JP2003074636A - ダンパー機構 - Google Patents

ダンパー機構

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JP2003074636A JP2001263438A JP2001263438A JP2003074636A JP 2003074636 A JP2003074636 A JP 2003074636A JP 2001263438 A JP2001263438 A JP 2001263438A JP 2001263438 A JP2001263438 A JP 2001263438A JP 2003074636 A JP2003074636 A JP 2003074636A
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Hiroshi Uehara
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    • F16F15/12Suppression of vibrations in rotating systems by making use of members moving with the system using elastic members or friction-damping members, e.g. between a rotating shaft and a gyratory mass mounted thereon
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    • F16F15/12353Combinations of dampers, e.g. with multiple plates, multiple spring sets, i.e. complex configurations
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 捩じり特性の正側と負側で特性を適切に異な
らせることで好ましい振動減衰性能を実現する。 【解決手段】 コイルスプリング33,36は、入力及
び出力回転部材2,3を相対回転可能に連結し、入力回
転部材2が出力回転部材3に対して回転側に捩じれた正
側領域とその反対側に捩じれ剛性が正側領域より低い負
側領域とからなる捩じり特性を有する。第2摩擦発生部
71は、入力回転部材2と出力回転部材3との回転方向
間で両者が相対回転するときにコイルスプリング33,
36の弾性力が作用することで摩擦を発生するように配
置されている。摩擦抑制機構は、所定角度範囲内ではコ
イルスプリング33,36の弾性力を第2摩擦発生部7
1に作用させないための回転方向隙間91,92を捩じ
り特性の負側にのみ確保している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクを伝達する
とともに捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機
構に関する。車輌に用いられるクラッチディスク組立体
は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能
と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰する
ためのダンパー機能とを有している。一般に車両の振動
には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・
減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップア
ウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り
除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての
機能である。
【0002】アイドル時異音とは、信号待ち等でシフト
をニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときに
トランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえ
る音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイド
リング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆
発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトラ
ンスミッションのインプットギアとカウンターギアとが
歯打ち現象を起こしている。
【0003】ティップイン・ティップアウト(低周波振
動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりした
ときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達
系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタ
イヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側からトルクに伝
わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生
し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振
動となる。
【0004】アイドリング時異音に対しては、クラッチ
ディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が
問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。一
方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対して
は、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけ
ソリッドにすることが必要である。以上の問題を解決す
るために、2種類のばね部材を用いることにより2段特
性を実現したクラッチディスク組立体が提供されてい
る。そこでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角
度領域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを
低く抑えているために、アイドリング時の異音防止効果
がある。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角
度領域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く
設定しているため、ティップイン・ティップアウトの前
後振動を十分に減衰できる。
【0005】さらに、捩じり特性2段目においてたとえ
ばエンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が入力
されたときに、2段目の大摩擦機構を作動させないこと
で、微小捩じり振動を効果的に吸収するダンパー機構も
知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】たとえばエンジンの燃
焼変動に起因する微小振動が入力されたときに、大摩擦
機構を作動させないためには、高剛性ばね部材が圧縮さ
れた状態で、高剛性ばね部材と大摩擦機構との間に所定
角度の回転方向隙間が確保されている必要があるこの回
転方向隙間の角度は、例えば0.2°〜1.0°程度の
微小角度であり、入力プレートがスプラインハブに対し
て回転方向駆動側(正側)に捩じれた正側2段目と、そ
の反対側(負側)に捩じれた負側2段目の両方において
存在する。
【0007】特に、従来は回転方向隙間を構成する構造
が正側2段目と負側2段目で同一の機構によって実現さ
れているため、この回転方向隙間が捩じり特性正側と負
側の両方において必ず発生する構造となっている。しか
し、車両の特性に応じて、回転方向隙間の大きさを捩じ
り特性の正負両側で異ならせることが好ましい場合もあ
り、さらには正負の片側では前記回転方向隙間を設けな
いことが望ましい場合も考えられる。
【0008】具体的には、捩じり特性の負側には、減速
時共振回転数において振動のピークを低減させるために
前記回転方向隙間は必要である。しかし、FF車などで
は、実用回転域に共振ピークが残ることが多く、捩じり
特性の正側に前記回転方向隙間を確保していると、共振
回転数付近で音・振動性能が悪化する。その一方、捩じ
り特性の負側に高ヒスを発生させない構造とした場合
は、ティップイン・ティップアウト減衰性能が低下して
しまう。
【0009】本発明の課題は、捩じり特性の正側と負側
で特性を適切に異ならせることで好ましい振動減衰性能
を実現することにある。本発明の他の課題は、簡単な構
造で、捩じり特性の正側と負側で特性を異ならせること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のダンパ
ー機構は、入力回転部材と、出力回転部材と、弾性部材
と、摩擦発生機構と、摩擦抑制機構とを備えている。出
力回転部材は、入力回転部材に相対回転可能に配置され
ている。弾性部材は、入力及び出力回転部材を相対回転
可能に連結し、入力回転部材が出力回転部材に対して回
転側に捩じれた正側領域とその反対側に捩じれ剛性が正
側領域より低い負側領域とからなる捩じり特性を有す
る。摩擦発生機構は、入力回転部材と出力回転部材との
回転方向間で両者が相対回転するときに弾性部材の弾性
力が作用することで摩擦を発生するように配置されてい
る。摩擦抑制機構は、所定角度範囲内では弾性部材の弾
性力を摩擦発生機構に作用させないための回転方向隙間
を捩じり特性の負側にのみ確保している。
【0011】このダンパー機構では、捩じり特性の正側
(加速側)で一定の剛性を有する特性が得られ、捩じり
特性の負側(減速側)で正側より剛性が低い特性が得ら
れる。この結果、捩じり特性の正側では共振点通過時の
回転速度変動を抑えることができ、捩じり特性の負側で
は全体にわたって良好な減衰率が得られる。特に、摩擦
抑制機構は、捩じり特性の負側にのみ回転方向隙間を有
して微小捩じり振動に対して高ヒステリシストルクを発
生しないため、例えば実用回転域に共振ピークが残るF
F車などに本ダンパー機構を採用すると、ティップイン
・ティップアウト減衰機能を維持しつつ、捩じり特性の
正側の共振点ピークが小さくでき、さらに負側の騒音レ
ベルを低く抑えることができる。
【0012】請求項2に記載のダンパー機構は、第1回
転部材と、第2回転部材と弾性部材と、中間回転部材と
を備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回
転可能に配置されている。弾性部材は、入力及び第2回
転部材を相対回転可能に連結し、第1及び第2回転部材
のうち入力側の部材が出力側の部材に対して回転側に捩
じれた正側領域とその反対側に捩じれた負側領域とから
なる捩じり特性を有する。中間回転部材は、第1回転部
材に摩擦係合する摩擦係合部と、所定角度範囲内では弾
性部材の弾性力を摩擦発生機構に作用させないための所
定の回転方向隙間を確保して第2回転部材に係合する隙
間係合部とを有し、捩じり特性の正側及び負側の一方で
は第2回転部材に対して回転不能に係止されている。
【0013】このダンパー機構では、弾性部材を介して
第1回転部材と第2回転部材との間でトルクが伝達され
る。捩じり振動が入力されると、弾性部材が圧縮されて
中間回転部材の摩擦係合部が第1回転部材に摺動し、所
定の捩じり特性によって捩じり振動を減衰・吸収する。
捩じり特性の一方側では、中間回転部材は、隙間係合部
が第2回転部材と一体回転して、摩擦部係合部が入力及
び第2回転部材の一方と摺動する。しかし、微小捩じり
振動が入力されて所定角度範囲内で第1回転部材と第2
回転部材が相対回転しているときには、回転方向隙間に
よって中間回転部材には弾性部材の弾性力が作用せず、
その結果摩擦係合部が第2回転部材に対して摺動しな
い。
【0014】それに対して、捩じり特性の他方側では、
微小捩じり振動が入力されて所定角度範囲内で第1回転
部材と第2回転部材が相対回転している場合でも、中間
回転部材は第2回転部材に相対回転不能となっているた
め、弾性部材から中間回転部材に弾性力が作用して、そ
の結果摩擦部係合部が第1回転部材に対して摺動する。
【0015】このように、簡単な構造によって、捩じり
特性の一方側のみで所定の捩じり角度範囲で摩擦を発生
させない摩擦抑制機構を実現できる。請求項3に記載の
ダンパー機構では、請求項2において、隙間係合部は、
第2回転部材に回転方向両側から係合するように配置さ
れた第1及び第2隙間係合部とを有している。第2隙間
係合部は、捩じり特性の正側及び負側の一方でのみ第2
回転部材に対して弾性部材によって回転方向に付勢され
ている。
【0016】このダンパー機構では、中間回転部材の隙
間係合部の第2係合部が弾性部材によって第2回転部材
に付勢されることで、中間回転部材は捩じり特性の正側
及び負側の一方では第2回転部材に対して回転不能とな
っている。請求項4に記載のダンパー機構では、請求項
3において、第2回転部材は弾性部材が収容される窓孔
を有し、第2隙間係合部は、弾性部材の回転方向片側と
収容部の回転方向端との間に配置されている。
【0017】このダンパー機構では、第2隙間係合部は
第2回転部材の窓孔内において弾性部材と収容部との間
に配置されているため、捩じり特性の一方側では弾性部
材によって収容部に付勢され、その結果中間回転部材は
第2回転部材に対して相対回転不能となっている。一
方、捩じり特性の他方側では第2隙間係合部は収容部か
ら離れることができ、中間回転部材は第2回転部材に対
して相対回転できる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施形態として
のクラッチディスク組立体1の断面図を示し、図2にそ
の平面図を示す。クラッチディスク組立体1は、車両
(特にFF車)のクラッチ装置に用いられる動力伝達装
置であり、クラッチ機能とダンパー機能とを有してい
る。クラッチ機能とは、フライホイール(図示せず)に
連結及び離反することによってトルクの伝達及び遮断を
行う機能である。ダンパー機能とは、フライホイール側
から入力されるトルク変動等をばね等によって吸収・減
衰する機能である。
【0019】図1においてO−Oがクラッチディスク組
立体1の回転軸である。図1の左側にエンジン及びフラ
イホイール(図示せず)が配置され、図1の右側にトラ
ンスミッション(図示せず)が配置されている。さら
に、図2の矢印R1側がクラッチディスク組立体1の駆
動側(回転方向正側)であり、矢印R2側がその反対側
(回転方向負側)である。なお、以下の説明で「回転
(円周)方向」、「軸方向」及び「半径方向」とは、特
に断らない限り、回転体としてのクラッチディスク組立
体1の各方向をいうものとする。
【0020】クラッチディスク組立体1は、主に、入力
回転部材2と、出力回転部材3と、両回転部材2,3間
に配置された弾性連結機構4とから構成されている。ま
た、各部材によって、トルクを伝達するとともに捩じり
振動を減衰するためのダンパー機構が構成されているこ
とになる。入力回転部材2はフライホイール(図示せ
ず)からトルクが入力される部材である。入力回転部材
2は主にクラッチディスク11とクラッチプレート12
とリティーニングプレート13とから構成されている。
クラッチディスク11は、図示しないフライホイールに
押し付けられて連結される部分である。クラッチディス
ク11は、クッショニングプレート15と、その軸方向
両側にリベット18によって固定された1対の摩擦フェ
ーシング16,17とからなる。
【0021】クラッチプレート12とリティーニングプ
レート13は、ともに板金製の円板状かつ環状の部材で
あり、互いに対して軸方向に対して所定の間隔を開けて
配置されている。クラッチプレート12はエンジン側に
配置され、リティーニングプレート13はトランスミッ
ション側に配置されている。リティーニングプレート1
3の外周縁には、円周方向に等間隔で複数の(4つの)
連結部22が形成されている。連結部22は、リティー
ニングプレート13から一体に形成され軸方向に延びる
延長部22aと、延長部22aの先端から半径方向内側
に延びる固定部22bとから構成されている。固定部2
2bは、クラッチプレート12のトランスミッション側
面に複数のリベット20によって固定されている。これ
により、クラッチプレート12とリティーニングプレー
ト13は一体回転するようになり、さらに軸方向の間隔
が定められている。さらに、リベット20はクッショニ
ングプレート15の内周部を固定部22b及びクラッチ
プレート12の外周部に固定している。
【0022】クラッチプレート12及びリティーニング
プレート13にはそれぞれ中心孔が形成されている。こ
の中心孔内には後述のボス7が配置される。クラッチプ
レート12及びリティーニングプレート13の各々に
は、円周方向に並んだ複数の窓部(51,52)が形成
されている。各窓部(51,52)は同一形状であり、
同一半径方向位置で円周方向に並んで複数(4つ)形成
されている。各窓部(51,52)は概ね円周方向に長
く延びている。
【0023】ここで、図1において左右方向に対向して
配置された1対の窓部を第1窓部51といい、図1にお
いて上下方向に対向して配置された1対の窓部を第2窓
部52ということにする。第1窓部51と第2窓部52
は同一形状であるので、それらの形状について一括して
説明する。図6に示すように、各窓部51,52は、軸
方向に貫通した孔と、その孔の縁に沿って形成された支
持部とからなる。支持部は外周側支持部55と内周側支
持部56と回転方向支持部57とから構成されている。
平面視で、外周側支持部55は概ね円周方向に沿った形
状に湾曲しており、内周側支持部56はほぼ直線状に延
びている。また、回転方向支持部57は、概ね半径方向
に直線状に延びており、窓部51,52の円周方向中心
とクラッチディスク組立体1の中心Oとを通る直線に平
行である。外周側支持部55及び内周側支持部56は他
のプレート部分から軸方向に起こされた部分である。
【0024】出力回転部材3について説明する。出力回
転部材3はハブ6によって主に構成されている。ハブ6
はボス7とフランジ8とからなる。ボス7はクラッチプ
レート12及びリティーニングプレート13の中心孔内
に配置された筒状の部材である。ボス7はその中心孔に
挿入されたトランスミッション入力シャフト(図示せ
ず)に対してスプライン係合している。フランジ8は、
ボス7の外周に一体に形成され、外周側に延びる円板形
状部分である。フランジ8は、クラッチプレート12と
リティーニングプレート13との軸方向間に配置されて
いる。フランジ8は、最内周側の内周部8aと、その外
周側に設けられ内周部8aより軸方向厚みが小さい外周
部8bとからなる。
【0025】フランジ8の外周部8bには、窓部51,
52に対応して窓孔(53,54)が形成されている。
すなわち、同一半径方向位置で円周方向に並んだ複数の
(4つの)窓孔(53,54)が形成されている。ここ
で、図1において左右方向に対向して配置された1対の
窓部を第1窓孔53といい、図1において上下方向に対
向して配置された1対の窓部を第2窓孔54ということ
にする。第1窓孔53と第2窓孔54は概ね同一形状で
あるのでそれらの形状について一括して説明する。各窓
孔53,54は、軸方向に打ち抜かれた孔であり、円周
方向に長く延びている。各窓孔53,54は外周側支持
部63と内周側支持部64と回転方向支持部65とを有
する。平面視で、外周側支持部63は円周方向に沿った
湾曲形状であり、内周側支持部64はほぼ直線状に延び
ている。また、回転方向支持部65は概ね半径方向に直
線状に延びており、より詳細には、回転方向支持部65
は、窓孔53,54の回転方向中心とクラッチディスク
組立体1の中心Oとを結ぶ直線に対して平行である。
【0026】第1窓孔53は、第2窓孔54より円周方
向に長く延びており、第1窓部51は、第1窓孔53に
比べて回転方向に短く、かつ、第1窓孔53の回転方向
R1側に寄っている。このため、第1窓部51の回転方
向R1側の回転方向支持部57は第1窓孔53の回転方
向R1側の回転方向支持部65に一致しているが、第1
窓部51の回転方向R2側の回転方向支持部57は第1
窓孔53の回転方向R2側の回転方向支持部65から回
転方向R1側にθ2だけ離れて配置されている。
【0027】なお、第2窓孔54と第2窓部52は円周
方向長さ及び円周方向位置が互いに一致している。フラ
ンジ8の外周縁には、リティーニングプレート13の固
定部22bが軸方向に通過可能な切り欠き8cが形成さ
れている。切り欠き8cは、各窓孔(53,54)の回
転方向間に位置しており、その中をリティーニングプレ
ート13の連結部22が軸方向に通過可能である。
【0028】フランジ8の外周縁において窓孔53,5
4の外周側部分に半径方向外方に突出する突起8dが形
成されている。突起8dは連結部22の延長部22aと
の間に回転方向隙間90を形成している。この実施形態
では、回転方向隙間90の角度θ1は回転方向両側で同
一である。以上より、連結部22と突起8dによってク
ラッチディスク組立体1のストッパー機構が形成されて
いることになる。
【0029】弾性連結機構4は複数の弾性部材組立体
(30,31)から構成されている。この実施形態では
4つの弾性部材組立体(30,31)が用いられてい
る。各弾性部材組立体(30,31)は第1窓孔53,
54及び窓部51,52内に配置されている。弾性部材
組立体(30,31)は、第1窓孔53及び第1窓部5
1内に配置された第1弾性部材組立体30と、第2窓孔
54及び第2窓部52内に配置された第2弾性部材組立
体31との2種類から構成されている。
【0030】図6及び図7を用いて第1弾性部材組立体
30について説明する。第1弾性部材組立体30は、第
1コイルスプリング33と、その内部に配置されたフロ
ート体34とから構成されている。第1コイルスプリン
グ33は回転方向両端が第1窓部51の両回転方向支持
部57に支持されている。したがって、第1コイルスプ
リング33は、窓孔53内において回転方向R1側に寄
って配置されている。より具体的には、第1コイルスプ
リング33の回転方向R1側端は窓孔53の回転方向支
持部65に当接又は近接しているが、第1コイルスプリ
ング33の回転方向R2側端は窓孔53の回転方向支持
部65から回転方向にθ2だけ離れている。
【0031】フロート体34は、第1コイルスプリング
33内で回転方向に移動可能に配置された弾性体であ
る。フロート体は、例えばゴムや樹脂等からなり、捩じ
り角度が大きくなったときに十分に大きなストッパート
ルクを発生させるために用いられている。第2弾性部材
組立体31は第2コイルスプリング36から構成されて
いる。第2コイルスプリング36の両端は、第2窓部5
2の両回転方向支持部57及び第2窓孔54の回転方向
支持部65に当接又は近接している。
【0032】クラッチディスク組立体1は、弾性連結機
構4に対して並列に作用するように配置された摩擦発生
機構69をさらに備えている。摩擦発生機構69は、低
ヒステリシストルクを発生するための第1摩擦発生部7
0と、高ヒステリシストルクを発生するための第2摩擦
発生部71とを有している。第1摩擦発生部70は、弾
性連結機構4が作用している全領域すなわち捩じり特性
の正側及び負側両方でヒステリシストルクを発生するた
めの機構である。第1摩擦発生部70は、第1ブッシュ
72と、第1コーンスプリング73と、第2ブッシュ7
4とを有している。第1ブッシュ72と第1コーンスプ
リング73は、フランジ8の内周部8aとリティーニン
グプレート13の内周部との間に配置されている。第1
ブッシュ72は、ワッシャ状の部材であり、フランジ8
の内周部8aの軸方向トランスミッション側面に摺動可
能に当接する摩擦面を有している。第1コーンスプリン
グ73は、第1ブッシュ72とリティーニングプレート
13の内周部との軸方向間に配置され、軸方向に圧縮さ
れている。第2ブッシュ74はクラッチプレート12の
内周面に装着された環状の部材であり、その内周面がボ
ス7の外周面に当接している。これにより、クラッチプ
レート12及びリティーニングプレート13はハブ6に
対して半径方向に位置決めされている。また、第2ブッ
シュ74は、フランジ8の内周部8aの軸方向エンジン
側面に摺動可能に当接する摩擦面を有している。
【0033】以上に述べた構造によって、第1摩擦発生
部70では、第1コーンスプリング73の弾性力によっ
て、クラッチプレート12及びリティーニングプレート
13と一体回転する第1及び第2ブッシュ72,74
が、フランジ8に対して軸方向から押し付けられ、回転
方向に摺動可能となっている。第2摩擦発生部71は、
第3ブッシュ76と、第2コーンスプリング77と、中
間回転部材80とから構成されている。
【0034】中間回転部材80は、入力回転部材2と出
力回転部材3との間で相対回転可能に配置された部材で
あり、出力回転部材3に対して回転方向に係合するとと
もに、入力回転部材2との間に第2摩擦発生部71を形
成している。なお、中間回転部材80は、出力回転部材
3に対して捩じり特性の負側では所定角度範囲内で相対
回転できるが、正側では一体回転するようになってい
る。
【0035】中間回転部材80は、第1プレート部材8
1と、第2プレート部材82と、ピン83とから構成さ
れている。第1プレート部材81と第2プレート部材8
2は環状の部材であり、フランジ8の内周側部分、より
具体的には外周部8bの最内周環状部分つまり内周部8
aより外周側でかつ窓孔53,54より内周側の環状部
分の軸方向両側に配置されている。第1プレート部材8
1はフランジ8の軸方向トランスミッション側に配置さ
れており、第2プレート部材82はフランジ8の軸方向
エンジン側に配置されている。ピン83は、軸方向に延
びる胴部83aと、胴部83aの両端からさらに軸方向
に延びる挿入部83bとから構成されている。挿入部8
3bは胴部83aより小径であるため、胴部83aの軸
方向両端には肩部83cが形成されている。第1プレー
ト部材81及び第2プレート部材82には挿入部83b
が挿入される孔が形成されている。この係合によって、
第1プレート部材81と第2プレート部材82は一体回
転する。また、胴部83aの肩部83cには第1プレー
ト部材81と第2プレート部材82が軸方向から当接し
ている。これにより、第1プレート部材81と第2プレ
ート部材82の軸方向間隔が定められている。なお、胴
部83aの軸方向長さはフランジ8の軸方向厚みより大
きくなっているため、フランジ8の外周部8bの軸方向
の両面が第1プレート部材81と第2プレート部材82
の両方に当接していることはなく、図3で明らかなよう
にフランジ8の外周部8bの軸方向トランスミッション
側面と第1プレート部材81との軸方向間には隙間が確
保されている。ピン83は、半径方向に対向して2箇所
に設けられ、第1窓孔53の切り欠き64a内を延びて
いる。切り欠き64aは、第1窓孔53の内周側支持部
64においてさらに半径方向内側に延びる部分である。
ピン83と切り欠き64aの回転方向R2側端面との間
には第1回転方向隙間91が形成され、第1回転方向隙
間91の円周方向角度はθ3である。θ3は、本実施形
態においては0.6度であり、0.2〜1.0度の範囲
にあることが好ましい。
【0036】第1プレート部材81は、ピン83が係合
する環状部81aと、環状部81aから半径方向外方に
延びる1対のアーム81bと、アーム81bの先端から
軸方向に延びる爪部81cとから構成されている。1対
のアーム81bは、図7に示すように、フランジ8の第
1窓孔53の回転方向R1側の回転方向支持部65付近
まで延びている。爪部81cは、第1窓孔53の回転方
向支持部65の内周側部分に形成された凹部65a内に
配置され、回転方向支持部65の他の部分から連続する
直線状のばね受け面を構成している。この結果、中間回
転部材80の爪部81cは、第1窓孔53の回転方向R
1側の回転方向支持部65と第2コイルスプリング36
の回転方向R1側端との間に挟まれ、フランジ8に対し
て回転方向R2側に離れることはできるが、回転方向R
1側には移動不能となっている。
【0037】以上より中間回転部材80とフランジ8の
関係をまとめると、中間回転部材80はフランジ8に対
して、爪部81cが第1窓孔53の回転方向R1側の回
転方向支持部65に当接しているため、回転方向R1側
には相対回転不能である。しかし、中間回転部材80は
フランジ8に対して、回転方向R2側にはピン83が切
り欠き64aの回転方向R1側端に当接するまで相対回
転可能である。つまり、爪部81cは凹部65aからθ
3だけ回転方向R2側に離れて第2回転方向隙間92を
形成することができる。このように、中間回転部材80
は、フランジ8に対して、第1回転方向隙間91と第2
回転方向隙間92に形成されるθ3内で相対回転可能と
なっている。
【0038】第3ブッシュ76と第2コーンスプリング
77は、第1プレート部材81の環状部81aとリティ
ーニングプレート13の内周部との軸方向間、すなわち
第1ブッシュ72及び第1コーンスプリング73の外周
側に配置されている。第3ブッシュ76は第1プレート
部材81の環状部81a(摩擦係合部)の軸方向トラン
スミッション側面に当接する摩擦面を有している。ま
た、第3ブッシュ76は、環状本体部分から軸方向に延
びリティーニングプレート13に形成された孔内に挿入
された突起76aを有している。この係合によって第3
ブッシュ76はリティーニングプレート13に対して軸
方向には移動可能であるが相対回転は不能になってい
る。第2コーンスプリング77は第3ブッシュ76とリ
ティーニングプレート13の内周部との軸方向間に配置
され、両者の間で軸方向に圧縮されている。第3ブッシ
ュ76の内周部には第1ブッシュ72から延びる突起が
回転方向に係合する凹部が形成されており、この係合に
より第1ブッシュ72は第3ブッシュ76及びリティー
ニングプレート13と一体回転する。
【0039】第2ブッシュ74は、第2プレート部材8
2とクラッチプレート12の内周部との間に配置された
部分を有している。第2ブッシュ74のその部分は、第
2プレート部材82(摩擦係合部)の軸方向エンジン側
面に当接する摩擦面を有している。第2ブッシュ74に
は、環状本体から軸方向エンジン側に延びる複数の突起
74aが形成されている。突起74aはクラッチプレー
ト12に形成された孔内にはまり込み、この結果第2ブ
ッシュ74はクラッチプレート12に対して軸方向に移
動可能であるが相対回転は不能になっている。
【0040】以上に述べた構造によって、第2摩擦発生
部71では、第2コーンスプリング77の弾性力によっ
て、クラッチプレート12及びリティーニングプレート
13と一体回転する第2,第3ブッシュ74,76が、
中間回転部材80に対して軸方向から押し付けられ、回
転方向に摺動可能となっている。第2摩擦発生部71で
発生するヒステリシストルクは第1摩擦発生部70で発
生するヒステリシストルクよりかなり大きく、10〜2
0倍の範囲にある。
【0041】次に、図9及び図10に示すダンパー機構
の模式図及び図11に示す捩じり特性線図を用いて、ク
ラッチディスク組立体1の捩じり特性について説明す
る。なお、図11に表れた具体的な数値は本発明の一実
施例として開示するものであり、本発明を限定するもの
ではない。最初に、図9の中立状態から入力回転部材2
を固定しておきそれ対してハブ6を回転方向R2側に捩
じっていく捩じり特性正側領域の動作(このとき入力回
転部材2が出力回転部材3に対して回転方向R1側に捩
じれることになる)を説明する。
【0042】捩じり角度の小さな領域では、2個の第1
コイルスプリング33と2個の第2コイルスプリング3
6が並列に圧縮され、高剛性の特性が得られる。また、
第1摩擦発生部70及び第2摩擦発生部71が作動し、
高ヒステリシストルクの特性が得られる。このとき第2
摩擦発生部71では、中間回転部材80は、爪部81c
が第1窓孔53のR1側の回転方向支持部65に押され
ることで、フランジ8と回転方向R2側に一体回転し、
ブッシュ74,76に対して摺動する。
【0043】この捩じり特性正側において微小捩じり振
動がクラッチディスク組立体1に入力された場合に、中
間回転部材80の爪部81cは常に第1コイルスプリン
グ36によって第1窓孔53の回転方向R1側の回転方
向支持部65に押し付けられている。したがって、中間
回転部材80はフランジ8に対して相対回転することが
できず、微少振動入力時であってもコイルスプリング3
3,36の弾性力は常に中間回転部材80を介して第2
摩擦発生部71に作用している。つまり、入力回転部材
2と出力回転部材3とが相対回転するときは、捩じり特
性正側では常に第2摩擦発生部71が作動し、高ヒステ
リシストルクを発生している。
【0044】次に、図10の中立状態から入力回転部材
2を固定しておきそれ対してハブ6を回転方向R1側に
捩じっていく捩じり特性負側領域の動作(このとき入力
回転部材2が出力回転部材3に対して回転方向R2に捩
じれることになる)を説明する。捩じり角度の小さな領
域では、2個の第2コイルスプリング36のみが圧縮さ
れ、正側に比べて低剛性の特性が得られる。つまり、2
個の第1コイルスプリング33は圧縮されない。また、
第1摩擦発生部70及び第2摩擦発生部71が作動し、
高ヒステリシストルクの特性が得られる。このとき第2
摩擦発生部71では、中間回転部材80は、ピン83が
切り欠き64aの回転方向R2側端に押されることで、
フランジ8と回転方向R1側に一体回転し、ブッシュ7
4,76に対して摺動する。すなわち、爪部81cは凹
部65aから回転方向R2側にθ2分離れる。
【0045】捩じり角度がθ2になると、第1窓孔53
の回転方向R2側の回転方向支持部65が第1コイルス
プリング33の回転方向R2側端に当接する。これ以降
は、2個の第1コイルスプリング33が2個の第2コイ
ルスプリング36に並列に圧縮される。この結果、高剛
性・高ヒステリシストルクの捩じり特性が得られる。次
に、図10の捩じり特性線図を参照して、具体的にクラ
ッチディスク組立体1に各種捩り振動が入力された時の
捩り特性について説明する。
【0046】車両の前後振動のように振幅の大きな捩り
振動が発生すると、捩り特性は正負両側にわたって変動
を繰り返す。この時、正負両側で発生する高ヒステリシ
ストルクによって車両の前後振動は速やかに減衰され
る。次に、例えばエンジンブレーキをかけた減速時にお
いてエンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がクラ
ッチディスク組立体1に入力されたとする。このとき、
中間回転部材80は、第1回転方向隙間91及び第2回
転方向隙間92においてフランジ8に対して相対回転
し、第2摩擦発生部71においてブッシュ74,76に
摺動しない。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒ
ステリシストルクが発生しない。すなわち捩り特性線図
において隙間角度θ3範囲内では第2コイルスプリング
36が作動するが、第2摩擦発生機構71では滑りが生
じない。つりま、捩じり角度θ3の範囲では、負側のヒ
ステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストル
ク(第1摩擦発生部70によるヒステリシストルク)が
得られる。このθ3内のヒステリシストルクは全体にわ
たるヒステリシストルクの1/10程度であることが好
ましい。このように、捩じり特性の負側において第2摩
擦発生機構71を所定角度範囲内では作動させない回転
方向隙間を設けたため、エンジンブレーキをかけた減速
時の振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
【0047】捩じり特性の正側において第2摩擦発生機
構71を所定角度範囲内で作動させない回転方向隙間を
設けなかったため、実用回転域に共振ピークが残ること
が多いFF車などの場合、共振回転数付近で音・振動性
能が悪化しない。このように、捩じり特性の正負両側の
うち一方にのみ摩擦機構を所定角度範囲内で作動させな
い回転方向隙間を確保しているため、加速・減速の両方
で音・振動性能が向上する。
【0048】以上に述べたように、本発明に係るダンパ
ー機構では、捩じり特性の正側と負側とで捩じり剛性を
異ならせるのみでなく、微小捩じり振動に対して高ヒス
テリシストルクを発生させない構造を捩じり特性の一方
のみに設けることで、全体として好適な捩じり特性を実
現している。特に、本発明に係るダンパー機構では、中
間回転部材80を用いた簡単な構造によって、捩じり特
性の一方側のみに微小捩じり振動に対して高ヒステリシ
ストルクを発生させない摩擦抑制機構を実現している。
具体的には、中間回転部材80は、ピン83(第1隙間
係合部)と爪部81c(第2隙間係合部)という回転方
向に離れた2箇所によって、フランジ8に対して第1及
び第2回転方向隙間91,92の範囲内で相対回転可能
となっている。これにより中間回転部材80は、入力回
転部材2に対して摩擦摺動する摩擦部材として機能する
とともに、所定の捩じり角度範囲では摩擦を発生させな
い摩擦抑制機構をも構成している。さらに、中間回転部
材80の爪部81cは、フランジ8の第2窓部53の回
転方向R1側の回転方向支持部65と第2コイルスプリ
ング36の回転方向R1側端との間に挟まれているた
め、捩じり特性正側では第2コイルスプリング36によ
って常に第2窓部53の回転方向支持部65に押し付け
られており、フランジ8に対して回転方向R2側に移動
することができない。つまり、捩じり特性の正側で微小
捩じり振動が入力された場合でも、中間回転部材80は
フランジ8と一体回転する。それに対して、捩じり特性
負側では第2コイルスプリング36の回転方向R1側端
は第2窓部53の回転方向支持部65から回転方向R2
側に離れているため、爪部81cは凹部65aから回転
方向R2側に離れることができる。つまり、捩じり特性
の負側で微小捩じり振動が入力された場合には、中間回
転部材80はフランジ8に対して捩じり角度θ3内で相
対回転可能である。
【0049】本発明が適用されるクラッチディスク組立
体の構造は前記実施形態に限定されない。例えば、ハブ
のボスとフランジが分離してダンパー機構によって連結
された構造にも本発明を適用できる。本発明に係るダン
パー機構は、クラッチディスク組立体以外にも採用可能
である。例えば、2つのフライホイールを回転方向に弾
性的に連結するダンパー機構等である。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るダンパー機構では、捩じり
特性の負側では、正側より剛性が低く、微小捩じり振動
に対して高ヒステリシストルクを発生しないため回転方
向隙間を有している。したがって、捩じり特性の正負両
側にわたって好適な音振性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクラッチディスク
組立体の縦断面図。
【図2】クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図1の部分拡大図であり、摩擦発生機構の縦断
面図。
【図4】図1の部分拡大図であり、摩擦発生機構の縦断
面図。
【図5】図2の部分拡大図であり、第1弾性部材組立体
の平面図。
【図6】図2の部分拡大図であり、第1弾性部材組立体
の平面図。
【図7】図2の部分拡大図であり、フランジと中間回転
部材との関係を説明するための平面図。
【図8】ピンと切り欠きとの関係を説明するための部分
平面図。
【図9】クラッチディスク組立体のダンパー機構の模式
図。
【図10】クラッチディスク組立体のダンパー機構の模
式図。
【図11】クラッチディスク組立体の捩り特性線図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 入力回転部材 3 出力回転部材 4 弾性連結機構 6 ハブ 7 ボス 8 フランジ 30 第1弾性部材組立体 31 第2弾性部材組立体 33 第1コイルスプリング 36 第2コイルスプリング 80 中間回転部材 91 第1回転方向隙間 92 第2回転方向隙間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力回転部材と、 前記入力回転部材に相対回転可能に配置された出力回転
    部材と、 前記入力及び出力回転部材を相対回転可能に連結し、前
    記入力回転部材が前記出力回転部材に対して回転側に捩
    じれた正側領域とその反対側に捩じれ前記正側領域より
    剛性が低い負側領域とからなる捩じり特性を有する弾性
    部材と、 前記入力回転部材と前記出力回転部材との回転方向間で
    両者が相対回転するときに前記弾性部材の弾性力が作用
    することで摩擦を発生するように配置された摩擦発生機
    構と、 所定角度範囲内では前記弾性部材の弾性力を前記摩擦発
    生機構に作用させないための回転方向隙間を捩じり特性
    の負側にのみ確保する、摩擦抑制機構と、を備えたダン
    パー機構。
  2. 【請求項2】第1回転部材と、 前記第1回転部材に相対回転可能に配置された第2回転
    部材と、 前記第1及び第2回転部材を相対回転可能に連結し、前
    記第1及び第2回転部材のうち入力側の部材が出力側の
    部材に対して回転側に捩じれた正側領域とその反対側に
    捩じれた負側領域とからなる捩じり特性を有する弾性部
    材と、 前記第1回転部材に摩擦係合する摩擦係合部と、所定角
    度範囲内では前記弾性部材の弾性力を前記摩擦発生機構
    に作用させないための所定の回転方向隙間を確保して前
    記第2回転部材に係合する隙間係合部とを有し、前記捩
    じり特性の正側及び負側の一方では前記第2回転部材に
    対して回転不能に係止されている中間回転部材と、を備
    えたダンパー機構。
  3. 【請求項3】前記隙間係合部は、前記第2回転部材に回
    転方向両側から係合するように配置された第1及び第2
    隙間係合部とを有しており、 前記第2隙間係合部は、捩じり特性の正側及び負側の一
    方でのみ前記第2回転部材に対して前記弾性部材によっ
    て回転方向に付勢されている、請求項2に記載のダンパ
    ー機構。
  4. 【請求項4】前記第2回転部材は前記弾性部材が収容さ
    れる窓孔を有し、 前記第2隙間係合部は、前記弾性部材の回転方向片側と
    収容部の回転方向端との間に配置されている、請求項3
    に記載のダンパー機構。
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