JP3798204B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真、静電印刷等において静電荷像を現像するために用いられるトナー及びこれに用いる新規ウレタン変性ポリエステル樹脂に関するもので、更に詳しくは帯電性、耐ブロッキング性、耐オフセット性のいずれもが良好であり、かつ巻き付き防止性、ワックス分散性にも優れた静電荷像現像用トナー及びこれに用いる新規ウレタン変性ポリエステル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフィスオートメーションの発展に伴い、電子写真法を利用した複写機やレーザープリンターの需要は急速に増加しており、それらの性能に対する要求も高度化している。一般に、電子写真法を用いて可視画像を得るには、セレン、アモルファスシリコン、有機半導体などの感光体を帯電した後露光し、トナーを含有する現像剤を用いて現像を行い、感光体上に形成されたトナー像を転写紙に転写した後熱ロールなどを用いて定着する方法が採られている。このとき、現像された画像にカブリがなく、十分な画像濃度を有する鮮明な画像が形成される必要があることは勿論であるが、近年特に、高速化、省エネルギー化、あるいは安全性の向上の見地から、より低い温度での定着処理を可能とすることが強く要請されており、またトナーも低温定着性の優れたものが求められている。トナーの定着性を改善するためには、一般に溶融時のトナーの粘度を低下させて定着基材との接着面積を大きくする必要があり、そのため従来使用するトナーのバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)を低下させる、あるいは分子量を小さくすることが行われている。しかしながら、ガラス転移点の低い樹脂は一般に耐ブロッキング性が良くないため、トナーの使用時あるいは貯蔵時に粉体として安定して存在させることが難しいし、またトナー画像を熱ロール定着方式により定着する際には定着時に熱ロールと溶融状態のトナーとが直接接触するが、この時熱ロール上に移行したトナーが次に送られてくる転写紙等を汚す、いわゆるオフセット現象が生じやすいという欠点がある。そしてこの傾向は、樹脂の分子量が小さい場合ほど顕著に現れる。
【0003】
また、近年電子写真方式での画像形成方式として、コンピューターやファクシミリからの情報を出力できるデジタル方式が脚光を浴びている。このデジタル方式の露光においては、露光手段としてレーザーが用いられているため、従来のアナログ方式に比べ微細な線画を出力でき、より繊細な画像を得るべく粒径の小さいトナーが要求されている。しかし、トナーの粒径を小さくした場合、ワックスの分散性が悪いとワックスが抜け落ち、微粉として回収される率が大きくなる。一般的に粉砕工程で生じた微粉は回収され、原料としてリサイクルされており、微粉のワックス含有量が多いと、リサイクルすることが困難になるので好ましくない。また、コピー機内でキャリアとの攪拌中にワックスがトナー表面から抜け落ち、帯電量を不安定にしたり、感光体上でフィルミングを起こしたりする原因となる。これらの問題を改良するため、ワックスはトナー中に細かく均一に分散していることが望ましいが、ワックスは一般的に低分子量のポリプロピレンやポリエチレンが用いられているため、総じてポリエステルなどとの相溶性は悪いものが多く、このためワックスの分散粒径は大きくなりがちである。
【0004】
また、荷電性、定着性の観点から、スチレンアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂に代えて、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いたトナーが種々提案されている(例えば、特開昭61−284771号公報、特開昭62−291668号公報、特公平7−101318号公報、特公平8−3663号公報、米国特許第4,833,057号明細書等)。しかし、ポリエステル樹脂は、一般にトナーのバインダー樹脂としてよく用いられているスチレンアクリル系樹脂に比べて表面張力が大きく、このため熱ロールへの紙の巻き付けが起き易くなるという問題を有している。また、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合、トナーの負帯電性は一般に末端カルボキシル基濃度の高さに比例して高くなるが、末端カルボキシル基濃度を高くした場合耐湿性が劣り、高湿時に水分の影響を受けトナーの帯電量が低下し、現像画像品質の低下が起こるという問題がある。
更には、トナーの取り扱いを含め複写機においてはメンテナンスフリーとすることも要求されており、長期間安定した現像画像を得ることのできるトナーの要望も高い。
【0005】
【発明が解決するための課題】
本発明は、これら従来の問題点がなく、かつ従来からトナーに要望されている上記諸特性を満たす静電荷像現像用トナー及びこのトナーに用いる新規ウレタン変性ポリエステル樹脂を提供すべくなされたものである。
即ち、本発明の目的は、帯電性、画像濃度、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性の何れもが良好でかつ、巻きつき防止性とワックスの分散性が良好な静電荷像現像用トナーを提供することであり、特に 本発明の目的は、高温高湿あるいは低温低湿時においても、常に安定した高濃度の現像画像を得ることができる静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明の他の目的は、長期間安定した現像画像を形成することができる静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明の更に他の目的は、静電荷像現像用トナーに用いられる新規ウレタン変性ポリエステル樹脂を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリエステル樹脂を原料として用い、これを多価イソシアネートと反応させることにより形成された、特定の酸価を有するウレタン変性ポリエステル樹脂を静電荷像現像用トナー中に含有せしめることにより上記目的を達成することができることを見い出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、次の(1)〜(6)の発明に関する。
(1)酸価が5〜20 KOH mg/g であり、水酸基価が40〜70 KOH mg/g である高分子化用ポリエステル樹脂(A)と、酸価が5
KOH mg/g 以下、水酸基価が10 KOH mg/g 以下で、かつ重量平均分子量が3,000〜5,000の低分子ポリエステル樹脂(B)と、多価イソシアネート化合物とを、(A):(B)が重量比で3〜5:7〜5で、かつ多価イソシアネート化合物を高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の合計の水酸基1当量あたりイソシアネート基として0.2〜1.2当量の量で用い、高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の溶融混合物にイソシアネート化合物を混合して反応させることにより得られた、トータル酸価が10 KOH mg/g 以下のウレタン変性ポリエステル樹脂(C)を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)高分子化用ポリエステル樹脂(A)は、10〜60℃のガラス転移点を有し、かつ少なくとも1種のジオールと、少なくとも1種のジカルボン酸と、全原料モノマーを基準にして0.5〜20モル%の量の少なくとも1種の三価以上の多価アルコール成分を少なくとも用い重縮合して得られたものであり、低分子ポリエステル樹脂(B)は、40〜70℃のガラス転移点を有し、かつ少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸を少なくとも用い重縮合して得られた線状ポリエステル樹脂であり、また多価イソシアネート化合物がジイソシアネート化合物であることを特徴とする上記(1)記載の静電荷像現像用トナー。
(3)高分子化用ポリエステル樹脂(A)が、少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸と、全原料モノマーを基準にして2〜20モル%の量の少なくとも1種の炭素数が8から22の脂肪族モノカルボン酸または炭素数が8から22の脂肪族モノアルコール及び全原料モノマーを基準にして2〜20モル%の量の少なくとも1種の三価以上の多価アルコール成分を用い重縮合して得られたものであることを特徴とする上記(2)記載の静電荷像現像用トナー。
(4)低分子ポリエステル樹脂(B)は、少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸と少なくとも1種のモノカルボン酸を用い重縮合して得られたものであることを特徴とする上記(2)または(3)記載の静電荷像現像用トナー。
(5)多価イソシアネート化合物は、高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の合計の水酸基1当量あたりイソシアネート基として0.3〜1.0当量の量で用いられることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(6)酸価が5〜20 KOH mg/g であり、水酸基価が40〜70 KOH mg/g である高分子化用ポリエステル樹脂(A)と、酸価が5 KOH mg/g
以下、水酸基価が10 KOH mg/g 以下で、かつ重量平均分子量が3,000〜5,000の低分子ポリエステル樹脂(B)と、多価イソシアネート化合物とを、(A):(B)が重量比で3〜5:7〜5で、かつイソシアネート化合物を高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の合計の水酸基1当量あたりイソシアネート基として0.2〜1.2当量の量で用い、高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の溶融混合物にイソシアネート化合物を混合して反応させることにより得られた、トータル酸価が10 KOH mg/g 以下の新規ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)。
【0007】
以下本発明を更に詳細に説明する。
上記するように、本発明のウレタン変性ポリエステル樹脂(C)は、特定酸価及び特定水酸基価を有する高分子化用ポリエステル樹脂(A)及び低分子ポリエステル樹脂(B)を原料として用いるものである。
まず高分子化用ポリエステル樹脂(A)であるが、高分子化用ポリエステル樹脂(A)は、酸価が5〜20 KOH mg/g で、水酸基価が40〜70 KOH mg/g であるという条件を満たすものであればどのようなポリエステル樹脂でも用いることができる。
【0008】
上記高分子化用ポリエステル樹脂(A)は、少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸と全原料モノマーを基準にして0.5〜20モル%の量の少なくとも1種の三価以上の多価アルコールとを少なくとも用い重縮合して製造されることが好ましく、重縮合時に更に全原料モノマーを基準にして2〜20モル%の量の少なくとも1種の炭素数が8から22の脂肪族モノカルボン酸又は炭素数が8から22の脂肪族モノアルコールを更に存在させることがより好ましい。
【0009】
高分子化用ポリエステル樹脂(A)を製造するために用いられるジオールとしては、従来ポリエステル樹脂を製造する際に用いられているものが何れも用いられうるが、好ましいものは、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水添ビスフェニールA、ビスフェニールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェニールA・プロピレンオキサイド付加物のようなビスフェノール誘導体などである。ビスフェニールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェニールA・プロピレンオキサイド付加物は、例えば下記一般式で示されるものが好ましいものとして挙げられる。
【0010】
【化1】
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、yはそれぞれ独立に1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
【0011】
一方、ジカルボン酸としては、従来ポリエステル樹脂を製造する際に用いられているものをいずれも用いることができ、好ましいものとしては、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類、これらジカルボン酸の無水物或いは低級アルキルエステルなどを挙げることができる。
また、三価以上の多価アルコール成分としては、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ソルビット、ソルビタンなどを例示することができる。三価以上の多価アルコール成分は、通常全原料モノマーを基準にして0.5モル%未満である場合には高分子化しづらく、耐オフセット性が不十分なものとなりがちであり、また逆に20モル%を超えるとゲル化しやすくなり重縮合し難くなるため、0.5〜20モル%の量で用いることが好ましく、2〜20モル%がより好ましい。
【0012】
また、炭素数が8から22の脂肪族モノカルボン酸としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられ、分岐や不飽和基を有していてもよい。
更に、炭素数が8から22の脂肪族モノアルコールとしては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
炭素数が8から22の脂肪族モノカルボン酸または炭素数が8から22の脂肪族モノアルコールの使用量は、全原料モノマーを基準にして2〜20モル%の量が好ましく、2モル%未満では巻き付き防止性やワックス分散の効果は少なく、20モル%を超える量ではモノ官能基化合物が重合を阻害し、高分子化しにくくなるため好ましくない。長鎖脂肪族は、ガラス転移点を下げる性質があるため、ガラス転移点調節のため、安息香酸やナフタレンカルボン酸などの芳香族モノカルボン酸を用いてもよい。
なお、必要であれば、三価以上の多価カルボン酸を用いることも可能であり、高分子化用ポリエステル樹脂(A)の原料として三価以上の多価カルボン酸が排除されるものではない。
【0013】
一方、低分子ポリエステル樹脂(B)は、酸価が5 KOH mg/g 以下、水酸基価が10 KOH mg/g 以下で、かつ重量平均分子量が3,000〜5,000の条件を満たすものであれば、その製造法、合成原料の如何を問わず、何れのものも用いることができる。ここにおいて、低分子ポリエステル樹脂(B)の重量平均分子量が3,000未満であると、形成されたトナーのオフセット性に問題が生じ好ましくない。また、定着性の観点から重量平均分子量が5,000以下の方がより好ましい。この低分子ポリエステル樹脂(B)として好ましいものとしては、少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸、必要に応じ少なくとも1種のモノカルボン酸を用いて製造された線状ポリエステル樹脂が挙げられる。
低分子ポリエステル樹脂(B)の製造に用いられるジオール及びジカルボン酸として好ましい化合物としては、上記高分子化用ポリエステル樹脂(A)を製造するための原料として挙げられたものと同じものを挙げることができる。
また、モノカルボン酸としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数が8〜22の脂肪族モノカルボン酸、安息香酸などの芳香族モノカルボン酸などを例示することができ、特に安息香酸が好ましい。
【0014】
上記高分子化用ポリエステル樹脂(A)及び低分子ポリエステル樹脂(B)を得る際の重縮合反応は、窒素ガス等の不活性ガス中での、例えば無溶剤下高温重縮合、溶液重縮合等の公知の方法により行うことができる。反応に際してのカルボン酸(ジカルボン酸、モノカルボン酸など)とアルコール(モノアルコール、ジオール、三官能アルコールなど)の使用割合は、前者のカルボキシル基に対する後者の水酸基の割合で0.7〜1.4であることが一般的である。
【0015】
本発明のトータル酸価が10 KOH mg/g 以下のウレタン変性ポリエステル樹脂(C)は、高分子化用ポリエステル樹脂(A)及び低分子ポリエステル樹脂(B)を多価イソシアネート化合物と反応させることにより製造されるが、その際低分子ポリエステル樹脂(B)の量が多くなると、静電荷像現像用トナーのバインダー樹脂として用いたときトナーのオフセット性が悪くなり、また高分子化用ポリエステル樹脂(A)の量が多くなると、トナーの低温定着性が悪くなる傾向がある。このため、高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の混合比は重量割合で、高分子化用ポリエステル樹脂(A):低分子ポリエステル樹脂(B)が3〜5:7〜5であるものが好ましい。また、ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)のトータル酸価が10 KOH mg/g を超えると、得られたポリウレタン変性ポリエステル樹脂(C)を含有するトナーの帯電量が低く、また高温高湿時でなくとも十分な濃度を有する現像画像を形成することができないため好ましくない。
【0016】
一方、上記多価イソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、下記(1)〜(5)で表されるイソシアネートを挙げることができる。
【0017】
【化2】
【0018】
これら多価イソシアネートの使用量は、通常全ポリエステル樹脂の水酸基1当量あたり、イソシアネート基として0.2〜1.2当量の量であり、好ましくは0.3〜1.0当量の量である。
【0019】
反応は、高分子化用ポリエステル樹脂(A)、低分子ポリエステル樹脂(B)及び多価イソシアネート化合物を溶融混合することにより行われるれるが、高分子化用ポリエステル樹脂(A)の溶融物と低分子ポリエステル樹脂(B)の溶融物を混練し、この混練物に多価イソシアネート化合物を添加し、溶融混練する方法が好ましい。この溶融混合を行うための具体的方法としては高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)との混合物を二軸押出機に一定スピードで注入し、同時に多価イソシアネートも一定速度で注入する、或いは二軸押出機の送り方向に対し順次低分子ポリエステル樹脂(B)、高分子化用ポリエステル樹脂(A)、多価イソシアネートを注入し、例えば100〜200℃の温度で混練搬送しながら反応を行わせるなどの方法が採用できる。このとき、二軸押出機に投入、或いは注入される反応原料である低分子ポリエステル樹脂(B)及び高分子化用ポリエステル樹脂(A)は、各々ポリエステル樹脂反応容器から冷却することなくそのまま直接押出機に注入するようにしてもよいし、また一旦製造した樹脂を冷却、破砕或いはビーズ化したものを二軸押出機に供給することによりおこなってもよい。しかし、本発明では、ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)を製造する方法がこれら具体的に例示された方法に限られるわけではなく、従来公知の方法例えば反応容器中に原料を仕込み、溶液状態となる温度に加熱し、混合するような方法など適宜の方法で行うことができることは勿論である。
本発明に用いられウレタン変性ポリエステル樹脂(C)は、0.1〜25%のゲル分を含有するものが好ましい。このゲル分は、樹脂5gを酢酸エチル100mlに4時間混合し、その後1昼夜放置した後、上澄液をスポイトにて静かに採取し、得られた溶解ポリマー量を不揮発分にて測定して得られたものである。
【0020】
なお、本発明において、酸価は、樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいい、また、水酸基価は、樹脂の水酸基と無水フタル酸とを反応させ、その反応に要した酸を、該樹脂1g当り中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいう。
【0021】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)の他に、必要に応じ該ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)以外の公知の他のバインダー樹脂、荷電調整剤、着色剤、ワックス、磁性体、研磨材、流動化材等トナーを製造する際に通常用いられる材料を含有せしめることができる。
【0022】
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)とともに用いることのできる他のバインダー樹脂としては、従来静電荷像現像用トナーのバインダー樹脂として公知のものであればいずれでもよく、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)以外のポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、架橋されたスチレン系共重合体などの樹脂が挙げられる。
【0023】
また、荷電制御剤としては、公知の荷電制御剤を単独でまたは併用して用いることができる。荷電制御剤は、トナーを所望する荷電量とするに必要な量であればよく、例えばバインダー樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部程度とするのが好ましい。正荷電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などが挙げられる。また、負荷電制御剤としては、Cr、Co、Al、Feなどの金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物などが挙げられる。
【0024】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて用いることができる着色剤としては、従来トナーの製造において用いられることが知られた着色剤がいずれも使用可能であり、これら着色剤の例としては、脂肪酸金属塩、種々のカーボンブラック、フタロシアニン系、ローダミン系、キナクリドン系、トリアリルメタン系、アントラキノン系、アゾ系、ジアゾ系などの染顔料があげられる。着色剤は、単独で或いは2種以上を同時に使用することができる。
【0025】
また、本発明の静電荷像現像用トナーにおいて用いることができる磁性体としては、従来磁性トナーの製造において使用されている強磁性の元素を含む合金、化合物等何れのものであってもよい。これら磁性体の例としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄または二価金属と酸化鉄との化合物、鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金、及びこれらの混合物があげられる。これらの磁性体は、平均粒径が0.1〜2μm、更には0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。また、磁性体のトナー中の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して、通常約20〜200重量部、好ましくは40〜150重量部である。また、トナーの飽和磁化としては、15〜35emu/g(測定磁場 1キロエルステッド)が好ましい。
【0026】
本発明のトナーは、さらに必要に応じて離型剤、滑剤、流動性改良剤、研磨剤、導電性付与剤、画像剥離防止剤等のトナーの製造に当たり使用されている公知の添加剤を内添、あるいは外添することができる。これら添加剤の例としては、離型剤としては、例えば低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックスなどのワックス状物質があげられ、これらは通常0.5〜5重量%程度の量でトナー中に加えられる。また、滑剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛などが、流動性改良剤としては、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタンなどが、研磨剤としては酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、タングステンカーバイド、炭酸カルシウムなどが、導電性付与剤としてはカーボンブラック、酸化スズなどがあげられる。また、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素含有重合体の微粉末は、流動性、研磨性、帯電安定性などの点から好ましいものである。
【0027】
本発明に係るトナーは、従来から公知の方法を用いて製造することができる。一般的には、上述したようなトナー構成材料を、ボールミル、ヘンシェルミキサーなどの混合機により充分混合したのち、熱ロールニーダー、一軸あるいは二軸のエクストルーダーなどの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、ハンマーミルなどの粉砕機を用いて機械的に粗粉砕し、次いでジェットミルなどにより微粉砕した後、分級する方法により製造するのが好ましい。しかし、トナーの製造法はこの方法に限られるものではなく、バインダー樹脂溶液中に他のトナー構成材料を分散した後、噴霧乾燥する方法、所謂マイクロカプセル法によりトナーを製造する方法、バインダー樹脂を形成する単量体に所定材料を混合し、乳化あるいは懸濁重合を行いトナーを得る重合法トナー製造法など他の方法も任意に採用することができる。
【0028】
本発明のトナーは、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできるし、トナー中に磁性粉を含有させた一成分現像剤或いはマイクロトーニング現像剤として用いることもできる。本発明のトナーが二成分現像剤として用いられる場合、キャリアとしては、従来公知のキャリアがいずれも使用できる。使用することができるキャリアとしては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のような磁性粉体やガラスビーズ等、あるいはこれらの表面を樹脂などで処理したものが挙げられる。キャリア表面を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、フッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など、あるいはこれらの混合物があげられる。これらのなかでは、スペントトナーの形成が少ないためフッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂が特に好ましい。
【0029】
本発明のトナーの粒径としては、重量平均粒径が3〜15μmのものが好ましい。特に、5μm以下の粒径を有するトナー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有するトナー粒子が1〜33個数%含有され、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が2.0重量%以下含有され、トナーの重量平均粒径が4〜10μmであることが、現像特性の上からはより好ましい。なお、トナーの粒度分布測定は、例えばコールターカウンターを用いて測定することができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により発明を更に具体的に説明する。しかし、以下の実施例は単に本発明を説明するためのものであり、本発明がこれら実施例に記載されたものに限定されるわけではない。
【0031】
高分子化用ポリエステル樹脂(A)の製造
製造例A1
5リットルの四つ口フラスコに、還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を取り付け、三井化学製ポリオールKB300(ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物)40.6モル%、トリメチロールプロパン10.2モル%、ステアリン酸4.8モル%、イソフタル酸44.4モル%の量仕込み、フラスコ内に窒素を導入しながら、180〜240℃で脱水縮合を行った。
反応生成物の酸価及び水酸基価が所定の値に達したところで反応生成物をフラスコより抜き出し、冷却、粉砕して、高分子化用ポリエステル樹脂A1を得た。得られた高分子化用ポリエステル樹脂A1の物性値を表1に示す。
【0032】
製造例A2〜A5
原料に用いるカルボン酸化合物及びアルコール化合物の種類及び量(モル比)を表1のものとすることを除いて、製造例A1に従い、高分子化用ポリエステル樹脂A2〜A5を製造した。得られた高分子化用ポリエステル樹脂の物性値を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
低分子ポリエステル樹脂(B)の製造
製造例B1〜B5
原料に用いるカルボン酸化合物及びアルコール化合物の種類及び量(モル比)を表2のものとすることを除いて、製造例A1に従い、低分子ポリエステル樹脂B1〜B5を製造した。得られた低分子ポリエステル樹脂B1〜B5の物性値を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
ウレタン変性ポリエステル樹脂(C)の製造
実施例1
高分子化用ポリエステル樹脂A1及び低分子ポリエステル樹脂B1を、A1が40重量%、B1が60重量%の割合で用い、かつ低分子ポリエステル樹脂B1をまず6kg/hrの流量で二軸混練機(栗本鉄工所製、KEX−40)に供給し、これに高分子化用ポリエステル樹脂A1を4kg/hrの流量で供給して溶融混練搬送し、この混練搬送中の樹脂混合物に、更にトリレンジイソシアネートを320g/hrの流量で供給して(NCO/OH当量比は0.82に相当。NCO/OH当量比)=(供給トリレンジイソシアネートのNCO基当量/hr)/(供給樹脂のOH基当量/hr)であり、((320/176)x2/((55.3x4+4.8x6)/56.11)=0.816 )、混練を続けて反応を行い、押出後冷却することによりウレタン変性ポリエステル樹脂C1を得た。このウレタン変性ポリエステル樹脂C1の物性を表3−1に示す。
【0037】
実施例2〜5
高分子化用ポリエステル樹脂(A)及び低分子ポリエステル樹脂(B)の種類及び混合比を表3−1に示す割合とした以外は実施例1に従い、ウレタン変性ポリエステル樹脂C2〜C5を得た。このウレタン変性ポリエステル樹脂C2〜C5の物性値を表3−1に示す。
【0038】
【表3−1】
【0039】
比較例1〜6
高分子化用ポリエステル樹脂(A)としてA1〜A5を用い、また低分子ポリエステル樹脂(B)としてB1、B2、B3、B5を用い、表3−2のC6〜C11の欄に記載の組み合わせ及び混合比とし、かつトリレンジイソシアネート供給量を表3−2の量とすることを除いて、実施例1を繰り返し行って、ウレタン変性ポリエステル樹脂C6〜C11を得た。ウレタン変性ポリエステル樹脂C6〜C11の物性を表3−2に示す。
【0040】
【表3−2】
【0041】
をヘンシェルミキサーで混合した後、二軸加熱混練機に投入して混練し、押し出されてきたものを室温で冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後ジェットミル粉砕機で微粉砕し、分級機に導き平均粒径12.5μm、6.4μm以下の粒径を有するものが1.0体積%以下、20.0μm以上に粒径を有するものが1.0体積%以下の磁性トナーを得た。このトナー粉100重量部に対し、疎水性シリカ(エアロジルR−972、日本エアロジル社製)を0.3重量部添加、混合して一成分磁性現像剤を得た。
この一成分磁性現像剤の帯電性及び画出し評価を行い、表4−1の結果を得た。表4−1に示すように、本実施例の現像剤は、帯電量及び画像濃度共に良好である。
【0042】
なお、帯電性及び画出しの各評価は次のように行われた。
(帯電量)
一成分磁性現像剤1gとノンコートフェライトキャリア19gを50ccのポリビンに入れ、30分混合した後、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用いトナーの帯電量を測定した。
(画出し試験)
複写機としてキャノン社製NP−6650を用い、常温、常湿(23℃、50%)(N/N)において30,000枚の複写を行い、また高温、高湿(30℃、85%)(H/H)において5,000枚の複写を行い、各々1枚目及び30,000枚或いは5,000枚目の画像濃度を測定した。
【0043】
実施例7〜10
ウレタン変性ポリエステル樹脂C1に代えてウレタン変性ポリエステル樹脂C2〜C5を用いることを除き、実施例6に従い、一成分磁性現像剤を得た。実施例6と同様にして、得られた現像剤の評価を行い、表4−1の結果を得た。表4−1から明らかなように、実施例7〜10の現像剤はいずれも帯電量及び現像画像濃度、耐久性、環境安定性に優れていることが分かる。
【0044】
【表4−1】
【0045】
比較例7〜12
ウレタン変性ポリエステル樹脂C1に代えてウレタン変性ポリエステル樹脂C6〜C11を用いることを除き、実施例6に従い、一成分磁性現像剤を得た。実施例6と同様にして、得られた現像剤の評価を行い、表4−2の結果を得た。表4−2から明らかなように、比較例7〜12の現像剤は、実施例6〜10のものに比べ帯電量、画像濃度ともに劣っていた。
【0046】
【表4−2】
【0047】
更に、実施例6〜10及び比較例7〜12で得られたトナーについて、定着下限温度、オフセット発生温度、耐ブロッキング性、ワックス分散性、巻き付き防止性を調べた。結果を表5−1、表5−2に示す。なお、各評価は次のように行われた。
(定着下限温度)
試験機としてキャノン社製NP−6650を用いて定着を行い、低温オフセットが発生せず定着している下限の温度を、定着下限温度とした。
(オフセット発生温度)
高温オフセットの発生した温度をオフセット発生温度とした。
(耐ブロッキング性)
現像剤50gを広口瓶に入れ、50℃×24時間放置し、放置後室温に戻し、現像剤中の大きな塊の有無を目視評価した。
○・・・大きな塊なし。
△・・・大きな塊があるが、簡単にほぐれる。
×・・・簡単にほぐれない大きな塊がある。
(ワックス分散性)
試験トナー片の透過型電子顕微鏡による観察で、5μm以上のワックス粒径が多く確認されたものは×とし、5μm以上のワックス粒径が少でも観察されたものは△とし、5μm以下の分散粒径であれば○とした。
(巻き付き防止性)
定着下限温度付近での紙の熱ロールへの巻き付きを観察して評価し、巻き付きが大きいものを×、巻き付きが少ないものを△、巻き付かないものを○とした。
【0048】
【表5−1】
【0049】
【表5−2】
【0050】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、特定の酸価、水酸基価、分子量を有する高分子化用ポリエステル樹脂(A)及び低分子ポリエステル樹脂(B)を多価イソシアネート化合物と反応させて得られた低酸価のウレタン変性ポリエステル樹脂(C)を静電荷像現像用トナーに含有せしめることにより、低酸価のポリエステル樹脂を用いるにもかかわらず帯電性に優れたトナーを製造することができ、またポリエステル樹脂が低酸価であるため耐湿性にすぐれ、高温、高湿時にも良好な現像画像を形成することができ、しかも低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性の何れもが良好で、巻きつき防止性やワックスの分散性の優れた静電荷像現像用トナーを得ることができ、どのような複写環境においても長期間安定した現像を行うことができるという優れた効果を有する。
Claims (6)
- 酸価が5〜20 KOH mg/g であり、水酸基価が40〜70 KOH mg/g である高分子化用ポリエステル樹脂(A)と、酸価が5 KOH mg/g 以下、水酸基価が10 KOH mg/g 以下で、かつ重量平均分子量が3,000〜5,000の低分子ポリエステル樹脂(B)と、多価イソシアネート化合物とを、(A):(B)が重量比で3〜5:7〜5で、かつ多価イソシアネート化合物を高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の合計の水酸基1当量あたりイソシアネート基として0.2〜1.2当量の量で用い、高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の溶融混合物にイソシアネート化合物を混合して反応させることにより得られた、トータル酸価が10 KOH mg/g 以下のウレタン変性ポリエステル樹脂(C)を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 高分子化用ポリエステル樹脂(A)は、10〜60℃のガラス転移点を有し、かつ少なくとも1種のジオールと、少なくとも1種のジカルボン酸と、全原料モノマーを基準にして0.5〜20モル%の量の少なくとも1種の三価以上の多価アルコール成分を少なくとも用い重縮合して得られたものであり、低分子ポリエステル樹脂(B)は、40〜70℃のガラス転移点を有し、かつ少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸を少なくとも用い重縮合して得られた線状ポリエステル樹脂であり、また多価イソシアネート化合物がジイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 高分子化用ポリエステル樹脂(A)が、少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸と、全原料モノマーを基準にして2〜20モル%の量の少なくとも1種の炭素数が8から22の脂肪族モノカルボン酸または炭素数が8から22の脂肪族モノアルコール及び全原料モノマーを基準にして2〜20モル%の量の少なくとも1種の三価以上の多価アルコール成分を用い重縮合して得られたものであることを特徴とする請求項2記載の静電荷像現像用トナー。
- 低分子ポリエステル樹脂(B)は、少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジカルボン酸と少なくとも1種のモノカルボン酸を用い重縮合して得られたものであることを特徴とする請求項2または3記載の静電荷像現像用トナー。
- 多価イソシアネート化合物は、高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の合計の水酸基1当量あたりイソシアネート基として0.3〜1.0当量の量で用いられることを特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 酸価が5〜20 KOH mg/g であり、水酸基価が40〜70 KOH mg/g である高分子化用ポリエステル樹脂(A)と、酸価が5 KOH mg/g
以下、水酸基価が10 KOH mg/g 以下で、かつ重量平均分子量が3,000〜5,000の低分子ポリエステル樹脂(B)と、多価イソシアネート化合物とを、(A):(B)が重量比で3〜5:7〜5で、かつイソシアネート化合物を高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の合計の水酸基1当量あたりイソシアネート基として0.2〜1.2当量の量で用い、高分子化用ポリエステル樹脂(A)と低分子ポリエステル樹脂(B)の溶融混合物にイソシアネート化合物を反応させることにより得られた、トータル酸価が10 KOH mg/g 以下のウレタン変性ポリエステル樹脂。
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