JP3800013B2 - 電波ノイズの放射防止構造体及びそれを用いた画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波ノイズの放射防止構造体及びそれを用いた画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器、電子回路等の部品から放射される電波ノイズが外に漏れ出ることを防止する電波ノイズの放射防止構造体としては、一般に、図11に示すように、電波ノイズを放射するノイズ放射部品110を支持する支持体120に、少なくともノイズ放射部品110を覆うようにして取り付けるカバー形態からなる導電性を有する遮蔽カバー130を取り付けた構造体が知られている(特開平1−214199号公報、特開平6−291485号公報など)。遮蔽カバー130は、通常、その端部の数箇所をネジ140用いて支持体120にネジ止め固定している。
【0003】
そして、このような電波ノイズの放射防止構造体においては、その組み立て作業の簡略化や、ネジ止め固定による支持体120の歪み発生の防止などの観点から、図12に示すように、支持体120の少なくとも直線的な端縁部121に遮蔽カバー130の平面状の端面部131を接合させた状態で取り付ける接合取付部を採用することが知られている。
【0004】
例えば、このような接合取付部を採用することは、照明された原稿からの反射光をCCD(電荷結合素子)センサ等の撮像素子に電気信号に変換して原稿の画像を読み取るデジタル光学系の画像読取装置において、その撮像素子から放射される電波ノイズを外部に漏らさないように、撮像素子(110)を支持する支持板(120)に前述したような遮蔽カバー(130)をネジ止め固定して電波ノイズの放射防止構造を採用する場合、その支持板(120)に支持する撮像素子(110)や結像レンズ等の光学部品がきわめて高い取付位置精度が求められているため、かかるネジ止め固定(ネジ締結力)によって支持板(120)が歪み、その歪みの影響で上記各部品の取付位置に狂いが生じ、ひいては光軸のずれが発生して画像読取精度が低下するという不具合を回避できるようになり、有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような接合取付部を採用した電波ノイズの放射防止構造体(この構造体を用いた画像読取装置等の電気関連機器も含む)にあっては、次のような課題がある。
【0006】
すなわち、図13に示すように、その接合取付部が支持体120の直線的な端縁部121と遮蔽カバー130の平面状の端面部131とを接合させるものであることから、かかる接合取付部では、その端縁部121と端面部131とが密着しないで線状の隙間150を形成しやすくなり、この結果、その隙間150となる支持体120又は遮蔽カバー130の端部がアンテナとなって新たな電波ノイズ(EN)を放射するようになるのである。このような電波ノイズは、上記隙間150が直線状の隙間となりかつその隙間150の長さが電波ノイズの波長λ(=c/f、c:光速、f:クロック周波数)の1/2以上になると、アンテナ効果により放射されやすくなる。また、この隙間150は、遮蔽カバー130をネジ止め固定することによって遮蔽カバー130自体にも発生する歪みによっても発生しやすくなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電波ノイズを放射するノイズ放射部品を支持する支持体の少なくとも直線的な端縁部に遮蔽カバーの平面状の端面部を接合させた状態で取り付ける接合取付部において発生し得る電波ノイズの放射を簡便かつ安価に防止することができる電波ノイズの放射防止構造体及びそれを用いた画像読取装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電波ノイズの放射防止構造体1は、図1に例示するように、電波ノイズを放射するノイズ放射部品2を支持する支持体3と、この支持体3の少なくとも前記ノイズ放射部品2を覆うようにして取り付けるカバー形態からなりかつその支持体3の少なくとも直線的な端縁部3aに平面状のカバー端面部4aを接合させた状態で取り付ける接合取付部5を有する遮蔽カバー4とを備えた電波ノイズの放射防止構造体において、前記支持体3の前記接合取付部5となる端縁部3aをその外側(接合するカバー端面部4aが存在する側)に突出させた突出形状とし、その突出形状の端縁部3aaに前記遮蔽カバー4の端面部4aを弾性変形させた状態で圧接させることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、上記ノイズ放射部品2は、電波ノイズを放射(発生)するものであれば特に限定されるものではなく、例えば高周波パルス等で駆動する電子部品が挙げられる。上記支持体3は、通常は板状の部材を適宜形態に成形してなるものであり、その全体(全面)が平面である必要は必ずしもないが、特にこの板状部材の成形品に限定されるものではない。上記遮蔽カバー4は、通常その全体のうちの要部が箱蓋状のカバー形態からなるものであるが、これに限られるものではなく、例えばその全体のうちの要部が半円筒状(かまぼこ形状)のカバー形態からなるものであってもよい。
【0010】
また、上記支持体3及び遮蔽カバー4は、その表面が導電性を有する部材にて構成されているものが好ましく、具体的には、金属部材や、非導電性部材(例えばプラスチックやセラミック部材)に導電性を付与する表面加工を施した部材にて構成される。遮蔽カバー4の接合取付部5となる平面的な端面部4aは、少なくとも弾性変形し得る材質又は肉厚からなる部材にて構成することが好ましい。さらに、遮蔽カバー4は、上記接合取付部5以外の取付部7がある場合、その取付部7はネジ等の固定治具8により固定する。
【0011】
そして、支持体3の端縁部3aaの突出形状は、遮蔽カバー4の接合取付部5となる端面部4aがその端縁部3aaの突出形状に追従するように弾性変形してほぼ密着し得る程度の緩やかな凸形状であることが好ましい。
【0012】
このような本発明の構造体1によれば、その接合取付部5では、図1に示すように、支持体3の突出形状からなる端縁部3aaに対し、遮蔽カバー4の平面的な端面部4aが少し外側に膨らむ(せり出す)ような恰好で弾性変形した状態で圧接するようになる。すなわち、遮蔽カバー4の平面的な端面部4aが、支持体3の端縁部3aaにおける突出形状に追従するように変形した状態となるとともに、その変形に抗した復元力により当該支持体3の端縁部3aaに押し付けられた状態(図1c中の点線矢印Fで示す方向に押圧された状態)なる。これにより、接合取付部5における支持体3の端縁部3aaと遮蔽カバー4の端面部4aとが密着しやすくなり、直線状の隙間が発生しにくくなる。この結果、接合取付部5において発生する隙間に起因したアンテナ効果による電波ノイズの放射が抑制又は防止されるようになる。
【0013】
また、この放射防止構造体1においては、図2に例示するように、前記支持体3の端縁部3aaにおける突出形状が、一連の円弧曲線を描く円弧状の突出形状(同図a)、又は変曲角部3bが形成されるように突出する変曲状の突出形状(同図b〜d)の少なくとも一方である(その双方を組み合わせたものも含む)ことが好ましい。このうち変曲状の突出形状における(各)変曲角部3bに至るまでの部位の端縁は、直線(同図b,c)であっても、或いは曲線(同図d)であっても、或いは直線と直線を組み合わせたものであってもよい。ちなみに、その変曲角部3bを多くすればするほど、上記突出形状は一連の円弧曲線を描く円弧状の突出形状に限りなく近づくものとなる。図中のαは、端縁部3aaの突出形状における最大突出部の突出量を示す。
【0014】
さらに、以上のような各構造体1においては、図3に例示するように、前記遮蔽カバー4の前記接合取付部5となる端面部4aの一部にスリット(切り込み部)6を形成するとよい。このスリット6は、電波ノイズを放射するアンテナとして機能しない寸法形状で1つ又は複数形成される。即ち、スリット6は、その長さ(切り込み長さ)やスリットどうしの間隔が前述したように電波ノイズの波長λ(=c/f)の1/2以下になるように形成される。例えば、1GHzで駆動する電子部品があれば、その電子部品からの電波ノイズの波長はλ=30cmとなるので、スリット6の間隔及び開口は15cm以下の寸法形状とする必要がある。また、このスリット6は、単数、複数のいずれであってもよい。このスリット6を複数形成する場合には、すべて同じ寸法形状のスリットとしても、或いは、異なる寸法形状のスリットとしてもよい。このようなスリット6を設けた場合には、遮蔽カバー4の平面的な端面部4aがスリット6によって分割され、その分割された各端面部がより弾性変形しやすくなり(板バネのようになり)、支持体3の突出形状からなる端縁部3aに対してより追従した状態で弾性変形しやすくなるとともにより圧接された状態となり、これにより密着しやすくなって隙間がより一層発生しにくくなる。特に遮蔽カバー4の端面部4aの左右両端部における密着性が高められ、かかる左右両端部での隙間の発生が抑制される。
【0015】
また、この遮蔽カバー4の端面部4aにおけるスリット6は、図3bに例示するように、前記支持体3の端縁部3aaにおける突出形状を変曲状の突出形状とする場合、少なくとも前記突出形状の変曲角部3bと対応する位置に形成するとよい。この場合には、支持体3の端縁部3aaにおける変曲角部3bとその両脇部との遮蔽カバー4の端面部4a全体の良好な密着性が確保され、隙間がより発生しにくくなる。
【0016】
更にまた、以上のような各構造体においては、図4に例示するように、前記遮蔽カバー4の前記接合取付部5となる端面部4aの端部に、少なくとも内側(接合する支持体3の端縁部3aが存在する側)に曲がる曲げ部9を形成するとよい。この曲げ部9は、例えば、内側に単に屈曲させた屈曲部であったり、内側に湾曲する湾曲部であり、遮蔽カバー4の端面部4aを支持体3の端縁部3aに接合させて取り付けた際に、その端縁部3aとの当接位置の下側となる端面部4aの端部部位に形成するとよい。この曲げ部9を形成した場合には、遮蔽カバー4の端面部4aが支持体3の端縁部3aに曲げ部9を介して係合した状態となり、その接合取付部5が安定した接合状態とすることができ、また、その遮蔽カバー4の端面部4aと支持体3の端縁部3aとの接合部で発生する僅かな隙間を曲げ部9で隠した状態とすることができる。
【0017】
そして、このような各構造体1は、上述したごとき支持体3と遮蔽カバー4による構造により電波ノイズの放射を防止する技術分野であれば特に制約されることなく広く適用することができる。例えば、読み取り対象の画像を有する原稿からの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子(2)を支持する支持板(3)と、この支持板(3)の少なくとも前記撮像素子(2)を覆うようにして取り付けるカバー形態からなりかつその支持板(3)の少なくとも直線的な端縁部(3a)に平面状のカバー端面部(4a)を接合させた状態で取り付ける接合取付部(5)を有する遮蔽カバー(4)とからなる電波ノイズの放出防止構造体(100)を備えた画像読取装置において、その電波ノイズの放出防止構造体(100)として上述した各構造体(1)を適用することが可能である。この場合には、前記接合取付部(5)による支持体(3)の歪み発生による撮像素子(2)等の取付位置の狂い等の発生を防止できることをはじめ、その撮像素子(2)等の電子部品から放射される電波ノイズが上記接合取付部(5)で発生する隙間からアンテナ効果で放射されることを防止することができきわめて有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図5は、本発明の実施の形態1に係る電波ノイズの放射防止構造体を採用した画像読取装置を示す概要図である。
【0019】
この画像読取装置は、箱状の筐体10の上部に原稿11を載置するプラテンガラス(原稿台)12がはめ込んで設けられており、このプラテンガラス12の下方となる筐体10の内部に縮小結像光学系を構成する第1のキャリッジ20及び第2のキャリッジ25と読取ユニット30とが配設されている。
【0020】
第1のキャリッジ20は、図示されていないガイドレール上をプラテンガラス12と平行に副走査方向(図中の左右方向)に往復移動する走査移動体であり、光源であるランプ(ハロゲンランプ、蛍光ランプなど)21と、このランプ21からの光を原稿面に反射させるリフレクタ22と、原稿11からの反射光H(その光軸を示している)を第2のキャリッジ25側に反射させる反射ミラー23とが搭載されている。一方、第2のキャリッジ25は、図示されていないガイドレール上を第1キャリッジ20の移動と連動して同じ副走査方向に1/2の速度で往復移動する走査移動体であり、上記反射ミラー23で反射させた原稿からの反射光Hを読取ユニット30側へと反射して導く2つの反射ミラー26、27が搭載されている。
【0021】
読取ユニット30は、筐体10に固定して取り付けられる支持基板31に、前記第2のキャリッジ25における反射ミラー26、27で反射された原稿からの反射光Hを結像させる結像レンズ32と、この結像レンズ32で結像させた原稿からの反射光Hを光電変換して読み取るラインCCDセンサ等の撮像素子33とが搭載されている。このうち、結像レンズ32はレンズブラケット34を介して支持基板31に固定されている。一方、撮像素子33は、これを駆動する回路基板35に実装されており、その回路基板35が図示しないスタッド等の取付治具により基板取付用ブラケット36に取り付けられたうえで、さらにその基板取付用ブラケット36が支持板37を介して支持基板31に固定されているという取付構造になっている。ちなみに、上記レンズブラケット34及び基板取付用ブラケット36には、原稿からの反射光Hを通過させるための開口部がそれぞれ形成されている。
【0022】
そして、この画像読取装置においては、プラテンガラス12に読み取り対象となる画像が記録された原稿11をその原稿面を下方にむけて載置した状態で、その原稿11の原稿面がランプ21及びリフレクタ22により照明されて主走査方向(副走査方向と直交する方向、図1の紙面垂直方向)の走査がなされ、さらに第1キャリッジ20及び第2キャリッジ25の移動(図5中の2点鎖線で示す状態など参照)により副走査方向の走査がなされる。このとき、原稿からの反射光Hがミラー23、さらにはミラー26、27を経由して結像レンズ32に入射された後、その結像レンズ32により撮像素子33の撮像面に結像され、これによって原稿11の画像が電気的に読み取られる。
【0023】
しかも、この画像読取装置では、上記したような原稿11をプラテンガラス12に固定した状態でキャリッジ20、25を走査させて原稿の画像を読む原稿固定読み動作に加え、そのキャリッジ20、25をプラテンガラス12の下方となる所定の読取位置に固定したうえで原稿11を自動原稿送り装置等によりプラテンガラス12を通過させるように送って原稿の画像を読む原稿流し読み動作を行うことが可能になっている。
【0024】
また、この画像読取装置においては、図5〜図8に示すように、外乱光が撮像素子33に入射するのを防止する遮光目的と、高周波のパルス信号によって駆動される電子部品である撮像素子33から放射される高周波のノイズ(電波ノイズ)の放射を防止する遮蔽目的から、読取ユニット30の結像レンズ32及び撮像素子33を含む光学読取系の全体を箱蓋状の遮蔽カバー40で覆うようにしている。
【0025】
すなわち、この画像読取装置では、撮像素子33を搭載する支持基板31と遮蔽カバー40とで構成される電波ノイズの放射防止構造体100を採用している。ここで、支持基板31は、金属板(例えば厚さ1〜3mm程度の鋼板など)を所定の形態(この例では後方側が一段下がった形態)に成形したものである。また、遮蔽カバー40は、金属薄板(厚さ0.3〜1mm程度のステンレス板など)を所定の形態(この例では下面が開口した箱蓋状の形態)に成形したものであり、撮像素子33を含むその周辺部と結像レンズ32の一部を覆うことができる大きさになっている。
【0026】
そして、上記電波ノイズの放射防止構造体100では、その遮蔽カバー40の支持基板31への取り付けに関して以下のように構成している。
【0027】
すなわち、遮蔽カバー40は、まず、その長方形の天板41から垂直下方に折り曲げられた4つの平面状の側板42〜45のうち、結像レンズ32側に位置する前方の側板42とその左右端部と連なる2つの左右側板43、44の下端を各外側に折り曲げて突出させた固定用突片部42a,43a,44aにおいて固定用ネジ51を用いて支持基板31にネジ止め固定するようにしている。また、遮蔽カバー40は、その結像レンズ32とは反対側に位置する後方の側板45の下端面部45aを支持基板31の後方端部の端縁部31aに接合させた状態で取り付けるようにしている。以下、この遮蔽カバー40における側部45の端面部45aを支持基板31の後方側の端縁部32に接合させて取り付けている部分を「接合取付部50」とする。
【0028】
さらに、上記接合取付部50については、図7や図9等に示すように、その支持基板31の端縁部31aをその外側に円弧状に突出させた突出形状とし、その突出形状の端縁部32に遮蔽カバー40の端面部45aを弾性変形させた状態で圧接させるようにしている。上記端縁部31aの突出形状は、その最大突出部の突出量α(端縁部31aを突出形状としない直線的な端縁部(点線E)とした場合との離間距離)が3〜5mm程度(端縁部31aの幅Wが約200mmの場合)となるような円弧形状としている。図7等において、符号31bは撮像素子33の回路基板35と図示していない画像信号処理基板や制御基板等とを接続するフラットケーブル等を通して引き出すために支持基板31の後方端部に形成された切欠部、31cは通気用に支持基板31の後方端部に多数開設された小径の通気孔である。
【0029】
一方、遮蔽カバー40の接合取付部50となる端面部45aには、図6、図7〜8に示すように、複数のスリット46を形成している。このスリット46は、電波ノイズのアンテナとして機能しないような寸法に適宜選定されるものであり、この実施の形態では、図9に示すようにそのスリット幅Mが約1〜2mm、そのスリット長さLが約15〜20mmの寸法からなるスリットを、端面部45aの幅(後述する切欠部47の幅を除く)を等分するような位置にそれぞれ形成している。図6、図9等において符号47は、前記支持基板31の切欠部31bにほぼ対応した位置に形成された切欠部であり、この切欠部47も前記フラットケーブルを通すために使用されるとともに、スリット46としても機能しうるようにもなっている。ただし、この切欠部17の幅や高さの寸法も電波ノイズのアンテナとして機能しないような寸法に設定されていることは言うまでもない。また、符号49は切欠部47を形成するために側板45を折り曲げた部分である。
【0030】
また、遮蔽カバー40の接合取付部50となる端面部45aには、その末端部を内側に5〜10°程度緩やかに曲げた曲げ部48を形成している。ちなみに、遮蔽カバー40は、その固定用突片部42a,43a,44aに位置決め孔42b,43b,44bがそれぞれ開設されており、その各位置決め孔42b等を支持基板31側に突設された位置決めピン31pにはめ込むことで取付け時における遮光カバー40の暫定的な位置決めがなされるようになっている。さらに、遮蔽カバー40には、その天板41や各側板43〜45のうち取付け時に撮像素子33とその回路基板35に近い位置となる部位に小径の通気孔40aが多数開設されている。
【0031】
なお、図7、図8等において、符号15は支持基板31を取り付ける筐体10の一部でもある支持フレーム、16はこの支持フレーム15の取付部に支持基板31をネジ止めするネジである。この支持基板31は、支持フレーム15に対して位置調整可能に取り付けられており、その位置調整時の移動方向が位置調整用ガイド板17、18によって光軸(H)の方向及びそれと直交する方向へそれぞれガイド規制されるようになっている。
【0032】
また、読取ユニット30における結像レンズ32については、図7等に示すように、レンズブラケット34を介して支持基板31に対して位置調整可能に取り付けられている。即ち、レンズブラケット34は、最終的にネジ34aで支持基板31に固定されるが、ブラケット34側の光軸H方向に延びるガイド長孔34bを支持基板31側に突設されたガイドピンにはめ込むとともに、光軸H方向と直交する方向に延びる長孔34cを支持基板31側に形成された位置調整操作用の偏心カム38にはめ込むようになっており、その偏心カム38を適宜方向に回転操作することでレンズブラケット34の全体がガイドピンに案内されて移動される。これにより、結像レンズ32の光軸H方向における位置が微調整される仕組みになっている。
【0033】
さらに、読取ユニット30における撮像素子33についても、図7等に示すように、支持板37を介して支持基板31に対して位置調整可能に取り付けられている。即ち、支持板37は、最終的にネジ37aで支持基板31に固定されるが、その一端部がネジ37aを支軸として回動可能に支持されているとともに、その他端部が光軸H方向と直交する方向に延びる切欠部37bを支持基板31側に形成された位置調整操作用の偏心カム39にはめ込むようになっており、その偏心カム39を適宜方向に回転操作することで支持板37の全体がネジ37aを支軸として回動(揺動)される。これにより、撮像素子33の光軸H方向に対する傾きが微調整される仕組みになっている。ちなみに、遮蔽カバー40の天板41には上記偏心カム39を操作するための作業孔41aが開設されている。
【0034】
このような遮蔽カバー40の支持基板と31への取り付け構成を採用する画像読取装置の電波ノイズ放射防止構造体100では、上述したような支持基板31の位置調整が終了した後に、遮蔽カバー40の支持基板31への取り付けが行われる。なお、遮蔽カバー40を取り付けた後に、上述したような結像レンズ32及び撮像素子33の位置調整が行われる。
【0035】
すなわち、遮蔽カバー40は、まず、その固定用突片部42a,43a,44aの位置決め孔42b,43b,44bを支持基板31側の各位置決めピン31pにそれぞれ嵌め入れるように誘導して支持基板31上のカバー取り付け位置に載置する。この際、遮蔽カバー40の後方側板45の下端面部45a(の内面部分)を支持基板31の円弧形状の端縁部31aに外側から押し当てるようにして当接させるか、或いは、後方側板45の下端面部45aを少し外側に膨らませるように変形させた状態で支持基板31の円弧形状の端縁部31aにかぶせるように近づけて当接させる。そして、この位置決めが完了した段階で、遮蔽カバー40は、その固定用突片部42a,43a,44aを固定用ネジ51でネジ固定することによって、支持基板31に固定された状態で取り付けられる。
【0036】
これにより、撮像ユニット30の撮像素子31等から放射される電波ノイズは、原則的には遮蔽カバー40によって遮断されて外部に放射されないようになる(厳密には、電波ノイズは導電性の遮蔽カバー40及び支持基板31を通して装置筐体10側に逃がされて消滅する)。
【0037】
また、遮蔽カバー40と支持基板31との接合取付部50では、遮蔽カバー40の平面的な端面部45aが、図10に示すように少し外側に膨らむ(せり出す)ような恰好で、支持基板31の円弧形状からなる端縁部31aに対して追従するごとく弾性変形した状態で圧接する。しかも、このとき、遮蔽カバー40の端面部45aはスリット46により細分割されていてより弾性変形しやすい状態にあるため、支持基板31の円弧形状により忠実に追従した状態で変形して圧接する。図10bの点線矢印Fは、遮蔽カバー40の端面部45aの円弧形状からなる端縁部31aに対する押圧力とその方向を示している。さらに、遮蔽カバー40の端面部45aは、その支持基板31曲げ部48により端縁部31aに係合された状態となることにより、端縁部31aとより確実に当接するようになる(図10a,b)。
【0038】
この結果、図10c等に示すように、支持基板31の円弧形状からなる端縁部31aと遮蔽カバー40の端面部45a(の内面側)とが良好に密着し、直線状の隙間が発生することがほとんでない。従って、接合取付部50において直線状の隙間が発生した場合に起こるアンテナ効果による電波ノイズの放射も確実に抑えられるようになる。
【0039】
また、遮蔽カバー40は上記接合取付部50を採用して支持基板31に取り付けられていることにより、固定用ネジ51のネジ固定(締結力)による支持基板31の歪み発生が低減されており、かかる支持基板31の歪みによる撮像ユニット30における光学部品(結像レンズ32、撮像素子33)等の光軸の狂いが発生しにくくなっていることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電波ノイズの放射防止構造体及びそれを用いた画像読取装置によれば、接合取付部となる支持体の端縁部をその外側に規則的に突出させた突出形状とし、その突出形状の端縁部に接合取付部となる遮蔽カバーの端面部を弾性変形させた状態で圧接させるようにしたので、かかる接合取付部において発生し得る電波ノイズの放射を簡便かつ安価に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電波ノイズの放射防止構造体の概要を示すもので、(a)はその斜視図、(b)はその上面図、(c)は(a)のC−C線断面図。
【図2】 支持体の接合取付部となる端縁部の突出形状の代表例を示す説明図。
【図3】 接合取付部となる遮蔽カバーの端面部におけるスリットと支持体の端縁部との代表的な関係を示す説明図。
【図4】 接合取付部となる遮蔽カバーの端面部における曲げ部を示すもので、(a)はその断面部、(b)はその使用時の状態を示す説明図。
【図5】 本発明の実施の形態1に係る画像読取装置を示す概略断面図。
【図6】 図5の画像読取装置における電波ノイズの放射防止構造体を示す斜視図。
【図7】 図6の電波ノイズの放射防止構造体(遮蔽カバーを外した状態)における支持基板を示す平面図。
【図8】 図7の支持基板に放射防止構造体における遮蔽カバーを取り付けた状態を示す平面図。
【図9】 図6の電波ノイズの放射防止構造体における接合取付部に係る遮蔽カバーの端面部と支持基板の端縁部との構成を示す説明図。
【図10】 図6の電波ノイズの放射防止構造体における接合取付部の取り付け状態を示すもので、(a)はその遮蔽カバーの後方側から見たときの背面図、(b)は(a)の一部縦断面図、(c)は(a)その支持基板の下方から見たときの一部断面図。
【図11】 従来の電波ノイズの放射防止構造体の概要を示すもので、(a)はその斜視図、(b)はその上面図、(c)は(b)のC−C線断面図。
【図12】 従来の接合取付部を採用した電波ノイズの放射防止構造体の概要を示すもので、(a)はその斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図13】 従来の接合取付部において発生する隙間と電波ノイズの放射状態を示す要部説明図。
【符号の説明】
1,100…電波ノイズの放射防止構造体、2…ノイズ放射部品、3…支持体、3a…端縁部、3aa…突出形状の端縁部、4,40…遮蔽カバー、4a、45a…端面部、5,50…接合取付部、6、46…スリット、9、48…曲げ部、11…原稿、31…支持基板、31a…円弧形状(突出形状)の端縁部、33…撮像素子(ノイズ放射部品)、45…端面部、H…原稿からの反射光。
Claims (6)
- 電波ノイズを放射するノイズ放射部品を支持する支持体と、この支持体の少なくとも前記ノイズ放射部品を覆うようにして取り付けるカバー形態からなりかつその支持体の少なくとも直線的な端縁部に平面状のカバー端面部を接合させた状態で取り付ける接合取付部を有する遮蔽カバーとを備えた電波ノイズの放射防止構造体において、
前記支持体の前記接合取付部となる端縁部をその外側に突出させた突出形状とし、その突出形状の端縁部に前記遮蔽カバーの端面部を弾性変形させた状態で圧接させることを特徴とする電波ノイズの放射防止構造体。 - 請求項1に記載の構造体において、
前記支持体の端縁部における突出形状が、一連の円弧曲線を描く円弧状の突出形状、又は変曲角部が形成されるように突出する変曲状の突出形状の少なくとも一方である電波ノイズの放射防止構造。 - 請求項1又は2に記載の構造体において、
前記遮蔽カバーの前記接合取付部となる端面部の一部にスリットを形成した電波ノイズの放射防止構造体。 - 請求項3に記載の構造体において、
前記支持体の端縁部における突出形状を変曲状の突出形状とする場合、前記遮蔽カバーの端面部におけるスリットを少なくとも前記突出形状の変曲角部と対応する位置に形成した電波ノイズの放射防止構造体。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の構造体において、
前記遮蔽カバーの前記接合取付部となる端面部の端部に、少なくとも内側に曲がった曲げ部を形成した電波ノイズの放射防止構造体。 - 読み取り対象の画像を有する原稿からの反射光を受光して電気信号に変換する撮像素子を支持する支持板と、この支持板の少なくとも前記撮像素子を覆うようにして取り付けるカバー形態からなりかつその支持板の少なくとも直線的な端縁部に平面状のカバー端面部を接合させた状態で取り付ける接合取付部を有する遮蔽カバーとからなる電波ノイズの放出防止構造体を備えた画像読取装置であって、
前記電波ノイズの放出防止構造体として、請求項1乃至5のいずれかに記載の電波ノイズの放出防止構造体を適用することを特徴とする画像読取装置。
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