JP3796629B1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性や耐偏摩耗性を損なうことなく、効果的に氷上性能を向上することができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド中央領域20と、そのタイヤ幅方向外側にあるトレッドショルダー領域22とからなるトレッド部10を有する空気入りタイヤにおいて、中央領域20はジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して平均粒径10〜500μmの竹炭粉末を1〜20重量部配合したゴム組成物で形成し、ショルダー領域22は竹炭粉末を配合しないか、又は中央領域20よりも小粒径の竹炭粉末を少量配合する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、耐摩耗性を損なうことなく氷雪路面での防滑性能に優れ、特に氷上路面での摩擦力を高めて制動、駆動性能を向上することができるスタッドレスタイヤとして好適な空気入りタイヤに関する。
氷雪路面を走行する自動車には、トレッド部をブロックパターンにしたスタッドレスタイヤが一般に使用されるようになり、これに用いるゴム組成物としては氷上路面での駆動、制動性能を向上した上で、耐摩耗性や操縦安定性、低転がり抵抗性などの諸特性を低下させることのないゴム組成物の検討が多くなされている。
例えば、氷上路面での接地性を高めるために、ガラス転移温度の低いブタジエンゴム等の使用や、軟化剤の配合により、低温でのゴム硬度を低く維持して接地性を向上する技術、充填剤のカーボンブラックの一部をシリカに置換し、低温での低モジュラスを維持して粘着摩擦を向上する技術がある。更に、氷上摩擦力を高めるために、トレッドに発泡ゴムを使用したり、中空粒状体を配合して、トレッド接地部に微小凹凸部を設けて除水効果及び引っ掻き効果を向上する技術、有機高分子物質や無機物質等の硬質粒状体、短繊維や胡桃の殻など植物性粒状体を配合して引っ掻き効果を得る技術などが提案されている。
また、下記特許文献1及び2には、スタッドレスタイヤの氷雪路面上の摩擦力を高くする技術として、平均粒径30〜500μmであるヤシガラ活性炭などの活性炭粒子を、ゴム100重量部に対して1〜10重量部を配合する技術が開示されている。
特開平10−231384号公報 特開平11−269306号公報
上記各従来技術によるゴム組成物では、いずれもトレッドゴムの強度やブロック剛性の低下を伴うことから、耐摩耗性や操縦安定性が低下傾向にあるという問題があり、またシリカを多量配合した場合は混合性の低下や導電性の問題、中空粒子を配合するものは混合中に粒子が破壊されてしまうという工程性での不具合を有するなど、いずれの手法においても十分に満足するには至っていないのが実状である。
かかる問題を解決するため、本出願人は、本出願時に未公開である特願2003−403341において、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、竹炭の粉砕物からなる平均粒径10〜500μmの竹炭粉末を1〜20重量部配合してなるゴム組成物を提案している。これによれば、竹炭粉末の優れた吸着性能により、トレッドゴムが吸水、除水作用を発揮して、氷上路面の水膜を効果的に除去することができ、氷上摩擦力を高めて氷上性能を大幅に向上することができ、また耐摩耗性などの諸特性の低下も抑えることができる。
このように竹炭粉末は氷上性能に優れた改良効果を示すものの、氷上性能を更に向上させるために大量に配合すると、耐摩耗性、特に耐偏摩耗性が悪化してしまう。このように耐偏摩耗性が劣ると、タイヤの寿命が短くなることから改善が求められる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性や耐偏摩耗性を損なうことなく、効果的に氷上性能を向上することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、タイヤのトレッドショルダー領域では局所的に圧力がかかる影響で、トーヒール摩耗などの偏摩耗が発生しやすいと考えた。そして、上記竹炭粉末を主としてトレッド中央領域に配合することにより、耐偏摩耗性を損なうことなく、効果的に氷上性能を高めることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド中央領域と、そのタイヤ幅方向外側にあるトレッドショルダー領域とからなるトレッド部を有する空気入りタイヤであって、前記トレッド中央領域が、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して平均粒径10〜500μmの竹炭粉末を1〜20重量部配合したゴム組成物からなるものである。
本発明の空気入りタイヤにおいて、請求項1に係る発明では、トレッドショルダー領域は、竹炭粉末を含まないゴム組成物からなる。また、請求項2又は3に係る発明では、トレッドショルダー領域に竹炭粉末を配合するものとし、請求項2では、トレッドショルダー領域は、トレッド中央領域よりも竹炭粉末の配合量の少ないゴム組成物からなり、請求項3では、トレッド中央領域に配合する竹炭粉末よりも平均粒径の小さい竹炭粉末を配合したゴム組成物からなるより好ましくは、トレッドショルダー領域は、トレッド中央領域に配合する竹炭粉末よりも平均粒径の小さい竹炭粉末を、その配合量がトレッド中央領域における竹炭粉末のゴム成分に対する配合量よりも少なくなるように配合したゴム組成物からなるものとすることである。
このようにトレッドショルダー領域に竹炭粉末を配合する場合には、中央領域よりも小粒径及び/又は少量の竹炭粉末を配合することにより、耐偏摩耗性の低下を極力抑えながら、氷上性能の更なる改善を図ることができる。
このようにトレッドショルダー領域にも竹炭粉末を配合する場合、トレッドショルダー領域は、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、平均粒径が10〜100μmである竹炭粉末を1〜10重量部配合したゴム組成物からなることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、トレッド中央領域に竹炭粉末を配合したことにより、竹炭粉末の優れた吸着性能によって氷上路面に発生する水膜を吸水、除水し、路面とトレッドゴムの間の滑りの原因となる水膜を効果的に除去して摩擦力を大幅に高め、氷上性能を著しく向上させることができる。また特に、耐偏摩耗性に与える影響が小さく、氷上性能に大きく寄与していると考えられるトレッド中央領域に該竹炭粉末を配合したことにより、耐摩耗性、特に耐偏摩耗性を損なうことなく、氷上性能を効果的に向上することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の半断面図である。このタイヤは、不図示の左右一対のビード部及びサイドウォール部と、両サイドウォール部間にまたがるトレッド部10とを備えて構成されている。図示するように、トレッド部10において、ベルト層12のタイヤ半径方向外側にはトレッドゴム層14が設けられており、このトレッドゴム層14は、タイヤ半径方向内側のベース層16と、外側のキャップ層18とからなる。
そして、キャップ層18は、タイヤ赤道線CLを含むトレッド中央領域20と、そのタイヤ幅方向外側に隣接して配置されたトレッドショルダー領域22とで構成されている。本実施形態では、かかるトレッド中央領域20と、その両側のトレッドショルダー領域22とが異なる配合のゴム組成物により形成されている。なお、本発明は、トレッドゴム層14が上記のベース層16を持つ2層構造のものには限定されず、一層構造であってもよい。
ここで、トレッド中央領域20とトレッドショルダー領域22との比率は、上記本発明の効果を発揮させるために次のように設定されることが好ましい。すなわち、タイヤ赤道線CLからトレッド接地端E(タイヤに標準荷重(JATMA規定の最大荷重の75%の荷重)を負荷したときに路面と接するトレッド部10の外側端)との距離をxとしたとき、トレッド中央領域20とトレッドショルダー領域22の境界線Bがタイヤ赤道線CLから0.2x〜0.8xの範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは0.4x〜0.7xの範囲内に設定されることである。
また、両領域20,22の境界線Bは、タイヤ周方向に延びる主溝24内に設定されることが好ましく、従って、例えば、3本以上の主溝を持つタイヤの場合、外側の2本の主溝24よりもタイヤ幅方向外側のショルダーリブが上記トレッドショルダー領域22とされ、これら2本の主溝24の内側のリブが上記トレッド中央領域20とされていることが好ましい。このように、両領域20,22の境界線Bを主溝24等の溝内に配置することにより、トレッドゴムが摩耗しても両領域20,22のゴムの界面が接地面に出現することを防止して、耐久性を向上することができる。
トレッド中央領域20を形成するゴム組成物は、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、平均粒径10〜500μmの竹炭粉末を1〜20重量部配合したものである。一方、トレッドショルダー領域22を形成するゴム組成物は、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、平均粒径10〜100μmの竹炭粉末を0〜10重量部配合したものである。
上記ゴム成分を構成するジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)の他、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどのジエン系合成ゴムが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。
スタッドレスタイヤの場合、上記ゴム成分としては、NRとBRとのブレンドゴムを用いることが好ましく、その場合、BRの比率が少なすぎるとゴム組成物の低温特性が得難くなり、逆に多くなりすぎると加工性の悪化や耐引き裂き抵抗性が低下する傾向になるので、NR/BRの比率は30/70〜80/20、更には40/60〜70/30程度であることが好ましい。
上記ゴム組成物に配合される竹炭粉末は、竹を材料として炭化して得られる炭素を主成分とする多孔質性炭化物(即ち、竹炭)の粉末である。ここでいう竹は、孟宗竹、苦竹、淡竹、紋竹などの各種の竹のほか、千鳥笹、仙台笹などの笹も含む概念であり、すなわち、本発明の竹炭粉末は笹の炭からなる粉末も含まれる概念である。
かかる竹炭粉末は、路面を損傷したりアスファルトの粉塵を発生させることがなく、さらに天然素材であるため飛散しても健康問題や環境汚染を引き起こすといった問題がない優れた配合材である。また、竹炭は、木材などを原料とする活性炭に比べ、その特有の多孔質性により優れた吸着性を発揮することから、氷上路面に発生する水膜を効果的に吸水、除去し路面との摩擦力を高め、タイヤの氷上性能を著しく向上させることができる。
竹炭の製法は、備長炭と同様に竹材を炭化するもので、例えば、特開平9−324180号公報に記載の竹炭の製造法のように、竹材を窯を用いて蒸し焼きにして炭化することにより、容易、安価に得られる。
竹炭粉末は、このようにして得られた竹炭を粉砕することにより得ることができる。例えば、孟宗竹を材料とした市販品の竹炭を、公知の粉砕機(例えば、ボールミル)を用いて粉末状に粉砕し、所定の粒径範囲に選別し分級したもの、例えばJIS Z8801に記載の標準ふるいによって所定の粒径にふるい分けした粒状体を用いることができる。竹炭粉末の形状は、特に限定されるものではなく、例えば略球状、略立方体状、略柱状や略繊維状などの各種形状のもの、またそれらの混合物を用いることができる。但し、竹炭は粉砕した場合、通常は主として繊維状の細長い粒子で構成されるため、このような繊維状粒子から主として構成される竹炭粉末を用いることが好ましい。
竹炭粉末の平均粒径は、トレッド中央領域20に配合するものについては、上記のように10〜500μmである。10μm未満であると、比表面積が大きくても、粉末の絶対吸水量が少なくなり、吸水、除水効果が不十分となり、逆に500μmを越えると、ゴム中への分散性や加工性の低下、ゴムの破壊特性の低下により耐摩耗性の悪化を来し、また路面との摩擦により竹炭粉末が早期に脱落しやすくなる。
一方、トレッドショルダー領域22に配合する竹炭粉末の平均粒径は10〜100μmであり、トレッド中央領域20に配合する竹炭粉末よりも平均粒径が小さいものを用いることが好ましい。このように竹炭粉末は、トレッド中央領域20では大粒径のものを使用し、トレッドショルダー領域22では小粒径のものを使用することが好ましい。これは、トレッド中央領域20は、ショルダー領域22よりも氷上性能に対する寄与度が高いため、この領域20に大粒径の竹炭粉末を配合することにより、氷上性能を効果的に向上することができるからである。一方、ショルダー領域22は、局所的に圧力がかかる影響で耐偏摩耗性が損なわれやすいので、この領域22には小粒径の竹炭粉末を配合することにより、耐摩耗性/耐偏摩耗性の悪化を極力抑えながら、氷上性能を向上することができる。かかる観点より、竹炭粉末の平均粒径は、トレッド中央領域20に配合するものが30〜500μmであり、トレッドショルダー領域22に配合するものが10〜30μmであることがより好ましい。
竹炭粉末の配合量は、上記のように、ゴム成分100重量部に対し、トレッド中央領域20では1〜20重量部であり、トレッドショルダー領域22では0〜10重量部である。トレッド中央領域20において、1重量部未満では吸水、除水効果が不十分で氷上性能が十分に得られず、20重量部を越えるとゴムの加工性が悪化すると共に、ゴムの硬度上昇、弾性率の低下により破壊特性が低下して耐摩耗性が悪化し、また増量による吸水、除水効果の向上も限界となる。一方、トレッドショルダー領域22では、竹炭粉末は配合しなくてもよく、即ち竹炭粉末はトレッド中央領域20のみに配合してもよい。ショルダー領域22に配合する場合、その配合量は1〜10重量部であり、かつトレッド中央領域20での配合量よりも少ないことが好ましい。
このように竹炭粉末の配合量をトレッド中央領域20で多量に、ショルダー領域22で少量にすることにより、氷上性能に対する寄与度の高いトレッド中央領域20で該性能を効果的に向上することができるとともに、耐偏摩耗性が損なわれやすいショルダー領域22において耐摩耗性/耐偏摩耗性の悪化を極力抑えながら、氷上性能を向上することができる。かかる観点より、竹炭粉末の配合量は、ゴム成分100重量部に対し、トレッド中央領域20では10〜20重量部であり、トレッドショルダー領域22では5重量部以下であることがより好ましい。
上記したゴム組成物には、種子の殻又は果実の核を粉砕してなる植物性粒状体が更に配合されてもよく、これらの配合により、路面の水膜除去効果に加えて、植物粒状体による引っ掻き効果による相乗効果により、氷上性能を一層向上させることができる。
かかる植物性粒状体としては、氷の硬さより硬い、すなわちモース硬度が2以上である胡桃、椿等の種子の殻、または桃、梅等の果実の核を公知の方法で粉砕してなる破砕粒状体が挙げられる。これらの粒状体は、ゴム表面から突出し、路面に対する引っ掛き効果により氷上路面での滑り防止作用を発揮するもので、ゴムとの接着性を確保するためにゴム接着性改良の表面処理が施された粒状体であることが好ましい。
上記植物性粒状体の粒径は、ゴム接着性改良剤で表面処理した後の径が100〜600μmのものが好ましく、100μm未満であるとゴム表面からの突出量が少なく引っ掛き効果が不十分であり、600μmを越えると氷に含まれる気泡の径より大きいために気泡を破壊する作用が小さくなり、また粒状体周囲のマトリックスゴムの歪みが過大になってクラックが発生しトレッドから脱落しやすくなる。
植物性粒状体のゴム接着性改良の表面処理剤として、例えば、レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物と天然ゴムラテックスまたはジエン系合成ゴムラテックスとの混合物(RFL処理液)が使用できる。上記のRFLは、植物性粒状体への付着率が1〜5重量%になるように固形分濃度を5〜25重量%に調整され、その中に植物性粒状体を浸漬するか、または植物性粒状体に上記の混合物を吹き付けて乾燥し、ゴム接着性改良表面処理が施された植物性粒状体が得られ、公知の方法で再粉砕し、所望する粒径分布に篩い分けし所定の粒径範囲を持つ植物性粒状体が得られる。
このゴム接着性改良表面処理が施された植物性粒状体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜30重量部が好適である。配合量が1重量部より少ない場合は、凍結路面おける耐滑り性が劣り、30重量部より多くなると耐摩耗性が低下する。なお、ゴム接着性改良表面処理が施されていない粒径が30〜250μm程度の植物性粒状体が、1.5〜10重量部を配合してもよく、この場合、タイヤの走行中に表面処理が施されていない植物性粒状体がトレッド表面から脱落し形成された穴が、竹炭粉末と共に吸水、除水効果を奏し、前記ゴム接着性改良処理済み植物性粒状体が奏する引っ掛き効果との相乗効果を発揮するようになる。
上記ゴム組成物には、更に、トレッドゴム組成物として通常使用されているカーボンブラックやシリカなどの補強剤や充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、老化防止剤(アミン−ケトン系、芳香族第2アミン系、フェノール系、イミダゾール系等)、加硫剤、加硫促進剤(グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系等)などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合し用いられる。
ここでカーボンブラックとしては、スタッドレスタイヤのトレッド部に用いる場合は、トレッドゴムの低温性能、耐摩耗性や補強性などの観点から、窒素吸着比表面積(NSA)が70m/g以上、DBP吸油量が105ml/100g以上であるものが好ましく、さらにはNSAが80〜200m/g、DBP吸油量が110〜150ml/100gであるものが一層好ましく、これらの値が低くなるとゴム強度やモジュラスが低下し、逆にNSAが高くなると発熱が大きくなり好ましくない。具体的にはSAF,ISAF,HAF級のカーボンブラックが例示され、配合量としてはゴム成分100重量部に対して10〜80重量部程度の範囲で使用される。
また、シリカを用いる場合は、湿式シリカ、乾式シリカ或いは表面処理シリカなどが使用され、配合量はゴムのtanδのバランスや補強性、電気伝導度の観点からゴム成分100重量部に対して50重量部未満が好ましく、カーボンブラックとの合計量では10〜120重量部程度が好ましい。
なお、上記ゴム組成物は、氷雪路上でのゴム組成物の低温性能を維持する上で、JIS硬度(JIS K7215に準拠、測定温度23℃)が30〜60、さらに好ましくは40〜55の範囲に調整されることが望ましい。
上記ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混合機を用いて常法に従い混練され作製することができる。その際、トレッドキャップ層18について、上記した中央領域20用のゴム組成物と、ショルダー領域22用のゴム組成物との2種類を作製しておく。そして、この2種のゴム組成物を用いて、ゴム用押し出し機などによりタイヤのトレッドキャップ層18を作製して未加硫タイヤを成型した後、常法に従い加硫工程を経て、上記した空気入りタイヤが製造される。
以上よりなる空気入りタイヤであると、トレッドキャップ層18、特にその中央領域20に多量に配合した竹炭粉末が、トレッド表面に露出して無数の穴部を表面に形成し、優れた吸水、除水効果を発揮して氷上路面の水膜を素速く除去し、トレッドゴムと路面との摩擦係数を高めて氷上性能を向上すると共に、操縦安定性や転がり抵抗を維持し、氷上路面と乾燥路面におけるタイヤ性能を両立することができる。また、トレッドショルダー領域22については竹炭粉末を未配合とするか、又は中央領域20に比べて小粒径、少量での配合としたことにより、耐摩耗性、特に耐偏摩耗性の悪化を抑えつつ、中央領域20での優れた氷上性能を発揮することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(ゴム組成物の調製)
下記表1に示す配合に従い、バンバリーミキサーを用いて混練し、ゴム組成物(A)〜(F)を調製した。表1の各成分の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3
・ブタジエンゴム:JSR社製ハイシスBR「BR01」
・カーボンブラック:東海カーボン製N339「シーストKH」
・シリカ:日本シリカ社製「Nipsil AQ」
・シランカップリング剤:デグサ製「Si−69」
・パラフィンオイル:JOMO製「プロセスP200」。
・竹炭粉末1:孟宗竹の竹炭(宮崎土晃(株)製「1号炭」)をハンマーミルで粉砕し、得られた粉砕物をJIS Z8801記載の標準ふるいにより分級した平均粒径50μmの竹炭粉末。平均粒径の測定は島津製作所製の粒度分布測定装置「SALV−2000A」による。
・竹炭粉末2:孟宗竹の竹炭(宮崎土晃(株)製「1号炭」)をハンマーミルで粉砕し、得られた粉砕物をJIS Z8801記載の標準ふるいにより分級した平均粒径15μmの竹炭粉末。
・備長炭粉末:平均粒径300μmの備長炭(ウバメ樫)の粒状体。
・植物性粒状体:胡桃殻粉砕物(日本ウォルナット製「ソフトグリップ#46」(平均粒径300μm))にRFL処理液で表面処理を施したもの。
また、各ゴム組成物(A)〜(F)には、共通配合として、ステアリン酸(花王社製「ルナックS−20」)2重量部、亜鉛華(三井金属社製「亜鉛華1種」)3重量部、老化防止剤(住友化学社製「アンチゲン6C」)2重量部、ワックス(日本精蝋社製「OZOACE0355」)2重量部、加硫促進剤(住友化学社製「ソクシノールCZ」)1.5重量部、硫黄(鶴見化学社製「粉末硫黄」)2.1重量部を配合した。
Figure 0003796629
得られた各ゴム組成物(A)〜(F)を150℃で30分間加硫し、加硫ゴムの硬度をJIS K7215(23℃)に準拠し測定した。また、各ゴム組成物を、図1に示すトレッドキャップ層18の中央領域20とショルダー領域22のゴム組成物として、下記表2に示す組み合わせで用いて、定法に従い加硫成形することにより、タイヤサイズ:185/65R15のスタッドレスタイヤを作製した。その際、タイヤ赤道線CLから両領域20,22の境界線Bまでの距離は、タイヤ赤道線CLからトレッド接地端Eまでの距離をxとして、0.6xとした。
作製した各スタッドレスタイヤについて、氷上性能と耐摩耗性と耐偏摩耗性を下記方法に従い評価した。
[氷上性能]
各タイヤ4本を排気量2000ccの前輪駆動式乗用車に装着し、乾燥アスファルト路面にて100kmの予備走行の後、気温−5±3℃、路面温度−5±3℃の氷上路面にて、速度40km/hでABSを作動させ制動距離を測定した。10回の測定の平均値を氷上性能の評価とし、比較例1を100とする指数表示で示した。数値の大きいものほど制動距離が短く良好である。
[耐摩耗性]
各タイヤ4本を排気量2000ccの前輪駆動式乗用車に装着し、一般乾燥路面において2,500km毎に前後輪のローテイションを行い、1万km走行後の4本のトレッド残溝深さの平均値から摩耗量を求め耐摩耗性の評価とした。結果を比較例1を100とする指数表示で示した。数値の大きいものほど耐摩耗性が良好である。
[耐偏摩耗性]
耐摩耗性試験における1万km走行後に、ブロックの前後高さによる偏摩耗比を求め、比較例1を100とする指数表示で示した。数値の大きいものほど耐偏摩耗性が良好である。
Figure 0003796629
表2に示すように、トレッド中央領域20のみに竹炭粉末を配合した実施例1では、同量かつ同粒径の竹炭を中央領域20とショルダー領域22の双方に配合した比較例1に比べて、耐偏摩耗性が大幅に改善されており、氷上性能についても比較例1と同等であって竹炭を配合しなかった比較例3に対しては大幅に改善されていた。また、備長炭粉末を配合した比較例4,5に対しても、実施例1は氷上性能が大幅に改善されており、かつ耐偏摩耗性にも優れていた。
また、トレッド中央領域20とショルダー領域22ともに竹炭粉末を多量配合した比較例2では、比較例1に対して、氷上性能の大幅な改善は認められたものの、耐摩耗性と耐偏摩耗性が悪化していた。これに対し、中央領域20のみに多量配合した実施例2では、比較例1に対し、耐摩耗性を損なうことなく、氷上性能の大幅な改善が認められ、また、耐偏摩耗性についても大幅に改善されていた。また、中央領域20には竹炭粉末を多量に配合するとともに、ショルダー領域22には小粒径かつ少量配合した実施例3では、比較例2と同等の優れた氷上性能を得ながら、耐偏摩耗性は改善されていた。また、中央領域20において竹炭粉末と植物性粒状体を併用した実施例4では、竹炭粉末の配合量は実施例1よりも少ないものの、実施例3と同程度の優れた氷上性能が得られた。
以上の通り、本発明によれば、耐摩耗性及び耐偏摩耗性を損なうことなく、氷上性能を効果的に改良することができるので、スタッドレスタイヤを始めとして各種の空気入りタイヤに利用することができる。
実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の半断面図である。
符号の説明
10……トレッド部
20……トレッド中央領域
22……トレッドショルダー領域

Claims (5)

  1. トレッド中央領域と、そのタイヤ幅方向外側にあるトレッドショルダー領域とからなるトレッド部を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッド中央領域が、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して平均粒径10〜500μmの竹炭粉末を1〜20重量部配合したゴム組成物からなり、
    前記トレッドショルダー領域が、竹炭粉末を含まないゴム組成物からなる
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド中央領域と、そのタイヤ幅方向外側にあるトレッドショルダー領域とからなるトレッド部を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッド中央領域が、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して平均粒径10〜500μmの竹炭粉末を1〜20重量部配合したゴム組成物からなり、
    前記トレッドショルダー領域が、前記トレッド中央領域よりも竹炭粉末の配合量の少ないゴム組成物からなる
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. トレッド中央領域と、そのタイヤ幅方向外側にあるトレッドショルダー領域とからなるトレッド部を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッド中央領域が、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して平均粒径10〜500μmの竹炭粉末を1〜20重量部配合したゴム組成物からなり、
    前記トレッドショルダー領域が、前記トレッド中央領域に配合する竹炭粉末よりも平均粒径が小さい竹炭粉末を配合したゴム組成物からなる
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッドショルダー領域が、前記トレッド中央領域に配合する竹炭粉末よりも平均粒径が小さい竹炭粉末を配合したゴム組成物からなる
    ことを特徴とする請求項記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッドショルダー領域が、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、平均粒径が10〜100μmである竹炭粉末を1〜10重量部配合したゴム組成物からなることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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