JP4976665B2 - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッド用ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、耐摩耗性を維持しながら氷雪路面での摩擦力を高めてタイヤの制動、駆動性能を向上することのできるトレッド用ゴム組成物、及びそれをトレッド部に用いた空気入りタイヤに関する。
氷雪路面を走行する自動車には、トレッド接地部をブロックパターンにしたスタッドレスタイヤが一般に使用されるようになっている。スタッドレスタイヤは、耐摩耗性や操縦安定性、転がり抵抗などのタイヤの諸特性を低下させることなく、氷雪路面、特に凍結した氷上路面での駆動、制動性能(アイス性能)を向上することが求められている。
上記アイス性能の向上については、氷上路面でのトレッドゴムの摩擦力が重要な因子となり、例えば、ヒステリシスロスによる摩擦力、粘着効果による摩擦力、掘り起こし(引っ掻き効果)による摩擦力、および路面に水分がある場合は除水効果による摩擦力がアイス性能を左右することが知られている。
このようなアイス性能を向上させるゴム組成物としては、ガラス転移温度の低いブタジエンゴム等の使用や軟化剤の多量配合により低温でのゴム硬度を低く維持しトレッドの接地性を向上すること、また充填剤のカーボンブラックの一部をシリカに置換し低温での低モジュラスを維持し粘着摩擦を向上することが行われているが、さらに、トレッド部に発泡ゴムを使用したり(特許文献1)、中空粒子や気体封入樹脂等を配合してトレッド接地部に微小凹凸部を設けて除水効果及び引っ掻き効果を向上すること(特許文献2)、有機物質や無機物質等の硬質粒状体、短繊維やセルロース物質を含む粉体を配合し引っ掻き効果を得ること(特許文献3)、そしてこれらを組み合わせた技術が種々提案されている。
特開昭62−283001号公報 特開2000−158907号公報 特開2000−129038号公報
上記従来技術によるゴム組成物は、氷上路面との摩擦力を高めることでいずれもアイス性能を向上することはできるがゴム強度やブロック剛性の低下を伴うことから耐摩耗性や操縦安定性が低下傾向にあるという問題がある。また、シリカを多量配合した場合はゴム混合性の低下による工程問題や導電性低下による静電気の問題があり、中空粒子等を配合するものは混合中に粒子が破壊されてしまい十分な改善効果が得られないなど、いずれの手法においても十分に満足するには到っていないのが実状である。
本発明は、上記の問題に鑑み、耐摩耗性などを低下させることなく、氷上路面でのアイス性能を向上することができるトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、摩擦係数の小さい氷上路面において、低温でのゴム硬度を維持し、粘着効果や引っ掻き効果による摩擦力向上に関して鋭意検討した結果、トレッドゴムよりも軟質な材料からなる粉末をゴム中に分散させることで、耐摩耗性を低下させることなくアイス性能を向上させることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、ウレタンフォームを粉砕して得られた平均粒子径100〜300μmの粉末を1〜20重量部配合してなることを特徴とするトレッド用ゴム組成物である。
ウレタンフォームの粉末は、ウレタンフォームの持つ圧縮抵抗や反発弾性などの弾性特性をゴム組成物内で維持するので、これをゴム中に分散させることでトレッド用ゴム組成物の弾性特性を改善し低温でのゴム硬度を維持し氷上での接地性を向上し、また粘着効果を高めるとともにゴムとウレタンフォームとの弾性差により接地時のトレッド表面に微小凹凸を形成し引っ掻き効果を発現することで氷上でのグリップ性能を向上することができる。また、ウレタンフォーム粉末がトレッド面にかかる歪みを分散して応力集中を緩和させ耐摩耗性を改善することができる。
本発明に用いられるウレタンフォームの粉砕物は、軟質ウレタンフォームを主体に構成されるもので、その平均粒子径が100μm未満ではウレタンフォームの弾性特性がゴム中で発揮されず上記効果が得られず、また粉砕に手間がかかりコスト高となり、300μmを超えると接地面に局所的にかかる歪みをうまく分散できなくなり、すなわちトレッドの圧力分布が不均一になって耐摩耗性が維持できない。また、ウレタンフォーム粉末の配合量が1重量部未満ではアイス性能向上の効果が得られず、20重量部を超えると粉末が異物化し耐摩耗性の低下を招くようになる。
上記ウレタンフォームの粉末は、例えば自動車のシートクッションパッド等の製造時に発生する廃材を利用することができるので、リサイクルを促進することで環境保護の面でも有利である。
また、本発明のトレッド用ゴム組成物は、種子の殻、果実の核を粉砕した植物性粒状体が、前記ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部配合されてなることが好ましく、これにより氷上路面よりも硬い植物性粒状体による引っ掻き効果とが相乗効果を奏し、よりアイス性能を向上することができる。
本発明のトレッド用ゴム組成物によれば、耐摩耗性等を低下させることなくアイス性能を向上することができるので、それをトレッド部に用いた空気入りタイヤは安全性、経済性に優れるスタッドレスタイヤとして有用であり、かつ省資源に貢献するものとなる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分に、ウレタンフォームを粉砕して得られた粉末を配合してなる構成をとるものである
本発明のトレッド用ゴム組成物に使用されるジエン系ゴム成分としては、天然ゴム(NR)と、各種のブタジエンゴム(BR)、各種のスチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)等のジエン系合成ゴムが挙げられ、これらの単独或いは2種類以上をブレンドしたものを使用することができる。
本発明において、例えば、NRとBRとのブレンドでスタッドレスタイヤのトレッドに用いる場合は、BRの比率が少ないとトレッド用ゴム組成物の低温特性が得難くなり、逆に多くなりすぎると加工性の悪化や耐引き裂き抵抗性が低下する傾向になるので、NR/BRの比率は30/70〜80/20、さらには40/60〜70/30程度であることが好ましい。
本発明のトレッド用ゴム組成物に使用されるウレタンフォームの粉末は、軟質ウレタンフォームを主体に構成されるもので、半硬質や硬質のウレタンフォームを少量含んでいてもよい。 ウレタンフォームの粉末は、ウレタンフォーム製品、例えば自動車等の車両用クッション材や家具、寝具等のクッション材、建設資材、工業用資材等の製造時に発生する不良品や端材などのウレタンフォームの廃材を粉砕して得られる粉末が利用できる。もちろん、廃材でなく、ウレタンフォーム粉末の製造のためにウレタンフォームを発泡成形したものでもよいし、使用済みの自動車シートや家具、寝具等から回収したウレタンフォームをリサイクルし使用することもできる。
このウレタンフォームは、一般に、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒、整泡剤などのウレタンフォーム原料からなり、ウレタンフォームの発泡成形は、上記各原料を計量し、予備的に混合してポリオール成分を調製し、このポリオール成分にポリイソシアネート成分を攪拌しながら急速混合してそれらを金型内に注入し、所定時間経過後に発泡したウレタンフォームを脱型して成形品を成形する。
この成形工程において発生する発泡不良や形状不良、肉欠け等による不良品や製品の端材などの廃材となるものを粉末化することで廃棄処分されるウレタンフォーム材を有効に活用することができる。
上記ウレタンフォームを粉末に粉砕するには、公知の粉砕手段によることができ、例えばロールやスクリューミルなどで粒子径1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでロールやボールミルなどで50〜500μm程度の粉末に粉砕し、所定の粒径範囲の粉末に分級される。
本発明において用いられるウレタンフォームの粉砕物は、平均粒子径が100〜300μmである。平均粒子径が100μm未満ではウレタンフォームの弾性特性がゴム中で発揮されずアイス性能の向上が得られず、また粉砕に手間がかかりコスト高になり、300μmを超えると接地面での圧力分布が不均一になり耐摩耗性が低下し偏摩耗を起こしやすくする。粉末の平均粒子径が上記範囲にあるものであれば、1つの平均径の粉末を単独で用いてもよく、2つ以上の平均径の粉末を混合して用いることもできる。
このように粉砕されたウレタンフォーム粉末は、発泡体の弾性特性を維持しながら、発泡部分が微細なトゲ状の突起を有する粉末となり、ゴム成分との絡み効果や投錨効果により接着剤処理を施すことなくゴムとの良好な接着性を得ることができる。
上記のウレタンフォームの粉末は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して1〜20重量部が配合される。配合量が1重量部未満ではアイス性能向上の効果が得られず、20重量部を超えるとトレッド剛性が低下し耐摩耗性や操縦安定性、転がり抵抗などのタイヤ特性の低下を招き、また粉末が異物化しゴムとの混合性や分散性が低下する。
本発明のトレッド用ゴム組成物においては、上記ウレタンフォームの粉末に加えて、胡桃の殻の粉砕物などの種子の殻、果実の核を粉砕した植物性粒状体を配合し用いることができ、植物性粒状体を併用することで植物性粒状体の引っ掻き効果との相乗作用によりアイス性能を一層向上することができる。すなわち、ゴム成分をマトリックスとして軟質のウレタンフォーム粉末と硬質の植物性粒状体を分散させることで軟硬質の両特性の作用がアイス性能の向上に寄与するようになる。
上記植物性粒状体は、氷の硬さより硬い、すなわちモース硬度が2以上である胡桃、椿等の種子の殻または桃、梅等の果実の核を公知の方法で粉砕して粒状体にしたもので、トレッドゴムの表面から突出した粒状体が路面に対する引っ掛き効果により氷上路面での防滑作用を発揮するもので、ゴムとの接着性を確保するために接着性を改良する表面処理が施された粒状体であることが好ましい。
上記植物性粒状体の粒径は、ゴム接着性改良剤で表面処理した後の粒径が100〜600μmのものが好ましく、100μm未満であるとゴム表面からの突出量が少なく引っ掛き効果が不十分であり、600μmを越えると氷に含まれる気泡の径より大きいために気泡を破壊する作用が小さくなり、また粒状体周囲のマトリックスゴムの歪みが過大になってクラックが発生しトレッドから脱落しやすくなる。
ゴム接着性改良の表面処理剤としては、例えば、レゾルシン・ホルマリン樹脂初期縮合物と天然ゴムラテックスまたはジエン系合成ゴムラテックスとの混合物(RFL処理液)が使用でき、植物性粒状体への付着率が1〜5重量%にあることが好ましい。
このゴム接着性改良表面処理が施された植物性粒状体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜30重量部が好適である。配合量が1重量部より少ない場合は、氷上路面おける引っ掻き効果が劣り、30重量部より多くなると耐摩耗性が低下する。
さらに、ゴム接着性改良の表面処理が施されていない粒径が30〜250μm程度の植物性粒状体の1.5〜10重量部を配合してもよい。この場合、タイヤの走行中に表面処理が施されていない植物性粒状体がトレッド表面から脱落し形成された穴が吸水、除水効果を奏し、前記ゴム接着性改良処理済み植物性粒状体が奏する引っ掛き効果との相乗効果を発揮するようになる。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、通常のゴム工業で使用されているカーボンブラックやシリカなどの充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤などの各種配合剤を本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜配合し用いられる。
ここでカーボンブラックとしては、トレッド用ゴム組成物をスタッドレスタイヤのトレッド部に用いる場合は、トレッド用ゴム組成物の低温性能、耐摩耗性やゴムの補強性などの観点から、SAF,ISAF,HAF級のカーボンブラックが好適であり、その配合量としてはゴム成分100重量部に対して10〜80重量部程度の範囲で使用される。
シリカを用いる場合は、湿式シリカ、乾式シリカ或いは表面処理シリカなどが使用され、配合量はゴムのtanδのバランスや補強性、電気伝導度の観点からゴム成分100重量部に対して50重量部未満とすることが好ましく、カーボンブラックと併用してもよい。また、シリカを用いる場合は、従来から公知のゴム用に用いられるシランカップリング剤を配合することが好ましい。
なお、本発明のトレッド用ゴム組成物は、氷雪路面での低温性能を維持する上で、JIS硬度(JIS K7215に準拠、測定温度23℃)が40〜60、さらに好ましくは50〜60の範囲に調整されることが望ましい。
上記トレッド用ゴム組成物は通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混合機を用いて常法に従い混練され作製することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記トレッド用ゴム組成物を用いてゴム用押し出し機などによりタイヤのトレッド部を作製し未加硫タイヤを成型した後、常法に従い加硫工程を経て製品タイヤが製造される。キャップベース構造のスタッドレスタイヤに適用される場合は、接地面側のキャップトレッドにのみに本発明のトレッド用ゴム組成物を適用すればよい。
従って、本発明の空気入りタイヤは、トレッドゴムのウレタンフォーム粉末が氷上でのトレッドゴムの硬度や弾性率を維持するとともに、表面に露出して粘着と引っ掻き効果を発現し路面との摩擦係数を高めてアイス性能を向上するので、耐摩耗性を低下させることなく氷上路面と乾燥路面におけるタイヤ性能を両立することができる。また、植物性粒状体を併用することで、さらなるアイス性能の向上を実現することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例のウレタンフォームの粉末は、下記原料の配合処方による軟質ウレタンフォームを常法に従い金型内で発泡成形し、得られたウレタンフォームを10インチロールを用いて粗粉砕を行い、次いで6インチロールにて微粉末に粉砕し、下記平均粒子径のウレタンフォーム粉末1〜4に篩分けして分級した。なお、平均粒子径は粒度分布測定装置SALD−2000A(島津製作所(株)製)を用いて測定した。
表1に記載の各トレッド用ゴム組成物を、ウレタンフォーム粉末1〜4とRFL処理液で表面処理を施した胡桃殻粒状体を用いて、下記ゴム成分及び各配合剤とともに、表記載の配合量により配合し、容量20リットルのバンバリーミキサーを用い混練し作製した。
[ウレタンフォーム配合処方]
・ポリエーテルポリオール(三井武田ケミカル(株)EP−3033):40重量部
・ポリマーポリオール(三井武田ケミカル(株)POP34−28):60重量部
・架橋剤(三井武田ケミカル(株)DEA):1重量部
・架橋剤(第一工業製薬(株)ハードマスター17):4重量部
・整泡剤(東レダウコーニングシリコン(株)SRX−274C):1重量部
・触媒(三共エアプロダクト(株)DABCO33LV):0.4重量部
・触媒(UCC(株)NiaxA−1):0.1重量部
・水:3.6重量部
[ウレタンフォーム粉末(UF)および胡桃殻粒状体]
・ウレタンフォーム粉末−1(UF−1):平均粒子径50μm
・ウレタンフォーム粉末−2(UF−2):平均粒子径180μm
・ウレタンフォーム粉末−3(UF−3):平均粒子径300μm
・ウレタンフォーム粉末−4(UF−4):平均粒子径500μm
・胡桃殻粒状体:平均粒子径300μm(日本ウォルナット(株)ソフトグリット#46、RFL処理液の付着率2.5重量%)
[ゴム成分、配合成分]
・天然ゴム(NR)(RSS#3):60重量部
・ブタジエンゴム(BR)(JSR(株)BR01):40重量部
・カーボンブラックN339(CB)(東海カーボン(株)シーストKH):25重量部
・シリカ(日本シリカ工業(株)ニップシールAQ):25重量部
・シランカップリング剤(デグサ社、Si69):2重量部
・ステアリン酸(花王(株)ルナックS−20):2重量部
・亜鉛華(三井金属鉱業(株)亜鉛華1種):3重量部
・老化防止剤6C(住友化学工業(株)アンチゲン6C):2重量部
・ワックス(日本精蝋(株)OZOACE0355):2重量部
・加硫促進剤CZ(住友化学工業(株)ソクシノールCZ):1.5重量部
・硫黄(鶴見化学(株)粉末硫黄):2.1重量部
得られた各実施例及び比較例のトレッド用ゴム組成物を150℃で30分間加硫し、加硫ゴムの硬度をJIS K7215(23℃)に準じ測定した。さらに、各トレッド用ゴム組成物をキャップ/ベース構造のキャップトレッドに適用したサイズが185/65R15 88Qのスタッドレスタイヤを試作し、アイス性能と耐摩耗性を下記方法に従い評価した。結果を表1に示す。
[アイス性能]
各試験タイヤ4本を排気量2000ccの前輪駆動式乗用車に装着し、乾燥アスファルト路面にて100Kmの予備走行の後、気温−5±3℃、路面温度−5±3℃の氷上路面にて、速度40Km/hでABSを作動させ制動距離を測定した。10回の測定の平均値をアイス性能の評価とし、比較例1を100とする指数表示で示した。数値の大きいものほど制動距離が短く良好である。
[耐摩耗性]
各試験タイヤ4本を排気量2000ccの前輪駆動式乗用車に装着し、一般路乾燥路面において2500Km毎に前後輪のローテイションを行い、10000Km走行後の4本のトレッド残溝深さの平均値から摩耗量を求め耐摩耗性の評価とした。結果を比較例1を100とする指数表示で示した。数値の大きいものほど耐摩耗性が良好である。
Figure 0004976665
表に示す結果から明らかなように、本発明に係るウレタンフォームの粉末を所定量配合した実施例は、未配合の比較例1(コントロール)に対し、いずれも耐摩耗性を維持してアイス性能を大幅に向上することができる。さらに、胡桃殻粒状体を併用する実施例はアイス性能向上の効果が大きく得られる。これに対して、粉末の配合量が1重量部未満ではアイス性能の向上は僅かで耐摩耗性も低下傾向を示し(比較例2)、20重量部を越えると耐摩耗性の悪化が著しく実用に適さなくなる(比較例3)。一方で、平均粒子径の小さいウレタンフォーム粉末を配合した比較例4では、アイス性能の向上効果が得られず、平均粒子径が500μmの粉末を配合した比較例5はアイス性能の割には耐摩耗性の低下が大きく実用に供し難い。
以上の通り、本発明のトレッド用ゴム組成物によれば、耐摩耗性を低下させることなく氷上路面に対する摩擦力を向上することができるので、スタッドレスタイヤのトレッド部に適用しアイス性能を向上することができる。また、タイヤ以外の靴底、マット類、床材等の防滑性を要求されるゴム製品にも広く利用することができる。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム成分100重量部に対して、自動車シートまたはその他の車両用クッション材、または、家具または寝具のクッション材に用いられる軟質ウレタンフォーム、または、該クッション材の製造時の端材としての軟質ウレタンフォームを粉砕して得られた平均粒子径100〜300μmの粉末を1〜20重量部配合してなる
    ことを特徴とするトレッド用ゴム組成物。
  2. さらに、種子の殻または果実の核を粉砕しゴム接着性改良剤で表面処理した後の粒径が100〜600μmである植物性粒状体が、前記ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部配合されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のトレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いた
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
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