JP3842392B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やイメージスキャナ等に設けられている画像読取装置に関し、特に、画像読取装置内のミラーの防振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の画像読取装置の概略構成を示す図である。同図において1は筺体で、その上部にはコンタクトガラス2が設けられ、この上に原稿が載置される。コンタクトガラス2の上には図示しない圧板が、ヒンジ結合によって開閉自在に取り付けられており、圧板を開けた状態でコンタクトガラス2上原稿を載置し、位置決めした後、圧板を下ろして原稿をコンタクトガラス2上に押しつけて固定する。
【0003】
筺体1の内部には、ランプ3と第1ミラー4とを有する第1キャリッジ5と、第2ミラー6と第3ミラー7とを反射面を直交させてフレーム8に固定した第2キャリッジ9と、結像光学系10と、受光素子11とが設けられている。
【0004】
原稿を読み取る場合、ランプ3が点灯され、第1キャリッジ5が第1の速度で矢印方向に移動し、原稿の左端から右端を連続的に照射し、その反射光を第1ミラー4で折り曲げ、第2キャリッジへと射出する。
【0005】
第2キャリッジは、第2の速度で第1キャリッジと同じ方向に移動するが、第2の速度は、第1の速度の1/2となっている。第1キャリッジ5から射出された光線は、第2ミラー6及び第3ミラー7で反射され、結像光学系10を透過して受光素子11上に原稿の画像を結像する。受光素子11は、原稿画像を再び光信号に変換して図示しない感光体上に原稿の静電潜像を結像する。その後は、通常の電子写真の工程が進められることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構成をした画像読取装置においては、第1、第2キャリッジは、その動きを正確にするために、ステッピングモータで駆動されている。
しかし、ステッピングモータは、反面、振動発生源でもあり、読み取る原稿サイズが大きくなると、ミラーがステッピングモータの振動の影響を受けて振動し、かつ、その振幅も大きくなる傾向にあった。そのため、画質の劣化の原因となっていた。
【0007】
この対策として、ミラーのガラスを厚くして振動しにくくさせていたが、そうするとミラーが重くなるので、駆動の負荷が増大する。もし、これに対してステッピングモータを大型化することで解決を図ろうとすると、振動源も大きくなるので、一種の悪循環となってしまう。
【0008】
そこで、この問題に対し、特開平8−106129号では、ミラーの裏面に補強部材を密着固定して制振効果を得る構成を提案している。また、特開平7−319077号では、ミラーの反射面の裏面に弾性材を貼付し、この弾性材でミラーを付勢して振動を抑制する構成を提案している。
【0009】
しかし、これらの対策は、いずれもミラーの裏面に力を加えるので、力の加え方によっては、ミラーを変形させてしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題の解決を図ったもので、ミラーを変形させる虞がなく、直交するミラーの振動を抑止できる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、コンタクトガラスと、該コンタクトガラス上に載置された原稿像を読み取る光源及び複数のミラーとを有する画像読取装置において、
前記複数のミラーは、相互に直交する反射面を持って近接配置された2枚のミラーを有し、粘弾性を有する接着材により前記2枚のミラーの一端を結合して、前記2枚のミラーをL字型に一体化したことを特徴としている。
【0011】
また、前記接着材が高分子材料の制振材である構成や、前記2枚のミラーの相互に近接する面を平行にし、平行な面の間を前記接着材で接着した構成や、前記高分子材料がエポキシ系の硬化型の接着剤である構成や、前記2枚のミラーの近接部の反射面と反対側にミラーの移動方向とほぼ直交する面を形成し、該面に補強板を固定して2枚のミラーを一体化した構成とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面によって説明する。図1は本発明の画像読取装置の第2キャリッジを示す斜視図で、図2は図1の要部の側面図である。これらの図に示すように、第2ミラー6と第3ミラー7とは反射面が相互に直交し、近接して配置されている。そして、第2ミラー6の下面6aと第3ミラー7の上面7aとは、面取りされて相互に平行な面となっている。そして、これらの面6a,7aの間に接着剤11を充填し、接着している。第2ミラー6及び第3ミラー7は、一方のミラーについて、側板14と2点で、側板15と1点の3点で背面から図示しない板ばね等で押圧された状態で保持されている。
【0013】
以上の構成であるから、2枚のミラー6,7はL型をした一体のミラーとなり、強度が上がって振動を押さえることができる。また、接着するだけであり、部品点数が増加することもない。
【0014】
上記の実施例では、接着材11を剛性のものとしたが、逆に、粘弾性を持った高分子材料の制振材(粘着シート)を使用してもよい。その場合、接着材11が粘土とゴムを兼ねた挙動を示し、この部分で強度をアップするとともに、振動を吸収して減衰させることができる。
【0015】
図3は本発明の別の実施例である。図2の実施例では、第2ミラー6と第3ミラー7の近接した面6a,7aを面取り加工して平行にしたが、この実施例では面取り加工をしていない。そして、接着材12をエポキシ系の硬化型接着材としている。このような接着材12は、接着力が強力なので、面取り加工をする必要がなく、強度アップが図れる。
【0016】
図4は、本発明のまた別の実施例である。この実施例では、第2、第3ミラー6,7の接続部の反射面と反対側を面取りして、ミラーの移動方向とほぼ直交する面6b,7bを形成している。これらの面6b,7bは、同一面内に含まれるように形成される。そして、これらの面の双方に渡って補強板13を接着材16で固定する。このとき、近接した面6a,7aも平行に面取りしておくと接着が容易である。
このような構成により、2つのミラー6,7はより強固に一体化され、強度が上がることによって、振動を押さえることができることとなる。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、コンタクトガラスと、該コンタクトガラス上に載置された原稿像を読み取る光源及び複数のミラーとを有する画像読取装置において、上記複数のミラーが相互に直交する反射面を持って近接配置された2枚のミラーを有し、これら2枚のミラーが接着材により結合された構成としたので、2枚のミラーがL型になって一体化し、振動を押さえることができる。また、接着材で結合するだけなので、部品も増加することがなく、構成が簡単である。
【0018】
接着材が粘弾性を備えている構成としても、接着材の部分で振動を吸収することができ、振動を押さえることができる。
上記2枚のミラーの相互に近接する面を平行にすると共に、2枚のミラーの近接部の反射面と反対側に進行方向とほぼ直交する面を形成し、該面に補強板を固定した構成とすれば、さらに強度がアップし、振動をより確実に押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置の要部構成を示す斜視図である。
【図2】2枚のミラーの接合部の詳細を示す拡大側面図である。
【図3】本発明の他の実施例の図2に対応する図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例の図である。
【図5】従来の画像読取装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
2 コンタクトガラス
3 光源
6,7 ミラー
6a,7a 平行な面
11,12 接着材
13 補強板
Claims (5)
- コンタクトガラスと、該コンタクトガラス上に載置された原稿像を読み取る光源及び複数のミラーとを有する画像読取装置において、
前記複数のミラーは、相互に直交する反射面を持って近接配置された2枚のミラーを有し、粘弾性を有する接着材により前記2枚のミラーの一端を結合して、前記2枚のミラーをL字型に一体化したことを特徴とする画像読取装置。 - 前記接着材が高分子材料の制振材であることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記2枚のミラーの相互に近接する面を平行にし、平行な面の間を前記接着材で接着したことを特徴とする請求項1または2記載の画像読取装置。
- 前記高分子材料がエポキシ系の硬化型の接着剤であることを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
- 前記2枚のミラーの近接部の反射面と反対側にミラーの移動方向とほぼ直交する面を形成し、該面に補強板を固定して前記2枚のミラーを一体化したことを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか一項記載の画像読取装置。
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1997
- 1997-07-29 JP JP21696997A patent/JP3842392B2/ja not_active Expired - Fee Related
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