JP3798338B2 - クリーンドライエアー製造方法およびそれに用いる装置 - Google Patents

クリーンドライエアー製造方法およびそれに用いる装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気分離装置の排ガスを利用してクリーンドライエアー製造装置の省力化を図るようにしたクリーンドライエアー製造方法およびそれに用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶製造工場等に代表される半導体製造工場では、その製造ラインに使用される窒素ガスおよびクリーンドライエアー(清浄乾燥空気、以下「CDA」と略す)は、欠かすことのできないガスとなっている。
【0003】
CDAを製造するCDA製造装置の一例として、PSA(圧力スイング吸着)装置を用いた2塔切替方式のCDA製造装置を、図3に示す。図において,21はCDA用原料空気を供給する供給路であり、22,23は内部に吸着剤(活性アルミナ,ゼオライト等)を配設した2個一対の精製塔であり、供給路21から供給されるCDA用原料空気中の水分やCO2 を吸着する作用をする。このCDA製造装置では、上記両精製塔22,23で精製工程と再生工程とを交互に切り替えて行うようにしている。24は上記両精製塔22,23で精製されたCDAを取り出す製品CDA取出路である。25は上記製品CDA取出路24を通るCDAの一部を導入する開閉弁25a付きCDA導入路であり、このCDA導入路25に導入したCDAを再生ガスとして精製工程完了済みの(すなわち、CDA用原料空気中の水分やCO2 を充分に吸着した)精製塔22(もしくは23)に供給しこれを再生する作用をする。
【0004】
このように、PSA装置等を用いたCDA製造装置は、従来から、自己ガス再生方式が主流となっており、半導体製造工場に設置される場合には、2〜3塔切替方式による連続供給方式が採用されている。この連続供給方式では、精製塔の再生ガスとして、他の精製塔で精製したCDAの一部が使用されており、その使用量は、CDAの要求純度によって変動するが、一般的には、CDA用原料空気に対して約15〜20%程度となっている。
【0005】
一方、空気分離装置では、発生した製品(窒素ガス,酸素ガス等)とは別に、排ガスが生成されている。上記排ガスは、原料空気の前処理設備(TSA装置やPSA装置・リバーシング熱交換器等)の再生用として利用されているが、全量が再生用として有効利用されているものではなく、一部が大気に放出されている。この排ガスの組成は、上記製品の発生割合によって変動するが、水分およびCO2 が1ppm以下である良質のドライ状態のものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のCDA製造装置では、再生ガスとして、CDA取出路24を通る精製されたCDAの一部を利用しているため、製品として得られるCDA量が減少するという問題がある。一方、上記の空気分離装置は、大気に放出される排ガスが有効利用されていないという問題がある。この大きな理由は、空気分離装置で生成した排ガスは、非常にドライな状態であるものの、その組成が酸素過剰もしくは窒素過剰であり、したがって、直接圧縮等を行ってCDAとして工場に供給した場合には、使用後のCDAは工場内に放出されるため、窒息や過剰燃焼等の危険を生じるためである。
【0007】
また、最近では、窒素専用の深冷ガス分離装置において、内部で生成した排ガスを再度蒸留し、空気組成にして発生させる装置の設計が行われているが、設備コストの上昇、および空気組成を維持するための管理等が必要であり、実用性の低いものとなっている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、空気分離装置の排ガスの組成に影響されることなく、これを有効利用することができ、かつ、CDA製造装置の再生ガスとして使用される自己生成ガスの使用量を低減させもしくは無くすことができ、しかも、安価で、管理等が簡単なCDA製造方法およびそれに用いる装置の提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、空気分離装置から排出される排ガスのうち、上記空気分離装置の前処理設備の再生用として利用されなかった排ガスを、排ガス貯留タンクに導入してここで溜め、この溜めた排ガスをCDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、上記CDA製造装置で製造される製品CDAの一部を減圧して排ガス貯留タンクに導入するCDA製造方法を第1の要旨とし、空気分離装置から排出される排ガスのうち、上記空気分離装置の前処理設備の再生用として利用されなかった排ガス導入して溜める排ガス貯留タンクを設け、この排ガス貯留タンクで溜めた排ガスをCDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記排ガス貯留タンクに、上記CDA製造装置の製品CDA取出路から分岐する分岐路を連通し、この分岐路に減圧装置を設け、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、製品CDA取出路内の製品CDAの一部を分岐路に通し減圧装置で減圧して排ガス貯留タンクに導入するCDA製造装置を第2の要旨とする。
【0010】
すなわち、本発明のCDA製造方法は、空気分離装置から排出される排ガスを、CDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用している。したがって、CDA製造装置で生成されるCDAを再生ガスとして使用する使用量を低減させもしくは無くすことができ、その分、製品として得られるCDA量を増加させることができる。また、空気分離装置を有効利用することができ、大幅な動力削減が可能になる。しかも、排ガスを再生ガスとして利用するものであり、排ガスの組成に影響されることなく、これを有効利用することができる。しかも、窒素専用の深冷ガス分離装置において、内部で生成した排ガスを再度蒸留し、空気組成にして発生させる装置に比べて、安価で、管理等が簡単である。なお、空気分離装置で発生する排ガスを利用しているため、CDA製造装置の吸着剤の再生時に、吸着剤が排ガス中の過剰酸素もしくは過剰窒素を一部吸着するものの、精製されるCDA組成を大きく変化させる要因にはならない。また、本発明のCDA製造装置によれば、上記優れた効果を奏するCDA製造方法を効率よく実現することができる。
【0011】
本発明のCDA製造方法では、上記空気分離装置から排出される排ガスを排ガス貯留タンクに導入してここで溜め、この溜めた排ガスをCDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、上記CDA製造装置で製造される製品CDAの一部を減圧して排ガス貯留タンクに導入するため、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなると、製品CDA取出路内のCDAの一部を減圧して排ガス貯留タンクに導入してここで溜めることができる。このため、排ガス貯留タンク内に常に排ガスおよびCDAの少なくとも一方を溜めることができ、CDA製造装置の運転に支障をきたすことがなくなる。また、本発明のCDA製造装置では、上記空気分離装置から排出される排ガスを導入して溜める排ガス貯留タンクを設け、この排ガス貯留タンクで溜めた排ガスをCDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記排ガス貯留タンクに、上記CDA製造装置の製品CDA取出路から分岐する分岐路を連通し、この分岐路に減圧装置を設け、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、製品CDA取出路内の製品CDAの一部を分岐路に通し減圧装置で減圧して排ガス貯留タンクに導入するため、上記と同様の効果を奏する。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0013】
図1は本発明のCDA製造装置の一実施の形態を示している。この実施の形態では、CDA製造装置は、窒素ガス製造装置1で発生する排ガスを溜める再生ガスホルダー(排ガス貯留タンク)2を有している。より詳しく説明すると、窒素ガス製造装置1で発生した排ガスを排ガス取出路3で取り出し、その一部を第1分岐路4を介して窒素ガス製造装置1の吸着塔,熱交換器等の前処理設備(図示せず)の再生用として前処理設備側に送給し、その残部を第2分岐路5を介して再生ガスホルダー2に導入している。すなわち、上記再生ガスホルダー2では、第2分岐路5から導入された排ガス(すなわち、窒素ガス製造装置1から取り出された排ガスのうち、上記前処理設備の再生用として利用されなかった排ガス)を、後述する吸着剤(図示せず)の再生用として利用するために溜めている。図において、6は圧縮機(図示せず)から取り入れた原料空気を窒素ガス製造装置1に導入する原料空気導入路であり、原料空気中の水分やCO2 を吸着する2個一対の吸着塔,熱交換器等の前処理設備を備えている。7は窒素ガス製造装置1で発生した窒素ガスを取り出す製品窒素ガス取出路である。
【0014】
8は再生ガスホルダー2に溜めた排ガスを再生ガスとして取り出す再生ガス供給路であり、再生ガスホルダー2に溜めた排ガスを取り出す取出路9と、後述する再生ガス導入路43,44に連結する開閉弁10a付き再生ガス導入路10とからなっている。この再生ガス導入路10は、図3に示す従来のCDA製造装置において、CDA導入路25の一端部(製品CDA取出路24側の端部)を製品CDA取出路24から切り離して上記取出路9に連結したものである。なお、上記取出路9と再生ガス導入路10との連結部分は図示せず。
【0015】
11はバックアップラインであり、製品CDA取出路24と再生ガスホルダー2とを接続するCDA導入路12に減圧弁等の減圧装置13を取り付けたものからなっている。この減圧装置13の設定圧力は、窒素ガス製造装置1から取り出された排ガスが再生ガスホルダー2に優先的に導入されるように、所定の(例えば、窒素ガス製造装置1の通常運転時における、排ガスの導入圧力より低い)圧力に設定されている。このようなバックアップライン11により、第2分岐路6から導入される排ガスの圧力が上記設定圧力より低下した場合(例えば、空気分離装置1が不具合等で停止して再生ガスホルダー2に排ガスを送給できなくなった場合)に、製品CDA取出路24内のCDA(すなわち、自己生成ガス)を再生ガスホルダー2に導入してここで溜め、CDA製造装置の運転に支障をきたすことがないようにしている。また、上記バックアップライン11を介して再生ガスホルダー2内の排ガスが製品CDA取出路24に流入することがないようにもしている。
【0016】
14は一次圧制御ラインであり、再生ガスホルダー2から延びる排ガス放出管15に安全弁等の一次圧制御装置16を設け、この一次圧制御装置16の設定圧力を所定圧力(例えば、上記排ガスの導入圧力)に設定し、再生ガスホルダー2内の圧力が上記所定圧力以上に昇圧した場合に、排ガス放出管15から再生ガスホルダー2内の再生ガスを放出し、窒素ガス製造装置1の運転に影響を与えないようにしている。上記再生ガスホルダー2内が昇圧する場合としては、PSA装置の運転サイクルは一般的には5〜10分程度の周期であり、そのサイクル中の工程には、再生ガスを必要としない工程が存在するが、窒素ガス製造装置1から排気される排ガスは連続であることから、一時的に再生ガスホルダー2内の圧力が上昇し、窒素ガス製造装置1からの排ガスの排気に支障をきたす可能性がある場合等が挙げられる。
【0017】
また、この実施の形態では、CDA製造装置は、図3に示す従来の、PSA装置を用いた2塔切替方式のCDA製造装置と同様構造の装置を有している。図1において、図3に示すCDA製造装置と同様の部分には同じ符号を付している。より詳しく説明すると、図1において、31,32は(CDA用原料空気を供給する)供給路21から分岐した分岐路であり、それぞれ、(活性アルミナ,ゼオライト等の吸着剤を内蔵した)各精製塔22,23の入口路33,34に接続している。35は流路切換弁であり、36〜38は開閉弁36a〜38a付き放出路である。39,40は上記各精製塔22,23の出口路41,42に接続する逆止弁39a,40a付きCDA取出路であり、上記各精製塔22,23で精製したCDAを製品CDA取出路24に送給している。43,44は一端が上記再生ガス供給路8に接続し他端が上記各精製塔22,23の出口路41,42に接続する逆止弁43a,44a付き再生ガス導入路である。
【0018】
上記構成において、例えば、つぎのようにしてCDA製造装置を運転することができる。すなわち、窒素ガス製造装置1から排気される排ガスの一部を排ガス取出路3,第2分岐路5を通して再生ガスホルダー2に導入し、ここで溜める。一方、両精製塔22,23のうち、一方の精製塔22にCDA用原料空気が流入して精製工程にあるときに(すなわち、逆止弁39aが開き、開閉弁36a,38a、逆止弁40a,43aが閉じている状態で)、他方の精製塔23に再生ガスを供給し(すなわち、開閉弁37a,逆止弁44aが開いている状態で)、この精製塔23の吸着剤を再生する。また、他方の精製塔23にCDA用原料空気が流入して精製工程にあるときに(すなわち、逆止弁40aが開き、開閉弁37a,38a、逆止弁39a,44aが閉じている状態で)、一方の精製塔22に再生ガスを供給し(すなわち、開閉弁36a,逆止弁43aが開いている状態で)、この精製塔22の吸着剤を再生する。
【0019】
上記のように、この実施の形態では、CDA製造装置の吸着剤の再生に用いる再生ガスとして、窒素ガス製造装置1から排気される排ガスの一部を利用するようにしているため、CDA製造装置で生成されるCDAを再生ガスとして使用する量を低減させもしくは無くすことができ、その分、製品として得られるCDA量を増加させることができる。しかも、大幅な動力削減も可能となる。しかも、排ガスを再生ガスとして利用するものであり、排ガスの組成に影響されることなく、これを有効利用することができる。
【0020】
図2は上記窒素ガス製造装置1の一例を示している。この例では、一般に空気を原料とし、これを空気圧縮機51で圧縮したのち、ドレン分離器52,フロン冷却器53を通し、さらに(例えば、PSA装置を用いた2塔切替方式の)2個一対の吸着塔54,55に入れて原料空気中の水分やCO2 を吸着除去し、ついで、上記吸着塔54(55)を経た原料空気を原料空気導入路56を介して熱交換器57に導入し、ここで冷媒と熱交換させて超低温に冷却している。つぎに、この超低温に冷却した原料空気を原料空気導入路56を介して精留塔58に導入し、ここで深冷液化分離して製品窒素ガスを製造し、これをガス取出路59を介して上記熱交換器57に導入し、ここで常温近傍に昇温させてメインパイプ(製品窒素ガス取出路)60に送り込むという工程を経て製造されている。
【0021】
上記精留塔58についてより詳しく説明すると、この精留塔58は、熱交換器57により超低温に冷却された原料空気をさらに冷却し、その一部を液化し液体空気61として底部に溜め、窒素のみを気体状態で上部に溜めるようになっている。また、精留塔58は、塔頂に凝縮器62a内蔵の分縮器62を備えており、上記凝縮器62aには、精留塔58の上部に溜まる窒素ガスの一部が第1還流液パイプ63aを介して送入される。
【0022】
上記分縮器62内は精留塔58よりも減圧状態になっており、精留塔58の底部に溜まる貯留液体空気(N2 :50〜70%,O2 :30〜50%)61が膨張弁64a付き送給パイプ64を経て送り込まれ、気化して内部温度を液体窒素の沸点以下の温度に冷却するようになっている。この冷却により、凝縮器62a内に送入された窒素ガスが液化し、この液体窒素が第2還流液パイプ63bを通って精留塔58の上部に供給される。この精留塔58の上部には、液体窒素貯槽(図示せず)からも液体窒素が導入パイプ65を経て供給されており、これら液体窒素が精留塔58の上部を経て精留塔58内を流下し、精留塔58の底部から上昇する原料空気と向流的に接触し冷却してその一部を液化するようになっている。この過程で原料空気中の高沸点成分は液化されて精留塔58の底部に溜まり、低沸点成分の窒素ガスが精留塔58の上部に溜まる。
【0023】
図において、66は分縮器62内の気化液体空気(排ガス)を熱交換器57に送り込みここを通る原料空気を降温させる排ガス取出路であり、上記両分岐路4,5(図示せず)に分岐している。67は窒素ガス中のHeガス(窒素ガスより沸点が低い)を気体のまま大気中に放出する放出パイプである。68は熱交換器57,精留塔58等を断熱保冷する真空保冷箱である。
【0024】
【実施例】
5,000Nm3 /hrの窒素ガス製造装置1および20,000Nm3 /hrのCDA製造装置を例として、その効果を説明する。
【0025】
上記窒素ガス製造装置1の仕様は、つぎの通りである。すなわち、窒素発生圧力は0.75MPaで、原料空気量は13,000Nm3 /hrで、窒素ガス発生量は5,000Nm3 /hrで、排ガス量は8,000Nm3 /hrであり、この排ガス量のうち、窒素ガス製造装置1の前処理設備の再生に用いる再生ガス量は2,600Nm3 /hrで、再生ガスホルダー2に導入する排ガス量は5,400Nm3 /hrである。
【0026】
一方、CDA製造装置の仕様は、つぎの通りである。すなわち、CDA発生圧力は0.7MPaで、CDA用原料空気量は25,000Nm3 /hrで、CDA発生量は20,000Nm3 /hrで、自己再生ガス量は5,000Nm3 /hrである。この自己再生ガス量のうち、塔切替時のCDA損失量は1,250Nm3 /hrで、実質塔再生ガス量は3,750Nm3 /hrである。
【0027】
このように、塔切替時のCDA損失量については、窒素ガス製造装置1の排ガスを利用することはできないが、CDA製造装置の吸着剤の再生ガスとしては、全量利用が可能となる。
【0028】
再生ガスは瞬時Max値として、5,000Nm3 /hrが必要であり、平均値は3,750Nm3 /hrである。このときのCDA製造装置の製造電力原単位(冷却塔等の雑電力を含む)は、0.145kW/Nm3 である。
【0029】
したがって、上記窒素ガス製造装置1で発生する排ガスを上記CDA製造装置の再生ガスとして利用した場合には、CDA発生量は、(20,000+3,750=)23,750Nm3 /hrであり、製造電力原単位は、(0.145×20,000÷23,750=)0.122kW/Nm3 である。したがって、製造電力原単位改善率は15.8%となり、削減電力は457.9kWとなる。
【0030】
また、上記20,000Nm3 /hrのCDA製造装置は通常、数分割され、製作される。これは、1系統によるトラブル発生時のCDA供給停止を防ぐためである。例えば、この実施例において、1基あたり5000Nm3 /hr単位の装置を組み合わせた場合、最低4基,予備1基の5基の装置が一般的な設計となる。その5基の装置を連絡し、1基の20,000Nm3 /hrのCDA製造装置を設置する。これに対し、上記窒素ガス製造装置1で発生する排ガスを上記CDA製造装置の再生ガスとして利用した場合(本発明を採用した場合)には、再生ガスを不要とするため、最低3基,予備1基の4基の装置ですむ。すなわち、1基分の設備が不要になる。この効果として、設備費の20%を削減することができる。ただし、別途、排ガス利用のための設備が必要となるが、その設備費を差し引いても、10〜15%の設備費の削減が可能となる。
【0031】
この実施例では、窒素ガス製造装置1の排ガス圧力を、CDA製造装置のPSA装置の再生に必要な最低圧力(0.03MPa)にし、製造電力原単位改善率を算出しているが、排ガス圧力が高い場合には、PSA装置の吸着開始の復圧用として利用することができる。したがって、上記塔切替時の排ガス損失量を低減することができ、製造電力原単位をさらに低減することが可能になる。ただし、復圧時に排ガスを利用した場合に、この利用量によっては、排ガスの酸素もしくは窒素濃度が、CDA組成に影響を及ぼす可能性があるため、要求純度仕様に合わせた設計が必要となる。
【0032】
なお、上記実施の形態において、精製塔22,23等のPSA装置が複数台ある場合には、再生ガスホルダー2を共用し、PSA装置の運転サイクルを再生ガスの瞬断がないように組み合わせることにより、窒素ガス製造装置1側の排ガスの放出に影響を及ぼすことが防止されるとともに、全排ガスが有効利用され、製造コストの低減が図られる。
【0033】
また、CDAの組成変動がある程度許される場合には、切替工程の圧力充填時(復圧時)に排ガスを使用することができる。ただし、排ガスの圧力によっては、昇圧設備等が必要となる。その場合には、CDA用原料空気の圧縮に必要とする圧縮動力に対して、排ガスの圧縮に必要とする圧縮動力は、水分を含まない排ガスを圧縮する方が有利であること、および排ガス自身、ある程度の圧力を保持していることから、排ガス圧縮の方が有利となる。
【0034】
また、上記実施の形態では、PSA装置を用いているが、これに代えて、TSA(温度スイング吸着)装置もしくは他の水分除去装置において、CDAを再生ガスとして使用する方式のもの等を用いることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明のCDA製造方法によれば、空気分離装置から排出される排ガスを、CDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用しているため、CDA製造装置で生成されるCDAを再生ガスとして使用する使用量を低減させもしくは無くすことができ、その分、製品として得られるCDA量を増加させることができる。また、空気分離装置を有効利用することができ、大幅な動力削減が可能になる。しかも、排ガスを再生ガスとして利用するものであり、排ガスの組成に影響されることなく、これを有効利用することができる。しかも、窒素専用の深冷ガス分離装置において、内部で生成した排ガスを再度蒸留し、空気組成にして発生させる装置に比べて、安価で、管理等が簡単である。また、本発明のCDA製造装置によれば、上記優れた効果を奏するCDA製造方法を効率よく実現することができる。
【0036】
本発明のCDA製造方法では、上記空気分離装置から排出される排ガスを排ガス貯留タンクに導入してここで溜め、この溜めた排ガスをCDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、上記CDA製造装置で製造される製品CDAの一部を減圧して排ガス貯留タンクに導入するため、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなると、製品CDA取出路内のCDAの一部を減圧して排ガス貯留タンクに導入してここで溜めることができる。このため、排ガス貯留タンク内に常に排ガスおよびCDAの少なくとも一方を溜めることができ、CDA製造装置の運転に支障をきたすことがなくなる。また、本発明のCDA製造装置では、上記空気分離装置から排出される排ガスを導入して溜める排ガス貯留タンクを設け、この排ガス貯留タンクで溜めた排ガスをCDA製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記排ガス貯留タンクに、上記CDA製造装置の製品CDA取出路から分岐する分岐路を連通し、この分岐路に減圧装置を設け、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、製品CDA取出路内の製品CDAの一部を分岐路に通し減圧装置で減圧して排ガス貯留タンクに導入するため、上記と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCDA製造装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】窒素ガス製造装置の一例を示す構成図である。
【図3】従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 窒素ガス製造装置

Claims (2)

  1. 空気分離装置から排出される排ガスのうち、上記空気分離装置の前処理設備の再生用として利用されなかった排ガスを、排ガス貯留タンクに導入してここで溜め、この溜めた排ガスをクリーンドライエアー製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、上記クリーンドライエアー製造装置で製造される製品クリーンドライエアーの一部を減圧して排ガス貯留タンクに導入することを特徴とするクリーンドライエアー製造方法。
  2. 空気分離装置から排出される排ガスのうち、上記空気分離装置の前処理設備の再生用として利用されなかった排ガス導入して溜める排ガス貯留タンクを設け、この排ガス貯留タンクで溜めた排ガスをクリーンドライエアー製造装置の吸着剤の再生ガスとして利用し、上記排ガス貯留タンクに、上記クリーンドライエアー製造装置の製品クリーンドライエアー取出路から分岐する分岐路を連通し、この分岐路に減圧装置を設け、上記空気分離装置が停止して排ガス貯留タンクに排ガスを導入できなくなった場合に、製品クリーンドライエアー取出路内の製品クリーンドライエアーの一部を分岐路に通し減圧装置で減圧して排ガス貯留タンクに導入することを特徴とするクリーンドライエアー製造装置。
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