JP3777263B2 - ダンパーディスク組立体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダンパーディスク組立体、特に、動力伝達系における捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパーディスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のクラッチディスク組立体に用いられるダンパーディスク組立体は、入力フライホイールに連結され得る入力部材と、トランスミッションから延びるシャフトに連結される出力部材と、入力部材と出力部材とを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構とから構成されている。入力部材は、摩擦フェーシングとその内周側に固定された一対の入力プレートとから構成されている。出力部材はシャフトに相対回転不能に連結されたハブからなる。ハブは、シャフトにスプライン係合するボスと、ボスから半径方向に延びるフランジとを有している。ダンパー機構は、一対の入力プレートとフランジとを回転方向に弾性的に連結するスプリングと、一対の入力プレートとフランジとの間で摩擦を発生するための摩擦発生機構とから構成されている。一対の入力プレートとハブとが相対回転すると、スプリングが回転方向に圧縮されて摩擦発生機構で滑りが生じる。その結果、回転方向の捩じり振動が吸収・減衰される。
【0003】
ハブのフランジにはスプリングを収容するための窓孔(ばね収容孔)が形成されている。さらに、一対の入力プレートにはスプリングを支持するためのばね支持部(ばね収容部)が形成されている。窓孔はスプリングの円周方向両端及び半径方向両側を支持している。ばね支持部はスプリングの円周方向両端、半径方向両側及び軸方向両側を支持している。これにより、一対の入力プレートとフランジとが相対回転すると、スプリングは窓孔の円周方向片側端面とばね支持部の円周方向反対側端面との間で圧縮される。この圧縮時に窓孔又はばね支持部の円周方向端面は半径方向外側部分の円周方向移動量が半径方向内側部の円周方向移動量より大きいため、スプリングの外周側部分の円周方向幅は内周側部分の円周方向幅に比べて短くなっている。このようにスプリングが非平行に圧縮されると、スプリングにはせん断応力に加えて曲げ応力が生じ、寿命が短くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
窓孔及び支持部内に配置されるスプリングの種類として、コイルスプリングの内側に配置された弾性フロート体が知られている。弾性フロート体はたとえばゴムとその両端に配置された硬質樹脂とから形成された円柱形状の部材である。弾性フロート体はダンパーディスク組立体の自由状態において窓孔及び支持部の円周方向両端間で所定角度まで自由に移動可能である。弾性フロート体は、コイルスプリングの圧縮が進んだ途中から窓孔の円周方向片側端と支持部の円周方向反対側端との間で圧縮され、その結果ダンパー機構の剛性を急激に高める。このようにして、弾性フロート体はダンパーディスク組立体においてストッパートルクを実現する。
【0005】
ところが、従来の技術で述べたようにコイルスプリングが非平行に圧縮されると、コイルスプリングにより弾性フロート体の姿勢が傾いてしまい、弾性フロート体の端面と他の部材(プレート部材端面又はスプリングシート)とが部分的にしか当接しない状態となることがある。この場合は、弾性フロート体が十分に大きな荷重を発生することができず、所望のストッパートルクが得られない。
【0006】
本発明の課題は、ダンパーディスク組立体において十分に大きなストッパートルクを実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のダンパーディスク組立体は、第1回転部材と第2回転部材とコイルスプリングと一対のスプリングシートとを備えている。第1回転部材はばね収容孔が形成された板状の部材である。第2回転部材は、ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され、第1回転部材の近傍に配置された板状の部材である。コイルスプリングはばね収容孔とばね収容部内に配置され第1回転部材と第2回転部材との間でトルク伝達可能である。一対のスプリングシートはコイルスプリングの円周方向両端に配置されている。スプリングシートはコイルスプリングの円周方向両端を支持するとともにコイルスプリングの内側に係合している。一対のスプリングシートはばね収容孔及びばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能である。一対のスプリングシートの先端は、半径方向内側端が半径方向外側端より対向スプリングシート側に位置する傾斜面を有している。
【0008】
請求項1に記載のダンパーディスク組立体では、たとえば第2回転部材にトルクが入力されると、コイルスプリングを介して第1回転部材にトルクが伝達される。第2回転部材にトルク変動が入力されると、第1回転部材と第2回転部材が相対回転し、コイルスプリングが回転方向に圧縮される。その結果、捩じり振動が吸収・減衰される。ここでは、一対のスプリングシートの先端が傾斜面となっているため、ストッパートルクを発生するために互いに当接する部材同士が全面的に当接し、十分に大きなストッパートルクを得ることができる。
【0009】
請求項2に記載のダンパーディスク組立体では、請求項1において、一対のスプリングシートの先端同士は、第1及び第2回転部材が相対回転して一対のスプリングシート同士が接近すると互いに当接するようになっている。
【0010】
請求項2に記載のダンパーディスク組立体では、一対のスプリングシート同士が互いに当接すときに、先端が傾斜面となっているため先端の当接面同士が全体にわたって当接する。この結果、十分に大きなストッパートルクを得ることができる。
【0011】
請求項3に記載のダンパーディスク組立体では、請求項1において、コイルスプリング内に円周方向に移動可能に配置された弾性フロート体をさらに備えている。
【0012】
請求項3に記載のダンパーディスク組立体では、第1回転部材と第2回転部材との相対回転角度が大きくなると、弾性フロート体は一対のスプリングシート間に挟まれる。このとき、弾性フロート体は一対のスプリングシートの先端の傾斜面によって弾性変形する。このため一対のスプリングシートの先端と弾性フロート体とが全面にわたって当接し、弾性フロート体は十分に大きな荷重を発生することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1に本発明の一実施形態としてのクラッチディスク組立体1の断面図を示し、図2にその平面図を示す。クラッチディスク組立体1は、車両のクラッチ装置に用いられる動力伝達装置であり、クラッチ機能とダンパー機能とを有している。クラッチ機能とはフライホイール(図示せず)に連結及び離反することによってトルクの伝達及び遮断をする機能である。ダンパー機能とは、ばね等によりフライホイール側から入力されるトルク変動を吸収・減衰する機能である。
【0014】
図1においてO−Oがクラッチディスク組立体1の回転軸線である。図1の左側にエンジン及びフライホイール(図示せず)が配置され、図1の右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。さらに、図2の矢印R1側がクラッチディスク組立体1の回転方向駆動側(正側)であり、矢印R2がその反対側(負側)である。
【0015】
クラッチディスク組立体1は、主に、入力回転体2と、スプラインハブ3と、入力回転体2とスプラインハブ3との間に配置されたダンパー機構4とから構成されている。
【0016】
入力回転体2は、フライホイール(図示せず)からトルクが入力される部材である。入力回転体2は主にクラッチプレート5及びリテーニングプレート6(第2回転部材)とクラッチディスク12とから構成されている。クラッチプレート5とリテーニングプレート6は、ともに板金製の円坂状又は環状の部材であり、軸方向に所定の間隔をあけて配置されている。クラッチプレート5はエンジン側に配置され、リテーニングプレート6は、トランスミッション側に配置されている。クラッチプレート5とリテーニングプレート6は板状連結部7により互いに固定され、その結果軸方向の間隔が定められるとともに一体回転するようになっている。
【0017】
クラッチディスク12は、図示しないフライホイールに押しつけられ連結する部分である。クラッチディスク12はクッションニングプレートや摩擦フェーシングから構成されている。クラッチディスク12はリベット10によりクラッチプレート5及びリテーニングプレート6の外周部に固定されている。
【0018】
クラッチプレート5及びリテーニングプレート6には、それぞれ中心孔が形成されている。この中心孔内にはスプラインハブ3が配置されている。スプラインハブ3には図示しないトランスミッションから延びるシャフトがスプライン係合している。スプラインハブ3の外周側においてプレート5,6の軸方向間にはハブフランジ8(第1回転部材)が配置されている。ハブフランジ8は中心孔が形成された円坂状の部材である。ハブフランジ8は、コイルスプリング9によってスプラインハブ3に回転方向に連結されている。
【0019】
次に、プレート5,6とハブフランジ8の間に設けられたダンパー機構4の構造について説明する。ダンパー機構4は複数のコイルスプリング組立体13から構成されている。各コイルスプリング組立体13は、大コイルスプリング30と、小コイルスプリング31と、小コイルスプリング31の両端に配置された一対のスプリングシート64とから構成されている。
【0020】
次に、プレート5,6及びハブフランジ8におけるコイルスプリング組立体13を支持する部分の構造について、さらにそれら部分とコイルスプリング組立体13との関係について詳細に説明する。
【0021】
ハブフランジ8には回転方向に等間隔で4つの窓孔21が形成されている。窓孔21は回転方向に長く延びる形状である。窓孔21の縁は、円周方向両側の当接部24(円周方向両端)と、外周側の外周部22と、内周側の内周部23とから構成されている。当接部24は、窓孔21の円周方向中心を通る半径方向の線に概ね平行に形成されている。外周部22はクラッチディスク組立体1の回転方向に沿って湾曲して延び、内周部23は当接部24に対して概ね垂直に延びている。当接部24の半径方向中間部分には切欠き27が設けられている。切欠き27は円周方向に開いた台形形状である。切欠き27は開いた側の半径方向幅が広がる台形形状である。これにより、窓孔21の当接部24は、切欠き27とその半径方向両側の直線部25,26とから構成されている。
【0022】
この窓孔21内にコイルスプリング組立体13が配置されている。大コイルスプリング30は円周方向両端が当接部24に支持されている。具体的には、大コイルスプリング30の円周方向両端の半径方向両側部分が当接部24の直線部25,26にそれぞれ当接又は近接している。小コイルスプリング31は、線径及びコイル径が大コイルスプリング30に比べて小さいばねであり、大コイルスプリング30に比べてばね定数が小さい。小コイルスプリング31は大コイルスプリング30内に配置されている。小コイルスプリング31は円周方向両端がスプリングシート64(後述)を介して当接部24に支持されている。
【0023】
次に、スプリングシート64の構造について説明する。スプリングシート64は全体が弾性樹脂材料から一体に成形されている。弾性樹脂材料としては例えば熱可塑性ポリエステル・エラストマーがある。
【0024】
スプリングシート64は主に支持部65と突出部66とから構成されている。支持部65は軸方向に長く延びている。支持部65は一方に平坦な支持面68を有し、他方側に台形形状の係合面69を有している。すなわち支持部65は平面視又は軸方向に交差する断面において概ね台形形状となっている。支持部65はその半径方向中間部が切欠き27に円周方向から係合している。この状態でスプリングシート64は当接部24に対して円周方向内側(対向するスプリングシート64側)には離脱可能に、かつ、半径方向移動又は回転は不能に支持されている。
【0025】
突出部66は互いに当接することでストッパートルクを実現するための構造である。突出部66は支持面68側に設けられ、支持面68の軸方向中間から円周方向に延びている。突出部66は外周面70と先端の当接面71とを有している。突出部66は概ね円柱形状であり、支持面68の軸方向中間部分から円周方向に向かって延びている。突出部66は支持面68側の根元部分から先端に向かって徐々に径が小さくなる円柱形状である。ただし、突出部66は、半径方向外側部分は支持面68から垂直に延びており、半径方向内側の縁は先端にいくに従って半径方向外側に近づくように傾斜している。これにより、突出部66の外周面70は、半径方向外側部分が小コイルスプリング31の内側面半径方向外側に当接又は近接している。さらに、突出部66の外周面70の根元部分すなわち支持面68に近接した部分の径は小コイルスプリング31の内径とほぼ同一である。当接面71は突出部66の先端において軸方向に沿って延びる平坦な面であり、半径方向内側部分が半径方向外側部分に比べて円周方向内側即ち対向するスプリングシート64側に位置している。すなわち当接面71は傾斜面となっている。別の表現では、当接面71は当接部16の直線部17,18や当接部24の直線部25,26に対して平行でなく、傾いている。具体的には、対向する当接面71同士は半径方向内側が外側に比べて近接している。さらに、両当接面71は、平面から見て、クラッチディスク組立体1の中心Oを通るある2本の直線とそれぞれ一致する傾斜角度を有している。
【0026】
係合面69の支持部65と反対側には2つの規制部67が設けられている。2つの規制部67は軸方向中間部分において軸方向に間隔を開けて形成されている。規制部67は係合面69全体にわたって延びている。2つの規制部67はハブフランジ8の軸方向両側に位置している。すなわち2つの規制部67は、ハブフランジ8において切欠き27からさらに円周方向外側の部分に対して軸方向に対向している。この結果、スプリングシート64は窓孔21の円周方向端部に係合した状態ではハブフランジ8に対して軸方向両側への移動が制限されている。
【0027】
支持面68には、小コイルスプリング31の両端及び大コイルスプリング30の両端(特に軸方向両側部分)が支持されている。大コイルスプリング30の両端(特に半径方向両側部分)は、ハブフランジ8の当接部24とプレート5,6の当接部16に支持されている。小コイルスプリング31の軸方向両端は(特に半径方向両側部分)は、ハブフランジ8の当接部24に支持されている。
【0028】
クラッチプレート5及びリテーニングプレート6の外周部には回転方向に等間隔で4つのばね支持部11(ばね収容部)が形成されている。各ばね支持部11は軸方向に貫通した孔である。ばね支持部11は窓孔21に位置及び形状が対応して形成されている。各ばね支持部11には外周側覆い部14と内周側覆い部15が形成されている。外周側覆い部14は絞り加工により形成された起こし部であり、コイルスプリング組立体13の軸方向外側及び半径方向外方への移動を制限するためのものである。内周側覆い部15は、プレート本体から一体に切り起こされた形状であり、コイルスプリング組立体13の軸方向外側及び半径方向内側の移動を制限するためのものである。なお、内周側覆い部15の円周方向両端はプレート本体から切り起こされているが、外周側覆い部14の円周方向両端は外周側部分から半径方向内側に延びる補強部14aを有している。補強部14aはプレート本体から垂直に延びている。
【0029】
ばね支持部11は、外周側覆い部14からなる外周縁と、概ね内周側覆い部15からなる内周縁と、円周方向両側の当接部16とを有している。当接部16には半径方向中間部に切欠き19が形成されている。切欠き19は切欠き27に対応して同様の形状となっている。すなわち、当接部16においては、半径方向両側の直線部17,18と、その間に形成された切欠き19とから構成されている。なお、外周側の直線部17は概ね補強部14aの内側面で形成され、内周側の直線部18は内周側覆い部15の切り起こしによより形成されたせん断面から構成されている。
【0030】
プレート5,6の切欠き19に支持部65の係合面69(特に軸方向両側部分)が係合している。これにより、スプリングシート64は、当接部16に対して円周方向内側(対向するスプリングシート64側)に離脱可能に、かつ、半径方向移動又は回転は不能になっている。
【0031】
また、一方の規制部67はプレート5の軸方向内側(プレート6側)に位置し、他方の規制部67はプレート6の軸方向内側(プレート5側)に位置している。すなわち2つの規制部67は、プレート5,6において切欠き19からさらに円周方向外側の部分に対して軸方向に対向している。この結果、スプリングシート64はばね支持部11の円周方向端部に係合した状態ではプレート5,6に対して軸方向両側への移動が制限されている。
【0032】
次に、図6及び図7を用いてダンパー機構4の動作について説明する。
図6は中立状態であり、プレート5,6とハブフランジ8とは相対回転していない。図6の状態からプレート5,6を他の部材に回転不能に固定しておき、それに対してハブフランジ8を回転方向R2側に回転させていく。すると、ハブフランジ8の窓孔21のR1側当接部24と、プレート5,6のばね支持部11のR2側当接部16との間で大コイルスプリング30と小コイルスプリング31とが並列に圧縮されていく。図7の状態になると、一対のスプリングシート64は当接面71同士が互いに当接し、両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)の相対回転が停止する。このとき一対のスプリングシート64によって十分に大きなストッパートルクが得られる。
【0033】
大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31が圧縮される途中で、R1側のスプリングシート64はハブフランジ8の回転とともに移動し、その半径方向外側部分の移動量は半径方向内側部分の移動量より大きい。その結果、図7に示す当接状態で、両スプリングシート64の当接面71同士は互いに平行に向き合う。したがって当接面71同士が全面的に当接し、当接面71に垂直な方向に荷重が発生する。この結果、スプリングシート64は十分に大きな荷重を発生する。
【0034】
上記動作中におけるスプリングシート64の支持状態をより詳細に説明する。R1側のスプリングシート64はハブフランジ8の窓孔21のR1側当接部24に支持されており、R2側のスプリングシート64はプレート5,6のばね支持部11のR2側当接部16に支持されている。より具体的には、R1側のスプリングシート64はその支持部65の係合面69の特に軸方向中間部分が当接部24の切欠き27によってクラッチディスク組立体1の円周方向に支持されている。 また、R2側のスプリングシート64はその支持部65の係合面69特に軸方向両側部分がプレート5,6の当接部16の切欠き19によってクラッチディスク組立体1の円周方向にそれぞれ支持されている。
【0035】
以上に説明したように、一対のスプリングシート64同士は、プレート5,6とハブフランジ8とが相対回転したときに互いに当接し、大きな荷重を発生し所望のストッパートルクを実現する。ここでは、一対のスプリングシート64が弾性樹脂材料からなるため、所望の弾性機能が得られる。
【0036】
この実施形態では、従来の弾性フロート体を不要とすることができ、部品点数が少なくなるとともに製造コストが低くなる。
第2実施形態
図8〜図10に示す第2実施形態においては第1実施形態と同様の部分についての説明は省略し、異なる部分を主に説明する。
【0037】
コイルスプリング組立体13は、大コイルスプリング30,小コイルスプリング31,1対のスプリングシート64、弾性フロート体99とから構成されている。大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31は前記実施形態と同様である。
【0038】
一対のスプリングシート64は例えば硬質樹脂や金属からなる。スプリングシート64は、前記実施形態におけるスプリングシートとほぼ同様の構造を有している。スプリングシート64は支持部65と突出部73とから構成されている。突出部73は支持面68の軸方向中間部分から円周方向に延びている。突出部73は概ね円柱形状であり、その径は小コイルスプリング31の内径とほぼ等しい。突出部73の先端には当接面78が形成されている。当接面78は軸方向に沿った平坦な面であり、その半径方向内側部分が半径方向外側部分に比べて円周方向内側に位置するように傾斜している。すなわち当接面78は傾斜している。別の表現では、当接面78は当接部16の直線部17,18や当接部24の直線部25,26に対して平行でなく、傾いている。具体的には、対向する当接面78同士は半径方向内側が外側に比べて近接している。
【0039】
一対のスプリングシート64間に弾性フロート体99が配置されている。弾性フロート体99は窓孔21及びばね支持部11内でさらに大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31内に配置された弾性部材である。弾性フロート体99は、捩じり角度が大きくなると圧縮されることで高剛性の特性を実現するための部材である。すなわち弾性フロート体99は小コイルスプリング31内で一対のスプリングシート64の円周方向間に所定距離又は角度移動可能になっており、両回転体の捩じり角度が大きくなるまでは圧縮されない。
【0040】
弾性フロート体99はたとえば弾性樹脂材料から一体に成形されている。弾性樹脂材料としては例えば熱可塑性ポリエステル・エラストマー等がある。弾性フロート体99は概ね円柱形状であるが、その長手方向中間部は長手方向両端に比べて径が小さくなっている。言い換えると、弾性フロート体99は長手方向両端から径が徐々に小さくなるように滑らかにくびれている。したがって、弾性フロート体99は長手方向中間部分においては剛性が低くなっており、曲がりやすくなっている。弾性フロート体99の長手方向両端部分の径は小コイルスプリング31の内径とほぼ等しくなっている。さらに、弾性フロート体99の長手方向両端には平坦な当接面100が形成されている。当接面100同士は互いに平行であり、図9の中立状態で当接面100は当接部16の直線部17,18や当接部24の直線部25,26に対して平行になっている。
【0041】
弾性フロート体99の円周方向長さ又は円周方向角度は一対のスプリングシート64の当接面78同士の円周方向長さ又は円周方向角度に比べて短い。このことは、弾性フロート体99は一対のスプリングシート64間で円周方向に移動可能であり、さらにプレート5,6とハブフランジ8との相対回転角度が所定角度の達するまでは弾性フロート体99は圧縮されないことを意味する。
【0042】
図9は中立状態であり、プレート5,6とハブフランジ8とは相対回転していない。図9の状態からプレート5,6を他の部材に回転不能に固定しておき、それに対してハブフランジ8を回転方向R2側に回転させていく。すると、ハブフランジ8の窓孔21のR1側当接部24と、プレート5,6のばね支持部11のR2側当接部16との間で大コイルスプリング30と小コイルスプリング31とが並列に圧縮されていく。図10の状態になると、一対のスプリングシート64は当接面78と弾性フロート体99の当接面100が当接し、両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)の相対回転が停止する。このとき弾性フロート体99によって十分に大きなストッパートルクが得られる。
【0043】
大コイルスプリング30と小コイルスプリング31の圧縮途中で、窓孔21のR1側当接部24においては半径方向外側部分が内側部分に比べて回転方向の移動量が大きいため、大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31は外周側部分の圧縮量が内周側部分の圧縮量より大きくなることが考えられる。それに対して、この実施形態では、一対のスプリングシート64の当接面78があらかじめ傾斜面となっているため、スプリングシート64の当接面78と弾性フロート体99の当接面100とがほぼ全面にわたって当接する。すなわち両当接面78,100に対してほぼ垂直に力が作用する。この結果、弾性フロート体99は弾性的に圧縮されながら十分に大きな荷重を発生することができ、その結果クラッチディスク組立体1は十分に大きなストッパートルクを得ることができる。
第3実施形態
第3実施形態においては第2実施形態と同様の部分についての説明は省略し、異なる部分を主に説明する。
【0044】
第3実施形態におけるコイルスプリング組立体13は、大コイルスプリング30,小コイルスプリング31,1対のスプリングシート64、弾性フロート体80とから構成されている。大コイルスプリング30、小コイルスプリング31及び1対のスプリングシート64は前記実施形態と同様である。
【0045】
弾性フロート体80は窓孔21及びばね支持部11内でさらに大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31内に配置された弾性部材である。弾性フロート体80は、捩じり角度が大きくなると圧縮されることで高剛性の特性を実現するための部材である。すなわち弾性フロート体80は小コイルスプリング31内で一対のスプリングシート64の円周方向間に所定距離又は角度移動可能になっており、両回転体の捩じり角度が大きくなるまでは圧縮されない。
【0046】
弾性フロート体80は弾性樹脂部81と両端のシート部82とから構成されている。弾性樹脂部81は円周方向に長く延びる円柱形状の部材である。弾性樹脂部81は小コイルスプリング31の内径に比べて半分程度に短くなっている。シート部82はたとえば硬質樹脂からなる円柱形状の部材である。シート部82の円周方向内側には孔84が形成されている。孔84内には弾性樹脂部81の両端が挿入され接着剤又は他の手段により固定されている。シート部82の外径は小コイルスプリング31の内径とほぼ同一である。すなわち、弾性フロート体80は一対のシート部82によって小コイルスプリング31に対して姿勢が定められている。さらにシート部82の円周方向外側はスプリングシート64の当接面78に対向する当接面83となっている。当接面83同士は互いに平行であり、図12の中立状態で当接面83は当接部16の直線部17,18や当接部24の直線部25,26に対して平行になっている。
【0047】
以上に述べた構造によって、弾性フロート体80は、その長手方向中間部である弾性樹脂部81の剛性が低く、前記実施形態の弾性フロート体よりさらに曲がりやすくなっている。
【0048】
図12は中立状態であり、プレート5,6とハブフランジ8とは相対回転していない。図12の状態からプレート5,6を他の部材に回転不能に固定しておき、それに対してハブフランジ8を回転方向R2側に回転させていく。すると、ハブフランジ8の窓孔21のR1側当接部24と、プレート5,6のばね支持部11のR2側当接部16との間で大コイルスプリング30と小コイルスプリング31とが並列に圧縮されていく。図13の状態になると、一対のスプリングシート64は当接面78と弾性フロート体80の当接面83が当接し、両回転部材(プレート5,6とハブフランジ8)の相対回転が停止する。このとき弾性フロート体99によって十分に大きなストッパートルクが得られる。
【0049】
大コイルスプリング30と小コイルスプリング31の圧縮途中で、窓孔21のR1側当接部24においては半径方向外側部分が内側部分に比べて回転方向の移動量が大きいため、大コイルスプリング30及び小コイルスプリング31は外周側部分の圧縮量が内周側部分の圧縮量より大きくなることが考えられる。それに対して、この実施形態では、一対のスプリングシート64の当接面78があらかじめ傾斜面となっているため、スプリングシート64の当接面78と弾性フロート体80の当接面83とがほぼ全面にわたって当接する。すなわち両当接面78,83に対してほぼ垂直に力が作用する。この結果、弾性フロート体99は弾性的に圧縮されながら十分に大きな荷重を発生することができ、その結果クラッチディスク組立体1は十分に大きなストッパートルクを得ることができる。
【0050】
特に、ここでは弾性樹脂部81の外径が小コイルスプリング31に対して短くなっているため、弾性フロート体80全体の剛性が低くなっている。これにより、弾性フロート体80は弾性樹脂を用いた利点に加えて、十分な弾性を発揮できる。このように弾性フロート体80がより弾性変形可能となるため、スプリングシート64の当接面78と弾性フロート体80の当接面83との密着度が向上する。また、ストッパートルク発生時に弾性が得られる。
〔他の実施形態〕
前記実施形態ではハブフランジ8はスプラインハブ3と分離していたが、一体に形成されていてもよい。
【0051】
また、本発明に係るダンパーディスク組立体は、クラッチディスク組立体のみならず、フライホイール組立体のダンパー機構やトルクコンバータのロックアップダンパーにも採用可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係るダンパーディスク組立体では、一対のスプリングシートの先端が傾斜面となっているため、ストッパートルクを発生するために互いに当接する部材同士が全面的に当接し、十分に大きなストッパートルクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたクラッチディスク組立体の縦断面概略図。
【図2】図クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図1の部分拡大図。
【図4】図2の部分拡大図。
【図5】スプリングシートの斜視図。
【図6】ダンパー機構の動作を説明するための概略部分平面図。
【図7】ダンパー機構の動作を説明するための概略部分平面図。
【図8】第2実施形態におけるスプリングシートの斜視図。
【図9】ダンパー機構の動作を説明するための概略部分平面図。
【図10】ダンパー機構の動作を説明するための概略部分平面図。
【図11】第3実施形態における弾性フロート体の一部断面図。
【図12】ダンパー機構の動作を説明するための概略部分平面図。
【図13】ダンパー機構の動作を説明するための概略部分平面図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体
2 入力回転体
3 スプラインハブ
4 ダンパー機構
5 クラッチプレート
6 リテーニングプレート
8 ハブフランジ
31 小コイルスプリング
64 スプリングシート
65 支持部
66 突出部
68 支持面
71 当接面

Claims (3)

  1. ばね収容孔が形成された板状の第1回転部材と、
    前記ばね収容孔に対応するばね収容部が形成され前記第1回転部材の近傍に配置された板状の第2回転部材と、
    前記ばね収容孔と前記ばね収容部内に配置され、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間でトルク伝達可能なコイルスプリングと、
    前記コイルスプリングの円周方向両端に配置され、前記コイルスプリングの円周方向両端を支持するとともに前記コイルスプリングの内側に係合し、前記ばね収容孔及び前記ばね収容部の円周方向両端に円周方向から係合可能な1対のスプリングシートとを備え、
    前記1対のスプリングシートの先端は、半径方向内側端が半径方向外側端より対向スプリングシート側に位置する傾斜面を有している、
    ダンパーディスク組立体。
  2. 前記1対のスプリングシートの先端同士は、前記第1及び第2回転部材が相対回転して前記1対のスプリングシート同士が接近すると互いに当接するようになっている、請求項1に記載のダンパーディスク組立体。
  3. 前記コイルスプリング内に円周方向に移動可能に配置された弾性フロート体をさらに備える、請求項1に記載のダンパーディスク組立体。
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