JP3569561B2 - 原稿走査装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光学系を保持したキャリッジをプラテン下面に沿って移動させ、このプラテン上に載置された画像情報担持体の画像情報をイメージセンサを用いて読み取るデジタル方式の画像読み取り装置、あるいは、電荷が付与された像担持体へ画像を直接結像させるアナログ方式の画像読み取り装置における原稿走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機等の画像読み取り装置は、デジタル方式とアナログ方式に分類される。
以下に、この種の画像読み取り装置の概略構成を説明する。
図19ないし図21はイメージセンサを用いたデジタル方式の画像読み取り装置の光学系の概略構成を説明する断面図であって、図19はイメージセンサ固定方式縮小型画像読み取り装置、図20はイメージセンサ移動方式密着型画像読み取り装置、図21はイメージセンサ移動方式縮小型画像読み取り装置の各例をそれぞれ示す。
【0003】
図19のイメージセンサ固定方式縮小型画像読み取り装置において、1はキャリッジで、1aは原稿面を照射するランプ8と垂直方向の原稿からの反射光を水平方向に反射するミラー9aからなる第1光学系が搭載された第1のキャリッジ、1bは第2光学系を構成する一対のミラー9b,9b′が搭載された第2のキャリッジ、5は画像読み取り装置の筐体を構成するフレーム、7は原稿載置台としてのプラテンガラス、10はレンズ系、11はイメージセンサ、12はイメージセンサおよびイメージセンサ駆動回路と画像情報処理等の電子回路が搭載されている基板である。また、矢印はキャリッジ1のスキャン方向を示しており、第1のキャリッジ1aと第2のキャリッジ1bとは2:1の比で移動するようになっている。
【0004】
また、図20のイメージセンサ移動方式密着型画像読み取り装置において、キャリッジ1には、イメージセンサ11がマウントされている基板12、ランプ8、およびレンズ系10が搭載されている。このキャリッジ1も上記と同様に、実線位置から破線で示される位置まで矢印方向に移動するようになっている。
【0005】
そして、図21のイメージセンサ移動方式縮小型画像読み取り装置においては、図20におけるキャリッジ1に少なくとも1枚以上のミラー9a,9a′が搭載された構成を有している。キャリッジ1の移動は上述した通りである。
【0006】
次に、図22はアナログ方式の画像読み取り装置の光学系の概略構成を説明する断面図である。
アナログ方式において、原稿載置台のプラテンガラス7からレンズ系10までの構成は、図19のイメージセンサ固定方式縮小型画像読み取り装置とほぼ同じであるが、レンズ以降が異なる。レンズ10から出た光はミラー9c,9c′,9dによって電荷が付与された像担持体13へ導かれ、この像担持体13上に画像を結像させるようになっている。なお、図19ないし図22において、同一符号は同一機能部品に対応する。
上記のキャリッジ1,1a,1bは、駆動源のモータに連結されたワイヤと剛体固定されることで、金属性のレールの上をプラテン下面に沿って上述のごとく移動し、プラテン上に載置された原稿上の画像情報を読み取る。
【0007】
ところで、画像読み取り装置では、高画質が得られる画像読み取りが常に求められている。しかし、駆動源のモータ振動や駆動プーリ、従動プーリ等の振れが駆動ワイヤを経由してキャリッジに伝わり、キャリッジ上の光学部品が微振動を受けることによって、読み取られた画像の画質が劣化するという問題点を有している。
【0008】
この問題点を解決し得る技術としては、特開昭62−262037号公報、特開昭58−60767号公報、特開昭61−249036号公報等に開示されているように、キャリッジと駆動ワイヤとを直接連結して固定せずに、キャリッジと駆動ワイヤとの間に弾性部材乃至粘弾性部材を介在させて接続することにより、キャリッジ上に伝わる振動を低減する技術が開示されている。
即ち、図23に示すように、キャリッジ100と駆動ワイヤ101の間に弾性部材102を介在させ、この弾性部材102とキャリッジ100、および弾性部材102と駆動ワイヤ103の保持部をそれぞれねじ104によって固定することにより、キャリッジ100と駆動ワイヤ103を弾性変形が可能な状態で連結している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし近年、画像読み取り装置の高速化が進むにつれて高速でキャリッジを動かした場合、初期加速で弾性部材102が慣性力によって変形し、キャリッジ100の移動の遅れが起こり、その後弾性部材102の復元力によりキャリッジ100と駆動ワイヤ103との間に、図10の(a)に示すような振動が生じ、この振動が中々減衰せずにキャリッジ100上の光学部品が原稿の画像を読み取る際に振動が残存するという新たな問題が発生した。
【0010】
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キャリッジ高速駆動時の加速により弾性部材が変形して発生するキャリッジ振動を防止することができる原稿走査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、光学系を保持したキャリッジをプラテン下面に沿って移動させ、前記プラテン上に載置された原稿を走査する原稿走査装置において、前記キャリッジと剛体的に固定される共に、前記キャリッジとの固定部から前記キャリッジの走査方向の前後に張設される駆動ワイヤと、前記キャリッジと前記駆動ワイヤとの固定部のキャリッジ移動方向両側において前記キャリッジと前記駆動ワイヤとの間にそれぞれ介在される制振部材と、を備え、前記各制振部材は前記キャリッジ及び前記駆動ワイヤと弾性接触した状態で固定されていることを特徴とする。ここで、剛体的に固定されているとは、キャリッジと駆動ワイヤを互いに機械的に固定することにより、固定されたキャリッジと駆動ワイヤは、1つの剛体を構成するように固定することを意味し、キャリッジと駆動ワイヤとを弾性的に固定する場合と対立する概念である。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記駆動ワイヤと前記制振部材を導電性材質で形成すると共に、この導電性の制振部材を前記キャリッジと前記駆動ワイヤとの間に介在させたことを特徴とする。
なお、上記制振部材としては、例えば、低反発性の制振ゴム/ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム(UR)等を使用することができる。
また、上記制振部材の材質が制振性能に及ぼす制振部材の粘弾性率等の特性、例えば硬さ(JISA)は、ブチルゴム(IIR)がHS硬度で40±5、クロロプレンゴム(CR)がHS硬度で50±10、ウレタンゴム(UR)がHS硬度で65±10であり、それぞれの機種のキャリッジにおいて、剛性、固有振動数、モータの使用振動数等が異なるため、その機種で効果のある硬さのものを適宜選択して使用する。
さらに、上記制振部材の導電率も適宜設定されるが、上記制振部材としては、ウレタン等の芯材の表面に例えば金属メッキ処理した繊維等の導電性繊維を張り付けたものを、導電性テープ(両面)によって取付けたものなどが用いられる。
【0013】
【作用】
請求項1記載の発明においては、キャリッジと駆動ワイヤとの固定部の両側において前記キャリッジと前記駆動ワイヤとの間に介在される制振部材を備えているので、駆動ワイヤによってキャリッジを起動する際に、キャリッジと駆動ワイヤとの間に発生する振動が、当該キャリッジと駆動ワイヤとの間に介在された制振部材によって減衰される。一方、高速でキャリッジを駆動した場合も、キャリッジと駆動ワイヤとは制振部材を介在させるのに加え剛体的に固定されているため、初期加速で制振部材の変形によるキャリッジの追従遅れや制振部材の変形の復元力によるキャリッジ振動の発生が抑制される。
【0014】
また、請求項2記載の発明においては、駆動ワイヤと制振部材を導電性材質で形成し、この導電性の制振部材を介してキャリッジを低インピーダンスで安定な状態で接地することができる。そのため、高周波クロックによって駆動された回路が実装されたキャリッジを備える画像読み取り装置において、キャリッジを介してクロック等がノイズ電波として放出されるのを防止することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明による原稿走査装置の第1実施例の要部斜視図、図2は同、制振部材の斜視図、図3は図1のA方向からの矢視図である。
これらの図において、キャリッジ1は、ランプ、ミラー等の光学系が搭載されているキャリッジ本体1−1と、キャリッジ本体1−1の側面に固着された平板状の金属の支持部1−2とから構成されている。1−3は支持部1−2の先端部裏面にあってキャリッジ1の移動方向の先端および後端に取り付けられた樹脂性の摺動材であって、キャリッジ1が図示されていない駆動手段により駆動された時、摺動材1−3はレール6上を摺動しつつ移動するようになっている。
【0016】
ここでは、1つのキャリッジについてのみ、以下に示すワイヤとキャリッジの連結機構を説明するが、図19および図22に示した2つのキャリッジを持つ構成の画像読み取り装置では、その第1および第2キャリッジ1a,1bについても同様の構成が適用される。
【0017】
15は駆動ワイヤを示し、支持部1−2と一体的に形成された駆動ワイヤ押圧板3にねじ4で固定されることで、支持部1−2に剛体固定されている。また、この剛体固定部の前後(キャリッジ1の移動方向における前後)の支持部1−2上において、駆動ワイヤ15は、重ね合わされた一対の制振部材2によりそれぞれ挟持され、また、重ね合わされた一対の制振部材2はねじ4によって、制振部材押圧板14と支持部1−2の間に圧接挟持されるが、制振部材2の厚みが1/2に圧縮されて、ほぼ駆動ワイヤ15が水平になるまでねじ4を締め付けることで、駆動ワイヤ15を固定する。
【0018】
なお、図3に示すように、上下一対の駆動ワイヤ押圧板3によって挟持される駆動ワイヤ15の部分は金属軸心部15−1であり、制振部材2によって挟持される駆動ワイヤ15の部分は樹脂コーティング部15−2である。
制振部材2は、本実施例においては低反発性制振ゴム/ブチルゴム(IIR)、ゴム硬度40度のものが使用され、図2に示すように、ワイヤ受け面寸法20mm×20mm、厚みは自由状態で5mmのものが使用される。
【0019】
上記の構成により、駆動ワイヤ15を経由した駆動手段の振動は制振部材2により減衰され、キャリッジ1と駆動ワイヤ15の剛体固定部(ねじ4による駆動ワイヤ押圧板3と駆動ワイヤ15の固定部)では画質上に問題となる大きな振動が伝わることがない上、初期加速域で制振部材2が変形させられる加速がキャリッジ1に加わった場合でも、駆動ワイヤ15とキャリッジ1とが剛体的に固定されているため、制振部材2の変形によるキャリッジ振動の発生を防止できる。
なお、上記制振部材2の材質、使用個数、硬度、自由状態での大きさおよび圧縮率等に関しては、上記に限定するものではない。
【0020】
図4は本発明による原稿走査装置の第1実施例の変形例を示す要部分解斜視図、図5は図4のB方向からの矢視図である。
この変形実施例は、駆動ワイヤ押圧板3と制振部材押圧板14の機能を併せ持つ1枚の共通押圧板16を設け、上側の制振部材2の係合突部2aを共通押圧板16の切欠部に突出させた状態で、剛体固定部にのみねじ4を締め付けて、全体を固定したものである(図5参照)。
【0021】
図6は本発明による原稿走査装置の第2実施例の要部分解斜視図、図7は図6のC方向からの矢視図である。
本実施例においては、キャリッジ支持部1−2の両端部を曲げて、その部分に低反発性制振ゴム/ブチルゴム(IIR)、ゴム硬度40度、ワイヤ受け面寸法20mm×20mm、厚みは自由状態で5mmの制振部材2を取り付け、その上方に駆動ワイヤ15を配置し、支持部1−2の中央で駆動ワイヤ15の金属軸心部15−1を支持部1−2の表面と駆動ワイヤ押圧板3に挟持し、ねじ4により剛体固定している。従って、制振部材2は駆動ワイヤ15により下方に押圧され、キャリッジ走査方向と平行に張られた駆動ワイヤ15の張力の垂直方向分力に等しい復元力となる部分まで圧縮された状態にある(本実施例では制振部材2の厚みが1/2に圧縮されている)。
【0022】
上記の構成により、駆動ワイヤ15を経由した駆動手段の振動は、制振部材2により減衰され、キャリッジ1と駆動ワイヤ15の剛体固定部では画質上に問題となる大きな振動が伝わることがない上、初期加速域で制振部材2が変形させられる加速がキャリッジ1に加わった場合でも、剛体固定部を有しているため、制振部材変形によるキャリッジ振動の発生を防止できる。
なお、上記制振部材2の材質、使用個数、硬度、自由状態での大きさおよび圧縮率等に関しては、上記に限定するものではない。
【0023】
図8は第2実施例における制振部材の他の例を示す斜視図である。
この例では、制振部材2にワイヤ半径よりも小さい半径Rの溝2bを付けて、キャリッジ1のイン/アウト方向の振動をさらに小さくしようとしたものである。
【0024】
図9は第2実施例における制振部材のさらに他の例を示す斜視図である。
この例では、駆動ワイヤ15に円筒状の制振部材2を取り付けて、この制振部材2を支持部1−2の両端に形成した折り曲げ部の凹部に嵌合するようにしたものである。
【0025】
図10(a),(b)はキャリッジ高速加速時のキャリッジの速度変動比較特性図であり、(a)は従来例の振動を、(b)は本発明の第1実施例の振動をそれぞれ示している。
この図に示すように、定速域速度変動は同等であるが、初期加速による振動減衰が本実施例の方が優れていることが分かる。なお、第2実施例においても、第1実施例にほぼ等しい振動の減衰が得られる。
さらに説明すると、図10(a),(b)において、コピー上で許されるキャリッジの速度変動をXとする。このXの値は、他の画像形成手段等の影響もあり、その機種により異なって来る値である。高速機の場合には、いかに短時間で速度変動を減衰させるかが問題であり、従来例(a)の場合では、原稿読取り開始位置において、X’(本出願人のテストではXの1.8倍)の変動が残ってしまっている。このため、▲1▼原稿読取り開始位置をΔt秒後に移すか、▲2▼原稿先端V/Δt(mm)の画像は保証しない、等の策が考えられるが、▲1▼の場合には、装置のサイズが大きくなり、且つ1分間に読み取られる原稿の枚数が少なくなる等の問題が、▲2▼の場合には、先端画質が低下する等の問題がある。
これに対し、本実施例の場合には、時間t0 以内に許容値X以下に振動を低減することができ、上記▲1▼▲2▼の問題を解決することができる。
【0026】
図11は本発明による原稿走査装置の第3実施例の要部斜視図、図12は図11のD方向からの矢視図である。
この実施例において、剛体固定部の両側(キャリッジ1の移動方向における前後)には、駆動ワイヤ15の金属軸心部15−1と支持部1−2に圧接挟持された導電性の制振部材2が互いに2個ずつ設けてある。
【0027】
導電性制振部材2は、本実施例においては、ウレタンスポンジを軸心に使用し、金属メッキ処理による導電性ポリエステル繊維で外周を被覆したガスケットで、表面抵抗値0.08Ω/10×10cm2 、自由状態の厚みがキャリッジ1と駆動ワイヤ15の距離XよりΔX厚いものを4つ使用する(本実施例においてはX=2.5mm、ΔX=2.5mm、キャリッジ支持部1−2上の導電性制振部材設置面積□20mmとしている。この導電性制振部材2はキャリッジ支持部1−2上に導電性両面テープにより固定し、制振部材2の厚みにより駆動ワイヤ15がキャリッジ軌道面に対して傾けられることで生じる圧縮方向分力により、金属軸心部15−1と制振部材2を緊密に接触させることで、支持部1−2と金属軸心部15−1の電気的接触を確保することができる。そのため、上記キャリッジ1は、駆動ワイヤ15の金属軸心部15−1が原稿走査装置のフレーム5に固定されているため、制振部材2及び駆動ワイヤ15の金属軸心部15−1を介して、原稿走査装置のフレーム5側へと接地することができる。
【0028】
上記の構成により、常にキャリッジ1が低インピーダンスで安定的な接地が可能になる。
このことにより、上記導電性制振部材2を介してキャリッジ1を低インピーダンスで安定な状態で接地することができる。そのため、高周波クロックによって駆動された回路が実装されたキャリッジ1を備えるデジタル画像読み取り装置において、キャリッジ1がアンテナとなりキャリッジ1を介してクロック等がノイズ電波として放出されるのを防止することができ、外部に電波ノイズが放出されることにより生じるテレビ、ラジオ受信機等の電子機器の受信障害を防止することができる。
【0029】
なお、導電性制振部材2の材質、使用個数、表面抵抗値等は、この実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例でも同様であるが、この実施例においても、本発明の目的であるキャリッジ初期加速時の振動抑制効果があることは言うまでもない。
【0030】
図13は本発明による原稿走査装置の第4実施例の要部斜視図、図14は図13のE方向からの矢視図である。
このキャリッジ1はキャリッジ支持部1−2上に従動プーリ17が位置し、この従動プーリ17の外周に引き回された駆動ワイヤ15が、図示されていない駆動手段により駆動されたとき、摺動材1−3はレール6(図1他参照)上を摺動しつつ移動するようになっている。
【0031】
導電性制振部材2は、キャリッジ支持部1−2上に導電性両面テープにより固定し、導電性制振部材2の厚さを当該導電性制振部材2の端面が従動プーリ17の外径より大きく設定することにより、この導電性制振部材2は、従動プーリ17の外周に引き回された駆動ワイヤ15によって圧縮方向の分力の作用を受けて、導電性制振部材2と金属軸心部15−1を緊密に接触させ、キャリッジ移動により駆動ワイヤ15が導電性制振部材2上を接触しながら移動することで、キャリッジ1が導電性制振部材2を介して駆動ワイヤ15の金属軸心部15−1に電気的に接続され、この駆動ワイヤ15の金属軸心部15−1は、原稿走査装置のフレーム5側に接地される。
このことにより、上記導電性制振部材2を介してキャリッジ1を低インピーダンスで安定な状態で接地することができる。そのため、高周波クロックによって駆動された回路が実装されたキャリッジ1を備えるデジタル画像読み取り装置において、キャリッジ1がアンテナとなりキャリッジ1を介してクロック等がノイズ電波として放出されるのを防止することができ、外部に電波ノイズが放出されることにより生じるテレビ、ラジオ受信機等の電子機器の受信障害を防止することができる。
このため、駆動ワイヤ15は、キャリッジ移動範囲全域の導電性制振部材2と接触する部分全てにおいて表面の樹脂コーティング部15−2が剥離され、ワイヤの金属軸心部15−1が露出している。
【0032】
上記の構成により、常にキャリッジ1が低インピーダンスで安定的な接地が可能になる。なお、図13における上記導電性制振部材2の使用個数、キャリッジ1への固定方法等に関しては、上記に限定するものではない。
【0033】
図15、図16は第3実施例において、キャリッジ1が左方向に移動し、左最端部に位置したときのキャリッジ1とフレーム5、およびアイドラプーリ18との位置関係を示したものである。また、図17は多点接地の場合におけるキャリッジとフレーム、アイドラプーリの位置関係を示したものである。
図15のように、キャリッジ1が左方向に移動していくと、駆動ワイヤ15を巻き取るアイドラプーリ18とキャリッジ1上に位置した導電性制振部材2が衝突する。この時、導電性部材が制振部材であるため、図16のように、自身の弾性により圧縮され、プーリ外周に乗り上げた状態でキャリッジ1がさらに端部まで進むことができる。このため、3個所の多点接地を行った図17と比較すると、キャリッジ1が左最端部に位置した時のフレーム5の隙間に大きな差が生じていることが分かる(隙間Y1≪隙間Y2)。
【0034】
このことから、同じ長さのキャリッジが走査する時、図15、図16の構成の方が装置の幅方向のサイズの小型化が可能であることが分かる。このように、導電性制振部材2を用いることにより、キャリッジ1を3個所の多点接地を行った場合に比べて、原稿走査装置の小型化が可能であり、しかも次に述べるように、導電性制振部材2を用いることにより、キャリッジ1を3個所の多点接地を行った場合と同程度のノイズ低減効果が得られる。
なお、図15〜図17においては、キャリッジ1が左端部に位置した時のものを示しているが、右端部の場合でも同じことが言える。
【0035】
図18は従来方式を用いてフローテイング状態のキャリッジをイン/アウト各1個所のワイヤ固定点で接地させたケース(a)と、本発明による画像読み取り装置の第3実施例を用いてキャリッジ1を接地させたケース(b)において、電波ノイズ漏れ量を示すものである。(a)に示すように、発生していた電波ノイズが(b)に示すように低減されていることが分かる。また、(b)のレベルはキャリッジ1をイン/アウト各3個所で接地したケースとほぼ同等の優れた低減レベルである。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、駆動ワイヤを経由した振動は、キャリッジと駆動ワイヤが剛体的に固定された部分からキャリッジ本体に伝わる前に、キャリッジとの間に介在された制振部材に伝達され、一方、高速でキャリッジを駆動した場合は、その加速力は、キャリッジと駆動ワイヤとの剛体固定部に伝達されるため、初期加速で制振部材の変形によるキャリッジの追従遅れや制振部材の変形の復元力によるキャリッジ振動の発生が抑制される。
【0037】
また、請求項2記載の発明によれば、制振部材を導電性材質で形成し、この制振部材を介してキャリッジと駆動ワイヤを電気的に導通することで、上記の効果に加え、キャリッジを介してクロック等のN倍又は1/N倍の周波数の電波がノイズ電波として放出されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原稿走査装置の第1実施例の要部斜視図である。
【図2】本発明による原稿走査装置の第1実施例の制振部材の斜視図である。
【図3】図1のA方向からの矢視図である。
【図4】本発明による原稿走査装置の第1実施例の変形例を示す要部分解斜視図である。
【図5】図4のB方向からの矢視図である。
【図6】本発明による原稿走査装置の第2実施例の要部分解斜視図である。
【図7】図6のC方向からの矢視図である。
【図8】本発明による原稿走査装置の第2実施例の制振部材の他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明による原稿走査装置の第2実施例の制振部材のさらに他の例を示す斜視図である。
【図10】(a),(b)はキャリッジ高速加速時のキャリッジの速度変動比較特性図である。
【図11】本発明による原稿走査装置の第3実施例の要部斜視図である。
【図12】図11のD方向からの矢視図である。
【図13】本発明による原稿走査装置の第4実施例の要部斜視図である。
【図14】図13のE方向からの矢視図である。
【図15】第3実施例において、キャリッジが左方向に移動する時の状態を示す構成図である。
【図16】第3実施例において、キャリッジが左方向に移動する時の状態を示す構成図である。
【図17】多点接地の場合のキャリッジが左方向に移動する時の状態を示す構成図である。
【図18】(a),(b)は従来方式と本発明による方式における電波ノイズの比較特性図である。
【図19】イメージセンサ固定方式縮小型画像読み取り装置の構成図である。
【図20】イメージセンサ移動方式密着型画像読み取り装置の構成図である。
【図21】イメージセンサ移動方式縮小型画像読み取り装置の構成図である。
【図22】アナログ方式の画像読み取り装置の光学系の概略構成図である。
【図23】従来例によるキャリッジと駆動ワイヤの連結部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1…キャリッジ、2…制振部材、3…駆動ワイヤ押圧板、4…ねじ、15…駆動ワイヤ。
Claims (2)
- 光学系を保持したキャリッジをプラテン下面に沿って移動させ、前記プラテン上に載置された原稿を走査する原稿走査装置において、
前記キャリッジと剛体的に固定される共に、前記キャリッジとの固定部から前記キャリッジの走査方向の前後に張設される駆動ワイヤと、
前記キャリッジと前記駆動ワイヤとの固定部のキャリッジ移動方向両側において前記キャリッジと前記駆動ワイヤとの間にそれぞれ介在される制振部材と、を備え、
前記各制振部材は前記キャリッジ及び前記駆動ワイヤと弾性接触した状態で固定されていることを特徴とする原稿走査装置。 - 前記駆動ワイヤと前記制振部材を導電性材質で形成すると共に、この導電性の制振部材を前記キャリッジと前記駆動ワイヤとの間に介在させたことを特徴とする請求項1記載の原稿走査装置。
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