JP3792952B2 - レーザ熱転写材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ照射により熱転写するレーザ熱転写材料に関し、詳しくは、デジタル画像信号に基づきレーザ照射して、印刷分野におけるカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタル・カラープルーフ)、或いは、マスク画像を作製するレーザ熱転写材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱転写記録技術としては、熱溶融性色材層又は熱昇華性色素を含有する色材層を支持体上に設けた熱転写材料と熱転写受像材料とを積層し、サーマルヘッド、通電ヘッド等の、電気信号により制御される加熱装置により、熱転写材料側から画像様に加熱して、画像を熱転写受像材料に転写記録するものがある。
このような熱転写記録技術は、低騒音、メンテナンスフリー、低コスト、カラー化が容易で、デジタル記録が可能である等の特徴を有しており、各種プリンタ、レコーダ、ファクシミリ、コンピュータ端末等の多くの分野で利用されている。
【0003】
一方、近年、医療、印刷等の分野では、より解像度が高く、高速記録が可能で、さらに画像処理の可能な、いわゆるデジタル記録のできる記録方式が求められている。しかし、サーマルヘッド、通電ヘッド等の加熱装置を用いた熱転写記録方式では、その解像度はヘッド発熱素子の配置密度に制約され、また、発熱素子の発熱温度を高速に制御することは、発熱素子の特性上難しく、より高解像度な画像をより一層高速に得ることは困難であった。
【0004】
そこで、近年では、より高解像度な画像を高速に得られるシステムとして、レーザ照射による光熱変換作用を利用したレーザ記録技術が注目され、製品化されてきている。
このレーザ記録技術を利用した画像形成システムでは、特に、高精細で、小焦点のビームが得られるという観点からシングルモードレーザが一般に用いられ、その良好なビーム品質により高解像度の画像が得られるようになり、また記録速度においても、従来のサーマルヘッド等の加熱装置による記録よりも高速に画像形成することが可能となった。
【0005】
しかしながら、レーザ記録では、比較的エネルギーの高いレーザ光の焦点ビーム径を10μm程度まで集光して使用するため、高効率に光熱変換され、熱記録に用いられるサーマルヘッド等の加熱装置よりも極めて高い熱エネルギーが得られる。そのため、レーザ照射した領域の温度は局部的に極めて高い温度にまで達し、該照射領域の画像形成層中に含まれる着色剤(顔料)は熱分解を起こす。着色剤は熱分解されてその色相を失い、着色剤が転写される受像層上に所望濃度の画像が転写されず、形成画像の濃度低下を招くことになる。
【0006】
一方、特開平6−175361号公報、同10−292144号公報では、十分な濃度が得られ、分散性、色再現性に優るイソインドリン系顔料を用いる技術が開示されている。しかし、上記公報では、高温処理の系で使用する旨の記載はなく、また、上記のような顔料はこれまで熱転写材料には使用されておらず、耐熱性の向上に伴う画像濃度の低下防止を目的としては用いられていない。
【0007】
ところで、レーザ記録には一般にシングルモードレーザが用いられるが、そのレーザパワーは150〜200mW程度と比較的低いことから、生産性の点では未だ満足のいく水準を達成するまでには至っていない。
そこで、近年では、レーザパワーを高めてレーザ記録速度を高速とするために、一般にシングルモードレーザよりも高出力なマルチモード半導体レーザが用いられるようになった。このマルチモード半導体レーザでは、1W以上の高出力を有し、レーザヘッドのパワーを飛躍的に向上させることができる。
【0008】
ところが、マルチモード半導体レーザは、幅方向のレーザビームの集光が難しく、その焦点ビーム径を20μm以下にまで集光することができないといった問題がある。
そのため、このマルチモード半導体レーザを用いて、医療や印刷等の分野における、副走査ピッチが10μm程度のような高精細な画像を記録しようとすると、隣接するビームが互いにオーバーラップして重なり、その部分で極度に発熱する結果、上記のような着色剤の熱分解がより進行し、濃度低下を促進させる。
従って、上記のような高出力で、隣接するビームの重なりを有するようなレーザを用いて記録する場合でも、高温下でも熱分解されにくい材料が要求される。
【0009】
レーザ照射による光熱変換作用を用いた画像記録方法においては、その高温下でも、着色剤が熱分解を生じにくい極めて高い耐熱性を有し、画像濃度の高い高画質な画像を形成しうる熱転写材料は未だ提供されていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、熱転写による画像記録にレーザ光を用いた場合でも、着色剤の熱分解による濃度低下がなく、鮮明で良好な色相の画像を形成しうるレーザ熱転写材料を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有するレーザ熱転写材料において、前記画像形成層が、下記一般式(1)で表されるイソインドリン環を含む化合物を含有することを特徴とするレーザ熱転写材料である。
【0012】
【化15】
【0013】
〔式中、Rhは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基を有するカルボン酸エステル基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアミド基を表す。uは、1〜4の整数を表す。uが2以上の場合、Rhはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕
【0018】
<2> 支持体上に、少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有するレーザ熱転写材料において、前記画像形成層が、下記一般式(3)で表されるキノフタロン系化合物を含有することを特徴とするレーザ熱転写材料である。
【0019】
【化18】
【0020】
〔式中、Rkは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。rは、1又は2の整数を表す。rが2の場合、Rkは同一であっても異なっていてもよい。Rlは、下記構造式(b)で表されるテトラクロロフタロイミドイル基を表す。〕
【0021】
【化19】
【0022】
<3> 支持体上に、少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有するレーザ熱転写材料において、前記画像形成層が、下記一般式(4)で表される、ベンズイミダゾロン環を有するモノアゾ系化合物を含有することを特徴とするレーザ熱転写材料である。
【0023】
【化20】
【0024】
〔式中、Rmは、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。sは、1〜5の整数を表す。sが2以上の場合、Rmは同一であっても異なっていてもよい。〕
【0028】
<4> 支持体上に、少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有するレーザ熱転写材料において、前記画像形成層が、下記一般式(1)で表されるイソインドリノン環を含む化合物と、下記一般式(2)〜(4)より選択される少なくとも一種の化合物と、を含有することを特徴とするレーザ熱転写材料である。
【0029】
【化22】
【0030】
〔式中、Rhは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基を有するカルボン酸エステル基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアミド基を表す。uは、1〜4の整数を表す。uが2以上の場合、Rhはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕
【0031】
【化23】
【0032】
〔式中、R1、R2は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表し、R5、R6は、それぞれ独立に下記構造式(a)で表されるベンズイミダゾロン環基を表す。Ri又はRjを含む芳香族基は、互いに2価の連結基Xで結合され、Ri、Rjは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。p、qは、それぞれ独立に1〜4の整数を表す。p、qが2以上の場合、Ri、Rjは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕
【0033】
【化24】
【0034】
【化25】
【0035】
〔式中、Rkは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。rは、1又は2の整数を表す。rが2の場合、Rkは同一であっても異なっていてもよい。Rlは、下記構造式(b)で表されるテトラクロロフタロイミドイル基を表す。〕
【0036】
【化26】
【0037】
【化27】
【0038】
〔式中、Rmは、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。sは、1〜5の整数を表す。sが2以上の場合、Rmは同一であっても異なっていてもよい。〕
【0041】
<5> 画像形成層中における、一般式(1)で表されるイソインドリノン環を含む化合物の含有量(X)と、一般式(2)〜(4)で表される化合物より選択される少なくとも一種の化合物の総含有量(Y)との重量比(X:Y)が、1:99〜30:70である前記<4>に記載のレーザ熱転写材料である。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明のレーザ熱転写材料においては、その画像形成層中に、レーザにより画像記録する場合でも画像濃度の低下を生じない、極めて耐熱性の高い顔料を含有する。
以下、本発明のレーザ熱転写材料について説明し、該説明と併せて熱転写記録とともに用いる熱転写受像材料及び熱転写記録方法についても明らかにする。
【0043】
<レーザ熱転写材料>
本発明のレーザ熱転写材料(以下、単に「熱転写材料」ということがある。)は、熱転写により後述する熱転写受像材料に画像を形成しうる機能を有するものであればいずれの態様であってもよく、例えば、支持体上に、少なくとも光熱変換層と画像形成層とをこの順に積層してなり、必要に応じて、感熱剥離層、クッション層等の他の層を有して構成されていてもよい。
−画像形成層−
前記画像形成層は、少なくとも着色剤としての顔料と、非晶質有機高分子重合体とを含有して構成される。
前記着色剤として用いる顔料は、一種のみならず、複数種を併用することができる。
本発明においては、前記顔料として、下記一般式(1)で表されるイソインドリン環を含む化合物(以下、「一般式(1)で表される化合物」ということがある。)を用いる。
【0044】
【化29】
【0045】
式中、Rhは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基を有するカルボン酸エステル、炭素数1〜5のアルキル基を有するアミド基を表す。
【0046】
前記炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基は特に好ましい。
前記炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基は特に好ましい。
【0047】
前記炭素数1〜5のアルキル基を有するカルボン酸エステルとしては、例えば、−OCOCH3、−OCOC2H5、−OCOC3H7、−OCOC4H9、−OCOC5H11等が挙げられ、中でも、−OCOCH3が好ましい。
【0048】
前記炭素数1〜5のアルキル基を有するアミド基としては、例えば、−NHCOCH3、−NHCOC2H5、−NHCOC3H7等が挙げられる。
【0049】
式中、uは、1〜4の整数を表し、uが2以上の場合、Rhはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0050】
前記一般式(1)で表されるイソインドリン環を含む化合物は、耐熱性に極めて優れ、レーザ光照射してその光熱変換作用により発する熱を利用した熱記録の場合でも、熱分解することなく、所望の濃度を有し、かつ転写ムラ等の画像欠陥のない高画質な画像を安定に形成することができる。ここで、転写ムラとは、熱転写記録時にレーザ光の走査線の中央部の転写濃度が薄くなり、走査線の両端部の転写濃度が逆に濃くなる現象をいい、この濃度差は形成画像の濃度ムラとして現れる。
【0051】
本発明においては、着色剤として用いる、前記一般式(1)で表されるイソインドリン環を含む化合物に代えて、下記一般式(2)〜(5)のいずれかで表される化合物(顔料)を用いてもよい。
まず、一般式(2)で表されるベンズイミダゾロン環を有するジスアゾ化合物について説明する。
【0052】
【化30】
【0053】
式中、R1、R2は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプリピル基、ブチル基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
【0054】
式中のR5及びR6は、下記構造式(a)であらわされるベンズイミダゾロン環基を表す。R5及びR6は、そのいずれか一方がベンズイミダゾロン環基に置換された化合物であってもよいし、両者がともにベンズイミダゾロン環に置換された化合物であってもよい。但し、効果の点で両者が共にベンズイミダゾロン環であることがより好ましい。
【0055】
【化31】
【0056】
式中のRi、Rjは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基ブチル基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましい。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
上記のうち、Ri、Rjとしては、水素原子、メチル基、メトキシ基が特に好ましい。
【0057】
式中のp、qは、それぞれ独立に1〜4の整数を表す。pが2以上の場合、Riは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、qが2以上の場合、Rjは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0058】
また、一般式(2)中のRi、Rjを含む2個の芳香族基は、互いに2価の連結基Xで結合されており、該連結基Xとしては、色相等の用途に応じて適宜選択することができる。中でも、良好な色相が得られ、熱分解しても有害性の分解生成物を生じない点で、下記群より選択されるいずれかの連結基とすることが好ましい。
【0059】
【化32】
【0060】
前記式中、l、nは、それぞれ独立に2〜10の整数を表し、中でも、2〜4の整数であることが好ましい。また、mは、1〜3の整数を表し、中でも、1〜2の整数であることが好ましい。
【0061】
上記のように、ベンズイミダゾロン環基を有する一般式(2)で表される顔料は、極めて高い耐熱性を示し、レーザを用いた熱転写記録による高温記録を行う場合であっても熱分解を起こし難いため、顔料の熱分解による、転写後の画像濃度の低下や濃度ムラを抑制することができ、画像濃度の高い、転写ムラ等の画像欠陥のない高画質な画像を安定に形成することができる。
【0062】
次に、下記一般式(3)で表されるキノフタロン系化合物について説明する。
【0063】
【化33】
【0064】
一般式(3)中、Rkは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。
前記炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプリピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
前記炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。中でも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
中でも、Rkとしては、水素原子、メチル基、メトキシ基が特に好ましい。
【0065】
前記rは、1又は2の整数を表す。rが2の場合、Rkは同一であっても異なっていてもよい。
【0066】
前記一般式(3)中、Rlは、下記構造式(b)で表されるテトラクロロフタロイミドイル基を表す。
【0067】
【化34】
【0068】
前記一般式(2)同様、一般式(3)で表される顔料も極めて高い耐熱性を示し、レーザを用いた熱転写記録による高温記録を行う場合であっても熱分解を起こし難く、画像濃度が高く、転写ムラ等の画像欠陥のない高画質な画像を安定に形成することができる。
【0069】
次に、下記一般式(4)で表されるベンズイミダゾロン環を有するモノアゾ系化合物について説明する。
【0070】
【化35】
【0071】
前記一般式(4)中、Rmは、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。
前記炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、例えば、−COOCH3、−COOC2H5、−COOC3H7等が挙げられ、中でも、−COOCH3が好ましい。
前記炭素数1〜5のアルキル基、及び炭素数1〜5のアルコキシ基としては、前記一般式(3)におけるRkと同義である。
【0072】
前記sは、1〜5の整数を表す。sが2以上の場合、Rmは同一であっても異なっていてもよい。
【0073】
前記一般式(2)及び(3)同様、一般式(4)で表される顔料も極めて高い耐熱性を示し、レーザを用いた熱転写記録による高温記録を行う場合であっても熱分解を起こし難く、画像濃度が高く、転写ムラ等の画像欠陥のない高画質な画像を安定に形成することができる。
【0074】
次に、下記一般式(5)で表される縮合アゾ系化合物について説明する。
【0075】
【化36】
【0076】
前記一般式(5)中、Arはアリーレン基を表す。該アリーレン基は、置換基を有してしてもよく、該置換基であるRxは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。
式中のyは、1〜4の整数を表し、yが2以上の場合は、Rxは同一であっても異なっていてもよい。
前記炭素数1〜5のアルキル基、及び炭素数1〜5のアルコキシ基としては、前記一般式(3)におけるRkと同義である。
前記置換基を有していてもよいアリーレン基の中でも、Rxが水素原子であるフェニレン基が特に好ましい。
【0077】
前記一般式(5)中、Rnは、水素原子、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。
前記炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基は、前記一般式(4)におけるRmと同義であり、前記炭素数1〜5のアルキル基、及び炭素数2〜5のアルコキシ基としては、前記一般式(3)におけるRkと同義である。
また、式中のtは、1〜5の整数を表す。tが2以上の場合、Rnは同一であっても異なっていてもよい。
【0078】
前記一般式(2)〜(4)同様、一般式(5)で表される顔料も極めて高い耐熱性を示し、レーザを用いた熱転写記録による高温記録を行う場合であっても熱分解を起こし難く、画像濃度が高く、転写ムラ等の画像欠陥のない高画質な画像を安定に形成することができる。
【0079】
レーザ光により画像記録するレーザ熱転写記録方法では、出力エネルギーの高いレーザを用い、これをさらに10μm程度の極小焦点径のビーム光に集光したレーザ光を熱エネルギーに変換するため、レーザ照射領域では多大な熱量が得られ記録速度を高速化できる一方、照射部は極めて高い温度にまで達する。この場合、一般に熱記録に用いられる、サーマルヘッドや熱ローラ等の加熱装置よりも、高熱量のエネルギーが印加される。
従来、このような高温下では、顔料が熱分解を起こして画像濃度の低下を招いていたが、上述した顔料(一般式(1)〜(5)で表される化合物)を着色剤として用いることにより、熱転写記録時の顔料の熱分解による色相の消失を防止でき、形成画像の濃度低下のない高濃度の画像を形成することができる。
上記のような顔料の熱分解が生じた場合には、その濃度低下や色相の消失は一様に生じないため、熱転写後の形成画像の濃度は不均一となり、一様な高い濃度よりなる高画質な画像を形成することができなくなる。また、熱分解した分解生成物の発生により転写が均一に行われず、転写ムラ等の画像欠陥をも生ずる。
【0080】
着色剤として、前記一般式(1)で表される化合物を用いる場合、所望の色相、濃度となるように他の公知の顔料等と併用してもよい。この場合の他の公知の顔料との含有比としては、画像の色相や濃度に応じて適宜選択することができる。
また、前記一般式(1)〜(5)で表される化合物より適宜2種以上を選択して併用してもよいし、これら2種以上の化合物にさらに他の公知の顔料等を併用してもよい。
【0081】
画像形成層中における顔料の全含有量(重量)としては、画像形成層の全重量に対し、25〜70重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。
上記顔料の全含有量のうち、前記一般式(1)〜(5)で表される化合物より選択される顔料の総量(含有重量)としては、顔料の全含有量の50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましい。
前記総量が、50重量%未満であると、熱転写記録時の顔料の熱分解量が多く、画像濃度の低下や画像欠陥を生ずることがある。
【0082】
上記組合せの中でも、本発明においては、より良好な色相を得る観点から、特に前記一般式(1)で表される化合物(顔料)と、前記一般式(2)〜(5)で表される化合物より選択される少なくとも一種の化合物(顔料)とを併用することが好ましい。一般式(1)で表される化合物と、前記一般式(2)〜(5)で表される化合物より選択される少なくとも一種との併用により、熱分解による着色濃度の低下を防止でき、同時に色相の混色効果により良好な色相を得ることができる。
【0083】
前記一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)〜(5)で表される化合物とを併用し良好な色相を得るには、画像形成層中における各顔料の含有量比(重量)としては、以下の範囲とすることが好ましい。
即ち、画像形成層中における、前記一般式(1)で表されるイソインドリン環を含む化合物の含有量(X)と、前記一般式(2)〜(5)で表される化合物より選択される化合物の総含有量(Y)との重量比(X:Y)として、1:99〜30:70が好ましく、1:99〜15:85がより好ましい。
前記重量比X:Yが、上記範囲から外れると、所望の良好な色相を得ることができないことがある。
【0084】
画像形成層に含有する顔料の平均粒径としては、0.03〜1μmが好ましく、0.05〜0.5がより好ましい。
前記粒径が、0.03μm未満であると、分散コストが上がったり、分散液がゲル化等を起こすことがあり、1μmを超えると、顔料中の粗大粒子が、熱転写層と受像層との密着性を阻害することがある。
【0085】
さらに画像形成層用塗布液中の、粒径1μm以上の顔料粒子の含有量としては、全固形分重量に対して3重量%以下が好ましい。
前記1μm以上の顔料粒子の含有量が、3重量%を超えると、後述する熱転写受像材料の受像層と密着させた場合に、その粗大な顔料粒子の近傍で密着不良を生じやすく、受像層への熱転写性が低下してミクロの転写不良(転写ムラ)を生ずることがある。
【0086】
画像形成層に含有する非晶質有機高分子重合体としては、軟化点が40〜150℃のものが挙げられ、例えば、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重合体や共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、α−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体の単独あるいは他の単量体等との共重合体が挙げられる。
これらの樹脂は、2種以上混合して用いることもできる。
【0087】
前記非晶質有機高分子重合体の含有量としては、画像形成層の全固形分重量に対し、70〜30重量%が好ましく、60〜40重量%がより好ましい。
【0088】
同一の熱転写受像材料上に、多数の画像層(画像が形成された画像形成層)を繰り返し重ね合せて、多色画像を作成する場合には、画像間の密着性を高めるために画像形成層は可塑剤を含むことも好ましい。
前記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)などの脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)などのリン酸トリエステル類、ポリエチレングリコールエステルなどのポリオールポリエステル類、エポキシ脂肪酸エステルなどのエポキシ化合物が挙げられる。
【0089】
また、上述の一般的な可塑剤のほか、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリトリットトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ジペンタエリトリット−ポリアクリレートのようなアクリル酸エステル類も、使用するバインダーの種類によっては好適に併用することができる。尚、可塑剤は、二以上組合せて用いてもよい。
【0090】
また、前記可塑剤の添加量としては、一般に画像形成層において、顔料及び非晶質有機高分子重合体の総量と、可塑剤との含有比(重量比)が、100:0.5〜1:1が好ましく、100:2〜3:1がより好ましい。
【0091】
さらに、画像形成層には上記成分に加え、必要に応じて、界面活性剤、増粘度剤なども添加できる。
画像形成層の層厚(乾燥層厚)としては、0.2〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.0μmがより好ましい。
【0092】
上記の各成分を溶媒に溶解等して塗布液状の溶液(画像形成層用塗布液)とし、これを公知の塗布方法により支持体上に塗布し、乾燥することにより画像形成層を形成することができる。
画像形成層用塗布液を調製する場合に使用可能な溶媒としては、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;メチルセロソルブ等のセロソルブ類等の中から、光熱変換層等の有無等に応じて、適宜選択することができる。前記溶媒は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0093】
傷つき防止のために、画像形成層の表面には、通常、熱転写受像材料や、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリエチレンシートなどの保護用カバーフィルムを積層することもできる。
【0094】
画像記録を行う場合、熱転写材料と熱転写受像材料とを、熱転写受像材料の受像層と熱転写材料の画像形成層とが接するように積層した積層体を用い、該積層体をレーザで画像様に露光することにより熱転写材料の画像形成層を熱転写受像材料の受像層上に転写する。従って、形成した積層体の熱転写受像材料と熱転写材料との接着界面において、その密着性が十分かつ均一でないと、照射するレーザの変換熱エネルギーの受像層への熱伝導が阻害され、特に高出力レーザを用いた場合、熱転写材料の画像形成層は過度に温度上昇して層中の顔料は容易に熱分解を起こしやすくなる。
しかし、前記一般式(1)で表される化合物(顔料)及び/又は化合物A〜Eより選択される顔料を着色剤として用いることにより、顔料の熱分解を抑制でき、熱転写後の画像濃度の低下、転写ムラ等の画像欠陥の発生を防止し、かつ色相の良好な画像を安定に形成することができる。
【0095】
−光熱変換層−
前記光熱変換層は、光熱変換物質、バインダー樹脂(以下、「光熱変換層バインダポリマー」という場合がある。)を含有してなり、必要に応じて、他の成分を含有してなる。
前記光熱変換物質は、一般的には、レーザ光を吸収することのできる、色素等のレーザ光吸収性材料を指し、このような色素(顔料等)としては、例えば、カーボンブラックのような黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニンのような可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の顔料、光ディスクなどの高密度レーザ記録のレーザ吸収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色素、フタロシアニン系染料)等の有機色素およびジチオールニッケル錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。
尚、記録感度を高める点からは、光熱変換層はできるだけ薄いことが好ましく、そのためレーザ光波長領域において大きい吸光係数を示すシアニン系色素等の赤外吸収色素やフタロシアニン系色素を用いることが好ましい。
【0096】
前記レーザ光吸収性材料としては、金属材料などの無機材料も使用できる。前記金属材料は、粒子状(例えば、黒化銀)の状態で使用する。
光熱変換物質のレーザー吸収波長での光学濃度としては、0.1〜2.0が好ましく、0.3〜1.2より好ましい。
前記光学濃度が、0.1未満であると、熱転写材料の感度が低くなることがあり、2.0を超えると、コスト的に不利となることがある。
【0097】
前記光熱変換層バインダポリマーとしては、例えば、ガラス転移点が高く熱伝導率の高い樹脂、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリパラバン酸、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アラミド等の一般的な耐熱性樹脂を使用することができる。
中でも、マルチモードレーザ等の高パワーレーザを複数個配列して記録する場合には、耐熱性に優れたポリマーが好ましく、ガラス転移点Tgが、150〜400℃で、かつ5%重量減少温度Td(TGA法、空気中10℃/分の昇温速度)が250℃以上のポリマーがより好ましく、Tgが220〜400℃で、かつTdが400℃以上のポリマーが最も好ましい。
【0098】
光熱変換層は、前記光熱変換物質と光熱変換層バインダポリマーとを溶解した塗布液(光熱変換層用塗布液)を調製し、これを前記支持体上に塗布、乾燥することにより設けることができる。
前記光熱変換層バインダポリマーを溶解するための有機溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジメチルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホオキサイド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0099】
光熱変換層用塗布液を塗布する場合の塗布方法としては、公知の塗布方法の中から適宜選択することができる。
乾燥は、通常300℃以下の温度で行う。好ましくは、乾燥温度は200℃以下であり、支持体としてポリエチレンテレフタレートを使用する場合には、80〜150℃の範囲であることがさらに好ましい。
【0100】
以上のように形成される光熱変換層中における、光熱変換物質と光熱変換層バインダポリマー色素の固形分重量比(光熱変換物質:バインダ)としては、1:20〜2:1が好ましく、1:10〜2:1がより好ましい。
前記バインダー量が少なすぎると、光熱変換層の凝集力が低下し、形成画像が熱転写受像材料に転写される際に、光熱変換層が一緒に転写されやすくなり、画像の混色の原因となることがあり、バインダー量が多すぎると、一定の光吸収率を達成するために光熱変換層の層厚が大きくなり、感度低下を招くことがある。
【0101】
光熱変換層の層厚としては、0.03〜0.8μmが好ましく、0.05〜0.3μmがより好ましい。
また、光熱変換層は、700〜2000nmの波長域に0.1〜1.3の範囲(好ましくは、0.2〜1.1)の吸光度(光学密度)の極大を有することが好ましい。
【0102】
光熱変換層バインダーポリマーの耐熱性(例えば、熱変形温度や熱分解温度)としては、光熱変換層上に設けられる層に使用される材料の耐熱性よりも高いことが好ましい。
【0103】
−感熱剥離層−
熱転写材料の光熱変換層上には、光熱変換層で発生した熱の作用により気体を発生するか、付着水などを放出し、これにより光熱変換層と画像形成層との間の接合強度を弱める感熱材料を含む感熱剥離層を設けることができる。
前記感熱材料としては、それ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生する化合物(ポリマーまた低分子化合物)、水分などの易気化性気体を相当量吸収若しくは吸着している化合物(ポリマーまた低分子化合物)などを用いることができる。これらは併用してもよい。
【0104】
熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマーの例としては、ニトロセルロースのような自己酸化性ポリマー、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴム、ポリ塩化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン含有ポリマー、水分などの揮発性化合物が吸着されているポリイソブチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、水分などの揮発性化合物が吸着されているエチルセルロースなどのセルロースエステル、水分などの揮発性化合物が吸着されているゼラチンなどの天然高分子化合物などを挙げることができる。熱により分解若しくは変質して気体を発生する低分子化合物の例としては、ジアゾ化合物やアジド化のような発熱分解して気体を発生する化合物を挙げることができる。なお、上記のような、熱による感熱材料の分解や変質等は280℃以下で発生することが好ましく、特に230℃以下で発生することが好ましい。
【0105】
感熱材料として低分子化合物を用いる場合には、バインダーと組合せることが望ましい。バインダーとしては、上記のそれ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生するポリマー、そのような性質を持たない通常のポリマーバインダーを使用することができる。
【0106】
感熱性の低分子化合物とバインダーとを併用する場合には、前者と後者の重量比としては、0.02:1〜3:1が好ましく、0.05:1〜2:1がより好ましい。
感熱剥離層は、光熱変換層をそのほぼ全面にわたり被覆していることが好ましく、その層厚としては、一般に0.03〜1μmであり、中でも、0.05〜0.5μmが好ましい。
【0107】
支持体の上に、光熱変換層、感熱剥離層、画像形成層がこの順に積層された構成の熱転写材料の場合には、感熱剥離層は、光熱変換層から伝えられる熱により分解、変質し、気体を発生する。そして、この分解又は気体の発生により、感熱剥離層が一部消失するか、或いは、感熱剥離層内で凝集破壊が発生し、光熱変換層と画像形成層との間の結合力が低下する。このため、感熱剥離層の挙動によっては、その一部が画像形成層に付着して、最終的に形成される画像の表面に現われ、画像の混色の原因となることがある。
従って、そのような感熱剥離層の転写が発生しても、形成された画像に混色が目視的に現われないように、感熱剥離層はほとんど着色していないこと(即ち、可視光に対して高い透過性を示すこと)が望ましい。具体的には、感熱剥離層の光吸収率が、可視光に対して50%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
尚、独立した感熱剥離層を設ける代わりに、感熱材料を光熱変換層に添加して光熱変換層が感熱剥離層を兼ねてもよい。
【0108】
−クッション層−
熱転写材料の支持体と光熱変換層との間には、熱転写受像材料の受像層表面への密着性を向上する目的で、クッション性の中間層としてクッション層を設けることが好ましい。
前記クッション層は、画像形成層に応力が加えられた際に変形しやすい層であり、レーザー熱転写時に画像形成層と受像層の密着性を向上させ、画質を向上させる効果を有する。また、記録時、熱転写材料と熱転写受像材料との間に異物が混入しても、クッション層の変形作用により、受像層と画像形成層との間の空隙が小さくなり、結果として画像白ヌケ欠陥サイズを小さくする効果も有する。更に、一端画像を転写形成した後、これを別に用意した印刷本紙等に転写する場合、紙凹凸表面に応じて受像表面が変形するため、受像層の転写性を向上したり、また被転写物の光沢を低下させることにより、印刷物との近似性も向上させる効果も持たせることができる。
【0109】
クッション性を付与するためには、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料、或いは、加熱により容易に軟化する熱可塑性樹脂を用いればよい。
弾性率としては、室温で10〜500kgf/cm2以下が好ましく、30〜150kgf/cm2がより好ましい。
【0110】
また、ゴム等の異物を沈み込ませるためには、JIS K2530で定められた針入度(25℃、100g、5秒)が、10以上であることが好ましい。
また、クッション層のガラス転移温度としては、80℃以下、好ましくは25℃以下である。これらの物性、例えば、Tgを調節するために可塑剤をポリマーバインダー中に添加することも好適に行うことができる。
【0111】
クッション層を構成するバインダーとしては、例えば、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム等のゴム類のほか、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、可塑剤入り塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0112】
クッション層の層厚としては、使用する樹脂その他の条件により異なるが、通常、3〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
【0113】
−支持体−
熱転写材料に使用可能な支持体としては、特に限定はなく、各種支持体材料を目的に応じて適宜選択できる。
支持体材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などの合成樹脂材料が挙げられ、中でも、機械的強度や熱に対する寸法安定性の点で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが好ましい。尚、熱転写材料をレーザ記録を利用したカラープルーフの作成に用いる場合には、支持体はレーザ光を透過させる透明な合成樹脂材料が好ましい。
【0114】
また、前記支持体には、その上に設けられる光熱変換層との密着性を向上させる目的で、表面活性化処理及び/又は一層若しくは二層以上の下塗り層を設けてもよい。
前記表面活性化処理としては、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理等が挙げられる。
前記下塗り層の材料としては、支持体と光熱変換層の両表面に高い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に優れたものが好ましい。そのような下塗り層の材料としては、例えば、スチレン、スチレン−ブタジェン共重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗り層全体の層厚としては、通常、0.01〜2μmである。
また、支持体の、光熱変換層が設けられていない側の表面には、必要に応じて、反射防止層等の各種機能層を設けたり、或いは、表面処理を施すこともできる。
【0115】
上記のように、本発明のレーザ熱転写材料を用いることにより、レーザ熱転写記録時における顔料の熱分解を抑制することができ、転写後の画像濃度の低下、濃度不均一による画質の低下を防止し、色相の良好な高画質の画像を安定に形成することができる。
【0116】
<熱転写受像材料>
熱転写受像材料は、前記本発明のレーザ熱転写材料から熱転写により画像を保持しうる機能を有するものであれば、いずれの態様であってもよく、例えば、上述のレーザ熱転写材料とは別の支持体上に、少なくとも受像層を有してなり、必要に応じて、支持体と受像層との間に、下塗り層、クッション層、剥離層、中間層等の他の層を有して構成されていてもよい。
さらに、受像層の設けられた側とは反対の表面にバック層を有することも、搬送性、集積性の向上及び熱転写受像材料をロール状に巻き取った場合など、その受像層表面を粗面化しうる点で好ましい。また、これらの層とは別に、帯電防止層を設けたり、又は上記各層に帯電防止剤を添加することも好ましい。
【0117】
−受像層−
前記受像層は、有機重合体バインダを主成分として形成される層である。
前記有機重合性バインダー(以下、「受像層バインダーポリマー」という場合がある。)は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリル系モノマーの単独重合体およびその共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のようなビニル系モノマーの単独重合体およびその共重合体、ポリエステル、ポリアミド等のような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体のようなゴム系ポリマーが挙げられる。
【0118】
受像層バインダーポリマーは、画像形成層との間の適度な接着力を得る観点から、ガラス転移温度(Tg)が90℃より低いポリマーであることが好ましい。そのために、受像層に可塑剤を添加することも可能である。さらに、受像層バインダーポリマーは、シート間のブロッキングを防ぐ目的で、そのTgが30℃以上であることが好ましい。
前記受像層バインダーポリマーとしては、レーザ記録時における、熱転写材料の画像形成層との密着性を向上させ、感度や画像強度を向上させる点で、画像形成層に用いるバインダーポリマーと同一、若しくは類似のポリマーを用いることが特に好ましい。
【0119】
前記受像層の層厚としては、0.3〜7μmが好ましく、0.7〜4μmがより好ましい。
前記層厚が、0.3μm未満であると、印刷本紙への再転写を行う際に膜強度が不足し破れ易くなることがあり、7μmを超えると、本紙再転写後の画像の光沢が増し、印刷物への近似性が低下することがある。
【0120】
前記可塑剤としては、前述の熱転写材料の画像形成層に使用可能な可塑剤と同様のものを使用することができる。
【0121】
−支持体−
熱転写受像材料に用いる支持体としては、一般にプラスチックシート、紙、金属シート、ガラスシート等のシート状の基材が挙げられる。
前記プラスチックシートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等のシートが挙げられ、中でも特に、ポリエチレンテレフタレートシートが好ましい。
前記紙としては、例えば、印刷本紙、コート紙等が挙げられる。
【0122】
更に支持体として、内部に気泡を有する白色材料が、クッション性、画像の視認性等の点で好ましく、特に発泡ポリエステル支持体は、機械特性の点でも最も好ましい。
また、支持体表面は、受像層との密着性を高める目的で、コロナ放電処理、グロー放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
前記支持体の厚みとしては、通常、10〜400μmであり、特に25〜200μmが好ましい。
【0123】
−バック層−
前記バック層には、受像層表面の粗面化や記録装置内での搬送性の良化を目的として、酸化珪素等の微粒子、界面活性剤や酸化錫微粒子等による帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。
尚、これらの添加剤は、バック層のみならず、必要に応じて、受像層その他の層に添加することもできる。
【0124】
前記微粒子としては、酸化珪素、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸亜鉛等の無機微粒子;ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂よりなる有機微粒子等が挙げられ、中でも、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化珪素、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が好ましい。前記微粒子の平均粒径としては、0.5〜10μmが好ましく、0.8〜5μmがより好ましい。
前記微粒子の含有量としては、バック層又は受像層の全固形分重量に対し、0.5〜80重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。
【0125】
また、前記帯電防止剤としては、層の表面抵抗が、23℃、50%RHの環境条件下で、1012Ω以下、より好ましくは109Ω以下となるように、各種界面活性剤、導電剤の中から適宜選択して用いることができる。
【0126】
熱転写受像材料の例として、上記のように、(1) 支持体上に受像層を有する態様、(2) 支持体の一方の表面に受像層を有し、他の表面に微粒子を含むバック層を有する態様を挙げたが、本発明においてはこれらに限られず、以下の態様であってもよい。即ち、
(3) 前記(2)の態様の支持体と受像層との間にクッション層を設けてなる態様であってもよく、(4) 前記(3)の態様の受像層中に、さらに前記バック層に用いたものと同様の微粒子を含む態様であってもよい。
上記態様(2)〜(4)の場合、熱転写受像材料をロール状に巻き取ることにより、受像層表面を、微粒子を含むバック層による押圧で粗面化することもできる。
また、前記態様(3)及び(4)のように受像層の中間層としてクッション層を設けることにより、受像層表面が粗面となった場合に起因して生ずる密着不良を改善でき、本発明においても好適に適用できる。
【0127】
−クッション層−
熱転写受像材料の支持体と受像層との間には、熱転写材料の画像形成層の受像層表面への密着性を向上させる目的でクッション性の中間層としてクッション層を設けることが好ましい。
前記クッション層に使用可能な構成成分としては、前記熱転写材料で形成するクッション層と同様のものを使用することができ、同様の構成とすることができる。
【0128】
受像層とクッション層は、レーザー記録の段階までは接着している必要があるが、画像を印刷本紙に転写するために、剥離可能に設けられていることが好ましい。剥離を容易にするためには、クッション層と受像層の間に剥離層を厚み0.1〜2μm程度で設けることも好ましい。
この剥離層は、受像層塗布時の塗布溶剤のバリヤーとしての機能を持つことが好ましい。
【0129】
熱転写受像材料の構成として、支持体/クッション層/受像層を積層した例を示したが、場合によっては受像層がクッション性を兼ねた支持体/クッション性受像層、或いは、支持体/下塗り層/クッション性受像層の構成であってもよい。この場合も、印刷本紙への再転写が可能なようにクッション性受像層が剥離可能に設けられていることが好ましい。この場合印刷本紙へ再転写後の画像は光沢に優れた画像となる。
受像層を兼ねたクッション層の層厚としては、5〜100μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。
【0130】
受像層上に一旦画像を形成した後、印刷本紙等へ再転写する場合には、受像層の少なくとも一層を光硬化性材料から形成することも好ましい。
このような光硬化性材料の組成としては、例えば、a)付加重合によって光重合体を形成しうる多官能ビニル又はビニリデン化合物の少なくとも一種からなる光重合性モノマー、b)有機ポリマー、c)光重合開始剤、および必要に応じて熱重合禁止剤等の添加剤からなる組合せを挙げることができる。
前記多官能ビニルモノマーとしては、ポリオールの不飽和エステル、特にアクリル酸もしくはメタクリル酸のエステル(例えば、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート)が挙げられる。
前記有機ポリマーとしては、前記受像層バインダポリマーとして使用可能なものと同様のものを挙げることができる。
前記光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン等の通常の光ラジカル重合開始剤が挙げられ、層中の全固形分重量に対し、0.1〜20重量%の割合で使用できる。
【0131】
上記のようなクッション層を設ける場合には、粗面化バック層や受像層に微粒子を含有させたときの微粒子の沈み込みを防止する目的で、応力を受けたときに変形し難い中間層を設けることもできる。この層は、クッション層への塗布可能な材料を用いる必要があり、PMMA、ポリスチレン、三酢酸セルロース等の比較的ガラス転移点の高いポリマーを含有して構成することができる。
【0132】
<熱転写記録方法>
次に、本発明のレーザ熱転写材料を用いて画像記録するレーザ熱転写記録方法について説明する。
レーザ熱転写記録方法では、熱転写材料の画像形成層の表面に、受像層が接するように熱転写受像材料を積層した積層体を用意し、該積層体の熱転写材料の上方(熱転写材料の支持体側)よりその表面にレーザ光を画像様に時系列的に照射し、その後、熱転写受像材料と熱転写材料とを剥離することにより、前記画像形成層のレーザ照射領域が転写された熱転写受像材料を得る。
【0133】
前記積層体を形成する場合、その方法としては、種々の方法が挙げられ、例えば、ヒートローラー等のような温度制御が不要で、迅速かつ均一に密着積層しうる観点から真空密着法を用いてもよい。
この場合、上記のように密着性を高める目的で、その表面粗さを細かくしてもよいが、真空引き時の減圧を高速に行うことは不可能となる。逆に、この真空引きを高速に行うために接着面の表面粗さを粗くすると、相互に接触する、熱転写受像材料の受像層と熱転写材料の画像形成層との接着面での減圧度は向上するものの、該接触面にはミクロな空隙が多数でき、却って熱伝導性が阻害され転写性が低下することがある。
画像記録に適した密着性を得るためには、接着面での減圧度が上昇するにつれ、接着面における層表面の形状が変化し、受像層と画像形成層とが完全に、かつ均一に密着した状態となっていることが好ましい。従って、熱転写材料及び/又は熱転写受像材料にクッション層を設けることは、転写性を向上し高画質な画像を形成する点で有用である。
【0134】
また、前記真空密着法のほか、積層体を形成する他の方法として、例えば、熱転写材料の転写側(画像形成層側)と熱転写受像材料の受像側(受像層側)とを重ねて、加圧、加熱ローラに通す方法も好ましい。この場合の加熱温度としては、160℃以下、若しくは130℃が好ましい。また、金属ドラムの上に熱転写受像材料を引っ張りつつ機械的に貼り付け、更にその上に熱転写材料を同様に機械的に引っ張りつつ貼り付け、密着させる方法も好ましい。上記のうち、真空密着法が特に好ましい。
熱転写材料と熱転写受像材料の密着は、レーザ光照射操作の直前に行ってもよい。
【0135】
真空密着法による場合、通常、前記積層体の熱転写受像材料側を、記録ドラム(内部に真空形成機構を有し、そのドラム表面に多数の微小開口部を有する回転ドラム)の表面に真空引きにより密着させ、熱転写受像材料よりも大サイズの熱転写材料を、熱転写受像材料全体を覆うように積層し該接触界面を真空引きにより減圧して密着させる。レーザ光照射操作は、その状態で積層体の外側、即ち、熱転写材料側の上方よりレーザ光を照射することにより行われる。レーザ光の照射は、ドラムの幅方向に往復するように走査し、その照射操作中は記録ドラムを一定の回転速度で回転させる。
【0136】
レーザ熱転写記録方法は、黒色マスクの製造、或いは、単色画像の形成に利用可能であるが、多色画像の形成にも有利に利用できる。多色画像を形成する方法としては、例えば、以下に示す態様であってもよい。
即ち、多色画像を形成する方法の第一の態様では、記録装置の回転ドラム上に受像材料を真空減圧法で固定し、該受像材料上に熱転写材料を同様に真空減圧法でその受像層と熱転写材料の画像形成層(色相1)とが接するように積層する。次いで、原稿画像の色分解画像のデジタル信号に基づき変調したレーザ光を、ドラムを回転させながら熱転写材料の支持体側から照射し、その後、熱転写受像材料を固定した状態で熱転写材料を熱転写受像材料より剥離する。色相1の画像が記録された熱転写受像材料上に、上記と同様の方法により色相2、色相3、必要に応じて色相4の熱転写材料を積層し、レーザ記録し、剥離する工程を逐次繰り返すことにより、多色の画像が形成された熱転写受像材料を得ることができる。
印刷本紙上にカラープルーフ画像を得るには、上記工程より多色画像が形成された熱転写受像材料を、その画像面が印刷本紙と接するように積層した後、ラミネータ等を通して加熱、加圧し、さらにこれを剥離して印刷本紙上に画像を受像層とともに転写することにより得ることができる。
【0137】
多色画像を形成する方法の第二の態様では、それぞれ異なる色相の色剤を含む画像形成層を有する熱転写材料を積層した積層体を、独立に三種(三色)又は四種(四色)準備し、その各々について、色分解フィルタを介して得られる、各積層体に対応した各色画像のデジタル信号に基づきレーザ照射し、その後、熱転写材料と熱転写受像材料とを剥離する。各熱転写受像材料上に各色の色分解画像が独立に形成された後、それぞれの色分解画像を、別に用意した印刷本紙などの実際の支持体若しくはそれに近似する支持体上に順次積層して画像形成することができる。
【0138】
前記画像記録に用いるレーザ光源としては、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザなどのガスレーザ、YAGレーザ光などの固体レーザ、半導体レーザ、色素レーザ、エキシマレーザなどの直接的なレーザ光、或いは、これらレーザを二次高調波素子を通して、半分の波長に変換したレーザ光などを挙げることができる。上記のうち、高出力であって、高速に画像形成しうる観点から、マルチモード半導体レーザが好ましく、屈折率導波型の横マルチモード半導体レーザが特に好ましい。
また、本発明のレーザ熱転写材料を用いたレーザ熱転写記録方法では、光熱変換層上におけるビーム径が、3〜50μm、好ましくは7〜30μmとなる条件でレーザ照射することが好ましい。
【0139】
前記レーザ熱転写記録方法により、画像記録にレーザを用いた場合でも、着色剤の熱分解による弊害を受けることなく、画像濃度の高い、高画質な画像を高速に形成することができる。
【0140】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」及び「%」は、全て「重量部」及び「重量%」を表す。
【0141】
(実施例1、3、4、6〜8)
<レーザ熱転写材料の作製>
下記組成の化合物をペイントシェーカー((株)東洋精機製作所製)に入れ、3時間分散を行い、平均粒子径が300nmの顔料分散液(1)を調製した。
【0142】
−顔料分散液(1)の調製−
・下記化合物E ・・・12.9部
・エスレックBLSH ・・・ 7.1部
(ポリビニルブラチール,積水化学工業(株)製)
・ソルスパース20000(顔料分散剤) ・・・ 0.6部
(ICIジャパン(株)製)
・n−プロピルアルコール ・・・79.4部
・3mmφガラスビーズ(分散用メディア)
【0143】
−顔料分散液(2)の調製−
顔料分散液(1)の調製に用いた化合物Eに代えて、下記化合物Aを用いたこと以外、前記顔料分散液(1)と同様にして顔料分散液(2)を調製した。
【0144】
−顔料分散液(3)の調製−
顔料分散液(1)の調製に用いた化合物Eに代えて、下記化合物Bを用いたこと以外、前記顔料分散液(1)と同様にして顔料分散液(3)を調製した。
【0145】
−顔料分散液(4)の調製−
顔料分散液(1)の調製に用いた化合物Eに代えて、下記化合物Cを用いたこと以外、前記顔料分散液(1)と同様にして顔料分散液(4)を調製した。
【0147】
【化37】
【0148】
【化38】
【0149】
−画像形成層用塗布液の調製−
次に、下記組成の化合物をスターラーにより混合し、画像形成層用塗布液(1)〜(9)を調製した。
(画像形成層用塗布液の組成)
・下記表1に記載の顔料分散液A ・・・10.6部
・下記表1に記載の顔料分散液B ・・・ 0.6部
・エスレックBLSH ・・・ 0.3部
(積水化学工業(株)製;ポリビニルブラチール)
・KE311 ・・・ 0.2部
(荒川化学工業(株)製;超淡色ロジンエステル)
・NAA−222S(日本油脂(株)製;ベヘン酸) ・・・ 0.2部
・メガファックF−176PF ・・・ 0.1部
(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系界面活性剤)
・MEK ・・・17.6部
・n−プロピルアルコール ・・・70.4部
【0150】
【表1】
【0151】
下記の組成をスターラーで撹拌しながら混合し、光熱変換層用塗布液を調製した。
(光熱変換層塗布液の組成)
・NK−2014 ・・・ 0.5部
(日本感光色素(株)製近赤外線吸収染料)
・リカコートSN−20(新日本理化(株)製ポリイミド)・・・ 9.1部
・メガファックF−176PF ・・・ 0.1部
(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系界面活性剤)
・n−メチル−2−ピロリドン ・・・41.5部
・MEK ・・・48.8部
【0152】
厚み75μmのPETベースを9枚準備し、上記より得られた光熱変換層用塗布液を、E型ギーザーにより、前記各PETベース上にその乾燥層厚が0.3μになるように塗布、乾燥し、光熱変換層を塗設したPETベースを9枚作製した。
次に、光熱変換層を塗設した9枚のPETベースの各光熱変換層上に、得られた画像形成層用塗布液(1)、(3)、(4)、(6)〜(8)を、それぞれ乾燥層厚が0.3μmになるように塗布、乾燥し、光熱変換層上に画像形成層を積層した9種類の本発明のレーザ熱転写材料(1)、(3)、(4)、(6)〜(8)を得た。
【0153】
<熱転写受像材料の作製>
下記の組成を有するクッション性中間層用塗布液及び受像層用塗布液を調製した。
(クッション性中間層用塗布液の組成)
・ソルパインCL2 ・・・15.1部
(日信化学(株)製;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体)
・パラプレックスG40 ・・・16.9部
(CP.HALL.CONPANY製)
・メガファックF178K ・・・ 0.5部
(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系界面活性剤)
・MEK ・・・51.3部
・トルエン ・・・13.7部
・ジメチルホルムアミド ・・・ 2.5部
【0154】
(受像層用塗布液の調製)
・エスレックBLSH ・・・ 7.9部
(積水化学工業(株)製ポリビニルブラチール)
・メガファックF176PF ・・・ 0.1部
(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系界面活性剤)
・n−プロピルアルコール ・・・22.8部
・MFG ・・・20.9部
・メタノール ・・・48.3部
【0155】
上記より得られたクッション性中間層塗布液を、エクストルージョン型アプリケータにより、PET発泡ベース(商品名:ルミラーE68L,東レ(株)製)上に乾燥層厚が18μmになるように塗布し、乾燥してクッション性中間層を形成した。
次いで、形成したクッション性中間層上に、前記受像層用塗布液をエクストルージョン型アプリケータを用いて乾燥層厚が2μmとなるように塗布、乾燥して受像層を設け、熱転写受像材料(1)を得た。
【0156】
<画像記録>
直径1mmの真空サクション孔(3cm×3cmのエリアに1個の面密度)が開けられている直径25cmの回転ドラムに、上記より得た熱転写受像材料(1)(25cm×35cm)を巻き付け、吸着させた。次いで、30cm×40cmのレーザ熱転写材料(1)を、前記熱転写受像材料(1)から均等にはみ出して覆うように積層し、スクィーズローラーでスクィーズさせつつ、サクション孔に空気が吸われるように密着し、積層体を形成した。サクション孔が塞がれた状態での減圧度は、1気圧に対して−150mmHgであった。
上記ドラムを回転させ、ドラム上の積層体の表面に、TC−P1080(大日本スクリーン製造(株)製)により、レーザ熱転写材料(1)の支持体側から波長830nmの半導体レーザ光(レーザ熱転写材料の支持体表面での照射エネルギー300mJ/cm2)を光熱変換層の表面に集光するように照射し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して直角方向(副走査方向)に移動させながら画像様に記録を行った。
【0157】
上記のようにして、レーザ画像記録を行った積層体をドラムから取り外し、本発明のレーザ熱転写材料(1)と熱転写受像材料とを引き剥がしたところ、レーザー照射部の画像形成層が熱転写受像材料(1)に転写され、良好な画像が形成されているのが確認された。
また、レーザ熱転写材料(3)、(4)、(6)〜(8)についても、熱転写受像材料(1)を用いて同様にして画像の記録を行った。
【0158】
<転写性の評価>
レーザ照射前のレーザ熱転写材料(1)、(3)、(4)、(6)〜(8)について、各画像形成層の光学反射濃度rをマクベス反射濃度計(ブルーフィルタ)により測定した。さらに、上記のようにして熱転写し剥離した後の、熱転写受像材料(1)上に形成された画像の光学反射濃度Rを上記と同様にして測定した。
得られたr及びRから、レーザ熱転写による転写率〔(R/r)×100〕をそれぞれ求め、転写性能を示す指標とした。得られた結果を以下の表3に示す。
【0159】
<画像色相の評価>
得られた画像の色相を、Japan Colour標準色見本(Ver.2)の色相と目視により比較観察し、その色相差を下記基準に従って官能評価した。評価した結果を以下の表3に示す。
−基準−
○:形成画像の色相は、標準色見本とほぼ同等の色相であった。
△:形成画像の色相が、若干標準色見本と相違するものの、実用上良好な色相であった。
×:形成画像の色相は、標準色見本と大きく相違していた。
【0160】
(比較例1)
−顔料分散液(6)の調製−
実施例1で顔料分散液(1)の調製に用いた化合物Eに代えて、下記化合物Fを用いたこと以外、前記顔料分散液(1)と同様にして顔料分散液(6)を調製した。
得られた顔料分散液(6)を用い、下記表2に示すように顔料分散液A及び顔料分散液Bとした。実施例で用いた、表1に記載の顔料分散液A及びBを、表2に記載の顔料分散液A及びBに代え、実施例1等と同様にして画像形成層用塗布液(10)を調製した。
【0161】
実施例で用いた画像形成層用塗布液(1)等に代えて、上記より得た画像形成層用塗布液(10)を用いたこと以外、実施例と同様にしてレーザ熱転写材料(10)を得た。
【0162】
【化39】
【0163】
【表2】
【0164】
実施例1、3、4、6〜8で作製した熱転写受像材料(1)を用い、実施例1、3、4、6〜8と同様にしてレーザ照射して画像様に記録を行い、剥離して熱転写受像材料(1)上に画像を形成した。
また、実施例1、3、4、6〜8と同様にして、転写性及び画像色相の評価を行い、その結果を以下の表3に示す。
【0165】
【表3】
【0166】
上記表3の結果から、着色剤として、構造内にイソインドリノン環を有する顔料又は化合物B〜Cのいずれかの顔料を含有する本発明のレーザ熱転写材料(1)、(3)、(4)では、顔料の熱分解が少なく熱転写時の転写性に優れ、画像濃度が高く、色相の良好な画像を得ることができた。さらに、上記イソインドリノン環を有する顔料と、前記化合物A〜Cより選択される化合物とを併用した本発明のレーザ熱転写材料(6)〜(8)では、顔料の熱分解が少なく熱転写時の転写性に優れ、高濃度が得られると同時に、より良好な色相を有する、鮮明な画像を得ることができた。
一方、イソインドリノン環を有する顔料、前記化合物A〜Cの顔料を用いなかったレーザ熱転写材料(10)では、熱転写時の顔料の熱分解量が多く、十分な転写率が得ることができなかった。従って、形成した画像は、画像濃度の低下が大きく、転写ムラによる画像欠陥も生じ、高品質な画像を得ることはできなかった。
【0167】
【発明の効果】
本発明によれば、熱転写による画像記録にレーザ光を用いた場合でも、顔料の熱分解による濃度低下がなく、色相の良好な高画質な画像を形成しうるレーザ熱転写材料を提供することができる。
Claims (5)
- 支持体上に、少なくとも光熱変換層と画像形成層とを有するレーザ熱転写材料において、前記画像形成層が、下記一般式(1)で表されるイソインドリノン環を含む化合物と、下記一般式(2)〜(4)より選択される少なくとも一種の化合物と、を含有することを特徴とするレーザ熱転写材料。
- 画像形成層中における、一般式(1)で表されるイソインドリノン環を含む化合物の含有量(X)と、一般式(2)〜(4)で表される化合物より選択される少なくとも一種の化合物の総含有量(Y)との重量比(X:Y)が、1:99〜30:70である請求項4に記載のレーザ熱転写材料。
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