JP3692647B2 - 画像形成方法、マーキング方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機半導体又は無機半導体基板に形成された導電性高分子膜に画像を形成するための画像形成用部材により画像を形成する方法及びこの導電性高分子を介して画像を記録媒体を転写するためマーキング方法に関し、カラープリンター等の印刷、複写に利用されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気信号や光学信号から紙等の記録媒体に画像を転写する方法として、現在、プリンター等に利用されている方法には、ドットインパクト法、熱転写法、熱昇華法、インクジェット法、レーザープリンタの電子写真法が挙げられる。これらの方法は大きく3つの分類に分けられる。
【0003】
1番目の分類の含まれる方法には、ドットインパクト法、熱転写法、熱昇華法があり、これらの方法では、インクリボンやドナーフィルムなど色素分子が分散されたシートと紙等を重ね合わせ、力学的なインパクトや熱により紙上に色素を転写する。したがって、これらの方法では、つねに消耗品が必要であり、高速化が困難でエネルギー的にも効率が低くランニングコストが高く、熱昇華法を除く他の方法では得られる製品の品質も悪い。
【0004】
一方、2番目の分類に含まれるインクジェット法では紙上にヘッドからインクが直接転写されるので、インク以外の消耗品はなくランニングコストは低い。しかし、インクジェット法では、すべてのドットを電気的に制御しかつ紙幅のヘッドを形成するのが困難なため高速化が困難である。またインクジェット法では画像の最小単位がヘッドの大きさや間隔により規定され、印刷品質を向上させるほど印刷速度は低下すると共にエネルギー的にも効率は高くない。
【0005】
さらに3番目の分類に含まれるレーザープリンターなどの電子写真法は、中間転写体を通して画像形成がなされる。電子写真法では、レーザースポットにより形成される感光体上の静電像に対してトナーが吸着し、これを紙に転写して画像を形成する。このため、電子写真法では、比較的繊細な像を形成することが可能であり、また消耗するのはトナーだけなのでランニングコストは低い。しかし、電子写真法では、静電像を形成したりトナーが吸着・転写するのには高電圧が必要で、消費電力が大きく、オゾンや窒素酸化物を発生するという問題点がある。またこれらの何れのプリンティング方法も作動音がかなり大きい。
【0006】
一方、画像形成方法としては、印刷や銀塩写真等は品質のよい像を与える。しかし、印刷では版を形成するため大量に同一の画像を形成する場合にはランニングコストは低いが一般的な用途には不向きである。また銀塩写真等では写真フィルム・印画紙の様な再利用できない媒体を使用しなければならずランニングコストが高く、高速化も望めない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の課題を解決するための1つの手段として対象が反映したトナーあるいはインク等の画像形成要素による画像分布を転写対象と同じスケール(同じ紙幅)で形成・転写あるいは直接転写形成する媒質を利用することが考えられる。また、この媒質は画像形成要素の一次的な保持体として機能するが、その取込み・放出(受け渡し)が比較的低エネルギーで連続階調をもって行われること、さらに画像形成要素の単位を小さくできることが求められる。
【0008】
そのような能力のある媒質としてポリピロール、ポリチオフエン、ポリアニリン等に代表される導電性高分子膜が挙げられる。これらのポリマー膜は酸化・中性・還元の3状態を化学的・電気的・電気化学的に制御することができ、これに伴い対イオンをドーピング・脱ドーピングすることが知られている。このような特性は、例えば、吉村進著「導電性ポリマー」(高分子学会、1987)、山下和男・木谷晧「導電性有機薄膜の機能と設計」(日本表面科学会p89〜p107、1988)、吉野勝美著「導電性高分子の基礎と応用」(アイピーシー1988)に詳しく書かれている。
【0009】
つまり、導電性高分子化薄膜にドーピング・脱ドーピングするイオンが色素分子であれば、前記の要件を満たす画像形成要素の一時的な保持体としての媒質の能力を発揮することが期待される。しかしながら、従来、導電性高分子に対イオンとしてドーピング・脱ドーピングするものとしては一般的な金属や低分子の電解質アニオン並びにカチオンが一般的であり、例えば高分子アニオンなどと共に導電性高分子の合成を行った場合には、脱ドーピングできないことが知られている。
【0010】
一方、可逆的にドーピング・脱ドーピングできるイオンの大きさは導電性高分子膜のミクロな構造が特性を決定し、例えばこれがモノマーから導電性高分子を重合するときに共存させる対イオンのサイズにより制御できることが篠原寛明らによりJ.Chem.Soc.,Chem,Commun.,p87,(1986)に報告されている。ただし、この論文においても、検討されたイオンの分子量はたかだか100程度で分子量を大きいほどドーピング・脱ドーピング特性が悪いという結果を示している。一方、比較的大きな分子の可逆的ドーピング・脱ドーピング特性を示した例としては、同篠原らによる日本化学会誌、1986年、No3、P465のグルタミン酸があるが、これでも分子量は150を超えない。一方、一般的な色素分子はその分子量が500〜1500程度のものが多く、これまではこの程度の分子量のものは可逆的にドーピング・脱ドーピングできるとは考えられていなかった。
【0011】
そして、従来、導電性高分子膜は、このような低分子イオンをドーピング・脱ドーピングすることおよびそれに伴い色変化することを利用して、バッテリーや太陽電池の保護膜およびエレクトロクロミック表示素子等への応用等が中心に検討されてきた。一方、導電性高分子膜をマーキング関連の材料として利用したものには、特開平2−142835の「高分子薄膜表面のぬれ性制御方法ならびにその方法を利用した画像形成方法および画像形成材料」がある。しかし、この技術では、導電性高分子膜の酸化状態と中性状態でのぬれ性の違いを電気的にスイッチングし、印刷の版を形成する。したがって、導電性高分子薄膜内にドーピングという形式で色素が保持される訳でなく、インク等の染料の吸着量や転写量については全く制御できない。
【0012】
本発明の第1の目的は、上記の特性、すなわち、品質が高く、比較的高速で、ラッニングコストが低く、省エネルギー・省資源な環境にも使用にも優しい等の特性を有する導電性高分子膜を有する画像形成部材を用いて画像を形成する方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記した画像形成方法を用いてマーキングを行うマーキング方法及び装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性高分子薄膜におけるイオン性の色素分子の挙動に着目し、探究した結果得られたものである。すなわち、有機半導体又は無機半導体からなる基板上にイオン性色素分子をドーピング又は脱ドーピング可能な導電性高分子膜が形成された画像形成用部材に着目したものである。
本発明の第1の目的は、有機半導体又は無機半導体からなる基板に光照射による起電力を発生させることによって、前記導電性高分子膜にイオン性色素分子をドーピングし、又は前記導電性高分子膜からイオン性色素分子を脱ドーピングして画像を形成することを特徴とする画像形成方法によって達成される。
さらに本発明の第2の目的は、導電性高分子にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを脱ドーピングし、脱ドーピングされたイオン性色素分子を記録媒体に転写することを特徴とするマーキング方法及び装置によって達成される。
【0014】
すなわち、本発明は、電気化学的に酸化状態・中性状態、還元状態の少なくとも2状態間で状態変化が可能な導電性高分子の分子間に薄膜が少なくとも1つの状態で色素分子が取り込まれている導電性高分子薄膜及び該導電性高分子薄膜が分子量の大きなイオン共存下、導電性高分子を構成するモノマーの重合により形成された導電性高分子薄膜において、色素分子をドーピング・脱ドーピングすることで画像を形成したのち、転写媒体に接触させ脱ドーピングを行うことで達成される。
【0015】
本発明の画像形成部材は、有機半導体又は無機半導体からなる基板上にイオン性色素分子がドーピング又は脱ドーピング可能な導電性高分子膜が形成されたものである。
【0016】
本発明の画像形成方法は、有機半導体又は無機半導体からなる基板上の導電性高分子膜に光照射による光起電力又は光起電流を発生させることによって、前記導電性高分子膜にイオン性色素分子をドーピングし、又は前記導電性高分子膜から色素分子を脱ドーピングして画像を形成するものである。
この画像形成方法において、画像形成時の電荷量を制御することによってイオン性色素のドーピング又は脱ドーピングの領域を形成し、所望の画像が形成される。この電荷量の制御方法としては、光強度、光照射量、印加するバイアス電圧、導電性高分子薄膜の膜厚がある。
【0017】
本発明のマーキング方法は、導電性高分子にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを脱ドーピングし、脱ドーピングされたイオン性色素分子を記録媒体に転写するものである。導電性高分子膜にドーピングされたイオン性色素分子は、そのパターン状にそのまま記録媒体に転写され、記録媒体上に所定の画像が転写される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明で使用できる導電性高分子膜を構成する導電性高分子は電気化学的に酸化・還元し、イオン性色素分子をドーピング又は脱ドーピングするものであれば、すべてのものが使用可能である。例えば、ポリアセチレン系、ポリジアセチレン系、ポリヘプタジエン系、ポリピロール系、ポリチオフェン系、ポリアニリン系、ポリフェニレンビニレン系、ポリチオフェニレンビニレン系、ポリイソチアネフテン系、ポリイソナフトチオフェン系、ポリパラフェニレン系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリフェニレンオキシド系、ポリフラン系、ポリフェナンセレン系、ポリセレノフェン系、ポリテルロフェン系、ポリアズレン系、ポリインデン系、ポリインドール系、ポリフタロシアニン系、ポリアセン系、ポリアセノアセン系、ポリナフチレン系、ポリアントラセン系、ポリペリナフタレン系、ポリピフェニレン系、ポリピリジノビリジン系、ボリシアノジェン系、ポリアレンメタイド系など各種一次元導電性高分子膜やラダーポリマー、パイロポリマーと呼ばれるもの、さらにグラファイトのような二次元系のものが本発明に使用できる。
これらの導電性高分子の中で、特に重合電圧が低く、水系で利用できることから、ポリピロール系とポリアニリン系が好適である。
【0019】
前記のような導電性高分子膜を形成するには、電解重合法、すなわち、導電性高分子膜の原料である芳香族低分子化合物を電気化学的に酸化して電極基板上に高分子膜を形成することができる。また、一部の芳香族ハロゲン化合物では電解還元重合法によって高分子膜を形成することができる。このような電解重合による導電性高分子膜は重合時に対イオンを取り込んだ形で電気的な中性を保って成長する。したがって、例えば、電極電位を正にし、電解還元重合で導電性高分子膜を作製した場合、この導電性高分子膜は酸化状態にあり、アニオンをドーピングした状態で電極基板上に形成される。この導電性高分子膜は電位を負にすると中性化し、電気的な中性を保つため取り込まれていたアニオンを放出つまり脱ドーピングする。またポリチオフェンなどいくつかの導電性高分子膜はさらに電位を負にすると還元状態となり電気的な中性を保つためにカチオンをドーピングする。取り込まれたカチオンは電位を正にし中性状態に戻してやることにより脱ドーピングされる。
【0020】
また、電気化学的な導電性高分子膜の形成時に共存イオンとして色素イオン及びそれに匹敵する性質・分子量のイオンを共存させることにより、イオン性色素分子をドーピングした導電性高分子膜を作製することができる。このようにして電解重合した導電性高分子膜は電気化学的な酸化・還元に伴い他の分子量の小さなイオンの共存下で作製したものに比べ、多くのイオン性色素分子をより可逆的にドーピング・脱ドーピングすることができる。このとき、イオンの脱ドーピングにあっては、電気化学的にドーピングしたときとは逆の電圧を印加する。
【0021】
本発明は、導電性高分子膜の上記した特性を利用するもので、酸化・中性及び還元の状態間で異なるイオンのドーピング・脱ドーピングそのものを利用する。つまり、ドーピング、脱ドーピングするアニオンやカチオンをアニオン性色素分子やカチオン性色素分子にすることにより、導電性高分子膜に可逆的に色素分子を取込み保持し、またこれを紙などの記録媒体に転写する。導電性高分子膜へのイオンのドーピング量は電位と通電時間すなわち電荷量に依存する。したがって、ある閾値を越える電位に設定し電荷量をコントロールすることにより導電性高分子膜中の色素分子濃度を連続的に制御することができる。また導電性高分子膜中からの脱ドーピングも、ある閾値を越える電位に設定し電荷量をコントロールすることにより導電性高分子膜から放出されるイオン性色素分子の濃度を連続的に制御することができる。また導電性高分子膜あるいは基板電極に電位分布を持たせることにより限定的に導電性高分子膜に色素イオンを取り組んだり導電性高分子膜から色素イオンを放出したりすることができ、これらのイオン性色素分子により電位分布に対応して画像を形成することができる。
【0022】
一方、電気化学的には電極とし電極自身が酸化されにくい白金がよく用いられている。ところが、画像を形成する場合には金属電極を用いた場合には予め画像パターンを作ったり、画素に対応した電極を独立に駆動するような特別な工夫が必要である。そこで、この画像パターンの形成に光半導体を電極として用いることが考えられる。このとき、ドーピングや脱ドーピングに必要な電圧を光起電力で供給する。このような、光起電力を用いてドーピングや脱ドーピングを行うことは、例えば、Si基板上にピロールを電気化学重合して用いた例がHiroshi YoneyamaらによりJ.Electrochem.Soc.,p2414,(1985)に報告されている。ところが、今までの研究はフォトエレクトロクロミズムの研究が中心であったため、アニオン性・カチオン性の色素分子を用いた例はなかった。本発明は、アニオン性・カチオン性の色素分子に着目し、これらの色素分子の導電性高分子膜におけるにドーピング・脱ドーピングの特性を巧みに応用したものである。すなわち、画像形成に必要な色素分子のみを消耗し、画像単位は分子レベルまで適用可能で濃度階調も連続的なマーキングを可能にする画像形成用部材及び画像形成方法が提供できる。そして、可逆的な分子レベルで色素を導電性高分子膜に取り込み、これを紙等の記録媒体に色素分子の濃度パターンとして放出することによりマーキングを行うことができる。
【0023】
本発明における半導体としては、基本的には光照射により電圧を発生する基板であれば全て使用できる。具体的には、無機半導体又は有機半導体があり、典型的には無機の半導体としてSi,Ge,GaAs,CdSe,CdS,CdTe,InP,AlSb,GaPなどがあり、また、有機の光半導体としてフタロシアニン系、ペリレン誘導体、PVKなど多種多様な材料がある。また、本発明の半導体には、n型半導体又はp型半導体のいずれも使用可能である。
【0024】
上記の有機半導体のペリレン誘導体には、例えば、光起電力が大きい、下記に示す(a)シス型ベンズイミダゾールペリレン、(b)トランス型ベンズイミダゾールペリレン等を挙げることができる。
【化1】
Figure 0003692647
【0025】
本発明の画像形成部材は、これらの半導体を電極とし、この電極上にイオン性色素分子をドーピング又は脱ドーピング可能な導電性高分子膜を形成したものである。これらの導電性高分子の膜を半導体電極上に形成する方法としては、電解重合法により導電性高分子膜の原料である芳香族低分子化合物を電気化学的に酸化して電極基板上に導電性高分子膜が形成される。
【0026】
このような電解重合による導電性高分子膜は重合時に対イオンを取り込んだ形で電気的な中性を保って成長する。したがって、例えば電極電位を正にし電極酸化重合で作った場合には、導電性高分子膜は酸化状態にありアニオンをドーピングした状態で電極基板上に形成される。この導電性高分子膜は電位を負にすると中性化し、この導電性高分子膜の合成時に共存イオンとしてイオン性色素分子とそれに匹敵する性質、分子量のイオンを共存させると、イオン性色素分子をドーピングした導電性高分子膜が合成される。本発明に使用されるイオン性色素分子とは、アニオン性、カチオン性等の色素分子からなるものであれば,公知の染料がいずれも使用可能である。
【0027】
イオン性色素としては、例えば、アクリジン系、アザフタリド系、アジン系、アズレニウム系、アゾ系、アゾメチン系、アニリン系、アミジニウム系、アリザリン系、アントラキノン系、イソインドリノン系、インジゴ系、インジゴイド系、インドアニリン系、インドリルフタリド系、オキサジン系、カロチノイド系、キサンチン系、キナクリドン系、キナゾリン系、キノフタロン系、キノリン系、キノン系、グアニジン系、クロームキレート系、クロロフィル系、ケトンイミン系、ジアゾ系、シアニン系、ジオキサジン系、ジスアゾ系、ジフェニルメタン系、ジフェニルアミン系、スクエアリリウム系、スピロピラン系、チアジン系、チオインジゴ系、チオピリリウム系、チオフルオラン系、トリアリルメタン系、トリスアゾトリフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、トリフェニルメタンフタリド系、ナフタロシアニン系、ナフトキノン系、ナフトール系、ニトロソ系、ビスアゾオキサジアゾール系、ビスアゾ系、ビスアゾスチルベン系、ビスアゾヒドロキシペリノン系、ビスアゾフルオレノン系、ビスフェノール系、ビスラクトン系、ビラロゾン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルオレセイン系、フルオレン系、フルギド系、ペリノン系、ペリレン系、ベンズイミダゾロン系、ベンゾピラン系、ポリメチン系、ポルフィリン系、メチン系、メロシアニン系、モノアゾ系、ロイコオーラミン系、ロイコキカンテン系、ローダミン系、等の合成色素や、ウコン、クチナシ、ピプリカ、紅麹、ラック、ブドウ、ビート、シソ、ベリー、コーン、キャベツ、カカオ等に代表される天然色素が挙げられる。その際、高分子膜の特性やプロセスを行う媒質等の環境に応じて色素分子の溶解性等により適宜選択する必要がある。
【0028】
このようにして電解重合した導電性高分子膜は電気化学的な酸化・還元に伴い他の分子量の小さなイオンの共存化で作製したものに比べ多くのイオン性色素分子をより可逆的にドーピング・脱ドーピングすることができる。このドーピング・脱ドーピングに光起電力を用いたことが本発明の特徴である。光照射による起電力がイオン色素分子のドーピング又は脱ドーピングに足りる程度に発生することが望ましいが、この起電力が不足している場合には、外部からドーピング又は脱ドーピングの閾値に僅かに足りない電位を加え、光照射によりドーピング又は脱ドーピングの閾値を超えるようにすればよい。
【0029】
ただし、n型半導体とp型半導体とでは、電気特性が逆になるため、ドーピング及び脱ドーピングも逆になり、利用の仕方が異なる。n型半導体を使用した場合には、バイアス電圧を加えて更に光を照射するとアニオン性性色素分子のドーピングが起こり、カチオン性色素分子の場合には脱ドーピングが起こる。一方、逆バイアス電圧を加えると、アニオン性色素分子の脱ドーピングが起き、カチオン性色素分子はドーピングが起きる。また、一方、p型半導体を使用した場合には、バイアス電圧を加えて更に光を照射するとカチオン性色素分子のドーピングが起こり、アニオン性色素分子の場合には脱ドーピングが起こる。
また、一方、逆バイアス電圧を加えると、アニオン性色素分子は脱ドーピングが起き、カチオン性色素分子はドーピングが起きる。
【0030】
イオン性色素分子のドーピング量は電解質溶液中の色素分子イオン濃度・導電性高分子膜基板の電位・照射光量・電圧および光照射時間より制御することができ、基本的にはドーピングに伴い流れる電荷量に比例する。したがって、色素分子イオンを含む電解質溶液中で導電性高分子膜基板の電位を制御して酸化あるいは還元することにより色素分子イオンを濃度を制御した導電性高分子膜を得ることができる。
【0031】
この際、n型の光半導体を基板電極として利用し、n型半導体の光起電力を利用して導電性高分子膜のうち光が照射された部分のみにアニオン性色素分子をドーピングすることにより、導電性高分子膜の酸化状態を、アニオン性色素分子のドーピング量の光強度に応じた濃度分布を有する画像パターンとして表すことができる。一方、アニオン性色素分子イオンを取り込んだ導電性高分子膜はドーピング時とは逆方向の電圧を印加することにより放出される。p型の光半導体を基板電極として利用した場合は、導電性高分子膜の酸化状態をp型光半導体の光起電力を利用することにより光が照射された部分のみに導電性高分子膜中に光強度に応じたカチオン性色素分子のドーピング濃度分布として画像パターンを形成することができる。一方、カチオン性色素分子イオンを取り込んだ導電性高分子膜はドーピング時とは逆方向の電圧を印加することにより放出される。
【0032】
また、脱ドーピングに光起電力を用いることもできる。この場合には、電気化学的にアニオン性色素分子やカチオン性の色素分子イオンを取り込んだ導電性高分子膜を重合しておいたものに、光量に応じた脱ドーピングを行うことができる。カチオン性色素分子イオンを取り込んだ導電性高分子膜をn型の光半導体上に形成しておき、導電性高分子膜の酸化状態をn型光半導体の光起電力を利用することにより光が照射された部分のみに導電性高分子膜中に光強度に応じたカチオン性色素分子の脱ドーピング量の濃度分布としてマーキングに利用できる。アニオン性色素分子イオンを取り込んだ導電性高分子膜はp型の光半導体上に形成しておき、導電性高分子膜の酸化状態をp型光半導体の光起電力を利用することにより光が照射された部分のみに導電性高分子膜中に光強度に応じたアニオン性色素分子の脱ドーピング濃度分布としてマーキングに利用できる。
【0033】
すなわち、本発明は、導電性高分子膜の高分子重合時に光を利用して光強度に応じたイオン性色素分子のドーピング濃度分布を持った画像パターンを形成することの他、導電性高分子膜に対するイオン性色素分子のドーピング時に光強度に応じたイオン性色素分子のドーピング濃度分布を持った画像パターンを形成することと、導電性高分子膜からのイオン性色素分子の脱ドーピング時に光強度に応じたイオン性色素分子の脱ドーピング分布を持った画像パターンを形成することが可能である。したがって、これらの画像パターンを記録媒体に転写してこれをマーキングに使うにはアニオン性の色素分子やカチオン性の色素分子の脱ドーピングを行う。
【0034】
図9は、本発明において光照射手段を用いて光書き込みを行うための好適な一実施の形態を示す装置であり、図において、レーザーヘッド90からのレーザー光は、変調器ドライバー92を介して音響光学効果による光変調器(AOM)92Aによって変調されてX軸、Y軸、Z軸によりレーザー光の入射方向が設定される。X軸、Y軸のそれぞれのガルバノドライバー94,96は、コントローラ−98を介してそれぞれガルバノミラー94A、96Aの回転角を制御するようになっており、これによってレーザーヘッド90からのレーザー光の照射方向が選定される。このレーザー光は、イオン性色素分子が含む溶液中に設置され、対向電極102に対向して設けられた光半導体(n−Si基板又はa−Si基板)100面に照射され、光半導体100面に形成された導電性高分子膜にイオン性色素分子をドーピングまたは脱ドーピングされる。
【0035】
実施例1
n−Si(結晶)基板は、アセトン、及びイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を施し、水洗した後バーファードフッ酸に浸して酸化膜を除去し、Alを蒸着してオーミックコンタクトを取る。このn−Si(結晶)基板を電気化学で一般的な三極式の配置において、ピロール0.06M、フルオレセイン系のイオン性色素としてのローズベンガル0.02Mを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対しn−Siを作用電極として利用し、作用電極を+0.4Vにして3mWのHe−Neレーザーを60秒照射したところ、n−Si基板上にローズベンガルを含んだポリピロール薄膜が得られた。このときのn−Si基板における電流量の状態を図1に示す。図1から、レーザーを照射した場合、起電力が生じ、流れる電流量が増大する。この電流は、ポリピロールの重合に使われる。このポリピロール薄膜はローズベンガルをドーピングした状態で形成されているので赤紫色を呈しており、中心ほど濃いというHe−Neレーザーの強度分布に対応した薄膜分布をしていた。このポリピロール薄膜を被覆したn−Si基板を塩化ナトリウム0.1Mを含む水溶液中で作用電極を−1.0Vにしたところローズベンガルが脱ドープして青紫色になった。このことから、n−Si基板に光を照射することで光強度に応じた膜厚のローズベンガルがドープされたポリピロール薄膜が重合できることを確認した。また、印加電圧を高くすれば、脱ドープには光を必要としないことも確認した。
【0036】
さらに、ポリピロール薄膜を被覆したn−Si(結晶)基板を0.02Mのローズベンガルのみを含む水溶液中で三極式の配置において、3mWのHe−Neレーザーを照射した場合と照射しなかった場合の両方で、飽和カロメル電極に対し+0.4〜−0.8Vの範囲で折り返し掃引した。図2にこのときのサイクリックボルタモグラフを示す。図2から、3mWのHe−Neレーザーを照射した場合のみに、正から負の方向で−0.6Vに負から正の方向で+0.2Vのそれぞれ電流値の極大が観測された。このことから、印加電圧が低い場合やバイアス電圧を印加しない場合には、3mWのHe−Neレーザーを照射した場合に限ってローズベンガルアニオンのポリピロール薄膜からの脱ドーピングとポリピロール薄膜へのドーピングが起こり、光を照射しなければ、ドーピングや脱ドーピングが起きないことを示している。したがって、ポリピロール薄膜がローズベンガルアニオンをn−Si(結晶)基板に光を照射することで可逆的にドーピング・脱ドーピングできることを確認した。なお、この場合も印加電圧を高くすれば、脱ドーピングには光は無くてよいことを確認した。
【0037】
次に上記の方法でオーミックコンタクトを取ったn−Si(結晶)基板を三極式の配置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対しn−Siを作用電極として利用し、作用電極を+0.4Vにして3mWのHe−Neレーザーを用いて画像パターンを書き込み、ローズベンガル色素を含んだポリピロール薄膜を画像パターンとして作成した。
【0038】
図3は、上記のようにして得られた画像パターンを用いてマーキングするための方法を示す。画像パターンが形成されたn−Si(結晶)基板1を電極として使用し、電解質を含んだ水溶液2中に浸した紙3をPt電極4との間に挟んだ。そして、n−Si(結晶)電極1を−3Vにしたところローズベンガル色素が脱ドーピングして紙4上に画像パターンが記録された。
【0039】
実施例2
p−Si(結晶)基板は、実施例1と同様の洗浄方法と蒸着でオーミックコンタクトをとり、同様の電気化学三極式の配置において、ピロール0.06M、ローズペンガル0.02Mを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対しp−Siを作用電極として利用し、作用電極を60秒間+0.8Vにしたところ、p−Si(結晶)基板上にローズベンガルを含んだポリピロール薄膜が得られた。このポリピロール薄膜はローズベンガルをドーピングした状態で形成されているので均一な赤紫色を呈している。このポリピロール薄膜を被覆したp−Si(結晶)基板を0.02Mのローズベンガルのみを含む水溶液中で三極式の配置において、3mWのHe−Neレーザーを照射した場合と照射しなかった場合の両方で、飽和カロメル電極に対し+0.4〜−0.8Vの範囲で繰り返し掃引したところ、3mWのHe−Neレーザーを照射した場合のみに正から負の方向で−0.6Vに、負から正の方向で+0.2Vのそれぞれ電流値の極大が観測された。印加電圧が低い場合やバイアス電圧を印加しない場合には、3mWのHe−Neレーザーを照射した場合に限ってローズベンガルアニオンのポリピロール薄膜からの脱ドーピングとポリピロール薄膜へのドーピングが起こることを示している。このことから、ポリピロール薄膜がローズベンガルアニオンをp−Si(結晶)基板に光を照射することで可逆的にドーピング・脱ドーピングできることを確認した。
【0040】
次に上記の方法でオーミックコンタクトを取ったp−Si(結晶)基板を三極式で配置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対しp−Siを作用電極として利用し、作用電極を+0.8Vにして基板全面にローズベンガル色素を含んだポリピロール薄膜を形成した。
【0041】
図4はこのローズベンガル色素を含んだポリピロール薄膜を用いてマーキングを行うためのマーキング方法を示す。上記のようにして得られたローズベンガル色素を含んだポリピロール薄膜が形成されたp−Si(結晶)基板5を電極として使用し、電解質を含む水溶液6中に浸した紙7をPt電極8との間に挟んだ。そして、p−Si(結晶)電極5を−1.5Vにしてp−Si電極5の裏から3mWのHe−Neレーザー9を照射して画像パターンを描いたところローズベンガル色素が脱ドーピングして紙7上に画像パターンが記録された。
【0042】
実施例3
n−Si(結晶)基板は、実施例1と同様の洗浄方法と蒸着でオーミックコンタクトをとり、同様の電気化学三極式の配置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液中で、飽和カロメル電極に対しn−Siを作用電極として利用し、3mWのHe−Neレーザーをレンズを用いて照射領域を広げて、作用電極を+0.5Vにして60秒間照射したところ、n−Si(結晶)基板上にローズベンガルを含んだポリロール薄膜が全面に得られた。さらに、ポリピロール薄膜を被覆したn−Si(結晶)基板を0.02Mのローズベンガルのみを含む水溶液中で三極式の配置において、飽和カロメル電極に対しn−Siを作用電極として利用し、作用電極を−1.0Vにして完全にローズベンガルを脱ドーピングした。このサンプルに、作用電極を+0.4Vにして3mWのHe−Neレーザーを60秒間局部的に照射したところ、ローズベンガルがドーピングされて中心ほど濃いというHe−Neレーザーの強度分布に対応したスポット状の赤紫色のドーピング膜が形成された。このことから、n−Si(結晶)基板に光を照射することで光強度に応じた濃度のローズベンガルをドーピングできることを確認した。
【0043】
次に上記の方法でHe−Neレーザーの強度分布に対応したローズベンガル色素がドーピングされた画像パターンを作成し、これを電解質を含む水溶液中に浸した紙をPt電極との間に挟んだ。そして、n−Si電極を−1.0V以上にしたところローズベンガル色素が脱ドーピングして階調性のある画像パターンが紙上に記録された。
【0044】
実施例4
図5に示すように、n型のa−Si(非晶質)基板10を電極として使用し、ピロール0.06Mと、とローズベンガル0.02Mを含んだ水溶液11中に接触させ、そこへHe−Neレーザー12を用いて画像パターンを形成した。次に、この画像パターンを形成した感光体に図3に示すようにして用紙に脱ドーピングを行い濃度階調性のある良好な画像を印字した。
【0045】
図6に示したように、p型のa−Si(非晶質)基板13を電極として使用し、ピロールとローズベンガルを含んだ水溶液14中に接触させ、p型のa−Si(非晶質)基板13と水溶液14との間に電圧を印加し、次に図4に示したようにしてHe−Neレーザーを用いて脱ドーピングを行い用紙に濃度階調性のある良好な画像を印字した。
【0046】
実施例5
次に実施例3と同様にn−Si(結晶)基板は、実施例1と同様の洗浄方法と蒸着でオーミックコンタトクをとり、図7に示すような配置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液19中で、飽和カロメル電極20に対し、n−Siからなる作用電極17として利用し、さらに白金21の対向電極22をカウンター電極に対し、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液19中で、飽和カロメル電極20に対し、n−Siの作用電極17を+0.4Vにして外部からガルバノスキャナー装置からのレーザー光23で画像パターンを書かせたところ、光が照射された部分のみn−Si(結晶)基板上にローズベンガルを含んだポリピロール膜が得られ、光照射強度や照射時間に応じた濃度階調性のある画像が形成された。この画像を書かせたところn−Si(結晶)基板を純水で洗浄した後、pH10のアルカリ性の緩衝液を浸した紙を接触させたところイオン交換によるローズベンガルの脱ドーピングが起き、紙にローズベンガル色素が付着し、濃度階調性のある画像が転写された。
【0047】
実施例6
次に実施例5と同様に図7に示したような配置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液19中で、飽和カロメル電極20に対し、n−Siを作用電極17として利用し、さらに白金21の対向電極22をカウンター電極に対し、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液19中で、飽和カロメル電極20に対し、n−Siの作用電極の電位を変化させて、外部からガルバノスキャナー装置からのレーザー光23で画像パターンを書かせたところ、印加したバイアス電圧に応じた濃度階調性のある画像が形成された。この画像を書かせたn−Si(結晶)基板を純水で洗浄した後、pH10のアルカリ性の緩衝液を浸した紙を接触させたところイオン交換によるローズベンガルの脱ドーピングが起き、紙にローズベンガル色素が付着し、濃度階調性のある画像が転写された。
【0048】
実施例7
図8に示したように、ホウケイ酸ガラス15上に透明電極(ITO)16が形成され、この透明電極16にはn型の有機半導体であるペリレン誘導体(ベンズイミダゾールペリレン)18が80nm真空蒸着により成膜したものをn型の半導体基板として利用した。そして、実施例5と同様に図7に示したような配置において、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液19中で、飽和カロメル電極20に対し、ITO電極を作用電極17として利用し、さらに白金21の対向電極22に対し、ピロール0.06M、ローズベンガル0.02Mを含む水溶液19中で、飽和カロメル電極20に対し、n−Siの作用電極を+0.2Vにして外部からガルバノスキャナー装置からのレーザー光23で画像パターンを形成したところ、光が照射された部分のみベンズイミダゾールペリレン18上にローズベンガルを含んだポリピロール膜が得られ、光照射強度や照射時間に応じた濃度階調性のある画像が形成された。この画像を形成したベンズイミダゾールペリレン基板(15,16,18)を純水で洗浄した後、pH10のアルカリ性の緩衝液を浸した紙を接触させたところイオン交換によるローズベンガルの脱ドーピングが起き、紙にローズベンガル色素が付着し、濃度階調性のある画像が転写された。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、有機半導体又は無機半導体からなる基板上にイオン性色素分子をドーピング又は脱ドーピング可能な導電性高分子膜が形成されているので、この導電性高分子膜イオン性の色素分子をドーピングでき、また、脱ドーピングにより導電性高分子膜に画像を形成することができる。
【0050】
また、本発明の画像形成方法によれば、光起電力を有する半導体を利用して光の照射部分のみに光強度に応じた高分子の重合とそれを用いた画像の形成方法を提供することができる。
【0051】
さらに本発明のマーキング方法及び装置によれば、画像パターンを紙等の記録媒体に転写してマーキングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】n−Si(結晶)基板にローズベンカルがドーピングされたポリピロール膜を重合するときのポリピロール膜に流れる電流量の状態を示すためのグラフである。
【図2】レーザー照射の有無によるドーピング・脱ドーピングの挙動を示すサイクリックボルタモグラフである。
【図3】n−Si(結晶)基板を用いたときのマーキング方法を示すための説明図である。
【図4】p−Si(結晶)基板を用いたときのマーキング方法を示すための説明図である。
【図5】n型a−Si(非晶質)基板を用いたときの画像形成方法を示すための説明図である。
【図6】p型a−Si(非晶質)基板を用いたときの画像形成方法を示すための説明図である。
【図7】画像形成するために用いた光照射装置を示すための説明図である。
【図8】実施例7に用いた半導体基板の断面図である。
【図9】本発明に適用されるカルバノスキャナー装置の好適な一実施の形態を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
1 n−Si(結晶)基板
2,6 電解質溶液
3,7 紙(記録媒体)
4,8 Pt電極(対向電極)
5 p−Si(結晶)基板
9,12 He−Neレーザー
10 n型−a−Si(非晶質)基板
11,14 電解質溶液
13 p型−−a−Si(非晶質)基板
15 ホウケイ酸ガラス
16 ITO電極
17 作用電極
18 ペリレン誘導体
20 飽和カロメル電極
21 Pt電極(対向電極)
23 レーザー光
90 レーザーヘッド
92 光変調器ドライバー
92A 光変調器
94 ガルバノドライバー
94A ガルバノミラー
96 ガルバノドライバー
96A ガルバノミラー
98 コントローラー
100 光半導体
102 対向電極

Claims (22)

  1. 有機半導体又は無機半導体からなる基板に光照射による起電力又は起電流を発生させることによって、前記基板上に形成された導電性高分子膜にイオン性色素分子をドーピングし、又は前記導電性高分子膜からイオン性色素分子を脱ドーピングして画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記半導体が、n型半導体からなり、前記イオン性色素分子がアニオン性色素分子からなり、このアニオン性色素分子を半導体基板に形成された導電性高分子膜にドーピングする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記半導体が、p型半導体からなり、前記イオン性色素分子がカチオン性色素分子からなり、このカチオン性色素分子を半導体基板に形成された導電性高分子膜にドーピングする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 前記導電性高分子膜にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを形成する際に、ドーピング時又は脱ドーピング時の電荷量、成膜時間、バイアス電圧、光照射時間又は光強度の少なくとも何れかを調整して導電性高分子膜中のイオン性色素分子の量を調整し、ドーピングされたイオン性色素分子の脱ドーピングで形成される像に階調性を持たせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  5. 前記導電性高分子膜にイオン性色素分子がドーピングされたネガ型の画像パターンを形成する際に、電荷量、成膜時間、光照射時間、光強度又はバイアス電圧の少なくとも何れかを調整して脱ドーピングするイオン性色素分子の量を調整し、階調性のある画像形成を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  6. 前記半導体基板を電極とし、基板全面にイオン性色素素分子を含む導電性高分子膜を電気化学重合により形成し、光を照射しながら、電気化学的にイオン性色素分子を脱ドーピングしてネガ型の画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  7. 前記半導体上の基板が、有機又は無機のp型半導体基板からなり、この基板を電極とし、基板全面にアニオン性のイオン性色素分子を含む導電性高分子膜を電気化学重合により形成し、光を照射しながら電気化学的にアニオン性色素分子を脱ドーピングすることによってネガ型の画像を形成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 前記半導体上の基板が、有機又は無機のn型半導体基板からなり、この基板を電極とし、基板全面にカチオン性のイオン性色素分子を含む導電性高分子膜を電気化学重合により形成し、光を照射しながら電気化学的にカチオン性色素分子を脱ドーピングすることによってネガ型の画像を形成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  9. 前記半導体基板上の導電性高分子膜にイオン性色素分子がドーピングされたネガ型の画像パターンを形成する際に、光照射時間、光強度、バイアス電圧、又は電荷量の少なくとも何れかを調整して脱ドーピングするイオン性色素分子の量を調整して形成されるネガ像に階調性を持たせることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  10. 有機半導体又は無機半導体からなる基板に光照射による起電力又は起電流を発生させ、イオン性色素分子をドーピングした導電性高分子膜を半導体基板上に成膜し、このドーピングの形態による画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  11. 前記導電性高分子膜にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを形成する際にドーピング時の電荷量、バイアス電圧、光照射時間又は光強度の少なくとも何れかを調整して導電性高分子膜中のイオン性色素分子の量を調整して形成される像に階調性を持たせることを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 前記半導体が、n型半導体からなり、前記イオン性色素分子がアニオン性色素からなると共に導電性高分子膜を電気化学重合法により成膜することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  13. 前記半導体が、p型半導体からなり、前記イオン性色素分子がカチオン性色素分子からなると共に導電性高分子膜を電気化学重合法により成膜することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  14. 前記電気化学重合法で得られた導電性高分子膜を、電気化学的にアニオン性色素分子を脱ドーピングして導電性高分子膜全面を中性状態として画像を形成することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  15. 前記電気化学重合法で得られた導電性高分子膜を、電気化学的にカチオン性色素分子を脱ドーピングして導電性高分子膜全面を中性状態として画像を形成する請求項10に記載の画像形成方法。
  16. 導電性高分子膜にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを脱ドーピングし、脱ドーピングされたイオン性色素分子を記録媒体に転写することを特徴とするマーキング方法。
  17. 前記導電性高分子膜にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを、電気化学的に脱ドーピングし、脱ドーピングされたイオン性色素分子を記録媒体に転写することを特徴とする請求項16に記載のマーキング方法。
  18. 前記導電性高分子にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを記録媒体を転写する際に、電荷量、バイアス電圧、光照射時間、光強度、又は通電時間の少なくとも何れかを調整して転写像に階調性を持たせることを特徴とする請求項17に記載のマーキング方法。
  19. 前記導電性高分子にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを、光を照射しながら、電気化学的にイオン性色素分子を脱ドーピングし、脱ドーピングされたイオン性色素分子を記録媒体に転写することを特徴とする請求項17に記載のマーキング方法。
  20. 有機半導体又は無機半導体からなる基板上に形成された導電性高分子膜にイオン性色素分子がドーピングされた画像パターンを脱ドーピングする第1の手段と、脱ドーピングされたイオン性色素分子を記録媒体に転写する第2の手段と、を備えたことを特徴とするマーキング装置。
  21. 第1の手段が、導電性高分子膜に光を照射して画像パターンを形成する手段を含み、第2の手段が導電性高分子にドーピングされたイオン性色素分子を電気化学的に脱ドーピングする手段を含むことを特徴とする請求項20に記載のマーキング装置。
  22. 第1の手段が、導電性高分子膜にレーザー光を照射する手段を含むことを特徴とする請求項21に記載のマーキング装置。
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