JP3801729B2 - フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際し、先羽根群と後羽根群とを順次作動させ、各々のスリット形成羽根によって形成されたスリットによりフィルムを露光するようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のフォーカルプレンシャッタは、略中央部に露光用の開口部を有し、相互に取り付けられた二つの地板(通常、一方の地板をシャッタ地板と称しており、他方の地板はカバー板,補助地板などと称されている)の間に、先羽根群と後羽根群とを配置している。各羽根群は、一端部を一方の地板に枢着されている少なくとも二つのアームに、それらの他端部に向けて複数枚の羽根を順次枢支した構成をしており、最先端部に枢支された羽根がスリット形成羽根となっている。そして、各羽根群のアームの一つには、枢着部に近い位置に孔が形成されている。また、二つの地板の間には、中間板と称される板部材を設け、先羽根群と後羽根群の作動領域を分離し、両者が作動上干渉しないようにしている。
【0003】
また、一方の地板には、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が往復回転可能に取り付けられていて、夫々の駆動部材の作動ピンが、上記したアームの孔に嵌合している。そのため、各羽根群の複数枚の羽根は、アームが作動ピンによって一方向へ回動すると、相互の重なりを少なくして展開し、他方向へ回動すると、重畳されるようになっている。そして、シャッタのセット状態においては、先羽根群が展開状態となって露光用の開口部を覆い、後羽根群は重畳状態となって露光用の開口部から退避させられており、また、露光作動の終了直後の状態においては、先羽根群は重畳状態となって上記の開口部から退避し、後羽根群は展開状態となって該開口部を覆うようになっている。
【0004】
更に、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材は、露光作動時には、通常、夫々の駆動ばねの付勢力によって一方向へ回転され、セット作動時には、それらの駆動ばねの力に抗しセット部材によって逆方向へ回転されるようになっている。しかしながら、露光作動時にもセット作動時にも、各駆動部材を、夫々のモータによって作動させるようにしたものも提案されている。また、各駆動ばねによって各駆動部材に露光作動を行わせるものは、過去においては、各露光作動のスタートを機械的に制御するようにしたものもあったが、現在では、その殆どが電磁石を介して制御するようになっている。
【0005】
そして、電磁石を用いる場合にも、その構成の違いによって、二つのタイプに分けることができる。即ち、その一つは、露光作動開始位置においては、各駆動部材が各々の係止部材によって機械的に係止されていて、各電磁石に吸着されていた夫々の鉄片部材の作動によってそれらの係止を順次解除するようにしたものであって、通常、係止タイプのと言われているものである。また、もう一つのタイプのものは、鉄片部材が夫々各駆動部材に設けられていて、露光作動開始位置においては、各々の電磁石が各駆動部材を直接吸着保持しており、その吸着を、所定のタイミングで順次解くようにしたものであって、通常、ダイレクトタイプと言われているものである。
【0006】
ところで、このような構成の各羽根群は、露光作動時に高速で作動させられるため、停止時にはストッパに衝突して強い衝撃を受けることになる。そして、この衝突によって各羽根群は作動してきた方向(セット方向)へ戻る力を受けるだけでなく、アームや羽根が撓まされ、羽根の平面に対して垂直方向への力も生じることになる。そのため、衝突時には、各羽根群の部材,部位には、それらによって合成された複雑な力が作用することになる。そのため、作動してきた方向(セット方向)へ戻る力が大きく働いてバウンドした場合には、各スリット形成羽根のスリット形成縁を露光開口部内に進入させ、フィルムに対して露光むらを生じさせることになり、また、ストッパに衝突したときの衝撃力が余りにも大きい場合には、羽根が裂けたりしてしまうことがある。
【0007】
そこで、そのような事態を回避するために、これまでにも、上記のような衝撃を緩和することの可能な種々の手段が提案され且つそれらの一部が実施されているが、それらを大別すると、羽根に直接作用させるものと、羽根とアームの連結軸に作用させるものと、アームに作用させるものと、駆動部材に作用させるものとに分けることができる。また、実施をするに際しては、必要に応じて、それらのうちの二つを採用することも、三つを採用することも、場合によっては全部を採用することもあるし、また、先羽根系と後羽根系とでは、異なるように構成することもある。
【0008】
しかしながら、実際に露光むらが生じるのは羽根がセット方向へ動くからであるし、破壊するのも羽根とアームの連結部に生じることが多いことから、特に問題さえなければ、衝撃吸収手段の働きを、羽根自身に、しかも全ての羽根に直接作用させることが好ましい。しかし、後羽根群の羽根は、露光作動終了時に展開状態になってしまうから、そのように構成するのが実際上なかなか難しい。それに対して先羽根群の羽根は、露光作動終了時に重畳状態になるので、比較的容易である。そこで、従来は、上記した二つの地板の一方に、ブチルゴム等の弾性材料からなる緩衝部材を取り付けておき、露光作動終了時には、先羽根群の羽根が重畳され、各羽根の作動方向の端縁が略揃った状態で緩衝部材に衝突するように構成していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先羽根群の全ての羽根が、略同時に緩衝部材に衝突すると、緩衝部材の弾力によって可成り制動され且つ衝撃力が緩和されるものの、全ての羽根には、反作用が殆ど同時に働くことになるから、バウンド力は比較的大きく作用してしまい、その性能には自ずから限度があった。また、そのこともあって、緩衝部材の構成面での様々な改善策が考えられているが、いずれも緩衝部材の設置個数を増やしたり、形状が複雑になったりして、シャッタの設計上の自由度を狭くし且つコンパクト化には適さないものが多かった。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、先羽根群の露光作動終了時に、緩衝部材に対して、複数の羽根を異なるタイミングで衝突させることによって、バウンド力を効果的に小さくするようにしたフォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明におけるフォーカルプレンシャッタは、略中央部に各々露光用の開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられている二つの地板と、夫々の一端部を支点にして往復回動する複数のアームにそれらの他端部に向けて複数枚の羽根を順次枢支した構成をしていて最も他端部側に枢支された羽根をスリット形成羽根として前記二つの地板の間に配置されている先羽根群と、前記先羽根群を往復作動させ露光作動時には前記先羽根群の羽根を前記開口部を覆う展開位置から前記開口部から退避した重畳位置へ作動させる先羽根用駆動部材と、夫々の一端部を支点にして往復回動する複数のアームにそれらの他端部に向けて複数枚の羽根を順次枢支した構成をしていて最も他端部側に枢支された羽根をスリット形成羽根として前記二つの地板の間に配置されている後羽根群と、前記後羽根群を往復作動させ露光作動時には前記後羽根群の羽根を前記開口部から退避した重畳位置から前記開口部を覆う展開位置へ作動させる後羽根用駆動部材と、前記二つの地板の少なくとも一方に設けられており前記先羽根群の羽根が露光作動の終了段階において当接する緩衝部材とを備えていて、前記緩衝部材には、先ず、スリット形成羽根が当接し、続いて、他の羽根が当接するようになっていて、前記緩衝部材に対する初期の当接段階においては、羽根相互の運動方向が逆になるように構成されている。
また、本発明のフォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記緩衝部材には、先ず、スリット形成羽根を含む複数枚の羽根が当接し、続いて、他の羽根が当接するように構成されているようにする。
また、本発明のフォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記他の羽根が複数枚であって、それらが前記緩衝部材に順次当接するようにする。
また、本発明のフォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記二つの地板の少なくとも一方に、露光作動の終了段階において前記先羽根群のアームの一つが当接する第2の緩衝部材を備えていて、前記先羽根群の一部の羽根が前記緩衝部材に当接した後に、前記先羽根群のアームの一つが第2の緩衝部材に当接するように構成する。
また、本発明のフォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記二つの地板の少なくとも一方に、露光作動の終了段階において前記先羽用駆動部材が当接する第3の緩衝部材を備えていて、前記一部の羽根が前記緩衝部材に当接した後に、前記先羽根用駆動部材が第3の緩衝部材に当接するように構成する。
更に、本発明のフォーカルプレンシャッタは、好ましくは、露光作動の終了段階において、前記先羽根群の一部の羽根が前記緩衝部材に当接した後、前記先羽根群のアームの一つが第2の緩衝部材に当接し、その後に、前記先羽根用駆動部材が第3の緩衝部材に当接するように構成する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1及び図2に示した実施例によって説明する。この実施例は、本発明を、上記したダイレクトタイプのシャッタとして構成したものであって、図1は、セット状態を示す平面図であり、図2は露光作動終了直後の状態を示した平面図である。
【0013】
先ず、本実施例の構成から説明する。合成樹脂製のシャッタ地板1には、略中央部に開口部1aが形成されている。シャッタ地板1の背面側には、周知のように、所定の間隔を空けて、図示していない中間板と補助地板が順に取り付けられている。中間板と補助地板にも、開口部1aと類似の形状をした開口部が形成されていて、それらの三つの開口部の合成によって、シャッタユニットとしての長方形をした露光用開口が決められるようになっている。そして、本実施例の場合には、シャッタ地板1と中間板の間に先羽根群が配置され、中間板と補助地板の間に後羽根群が配置されている。尚、中間板は、先羽根群と後羽根群が作動上干渉しないようにするのが主な役目であるから、その役目が果たせれば、開口部1aのような形状の開口部は必ずしも必要としない。
【0014】
シャッタ地板1の表面側には、軸1b,1c,1dが立設されている。そのうち軸1b,1cは、シャッタ地板1の背面側にも突き出ていて、その部分が細く形成されている。図1においては、その部分を破線で示してある。また、シャッタ地板1の背面側には、軸1e,1fが立設されている。更に、シャッタ地板1には、円弧状の孔1g,1hが形成されており、夫々の下方端部には、平面形状がC形をしたブチルゴム等の弾性材からなる緩衝部材2,3が取り付けられている。その取り付け方は周知であるため、詳細な説明を省略する。また、シャッタ地板1には、中間板側に突き出た台部1i,1jが形成されており、上記と同じ材質であって形状が直方体をしている緩衝部材4,5が接着されている。
【0015】
先羽根群は、上記したようにシャッタ地板1の背面側に配置されていて、一端が上記した軸1b,1eに枢着された二つのアーム6,7と、それらの他端に向けて順次枢支された4枚の羽根8,9,10,11で構成され、最先端に枢支された羽根11がスリット形成羽根になっている。また、その場合、アーム6,7がシャッタ地板1側になり、羽根8,9,10,11が中間板側になるように配置されている。他方、後羽根群も同じような構成をしていて、一端を軸1c,1fに枢着した二つのアーム12,13と、それらに枢支された4枚の羽根14,15,16,17で構成され、羽根17がスリット形成羽根となっている。その場合、アーム12,13が補助地板側になり、羽根14,15,16,17が中間板側になるように配置されている。また、図示していないが、アーム6,12には、周知のように、軸1b,1cに近い位置に長孔が形成されている。更に、各アームに対する各羽根の枢支は、リベット状の連結軸をアームの孔に回転可能に嵌合させ、その連結軸の一端を羽根にかしめて固定するようにしている。
【0016】
軸1bには、シャッタ地板1の表面側において、合成樹脂製の先羽根用駆動部材18が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材18は、背面側において、異なる板厚の境に段状に形成された被押動部18aを有している。また、同じく背面側には作動ピン18bが立設されている。この作動ピン18bは、根元側の断面形状がD字状をしていて、凸状の円弧面が緩衝部材2に当接し得るようになっている。また、この作動ピン18bの先端側の断面形状はDの凸状先端を切り落としたような形状をしており、孔1gを貫通して、上記したアーム6の長孔に嵌合している。
【0017】
更に、先羽根用駆動部材18には、表面側に隆起させて取付部18cが形成されており、そこには周知のようにして鉄片部材19が取り付けられている。この鉄片部材19は、電磁石の鉄芯部材に吸着される鉄片部と、取付部18cに形成された孔に案内されて主にスラスト方向へ移動可能な軸部と、該孔からの抜け止めの役目をする鍔部とで構成されており、取付部18c内に配置された図示していない圧縮ばねによって、鉄片部を取付部18cから押し出す方向に付勢している。また、周知であるため図示を省略したが、この先羽根用駆動部材18は、先羽根用駆動ばねによって時計方向へ付勢されている。そして、先羽根用駆動部材18が、図1の状態から時計方向へ回転すると、アーム6,7も時計方向へ回転し、展開状態にある羽根8,9,10,11が下方へ作動され、重畳状態にされるようになっている。
【0018】
他方、軸1cには、シャッタ地板1の表面側において、合成樹脂製の後羽根用駆動部材20が回転可能に取り付けられている。この後羽根用駆動部材20には、被押動部20aが形成され、背面側には作動ピン20bが立設されている。この作動ピン20bも、上記した作動ピン18bと同様に、根元側の断面形状がD字状をしていて、凸状の円弧面が緩衝部材3に当接し得るようになっている。また、この作動ピン20bの先端側の断面形状はDの凸状先端を切り落とした形状をしており、孔1hを貫通して、上記したアーム12の長孔に嵌合している。
【0019】
また、後羽根用駆動部材20にも、表面側に取付部20cが形成されており、鉄片部材21が取り付けられている。この鉄片部材21の構成と取り付け方は、上記した鉄片部材19の場合と同じであって、鉄片部,軸部,鍔部で構成され、図示していない圧縮ばねによって、鉄片部を取付部20cから押し出す方向に付勢されている。更に、この後羽根用駆動部材20は、図示していない後羽根用駆動ばねによって時計方向へ付勢されており、後羽根用駆動部材20が、図1の状態から時計方向へ回転すると、アーム12,13も時計方向へ回転し、重畳状態にある羽根14,15,16,17が下方へ作動されて展開状態にさせられるようになっている。
【0020】
シャッタ地板1の軸1dには、セット部材22が回転可能に取り付けられている。このセット部材22には、先羽根用駆動部材18の被押動部18aを押す押動部22aと、後羽根用駆動部材20の被押動部20aを押す押動部22bと、張出部22c,22dが形成されている。また、このセット部材22は、図示していないばねによって、反時計方向へ回転するように付勢されていて、その回転は、図示していない周知の手段によって、図2の位置で停止されるようになっている。そして、セット部材21のこの位置を、以下、初期位置と称することにする。
【0021】
軸1b,1c,1dの先端には、シャッタ地板1の表面側において、シャッタ地板1に対して平行となるようにして、支持板とプリント配線板とが重ねて取り付けられている。その支持板には、シャッタ地板1との間に先羽根用電磁石と後羽根用電磁石が取り付けられていて、鉄芯部材に巻かれたコイルが、上記したプリント配線板に電気的に接続されるようになっている。図1及び図2には、それらの鉄芯部材23,24の配置位置を一点鎖線で示してある。そして、これらの鉄芯部材23,24は、コイルに通電されたとき、各駆動部材18,20に設けられた鉄片部材19,21の鉄片部を吸着し、各駆動ばねの力に抗して各駆動部材18,20を露光作動開始位置で保持できるようになっている。
【0022】
次に、本実施例の作動を説明する。図1は、撮影が終了し、フィルムの巻き上げに連動して、シャッタがセットされている状態を示している。この状態においては、セット部材22は、図示していないカメラ本体側の部材によって、張出部22cを押さえられており、図示していないばねによって反時計方向へ回転し、初期位置へ復帰するのを阻止されている。そのため、各駆動部材18,20は、それらの被押動部18a,20aが、セット部材22の押動部22a,22bによって抑止され、各駆動ばねによる時計方向の回転を行えず、夫々の鉄片部材19,21の鉄片部を、鉄芯部材23,24の吸着面に接触させた状態を保たされている。しかも、この状態においては、鉄片部材19,21の鉄片部は、図示していない圧縮ばねの付勢力に抗して、取付部18c,20c内に僅かに押し込まれた状態にあり、それらの鍔部は取付部18c,20cから離れている。
【0023】
撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、その初期段階において、先ず、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石のコイルに通電され、鉄片部材19,21の鉄片部が、鉄芯部材23,24の吸着面に磁気的に吸着される。その段階で、次に、カメラ本体側の部材が、セット部材22の張出部22cから図1の上方へ退いて行くと、セット部材22は、図示していないばねによって追従し、反時計方向へ回転する。長い間、カメラを使用していないと、セット部材22が合成樹脂製のこともあって、摩擦部分に接着作用が働き、直ぐには追従しない場合があるが、その場合には、カメラ本体側の部材が張出部22dを押し、反時計方向への回転を促することになる。
【0024】
このようにして、セット部材22が反時計方向へ回転すると、その初期段階において、各駆動部材18,20が、図示していない各駆動ばねによって僅かに時計方向へ回転される。この回転によって、上記した各圧縮ばねは、その緊張が解かれてゆき、各駆動部材18,20は、それらの取付部18c,20cが各鉄片部材19,21の鍔部に当接することによって停止する。この状態が、各駆動部材18,20の露光作動開始位置であり、作動ピン18b,20bを介して僅かに動かされた各羽根群にとっても露光作動開始位置となる。このとき各電磁石は、各駆動ばねの力に抗して、磁力のみによってこの状態を保持していることになる。セット部材22は、その後もカメラ本体側の部材に追従して反時計方向へ回転し、初期位置で停止する。
【0025】
その後、先羽根用電磁石のコイルへの通電が断たれると、鉄芯部材23は保持力を失い、先羽根用駆動部材18は、先羽根用駆動ばねによって時計方向へ急速に回転し、作動ピン18bによってアーム6を回転させ、先羽根群の羽根8,9,10,11を下方へ重畳させてゆき、開口部1aを開いて行く。そして、各羽根8,9,10,11が、開口部1aから完全に退いた直後に、緩衝部材4には、先ず、スリット形成羽根11が当接し、次に、羽根8,10が当接し、最後に羽根9が当接するように設計されている。そのため、4枚の羽根8,9,10,11の露光作動方向の端縁が略同時に緩衝部材4に当接するように設計されている場合よりも、バウンドの防止効果が一段と優れたものになっている。
【0026】
即ち、緩衝部材4にスリット形成羽根11が最初に当接すると、スリット形成羽根11は主にセット方向へ向けてバウンドしようとするが、その力は、スリット形成羽根11の枢支部において、アーム6,7の作動方向とは逆方向に作用するので、スリット形成羽根11のバウンドは抑制されることになる。そして、次に、羽根8,10が緩衝部材4に当接してバウンドしようとするときには、スリット形成羽根11がセット方向へのバウンドから緩衝部材4へ向けての運動に変わっているため、スリット形成羽根11はアーム6,7に対して緩衝部材4へ向けての力を及ぼしていることになる。そのため、その分だけ、上記した羽根8,10のバウンドはアーム6,7を介して抑制されることになる。また、そのとき、羽根8,10の運動方向と、羽根9,11の運動方向とが逆になるため、各羽根間の摩擦力も比較的大きく作用し、抑制効果を高めることになる。
【0027】
最後に、羽根9が緩衝部材4に当接することになるが、羽根9がバウンドするときには、スリット形成羽根11が2回目のバウンドを行うときであり、羽根8,10は緩衝部材4に向けて運動するときである。そのため、羽根8,10の運動方向と、羽根9,11の運動方向とが逆になっており、上記した場合と同じようにして羽根9,11のバウンドが抑制されることになる。そして、このような運動を繰り返しながらバウンドが減衰されていく。
【0028】
尚、各羽根を緩衝部材4に当接させるタイミングは、上記した説明のように理想的には行われないのが普通である。また、必ず理想的に行われなければならないというものでもない。要するに、緩衝部材4に対する初期の当接段階において、上記したように羽根相互の運動方向が必ず逆になるように設計されてさえいれば、バウンドの抑制効果が大きくなることには変わりがない。他方、また、本実施例のように、モーメントの一番大きなスリット形成羽根11を、緩衝部材4に最初に当接させると、バウンドの抑制効果が一段と大きくなるが、他の羽根を最初に当接させるようにしても、可成りの効果を得ることが可能である。従って、本実施例のような4枚構成の場合には、最初に羽根9,11を同時に緩衝部材4に当接させ、次に羽根8,10を同時に当接させるようにしてもよいし、羽根11,羽根10,羽根9,羽根8の順に当接させるようにしても差し支えない。
【0029】
このようにして、スリット形成羽根11が緩衝部材4に当接した後、アーム6が緩衝部材5に当接する。即ち、本実施例においては、モーメントの大きな羽根を最初に制動し、衝撃力を吸収し、且つバウンドを抑制しておいてから緩衝部材5によってアーム6を制動する。そのため、アーム6に対する制動力が効果的に作用する。同じ理由によって、アーム6が緩衝部材5に当接した後、先羽根用駆動部材18の作動ピン18bが緩衝部材2に当接する。このようにして、羽根用駆動部材18と先羽根群との先羽根系は完全に停止するが、その場合における先羽根系は、図2に示す状態と同じ状態になる。尚、本実施例においては、緩衝部材2,5を設けてるが、仕様によっては、それらの一方又は両方を省略する場合もある。
【0030】
先羽根用電磁石のコイルへの通電が断たれてから所定時間後に、今度は、後羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれ、後羽根用駆動部材20が、図示していない後羽根用駆動ばねによって時計方向へ急速に回転される。このとき、作動ピン20bによってアーム12を時計方向へ回転させるため、後羽根群の羽根14,15,16,17は下方へ展開されてゆき、開口部1aを覆っていく。スリット形成羽根17が開口部1aを閉じ終わると、作動ピン20bは孔1hの下端に取り付けられた緩衝部材3に当接し、その弾性によって制動され且つ衝撃力が吸収されて停止する。その状態が図2に示された状態である。尚、本実施例においては、後羽根系には、後羽根用駆動部材20に対してのみ緩衝部材3を設けているが、実施するに際しては、後羽根群に対して、周知の制動手段を適宜設けることが必要である。
【0031】
このような露光作動終了状態において、フィルムが巻き上げられると、それに連動して、カメラ本体側の部材がセット部材22の張出部22cを図の上側から下方へ押し、セット部材22を、図示していないばねに抗して時計方向へ回転させる。その回転において、セット部材22は、先ず、押動部22aが被押動部18aを押し、図示していない先羽根用駆動ばねに抗して、先羽根用駆動部材18を反時計方向へ回転させていく。そのため、先羽根用駆動部材18の作動ピン18bがアーム6を反時計方向へ回転させ、先羽根群の羽根8,9,10,11を、スリット形成羽根11を先頭にして上方へ展開させていく。
【0032】
先羽根群のスリット形成羽根11と後羽根群のスリット形成羽根17との重なりが所定量に達すると、更に、セット部材22の押動部22bが後羽根用駆動部材20の被押動部20aを押し、図示していない後羽根用駆動ばねに抗して、後羽根用駆動部材20を反時計方向へ回転させる。そのため、後羽根用駆動部材20の作動ピン20bがアーム12を反時計方向へ回転させ、後羽根群の羽根14,15,16,17を上方へ重畳させていく。その後、各駆動部材18,20のセット作動が最終段階になると、各鉄片部材19,21の各鉄片部が鉄芯部材23,24の吸着面に順次接触する。そして、各鉄片部が、図示していない圧縮ばねに抗して、取付部18c,20cに僅かに押し込まれた段階で、セット部材22の回転が停止され、全ての構成部材は図1に示す状態になる。その後は、次の撮影が行われるまで、カメラ本体側の部材にいよって、この状態が保たれることになる。
【0033】
尚、本実施例においては、緩衝部材2,3の平面形状がC状であり、緩衝部材4,5の形状が直方体であるが、本発明はこのような形状に限定されるものではない。緩衝部材の形状には、その設置場所に応じて、種々のものが知られている。また、本実施例においては、緩衝部材4,5をシャッタ地板1に取り付けているが、それらの一方又は両方を、補助地板に取り付けるようにしても差し支えない。また、本実施例においては、先羽根群がシャッタ地板側に、後羽根群が補助地板側に配置されているが、本発明は、それらの配置が逆のものにも、また、露光作動を上方へ向けて行うものにも適用することができる。更に、本実施例のように、ダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタに限定されず、係止タイプのシャッタにも、また、現在では殆ど製作されていない機械制御式のシャッタにも適用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、先羽根群の露光作動終了段階において、複数の羽根を緩衝部材に直接衝突させるに際し、必ず異なるタイミングで衝突させるようにしたから、羽根相互の運動方向の違いによって全体の羽根のバウンド力を抑制することが可能になり、露光むらを生じさせないようにしたり、羽根が破壊されないようにするのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のセット状態を示した平面図である。
【図2】実施例の露光作動終了直後の状態を示した平面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c,1d,1e,1f 軸
1g,1h 孔
1i,1j 台部
2,3,4,5 緩衝部材
6,7,12,13 アーム
8,9,10,11,14,15,16,17 羽根
18 先羽根用駆動部材
18a,20a 被押動部
18b,20b 作動ピン
18c,20c 取付部
19,21 鉄片部材
20 後羽根用作動部材
22 セット部材
22a,22b 押動部
22c,22d 張出部
23,24 鉄芯部材

Claims (6)

  1. 略中央部に各々露光用の開口部が形成されていて所定の間隔を空けて相互に取り付けられている二つの地板と、夫々の一端部を支点にして往復回動する複数のアームにそれらの他端部に向けて複数枚の羽根を順次枢支した構成をしていて最も他端部側に枢支された羽根をスリット形成羽根として前記二つの地板の間に配置されている先羽根群と、前記先羽根群を往復作動させ露光作動時には前記先羽根群の羽根を前記開口部を覆う展開位置から前記開口部から退避した重畳位置へ作動させる先羽根用駆動部材と、夫々の一端部を支点にして往復回動する複数のアームにそれらの他端部に向けて複数枚の羽根を順次枢支した構成をしていて最も他端部側に枢支された羽根をスリット形成羽根として前記二つの地板の間に配置されている後羽根群と、前記後羽根群を往復作動させ露光作動時には前記後羽根群の羽根を前記開口部から退避した重畳位置から前記開口部を覆う展開位置へ作動させる後羽根用駆動部材と、前記二つの地板の少なくとも一方に設けられており前記先羽根群の羽根が露光作動の終了段階において当接する緩衝部材とを備えていて、前記緩衝部材には、先ず、スリット形成羽根が当接し、続いて、他の羽根が当接するようになっていて、前記緩衝部材に対する初期の当接段階においては、羽根相互の運動方向が逆になるように構成されていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記緩衝部材には、先ず、スリット形成羽根を含む複数枚の羽根が当接し、続いて、他の羽根が当接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記他の羽根が複数枚であって、それらが前記緩衝部材に順次当接するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記二つの地板の少なくとも一方に、露光作動の終了段階において前記先羽根群のアームの一つが当接する第2の緩衝部材を備えていて、前記先羽根群の一部の羽根が前記緩衝部材に当接した後に、前記先羽根群のアームの一つが第2の緩衝部材に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のフォーカルプレンシャッタ。
  5. 前記二つの地板の少なくとも一方に、露光作動の終了段階において前記先羽根用駆動部材が当接する第3の緩衝部材を備えていて、前記一部の羽根が前記緩衝部材に当接した後に、前記先羽根用駆動部材が第3の緩衝部材に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のフォーカルプレンシャッタ。
  6. 露光作動の終了段階において、前記先羽根群の一部の羽根が前記緩衝部材に当接した後、前記先羽根群のアームの一つが第2の緩衝部材に当接し、その後に、前記先羽根用駆動部材が第3の緩衝部材に当接するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のフォーカルプレンシャッタ。
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