形成した後、この感光シートと受像シートとの間に現像処理液を展開しながら両シートを加圧することによって、受像シートにポジ画像が転写される。
【0016】
インスタントフイルム12は、図1に示すように、フイルムパック13と称されるプラスチック製のケースに10枚積層して収納される。カメラボディ2の前面中央部には、装填蓋14が開閉自在に設けられており、フイルムパック13は、この装填蓋14を開閉して装填室16に装填される。装填室16の奥には、装填室16と隣接して、プリント部15が設けられている。フイルムパック13の底面には、インスタントフイルム12の露光面を露呈する開口が形成されており、フイルムパック13は、この開口がプリント部15と対面する向きで装填される。
【0017】
この装填室16には、フイルムパック13の他に、補助用の電池パック17が装填される。電池パック17は、充電可能な電池18を6本と、この電池18を収納するケース19とからなる。ケース19は、装填室16に装填できるように、フイルムパック13の外形と同形状に形成される。電池パック17の一端には、本体と接続するための端子21が設けられている。装填室16には、この端子21と接続するためのコネクタ22が設けられる。
【0018】
このコネクタ22には、端子21と接触して電気的な接続を行う接片22aが取り付けられている。電池パック17は、端子21とコネクタ22とを接続して装填される。この電池パック17は、電源電池8の補充用の電源として使用されるとともに、電源電池8を充電するための供給電源として使用される。なお、電源電池8としては、充電可能な電池を使用しなくてもよく、この場合、電池パック17は、補充用の電源としてのみ機能する。
【0019】
図3に上記電子スチルカメラの背面側の構成を示す。カメラボディ2の背面には、LCD(液晶)パネル24,マルチオペレーションボタン26,モード切り換えキー27,プリントスタートキー28等の全ての操作部が設けられている。
【0020】
LCDパネル25は、撮影レンズ4を通して撮像される被写体画像をリアルタイムで表示するいわゆる電子ビューファインダーを構成するとともに、メモリから読み出した画像データの再生等に使用される。また、符号29はパターンセグメントを配列した情報表示用のLCD表示板を示し、撮像コマナンバー,プリント枚数などが表示される。
【0021】
マルチオペレーションボタン26は、モード切り換えキー27との併用で、様々な撮像モードでの操作や、再生モード,プリントモード時のコマ選択等の操作に使用される。プリントスタートキー28を押圧操作すると、選択した画像のプリントが開始される。モード切り換えキー27は、撮像モード,再生モード,プリントモード,充電モードの各モードを選択するためのものである。このモード切り換えキー27で選択したモードは、LCD表示板29に表示される。電池パック17が装填された状態で、モード切り換えキー27を充電モードにセットすると、電源電池8に充電が開始される。
【0022】
図4に、正面側からみたときの、カメラボディ2に内蔵された各機構部のレイアウトを示す。撮影レンズ4の背後に位置するように、CCDイメージセンサ33を含む撮像回路ユニット34が設けられている。フイルムパック13が装填された装填室16を取り囲むように、展開ローラ36,展開駆動機構37,リニアプリントヘッド39を含むヘッド移動機構40が組み込まれている。展開ローラ36の上方には、ストロボ用の回路基板38が設けられる。また、符号41は展開駆動機構37の動力源となる展開モータを、符号42は制御部を概略的に表している。この展開ローラ36,展開モータ41,展開駆動機構37,ヘッド移動機構40がプリント部15を構成する。
【0023】
上記機構のうち、展開ローラ36及び展開駆動機構37は、例えば特開平4−194832号公報などに記載されたように、従来のインスタントカメラに用いられているものと同じでよく、その機能も全く同一である。すなわち、これらはフイルムパック13の中から露光済みのインスタントフイルム12を送り出し、また送り出しながら現像処理液の展開を行うために用いられる。
【0024】
周知のように、展開駆動機構37はクロー爪及びその移動機構を含む。クロー爪は、展開モータ41の駆動により作動して露光済みのインスタントフイルム12の下端を上方に押し出し、インスタントフイルム12の上端を一対の展開ローラ36の間に送り込む。この時点で展開ローラ36は回転しているから、以後は展開ローラ36によってインスタントフイルム12が上方へと搬送される。インスタントフイルム12の上端部分に現像処理液を内包したポッド12aが設けられ、また一対の展開ローラ36は互いに接近する方向にバネ付勢されているから、展開ローラ36によってインスタントフイルム12が搬送される間に、ポッド12aが破れて現像処理液が感光シートと受像シートとの間に展開される。
【0025】
図5にプリント部15の外観を示す。リニアプリントヘッド39は、その長手方向がインスタントフイルム12の搬送方向に対して直交するように配置される。また、リニアプリントヘッド39は、インスタントフイルム12の露光面と対面するように配置され、前記露光面と平行に移動しながらプリントを行う。リニアプリントヘッド39は、先の特願平9−291058号明細書及び図面に記載されたように、インスタントフイルム12の排出方向と直交する向き(矢印M方向)にドットセグメントの透過型液晶を多数配列した液晶アレイと、これらにライン状の白色照明光を照射する発光体と、液晶アレイと発光体との間に設けられた赤色透過、緑色透過 青色透過の3種類の帯状のカラーフィルタとを内蔵している。
【0026】
各色のカラーフィルタは、リニアプリントヘッド39が矢印S方向に1スキャンするごとに、一つずつ順次に発光体と液晶アレイとの間に移動する。したがって発光体からの照明光は、赤色,緑色,青色のいずれか一色のプリント光となる。液晶アレイの各ドットごとの透過濃度を、色ごとに、かつ矢印S方向,M方向の各スキャン位置ごとに変えることによって、インスタントフイルム12上にカラープリントを行うことが可能となる。この実施形態では、1画面のプリントを行うに際し、リニアプリントヘッド39を矢印S方向に1.5往復させるようにしており、それぞれ各色ごとに面順次でプリントを行う。なお、白色の発光体を用いる代わりに赤,緑,青を発色する発光ダイオードをアレイ状に並べて用いた場合には、カラーフィルタが不要となる。
【0027】
制御部42は、撮像回路ユニット34,リニアプリントヘッド39,各種モータ41,43等,システム全体をコントロールするシステムコントローラを中心に構成されている。この制御部42には、撮像した画像データを記録するメモリ45と、充電回路46や画像処理回路等の各種回路が設けられている。電源スイッチ3をはじめ、マルチオペレーションボタン26,モード切り換えキー27,プリントスタートキー28等のキー操作入力は、この制御部42によって監視され、その入力信号に基づいて、撮像、再生、プリント等が行われる。
【0028】
充電回路46は、電池パック17を供給電源として電源電池8に充電を行うためのものである。電池パック17が装填室16に装填されると、コネクタ22から制御部42に向けて電気信号が送信される。この電気信号をシステムコントローラが受けている時に、モード切り換えキー27によって充電モードが選択されると、制御部42は、充電回路69をオンにして、電池パック17から電源電池8への充電を開始させる。モード切り換えスイッチ27により撮像モードや再生モードが選択されている場合には、電池パック17と電源電池8とは直列に接続されて、電池パック17は補助用の電源として機能する。
【0029】
以下、上記構成の作用について説明する。長時間の撮影を行う場合には、電源電池8の他に、電池パック17を装填室16に装填する。電源スイッチ3をオンすると撮像モードに設定される。端子22とコネクタ21との接続により、電池パック17は補助用の電源として機能する。
【0030】
撮像モード下では、CCDイメージセンサ33が被写体画像を連続的に撮像し、その画像は電子ビューファインダーとして機能するLCDパネル24に表示される。フレーミングを行ってレリーズボタン9を押すと、その時点でLCDパネル24に表示されていた被写体画像の画像データがメモリ45に書き込まれる。メモリ45には最大で50画面分の静止画像に関する画像データを記憶させることができる。
【0031】
メモリ45で記憶可能な画面数の撮像を行った後であっても、適宜のコマの画像データを消去すれば新たな撮像で得た画像データを記憶させることが可能である。また、外部メモリ等の外部記憶媒体をセットできるようにしておけば、外部記憶媒体に新たな撮像で得た画像データを記憶させたり、メモリ45から読み出した画像データを転送して記憶させることも可能である。
【0032】
電源の容量が増加しているので、1度にたくさんの撮影を行っても電池切れの心配がない。また、電池の消耗が激しいLCDパネル24等を安心して使用することができる。撮影が終了した場合には、モード切り換えキー27を充電モードにセットしておけば、電源電池8に充電が開始され、プリント処理時に必要な電源を蓄えておくことができる。
【0033】
プリント処理を行う場合には、電池パック17とフイルムパック13とを入れ替えて、モード切り換えキー27でプリントモードを選択する。マルチオペレーションボタン16によって、任意の画像データを選択して、それをLCDパネル24に画像表示させる。
【0034】
プリントスタートキー28を操作するとプリント処理が開始される。制御部42はメモリ45にアクセスして、最初の1ライン分の中の赤色に相当する画像データを順次に読み出す。また、赤色フィルタがプリント光路内に挿入されていること、また液晶アレイの各液晶セグメントが遮光状態であることを確認した上で、蛍光ランプを点灯させる。
【0035】
リニアプリントヘッド39は、初期状態では、図5に二点鎖線で示すように、インスタントフイルム12の最下端部に対面した初期位置にあり、この位置が最初の1ライン分の記録位置となる。リニアプリントヘッド39に1ライン分の画像データが順次に液晶アレイに送られ、各々の液晶セグメントの透過濃度が画像データに応じた透過濃度に切り替えられる。赤色フイルタ及びそれぞれの液晶セグメントを透過したRプリント光が、インスタントフイルム11に赤色の露光を与える。そして、各々の液晶セグメントは、露光後に再び遮光状態に戻る。
【0036】
こうして1ライン分のRプリント光による露光が完了すると、ヘッド駆動モータ43が一定角度回転してリニアプリントヘッド39を次ライン位置に移動させる。続いて2ライン目の赤色濃度に対応した画像データが転送され、同様にして2ライン目のRプリント光による露光が行われる。引き続き、リニアプリントヘッド32を展開ローラ21側にステップ送りしながら1ラインごとにRプリント光による露光が行われ、最終ラインのプリントが終わるとRプリント光による露光が終了する。
【0037】
次に、制御部42は、赤色フイルタに代えて緑色フィルタをプリント光路内に挿入する。続いて、画像データのうち、最終ラインの中の緑色に相当する画像データを順次に読み出して液晶アレイに送る。以後は、同様にしてGプリント光による露光が最終ライン位置から最初の1ライン位置に向かって行われる。Gプリント光による露光が終了した後は、青色フィルタがプリント光路内に挿入され、青色に相当する画像データが1ラインごとに読み取られ、同様にしてBプリント光による露光が行われる。こうしてR,G,Bの各プリント光による露光が完了すると、リニアプリントヘッド39は、プリント完了位置(図4上実線で示す)よりも展開ローラ36側に寄った退避位置に移動する。
【0038】
リニアプリントヘッド39が退避位置に移動した後、展開駆動機構37が作動を開始し、クロー爪が露光済みのインスタントフイルム12をフイルムパック13から掻き出す。展開ローラ36の回転によってインスタントフイルム12が搬送され、同時に現像ポッド12aが破れて現像処理液の展開が行われる。プリントが終了すると、クロー爪は、その移動ストロークの終端まで移動し元の位置に戻って停止する。クロー爪が元の位置に戻ると、ヘッド駆動モータ43が駆動され、リニアプリントヘッド39は初期位置に戻る。
【0039】
インスタントフイルム12は排出口10を通り、ドア11を押し開きながらカメラボディ2の外部に排出される。1分〜数分経過すると、被写体画像がポジ画像として受像シートに定着され、選択した画像をハードコピーとして得ることができる。
【0040】
装填したフイルムパック13に収納されたインスタントフイルム12を使い切ったら、新しい未使用のフイルムパック13を装填すれば、引き続きプリント処理を継続することができる。プリント処理を開始する前に、電源電池8に充電を行っておけば、AC電源を使用することができない屋外においても、大量のプリント処理を行うことができる。
【0041】
また、上記では、電池パック17を収納した状態で撮影を行い、後でまとめてプリントするようにしているが、もちろん、フイルムパック13を装填した状態で撮影を行い、適宜プリント処理を行ってもよい。
【0042】
また、図6(A)に示すように、装填室16は、リニアプリントヘッド39が移動するヘッド移動空間71と隣接して設けられる。プリント処理を行わない時には、リニアプリントヘッド39は初期位置(図上実線で示す)に停止しているので、該ヘッド39が占有している空間以外のヘッド移動空間71は、空の状態になる。
【0043】
図6(B)に示すように、このヘッド移動空間71を利用して、大型の電池パック72を装填してもよい。電池パック72は、電池18を10本収納したもので、本数が増えた分、その外形が大型化している。装填室16とヘッド移動空間71は隣接して設けられているので、電池パック72は、装填室16とヘッド移動空間71に渡って装填される。このため、カメラボディ2の外形サイズを大きくすることなく、電源の容量をさらに大きくすることができる。これによれば、さらに長時間の撮影が可能になる。
【0044】
上記の例では、フイルムパックとして周知のインスタントフイルムパックを使用するプリント機構を内蔵した形で説明しているが、このプリント機構では、未露光のインスタントフイルムが残された状態のフイルムパックをカメラ本体からいったん取り出してしまうと、再度装填してプリントすることができない。本発明は、このような現行のインスタントフイルムパック及びインスタントフイルムプリント機構を採用した電子スチルカメラだけでなく、未露光のフイルムが残されているフイルムパックを再度装填して使用することができるような、途中交換可能なフイルムパック及びフイルムプリントシステムを採用した電子スチルカメラに使用してもよい。これによれば、未露光のフイルムが残っている状態で電源がなくなったとしても、いったんフイルムパックを取り出して、電池パックに入れ替えて充電を行い、その後、再度使用途中のフイルムパックを装填して、撮影を継続することができる。
【0045】
また、図7に示すように、装填室には、電池パックの他に、例えば、ACアダプター73を装填できるようにしてもよい。この他、補助用の外部記憶媒体としてハードディスク74やメモリパック75等の拡張機器を装填できるようにしてもよい。この場合には、接続手段として電源用のコネクタ76の他に、データ送信用の接続端子77を接続するためのコネクタ78が必要になる。これによれば、撮影した画像データをさらに大量に記憶することができる。
【0046】
また、拡張機器としてメモリと電池パックとの両方を一度に接続できるように、その両方が組み込まれるとともに、装填室に装填できるような形状で外形を形成した専用のユニットを使用してもよい。これによれば、撮影等に必要な消費電力量と、画像データの記憶容量とをバランスよく増加させることができる。
【0047】
また、上記例では、記録媒体に光を照射して画像を記録する光記録方式のプリントヘッドを使用した例で説明したが、図8及び図9に示す電子スチルカメラ81のように、感熱記録方式のプリントヘッドを使用したものでもよい。電子スチルカメラ81は、その前面に撮影レンズが設けられており、撮影レンズの後方にはCCDが内蔵されている。また、その背面にファインダ82,液晶パネル83,モード切り換えキー84,装填蓋86が設けられている。撮像した画像はメモリカード85に記録される。このメモリカード85は、電子スチルカメラ81の側面に設けた挿入口87から装填される。装填蓋86は、カートリッジ88や電池パック89を装填室90に装填するために、開閉自在に取り付けられている。
【0048】
この装填室90の内部には、サーマルヘッド92と、このサーマルヘッド92と対向して記録紙93を支持するプラテンローラ94とが設けられている。カートリッジ88は、記録紙93をロール状に巻いた記録紙ロール95と、インクリボン96とを組み込んでユニット化したものである。サーマルヘッド92は、インクリボン96を記録紙93に押し当てて、これを加熱することにより固体状のインクを溶融し、溶融したインクを記録紙93に転写する熱転写式のプリントヘッドである。プリントされた記録紙93は、カッタ97によりカットされて排紙される。
【0049】
また、装填室90の内部にはコネクタ98が設けられており、このコネクタ98が電池パック89の端子99と接続される。これにより、電池パック89から電源電池101への充電が可能になるとともに、電池パック89が補助用の電池として機能する。なお、この例では、感熱記録方式のプリントヘッドとして、熱転写型のサーマルヘッドを用いた例で説明したが、この他、昇華型などのプリントヘッドを使用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明はの電子スチルカメラは、撮像した画像を記録媒体に記録するプリント手段が備えられ、この記録媒体を装填する装填室に、補助用の電池,外部記憶媒体,ACアダプタなど、カメラ本体が有する機能を拡張するための拡張機器を装填することができるように、前記拡張機器と前記カメラ本体とを接続する接続手段を設けたから、カメラ本体の外形サイズを大きくすることなく、電池容量や記憶容量など電子スチルカメラが有する機能を拡張することができる。これにより、長時間の使用や大量の画像データの記憶をおこなうことができる。しかも、拡張機器を装填室に装填できるようにしたから、カメラ本体の外形を大型化することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】装填室を開いた状態の電子スチルカメラの外観斜視図である。
【図2】図1に示す電子スチルカメラの正面外観斜視図である。
【図3】図1に示す電子スチルカメラの背面外観斜視図である。
【図4】図1に示す電子スチルカメラの内部機構のレイアウトを示す説明図である。
【図5】プリント部の外観を示す概略図である。
【図6】図1に示す電子スチルカメラの断面図である。
【図7】外部記憶装置等を接続するコネクタが設けられた電子スチルカメラの外観斜視図である。
【図8】感熱記録方式のプリントヘッドを内蔵した電子スチルカメラの外観斜視図である。
【図9】図8の電子スチルカメラの装填室内部の概略を示す正面図である。
【符号の説明】
2 カメラボディ
12 インスタントフイルム
13 フイルムパック
16 装填室
17,89 電池パック
21,77,99 端子
22,76,78,98 コネクタ
Claims (6)
- イメージセンサから画像信号を得てメモリにデジタル記録する撮像記録手段と、前記メモリに記録された画像データに基づいて、記録媒体に画像を記録するプリント手段と、これらを駆動する電源電池を装填する電源電池収納部と、前記記録媒体を装填する装填室とを備えた電子スチルカメラにおいて、
前記装填室に、補助用の電池,外部記憶媒体,ACアダプタなど、カメラ本体が有する機能を拡張するための拡張機器を装填することができるように、前記拡張機器と前記カメラ本体とを接続する接続手段を設けたことを特徴とする電子スチルカメラ。 - 前記補助用の電池から前記電源電池に充電するための充電回路を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子スチルカメラ。
- 前記プリント手段は、前記記録媒体の記録面と対面して配置され、この状態で前記記録面と平行に移動しながら画像を記録するプリントヘッドを備えるとともに、前記装填室を前記プリントヘッドが移動する移動空間と隣接させ、前記拡張機器を前記装填室から前記移動空間に渡って装填できるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子スチルカメラ。
- 前記プリント手段は、感光性を有する記録媒体にプリント光を照射して画像を記録するプリントヘッドを有し、前記記録媒体として自己現像処理型のインスタントフイルムが用いられ、プリント手段による画像記録後のインスタントフイルムは展開ローラを含む展開装置を経て外部に排出されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1つ記載の電子スチルカメラ。
- 前記装填室には、前記記録媒体を複数枚収納した記録媒体パックが装填されるとともに、前記プリント手段は、未使用の記録媒体が残されている使用途中の前記記録媒体パックが装填された場合でも、その未使用の記録媒体にプリントできるものであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1つ記載の電子スチルカメラ。
- 前記プリント手段は、感熱記録方式のプリントヘッドを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子スチルカメラ。
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