JP3802310B2 - キャニスタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料タンクからの蒸発燃料を吸着、離脱して大気への漏出を防止するキャニスタに関し、詳しくは、拡散室内での蒸発燃料の偏流と淀みを防止して吸着、離脱能力を向上させることができるキャニスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キャニスタによる蒸発燃料の吸着を効果的に行うための技術としては、例えば、特開平8−189427号公報で提示される技術が知られている。前記公報によれば、ケーシングと仕切部材により区画される二つの吸着材室を形成し、両吸着材室とケーシングの底部との間の空間に、一方の吸着材室の蒸発燃料を他方の吸着材室に導入するための拡散室を設け、ケーシングの底部における両吸着材室側の隅部に傾斜部を形成し、拡散室内での蒸発燃料の実質的な移動方向に形成される傾斜部の長さの総和が、拡散室の移動方向における長さの1/3以上を有するようにし、蒸発燃料が傾斜部に沿って略U字状に流れるように構成することにより、通気抵抗を低減するとともに蒸発燃料の偏流を抑制して吸着、離脱能力を向上させるとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記拡散室は通路空間が広いため、通気抵抗の低減に対しては十分な効果があるが、蒸発燃料および空気の流れについては均一にならず、一方向に片寄って流れてしまうため、偏流の抑制については不十分となる場合がある。また、拡散室に蒸発燃料の淀みが生ずるおそれがあり、吸着、離脱能力の向上を阻害する要因となり易い。そこで本発明は、拡散室の通気抵抗を低減させるとともに、蒸発燃料および空気の偏流を抑制して流れを均一に保つことにより、吸着、離脱能力を向上させることができるキャニスタを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決を目的としてなされた請求項1の発明は、容器内に吸着材を充填して形成した吸着材室を、隔壁により第1および第2の吸着材室に区画し、空気および燃料タンクから流入する蒸発燃料を、前記第1および第2の吸着材室の連通路として作用する拡散室を介して、容器内を略U字状に流動させるようにして蒸発燃料を吸着、離脱させるようにしたキャニスタにおいて、前記拡散室を、前記隔壁の面に対して平行方向に設けられて、前記空気または蒸発燃料が通る複数の拡散溝と、前記隔壁の面に対して直角方向に設けられて、前記空気または蒸発燃料が通る複数の整流溝を連通して形成したものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記拡散溝と整流溝を十字状に形成したことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記拡散室が、拡散溝と整流溝を十字状に配置した十字状溝で形成され、該十字状溝が十字状溝部材に刻設されていることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記拡散溝と整流溝の合計の平面積が、これらの溝を形成する部材における内面部の総面積の10〜50%であることを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記拡散溝と前記整流溝の合計の平面積が、溝深さが8〜12mmの場合、前記拡散溝と前記整流溝を形成する部材における内面部の総面積の10〜50%であることを特徴とするものである。
なお、平面積とは、十字状溝の長さと幅の積で表される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の一実施形態にかかるキャニスタの縦断面図で、図1(b)は断面A−Aである。図1において、キャニスタ1を構成する容器2内には、吸着材3が充填された吸着材室4が形成され、吸着材室4は容器2の上方から下方に延びる隔壁2aにより第1の吸着材室4aと第2の吸着材室4bに区画されている。吸着材4は上下両方向からフィルタ5a、5bにより挟持されている。第1の吸着材室4aの上部には仕切壁2bにより仕切られた第1の空間6aおよび第2の空間6bが設けられ、第2の吸着材室4bの上部には第3の空間6cが設けられている。
【0006】
第1の空間6aにはタンクポート2cが開口し、タンク連通路7により燃料タンク8と連通されている。通常、タンク連通路7には燃料タンク8からの蒸発燃料を調圧するためのチェックバルブが設けられるが図は省略する。第2の空間6bにはパージポート2dが開口し、エンジン9に空気を供給するための吸気管10途中に設けられたスロットルバルブ11の下流に連通されている。第3の空間6cには大気ポート2eが設けられ大気に開口している。
【0007】
吸着材室4の下部には拡散室12が設けられ、拡散室12には容器2に溶着されたカバー13と一体に形成された十字状溝部材13Aが収容され、第1および第2の吸着材室4a、4b間の連通路として作用する。十字状溝部材13Aには、隔壁2aの面に対して平行方向に設けられた複数の拡散溝14aと、直角方向に設けられた複数の整流溝14bとから構成された十字状溝14が刻設されている。整流溝14bは第1および第2の吸着材室のそれぞれの下部に延びるよう形成されている。十字状溝部材13Aの内側表面となるカバー13の内面部13aは平面に形成されフィルタ5bを支持している。
【0008】
十字状溝14の内面部13aにおける平面積は、溝深さが8〜12mmの場合、内面部の総面積(a×b)の10〜50%に設定されている。その臨界的意義理由については後述する。なお、隔壁2aの下端部をフィルタ5bまで延長し、隔壁2aとフィルタ5bとの間の隙間2fをなくしてもよい。また、カバー13に一体に形成された十字状溝部材13Aの構成については、樹脂製容器2の底部に容器2と一体に成形し、容器2の上部を二体構造として溶着してもよい。
【0009】
次に、本実施形態の作用について説明する。初めに、吸着作用について説明する。図1において、エンジン9が停止すると、燃料タンク8内に充満した蒸発燃料は、タンク連通路7途中に設けられる図示しないチェックバルブを押し開いて、タンクポート2cから容器2内に流入する。蒸発燃料は第1の空間6aで拡散しフィルタ5aを経て第1の吸着材室4aに流入し、充填された吸着材3により吸着される。吸着しきれなかった蒸発燃料は、その大部分がフィルタ5bを透過し拡散溝14aおよび整流溝14bに流れ込み、均一に拡散および整流されて、いわゆる略U字状に第2の吸着材室4bに流入する。この時、拡散室12に十字状溝部材13Aを収容する構成としたため、蒸発燃料の偏流や淀みが生じない。また、蒸発燃料の一部分は隔壁2aの下端部とフィルタ5bの隙間2fを通過して略U字状に第2の吸着材室4bに流入し、充填された吸着材3により吸着され大気への漏出が防止される。
【0010】
次に、離脱作用について説明する。エンジン9が稼動すると、吸気管10内に生じた負圧により、第1および第2の吸着材室4a、4bに吸着されている蒸発燃料は離脱され、大気ポート2eから流入する空気とともに、吸着時の流れ方向とは逆に略U字状に流れて、フィルタ5a、第2の空間6b、パージポート2dを経てエンジン9に吸引される。吸引される空気と第2の吸着材室4bに吸着された蒸発燃料の大部分は、フィルタ5bを透過して拡散溝14aと整流溝14bにより、均一な拡散と整流が成されて第1の吸着材室4a側に流入するため偏流や淀みが生じない。また、一部分は隔壁2aの下端部とフィルタ5bの隙間2fを通って吸着時の流れ方向とは逆に、略U字状に流れて第1の吸着材室4aに流入する。
【0011】
十字状溝14の内面部13aにおける平面積は、溝深さが8〜12mmの場合、内面部の総面積(a×b)の10〜50%に設定されている。これは、十字状溝14の平面積が内面部13aの総面積の10%未満の場合は、吸着材室4a、4b間の通路抵抗が過大となり、蒸発燃料の離脱時、エンジンの吸引力が燃料タンク8に及び、燃料タンク8内の圧力が負圧になりすぎ、燃料の供給作用に支障を来すからである。また、50%を越える場合は、吸着材室4a、4b間の流路面積が過大となり、拡散溝14aおよび整流溝14b内において蒸発燃料の流れに偏流や淀みが生じて吸着、離脱効率が低下するからである。最良の条件は平面積が約30%の値である。
【0012】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。すなわち、整流溝により略U字状の流れが整流され、通気抵抗の小さい吸着材室間の拡散室が確保できる。また、整流溝、拡散溝を通る空気または蒸発燃料が等量となるため偏流が抑制され、偏った吸着および離脱が防止できる。また、十字状溝に必要以上の空間が存在しないので空気や蒸発燃料の淀みがなくなる。上述によりキャニスタの吸着、離脱能力が向上する。その上、カバーの内面部は平面に形成されるので、内面部上に直接フィルタ等を設置することができ、組付が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態にかかるキャニスタの縦断面図である。
図1(b)は断面A−Aである。
【符号の説明】
1 キャニスタ
2 容器
2a 隔壁
3 吸着材
4 吸着材室
4a 第1の吸着材室
4b 第2の吸着材室
8 燃料タンク
12 拡散室
13A 十字状溝部材
13a 内面部
14 十字状溝
14a 拡散溝
14b 整流溝
Claims (5)
- 容器内に吸着材を充填して形成した吸着材室を、隔壁により第1および第2の吸着材室に区画し、空気および燃料タンクから流入する蒸発燃料を、前記第1および第2の吸着材室の連通路として作用する拡散室を介して、容器内を略U字状に流動させるようにして蒸発燃料を吸着、離脱させるようにしたキャニスタにおいて、前記拡散室を、前記隔壁の面に対して平行方向に設けられて、前記空気または蒸発燃料が通る複数の拡散溝と、前記隔壁の面に対して直角方向に設けられて、前記空気または蒸発燃料が通る複数の整流溝を連通して形成したことを特徴とするキャニスタ。
- 前記拡散溝と整流溝を十字状に形成したことを特徴とする請求項1記載のキャニスタ。
- 前記拡散室が、拡散溝と整流溝を十字状に配置した十字状溝で形成され、該十字状溝が十字状溝部材に刻設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャニスタ。
- 前記拡散溝と整流溝の合計の平面積が、これらの溝を形成する部材における内面部の総面積の10〜50%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のキャニスタ。
- 前記拡散溝と前記整流溝の合計の平面積が、溝深さが8〜12mmの場合、前記拡散溝と前記整流溝を形成する部材における内面部の総面積の10〜50%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のキャニスタ。
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