JP3789709B2 - 球状複合粉体を配合した化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚に対して刺激の少ない球状複合粉体を配合した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化粧品に対する多様なニーズから、化粧料にはこれまでにも増して多くの種類の原料が使用される傾向にある。この中には、活性の高い粉体や皮膚に対して刺激を与えるような粉体が使用されるケースも増えてきている。このために化粧料に配合する顔料等の粉体に表面処理を施して、皮膚に対する刺激を少なくする対策が試みられている。この例としては、特開平11−1411、同11−1420、同11−1420等に記載されたシリコーン処理された無機粉体、特開平11−92333に記載されたフッ素化合物等により処理された無機粉体、及び、特開平11−124323に開示されているジメチルポリシロキサン等により処理された無機粉体、等が挙げられる。
一方、ファンデーション等の化粧料には多くの原料が配合され、この中にはナイロン等熱可塑性樹脂のパウダーも頻用されている。
顔料をはじめとする無機の充填剤をこの熱可塑性樹脂の粒子内部に含有させて、皮膚に直接触れなくする試みがある、このような内包型複合粉体としては、例えば、樹脂粉体内部に酸化チタンや酸化亜鉛微粉体を分散させた複合粒子(特開平9−30935)、樹脂粉体内部に着色顔料を分散させた複合粒子(特開平10−231232)等の内包型複合粉体に関する出願公開がある。しかしながら、熱可塑性樹脂と充填剤の組合せは限定されている。熱可塑性樹脂と添加剤とを自由に組み合わせて、所望の粒子径を有する略球形の複合粉体が、化粧料に配合する成分として強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、化粧料に配合するための各種原料、例えば無機又は有機の顔料等の皮膚に対して刺激性を有する原料を、皮膚に対する刺激のない形態で配合することができ、かつ、略球形状を呈した優れた滑沢性を与えることができる複合粉体を配合した化粧料を提供するすることである。
本発明の更に詳細な課題は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記諸課題は、以下の方法により解決された。以下に好ましい実施態様と共に列挙する。
項1) 熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の充填剤から実質的になる略球状の複合粉体を配合した化粧料、
項2) 充填剤が着色顔料である項1)記載の化粧料、
項3) 充填剤が着色顔料である項1)記載の化粧料、
項4) 着色顔料が黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、紺青、カーボンブラック、チタンブラック、窒化ホウ素、二酸化チタン被覆雲母、及び、ベンガラ、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック若しくはチタンブラックにより被覆された雲母チタン、よりなる群から選ばれた項)2記載の化粧料、
項5)体質顔料がタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、黄土、アンバー、二酸化チタン、酸化亜鉛、モンモリロナイト、クレー、及びベントナイトよりなる群から選ばれた項3)記載の化粧料、
項6) 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、テフロン、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)よりなる群より選ばれた項1)ないし5)いずれか1項に記載の化粧料、
項7) 複合粉体が1μm以上であって100μm以下である平均直径を有する、項1)ないし項6)いずれか1項に記載の化粧料、
項8) 複合粉体が3μm以上であって20μm以下である平均直径を有する、項1)ないし項7)いずれか1項に記載の化粧料。
項9) ファンデーションである項1)ないし項8)いずれか1項に記載の化粧料、
項10) ファンデーションが、パウダータイプ、モイスチャー・パウダータイプ、クリームタイプ、又は、リキッドタイプである項9)記載の化粧料。
【0005】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧料には、熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の充填剤から実質的になる略球状を呈した複合粉体が配合される。
熱可塑性樹脂は、加熱により可塑性を有する樹脂であり、複合球状粉体を形成する上で、充填剤を保持するバインダーとなる。熱可塑性樹脂には、多くの合成高分子が該当し、本発明で好ましい例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド類、特に各種ナイロン、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ポリエステル類、例えばポリエチレンテレフタート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリスチレン、アクリル酸メチル・メタクリル酸メチルコポリマー、アクリロニトリル・スチレンコポリマー、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン・アクリル酸コポリマー、エチレン・プロピレンコポリマー、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンコポリマー)、熱可塑性弾性体、例えばスチレン・ブタジエンブロックポリマー等の付加重合体である。
【0006】
熱可塑性樹脂は、2種以上の、同種又は異種の、熱可塑性樹脂の混合物であっても良い。異種の熱可塑性樹脂混合物(ポリマーブレンド)の成分が非相溶である場合には、相溶化剤を用いて両相の分散を良化させることが好ましい。更に好ましくは混合状態を制御したいわゆるポリマーアロイを本発明に用いることができる。ポリマーアロイを用いて、耐熱性、強靱性、造粒性を改良することができる。ポリマーアロイの例としては、ポリフェニレンオキサイド(PPO)/ポリスチレン(PS)、ポリベンズイミダゾール(PBI)/ポリイミド(PI)、PPO/ABS、ABS/ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)/PC、PET/PC、PBT/PET、PBI/PI、ナイロン/変性ポリオレフィン、PBT/変性ポリオレフィン、ナイロン/PPO、ABS/ナイロン、ABS/PBT、ナイロン/PPO、ナイロン/ABS、ナイロン/PCを挙げることができ、その他の具体例は、高分子学会編、先端高分子材料シリーズ3「高性能ポリマーアロイ」、(平成3年、丸善)等に記載されている。
【0007】
本発明に使用する充填剤は、光学的、機械的、電気的、又は熱的性質を改良しうる性質を有し、少なくとも1種の有機充填剤、無機充填剤、及びこれらの2種以上の、同種又は異種の、充填剤の混合物であり、熱可塑性樹脂と混合可能な成分である。本発明の充填剤には、紫外線を吸収ないし散乱する物質、顔料、染料、赤外線吸収剤、電磁波ないし放射線の吸収剤等が含まれる。本発明の充填剤は大別すると、(1)着色顔料、(2)体質顔料、(3)着色顔料の混合物、及び、(4)着色顔料で被覆した体質顔料がある。着色顔料の例を挙げると、酸化チタン(チタンホワイト、チタンブラック)、酸化亜鉛、酸化鉄(ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、超微粒子酸化鉄)、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、酸化セレン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、アルミン酸ストロンチウム、等である。又、体質顔料としては、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、黄土、アンバー、二酸化チタン、酸化亜鉛、モンモリロナイト、クレー、ベントナイト等が挙げられる。着色顔料の混合物としては、単なる混合物に加えて、ある種の着色顔料で被覆した別種の着色顔料があり、後者の例としては、二酸化チタン被覆雲母、及び、ベンガラ、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック若しくはチタンブラック1種又は2種以上により被覆された雲母チタンが挙げられる。着色顔料で被覆した体質顔料の例としては、二酸化チタン被覆雲母、及び、ベンガラ、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック若しくはチタンブラック1種又は2種以上により被覆された体質顔料がある。
【0008】
本発明において、必要に応じて、機能の異なる又は同一の、2以上の異なった充填剤を併用することができる。充填剤は熱可塑性樹脂の球状粒子内部に含有させることが好ましい。又、充填剤に予め表面処理を行っておき、熱可塑性樹脂への内包や被覆を容易にしても良い。微粒子に分散する工程において、充填剤の熱可塑性樹脂への内包や被覆を行うこともできる。
「実質的に熱可塑性樹脂及び充填剤からなる」とは、その他の成分が20重量%以下、好ましくは10重量%以下であって、充填剤の特性が阻害されないことを意味する。
充填剤の熱可塑性樹脂組成物全体に対する配合量にはこの組成物が微粒子に分散され造粒される以上特に制限はないが、一般的には、0.1重量%以上90重量%以下である。
より詳しくは、項2)に記載した着色顔料を内包する熱可塑性樹脂の場合には、好ましくは0.1重量%以上60重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以上30重量%以下である。着色顔料の混合物の場合にも、この配合比に準じる。又項3)に記載した体質顔料を内包する熱可塑性樹脂の場合には、好ましくは10重量%以上90重量%以下、更に好ましくは30重量%以上90重量%以下である。着色顔料で被覆した体質顔料の配合比もこれに準じる。
【0009】
本発明に使用する複合粉体は、以下の工程(1)及び(2)を含む製造方法により製造される:
(1)熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の充填剤から実質的になる熱可塑性樹脂組成物を、この組成物と相溶性のない分散媒と共にこの組成物の融点以上の温度に加熱して混合し、微粒子に分散する工程(1)、及び
(2)得られた熱可塑性樹脂組成物の微粒子をその融点以下の温度に冷却して、平均粒径が約0.01μm以上約1,000μm以下である、略球状の複合粉体とする工程(2)、を含むことを特徴とする球状複合粉体の製造方法。
【0010】
分散媒は、前記の工程(1)の分散工程において、熱可塑性樹脂組成物を微粒子に分散させるための連続相を形成し、熱可塑性樹脂と相溶性を有しない。相溶性を有しないとは、加熱温度において、1重量%以上の溶解度を有しないことをいう。分散媒は、好ましくは熱可塑性樹脂に対して、相溶性を有さず、好ましくは貧溶剤であることが望ましい。ここで、貧溶媒とは、所定温度における熱可塑性樹脂溶液に添加するとその熱可塑性樹脂の溶解度が減少するような溶媒をいう。本発明の分散媒は、2以上の分散媒の混合物であっても良く、熱可塑性樹脂組成物に対して、室温から工程(1)の加熱温度の範囲にわたり、貧溶媒であることが望ましい。本発明の分散媒は、熱可塑性樹脂組成物に対して、容量で、0.5倍以上5以下使用される。
【0011】
本発明に使用する分散媒の好ましい例は、ポリアルキレンオキサイド類、例えばポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール及びその誘導体(アセタール化体等)、ポリブテン、ワックス、天然ゴム、合成ゴム、例えばポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、石油樹脂等であり、これらを単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。ポリアルキレンオキサイド類は、異なった重合度のものが市販されており、これらの成分を適宜組み合わせることにより、工程(1)の分散温度において分散媒が所望の粘弾性を有するように調節することができる。
【0012】
本発明において、熱可塑性樹脂組成物の融点は、示差走査熱量測定(DSC)法により測定した融点をいう。熱可塑性樹脂及び無機充填剤から実質的になる熱可塑性樹脂組成物の融点は、熱可塑性樹脂の融点で近似することができる。種々の熱可塑性樹脂の融点は、ハンドブック類、製造メーカーの技術資料等に記載されている(例えば、実用プラスチック辞典、材料編、増補改訂、320ページ、表1−4(1993年、産業調査会発行)。例えば、ナイロン12の融点は、約180℃である。本発明において、熱可塑性樹脂の融点は30℃以上300℃以下であることが好ましい。工程(1)の微粒子分散工程の温度は、使用する熱可塑性樹脂の融点よりも、10℃ないし200℃高い温度に加熱し、好ましくは20℃ないし150℃高い温度に加熱し、混合することが好ましい。加熱温度が低すぎると、熱可塑性樹脂組成物は微粒子に分散されにくく、絡まった繊維状になりやすい。加熱温度が高すぎると、熱分解等が起こるために好ましくない。
【0013】
本発明に使用するほぼ球状の複合粉体の製造方法において、工程(1)において樹脂組成物を分散媒中に微粒子に分散するための方法・装置は特に限定されない。例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機等によって分散することができる。本発明の造粒方法では、湿式撹拌造粒に属すると考えられ、微粒子を分裂する力である、撹拌による剪断力と、微粒子を保持する力である、組成物の粘弾性及び界面張力とのバランスにより、粒子サイズが決定されると考えられる。均一な粒子サイズ分布を得るためには、撹拌による剪断力と組成物の粘弾性を均一にすることが好ましく、このためには、密閉型の分散機を用いて、かつその分散機内部の温度分布を均一にすることが好ましい。
【0014】
本発明において、工程(2)の後に、熱可塑性樹脂組成物と分散媒の混合物を、融点以下に冷却した後、該組成物の貧溶媒でかつ分散媒の良溶媒である展開溶媒とこの混合物を混合して、複合粉体の懸濁液としても良い。この場合、該混合物を冷却した後、クラッシャー等で粉砕したり、ペレタイザーでペレット化したり、押出機、ロール等でシート状に成形してから展開溶媒中に浸漬してもよい。
【0015】
展開溶媒としては、水、有機溶媒及びこれらの混合物を用いることができる。分散媒として、ポリアルキレンオキシド類を用いると、水を展開溶剤として使用することができる。複合粉体の懸濁液から目的とする球状複合粉体を、遠心分離、濾過、又はこれらの方法を組み合わせて分離することができる。分離した複合粉体は、必要に応じて、乾燥してから使用する。又、内包型複合粉体に、引き続き適当な物質で表面処理を行い、内包・被覆型複合粉体としても良い。表面処理の方法としては、湿式粉砕装置を用いて、内包型複合粉体表面に金属酸化物(鉄、亜鉛、アルミニウム、ジルコニウム、セリウム、コバルト等の酸化物)をメカノケミカル的に被覆する方法も採用できる(特開平8−59433)。
【0016】
本発明の複合粉体の製造方法によれば、平均粒子径が約0.01μm以上であって約1,000μm以下の略球状の粒子(以下、単に「球状粒子」ともいう。)を得ることができる。ここで、「略球状」とは、粒子の直交3軸の比が2以下のものをいう。略球状の粒子には、真球状の粒子を含むことはいうまでもない。約0.01μm以上とは、0.01μmの数分の1までを含むことをいう。約1,000μm以下とは、数mmの粒子径のものまで含むことを意味する。好ましくは、0.01μm以上であって、1,000μm以下の平均粒子径である。中でも平均粒子径が1μm以上であって100μm以下の粒子は、多くの用途に好ましく使用される。又、粒子径は、電子顕微鏡、光学顕微鏡等により測定できる。本発明の平均粒子径とは、粒子の直径の数平均をいう。
【0017】
化粧品配合用には、一般に3μm以上15μmの平均粒子径の球状複合粉体が好ましく使用される。合成高分子の球状粒子は、ローリング効果を有し、化粧品ののびがよく、サラサラした感触を与える。又、プレス製品への配合では、プレス性が向上するため、作業性が向上し、ワレの防止に有効である。球状複合粒子は、これらの特性を維持しつつ、充填剤が有する機能を付加することができる。酸化チタン又は酸化亜鉛を内包する球状複合粒子は、紫外線防止用の配合剤となる。その他、化粧品配合用としては、化粧品に従来から使用されてきた粉体、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、粘剤、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色素を同時に配合することができる。
【0018】
本発明において、熱可塑性樹脂、充填剤、分散媒、展開溶剤、等の要素の好ましい例、又は、工程条件の好ましい範囲から任意の2以上を組み合わせた態様は、更に好ましい実施態様である。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれに限られるものではない。
【0019】
【実施例】
(粉体製造1:球状ナイロン複合粉体1)
ダイセル化学工業(株)性のダイアミド(ナイロン12)0.75Kgと黄酸化鉄0.25Kgとを、明成化学工業(株)製のポリエチレンオキサイドR150の1.3Kgと良く混合した後、2軸型の加圧混練機中で、230℃に均一に加熱しながら混合し、黄酸化鉄内包微粒子ナイロンを製造した。得られた混合物を約150℃に冷却した後、分散媒である水20リットルと混合して黄酸化鉄内包ナイロン複合粉体の懸濁液とした。遠心分離法により目的とする複合粉体を分離した後、加熱乾燥して、平均粒子径が5μmの黄酸化鉄を内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体1を得た。
(粉体製造2:球状ナイロン複合粉体2)
上記の粉体製造1において、黄酸化鉄0.25Kgに替えて、ベンガラ0.25Kgを使用する以外は全く同様にして、ベンガラを内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体2を得た。
【0020】
上記の球状ナイロン複合粉体1及び2を使用して下記のパウダーファンデーション1を製造した。
(実施例1)
上記成分を混合撹拌することにより均一化してパウダーファンデーション1とした。
【0021】
(粉体製造2A:球状ナイロン複合粉体2A)
上記の粉体製造1において、黄酸化鉄0.25Kgに替えて、黄酸化鉄0.20Kg及びベンガラ0.050Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄及びベンガラを内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体2Aを得た。
【0022】
上記の球状ナイロン複合粉体2Aを使用して下記のパウダーファンデーションを製造した。
(実施例2)
上記成分を混合撹拌することにより均一化してパウダーファンデーション2とした。
【0023】
(粉体製造3:球状ナイロン複合粉体3)
上記の粉体製造1において、黄酸化鉄0.25Kgに替えて、黄酸化鉄0.20Kg及びベンガラ0.05Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄及びベンガラを内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体3を得た。
この球状ナイロン複合粉体3を使用して次のパウダーファンデーション3を製造した。
(実施例3)
上記成分を混合撹拌することにより均一化してパウダーファンデーション3とした。
【0024】
(粉体製造4:球状ナイロン複合粉体4)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.56Kgと黄酸化鉄0.44Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄を内包したほぼ真球状の球状ポリエチレン複合粉体4を得た。
(粉体製造5:球状ポリエチレン複合粉体1)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、高密度ポリエチレン0.825Kgとベンガラ0.175Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄を内包したほぼ真球状の球状ポリエチレン複合粉体1を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体4及び球状ポリエチレン複合粉体1を下記のパウダーファンデーション4の製造に使用した。
【0025】
(実施例4)
上記成分を混合撹拌することにより均一化してパウダーファンデーション4とした。
【0026】
(粉体製造6:球状ナイロン複合粉体5)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.66Kgと黄酸化鉄0.27Kg及びベンガラ0.07Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄及びベンガラを内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体5を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体5を下記のパウダーファンデーション5の製造に使用した。
【0027】
(実施例5)
上記成分を混合撹拌することにより均一化してパウダーファンデーション5とした。
【0028】
(粉体製造7:球状複合粉体6)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.76Kgと酸化亜鉛0.24Kgを使用する以外は全く同様にして、酸化亜鉛を内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体6を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体1及び6を下記のパウダーファンデーション6の製造に使用した。
【0029】
(実施例6)
上記成分を混合撹拌することにより均一化してパウダーファンデーション6とした。
【0030】
(粉体製造8:球状ナイロン複合粉体7)
上記の粉体製造1において、黄酸化鉄0.25Kgに替えて、黄酸化鉄0.19Kg及び酸化亜鉛0.06Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄及び酸化亜鉛を内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体7を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体7を下記のパウダーファンデーション6の製造に使用した。
【0031】
(実施例7)
(パウダーファンデーション7)
実施例6において、球状ナイロン複合粉体6を9重量部、及び球状ナイロン複合粉体1を10重量部使用する替わりに、球状ナイロン複合粉体7を13.3重量部使用する以外は、全く実施例6と同様にしてパウダーファンデーション7を製造した。
【0032】
(粉体製造9:球状ナイロン複合粉体8)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.745Kgと黄酸化鉄0.255Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄を内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体8を得た。
(粉体製造10:球状ナイロン複合粉体9)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.97Kgと黒酸化鉄0.03Kgを使用する以外は全く同様にして、黒酸化鉄を内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体9を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体2、8及び9を下記のパウダーファンデーション8の製造に使用した。
【0033】
(実施例8)
上記成分を混合撹拌することにより均一化してパウダーファンデーション8とした。
【0034】
(粉体製造11:球状ナイロン複合粉体10)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.746Kgと黄酸化鉄0.187Kg、ベンガラ0.06Kg及び黒酸化鉄0.007Kgを使用する以外は全く同様にして、黄酸化鉄、ベンガラ及び黒酸化鉄を内包したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体10を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体10を下記のパウダーファンデーション8の製造に使用した。
【0035】
(実施例9)
(パウダーファンデーション9)
実施例8において、球状ナイロン複合粉体8を9.8重量部、球状ナイロン複合粉体2を3.2重量部、及び球状ナイロン複合粉体9を0.4重量部使用する替わりに、球状ナイロン複合粉体10を13.4重量部使用する以外は、全く同様にしてパウダーファンデーション9を製造した。
【0036】
(粉体製造12:球状ナイロン複合粉体11)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.2Kgと二酸化チタン0.8Kgを使用する以外は全く同様にして、二酸化チタンをナイロンで被覆したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体11を得た。
(粉体製造13:球状ナイロン複合粉体12)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.2Kgとタルク0.8Kgを使用する以外は全く同様にして、タルクをナイロンで被覆したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体12を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体11及び12を使用して、下記のパウダーファンデーション10を製造した。
【0037】
(実施例10)
(パウダーファンデーション10)
実施例1において、二酸化チタン15重量部を粉体製造12のナイロン被覆二酸化チタン15重量部に変更し、かつ、タルク25重量部を粉体製造13のナイロン被覆タルク25重量部に替えて使用する以外は、全く同様にしてパウダーファンデーション10を製造した。
【0038】
(粉体製造14:球状ナイロン複合粉体13)
上記の粉体製造1において、ダイアミド1640(ナイロン12)0.75Kg及び黄酸化鉄0.25Kgに替えて、それぞれ、ダイアミド1640(ナイロン12)0.2Kgとマイカ0.8Kgを使用する以外は全く同様にして、マイカをナイロンで被覆したほぼ真球状の球状ナイロン複合粉体13を得た。
上記の球状ナイロン複合粉体11ないし13を使用して、下記のパウダーファンデーション11を製造した。
【0039】
(実施例11)
(パウダーファンデーション11)
実施例6において、二酸化チタン10重量部を粉体製造12のナイロン被覆二酸化チタン10重量部に変更し、かつ、タルク20重量部を粉体製造13のナイロン被覆タルク20重量部に変更し、かつ、マイカによる残量を粉体製造14のナイロン被覆マイカによる残量とした以外は、全く同様にしてパウダーファンデーション11を製造した。
【0040】
【本発明の効果】
本発明の球状複合粉体を配合した化粧料は、化粧くずれ防止、しっとり感、透明感、美白効果、紫外線遮蔽効果を有し、かつ、皮膚への刺激が少ないので、従来品よりも、一層安全性が高い。
Claims (5)
- ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12及びナイロン46よりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂及び少なくとも1種の充填剤を含み、該樹脂及び該充填剤以外の成分が20重量%以下である熱可塑性樹脂組成物を、この組成物と相溶性のない分散媒と共にこの組成物の融点以上の温度に加熱して混合し、微粒子に分散する工程、及び
得られた熱可塑性樹脂組成物の微粒子を該熱可塑性樹脂組成物の融点以下の温度に冷却して、平均粒径が0.01μm以上1,000μm以下の略球状の複合粉体とする工程、
得られた複合粉体を配合する工程
を含むことを特徴とする化粧料の製造方法。 - ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12及びナイロン46よりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂、並びに
少なくとも1種の充填剤を含み、該樹脂及び該充填剤以外の成分が20重量%以下である
略球状の複合粉体であって、
請求項1に記載の方法により製造され、該充填剤が該樹脂微粒子の内部に内包された該複合粉体を配合した
化粧料。 - 充填剤が着色顔料である請求項2記載の化粧料。
- 充填剤が体質顔料である請求項2記載の化粧料。
- 複合粉体が1μm以上であって100μm以下である平均粒径を有する請求項2〜4いずれか1つに記載の化粧料。
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