JP3794073B2 - 光起電力を用いた画像形成方法及び画像形成部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を照射することで発生する起電力によって、その起電力発生部分に、少なくとも色素を移動・付着させて、画像を形成する画像形成方法、及びそれに使用する画像形成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気信号や光学信号から紙などの特殊でない媒体に画像を転写する方法として、現在プリンター等に利用されている方法には、ドットインパクト法、熱転写法、熱昇華法、インクジェット法、レーザープリンタの電子写真法が挙げられる。これらの方法は大きく3つの分類に分けられる。
【0003】
第1番目の分類として、ドットインパクト法や熱転写法、熱昇華法などがあげられる。この方法は、インクリボンやドナーフィルムなど色素分子が分散されたシートと紙等を重ね合わせ、力学的なインパクトや熱により紙上に色素を転写する。したがって、常に消耗品が必要であり、エネルギー的にも効率が低くランニングコストが高い。熱昇華法を除けば品質も悪い。
【0004】
第2番目の分類として、インクジェット法が挙げられる。この方法では、紙上にヘッドからインクが直接転写されるので、インク以外の消耗品はなくランニングコストは低い。しかし、インクジェット法では画像の最小単位がヘッドの大きさや間隔により規定され、印刷品質を向上させるほど印刷速度は低下する。エネルギー的にも効率は高くない。
【0005】
第3番目の分類として、レーザープリンターなどの電子写真法が挙げられる。この方法では、中間転写体を通して画像形成がなされる。レーザースポットにより形成される感光体上の静電像に対してトナーが吸着し、これを紙に転写して画像を形成する。このため、比較的繊細な像を形成することが可能である。また消耗するのはトナーだけなのでランニングコストは低い。しかし静電像を形成したりトナーが吸着・転写するのには高電圧が必要で、消費電力が大きく、オゾンや窒素酸化物を発生するという問題点がある。
【0006】
また、上記したいずれのプリンティング方法も作動音がかなり大きいのが問題である。
【0007】
一方、プリンターを使用しない画像形成方法としては、印刷や銀塩写真等が知られ、これらは品質のよい像を与える。しかし、印刷では版を形成するため大量に同一の画像を形成する場合にはランニングコストは低いが一般的な用途には不向きである。また銀塩写真等では写真フィルム・印画紙の様な再利用できない媒体を使用しなければならずランニングコストが高く、特殊な現像が必要で、リアルタイムでの印刷が望めない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、現在利用されている画像形成方法では、品質が高く、ランニングコストが低く、更に、省エネルギー・省資源であり、その上、騒音や有害物質が発生しない、環境にも使用者にも優しい方法がない。
【0009】
かくして、本発明の第1の目的は、上記の特性、すなわち、品質が高く、比較的高速で、ランニングコストが低く、省エネルギー・省資源であって、騒音や有害物質の発生のない画像形成方法を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、上記の特性を有する画像形成方法に好適な画像形成部材を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性高分子薄膜におけるイオン性の色素分子の挙動や、イオン性の色素分子の電着等に着目し、それらを探究した結果得られたものであり、上記した本発明の第1の目的は、基板と、その表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材を用意する工程と、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させ、その電気的な力を介して、起電力発生部分に、少なくとも色素を含有する画像構成剤を移動・付着させて、画像を形成する工程と、を有する画像形成方法。によって、達成可能である。
【0012】
特に、上記方法の1形態、即ち、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材を用意する準備工程と、その画像形成部材に、少なくとも色素を含有する画像構成剤前駆体(イオン形態の色素と導電性高分子前駆体、又はpH により溶液に対する溶解度が異なるイオン形態の色素のみ)を含む溶液を、接触させると共に、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させ、該起電力に基づいて画像構成剤前駆体の関与する光電気化学反応を起こし、それによって、画像構成剤前駆体から画像構成剤(色素を取り込んだ導電性高分子、又は非イオン状色素のみ)を生成させて、その画像構成剤を画像形成部材の起電力発生部分に付着する画像形成工程と、を有する画像形成方法によって好ましく達成可能である。
前記画像構成剤前駆体がイオン形態の色素と導電性高分子前駆体を含む場合の画像形成は、光の照射によって発生した起電力に基づいて、導電性高分子前駆体を電気化学的に重合させ、色素を取り込んだ導電性高分子を前記画像形成部材の起電力発生部分に付着させることにより行われ、また、画像構成剤前駆体が pH により溶液に対する溶解度が異なる色素イオンである場合の画像形成は、光の照射によって発生した起電力に基づいて、前記色素イオンを、画像形成部材の起電力発生部分近傍の溶液の pH 変化により色素分子として析出させ、前記画像形成部材の起電力発生部分に付着させることにより行われる。
【0013】
要するに、上記本発明では、PN接合あるいはPIN接合を有する画像形成部材に、光を照射することで起電力を発生させ、その起電力発生部分に、画像を形成する。代表的には、その起電力発生部分に、色素分子を取り込んだ導電性高分子薄膜を付着して画像を形成したり、あるいは起電力発生部分近傍のpHを変化させて、色素イオンのpHによる溶解度の違いを利用して、起電力発生部分に色素の電着膜を画像として形成したりする。
【0014】
本発明の原理の理解の便宜のため、図1に、本発明の画像形成方法の一例を、模式的に示す。図示するように、基板11上に、n型半導体層1N、絶縁層1I、p型半導体層1PのPIN接合が形成された画像形成部材10に、色素12を含む溶液13が、接触しており、画像形成部材10が光の照射を受けて、電子および正孔の移動によって、起電力が発生し、その起電力発生部分に、色素12が付着して、画像が形成される。
【0015】
本発明で利用し得る導電性高分子膜は、従来、酸化、中性、還元の状態変化によって、低分子イオンをドーピング・脱ドーピングすること、およびそれに伴ない色変化することを利用して、バッテリーや太陽電池の保護膜およびエレクトロクロミック表示素子等への応用が検討されてきた。しかしながら、比較的分子量の大きい色素と導電性高分子の電気化学的な反応を、記録材料や画像形成方法として利用することは提案されていなかった。本発明者等は、この事実に着目し、電気化学的な反応によって、色素をドーピング又は脱ドーピングした導電性高分子を生成し、それを記録材料や転写方法として利用した発明や、導電性高分子を用いず、電気化学的な反応によって色素の電着膜を生成して、それを記録材料や転写方法として利用した発明等を出願している(平成7年9月5日出願特願平7−228318号、平成8年4月19日出願特願平8−98727号、平成8年4月15日出願特願平8−92857号等)。それらの中、画像を形成する場合の、電気化学的な反応を起こす一つの方法として、光照射によって起電力を利用する方法が利用されている。その場合、n型半導体あるいはp型半導体と溶液との間でショットキーバリアを形成して、そのショットキーバリアに光照射して光起電力を発生させている。
【0016】
しかし、本発明では、光照射による光起電力発生に、ショットキー接合でなく、光検出器や太陽電池の光起電力発生素子として使われているPN接合やPIN接合を利用する。ショトキー接合を利用する場合とPN接合やPIN接合を利用した場合を比較すると、PN接合やPIN接合によると、生じる起電力が大きくなり、結果的に、外部から印加すべき電圧がより低くなり、材料の選択等によっては、バイアス電圧の印加が必要ではなくなる、という利点がある。さらに、PIN接合は光検出器として実用化されているように、PIN接合では、光に対する感度が上がり、形成する画像のコントラストも良くなる。
【0017】
また、本発明の第1の目的は、次の本発明の第2の画像形成方法によっても達成可能である。即ち、基板と、その表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材であって、その接合表面に、少なくとも色素を有する画像構成剤が付着した画像形成部材を用意する工程と、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させ、その電気的な力を介して、起電力発生部分から画像構成剤を離脱させて、画像を形成する工程と、を有する画像形成方法である。
【0018】
特に、上記方法の1形態、即ち、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材であって、その接合表面に、少なくとも色素を有する画像構成剤が付着した画像形成部材を用意する工程と、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させると共に、その画像形成部材に、少なくとも色素を取り込み得る媒体を接触させて、該起電力に基づいて画像構成剤の関与する光電気化学反応を起こし、それによって、起電力発生部分から画像構成剤を離脱させて、画像を形成する工程と、を有する画像形成方法によって好ましく達成可能である。
【0019】
要するに、上記本発明では、画像形成部材に、光を照射することで起電力を発生させ、その起電力発生部分から、色素のような画像構成剤を離脱させて、画像を形成する。
【0020】
上記本発明の第1及び第2の画像形成方法では、画素が色素で構成されるから画素を小さくでき、そのため高解像度が期待できる。また、色素のような画像構成剤の取り込み・放出(受渡し)が比較的低エネルギーで実現でき且つ高電圧や複雑な機械などが不要なので、ランニングコストが低く、省エネルギー・省資源である。しかも、騒音や有害物質が発生しない。
【0021】
本発明の第1の画像形成方法で形成された画像を、他の媒体(被転写媒体)に転写したり、本発明の第2の画像形成方法で離脱する画像構成剤を被転写媒体に転写することもできる。
【0022】
本発明の第2の目的は、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有し、画像を形成するための画像形成部材によって、達成可能である。これは、簡易な構造であり、低コストであり、また、使用材料によっては大面積化も実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成方法及び画像形成部材を、その代表的な形態によって詳細に説明する。
【0024】
かかる画像形成方法では、まず、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材を用意する。
【0025】
基板は、基板全体が導電性を有してもよいし、その表面のみ導電性を有するものでもよく、その導電性部分が、隣接するPN又はPIN接合と良好な電気的接触をとることができるものであるならば、任意の材質が使用できる。
【0026】
導電性部分の材質としては、例えば、酸化スズ、ITO等の透明導電膜や、Au,Pt,Ag,Ni等の金属膜が利用できる。しかし、裏面から入光する場合には、透明導電膜が望ましい。
【0027】
それ以外の部分の材質としては、例えば、ガラス、プラスチックフィルム、金属などが使用できる。PN接合やPIN接合を形成する材料としては、p型半導体とn型半導体が接合して、またp型半導体とn型半導体とが絶縁層を介して接合し、光起電力を有するもの(光導電体)であれば任意であり、それらの各材料は、有機無機をとわず利用できる。典型的には無機の半導体としてSi,Ge,GaAs,CdSe,CdS,CdTe,InP,AlSb,GaPなどがあげられる。また、単結晶だけではなく、アモルファス結晶も利用できる。
【0028】
それらがp型、n型いずれを示すかは、上記材料自身の特性や、その材料にドープするドーパントの種類などによって確定する。これに関しては、当業者には、周知である。
【0029】
また、有機の光導電体としては種々の中心金属をもつフタロシアニン類、ポルフィリン類、ナフタロシアニン類(p型)、ペリレンやペリレンテトラカルボン酸ジイミド、ベンズイミダゾールペリレン等のペリレン誘導体(n型)、ポリビニルカルバゾール[PVK](p型)、キナクリドン類(p型)、ポリフェニレンビニレン[ppv](n型)など多種多様な材料が利用できる。PN接合の組み合わせとして、例えば、銅フタロシアニン(p型)/ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(n型)又はベンズイミダゾールペリレン(n型)との組み合わせは、可視光に光感度があり、He−Neレーザーによる光書き込みができる。赤外半導体レーザーを利用するにはチタニルフタロシアニンとベンズイミダゾールペリレンの組合わせが好適である。
【0030】
絶縁層には、一般に未ドープ(ノンドープ)の半導体が使用される。この絶縁層はキャリア発生の役割をもつが、有機光導電体の場合にはヘテロ接合のためPN接合の界面がこの役割を果たす。
【0031】
一般的に、本発明に利用できるPN又はPIN接合の材料は、次の工程で、書き込みに使用する光源に感度を持つ材料であれば何を利用してもよく、光源との組合せによって決まる。光源に半導体レーザーを利用して大面積の画像形成領域を得ようとする場合には、アモルファスシリコンのPIN接合と,有機の半導体PN接合が有利となる。
【0032】
アモルファスシリコンのPIN接合の場合には、n型アモルファスシリコン10〜50nm程度、i型アモルファスシリコン500〜1000nm程度、p型アモルファスシリコン10〜50nm程度の膜厚が好ましい。有機PN接合の場合導電性が低いことと吸収が大きいためにP層、N層それぞれ20〜100nm程度の膜厚が好適である。
【0033】
PIN接合を有する画像形成部材の一例の模式断面を図2に示す。この画像形成部材20は、ガラス基板21上に、透明導電膜22が設けられ、その上に、順にn型半導体2N、絶縁体2I、p型半導体2Pが積層された構成を有している。なお、本体部2BPのp型半導体2Pとの電気的な接続を簡便に実施するためにAl端子23が蒸着されており、本体部2PBのn型半導体2Nとの電気的な接続を簡便に実施するために、本体部2BPから分離したセパレート部2SPの孔部を介して、セパレート部2SPの透明導電膜22に達するように、Al端子24が蒸着されている。
【0034】
上記の端子23,24自体は、それがなくてもn型半導体2N、p型半導体2Pと導通できれば、当然、不要である。
【0035】
PN接合を有する画像形成部材の一例の模式断面を図3に示す。この画像形成部材30は、ガラス基板31上に、透明導電膜32が設けられ、その大半部分の上に、順にn型半導体3N、p型半導体3Pが積層された構成を有している。なお、n型半導体3Nとの電気的な接続を簡便に実施するためにAl端子33が、透明導電膜32の,半導体で覆われていない部分上に蒸着されている。
【0036】
図2、3では、基板に近い側からn型半導体、絶縁体、p型半導体、又はn型半導体、p型半導体の順になっているが、画像形成時に使用する画像構成剤前駆体中の色素(後に詳記する)が有する電気的性質(アニオン性、カチオン性)に応じて、n型半導体とp型半導体とを逆に位置させる。
【0037】
次に、本発明に係わる画像形成方法では、画像形成部材に、少なくとも色素を含有する画像構成剤前駆体を含む溶液を、接触させると共に、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させる。こうして、上記起電力に基づく光電気化学反応によって、画像構成剤前駆体から画像構成剤を生成させ、それを起電力発生部分に、付着し、画像を形成する(画像形成工程)。
【0038】
「少なくとも色素を含有する画像構成剤前駆体」とは、まだ画像を構成していない色素を必須成分として含み、必要に応じて、その色素が画像を構成することを補助する他の物質又はその物質の前駆体も含むものであって、化学的及び/又は物理的な変化によって、画像を実際に構成している状態の画像構成剤(つまり、色素と、必要に応じて、その色素が画像を構成することを補助する他の物質とを含む材料)となり得るものを意味する。
【0039】
画像構成剤前駆体は、代表的には、i)色素と導電性高分子前駆体とを含むものや、ii)実質的に色素のみを含むものが挙げられる。
【0040】
前者i)の場合、導電性高分子前駆体としては、それが導電性高分子に変換し、その過程での、又はその後の電気化学的な酸化又は還元によって、イオン性色素を、ドーピング又は脱ドーピングするものであれば全てのものが使用可能である。例えば、ポリアセチレン系・ポリジアセチレン系・ポリヘプタジエン系・ポリピロール系・ポリチオフェン系・ポリアニリン系・ポリフェニレンビニレン系・ポリチオフェニレンビニレン系・ポリイソチアネフテン系・ポリイソナフトチオフェン系・ポリパラフェニレン系・ポリフェニレンスルフィド系・ポリフェニレンオキシド系・ポリフラン系・ポリフェナンセレン系・ポリセレノフェン系・ポリテルロフェン系・ポリアズレン系・ポリインデン系・ポリインドール系・ポリフタロシアニン系・ポリアセン系・ポリアセノアセン系・ポリナフチレン系・ポリアントラセン系・ポリペリナフタレン系・ポリピフェニレン系・ポリピリジノピリジン系・ポリシアンジェン系・ポリアレンメタノイド系など各種一次元導電性高分子やラダーポリマー、パイロポリマーと呼ばれるものさらにはグラファイトのような二次元系の導電性高分子の前駆体(モノマーやプレポリマー等)が使用できる。
【0041】
特に、ポリピロールやポリチオフィンが駆動電圧を低くすることができるので好適である。
【0042】
前者i)の場合に用いる色素としては、イオン性を有する任意の色素分子の中から選択可能である。例えば、アクリジン系、アザフタリド系、アジン系、アズレニウム系、アゾ系、アゾメチン系、アニリン系、アミジニウム系、アリザリン系、アントラキノン系、イソインドリノン系、インジゴ系、インジゴイド系、インドアニリン系、インドリルフタリド系、オキサジン系、カロチノイド系、キサンチン系、キナクリドン系、キナゾリン系、キノフタロン系、キノリン系、キノン系、グアニジン系、クロームキレート系、クロロフィル系、ケトンイミン系、ジアゾ系、シアニン系、ジオキサジン系、ジスアゾ系、ジフェニルメタン系、ジフェニルアミン系、スクエアリリウム系、スピロピラン系、チアジン系、チオインジゴ系、チオピリリウム系、チオフルオラン系、トリアリルメタン系、トリスアゾトリフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、トリフェニルメタンフタリド系、ナフタロシアニン系、ナフトキノン系、ナフトール系、ニトロソ系、ビスアゾオキサジアゾール系、ビスアゾ系、ビスアゾスチルベン系、ビスアゾヒドロキシペリノン系、ビスアゾフルオレノン系、ビスフェノール系、ビスラクトン系、ビラロゾン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルオレン系、フルギド系、ペリノン系、ペリレン系、ベンズイミダゾロン系、ベンゾピラン系、ポリメチン系、ポルフィリン系、メチン系、メロシアニン系、モノアゾ系、ロイコオーラミン系、ロイコキカンテン系、ローダミン系、等の合成色素や、ウコン、クチナシ、ピプリカ、紅麹、ラック、ブドウ、ビート、シソ、ベリー、コーン、キャベツ、カカオ等に代表される天然色素が挙げられる。その際、高分子膜の特性やプロセスを行う媒質等の環境、色素分子の溶解性等に応じて選択する必要がある。
【0043】
上記導電性高分子前駆体は、電気化学的に重合する時に、共存イオンとして上記のような色素イオンおよびそれに匹敵する性質・分子量のイオンを共存させることにより、イオン性色素を取り込んだ導電性高分子膜となる。このようにして重合した導電性高分子膜は電気化学的な酸化や還元に伴ない他の分子量の小さなイオンの共存化で作製したものに比べ多くのイオン性色素分子を、より可逆的にドーピング・脱ドーピングすることができる。要するに、高分子前駆体から生成される導電性高分子膜は、酸化・中性・還元の3状態を電気化学的に制御することができ、これに伴い対イオン(アニオン性色素分子やカチオン性色素分子のイオン)をドーピングや脱ドーピングする。
【0044】
なお、導電性高分子膜に関しては、従来、例えば吉村進著「導電性ポリマー」(高分子学会、1987)、山下和男・木谷晧著「導電性有機薄膜の機能と設計」(日本表面科学会p89〜p107、1988)、吉野勝美著「導電性高分子の基礎と応用」(アイピーシー、1988)、また、分子量は150を越えない小さい分子量のイオンの、導電性高分子に対する可逆的なドーピング・脱ドーピングに関して、篠原寛明らによりJ.Chem.Soc.,Chem.Commun.,p87,(1986)、同じ篠原らによる日本化学会誌、1986年、No3、P465等に開示がある。しかし、これらには、比較的分子量の大きな色素の導電性高分子に対する可逆的なドーピング・脱ドーピングや、色素と導電性高分子膜とを利用した画像形成に関しては開示はない。また、導電性高分子膜をマーキング関連の材料として利用した、特開平2−142835号の「高分子薄膜表面のぬれ性制御方法ならびにその方法を利用した画像形成方法および画像形成材料」がある。しかし、この技術では、導電性高分子膜の酸化状態と中性状態でのねれ性の違いを電気的にスイッチングし、印刷の版を形成するもので、色素の取り込みに関係する技術ではない。したがって、当然、色素(インク)吸着量や転写量については全く制御できない。
【0045】
画像構成剤前駆体の後者ii)、つまり、実質的に色素のみを含むものの場合は、電着可能な色素であればよく、pHにより媒体、特に水溶液に対する溶解度が異なり、pHに応じて媒体から析出したり、媒体に溶解等、取り込まれたりする材料が利用できる。特に、酸性、中性、アルカリ性のいずれかの状態で水溶液に溶け、その状態変化によって、水溶液に不溶化するとともに、画像形成部材上に付着可能な色素ならば任意の種類が使用可能である。例えば、酸性で水溶液から沈殿するアニオン性の色素分子や、アルカリ性で水溶液から沈殿するカチオン性の色素分子が使用可能である。
【0046】
より具体的には、色素前駆体とも称され、酸、アルカリ等外部からの刺激で発色構造をとるカラーフォーマーが利用できる(本発明にいう「色素」は、これらも含めた概念である)。その例としては、トリフェニルメタンフタリド系、フェノサジン系、フェノチアジン系、フルオラン系、インドリルフタリド系、スピロピラン系、アザフタリド系、ジフェニルメタン系、クロメノピラゾール系、ロイコオーラミン系、アゾメチン系、ローダミンラクタム系、ナフトラクタム系、トリアゼン系が代表的なものとして挙げられる。
【0047】
また、例えば、発色源となる顔料や染料にカルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH2 )やアゾメチン基(>C=N−)を一つ以上結合させ、水への溶解性を付与した分子であって、カルボキシル基またはアミノ基の酸化還元により析出、溶解を可逆的に繰り返すものが利用できる。この代表的分子はローズベンガルやエリスロシン、メチレンブルー、オキサジン系のカチオンピュアブル−5GH等である。しかし、別種の置換基を有していても、所定の性質を持つ分子であれば原理的に使用可能であり、結合させる官能基の種類に制限を設けるものではない。
【0048】
前記「画像構成剤前駆体を含む溶液」とは、画像構成剤前駆体を、溶解等によって保持可能であって、それ自身から、画像構成剤前駆体が画像構成剤に変わることによって離脱可能である任意の媒体であり、通常、溶液、特に画像構成剤前駆体を溶解可能な溶液である。以下において、「画像構成剤前駆体を含む溶液」を「画像構成剤前駆体を含む媒体」又は単に「媒体」ということがある。
【0049】
具体的には、水、アルコール等の水溶性有機溶媒、それらの混合物、が利用できる。
【0050】
画像形成部材に起電力を発生させる光の波長は、前記したように、PN接合又はPIN接合の特性との関係で選択され、当業者には容易に使用すべき波長を選択しうる。
【0051】
なお、形成する画像の描きやすさや、解像度などを考慮すると、レーザー光を利用するのが好ましい。その場合、パワーは、画像形成部材の種類や大きさ等に応じて変わるが、通常は、1mW〜10mW程度の範囲でよい。
【0052】
上記起電力に基づく光電気化学反応を起こし、画像を形成するために、画像形成部材を電極の一方として機能させ、且つ、その電極に対向させる電極を用意すると共に、その画像形成部材と対向電極とを上記媒体に接触させるか又は入れるのが一般的である。
【0053】
具体的には、例えば、図4、5、6、7に示すような、電気化学で一般的な配置を有する装置内で、画像形成は実施できる。これらの図に示す画像形成部材は、導電性基板上にn,i,p、又はn,pの順で積層された例であり、光照射によって、アニオン性色素を含む画像構成剤前駆体から画像構成剤を生成され、それを、画像形成部材のp型半導体上に画像として付着させる。
【0054】
図4に示す装置では、p型半導体側が光源に向けられた画像形成部材40と、Pt電極41とが、上記画像構成剤前駆体を含む水溶液(媒体)42に入れられ、画像形成部材40のn型半導体側と、Pt電極41とが導線43で接続されている。
【0055】
図5に示す装置では、透明導電膜が設けられた基板を介して、n型半導体側が光源に向けられた画像形成部材50と、Pt電極51とが、上記画像構成剤前駆体を含む水溶液52に入れられ、画像形成部材50のn型半導体側と、Pt電極51とが導線で接続されている。
【0056】
図6は、画像形成部材のn型半導体側と、Pt電極とが、直接接続されておらず、図示しないバイアス電位印加手段を介して、接続し、また、飽和カロメル電極44が用いられている以外は、図4に示した装置と同様である。
【0057】
図7は、画像形成部材のn型半導体側と、Pt電極とが、直接接続されておらず、図示しないバイアス電位印加手段を介して、接続し、また、飽和カロメル電極54が用いられている以外は、図5に示した装置と同様である。
【0058】
図4に示す装置では、画像形成部材に次のようにして画像を形成する。画像構成剤前駆体としては、例えば、アニオン性色素と導電性高分子前駆体とからなるものを使用する。まず、レーザー光のような光を画像形成部材40の所望部に照射すると、そこで、起電力(例えば、0.6V)が発生し、p型半導体側が+に荷電される。そのため、電気化学反応が起こり、導電性高分子前駆体がアニオン性色素を取り込みつつ、起電力発生部分のp型半導体表面に導電性高分子として付着して、画像が形成される。
【0059】
なお、導電性高分子にアニオン性の色素分子をドーピングする場合、本発明者等の先願では、ショットキーバリアを用いていたため、n型の半導体に光を照射していた。ところが、PN接合あるいはPIN接合を利用する本発明では、p型の表面に導電性高分子を形成する(カチオン性の色素分子のドーピングを行う場合には、逆になる)。
【0060】
図5に示す装置でも、実質的に上記同様に、画像形成部材50のp型半導体表面に画像が形成される。但し、基板の裏面から光を照射することができ、色素の吸収波長であっても光源として利用できる波長の選択肢が広がる。このことはカラーや黒色の記録方法として有利となる。
【0061】
図6、7に示す装置でも、実質的に上記同様に、画像形成部材40又は50のp型半導体表面に画像が形成される。但し、これらの装置では、バイアス電位印加手段によって、光による起電力以外に、所望のバイアス電位を画像形成部材40又は50に印加できる。例えば、p型半導体側が予め多少+に荷電されるようにバイアス電位を印加しておけば、光照射によって、(光起電力の電位)プラス(バイアス電位)がp型半導体側に加わる。そのため、画像構成剤前駆体が、p型半導体表面に画像構成剤として付着するのに、相対的に多くの電位が必要とする場合に有効に利用できる。例えば、実質的に色素のみからなる画像構成剤前駆体を利用する場合には、図4や5に示した装置でも画像を形成できるが、上記の観点から、図6、7に示した装置で画像を形成するのが有利である。
【0062】
実質的にアニオン性色素のみからなる画像構成剤前駆体を利用する場合を例にとると、主に、次のようにして、画像が形成される。つまり、光が照射されると、起電力発生部分近傍の媒体(溶液)のpHが酸性に変化して、アニオン性色素イオンのpHによる溶解度の違い(酸性で沈殿する)によって、起電力発生部分に色素の電着膜が画像として形成される。
【0063】
本発明の画像形成方法では、光の走査によって所望の画像を描くことが可能であり、また、画像形成時の、照射する光の強度、その照射時間、及び印加するバイアス電位の1以上を制御することによって、画像形成時に画像形成部材に流れる電荷量を制御し、画像に階調性を持たせることが可能である。媒体中の、画像構成剤、特に色素の濃度等を変えることによっても、画像に階調性を持たせることが可能である。このようにして、画像濃度を段階的に又は連続的に制御することも可能である。
【0064】
なお、上記のようにして、画像が形成された画像記録部材から、所望部のみ色素を除く(脱ドープ)ことが可能である。これは、後に説明する転写工程の記載から明らかである。その後、再度、今まで説明した光照射を利用した方法などによって、色素をドープしたり、電着することも可能である。
【0065】
以上では、アニオン性色素を利用した画像形成について主に説明したが、導電性基板上にp、i、n、又はp、nの順(つまり、上記とは逆の順)で積層された画像形成部材を利用すれば、上記と同じ原理(但し、電気的には逆)で、光照射によって、カチオン性色素を含む画像構成剤前駆体から、画像形成部材のn型半導体上に画像が形成される。例えば、実質的にカチオン性色素のみからなる画像構成剤前駆体を利用する場合、光が照射されると、起電力発生部分近傍の媒体(溶液)のpHがアルカリ性に変化して、カチオン性色素イオンのpHによる溶解度の違い(アルカリ性で沈殿する)によって、起電力発生部分に色素の電着膜が、n型の表面に画像として形成される。
【0066】
また、以上では、画像形成部材に、最初に画像構成剤を付着するために、光照射を利用したが、以下に説明するように、本発明はこのような場合に限定されない。
【0067】
図示したような装置を利用すれば、画像形成部材に、光照射をしなくてもある一定値以上の電圧を印加するだけで、電気化学反応によって、画像構成剤が付着可能である。その後、必要に応じて、画像形成部材から色素を、部分的に又は全体的に離脱(脱ドーピング)させる(後の転写工程参照)。次いで、画像形成部材の所望部に、(必要に応じ画像形成部材にバイアス電圧を印加しつつ)光を照射して、その光照射部分のみに、画像構成剤を付着させることができる。
【0068】
この具体的は工程の操作法は、図2〜7を利用した前記説明を参照すれば、当業者には、容易に実施可能なはずである。
【0069】
本発明により、画像形成部材に形成された画像は、他の媒体(被転写媒体)に転写することが可能である。
【0070】
そのためには、画像形成部材に通電することなくその転写を実施する方法を利用するのが好ましい。これは、半導体のPN接合やPIN接合を利用しているために、色素のドーピングや色素の電着のためとは逆の電圧を印加する、電気化学で一般的な方法が通常利用しにくいからである。その転写方法としては、代表的には、イオン交換を利用する方法と、色素のpHによる溶解度の違いを利用する方法が挙げられる。
【0071】
特に前者は、画像構成剤が、導電性高分子と、色素とからなる場合に利用され、後者は、画像構成剤が、実質的に色素のみからなる場合に、好適である。これらの場合を例にとって、転写法を説明する。
【0072】
イオン交換を利用する方法では、画像形成部材上の導電性高分子膜内に保持されているイオン性色素の極性と同一極性のイオンを含有する被転写媒体を、導電性高分子層に接触させる。
【0073】
被転写媒体は、イオン性色素が転写され、その色素による画像が観察されるものであるから、言うまでもなく、その機能を有しているものであり、例えば、紙、織布、不織布等の親水性の材質のものが挙げられ、通常、電解質溶液を塗布または含浸させる。
【0074】
被転写媒体が含有している、導電性高分子層に保持されているイオン性色素の極性と同一極性のイオンは、好ましくは、被転写媒体よりも、導電性高分子に親和性が高いものを利用する。
【0075】
導電性高分子層が、アニオン性色素を保持している場合には、被転写媒体中のイオンは、OH- であり、被転写媒体をpH7以上に制御することが好ましい。一方、導電性高分子層が、カチオン性色素を保持してる場合には、被転写媒体中のイオンは、H+ であり、被転写媒体をpH7以下に制御することが好ましい。
【0076】
前記の接触によって、導電性高分子層に保持されているイオン性色素と、被転写媒体中のイオンが交換することによって、被転写媒体にイオン性色素の画像パタ−ンが形成できる。
【0077】
例えば、導電性基板上に形成され且つアニオン性色素分子を保持する導電性高分子層に、アニオン性のOH- イオンを含んでいる被転写媒体を、接触させると、OH- イオンと、イオン状態のアニオン性色素分子とがイオン交換する。一方、導電性基板上に形成され且つカチオン性色素分子を保持する導電性高分子層に、カチオン性のH+ イオンを含んでいる被転写媒体を、接触させると、H+ イオンと、イオン状態のカチオン性色素分子とがイオン交換する。
【0078】
導電性高分子層に保持されているイオン性色素分子の種類に応じて、被転写媒体の形態(例えば、含ませる電解質溶液、当該色素分子と交換すべきイオン)や、そのpH等を適宜選択することによって、イオン交換をできるだけスムーズに進行させ得る。例えば、ローズベンガル色素を含むポリピロール薄膜では中性(pH=7)の緩衝液や酸性(4.5〜7)の緩衝液では何も起きないが、アルカリ性の緩衝液ではローズベンガルイオンと緩衝液中のOH- イオンとがイオン交換されてポリピロール膜から外部に出てくる。
【0079】
なお、画像形成部材と、被転写媒体との間に、所望形状のマスクを介在させる等の方法によって、転写を部分的に実施可能である。
【0080】
色素のpHによる溶解度の違いを利用する転写方法を、還元状態で水に溶解し、酸化されると不溶化する色素を被転写媒体上に転写する場合を例にとって説明する。画像形成部材のその色素画像が存在する面を、アルカリ性を呈する被転写媒体に密着させる。好ましい具体的な方法は、その面を、pH10〜12程度のアルカリ性水溶液が含浸された又は塗布された被転写媒体に、密着させる。そうすると、色素分子はpHが上昇することで、還元されて、再び水に溶解し、被転写媒体中へ拡散してゆく。
【0081】
この時利用する被転写媒体には色素分子受容能力以外は必要とされないが、被転写媒体としては、上記のように、pH一定の水溶液または所定の電気伝導度を持つ電解質溶液を含浸または塗布した媒体が好ましい。その媒体として、紙、織布、不織布等が利用できる。そのpH一定の水溶液としては、特に制限はないが、所定のpHに調液された緩衝溶液が好ましく使用される。さらに、色素受容能力があり、かつ所定のpHまたは電気伝導度を有して色素を転写可能な固体電解質を被転写媒体として用いることも可能である。この場合、滲み等の防止による解像度の向上が期待できる。このような固体電解質の例としては、金属やセラミックおよびそれらの表面をポーラス上にしたもの、プラスチックや高分子フィルムなどが挙げられる。
【0082】
被転写媒体として、例えば透明な高分子フィルムや透明な固体電解質を用いれば、カラーフィルタやカラーOHPシートが容易に作成できる。
【0083】
上記では、還元状態で水に溶解し、酸化されると不溶化する色素を例にとって説明したが、これとは逆に、酸化状態で水に溶解し、還元されると不溶化する色素を用いる場合は、酸性、通常、pH2〜5を呈する被転写媒体に、画像形成部材の色素画像がある面を、密着させる。
【0084】
また、これらと異なり、中性の水溶液中では沈殿し、弱アルカリ性(または弱酸性)の水溶液中でのみ溶解する色素を用いた画像形成も可能である。この場合、色素画像を転写するには、中性溶液中で、電圧を印加せずに、もとのpHよりも強いアルカリ(酸)性を呈する被転写媒体、好ましくはそのような溶液を含む被転写媒体を密着させればよい。
【0085】
以上のようにして、画像の転写が実施可能である。
次に、連続的に画像形成部材への画像形成、及び被転写媒体への転写が可能な方法の一例を、説明する。
【0086】
図8は、そのための装置の模式図である。図8において、表面にPIN接合が形成されている円筒81の内側底部には、イオン性の色素分子を電着するためのマトリクス状画像形成用電極82(各マトリクスにバイアス電位が独立に印加可能である)が、また、内側中心には光源83が設けられている。円筒81の下方には、イオン性の色素分子が溶解された色素電解質溶液84が貯留された槽85が配置されており、この槽85内に画像形成用電極82に対向して対向電極86が配置されている。また、円筒81の表面と所定の間隙をおいて、ロール87が配置されており、円筒81とロール87との間に転写紙88が挿通可能となっている。
【0087】
この画像形成装置では、円筒81上のPIN接合が、光源からの光を受けつつ、マトリクス状画像形成用電極82の所定マトリクスから、バイアス電圧を受ける。そのバイアス電圧を受けた部分のみに、色素が電着され、画像が形成される。これは、バイアス電圧と光起電力の協働作用による。円筒81の回転に伴い、画像部分が、pHが調節せれた転写紙88に接触して、その転写紙88に画像が転写される。
【0088】
図8の説明を参照すれば、導電性高分子と色素とかなる画像構成剤を使用した場合の連続的な画像形成及び転写、また、光を走査可能な手段を円筒内に内蔵した装置で画像形成用電極全体にバイアス電圧をして、パターン状画像を形成することなど、各種の応用、改変は、当業者には、容易に実施可能である。
【0089】
次に、本発明の第2の画像形成方法を説明する。
上記本発明の第1の画像形成方法では、光照射によって、色素を含む画像構成剤を、画像として画像形成部材に付着させたが、本発明の第2の画像形成方法では、光照射によって、色素を含む画像構成剤を、画像形成部材から離脱(脱ドーピング)させることを特徴とする。
【0090】
その代表的な形態では、まず、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材であって、その接合表面に、少なくとも色素を有する画像構成剤が付着されている状態の画像形成部材を用意する。
【0091】
ここで利用する画像形成部材は、本発明の第1の画像形成方法で利用したものと本質的に同じである。しかし、接合体表面に、少なくとも色素を有する画像構成剤(これも、前記と同じものである)が既に付着されているものを使用する。しかも、導電性基板上にp、i、n、又はp、nの順で積層された画像形成部材ならば、アニオン性となる色素が、導電性基板上にn、i、p、又はn、pの順で積層された画像形成部材ならば、カチオン性となる色素が付着したもの(つまり、p、nの順と、イオンの電荷の関係が、本発明の第1の画像形成方法における場合と、逆)を使用する。かくして、このような画像構成剤の付着状態には、本発明の第1の画像形成方法を利用しても、付着すべき色素の電気的な性質が反対なので、実現できない。但し、大きなバイアス電圧を加えると、バリアを乗り越えて基板全面に付着させることも可能である。更に、この場合の画像構成剤の付着は、例えば、電気的な作用を利用しない蒸着、スピンコートやディップコート等、溶剤に溶かして乾燥する方法などによって、実現可能である。
【0092】
次に、画像構成剤の付着した画像形成部材に、光を照射することで起電力を発生させると共に、その画像形成部材に、少なくとも色素を取り込み得る媒体を接触させる。ここで、少なくとも色素を取り込み得る媒体としては、実際には、前記媒体と同様なもの(例えば、溶液)が好ましく利用できる。
【0093】
上記の光照射と媒体との接触によって、例えば、導電性基板上にn、i、pの順で積層された画像形成部材であって、そのp型半導体側にカチオン性となる色素が付着した状態のものであるならば、p型半導体側が+に荷電され、結果的に、そこに付着し、カチオン状態となり得る色素が、電気的な反発によって、p型半導体表面から離脱する。かくして、光が照射されていない部分の残余の画像構成剤で画像を形成することが可能である。
【0094】
この第2の画像形成方法と、第1の画像形成方法とは、光照射によって、少なくとも色素を離脱させるか、付着させるかの違いがあるが、第1の画像形成方法で説明した技術が、容易に第2の画像形成方法に転用可能である。
【0095】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。
実施例1
図2に示したように、SnO2 の透明導電膜を蒸着したホウケイ酸ガラス基板の上に、n型のa−Siを50nm、i型のa−Siを600nm、p型のa−Siを20nmの順で積層して、画像形成部材を得た。
【0096】
このPIN構造を持った画像形成部材を図6に示したように電気化学で一般的な装置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対し、画像形成部材のSnO2 膜を作用電極として利用し、作用電極を0Vにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、画像形成部材のp−Si表面にローズベンガルを含んだポリピロール薄膜が得られた。
【0097】
このピロール薄膜を被覆した画像形成部材をpH10のアルカリ性溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが脱ドープして紙に転写された。
実施例2
実施例1と同様にしてSnO2 の透明導電膜の上にa−Siを形成してPIN接合を有する画像形成部材を得た。次に図4に示したように、画像形成部材のSnO2 膜を白金電極に接続してサンプルを得、そのサンプルをピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液中に浸して3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、光を照射した場所にローズベンガルを含むポリピロール薄膜が得られた。このことから、外部よりバイアス電圧を印加することなく、画像を形成できることを確認した。このポリピロール薄膜を被覆した画像形成部材をpH10のアルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが脱ドープして紙に転写された。
【0098】
このときの画像濃度(イメージ・デンシティID)は1.6であった。
実施例3
実施例1と同様にしてSnO2 の透明導電膜の上にa−Siを形成してPIN接合を有する画像形成部材を得た。今度は図5に示したように入射する光を透明導電膜側にして溶液中を光が通過しないようにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、電圧を印加することなく光を照射した場所にローズベンガルを含むポリピロール薄膜が得られた。
【0099】
このポリピロール薄膜を被覆した画像形成部材をpH10アルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが脱ドープして紙に転写された。
実施例4
実施例1と同様にしてSnO2 の透明導電膜の上にa−Siを形成してPIN接合を有する画像形成部材を得た。この画像形成部材を図6に示したように電気化学で一般的な装置において、ローズベンガル0.02Mのみを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対し、画像形成部材のSnO2 膜を作用電極として利用し、作用電極を0.7Vにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、画像形成部材のp−Si表面にローズベンガルが析出し電着薄膜が得られた。
【0100】
このローズベンガルの電着膜を被覆した画像形成部材をpH10アルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが溶解して紙に転写された。
実施例5
実施例1と同様にしてSnO2 の透明導電膜の上にa−Siを形成してPIN接合を有する画像形成部材を得た。今度は図7に示したように入射する光を透明導電膜側にして溶液中を光が通過しないようにして、ローズベンガル0.02Mのみを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対し画像形成部材のSnO2 電極を作用電極として利用し、作用電極を0.7Vにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、画像形成部材のp−Si表面にローズベンガルが析出し電着薄膜が得られた。
【0101】
このローズベンガルの電着膜を被覆した画像形成部材をpH10アルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが溶解して紙に転写された。
実施例6
透明導電膜(ITO)付きのホウケイ酸ガラスの上にペリレン誘導体であるベンズイミダゾールペリレンを50nm、銅フタロシアニンを50nmの順で積層して、図3に示したような有機PN接合を有する画像形成部材を得た。これを図6に示した電気化学で一般的な装置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対し画像形成部材の透明導電膜(ITO膜)を作用電極として利用し、作用電極を0Vにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、銅フタロシアニン表面にローズベンガルを含んだポリピロール薄膜が得られた。
実施例7
実施例6と同様にして透明導電膜基板上に有機PN接合を形成したものを画像形成部材として使用し、図4に示したように透明導電膜電極を白金電極に接続してサンプルを得、このサンプルをピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液中浸して3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、光を照射した場所にローズベンガルを含むポリピロール薄膜が得られた。
【0102】
このポリピロール薄膜を被覆した画像形成部材をpH10アルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが脱ドープして紙に転写された。
実施例8
実施例6と同様にして透明導電膜上に有機PN接合を形成して、画像形成部材を得た。今度は図5に示したように入射する光を透明導電膜側にして溶液中を光が通過しないようにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、電圧を印加することなく光を照射した場所にローズベンガルを含むポリピロール薄膜が得られた。
【0103】
このポリピロール薄膜を被覆した画像形成部材をpH10アルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが脱ドープして紙に転写された。
実施例9
実施例6と同様にして透明導電膜上に有機PN接合を形成して画像形成部材を得た。このPN構造を持った画像形成部材を図6に示したように電気化学で一般的な装置において、ローズベンガル0.02Mのみを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対し、透明導電膜(ITO膜)を作用電極として利用し、作用電極を0.7Vにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、銅フタロシアニン表面にローズベンガルが析出し電着薄膜が得られた。
【0104】
このローズベンガルの電着膜を被覆した画像形成部材をpH10アルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが溶解して紙に転写された。
実施例10
実施例6と同様にして透明導電膜上に有機PN接合を形成して画像形成部材を得た。今度は図7に示したように入射する光を透明導電膜側にして溶液中を光が通過しないようにして、ローズベンガル0.02Mのみを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対し、透明導電膜(ITO膜)を作用電極として利用し、作用電極を0.7Vにして3mWのHe−Neレーザーを10秒間照射したところ、銅フタロシアニン表面にローズベンガルが析出し電着薄膜が得られた。
【0105】
このローズベンガルの電着膜を被覆した画像形成部材をpH10アルカリ性水溶液を含んだ紙に接触させたところローズベンガルが溶解して紙に転写された。
実施例11
図5に示したように、PIN構造を持ったa−Si感光体を有する画像形成部材を、ピロールとローズベンガルを含んだ水溶液中に接触させ、そこへHe−Neレーザーを用いて画像パターンを形成した。このとき、He−Neレーザーは強度変調をかけ、濃くしたいときにはレーザー強度を強く、薄くしたいときは弱くして、画像形成部材に照射した。次に、この画像パターンを形成した画像形成部材に図4で示すようにして用紙に脱ドーピングを行い濃度階調性のある良好な画像を印字させた。
参考例
SnO2 透明導電膜を蒸着したホウケイ酸ガラス基板上にn型アモルファスシリコン(n型a−Si)のみを1μm蒸着したものを参考用画像形成部材として利用し、実施例1と同じように図6に示した構成にして、画像を形成した。このときは、バイアス電圧を0〜0.7Vまで変化させたが、画像が形成されなかっ。バイアス電圧が0.8V程度で画像が得られたが、コントラストが悪く、本発明よりも実用的でないように思われた。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、品質が高く、ランニングコストが低く、更に、省エネルギー・省資源であり、その上、騒音や有害物質が発生しない、画像形成方法が提供される。
【0107】
しかも、光起電力発生に、ショトキー接合を利用する場合に比べ、PN接合やPIN接合によると、生じる起電力が大きくなり、結果的に、画像形成時、外部から印加すべき電圧がより低くなり、材料の選択等によっては、バイアス電圧の印加が必要ではなくなる、という利点がある。さらに、PIN接合は光検出器として実用化されているように、PIN接合では、光に対する感度が上がり、形成する画像のコントラストも良くなる。
【0108】
このような画像形成方法に利用する画像形成部材は、PN接合を使うことで大面積化と低コストが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法の一例の原理を示す模式図である。
【図2】 PIN接合を有する画像形成部材の一例を示す模式図である。
【図3】 PN接合を有する画像形成部材の一例を示す模式図である。
【図4】 本発明の画像形成方法を実施する装置の一例を示す模式図である。
【図5】 本発明の画像形成方法を実施する装置の別の一例を示す模式図である。
【図6】 本発明の画像形成方法を実施する装置の他の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の画像形成方法を実施する装置の他の一例を示す模式図である。
【図8】 連続的に画像形成部材への画像形成、及び被転写媒体への転写が可能な装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50 画像形成部材
11、21、31 基板
1N、2N、3N n型半導体層
1I、2I、3I 絶縁層
」 1P、2P、3P、1I、1P p型半導体
22、32 透明導電膜
13、41、52 電極
42、53 水溶液
43 導線
12 色素イオン
Claims (21)
- 導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材を用意する準備工程と、その画像形成部材に、少なくとも色素イオンと導電性高分子前駆体を含む溶液を接触させると共に、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させ、該起電力に基づいて導電性高分子前駆体が重合する光電気化学反応を起こし、それによって、色素を取り込んだ導電性高分子を画像構成剤として生成させ、その画像構成剤を画像形成部材の起電力発生部分に付着させる画像形成工程と、を有する画像形成方法。
- 導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材を用意する準備工程と、その画像形成部材に、少なくともpH により溶液に対する溶解度が異なる色素イオンを含む溶液を接触させると共に、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させ、該起電力に基づいて前記色素イオンを前記画像形成部材の起電力発生部分近傍の溶液の pH 変化により色素の分子として析出させる光電気化学反応を起こし、それによって、その色素の分子を画像構成剤として生成させ、その画像構成剤を画像形成部材の起電力発生部分に付着させる画像形成工程と、を有する画像形成方法。
- 前記色素イオンがアニオン性であり、また、画像形成部材として、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上にn型、p型の順に、またはn型、i型、p型の順に積層されたPN接合またはPIN接合とを有する積層体を使用する請求項1記載の画像形成方法。
- 前記色素イオンがカチオン性であり、また、画像形成部材として、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上にp型、n型の順に、またはp型、i型、n型の順に積層されたPN接合またはPIN接合とを有する積層体を使用する請求項1記載の画像形成方法。
- 前記色素イオンがアニオン性であり、また、画像形成部材として、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上にn型、p型の順に、またはn型、i型、p型の順に積層されたPN接合またはPIN接合とを有する積層体を使用する請求項2記載の画像形成方法。
- 前記色素イオンがカチオン性であり、また、画像形成部材として、導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上にp型、n型の順に、またはp型、i型、n型の順に積層されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材を使用する請求項2記載の画像形成方法。
- 画像構成剤によって画像を形成する際、画像形成部材に発生する電荷の量を変えることで、画像に階調性を持たせる請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法。
- 画像形成部材に、バイアス電圧を付加し、そのバイアス電圧を変えることによって画像に階調性を持たせる請求項7記載の画像形成方法。
- 画像形成部材に照射する光強度、又は光照射時間を変えることで画像に階調性を持たせる請求項7記載の画像形成方法。
- 前記画像形成工程の後に、画像形成部材から色素を離脱させる工程を有する請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記色素を離脱させる工程の後、前記画像形成工程と同一定義の工程を更に実施する請求項10に記載の画像形成方法。
- 前記準備工程の後に、少なくとも色素を含有する画像構成剤を、画像形成部材のPN接合表面またはPIN接合表面に、光照射を利用することなく付着して、初期画像を形成する工程を更に有し、その後、前記画像形成工程を実施する請求項1〜9いずれか記載の画像形成方法。
- 前記画像形成部材の初期画像から色素を離脱させる工程を有する請求項12記載の画像形成方法。
- PN又はPIN接合に、a−Siを用いる請求項1〜13いずれか記載の画像形成方法。
- PN又はPIN接合に、ペリレン誘導体又は高分子系のポリフェニルビニレンをn型半導体として用いる請求項1〜13いずれか記載の画像形成方法。
- PN又はPIN接合に、フタロシアニン類、ポルフィリン類又はキナクリドン類をp型半導体として用いる請求項1〜13いずれか記載の画像形成方法。
- 画像構成剤による画像が形成された画像形成部材に、被転写媒体を接触させ、画像形成部材の画像を被転写媒体に転写する工程を更に有する請求項1〜16いずれか記載の画像形成方法。
- 画像構成剤によって画像が形成された画像形成部材に、その色素のイオン状態での電気的極性と同一極性のイオンを含有する被転写媒体を、接触させ、画像形成部材の画像をイオン交換によって、被転写媒体に転写する請求項17記載の画像形成方法。
- 画像構成剤によって画像が形成された画像形成部材に、その色素を溶解させるpHに調製された被転写媒体を、接触させ、画像形成部材の画像を、溶解・拡散によって、被転写媒体に転写する請求項17記載の画像形成方法。
- 基板と、その表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材であって、その接合表面に、少なくとも色素を有する画像構成剤が付着した画像形成部材を用意する工程と、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させ、その電気的な力を介して、起電力発生部分から画像構成剤を離脱させて、画像を形成する工程と、を有する画像形成方法。
- 導電性の表面を有する基板と、その導電性表面上に形成されたPN接合またはPIN接合とを有する画像形成部材であって、その接合表面に、少なくとも色素を有する画像構成剤が付着した画像形成部材を用意する工程と、その画像形成部材に光を照射することで起電力を発生させると共に、その画像形成部材に、少なくとも色素を取り込み得る媒体を接触させて、上記起電力に基づいて画像構成剤が関与する光電気化学反応を起こし、それによって、起電力発生部分から画像構成剤を離脱させて、画像を形成する工程と、を有する請求項20記載の画像形成方法。
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