JP3792033B2 - リキッドタンクを備えたコンデンサ - Google Patents

リキッドタンクを備えたコンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るリキッドタンクを備えたコンデンサは、自動車用空調機を構成する蒸気圧縮式冷凍機のコンプレッサとエバポレータとの間に、冷媒の流れ方向に関して直列に組み込む。そして、コンプレッサで圧縮した冷媒を放熱し凝縮させた後、水分等の異物を除去してからエバポレータに送り出す。
【0002】
【従来の技術】
自動車室内の冷房や除湿を行なう自動車用空調機には、蒸気圧縮式冷凍機が組み込まれている。図17は、特開平4−95522号公報に記載された、蒸気圧縮式冷凍機の基本構成を示す回路図である。コンプレッサ1から吐出された高温・高圧のガス状冷媒は、コンデンサ2を通過する間に空気との間で熱交換を行なって温度低下し、凝縮液化する。この結果生じた液状の冷媒は、一度リキッドタンク3に溜められてから、膨張弁4を介してエバポレータ5に送られ、このエバポレータ5内で蒸発する。エバポレータ5の温度は、蒸発潜熱を奪われて低下する為、このエバポレータ5に空調用の空気を流通させれば、この空気の温度を低下させると同時に、この空気中に含まれる水蒸気を除去する事ができる。エバポレータ5内で蒸発気化した冷媒は、上記コンプレッサ1に吸引されて圧縮され、再び上記サイクルを繰り返す。
【0003】
この様な、自動車用空調機の蒸気圧縮式冷凍機を構成するリキッドタンク3は従来、コンデンサ2とは独立して造られたものを、このコンデンサ2とエバポレータ5とを結ぶ配管の途中に接続していた。ところが、この様にリキッドタンク3とコンデンサ2とを別個に構成した場合、このリキッドタンク3の設置スペースが嵩むだけでなく、このリキッドタンク3を、上記コンデンサ2とは独立して、十分な耐振性を持たせて車体に取り付ける必要が生じる。又、コンデンサ2とリキッドタンク3とを接続する為の配管の製造作業、部品管理、及び組み付け作業が必要になって、自動車用空調機のコストが嵩む。
【0004】
この様な面倒やコスト上の問題を解決する為に従来から、リキッドタンク3をコンデンサ2と一体に構成する構造が、各種提案されている。又、これら従来から提案されている構造のうち、特開平4−103973号公報には、上述した蒸気圧縮式冷凍機内の冷媒中に混入した水分、塵芥等の異物を除去する目的で、上記リキッドタンク3内に乾燥剤とフィルタとから構成する除去手段を設ける技術が記載されている。更に、上述の様な乾燥剤とフィルタとを上記リキッドタンク3内に設ける代わりに、これら乾燥剤とフィルタとを内部に封入した除去手段を、上記リキッドタンク3と別個に設ける技術も従来から知られている。この様に除去手段を上記リキッドタンク3と別個に設ける場合、この除去手段は、例えば、上記リキッドタンク3の外周面、若しくは、上記コンデンサ2を構成するヘッダパイプの外周面に固定した継手素子を利用して接続する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した様な従来のリキッドタンクを備えたコンデンサの場合には、何れもリキッドタンク3をコンデンサ2に結合固定する作業が面倒で、コストが嵩んでしまう。又、上記特開平4−103973号公報に記載された構造の場合、内部に除去手段を設けたリキッドタンク3は分解不能に組み立てられている為、長期間に亙る使用の結果、上記除去手段を交換する必要が生じた場合にも、この除去手段のみを交換する事ができない。更に、上記リキッドタンク3と別個に設けた除去手段を、このリキッドタンク3の外周面、若しくは、コンデンサ2を構成するヘッダパイプの外周面に固定した継手素子を利用して接続する構造の場合には、この継手素子が上記リキッドタンク3の外周面、若しくは、上記ヘッダパイプの外周面から大きく突出する。この結果、上記継手素子を利用して接続する除去手段も、上記リキッドタンク3の外周面、若しくは、上記ヘッダパイプの外周面から大きく突出し、リキッドタンクを備えたコンデンサを大型化させる原因となる。この様にリキッドタンクを備えたコンデンサが大型化する事は、このリキッドタンクを備えたコンデンサを設置するエンジンルーム内の容積が限られている都合上、好ましくない。
本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサは、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサは、水平方向に間隔をあけて配置された1対のヘッダパイプと、それぞれが水平方向に亙って配置され、それぞれの両端部を上記各ヘッダパイプの内側に開口させた複数本の伝熱管と、上下に隣り合う伝熱管同士の間に設けられたフィンとを備えたコンデンサ、及び、上記1対のヘッダパイプのうちの一方のヘッダパイプに結合固定されたリキッドタンクから成り、このリキッドタンクの冷媒入口と上記コンデンサの冷媒出口とを互いに連通させている。
【0007】
特に、本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサに於いては、上記一方のヘッダパイプ及び上記リキッドタンクは、1枚の金属板の幅方向中央部を断面円形に折り返してこの幅方向中央部の両端縁同士を突き合わせる事により形成した円筒状のヘッダパイプ部と、それぞれの幅方向一端縁を上記ヘッダパイプ部を構成する上記金属板の幅方向中央部の両端縁に連続させた1対の平板部同士を重ね合わせて互いにろう付け接合する事により形成した連結板部と、それぞれの幅方向一端縁を上記連結板部を構成する上記1対の平板部の幅方向他端縁に連続させた状態でそれぞれ断面半円弧形に折り曲げた1対の曲板部同士を互いの幅方向両端縁同士を突き合わせる事により形成した円筒状のリキッドタンク部と、このリキッドタンク部を構成する上記1対の曲板部の幅方向他端縁同士を重ね合わせて互いにろう付け接合した接合部と、上流端を上記ヘッダパイプ部の内周面に、下流端を上記連結板部の片側面に、それぞれ開口させた状態で上記連結板部を構成する上記1対の平板部同士の間部分に設けた第一の冷媒通路と、上流端を上記連結板部の片側面に、下流端を上記リキッドタンク部の内周面に、それぞれ開口させた状態で上記連結板部を構成する上記1対の平板部同士の間部分のうち上記第一の冷媒通路から外れた部分に設けた第二の冷媒通路と、上記ヘッダパイプ部の上記連結板部と反対側の面に形成し、上記各伝熱管の一端部を挿入自在な複数個の接続孔と、上記ヘッダパイプ部の軸方向両端開口部と上記リキッドタンク部の軸方向両端開口部とをそれぞれ気密且つ液密に塞ぐ複数の塞ぎ板とから成り、上記第一の冷媒通路の下流端を冷媒中に混入した異物を除去する為の除去手段の上流端に、上記第二の冷媒通路の上流端を上記除去手段の下流端に、それぞれ接続する事により、上記ヘッダパイプ部から送り出された液状冷媒を、上記除去手段を介して上記リキッドタンク部に送り込み自在としている。
【0008】
更に、本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサのうち、請求項2に記載したものは、上記除去手段の上流端と下流端とを、それぞれ継手素子を介して上記第一の冷媒通路の下流端と上記第二の冷媒通路の上流端とに接続している。即ち、上記継手素子は、この継手素子の一端面と他端面とを連通する1対の通孔を有すると共に、少なくともこの継手素子の一部を上記本体部分を構成するヘッダパイプ部とリキッドタンク部との間部分に進入させた状態で、上記各通孔の内端開口部を上記第一の通孔の下流端と上記第二の冷媒通路の上流端とに、同じく上記各通孔の外端開口部を上記除去手段の上流端と下流端とに、それぞれ接続している。
【0009】
又、本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサのうち、請求項3に記載したものは、リキッドタンクを、ヘッダパイプ部の一部を含んで構成するコンデンサとこのヘッダパイプ部の残部を含んで構成するサブコンデンサとの間に設けており、上記ヘッダパイプ部の一部と残部との間を仕切板により仕切っている。そして、この仕切板は、少なくとも上記ヘッダパイプ及びリキッドタンクの軸方向に対して垂直な面で切断した上記ヘッダパイプ部の断面とほぼ同じ形状及び大きさを有する円板部と、この円板部の外周縁の一部から直径方向外方に突出し、連結板部を厚さ方向両側から挟持自在な1対の抑え片とから成る。
【0010】
【作用】
上述の様に構成される本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサは、一方のヘッダパイプとリキッドタンクとを一体的に造っているので、前述した従来構造の様に、リキッドタンクをコンデンサに固定する作業が面倒になる事はない。又、この様に一方のヘッダパイプとリキッドタンクとを一体的に造った事に伴い、これら一方のヘッダパイプとリキッドタンクとを構成する部品の点数を少なくできる。従って、製造コストを低減させると共に、部品管理上の手間を軽減できる。又、本発明の場合、冷媒中に混入した異物を除去する為の除去手段を、リキッドタンクの外部に独立して設けている。この為、長期間に亙る使用に伴って、上記除去手段を修理、或は交換する必要が生じた場合には、この除去手段のみを容易に取り外す事ができる。更に、上記除去手段を一方のヘッダパイプとリキッドタンクとの間に取り付ける為に利用する継手素子は、少なくともこの継手素子の一部を、本体部分を構成するヘッダパイプ部とリキッドタンク部との間部分に進入させている。従って、上記継手素子が上記本体部分の側方に突出する量を小さくして、この継手素子に結合する除去手段が上記本体部分の側方に突出する量を小さくできる。この為、上記除去手段を組み付けたリキッドタンクを備えたコンデンサの小型化を図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜10は、本発明の実施の形態の第1例として、本発明をサブコンデンサを備えたコンデンサに適用した例を示している。本例のリキッドタンクを備えたコンデンサは、図1に略示する様に、コンデンサ6と除去手段7とリキッドタンク8とサブコンデンサ9とを、同図に矢印で示す冷媒の流れ方向に関して、上流側から下流側に向け互いに直列に配置して成る。このうちのサブコンデンサ9は上記コンデンサ6の下側に、上記リキッドタンク8はこれらコンデンサ6及びサブコンデンサ9の側方(図1の右方)に、上記除去手段7は上記コンデンサとリキッドタンクとの間部分で前方(図1の手前側)に、それぞれ設けている。
【0012】
上記コンデンサ6及びサブコンデンサ9はそれぞれ、互いに間隔をあけて配置された左右1対のヘッダパイプ10a、10bを含んで構成される。各ヘッダパイプ10a、10bの下部内側には、それぞれ仕切板11a、11bを設けて、これら各ヘッダパイプ10a、10bの下部内側を気密・液密を保持した状態で仕切っている。そして、上記1対のヘッダパイプ10a、10bの一部で上記各仕切板11a、11bよりも上側部分で上記コンデンサ6を構成し、これら1対のヘッダパイプ10a、10bの残部で上記各仕切板11a、11bよりも下側部分で上記サブコンデンサ9を構成している。
【0013】
上記コンデンサ6を構成すべく、上記左右1対のヘッダパイプ10a、10bの一部で上記各仕切板11a、11bよりも上側部分の内側面同士の間には、複数本の伝熱管12、12を掛け渡している。これら各伝熱管12、12の両端部は、それぞれ上記各ヘッダパイプ10a、10bの内側壁を気密・液密を保持した状態で貫通している。又、これら伝熱管12、12は、上下に間隔をあけた状態で互いに平行に配置しており、上下に隣り合う伝熱管12、12同士の間には、コルゲート型のフィン13、13を設けている。又、最上段に配置された伝熱管12の上面と、上記1対のヘッダパイプ10a、10bの上端部内側面同士の間に掛け渡したサイドプレート14aの下面との間にも、同様のフィン13を設けている。尚、図示は省略するが、上述の様なサイドプレート14aの中間部上面には、車体への取り付け用のブラケットを固定する。又、上記1対のヘッダパイプ10a、10bのうち、他方(図1の左方)のヘッダパイプ10bの上部外側面には、入口ポートを有する入口ブロック15を固定している。この入口ポートは、上記他方のヘッダパイプ10bの一部で上記仕切板11bよりも上側部分の内部に通じており、上記コンデンサ6の冷媒入口に相当する。
【0014】
又、上記サブコンデンサ9は、上記1対のヘッダパイプ10a、10bの残部である、上記各仕切板11a、11bの下側部分の内側面同士の間に、1乃至複数本のサブ伝熱管16、16を掛け渡して成る。これら各サブ伝熱管16、16の両端部は、それぞれ上記各ヘッダパイプ10a、10bの下部内側壁を気密・液密を保持した状態で貫通している。又、これらサブ伝熱管16、16は、上下に間隔をあけた状態で互いに平行に配置しており、上下に隣り合うサブ伝熱管16、16同士の間には、コルゲート型のフィン13、13を設けている。又、最上段に配置されたサブ伝熱管16の上面と、上記複数本の伝熱管12、12のうちで最下段に配置された伝熱管12の下面との間、並びに最下段に配置されたサブ伝熱管16の下面と上記1対のヘッダパイプ10a、10bの下端部内側面同士の間に掛け渡したサイドプレート14bの上面との間にも、同様のフィン13を設けている。尚、図示は省略するが、上記サイドプレート14bの中間部下面にも、上述した上端側のサイドプレート14aの場合と同様に、車体への取り付け用のブラケットを固定する。又、上記他方のヘッダパイプ10bの下部外側面には、出口ポートを有する出口ブロック17を固定している。この出口ポートは、上記他方のヘッダパイプ10の残部で上記仕切板11bよりも下側部分の内部に通じており、上記サブコンデンサ9の冷媒出口に相当する。
【0015】
更に、前記リキッドタンク8は、上記1対のヘッダパイプ10a、10bのうち、一方(図1の右方)のヘッダパイプ10aと一体的に造っている。即ち、これらリキッドタンク8と一方のヘッダパイプ9とは、1枚の金属板により形成した本体部分18と、上記仕切板11aと、複数枚(図示の例では2枚)の塞ぎ板19、19とから構成している。このうちの本体部分18は、それぞれが円筒状に形成され、互いに間隔をあけた状態で平行に設けられたヘッダパイプ部20及びリキッドタンク部21と、これらヘッダパイプ部20とリキッドタンク部21との外周面同士を連結する連結板部22とを備える。
【0016】
このうちのヘッダパイプ部20を構成する外周壁の一部で上記連結板部22と反対側の部分には、上記各伝熱管12、12及び各サブ伝熱管16、16の一端部を隙間なく挿入自在な接続孔23、23(図3参照)を、このヘッダパイプ部20の軸方向(図1〜2の上下方向)に亙り互いに等間隔に多数形成している。又、上記連結板部22の一端部(図1〜2の上端部)の内部には、第一の冷媒通路24と第二の冷媒通路25とを、上下方向に亙り互いに独立して、且つ、隣接して設けている。このうちの第一の冷媒通路24は、上流端を上記ヘッダパイプ部20の内周面に、下流端を上記連結板部22の片面(図1〜2の手前面)に、それぞれ開口させている。又、上記第二の冷媒通路25は、上流端を上記連結板部22の片面に、下流端を上記リキッドタンク部21の内周面に、それぞれ開口させている。
【0017】
この様な第一の冷媒通路24の下流端と第二の冷媒通路25の上流端とには、それぞれ後述する除去手段7の上流端と下流端とを接続する。即ち、上記第一の冷媒通路24が上記コンデンサ6の冷媒出口及び上記除去手段7の冷媒入口に、上記第二の冷媒通路25が上記除去手段7の冷媒出口及び上記リキッドタンク8の冷媒入口に、それぞれ相当する。更に、上記連結板部22の他端部(図1〜2の下端部)の内部には、第三の冷媒通路26を設けている。この第三の冷媒通路26の両端は、それぞれ上記ヘッダパイプ部20とリキッドタンク部21との各内周面に開口しており、これらヘッダパイプ部20とリキッドタンク部21との内部空間同士を互いに連通している。即ち、上記第三の冷媒通路26が上記リキッドタンク8の冷媒出口及び上記サブコンデンサ9の冷媒入口に相当する。
【0018】
上述の様な本体部分18を形成する際には、先ず、前記1枚の金属板であるアルミニウム合金板により造られた長方形の板材27に、プレス加工、バーリング加工等を施して、図3に示す様な素材28を形成する。この素材28の幅方向(図3の左右方向)両側部分には、それぞれ上記素材28の幅方向両端から幅方向中央に向けて順番に、帯状の平坦部29、29と、断面半円弧形の曲板部30、30と、平板部31、31とを、それぞれ上記素材28の全長に亙り形成している。又、上記素材28の幅方向中央部は、全長に亙り断面横長U字形に形成している。
【0019】
更に、上記1対の平板部31、31のうちの一方(図3の右方)の平板部31の一端部{図3(B)の上端部}には、それぞれ上記素材28の片面側{図3(A)の下面側、同(B)の手前面側}に突出する第一、第二の円筒部32、33を、この素材28の長さ方向{図3(B)の上下方向}に亙り互いに隣接して形成している。又、他方(図3の左方)の平板部31の一端部他面{図3(A)の上面、同(B)の裏面}には、第一、第二の凹部34、35を、やはり、この型材28の長さ方向に亙り互いに隣接して形成している。これら第一、第二の凹部34、35のうちの第一の凹部34は、上記平板部31のうちで上記素材28の中央寄り部分に、第二の凹部35は上記他方の平板部31と隣接する曲板部30寄り部分に、それぞれ形成し、それぞれの一端を上記中央寄り部分又は曲板部30の内周面側に通じさせている。又、上記各平板部31、31の他端部{図3(B)の下端部}他面には、凹溝36、36を、それぞれの両端部を上記型材28の中央寄り部分と上記各曲板部30、30とに通じさせた状態で形成している。又、上記素材28の幅方向中央部には、それぞれが幅方向に長い複数の接続孔23、23を、上記素材28のほぼ全長に亙り互いに等間隔に形成している。
【0020】
上述の様な素材28を形成したならば、次に、この素材28の幅方向中央部を折り返す様に湾曲させて、上記本体部分18を形成する。即ち、上記素材28の幅方向中央部を、図3(A)の矢印で示す方向に断面円形に折り返す事により、前記ヘッダパイプ部20を形成する。又、これと共に、上記各平板部31、31同士を重ね合わせて前記連結板部22を、上記各曲板部30、30の幅方向両端縁同士を突き合わせて前記リキッドタンク部21を、上記各平坦部29、29同士を重ね合わせて接合部37を、それぞれ形成し、これら各部22、37を構成するアルミニウム合金板同士の当接部をろう付け接合する事により、上記本体部分18とする。
【0021】
尚、上記第一〜第三の各冷媒通路24、25、26は、上記1対の平板部31、31同士を重ね合わせる事に伴って形成する。即ち、上記1対の平板部31、31同士を重ね合わせる事に伴い、上記第一、第二の円筒部32、33と上記第一、第二の凹部34、35とを組み合わせて第一、第二の冷媒通路24、25を、上記各凹溝36、36同士を組み合わせて第三の冷媒通路26を、それぞれ上記連結板部22の内部に形成する。又、上記接合部37は、上記1対の曲板部30、30の幅方向両端縁同士の接合部のうち、上記連結板部22と反対側の接合部の強度を確保する為に形成する。尚、上記各部分のろう付けは、上記本体部分18と共に本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサを構成する各部材同士のろう付けと同時に行う。この為に前記板材27は、芯材の少なくとも片面(上記各部分同士が重なり合う側の面)にろう材を積層した、所謂クラッド材を使用する。
【0022】
又、前記仕切板11aは、円板部51と、この円板部51の外周縁の一部から互いに間隔をあけて直径方向外方に突出する1対の抑え片52、52とを備える。このうちの円板部51の直径は、上記ヘッダパイプ部20の外径と同じか、或はこの外径よりも僅かに大きくしている。又、上記1対の抑え片52、52は、上記連結板部22を厚さ方向(図8の上下方向)両側から挟持自在としている。又、上記ヘッダパイプ部20の下端寄り部分には、上記連結板部22を除いた全周に亙り、上記仕切板11aをほぼ隙間なく差し込み自在な、差し込み部53を形成している。そして、上記仕切板11aはこの差し込み部53に、上記円板部51の外周縁と上記ヘッダパイプ部20の外周面とをほぼ一致させた状態で差し込む。これと共に、上記1対の抑え片52、52により上記連結板部22の幅方向端縁を挟持して、上記円板部51が上記差し込み部53の内側でずれ動く事を防止すると同時に、上記連結板部22を構成する1対の平板部31、31同士が離れるのを防止する{図8(B)}。そして、上記円板部51の両面外周縁寄り部分と上記差し込み部53の周縁部とをろう付けする。この状態で、上記ヘッダパイプ部20の下部内側は、気密・液密を保持した状態で仕切られる。尚、上記ろう付けも、本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサを構成する各部材同士のろう付けと同時に行う。
【0023】
又、前記塞ぎ板19、19は、それぞれ上記本体部分18の軸方向両端面の形状及び大きさに合わせて形成しており、1対の円板部38、38とこれら両円板部38、38同士を連結する連結部39とを備える。この様な塞ぎ板19、19は、それぞれ各円板部38、38により、上記ヘッダパイプ部20及びリキッドタンク部21の軸方向上端開口部と、同じく軸方向下端開口部とを塞いだ状態で、上記本体部分18の軸方向両端面にろう付け接合する。この状態で、上記ヘッダパイプ部20及びリキッドタンク部21の軸方向両端開口部は、気密且つ液密を保持した状態で塞がれる。尚、上記各塞ぎ板19、19と上記本体部分18の軸方向両端面とのろう付けも、本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサを構成する各部材同士のろう付けと同時に行う。尚、上記ヘッダパイプ部20及びリキッドタンク部21の軸方向両端開口部を塞ぐ塞ぎ板としては、それぞれが一つの開口部のみを塞ぐ、円板状のものを採用する事もできる。
【0024】
又、前記除去手段7は、U字形の冷媒配管40と、この冷媒配管40の両端部に、この冷媒配管40の両端部を貫通させた状態で固設したフランジ部41とを備える。このうちの冷媒配管40の内部には、フェルト等の多孔質材により造られたフィルタと、シリカゲル、塩化カルシウム等の乾燥剤とを設けて、この冷媒配管40の内部を通過する冷媒中に混入した水分や塵芥等の異物を除去する様にしている。この様な除去手段7は、この除去手段7の上流端である上記冷媒配管40の一端部(図2、9の上側の端部)を、上記第一の冷媒通路24の下流端である前記第一の円筒部32の先端部に、同じく上記除去手段7の下流端である前記冷媒配管40の他端部(図2、9の下側の端部)を、上記第二の冷媒通路25の上流端である上記第二の円筒部33の先端部に、それぞれ継手素子42を介して接続する事により、上記本体部分18に取付自在としている。
【0025】
即ち、上記継手素子42は全体をアルミニウム合金によりブロック状に形成しており、内側に上下1対の通孔43、43を形成している。これら1対の通孔43、43の内端(上記本体部分18に対向する側の端で、図2の裏側、図10の上側)開口部には、上記第一、第二の各円筒部32、33を、同じく外端(上記除去手段7に対向する側の端で、図2の前側、図10の下側)開口部には、上記冷媒配管40の両端部のうち上記フランジ部41の端面から突出した部分を、それぞれ挿入自在としている。又、上記継手素子42の内側面には、上記本体部分18の側面の一部で、上記第一、第二の円筒部32、33を形成した部分、及びその近傍部分と密接自在な取付面44を形成している。即ち、この取付面44は、上記連結板部22に密接自在な平面部45と、上記ヘッダパイプ部20と上記リキッドタンク部21との各外周面の一部に密接自在な1対の曲面部46、46とを備える。一方、上記継手素子42の外側面には、平坦な被接続面47を形成している。又、上記フランジ部41の内側面(上記継手素子42に対向する側の面で、図2の裏面、図9の右面、図10の上面)には、上記被接続面47と密接自在な、平坦な接続面48を形成している。又、上記継手素子42の一部で上記各通孔43、43の間部分にはねじ孔49を、上記フランジ部41の一部で上記ねじ孔49と整合する位置には取付孔50を、それぞれ形成している。
【0026】
上記除去手段7を上記本体部分18に取り付ける際には、先ず、上記継手素子42を上記本体部分18の側面に固定する。即ち、上記継手素子42に形成した1対の通孔43、43の内端開口部に、上記第一、第二の円筒部32、33を挿入すると共に、上記取付面44を上記本体部分18の側面に密接させ、この密接部分をろう付け接合する。尚、このろう付けも、本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサを構成する各部材同士のろう付けと同時に行う。そして、次に、上記1対の通孔43、43の外端開口部に、上記冷媒配管40の両端部で上記フランジ部41の端面から突出した部分を挿入すると共に、上記被接続面47に上記接続面48を密接させる。そして、この状態で、上記取付孔50に挿通した図示しないボルトを、上記ねじ孔49に螺合し更に緊締する事により、上記除去手段7を上記継手素子42に結合固定する。尚、上記各通孔43、43の内端開口部と上記第一、第二の円筒部32、33との接続部は、ろう付けにより、気密且つ液密にシールする。又、上記各通孔43、43の外端開口部内周面と上記冷媒配管40の両端部外周面との接続部をシールする為、上記冷媒配管40の両端部の各外周面には、図示しないOリングを係止している。これら各Oリングは、上記1対の通孔43、43の内周面に接触して、上記各接続部から冷媒が漏洩するのを防止する。
【0027】
上述の様に構成されるリキッドタンクを備えたコンデンサの使用時(リキッドタンクを備えたコンデンサを組み込んだ蒸気圧縮式冷凍機の運転時)には、図1に矢印で示す様に流れる冷媒が、コンデンサ6内で凝縮液化してから第一の冷媒通路24を通じて除去手段7に送り込まれる。そして、この除去手段7を通過する事により水分や異物を除去された、清浄な冷媒が、第二の冷媒通路25を通じてリキッドタンク8内に送り込まれる。このリキッドタンク8内に送り込まれた上記冷媒は、続いて第三の冷媒通路26を通じてサブコンデンサ9内に送り込まれる。そして、このサブコンデンサ9を通過する間に十分に冷却された(過冷却された)上記冷媒を、出口ブロック17に設けた出口ポートを通じてエバポレータ5直前の膨張弁4(図17参照)に向けて送り出す。
【0028】
上述の様に構成される本例のリキッドタンクを備えたコンデンサの場合、一方のヘッダパイプ10aとリキッドタンク8とを一体的に造っているので、前述した従来構造の様に、リキッドタンクをコンデンサに固定する作業が面倒になる事はない。又、この様に一方のヘッダパイプ10aと上記リキッドタンク8とを一体的に造った事に伴い、これら一方のヘッダパイプ10aとリキッドタンク8とを構成する部品の数を少なくできる。従って、製造コストを低減させると共に部品管理上の手間を軽減できる。更に、本例の場合、冷媒中に混入した異物を除去する為の除去手段7を、上記リキッドタンク8の外部に独立して設けている。この為、長期間に亙る使用に伴って、上記除去手段7を修理、或は交換する必要が生じた場合には、前述した図示しないボルトを緩める事で、この除去手段7のみを取り外す事ができる。従って、除去手段7の修理或は交換の際に、リキッドタンク8及びコンデンサ6までも車体から取り外す面倒をなくせる。又、本例の場合、前記継手素子42は、この継手素子42の一部を、上記ヘッダパイプ部20と上記リキッドタンク部21との間部分に進入させた状態で上記本体部分18の前面に固定している。従って、上記継手素子42が上記本体部分18の前方に突出する量を小さくして、この継手素子42に結合する上記除去手段7が上記本体部分18の前方に突出する量を小さくできる。この為、上記除去手段7を組み付けた本例のリキッドタンクを備えたコンデンサの小型化を図れる。
【0029】
次に、図11〜12は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、本体部分18の前面のうち第一、第二の円筒部32、33を形成した部分の周囲で、継手素子42aの内側面を当接させる部分に、幅広の平坦部である被取付面54を形成している。即ち、上記本体部分18を構成する連結板部22の一部で上記第一、第二の円筒部32、33を形成した部分の幅方向両側部分を、上記本体部分18を構成するヘッダパイプ部20及びリキッドタンク部21が存在する部分の一部にまで延長している。従って、本例の場合には、上記継手素子42aの内側面に形成する取付面44aの形状を、単なる平坦面とする事ができる。上記被取付面54は、アルミニウム合金板にプレス加工を施す事により、容易に造れる。従って、上記継手素子42aを簡単な形状に造る事ができ、製造コストの低減を図れる。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0030】
次に、図13〜14は、本発明の実施の形態の第3〜4例を示している。これら第3〜4例の場合、除去手段7a、7bを本体部分18(図1、2、4、5、6、7、8、10)に取り付けた際に、これら各除去手段7a、7bを構成する冷媒配管40a、40bが上記本体部分18の前方に突出する量を小さく抑えるべく、U字形に折れ曲がった上記各冷媒配管40a、40bの前半部{図13の左半部、図14(A)の手前半部、同(B)の下半部}を直角に折り曲げている。即ち、図13に示した第3例の場合には、上記冷媒配管40aの前半部を上方に、図14に示した第4例の場合には、上記冷媒配管40bの前半部を側方に、それぞれ折り曲げている。従って、これら各除去手段7a、7bをリキッドタンクを備えたコンデンサに組み付けた場合には、このリキッドタンクを備えたコンデンサの小型化をより一層図れる。その他の構成及び作用は、上述した第1〜2例の場合と同様である。
【0031】
尚、本体部分に取り付ける除去手段の突出量を小さくして、この除去手段を取り付けたリキッドタンクを備えたコンデンサの小型化を図るべく、上記除去手段を取り付ける為に利用する継手素子の突出量を小さくする構造としては、上述した各構造の他、以下の図15〜16に示す様なものが考えられる。先ず、図15に示す構造の場合には、本体部分18aを構成するヘッダパイプ部20aとリキッドタンク部21aとの前面の一部に、それぞれが同一平面上に存在する第一、第二の平坦部55、56を形成している。そして、上記ヘッダパイプ部20aの前面に形成した上記第一の平坦部55に第一の冷媒通路24aを、上記リキッドタンク部21aの前面に形成した上記第二の平坦部56に第二の冷媒通路25aを、それぞれ形成している。又、継手素子42bは、内側面に上記第一、第二の平坦部55、56に密接自在な平坦面を、内部に上記第一、第二の冷媒通路24a、25aと整合自在な1対の通孔43a、43aを、それぞれ形成している。この様な継手素子42bは、上記各通孔43a、43aの内端開口をそれぞれ上記第一、第二の冷媒通路24a、25aに整合させた状態で、内側面を上記第一、第二の平坦面55、56に密接させる。そして、この密接部をろう付け接合する事により、この継手素子42bを上記本体部分18aの前面に固定する。
【0032】
上述の様に構成する図15に示した構造の場合には、上記継手素子42bを固定する部分である、上記第一、第二の平坦面55、56は、これら第一、第二の各平坦面55、56を形成した上記ヘッダパイプ部20a及びリキッドタンク部21aの前面の他の部分よりも後方(直径方向内方)に存在する。この為、これら第一、第二の平坦面55、56に固定した上記継手素子42bの上記本体部分18aに対する突出量を小さくできる。従って、この継手素子42bの前面に接続する図示しない除去手段の、前方への突出量を小さくできる。
又、図16に示す構造の場合には、第一の冷媒通路24aと第二の冷媒通路25aとの外端開口周縁部に、それぞれ継手素子42bに形成した各通孔43a、43aの内端開口部に挿入自在な第一の円筒部32aと第二の円筒部33aとを、本体部分18a側に形成している。その他の構成及び作用は上記図15に記載した構造の場合と同様である。
【0033】
【発明の効果】
本発明のリキッドタンクを備えたコンデンサは、上述の様に構成され作用する為、部品点数を少なくして組み付け作業の容易化及び製造コストを低減を図れる。又、リキッドタンクと別体に設けた除去手段の取付部の構造を工夫する事により、この除去手段の突出量を小さく抑える事ができるので、リキッドタンクを備えたコンデンサの小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、リキッドタンクを備えたコンデンサの略正面図。
【図2】図1の右部に相当する分解斜視図。
【図3】本体部分を形成する為の素材を示す図で、(A)は、端面図。(B)は、(A)の下方から見た図。
【図4】本体部分の端面図。
【図5】第一、第二の冷媒流路部分を示す、本体部分の正面図。
【図6】同じく背面図。
【図7】仕切板の挿入部を示す、本体部分の部分正面図。
【図8】同じく仕切板の挿入部を示す図で、(A)は仕切板を挿入する以前の状態で、(B)は仕切板を挿入した状態でそれぞれ示す、図7のA−A断面図。
【図9】除去手段の側面図。
【図10】除去手段の取付部を示す横断平面図。
【図11】本発明の実施の形態の第2例を示す、図5と同様の図。
【図12】図11のB−B断面図。
【図13】本発明の実施の形態の第3例を示す、除去手段の側面図。
【図14】本発明の実施の形態の第4例に使用する除去手段を示す図で、(A)は正面図、(B)は(A)の上方から見た図。
【図15】本体部分及び継手素子の別例を示す横断平面図。
【図16】同じく本体部分及び継手素子の別例を示す横断平面図。
【図17】コンデンサ及びリキッドタンクが組み込まれる蒸気圧縮式冷凍機の回路図。
【符号の説明】
1 コンプレッサ
2 コンデンサ
3 リキッドタンク
4 膨張弁
5 エバポレータ
6 コンデンサ
7、7a、7b 除去手段
8 リキッドタンク
9 サブコンデンサ
10a、10b ヘッダパイプ
11a、11b 仕切板
12 伝熱管
13 フィン
14a、14b サイドプレート
15 入口ブロック
16 サブ伝熱管
17 出口ブロック
18、18a 本体部分
19 塞ぎ板
20、20a ヘッダパイプ部
21、21a リキッドタンク部
22 連結板部
23 接続孔
24、24a 第一の冷媒通路
25、25a 第二の冷媒通路
26 第三の冷媒通路
27 板材
28 素材
29 平面部
30 曲板部
31 平板部
32、32a 第一の円筒部
33、33a 第二の円筒部
34 第一の凹部
35 第二の凹部
36 凹溝
37 接合部
38 円板部
39 連結部
40、40a、40b 冷媒配管
41 フランジ部
42、42a、42b 継手素子
43、43a 通孔
44、44a 取付面
45 平坦部
46 曲面部
47 被接続面
48 接続面
49 ねじ孔
50 取付孔
51 円板部
52 抑え片
53 差し込み部
54 被取付面
55 第一の平坦部
56 第二の平坦部

Claims (3)

  1. 水平方向に間隔をあけて配置された1対のヘッダパイプと、それぞれが水平方向に亙って配置され、それぞれの両端部を上記各ヘッダパイプの内側に開口させた複数本の伝熱管と、上下に隣り合う伝熱管同士の間に設けられたフィンとを備えたコンデンサ、及び、上記1対のヘッダパイプのうちの一方のヘッダパイプに結合固定されたリキッドタンクから成り、このリキッドタンクの冷媒入口と上記コンデンサの冷媒出口とを互いに連通させたリキッドタンクを備えたコンデンサに於いて、上記一方のヘッダパイプ及び上記リキッドタンクは、1枚の金属板の幅方向中央部を断面円形に折り返してこの幅方向中央部の両端縁同士を突き合わせる事により形成した円筒状のヘッダパイプ部と、それぞれの幅方向一端縁を上記ヘッダパイプ部を構成する上記金属板の幅方向中央部の両端縁に連続させた1対の平板部同士を重ね合わせて互いにろう付け接合する事により形成した連結板部と、それぞれの幅方向一端縁を上記連結板部を構成する上記1対の平板部の幅方向他端縁に連続させた状態でそれぞれ断面半円弧形に折り曲げた1対の曲板部同士を互いの幅方向両端縁同士を突き合わせる事により形成した円筒状のリッキッドタンク部と、このリキッドタンク部を構成する上記1対の曲板部の幅方向他端縁同士を重ね合わせて互いにろう付け接合した接合部と、上流端を上記ヘッダパイプ部の内周面に、下流端を上記連結板部の片側面に、それぞれ開口させた状態で上記連結板部を構成する上記1対の平板部同士の間部分に設けた第一の冷媒通路と、上流端を上記連結板部の片側面に、下流端を上記リキッドタンク部の内周面に、それぞれ開口させた状態で上記連結板部を構成する上記1対の平板部同士の間部分のうち上記第一の冷媒通路から外れた部分に設けた第二の冷媒通路と、上記ヘッダパイプ部の上記連結板部と反対側の面に形成し、上記各伝熱管の一端部を挿入自在な複数個の接続孔と、上記ヘッダパイプ部の軸方向両端開口部と上記リキッドタンク部の軸方向両端開口部とをそれぞれ気密且つ液密に塞ぐ複数の塞ぎ板とから成り、上記第一の冷媒通路の下流端を冷媒中に混入した異物を除去する為の除去手段の上流端に、上記第二の冷媒通路の上流端を上記除去手段の下流端に、それぞれ接続する事により、上記ヘッダパイプ部から送り出された液状冷媒を、上記除去手段を介して上記リキッドタンク部に送り込み自在とした事を特徴とするリキッドタンクを備えたコンデンサ。
  2. 除去手段の上流端と下流端とは、それぞれ継手素子を介して第一の冷媒通路の下流端と第二の冷媒通路の上流端とに接続しており、上記継手素子は、この継手素子の一端面と他端面とを連通する1対の通孔を有すると共に、少なくともこの継手素子の一部をヘッダパイプ部とリキッドタンク部との間部分に進入させた状態で、上記各通孔の内端開口部を上記第一の通孔の下流端と上記第二の冷媒通路の上流端とに、同じく上記各通孔の外端開口部を上記除去手段の上流端と下流端とに、それぞれ接続したものである、請求項1に記載したリキッドタンクを備えたコンデンサ。
  3. リキッドタンクは、ヘッダパイプ部の一部を含んで構成するコンデンサとこのヘッダパイプ部の残部を含んで構成するサブコンデンサとの間に設けられており、上記ヘッダパイプ部の一部と残部との間は仕切板により分けられており、この仕切板は、少なくとも上記ヘッダパイプ及びリキッドタンクの軸方向に対して垂直な面で切断した上記ヘッダパイプ部の断面とほぼ同じ形状及び大きさを有する円板部と、この円板部の外周縁の一部から直径方向外方に突出し、連結板部を厚さ方向両側から挟持自在な1対の抑え片とから成るものである、請求項1〜2の何れかに記載したリキッドタンクを備えたコンデンサ。
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