JP3797814B2 - ダンパーディスク組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパーディスク組立体、特に、動力伝達系における捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパーディスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のクラッチディスク組立体に用いられるダンパーディスク組立体は、入力フライホイールに連結され得る入力部材と、トランスミッションから延びるシャフトに連結される出力部材と、入力部材と出力部材とを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構とから構成されている。入力部材は、摩擦フェーシングとその内周側に固定された一対の入力プレートとから構成されている。出力部材はシャフトに相対回転不能に連結されたハブからなる。ハブは、シャフトにスプライン係合するボスと、ボスから半径方向に延びるフランジとを有している。ダンパー機構は、一対の入力プレートとフランジとを回転方向に弾性的に連結するスプリングと、一対の入力プレートとフランジとの間で摩擦を発生するための摩擦発生機構とから構成されている。一対の入力プレートとハブとが相対回転すると、スプリングが回転方向に圧縮されて摩擦発生機構で滑りが生じる。その結果、回転方向の捩じり振動が吸収・減衰される。
【0003】
ハブのフランジにはスプリングを収容するための窓孔(ばね収容孔)が形成されている。さらに、一対の入力プレートにはスプリングを支持するためのばね支持部(ばね収容部)が形成されている。窓孔はスプリングの円周方向両端及び半径方向両側を支持している。ばね支持部はスプリングの円周方向両端、半径方向両側及び軸方向両側を支持している。これにより、一対の入力プレートとフランジとが相対回転すると、スプリングは窓孔の円周方向片側端面とばね支持部の円周方向反対側端面との間で圧縮される。この圧縮時に窓孔又はばね支持部の円周方向端面は半径方向外側部分の円周方向移動量が半径方向内側部の円周方向移動量より大きいため、スプリングの外周側部分の円周方向幅は内周側部分の円周方向幅に比べて短くなっている。このようにスプリングが非平行に圧縮されると、スプリングにはせん断応力に加えて曲げ応力が生じ、寿命が短くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
窓孔及び支持部内に配置されるスプリングの種類として、コイルスプリングの内側に配置された弾性フロート体が知られている。弾性フロート体はたとえばゴムとその両端に配置された硬質樹脂とから形成された円柱形状の部材である。弾性フロート体はダンパーディスク組立体の自由状態において窓孔及びばね支持部の円周方向両端間で所定角度まで自由に移動可能である。弾性フロート体は、コイルスプリングの圧縮が進んだ途中から窓孔の円周方向片側端とばね支持部の円周方向反対側端との間で圧縮され、その結果ダンパー機構の剛性を急激に高める。このようにして、弾性フロート体はダンパーディスク組立体においてストッパートルクを実現する。
【0005】
ところが、従来の技術で述べたようにコイルスプリングが非平行に圧縮されると、コイルスプリングにより弾性フロート体の姿勢が傾いてしまい、弾性フロート体の端面と他の部材(プレート部材端面又はスプリングシート)とが部分的にしか当接しない状態となることがある。この場合は、弾性フロート体が十分に大きな荷重を発生することができず、所望のストッパートルクが得られない。
【0006】
本発明の課題は、ダンパーディスク組立体における弾性部材の非平行圧縮から生じる不具合を減らすことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のダンパーディスク組立体は、第1回転部材と第2回転部材とコイルスプリングと一対のスプリングシートと弾性体と大コイルスプリングとを備えている。第1回転部材はばね収容孔が形成された板状の部材である。第2回転部材は、ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され、第1回転部材の近傍に配置された板状の部材である。コイルスプリングは、ばね収容孔とばね収容部内に配置され、第1回転部材と第2回転部材との間でトルク伝達可能である。一対のスプリングシートはコイルスプリングの円周方向両端に配置されている。一対のスプリングシートは、コイルスプリングの円周方向両端を支持するとともにコイルスプリングの内側に係合し、ばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能である。弾性体はコイルスプリング内に配置されている。弾性体は第1回転部材と第2回転部材が相対回転して一対のスプリングシート同士が接近すると一対のスプリングシートに挟まれて圧縮される。大コイルスプリングは、コイルスプリングの外側に配置され、第1回転部材と第2回転部材との間で1対のスプリングシートを介さずにトルク伝達可能である。一対のスプリングシートは、ばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端によって第1及び第2回転部材の回転軸に平行な軸回りで回転可能となるように支持されている。
【0008】
請求項1に記載のダンパーディスク組立体では、たとえば第2回転部材にトルクが入力されると、コイルスプリングを介して第1回転部材にトルクが伝達される。トルク変動により第1回転部材と第2回転部材が相対回転するときにはコイルスプリングが圧縮されて捩じり振動を吸収・減衰する。具体的には、コイルスプリングは窓孔の円周方向片側の端部とばね収容部の円周方向反対側の端部との間で圧縮される。コイルスプリング圧縮時に、スプリングシートがばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端によって回転可能に支持されているため、スプリングシートはコイルスプリングから作用する荷重によって回転する。このためコイルスプリングは従来に比べて平行に圧縮される。この結果、弾性体は、コイルスプリングによって姿勢が定められ、一対のスプリングシート間で従来に比べて平行に圧縮される。すなわち、弾性体は十分に大きな荷重を発生する。
【0009】
請求項2に記載のダンパーディスク組立体は、第1回転部材と第2回転部材と第1コイルスプリングと第2コイルスプリングと一対のスプリングシートとを備えている。第1回転部材はばね収容孔が形成された板状の部材である。第2回転部材は、ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され、第1回転部材の近傍に配置された板状の部材である。第1コイルスプリングは、ばね収容孔とばね収容部内に配置されている。第1コイルスプリングは、ばね収容孔とばね収容部の円周方向両端に支持され、第1回転部材と第2回転部材との間でトルク伝達可能である。第2コイルスプリングは、ばね収容孔とばね収容部内でさらに第1コイルスプリング内に配置され、第1回転部材と第2回転部材との間でトルク伝達可能である。一対のスプリングシートは第2コイルスプリングの円周方向両端に配置されている。一対のスプリングシートは、第2コイルスプリングの円周方向両端を支持するとともに、第2コイルスプリングの内側に係合している。一対のスプリングシートはばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能である。一対のスプリングシートは、ばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端によって、第1及び第2回転部材の回転軸に平行な軸回りで回転可能となるように支持されている。ばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端は、第1コイルスプリングの円周方向両端を支持する第1支持部と、スプリングシートを支持する第2支持部とを有しており、スプリングシートと第1コイルスプリングの円周方向両端との間には円周方向に第1隙間が確保されている。
【0010】
請求項2に記載のダンパーディスク組立体では、たとえば第2回転部材にトルクが入力されると、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングを介して第1回転部材にトルクが伝達される。トルク変動により第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると、その間で第1コイルスプリングと第2コイルスプリングが平行に圧縮されて捩じり振動を吸収・減衰する。具体的には、第1コイルスプリングはばね収容孔の円周方向片側端とばね収容部の円周方向反対側端との間で圧縮される。第2コイルスプリングはスプリングシートを介してばね収容孔の円周方向片側端とばね収容部の円周方向反対側端との間で圧縮される。ここでは、スプリングシートがばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端によって回転可能に支持されているため、スプリングシートは第2コイルスプリングから作用する荷重によって回転する。このため第2コイルスプリングは従来に比べて平行に圧縮される。ここでは、一対のスプリングシートには第2コイルスプリングからの荷重のみが作用するため、一対のスプリングシートはスムーズに回転する。
【0011】
また、このダンパーディスク組立体では、第1コイルスプリングの円周方向両端とスプリングシートは互いに接触しにくくなっている。つまり、第1コイルスプリングからスプリングシートには荷重が作用しないため、スプリングシートがばね収容孔又はばね収容部に強く押し付けられることはない。
【0012】
請求項3に記載のダンパーディスク組立体では、請求項1または2において、ばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端には、円周方向に開いた円弧形状の凹部が形成されている。スプリングシートは凹部に係合する係合部を有する。
【0013】
請求項4に記載のダンパーディスク組立体では、請求項2において、第2支持部は円周方向に開いた円弧形状の凹部であり、スプリングシートは凹部に係合する係合部を有する。
【0014】
請求項5に記載のダンパーディスク組立体では、請求項2〜4のいずれかにおいて、第1支持部と第2コイルスプリングの円周方向両端との間には円周方向に第2隙間が確保されている。
【0015】
請求項5に記載のダンパーディスク組立体では、第2コイルスプリングはスプリングシートを介してのみばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端に支持されている。第2コイルスプリングがばね収容孔及びばね収容部に接触しないため、第2コイルスプリングからスプリングシートに対して十分な荷重が作用する。
【0016】
請求項6に記載のダンパーディスク組立体は、第1回転部材と第2回転部材と第1コイルスプリングと第2コイルスプリングと一対のスプリングシートとを備えている。第1回転部材はばね収容孔が形成された円坂状の部材である。第2回転部材は、ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され、第1回転部材の軸方向両側に配置され互いに固定された一対の板状部材からなる。第1コイルスプリングはばね収容孔とばね収容部内に配置されている。第1コイルスプリングは、ばね収容孔とばね収容部の円周方向両端に支持され、第1回転部材と第2回転部材との間でトルク伝達可能である。第2コイルスプリングは、ばね収容孔とばね収容部内でさらに第1コイルスプリング内に配置され、第1回転部材と第2回転部材との間でトルク伝達可能である。一対のスプリングシートは第2コイルスプリングの円周方向両端に配置されている。一対のスプリングシートは第2コイルスプリングの円周方向両端を支持するとともに第2コイルスプリングの内側に係合している。一対のスプリングシートはばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能である。一対のスプリングシートは、ばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端によって第1及び第2回転部材の回転軸に平行な軸回りで回転可能となるように支持されている。スプリングシートは、第1コイルスプリングの円周方向両端に対向する対向面を軸方向両端に有しており、第1コイルスプリングの円周方向両端と対向面との円周方向間には第1隙間が確保されている。
【0017】
請求項6に記載のダンパーディスク組立体では、たとえば第2回転部材にトルクが入力されると、第1コイルスプリングと第2コイルスプリングを介して第1回転部材にトルクが伝達される。トルク変動により第1回転部材と第2回転部材が相対回転すると、その間で第1コイルスプリングと第2コイルスプリングが平行に圧縮されて捩じり振動を吸収・減衰する。具体的には、第1コイルスプリングはばね収容孔の円周方向片側端とばね収容部の円周方向反対側端との間で圧縮される。第2コイルスプリングはスプリングシートを介してばね収容孔の円周方向片側端とばね収容部の円周方向反対側端との間で圧縮される。ここでは、スプリングシートがばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端によって回転可能に支持されているため、スプリングシートは第2コイルスプリングから作用する荷重によって回転する。このため第2コイルスプリングは従来に比べて平行に圧縮される。ここでは、一対のスプリングシートには第2コイルスプリングからの荷重のみが作用するため、一対のスプリングシートはスムーズに回転する。
【0018】
また、このダンパーディスク組立体では、第1コイルスプリングの円周方向両端とスプリングシートの対向面とは互いに接触しにくくなっている。その結果、第1コイルスプリングからスプリングシートには荷重が作用しにくく、スプリングシートがばね支持部又はばね収容部に強く押し付けられない。
【0019】
請求項7に記載のダンパーディスク組立体では、請求項6において、スプリングシートは軸方向長さが半径方向長さより長くなっている。
【0020】
請求項7に記載のダンパーディスク組立体では、スプリングシートは第1コイルスプリングの円周方向端面に対向する部分が少なくなっている。これにより第1コイルスプリングがスプリングシートに接触しにくくなっている。その結果、第1コイルスプリングからスプリングシートに荷重が作用しにくいため、スプリングシートがばね収容孔又はばね収容部に強く押し付けられない。
【0021】
請求項8に記載のダンパーディスク組立体では、請求項7において、ばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端は一対の第1支持部と第2支持部とを有している。第1支持部は第1コイルスプリングの円周方向両端に当接するように半径方向に並んでいる。第2支持部は一対の第1支持部の半径方向間に形成され一対のスプリングシートを支持している。
【0022】
請求項9に記載のダインパーディスク組立体では、請求項8において、第2支持部は円周方向に開いた円弧形状の凹部である。スプリングシートは、凹部に係合する係合部を有する。
【0023】
請求項10に記載のダンパーディスク組立体では、請求項9において、対向面は、半径方向両側が半径方向中央部分より円周方向外側に位置している。このため、スプリングシートが第1及び第2回転部材に対して回転しても、対向面は第1コイルスプリングに接触しにくい。
【0024】
請求項11に記載のダンパーディスク組立体では、請求項8〜10のいずれかにおいて、第1支持部と第2コイルスプリングの円周方向両端との間には円周方向に第2隙間が確保されている。
【0025】
請求項11に記載のダンパーディスク組立体では、第2コイルスプリングはスプリングシートを介してのみばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端に支持されている。第2コイルスプリングの円周方向両端と第1支持部は互いに接触しにくいため、第2コイルスプリングからスプリングシートに対して十分な荷重が作用する。
【0026】
請求項12に記載のダンパーディスク組立体では、請求項5〜11のいずれかにおいて、スプリングシートはばね収容孔及びばね収容部の一方の円周方向端に係合した状態で軸方向移動が規制される規制部を有している。
【0027】
請求項12に記載のダンパーディスク組立体では、スプリングシートはばね収容孔及びばね収容部の少なくとも一方に常に軸方向移動を規制されている。
【0028】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1に本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組立体1(ダンパーディスク組立体)の断面図を示し、図2にその平面図を示す。クラッチディスク組立体1は、車両のクラッチ装置に用いられる動力伝達装置であり、クラッチ機能とダンパー機能とを有している。クラッチ機能とはフライホイール(図示せず)に連結及び離反することによってトルクの伝達及び遮断をする機能である。ダンパー機能とは、ばね等によりフライホイール側から入力されるトルク変動を吸収・減衰する機能である。
【0029】
図1においてO−Oがクラッチディスク組立体1の回転軸線である。図1の左側にエンジン及びフライホイール(図示せず)が配置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。さらに、図2の矢印R1側がクラッチディスク組立体1の回転方向駆動側(正側)であり、矢印R2がその反対側(負側)である。
【0030】
クラッチディスク組立体1は、主に、入力回転体2と、スプラインハブ3と、入力回転体2とスプラインハブ3との間に配置されたダンパー機構4とから構成されている。
【0031】
入力回転体2は、フライホイール(図示せず)からトルクが入力される部材である。入力回転体2は主にクラッチプレート5及びリテーニングプレート6(第2回転部材)とクラッチディスク12とから構成されている。クラッチプレート5とリテーニングプレート6は、ともに板金製の円坂状又は環状の部材であり、軸方向に所定の間隔をあけて配置されている。クラッチプレート5はエンジン側に配置され、リテーニングプレート6はトランスミッション側に配置されている。クラッチプレート5とリテーニングプレート6は板状連結部7により互いに固定され、その結果軸方向の間隔が定められるとともに一体回転するようになっている。
【0032】
クラッチディスク12は、図示しないフライホイールに押しつけられ連結する部分である。クラッチディスク12はクッションニングプレートや摩擦フェーシングから構成されている。クラッチディスク12はリベット10によりクラッチプレート5及びリテーニングプレート6の外周部に固定されている。
【0033】
クラッチプレート5及びリテーニングプレート6には、それぞれ中心孔が形成されている。この中心孔内にはスプラインハブ3が配置されている。スプラインハブ3には図示しないトランスミッションから延びるシャフトがスプライン係合している。スプラインハブ3の外周側においてプレート5,6の軸方向間にはハブフランジ8(第1回転部材)が配置されている。ハブフランジ8は中心孔が形成された円坂状の部材である。ハブフランジ8は、コイルスプリング9によってスプラインハブ3に回転方向に連結されている。
【0034】
次に、プレート5,6とハブフランジ8の間に設けられたダンパー機構4の構造について説明する。ダンパー機構4は複数のコイルスプリング組立体13から構成されている。各コイルスプリング組立体13は、大コイルスプリング30(第1コイルスプリング)と、小コイルスプリング31(第2コイルスプリング)と、小コイルスプリング31の両端に配置された一対のスプリングシート34とから構成されている。さらに、コイルスプリング組立体13は弾性フロート体32(弾性体)を備えている。
【0035】
次に、プレート5,6及びハブフランジ8におけるコイルスプリング組立体13を支持する部分の構造について、さらにそれら部分とコイルスプリング組立体13との関係について詳細に説明する。
【0036】
ハブフランジ8には回転方向に等間隔で4つの窓孔21が形成されている。窓孔21は回転方向に長く延びる形状である。窓孔21の縁は、円周方向両側の当接部24(円周方向両端)と、外周側の外周部22と、内周側の内周部23とから構成されている。当接部24は、窓孔21の円周方向中心を通る半径方向の線に概ね平行に形成されている。外周部22はクラッチディスク組立体1の回転方向に沿って湾曲して延び、内周部23は当接部24に対して概ね垂直に延びている。当接部24の半径方向中間部分には切欠き27(凹部)が設けられている。切欠き27はクラッチディスク組立体1の円周方向に開いた円弧形状である。これにより、窓孔21の当接部24は、切欠き27(第2支持部)とその半径方向両側の直線部25,26(第1支持部)とから構成されている。
【0037】
この窓孔21内にコイルスプリング組立体13が配置されている。大コイルスプリング30は円周方向両端が当接部24に支持されている。具体的には、大コイルスプリング30の円周方向両端の半径方向両側部分が当接部24の直線部25,26にそれぞれ当接又は近接している。小コイルスプリング31は、線径及びコイル径が大コイルスプリング30に比べて小さいばねであり、大コイルスプリング30に比べてばね定数が小さい。小コイルスプリング31は大コイルスプリング30内に配置されている。小コイルスプリング31は円周方向両端がスプリングシート34(後述)を介して当接部24に支持されている。
【0038】
次に、スプリングシート34の構造について説明する。図5に示すように、スプリングシート34は、軸方向に長く延びる部材であり、支持部41と突出部42と回転部43と規制部44とから構成されている。支持部41は、軸方向に長く延び平坦な支持面41aを片側に有している。突出部42は支持面41aの軸方向中間部分から円周方向に突出している。突出部42は、概ね円柱形状であり、当接面42aと外周面42bを有している。当接面42aは平坦な面であり、互いに平行になっている。当接面42aと外周面42bとの境界には面取り42cが形成されている。支持面41aの軸方向両縁は同一の円の円弧となっている。小コイルスプリング31がスプリングシート34に組み付けられた状態では、小コイルスプリング31の円周方向端部は支持面41aに円周方向から当接し、小コイルスプリング31の内側は外周面42bに当接している。小コイルスプリング31の内径が自由状態で外周面42bより小さい場合は、小コイルスプリング31の両端は外周面42bを締め付けている。なお、図3に示すように、小コイルスプリング31の外径は支持面41aの軸方向両端縁とほぼ一致している。
【0039】
回転部43(係合部)は支持部41の突出部42と反対側に設けられている。回転部43は支持部41からさらに軸方向両側に延びている。回転部43の支持部41と反対側には係合面43aが形成されている。係合面43aはクラッチディスク組立体1の軸方向と垂直に交差する断面又は平面視において円弧形状となっている。係合面43aの軸方向中間部は窓孔21の切欠き27に係合している。このため、スプリングシート34は、当接部24に対してクラッチディスク組立体1の円周方向内側(対向するスプリングシート34側)に離脱可能に、かつ、クラッチディスク組立体1の半径方向に移動不能になっている。ただし、スプリングシート34は当接部24によって支持された状態でクラッチディスク組立体1の回転軸O−Oと平行な軸C回りで回転が可能となっている。なお、この回転軸Cはスプリングシート34,特に支持部41上に位置している。
【0040】
係合面43aの支持部41と反対側には2つの規制部44が設けられている。2つの規制部44は軸方向中間部分において軸方向に間隔を開けて形成されている。規制部44は概ね三ヶ月形状であり係合面43a全体にわたって延びている。2つの規制部44はハブフランジ8の軸方向両側に位置している。すなわち2つの規制部44は、ハブフランジ8において切欠き27からさらに円周方向外側の部分に対して軸方向に対向している。この結果、スプリングシート34は窓孔21の円周方向端部に係合した状態ではハブフランジ8に対して軸方向両側への移動が制限されている。回転部43の支持部41側には対向面43bが形成されている。対向面43bは支持部41の軸方向両側に形成されている。対向面43bは軸方向に垂直に交差する断面又は平面視において円弧形状であり、その半径方向両側部分は半径方向中間部分に比べて円周方向外側に位置している。これにより、対向面43bの半径方向両端は、スプリングシート34が回転軸C回りで回転した状態でも大コイルスプリング30に当接しにくくなっている。なお、対向面43bの円弧は係合面43aの円弧より半径が大きい。
【0041】
図4に示すように、支持面41aは当接部16の直線部17,18よりさらにクラッチディス組立体1の円周方向内側(対向するスプリングシート34側)に位置している。これにより、小コイルスプリング31の円周方向端面と直線部17,18との間に所定の隙間S2(第2隙間)が確保されている。なお、隙間S2の大きさは、小コイルスプリング31圧縮時でも小コイルスプリング31が直線部17,18等に接触しないように設定されている。
【0042】
クラッチプレート5及びリテーニングプレート6の外周部には回転方向に等間隔で4つのばね支持部11(ばね収容部)が形成されている。各ばね支持部11は軸方向に貫通した孔である。ばね支持部11は窓孔21に位置及び形状が対応して形成されている。各ばね支持部11には外周側覆い部14と内周側覆い部15が形成されている。外周側覆い部14は絞り加工により形成された起こし部であり、コイルスプリング組立体13の軸方向外側及び半径方向外方への移動を制限するためのものである。内周側覆い部15は、プレート本体から一体に切り起こされた形状であり、コイルスプリング組立体13の軸方向外側及び半径方向内側の移動を制限するためのものである。なお、内周側覆い部15の円周方向両端はプレート本体から切り起こされているが、外周側覆い部14の円周方向両端は外周側部分から半径方向内側に延びる補強部14aを有している。補強部14aはプレート体から垂直に延びている。
【0043】
ばね支持部11は、外周側覆い部14からなる外周縁と、概ね内周側覆い部15からなる内周縁と、円周方向両側の当接部16とを有している。当接部16には半径方向中間部に切欠き19(第2支持部)が形成されている。切欠き19は切欠き27に対応して同様の形状となっている。すなわち、当接部16は、半径方向両側の直線部17,18(第1支持部)と、その間に形成された切欠き19とから構成されている。なお、外周側の直線部17は概ね補強部14aの内側面で形成され、内周側の直線部18は内周側覆い部15の切り起こしにより形成されたせん断面から構成されている。
【0044】
プレート5,6の切欠き19に回転部43の係合面43a(特に軸方向両側部分)が係合している。これにより、スプリングシート34は、当接部16に対して円周方向内側(対向するスプリングシート34側)に離脱可能に、かつ、当接部16によって支持された状態でクラッチディスク組立体1の回転軸O−Oに平行な軸C回りで回転可能となっている。
【0045】
また、一方の規制部44はプレート5の軸方向内側(プレート6側)に位置し、他方の規制部44はプレート6の軸方向内側(プレート5側)に位置している。すなわち2つの規制部44は、プレート5,6において切欠き27からさらに円周方向外側の部分に対して軸方向に対向している。この結果、スプリングシート34はばね支持部11の円周方向端部に係合した状態ではプレート5,6に対して軸方向両側への移動が制限されている。
【0046】
また、対向面43bは大コイルスプリング30の円周方向端面の軸方向両側部分と対向している。しかし、対向面43bは直線部17,18に対して円周方向外側に位置しており、これにより、大コイルスプリング30の円周方向端面と対向面43bとの間に所定の隙間S1(第1隙間)が確保されている。この隙間S1は、大コイルスプリング30圧縮時でも大コイルスプリング30が対向面43bに当接しないように設定されている。
【0047】
以上をまとめると、小コイルスプリング31は両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)に回動自在に支持されたスプリングシート34のみを介して両回転部材に支持されている。また、大コイルスプリング30は両回転部材に直接支持されており、スプリングシート34に荷重を与えない構成となっている。スプリングシート34は両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)に回動自在に支持されている。スプリングシート34の当接面42aは、中立状態で平面から見て当接部16,24の直線部17,18,25,26に平行であるが、スプリングシート34が回転軸C回りで回転すると直線部17,18,25,26に対して傾くことが可能である。
【0048】
弾性フロート体32は窓孔21及びばね支持部11内でさらに大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31内に配置された弾性部材である。弾性フロート体32は、捩じり角度が大きくなると圧縮されることで高剛性の特性を実現するための部材である。すなわち弾性フロート体32は小コイルスプリング31内で一対のスプリングシート34の円周方向間に所定距離又は角度移動可能になっており、両回転体の捩じり角度が大きくなるまでは圧縮されない。
【0049】
弾性フロート体32は例えば弾性樹脂材料から一体に成形された弾性体である。弾性樹脂材料の種類としては熱可塑性ポリエステル・エラストマー等がある。弾性フロート体32は概ね円柱形状であり、中間の本体と、本体の両側に設けられたシート部とから構成されている。シート部は本体に比較して径が大きく、小コイルスプリング31の内径よりわずかに小さい。弾性フロート体32の円周方向長さ又は円周方向角度は、一対のスプリングシート34同士の円周方向間又は当接面42a間の円周方向長さ又は円周方向角度より短くなっている。すなわち、弾性フロート体32は、小コイルスプリング31内において一対のスプリングシート34間で円周方向に移動自在となっており、大コイルスプリング30と小コイルスプリング31の圧縮初期段階では圧縮されないようになっている。
【0050】
なお、この実施形態では弾性フロート体32は、弾性樹脂材料から構成されているが、たとえば従来のようにゴムからなる弾性部とその両側に設けられた硬質樹脂からなる構造でもよい。
【0051】
次に、図11及び図12を用いてダンパー機構4の動作について説明する。
【0052】
図11は中立状態であり、プレート5,6とハブフランジ8とは相対回転していない。図11の状態からプレート5,6を他の部材に回転不能に固定しておき、それに対してハブフランジ8を回転方向R2側に回転させていく。すると、ハブフランジ8の窓孔21のR1側当接部24と、プレート5,6のばね支持部11のR2側当接部16との間で大コイルスプリング30と小コイルスプリング31とが並列に圧縮されていく。図12の状態になると、弾性フロート体32は一対のスプリングシート34に挟まれ、両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)の相対回転が停止する。
【0053】
大コイルスプリング30と小コイルスプリング31が圧縮されていく途中では、窓孔21のR1側当接部24においては半径方向外側部分が内側部分に比べて回転方向の移動量が大きいため、大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31は外周側部分の圧縮量が内周側部分の圧縮量より大きくなることが考えられる。しかし、小コイルスプリング31は回転可能な一対のスプリングシート34に支持されているため、小コイルスプリング31は従来に比べて平行状態に近い状態で圧縮される。すなわち、スプリングシート34は小コイルスプリング31から作用する荷重により切欠き19,27に対して押しつけられることで回動する。具体的には、R1側のスプリングシート34は当接面42aが半径方向外側を向くように、R2側のスプリングシート34は当接面42aが半径方向内側を向くように回転する。
【0054】
上記動作中におけるスプリングシート34の支持状態をより詳細に説明する。R1側のスプリングシート34は窓孔21のR1側当接部24に支持されており、R2側のスプリングシート34はばね支持部11のR2側当接部16に支持されている。より具体的には、R1側のスプリングシート34はその回転部43の係合面43a特に軸方向中間部分が当接部24の切欠き27によってクラッチディステク組立体1の円周方向に支持されている。また、R2側のスプリングシート34はその回転部43の係合面43a特に軸方向両側部分がプレート5,6の当接部16の切欠き19によってクラッチディス組立体1の円周方向にそれぞれ支持されている。以上の状態において各スプリングシート34は各切欠き19,27に対して小コイルスプリング31によって付勢されて、切欠き19,27の形状に沿って回転するようになっている。
【0055】
また、小コイルスプリング31のR1側端とハブフランジ8の当接部24(特に直線部25)との間には、最も相対回転角度が大きくなった状態でも、円周方向に隙間が確保されている。すなわち、小コイルスプリング31は圧縮時にハブフランジ8に接触することはない。このため、小コイルスプリング31からの荷重はすべてスプリングシート34に作用し、スプリングシート34を回転させる。さらに、大コイルスプリング30の両端は各スプリングシート34の対向面43bとの間には、最も相対回転角度が大きくなった状態でも円周方向に隙間が確保されている。すなわち、大コイルスプリング30は圧縮時にスプリングシート34に接触することはない。このためスプリングシート34が切欠き19,27に対して必要以上に強く押しつけられることはない。そのため、スプリングシート34が切欠き19,27に対して回転軸C回りで回転するときに大きな摺動抵抗が発生しない。
【0056】
以上に述べたように、小コイルスプリング31は従来に比べて平行に圧縮されることで曲げ応力が発生しにくい。そのため小コイルスプリング31の耐久性が向上する。
【0057】
さらに、小コイルスプリング31が従来に比べて平行に圧縮されることで弾性フロート体32の姿勢が適切な状態に保たれる。具体的には、弾性フロート体32の当接面32aとスプリングシート34の当接面42aが全面的に当接する。すなわち両当接面32a,42aに対してほぼ垂直に力が作用する。さらに言い換えると、一対のスプリングシート34と弾性フロート体32は図12に示す当接状態で弾性フロート体32はほぼ平行に圧縮されており、十分に大きな荷重を発生する。また、平行圧縮により弾性フロート体32の耐久性が向上する。
【0058】
弾性フロート体32は各ばね支持部11,窓孔21全てに配置されているが、4つのばね支持部11、窓孔21のうちいくつかのみに配置されていてもよい。
第2実施形態
図13〜図20に示す第2実施形態においては、第1実施形態と異なる点のみを詳細に説明して、同様の部分は説明を省略する。
【0059】
各コイルスプリング組立体13は、大コイルスプリング30(と、小コイルスプリング31と、小コイルスプリング31の両端に配置された一対のスプリングシート34とから構成されている。このコイルスプリング組立体13は、図19に示すように、弾性フロート体を有していない。
【0060】
スプリングシート34は全体が弾性樹脂材料から一体に成形されている。弾性樹脂材料としては熱可塑性ポリエステル・エラストマー等がある。各スプリングシート34に突出部51が設けられている。この突出部51は互いに当接することで両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)の相対回転を停止させるための部分である。図13に示すように、突出部51は突出部42から延びる延長部52と、延長部52に設けられた当接部53とから構成されている。延長部52及び当接部53は突出部42より径が小さくなっており、小コイルスプリング31の内側面から間隔を開けて配置されている。当接部53は、延長部52より径が大きい外周面55と、先端の当接面54とを有している。当接面54は平坦な面であり、互いに平行になっている。当接面54と外周面55との間には面取り56が形成されている。
【0061】
スプリングシート34の当接面54aは、中立状態で平面から見て当接部16,24の直線部17,18,25,26に平行であるが、スプリングシート34が回転軸C回りで回転すると直線部17,18,25,26に対して傾くことが可能である。
【0062】
次に、図19及び図20を用いてダンパー機構4の動作について説明する。
【0063】
図19は中立状態であり、プレート5,6とハブフランジ8とは相対回転していない。図19の状態からプレート5,6を他の部材に回転不能に固定しておき、それに対してハブフランジ8を回転方向R2側に回転させていく。すると、ハブフランジ8の窓孔21のR1側当接部24と、プレート5,6のばね支持部11のR2側当接部16との間で大コイルスプリング30と小コイルスプリング31とが並列に圧縮されていく。図20の状態になると、一対のスプリングシート34は当接面54同士が互いに当接し、両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)の相対回転が停止する。このとき一対のスプリングシート34によって十分に大きなストッパートルクが得られる。
【0064】
大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31が圧縮される途中では、窓孔21のR1側当接部24においては半径方向外側部分が内側部分に比べて回転方向の移動量が大きいため、大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31は外周側部分の圧縮量が内周側部分の圧縮量より大きくなることが考えられる。しかし、小コイルスプリング31は回転可能な一対のスプリングシート34に支持されているため、小コイルスプリング31は従来に比べて平行状態に近い状態で圧縮される。すなわち、スプリングシート34は小コイルスプリング31から作用する荷重によって切欠き19,27に対して押しつけられることで回動する。具体的には、R1側のスプリングシート34は当接面54が半径方向外側を向くように、R2側のスプリングシート34は当接面54が半径方向内側を向くように回転する。このように小コイルスプリング31は従来に比べて平行に圧縮されることで曲げ応力が発生しにくい。そのため小コイルスプリング31の耐久性が向上する。
【0065】
スプリングシート34は小コイルスプリング31からの荷重によって回転し、当接面54同士が互いに平行に向き合う。したがって当接面54同士が全面的に当接する。すなわち両当接面54に対してほぼ垂直に力が作用する。さらに言い換えると、図20に示す当接状態でスプリングシート34はほぼ平行に圧縮されており、十分に大きな荷重を発生する。また、平行圧縮によりスプリングシート34の耐久性が向上する。
【0066】
以上に説明したように、一対のスプリングシート34同士は、プレート5,6とハブフランジ8とが相対回転したときに互いに当接し、大きな荷重を発生し所望のストッパートルクを実現する。ここでは、一対のスプリングシート34が弾性樹脂材料からなるため、所望の弾性機能が得られる。スプリングシート34は、突出部51が主に圧縮され、特に、径の小さい延長部52での圧縮量が大きい。
【0067】
この実施形態では、従来の弾性フロート体を不要とすることができ、部品点数が少なくなるとともに製造コストが低くなる。
〔他の実施形態〕
前記実施形態ではハブフランジ8はスプラインハブ3と分離していたが、一体に形成されていてもよい。
【0068】
また、本発明に係るダンパーディス組立体は、クラッチディスク組立体のみならず、フライホイール組立体のダンパー機構やトルクコンバータのロックアップダンパーにも採用可能である。
【0069】
【発明の効果】
本発明に係るダンパーディスク組立体では、コイルスプリング圧縮時に、スプリングシートがばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端によって回転可能に支持されているため、スプリングシートはコイルスプリングから作用する荷重によって回転する。このためコイルスプリングは従来に比べて平行に圧縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態としてのクラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】 クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】 図1の部分拡大図。
【図4】 図2の部分拡大図。
【図5】 スプリングシートの斜視図。
【図6】 スプリングシートの斜視図。
【図7】 スプリングシートの正面図。
【図8】 スプリングシートの背面図。
【図9】 スプリングシートとハブフランジとの関係を説明するための概略平面図。
【図10】 スプリングシートと他の部材との関係を説明するための概略側面図。
【図11】 ダンパー機構の動作を説明するための部分動作図。
【図12】 ダンパー機構の動作を説明するための部分動作図。
【図13】 第2実施形態におけるスプリングシートの斜視図。
【図14】 スプリングシートの斜視図。
【図15】 スプリングシートの正面図。
【図16】 スプリングシートの背面図。
【図17】 スプリングシートとハブフランジとの関係を説明するための概略部分平面図。
【図18】 スプリングシートと他の部材との関係を説明するための概略部分側面図。
【図19】 ダンパー機構の動作を説明するための部分動作図。
【図20】 ダンパー機構の動作を説明するための部分動作図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体
2 入力回転体
3 スプラインハブ
4 ダンパー機構
5 クラッチプレート
6 リテーニングプレート
8 ハブフランジ
11 ばね支持部
13 コイルスプリング組立体
21 窓孔
34 スプリングシート
41 支持部
42 突出部
43 回転部
Claims (12)
- ばね収容孔が形成された板状の第1回転部材と、
前記ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され前記第1回転部材の近傍に配置された板状の第2回転部材と、
前記ばね収容孔と前記ばね収容部内に配置され、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルク伝達可能な第1コイルスプリングと、
前記コイルスプリングの円周方向両端に配置され、前記コイルスプリングの円周方向両端を支持するとともに前記コイルスプリングの内側に係合し、前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能な1対のスプリングシートと、
前記コイルスプリング内に配置され、前記第1回転部材と前記第2回転部材が相対回転して前記1対のスプリングシート同士が接近すると前記1対のスプリングシートに挟まれて圧縮される弾性体と、
前記コイルスプリングの外側に配置され、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間で前記1対のスプリングシートを介さずにトルク伝達可能な大コイルスプリングとを備え、
前記1対のスプリングシートは、前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の前記円周方向両端によって、前記第1及び第2回転部材の回転軸に平行な軸回りで回転可能となるように支持されている、ダンパーディスク組立体。 - ばね収容孔が形成された板状の第1回転部材と、
前記ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され前記第1回転部材の近傍に配置された板状の第2回転部材と、
前記ばね収容孔と前記ばね収容部内に配置され、前記ばね収容孔と前記ばね収容部の円周方向両端に支持され、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルク伝達可能な第1コイルスプリングと、
前記ばね収容孔と前記ばね収容部内でさらに前記第1コイルスプリング内に配置され、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルク伝達可能な第2コイルスプリングと、
前記第2コイルスプリングの円周方向両端に配置され、前記第2コイルスプリングの円周方向両端を支持するとともに前記第2コイルスプリングの内側に係合し、前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能な1対のスプリングシートとを備え、
前記1対のスプリングシートは、前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の前記円周方向両端によって、前記第1及び第2回転部材の回転軸に平行な軸回りで回転可能となるように支持されており、
前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の前記円周方向両端は、前記第1コイルスプリングの円周方向両端を支持する第1支持部と、前記スプリングシートを支持する第2支持部とを有しており、
前記スプリングシートと前記第1コイルスプリングの円周方向両端との間には円周方向に第1隙間が確保されている、ダンパーディスク組立体。 - 前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の前記円周方向両端には、円周方向に開いた円弧形状の凹部が形成され、
前記スプリングシートは、前記凹部に係合する面が形成された係合部を有する、請求項1または2に記載のダンパーディスク組立体。 - 前記第2支持部は円周方向に開いた円弧形状の凹部であり、
前記スプリングシートは、前記凹部に係合する係合部を有する、請求項2に記載のダンパーディスク組立体。 - 前記第1支持部と前記第2コイルスプリングの円周方向両端との間には円周方向に第2隙間が確保されている、請求項2〜4のいずれかに記載のダンパーディスク組立体。
- ばね収容孔が形成された円板状の第1回転部材と、
前記ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され前記第1回転部材の軸方向両側に配置され互いに固定された1対の板状部材からなる第2回転部材と、
前記ばね収容孔と前記ばね収容部内に配置され、前記ばね収容孔とばね収容部
の円周方向両端に支持され、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルク伝達可能な第1コイルスプリングと、
前記ばね収容孔と前記ばね収容部内でさらに前記第1コイルスプリング内に配置され、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルク伝達可能な第2コイルスプリングと、
前記第2コイルスプリングの円周方向両端に配置され、前記第2コイルスプリングの円周方向両端を支持するとともに前記第2コイルスプリングの内側に係合し、前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能な1対のスプリングシートとを備え、
前記1対のスプリングシートは、前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の前記円周方向両端によって、前記第1及び第2回転部材の回転軸に平行な軸回りで回転可能となるように支持されており、
前記スプリングシートは、前記第1コイルスプリングの円周方向両端に対向する対向面を軸方向両端に有しており、
前記第1コイルスプリングの円周方向両端と前記対向面との円周方向間には第1隙間が確保されている、ダンパーディスク組立体。 - 前記スプリングシートは軸方向長さが半径方向長さより長くなっている、請求項6に記載のダンパーディスク組立体。
- 前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の前記円周方向両端は、前記第1コイルスプリングの円周方向両端に当接するように半径方向に並んだ1対の第1支持部と、前記1対の第1支持部の半径方向間に形成され前記1対のスプリングシートを支持する第2支持部とを有している、請求項7に記載のダンパーディスク組立体。
- 前記第2支持部は円周方向に開いた円弧形状の凹部であり、
前記スプリングシートは、前記凹部に係合する係合部を有する、請求項8に記載のダンパーディスク組立体。 - 前記対向面は、半径方向両側が半径方向中央部分より円周方向外側に位置している、請求項9に記載のダンパーディスク組立体。
- 前記第1支持部と前記第2コイルスプリングの円周方向両端との間には円周方向に第2隙間が確保されている、請求項8〜10のいずれかに記載のダンパーディスク組立体。
- 前記スプリングシートは前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の少なくとも一方に係合した状態で軸方向移動が規制される規制部を有している、請求項5〜11のいずれかに記載のダンパーディスク組立体。
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