JP3789415B2 - 着脱式アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にＰＣカード型携帯通信装置等のアンテナを使用する電子機器に用いる着脱式アンテナ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、通信機能を備えた電子機器に備えるアンテナには、電子機器の回路基板に固定配置に設置した内部アンテナ形式のものと、電子機器の外部に突出し、伸縮や角度調整が可能なように設置した外部アンテナ形式のものがある。前者は電波状況が良い場所での使用に適し、後者は電波事情が良くない場所での使用に適している。
【０００３】
また、従来ＰＣカード型携帯通信装置や携帯電話等の通信装置には、電波を送受信するためのアンテナが設けられており（特許文献１を参照）、このアンテナとして、図１３に示す如き外部アンテナを用いることによって、電波の送受信やアンテナの収納にとって最適なアンテナ位置を得ることができるようになっている（特許文献２を参照）。
【０００４】
この外部アンテナ１は、アンテナ支持部材２に支持させた導電性の縦軸３と、縦軸３に対し、これを中心軸として回動自在に取り付けられた導電性の中間軸受金具４と、中間軸受金具４に縦軸３と直交配置に支持させた横軸５とからなるユニバーサルジョイントを備え、アンテナ支持部材２を携帯通信装置等の電子機器に保持させるとともに、中間軸受金具４に対し、横軸５を中心軸として回動自在にアンテナ本体６を取り付けることによって、アンテナ本体６が電波の送受信等に合わせて向きを変えることができるようになっている。
【０００５】
しかし、これらのユニバーサルジョイントを構成する中間軸受金具４等の部品は強度や各部品との電気的接続を鑑みて導電性の金属部材により形成され、中間軸受金具４とアンテナ本体６との連結部分は、金属が剥き出しになった状態になっており、そこに静電気が帯電された人体等より静電気が放電されると、この外部アンテナ１に導通した電子機器回路等が破壊されるおそれがある。
【０００６】
そこで、例えば、図１４に示すように、アンテナの金属部が剥き出しになった部分を蛇腹等の絶縁材からなる被覆材７によって覆う等して静電気対策を施している。
【０００７】
【特許文献１】
特開２００１−３３９２１１号公報（図４）
【０００８】
【特許文献２】
特開平０８−２６５０２５号公報（第０００２段落〜第０００９段落、図１０、図１１）
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
上述したＰＣカード型等の携帯通信装置では、外部アンテナ形式とすると形状が大きくなり持ち運びに不便である。しかし、内部アンテナ形式のみでは、使用する場所によっては感度が低く、外部アンテナ形式が好ましい場合が多々生じる。
【００１０】
また、外部アンテナ形式のアンテナを絶縁被覆するための上述した従来の方法は、外部に露出した金属部分を蛇腹等の絶縁性の被覆材によって覆うことにより、アンテナ全体が嵩張ってしまうのでアンテナ及びアンテナを装着する電子機器の小型化が阻害されるという問題があり、また、アンテナ及びアンテナを装着する電子機器の見映えも悪くなるという問題があった。
【００１１】
本発明は、このような従来の技術の状況を鑑み、電波状況に合わせて内部又は外部のアンテナを使用できる着脱式アンテナ装置の提供、及び、アンテナに完全な静電気対策を施すことができ、小型化が可能で見映えも良好となる着脱式アンテナ装置の提供を目的としてなされたものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項１の発明は、送信及び／又は受信機能を有する電子機器に対して着脱自在となし、該電子機器のアンテナ給電回路に対してアンテナ本体をコネクタ装置を介して電気接続させる外部アンテナを備え、
【００１３】
該外部アンテナには、アンテナ支持部材に対して固定され、コネクタ装置のプラグが導通された導電性の縦軸と、該縦軸に対し、これを中心軸として回動自在に取り付けられた導電性の中間軸受金具と、該中間軸受金具に前記縦軸と直交配置に支持させた横軸とからなるユニバーサルジョイントを備え、
前記中間軸受金具に対し、前記横軸を中心軸として回動自在に前記アンテナ本体を取り付けることにより、前記縦軸とアンテナ本体とを前記ユニバーサルジョイントを介して導通させ、
【００１４】
前記中間軸受金具は、平板状の回動基盤部と、該回動基盤部の両縁をそれぞれ同じ側に立ち上がらせた一対の横軸支持片部とを一体に有する断面 U 字形に形成され、
該中間軸受金具の回動基盤部を前記縦軸の先端に回動自在に支持させるとともに、前記両横軸支持片部に前記横軸を貫通させて支持させ、
前記中間軸受金具の両横軸支持片部間に絶縁材からなる中間軸受金具用の絶縁駒を挿入し、該絶縁駒により中間軸受金具の底面及び両横軸支持片部の対向面の背面側を除く部分を覆わせ、
【００１５】
前記アンテナ本体には基端部側に一対の平行な軸受片部を一体に備え、該軸受片部を前記中間軸受金具の両横軸支持片部の対向面の背面側に接触させて前記横軸を中心軸にして回動自在に支持させ、
該アンテナ本体の外側に、絶縁材を持って成形され、一端側が開放した有底筒状の絶縁鞘部材を被せ、該絶縁鞘部材の開放端側に一対の絶縁軸受片部を備え、該絶縁軸受片部を前記横軸により中間軸受金具に枢着させ、該絶縁軸受片部により前記アンテナ本体軸受片部の両軸受片対向面の背面側及び前記中間軸受金具横軸支持片部の両対向面の背面側を覆わせてなる着脱式アンテナ装置を特徴とする。
【００１６】
このように構成することによって、必要な時に外部アンテナの着脱が可能となるとともに、外部に金属部分を露出させることがなく、好適に静電対策がなされ、アンテナの小型化が可能となり、見映えもよい。
【００１７】
請求項２の発明は、請求項１に記載の構成に加え、電子機器には、該電子機器と固定配置に内蔵された内部アンテナを有し、コネクタ装置には、前記電子機器側に備えたレセプタクルに対して外部アンテナ側に備えたプラグを結合させることによって、アンテナ給電回路が前記内部アンテナから外部アンテナのアンテナ本体に切り換え接続される切り換えスイッチを備え、前記アンテナ給電回路に内部アンテナを常時接続状態としておき、前記プラグの挿し込みによってアンテナ給電回路に対する内部アンテナの接続をＯＦＦとするとともに前記外部アンテナの接続をＯＮとするようにしたことにある。
【００１８】
このように構成することによって、電波事情に合わせて外部アンテナと内部アンテナとを使い分けることができ、特に、電波事情の悪い場所で外部アンテナの取り付けが適宜可能となり、機能性が向上する。
【００１９】
請求項３の発明は、請求項１又は２に記載の構成に加え、外部アンテナにはその基端部に、絶縁材からなるアンテナ支持部材を備え、該アンテナ支持部材にコネクタ装置のプラグを支持させ、かつ電子機器側には、前記アンテナ支持部材を嵌合して支持する嵌合凹部を備え、前記コネクタ装置の嵌合と、前記嵌合凹部に対するアンテナ支持部材の嵌合によって外部アンテナを前記電子機器に対して支持させるようにしたことを特徴とする。
【００２０】
このように構成することによって、電子機器に対する外部アンテナの取り付けがより強固になり、特に小型の電子機器であっても嵩張らせずに強度の高い着脱構造が得られる。
【００２１】
請求項４の発明は、請求項３に記載の構成に加え、嵌合凹部内面には、該嵌合凹部内に嵌合されるアンテナ支持部材の側面を押圧する係止突起が突出方向に付勢されて備えられ、前記アンテナ支持部材の側面には前記係止突起が嵌り合う係合凹部を備えたことを特徴とする。
このように構成することによって脱落防止効果が高くなる。
【００２２】
請求項５の発明は、請求項１に記載の構成に加え、縦軸の先端をアンテナ支持部材の平らな表面に突出させて固定し、該縦軸の先端にフランジ状の抜け止め頭部を形成するとともに、前記中間軸受金具の回動基盤部に、その一辺側から中央部分にかけてＵ字形の凹陥部を形成し、該凹陥部を前記縦軸の頭部下に嵌合させ、かつ前記絶縁駒によって前記凹陥部に嵌合された縦軸を抜け止めさせたことを特徴とする。
【００２３】
このように構成することによって、縦軸に対する中間軸受金具の取り付けが容易となり、組み立てを容易に行うことができるとともに、絶縁材を兼ねることとなる部品の数が少なくなる。
【００２４】
請求項６の発明は、請求項１又は５に記載の構成に加え、アンテナ本体の基端部側に一体に設けた両軸受片部に導電性のバネ材を使用し、該両軸受片によって前記中間軸受金具の両横軸支持片部外面側を弾性的に挟持させることにより導電接触圧及び回動摩擦抵抗を持たせたことにある。このように構成することにより、中間軸受金具に対してアンテナ本体を回動させた際に、アンテナ本体を任意の位置で回動を止めることができ、アンテナ本体を中間軸受金具に対して好適に電気的接続することこができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る外部アンテナの実施の形態を図について説明する。
【００２６】
図１は着脱式アンテナ装置の使用状態の一例を示し、符号１０は本発明を実施した電子機器であり、更に具体的にはＰＣカード型携帯通信装置である。１１は該電子機器１０に着脱できるようにした可動式の外部アンテナである。
【００２７】
外部アンテナ１１は、長方体の駒状をした絶縁材製のアンテナ支持部材１２に支持されている。このアンテナ支持部材１２には、外部アンテナ支持面の反対側面に電子機器１０と電気接続させるためのコネクタ装置を構成するプラグ４０が固定されている。このプラグ４０は導電材料からなるアース用外筒４１とその内側に設けた円筒に縦向きのスリ割を形成した形状の円筒型挟持バネ４２とを有し、それらの中心部分にプラグピン４３が突設されている。
【００２８】
このプラグピン４３は、後述する外部アンテナの縦軸１３に一体成形されている。
【００２９】
電子機器１０には、コネクタ装置を構成するレセプタクル５０が備えられている。このレセプタクル５０は、図２、図３示すように回路基板５１に固定され、そのモールドケース５２の前端に前述した円筒型挟持バネ４２の内側に嵌合されるアーススリーブ５３が突設されている。その中心部にプラグピン４３が挿入されるピン挿入孔５４が開口され、その内部に、挿入される前記プラグピン４３と接触するバネ製接触片（図示せず）が備えられているとともに、図示しないが、プラグの挿入によって動作されるスイッチ機構が内蔵されている。
【００３０】
このスイッチ機構は、回路基板に備えた内部アンテナ５５と外部アンテナ１１とを、アンテナ給電回路５６に対して切り換え接続させるようにしているものであり、図４のスイッチ回路図に示すように、コモン端子ａに導通したバネ製接触片ｂがあり、これに内部アンテナ５５に接続されたノーマルクローズ端子ｃに導通したスイッチ片ｄが常時接触状態にあり、プラグピン４３の挿入によりがバネ製接触片ｂがスイッチ片ｄから離反されるように動作され、これによってコモン端子ａに対する接続が切り換わるようになっている。尚、図中符号ｅはアース端子である。
【００３１】
また、電子機器１０には、前述したアンテナ支持部材１２が嵌合されてこれを支持する嵌合凹部６０が形成されており、その嵌合凹部の内面には係合突起６１が突出方向に付勢されて備えられている。この係合突起６１は図１、図２に示すようにモールド成形されたバネ片６２の先端に一体成形されている。
【００３２】
一方、アンテナ支持部材１２側面には係合突起６１が係合される係合凹部６３が形成され、電子機器１０の嵌合凹部６０内にアンテナ支持部材１２を挿入することによって、前述したコネクタ装置が互いに嵌合されると同時に、係合突起６１が係合凹部６３内に嵌り合い、アンテナ支持部材１２の抜け出し方向の力に対向する抵抗力が与えられるようになっている。このようにして、外部アンテナ１１アンテナ支持部材１２の嵌合凹部６０に対する嵌合及びコネクタ装置の嵌合により電子機器１０に対して支持されるようになっている。
【００３３】
外部アンテナ１１は、前述したプラグピン４３が一体成形され、アンテナ支持部材１２に貫通させて支持させた導電性の縦軸１３と、縦軸１３に対し、これを中心軸として回動自在に取り付けられた導電性の中間軸受金具１４と、中間軸受金具１４に縦軸１３と直交配置に支持させた横軸１５とからなるユニバーサルジョイントを備え、アンテナ支持部材１２を携帯通信装置等の電子機器１０に保持させるとともに、中間軸受金具１４に対し、横軸１５を中心軸として回動自在にアンテナ本体１６を取り付けることによって、電波の送受信やアンテナの収納等にとって最適なアンテナ位置を得ることができるようになっている。
【００３４】
ユニバーサルジョイントを構成する横軸１５は、絶縁材により形成され、図７に示すように、一端側にフランジ状の頭部１７を備え、他端側に先端側を細くしたテーパ部１８とテーパ部の基端側に抜け止め用の段部１９が形成されている。
【００３５】
中間軸受金具１４は、図８に示すように、導電性を有する金属部材によって形成された平板状の回動基盤部２０と、回動基盤部２０の両側縁より同じ側に立ち上がらせた横軸支持片部２１，２１とを一体に有する断面Ｕ字状に形成されている。
【００３６】
この中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間には、絶縁駒２２が挿入され、これによって、回動基盤部２０の底面及び両横軸支持片部２１，２１の外側面（両横軸支持片部の対向面の背側面）を除く部分が覆われている。
【００３７】
回動基盤部２０には、中心の円孔を一方の側縁に向かって延長した形状、即ち一側縁より中央部分にかけてのＵ字形に形成された凹陥部２３が設けられ、この凹陥部２３にアンテナ支持部材１２より突出した導電性の縦軸１３が嵌り込むことによって、回動基盤部２０をアンテナ支持部材１２に対して回転自在且つ抜け止め不能に支持させるようになっている。
【００３８】
両横軸支持片部２１，２１には、ユニバーサルジョイントを構成する横軸１５が挿通される横軸挿通孔２４が形成されている。
【００３９】
絶縁駒２２は、絶縁材により形成され、円盤の外周面の一部を切り欠いて底面を形成した形状になっている。
【００４０】
この円盤状の中心部分に横軸１５が挿通される挿入孔２６が貫通開口されている。
【００４１】
この絶縁駒２２の両側面には、中間軸受金具１４の横軸支持片部２１，２１が嵌合される支持片部嵌合用の凹部２５，２５が形成され、絶縁駒２２の底面には、縦軸１３の先端部分が挿入される抜け止め用穴２２ａが形成されている。
【００４２】
この中間軸受金具１４は、図９に示すように、絶縁駒２２を中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間に挿入すると、該両横軸支持片部２１，２１が凹部２５，２５に嵌り込み、回動基盤部２０の下面及び各横軸支持片部２１，２１の外側面（対向面の背側面）を除いた部分が絶縁駒２２によって覆われるようになっている。
【００４３】
また、絶縁駒２２を中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間に挿入すると、回動基盤部縁部が覆われるとともに、縦軸１３の先端部分が抜け止め用穴２２ａに挿入され、縦軸１３に対する回転基盤部２０の回転半径方向の動きが規制され、抜け止めがなされるようになっている。
【００４４】
この絶縁駒２２を、中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間に挿入させた状態で、横軸１５を横軸支持片部２１、絶縁駒２２、横軸支持片部２１に貫いて挿通させることによって中間軸受金具１４に対して縦軸軸心方向の抜け止めがなされるようになっている。
【００４５】
アンテナ本体１６は、図１１に示すように、薄長板状の本体部２７と、本体部２７の端部両側縁に突設された互いに対向する一対の平行な軸受片部２８，２８とを導電性のバネ材により一体に形成し、この各軸受片部２８，２８の突端部間を狭めて形成することにより、両軸受片部２８，２８に中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１の外側面を弾性的に挟持することができるようになっている。また、この軸受片部２８には、横軸１５が挿通される挿通孔２９が形成されている。
【００４６】
また、アンテナ本体１６は、両軸受片部２８，２８に中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１の外側面を弾性的に挟持させた状態で中間軸受金具１４に横軸１５を回転中心にして回動自在に支持させることによって、中間軸受金具１４に対して電気的に接続されるとともに、軸受片部２８が横軸支持片部２１の外側面に対して好適な導電接触圧と、回動摩擦抵抗を得るようになっており、これによりユニバーサルジョイントを介して縦軸１３に導通されるようになっている。
【００４７】
このアンテナ本体１６の外側には、図１０に示すように、絶縁材からなる一端側が開放した有底筒状の絶縁鞘部材３０を被せ、アンテナ本体１６が外部に露出しないようにしている。
【００４８】
この絶縁鞘部材３０の基端部には、互いに対向する一対の絶縁軸受片部３１，３１が形成され、この絶縁軸受片部３１，３１の中央部には横軸が枢支される横軸貫通孔３２，３２が形成され、この横軸貫通孔３２には、横軸１５の頭部１７が互いに嵌り合う拡径部３３及び抜け止め用の段部３４がそれぞれ形成されている。
【００４９】
尚、アンテナ本体１６に絶縁鞘部材３０を被せると、絶縁軸受片部３１，３１の対向面側にアンテナ本体１６の軸受片部２８，２８が絶縁軸受片部３１の対向面に沿うように配置されるようになっている。
【００５０】
縦軸１３は、先端にフランジ状の抜け止め頭部３６が形成されており、この抜け止め頭部３６は、縦軸１３のアンテナ支持部材からの突出部分の根元部に、回動基盤部２０の凹陥部２３の幅（即ち中心の円孔部の直径）と円環の直径が略同径の環状凹溝３７を形成することにより形成されている。
【００５１】
この環状凹溝３７に凹陥部２３を嵌め込むことによって、回動基盤部の凹陥部２３周縁が抜け止め頭部３６下に当接し、回動基盤部２０を縦軸１３に対して、回転自在且つ軸心方向で抜け止め不能にすることができ、且つ電気的にも接続されるようになっている。
【００５２】
また、この抜け止め頭部３６は、縦軸１３、中間軸受金具１４及び絶縁駒２２を組み込んだ際に、絶縁駒２２の底面に形成された抜け止め用穴２２ａに挿入され、縦軸１３に対する回転基盤部２０の縦軸回転半径方向の抜け止めがなされるようになっている。
【００５３】
尚、図中符号３８は、弾性材からなるＯリングであり、このＯリング３８によって中間軸受金具１４のアンテナ支持部材１２に対する回転動作に抵抗を持たせ、任意の位置で回転を止めることができるようになっている。
【００５４】
この外部アンテナ１１では、回動基盤部の底面が、縦軸１３が突設されたアンテナ支持部材１２の平な表面１２ａによって覆われるようになっており、アンテナ本体１６を覆う絶縁鞘部材３０の絶縁軸受片部３１，３１によりアンテナ本体軸受片部２８，２８の両外面側（両軸受片対向面の背面側）及び中間軸受金具横軸支持片部２１，２１の両外面側（両対向面の背面側）を覆わせるようになっている。
【００５５】
即ち、重なり合って互いに導通されたアンテナ本体軸受け片部２８と中間軸受金具横軸支持片部２１とを金属部が外部に露出しないように絶縁鞘部材３０の絶縁軸受片部３１によって覆うようになっている。
【００５６】
従って、この外部アンテナ１１では、外部に露出した金属部分がなく、静電対策が成されるようになっている。
【００５７】
尚、上述の実施例では、外部アンテナをＰＣカード型の携帯通信装置に適応させた例について説明したが、その他、携帯電話機等の携帯通信装置をはじめ、アンテナを使用する全ての電子機器について適応させることができる。
【００５８】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る着脱式アンテナ装置は、コネクタ装置を介して外部アンテナを着脱自在としているため、単に挿抜するだけで着脱できるようになり、操作が簡単にでき、必要に応じて着脱が可能であるため、これを使用する電子機器に外部アンテナ用のスペースを要せず、電子機器の小型化ができる。
【００５９】
また、コネクタ装置に切り換えスイッチ機構を有するものを使用し、外部アンテナの装着によって、給電回路が内部アンテナから外部アンテナに切り換わるようにしたことにより、必要に応じて内部アンテナと外部アンテナを切り換え使用できることとなり、広範囲の電波事情に対応した送信及び受信が可能となる。
【００６０】
更に、電子機器に対する支持を、給電のためのコネクタ装置による結合の他、アンテナ支持部材と電子機器側の嵌合凹部との嵌合によって受け持たせるようにしたことによって、厚さが５ｍｍ以下程度の薄型の電子機器に対する着脱も装置を損傷させることなく安全に行うことができる。
【００６１】
更に、外部アンテナは、回動基盤部の底面がアンテナ支持部材の平らな表面によって覆われ、横軸支持片部の外側面及びアンテナ本体の軸受片部とが、互いに接触した状態で絶縁鞘部材の絶縁軸受片部によって覆われるので、外部に金属部分を露出させることがなく、見映えが良く、完全な静電対策がなされ、アンテナの小型化も可能となる。
【００６２】
また、縦軸先端にフランジ状の抜け止め頭部を形成するとともに、前記中間軸受金具の回動基盤部に、その一辺側から中央部分にかけてＵ字形の凹陥部を形成し、該凹陥部を前記縦軸の頭部下に嵌合させ、かつ前記絶縁駒によって前記凹陥部に嵌合された縦軸を抜け止めさせることによって、縦軸に対する中間軸受金具の取り付けが容易となり、組み立てを容易に行うことができるとともに、絶縁材を兼ねることとなる部品の数が少なくなる。
【００６３】
更に、縦軸先端の頭部が、アンテナ支持部材からの突出部分の根元部に環状凹溝を形成することによって設けることによって、回転基盤部を好適に縦軸に支持させることができ、回動基盤部を抜け止めする為の部品を他に必要としないので小型化が可能となる。
【００６４】
アンテナ本体の基端部側に一体に設けた両軸受片部に導電性のバネ材を使用し、該両軸受片によって前記中間軸受金具の両横軸支持片部外面側を弾性的に挟持させることにより、中間軸受金具に対してアンテナ本体を回動させた際に、アンテナ本体を任意の位置で回動を止めることができ、アンテナ本体を中間軸受金具に対して好適に電気的接続することができる。
【００６５】
横軸は絶縁材により形成され、一端側にフランジ状の頭部を有するとともに、他端側に先端側を細くしたテーパ部と該テーパ部の基端側に抜け止め用段部を形成し、前記絶縁鞘部材の各絶縁軸受片部の横軸貫通孔に、前記横軸の頭部が嵌り合う拡径部及び抜け止め用係止段部を備えることにより、外部に金属部を露出させることなく中間軸受金具にアンテナ本体を好適に枢支させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る外部アンテナを利用した携帯型通信装置を示す斜視図である。
【図２】 （ａ）は同上の電子機器側の外部アンテナ取り付け部を示す部分縦断面図、（ｂ）は同部分横断面図である。
【図３】 （ａ）は同上のレセプタクル部分の正面図、（ｂ）は同側面図である。
【図４】 同上の回路図である。
【図５】 （ａ）は図１中の外部アンテナを示す平面図、（ｂ）は同側面図である。
【図６】 図５中のＡ−Ａ線断面図である。
【図７】 図６中の横軸を示す平面図である。
【図８】 図６中のユニバーサルジョイントを示す分解斜視図である。
【図９】 （ａ）は中間軸受金具に絶縁駒を挿入した状態を示す側面図、（ｂ）は同縦断面図である。
【図１０】 図１中のアンテナ本体の被覆状態を示す横断面図である。
【図１１】 （ａ）は同上のアンテナ本体を示す平面図、（ｂ）は同側面図である。
【図１２】 図１中のアンテナ支持部材を示す正面図である。
【図１３】 （ａ）は従来の外部アンテナの一例を示す側面図、（ｂ）は同正面図である。
【図１４】 同上の外部アンテナに静電対策を施した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
ａ コモン端子
ｂ バネ製接触片
ｃ ノーマルクローズ端子
ｄ スイッチ片
ｅ アース端子
１０ 電子機器（携帯通信装置）
１１ 外部アンテナ
１２ アンテナ支持部材
１３ 縦軸
１４ 中間軸受金具
１５ 横軸
１６ アンテナ本体
１７ 頭部
１８ テーパ部
１９ 段部
２０ 回動基盤部
２１ 横軸支持片部
２２ 絶縁駒
２２ａ 抜け止め用穴
２３ 凹陥部
２４ 横軸挿通孔
２５ 凹部
２６ 挿通孔
２７ 本体部
２８ 軸受片部
２９ 挿通孔
３０ 絶縁鞘部材
３１ 絶縁軸受片部
３２ 横軸貫通孔
３３ 拡径部
３４ 段部
３５ 接続用部材
３６ 抜け止め頭部
３７ 環状凹溝
３８ Ｏリング
４０ プラグ
４１ アース用外筒
４２ 円筒型挟持バネ
４３ プラグピン
５０ レセプタクル
５１ 回路基板
５２ モールドケース
５３ アーススリーブ
５４ ピン挿入孔
５５ 内部アンテナ
５６ アンテナ給電回路
６０ 嵌合凹部
６１ 係合突起
６２ バネ片
６３ 係合凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にＰＣカード型携帯通信装置等のアンテナを使用する電子機器に用いる着脱式アンテナ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、通信機能を備えた電子機器に備えるアンテナには、電子機器の回路基板に固定配置に設置した内部アンテナ形式のものと、電子機器の外部に突出し、伸縮や角度調整が可能なように設置した外部アンテナ形式のものがある。前者は電波状況が良い場所での使用に適し、後者は電波事情が良くない場所での使用に適している。
【０００３】
また、従来ＰＣカード型携帯通信装置や携帯電話等の通信装置には、電波を送受信するためのアンテナが設けられており（特許文献１を参照）、このアンテナとして、図１３に示す如き外部アンテナを用いることによって、電波の送受信やアンテナの収納にとって最適なアンテナ位置を得ることができるようになっている（特許文献２を参照）。
【０００４】
この外部アンテナ１は、アンテナ支持部材２に支持させた導電性の縦軸３と、縦軸３に対し、これを中心軸として回動自在に取り付けられた導電性の中間軸受金具４と、中間軸受金具４に縦軸３と直交配置に支持させた横軸５とからなるユニバーサルジョイントを備え、アンテナ支持部材２を携帯通信装置等の電子機器に保持させるとともに、中間軸受金具４に対し、横軸５を中心軸として回動自在にアンテナ本体６を取り付けることによって、アンテナ本体６が電波の送受信等に合わせて向きを変えることができるようになっている。
【０００５】
しかし、これらのユニバーサルジョイントを構成する中間軸受金具４等の部品は強度や各部品との電気的接続を鑑みて導電性の金属部材により形成され、中間軸受金具４とアンテナ本体６との連結部分は、金属が剥き出しになった状態になっており、そこに静電気が帯電された人体等より静電気が放電されると、この外部アンテナ１に導通した電子機器回路等が破壊されるおそれがある。
【０００６】
そこで、例えば、図１４に示すように、アンテナの金属部が剥き出しになった部分を蛇腹等の絶縁材からなる被覆材７によって覆う等して静電気対策を施している。
【０００７】
【特許文献１】
特開２００１−３３９２１１号公報（図４）
【０００８】
【特許文献２】
特開平０８−２６５０２５号公報（第０００２段落〜第０００９段落、図１０、図１１）
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
上述したＰＣカード型等の携帯通信装置では、外部アンテナ形式とすると形状が大きくなり持ち運びに不便である。しかし、内部アンテナ形式のみでは、使用する場所によっては感度が低く、外部アンテナ形式が好ましい場合が多々生じる。
【００１０】
また、外部アンテナ形式のアンテナを絶縁被覆するための上述した従来の方法は、外部に露出した金属部分を蛇腹等の絶縁性の被覆材によって覆うことにより、アンテナ全体が嵩張ってしまうのでアンテナ及びアンテナを装着する電子機器の小型化が阻害されるという問題があり、また、アンテナ及びアンテナを装着する電子機器の見映えも悪くなるという問題があった。
【００１１】
本発明は、このような従来の技術の状況を鑑み、電波状況に合わせて内部又は外部のアンテナを使用できる着脱式アンテナ装置の提供、及び、アンテナに完全な静電気対策を施すことができ、小型化が可能で見映えも良好となる着脱式アンテナ装置の提供を目的としてなされたものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項１の発明は、送信及び／又は受信機能を有する電子機器に対して着脱自在となし、該電子機器のアンテナ給電回路に対してアンテナ本体をコネクタ装置を介して電気接続させる外部アンテナを備え、
【００１３】
該外部アンテナには、アンテナ支持部材に対して固定され、コネクタ装置のプラグが導通された導電性の縦軸と、該縦軸に対し、これを中心軸として回動自在に取り付けられた導電性の中間軸受金具と、該中間軸受金具に前記縦軸と直交配置に支持させた横軸とからなるユニバーサルジョイントを備え、
前記中間軸受金具に対し、前記横軸を中心軸として回動自在に前記アンテナ本体を取り付けることにより、前記縦軸とアンテナ本体とを前記ユニバーサルジョイントを介して導通させ、
【００１４】
前記中間軸受金具は、平板状の回動基盤部と、該回動基盤部の両縁をそれぞれ同じ側に立ち上がらせた一対の横軸支持片部とを一体に有する断面 U 字形に形成され、
該中間軸受金具の回動基盤部を前記縦軸の先端に回動自在に支持させるとともに、前記両横軸支持片部に前記横軸を貫通させて支持させ、
前記中間軸受金具の両横軸支持片部間に絶縁材からなる中間軸受金具用の絶縁駒を挿入し、該絶縁駒により中間軸受金具の底面及び両横軸支持片部の対向面の背面側を除く部分を覆わせ、
【００１５】
前記アンテナ本体には基端部側に一対の平行な軸受片部を一体に備え、該軸受片部を前記中間軸受金具の両横軸支持片部の対向面の背面側に接触させて前記横軸を中心軸にして回動自在に支持させ、
該アンテナ本体の外側に、絶縁材を持って成形され、一端側が開放した有底筒状の絶縁鞘部材を被せ、該絶縁鞘部材の開放端側に一対の絶縁軸受片部を備え、該絶縁軸受片部を前記横軸により中間軸受金具に枢着させ、該絶縁軸受片部により前記アンテナ本体軸受片部の両軸受片対向面の背面側及び前記中間軸受金具横軸支持片部の両対向面の背面側を覆わせてなる着脱式アンテナ装置を特徴とする。
【００１６】
このように構成することによって、必要な時に外部アンテナの着脱が可能となるとともに、外部に金属部分を露出させることがなく、好適に静電対策がなされ、アンテナの小型化が可能となり、見映えもよい。
【００１７】
請求項２の発明は、請求項１に記載の構成に加え、電子機器には、該電子機器と固定配置に内蔵された内部アンテナを有し、コネクタ装置には、前記電子機器側に備えたレセプタクルに対して外部アンテナ側に備えたプラグを結合させることによって、アンテナ給電回路が前記内部アンテナから外部アンテナのアンテナ本体に切り換え接続される切り換えスイッチを備え、前記アンテナ給電回路に内部アンテナを常時接続状態としておき、前記プラグの挿し込みによってアンテナ給電回路に対する内部アンテナの接続をＯＦＦとするとともに前記外部アンテナの接続をＯＮとするようにしたことにある。
【００１８】
このように構成することによって、電波事情に合わせて外部アンテナと内部アンテナとを使い分けることができ、特に、電波事情の悪い場所で外部アンテナの取り付けが適宜可能となり、機能性が向上する。
【００１９】
請求項３の発明は、請求項１又は２に記載の構成に加え、外部アンテナにはその基端部に、絶縁材からなるアンテナ支持部材を備え、該アンテナ支持部材にコネクタ装置のプラグを支持させ、かつ電子機器側には、前記アンテナ支持部材を嵌合して支持する嵌合凹部を備え、前記コネクタ装置の嵌合と、前記嵌合凹部に対するアンテナ支持部材の嵌合によって外部アンテナを前記電子機器に対して支持させるようにしたことを特徴とする。
【００２０】
このように構成することによって、電子機器に対する外部アンテナの取り付けがより強固になり、特に小型の電子機器であっても嵩張らせずに強度の高い着脱構造が得られる。
【００２１】
請求項４の発明は、請求項３に記載の構成に加え、嵌合凹部内面には、該嵌合凹部内に嵌合されるアンテナ支持部材の側面を押圧する係止突起が突出方向に付勢されて備えられ、前記アンテナ支持部材の側面には前記係止突起が嵌り合う係合凹部を備えたことを特徴とする。
このように構成することによって脱落防止効果が高くなる。
【００２２】
請求項５の発明は、請求項１に記載の構成に加え、縦軸の先端をアンテナ支持部材の平らな表面に突出させて固定し、該縦軸の先端にフランジ状の抜け止め頭部を形成するとともに、前記中間軸受金具の回動基盤部に、その一辺側から中央部分にかけてＵ字形の凹陥部を形成し、該凹陥部を前記縦軸の頭部下に嵌合させ、かつ前記絶縁駒によって前記凹陥部に嵌合された縦軸を抜け止めさせたことを特徴とする。
【００２３】
このように構成することによって、縦軸に対する中間軸受金具の取り付けが容易となり、組み立てを容易に行うことができるとともに、絶縁材を兼ねることとなる部品の数が少なくなる。
【００２４】
請求項６の発明は、請求項１又は５に記載の構成に加え、アンテナ本体の基端部側に一体に設けた両軸受片部に導電性のバネ材を使用し、該両軸受片によって前記中間軸受金具の両横軸支持片部外面側を弾性的に挟持させることにより導電接触圧及び回動摩擦抵抗を持たせたことにある。このように構成することにより、中間軸受金具に対してアンテナ本体を回動させた際に、アンテナ本体を任意の位置で回動を止めることができ、アンテナ本体を中間軸受金具に対して好適に電気的接続することこができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る外部アンテナの実施の形態を図について説明する。
【００２６】
図１は着脱式アンテナ装置の使用状態の一例を示し、符号１０は本発明を実施した電子機器であり、更に具体的にはＰＣカード型携帯通信装置である。１１は該電子機器１０に着脱できるようにした可動式の外部アンテナである。
【００２７】
外部アンテナ１１は、長方体の駒状をした絶縁材製のアンテナ支持部材１２に支持されている。このアンテナ支持部材１２には、外部アンテナ支持面の反対側面に電子機器１０と電気接続させるためのコネクタ装置を構成するプラグ４０が固定されている。このプラグ４０は導電材料からなるアース用外筒４１とその内側に設けた円筒に縦向きのスリ割を形成した形状の円筒型挟持バネ４２とを有し、それらの中心部分にプラグピン４３が突設されている。
【００２８】
このプラグピン４３は、後述する外部アンテナの縦軸１３に一体成形されている。
【００２９】
電子機器１０には、コネクタ装置を構成するレセプタクル５０が備えられている。このレセプタクル５０は、図２、図３示すように回路基板５１に固定され、そのモールドケース５２の前端に前述した円筒型挟持バネ４２の内側に嵌合されるアーススリーブ５３が突設されている。その中心部にプラグピン４３が挿入されるピン挿入孔５４が開口され、その内部に、挿入される前記プラグピン４３と接触するバネ製接触片（図示せず）が備えられているとともに、図示しないが、プラグの挿入によって動作されるスイッチ機構が内蔵されている。
【００３０】
このスイッチ機構は、回路基板に備えた内部アンテナ５５と外部アンテナ１１とを、アンテナ給電回路５６に対して切り換え接続させるようにしているものであり、図４のスイッチ回路図に示すように、コモン端子ａに導通したバネ製接触片ｂがあり、これに内部アンテナ５５に接続されたノーマルクローズ端子ｃに導通したスイッチ片ｄが常時接触状態にあり、プラグピン４３の挿入によりがバネ製接触片ｂがスイッチ片ｄから離反されるように動作され、これによってコモン端子ａに対する接続が切り換わるようになっている。尚、図中符号ｅはアース端子である。
【００３１】
また、電子機器１０には、前述したアンテナ支持部材１２が嵌合されてこれを支持する嵌合凹部６０が形成されており、その嵌合凹部の内面には係合突起６１が突出方向に付勢されて備えられている。この係合突起６１は図１、図２に示すようにモールド成形されたバネ片６２の先端に一体成形されている。
【００３２】
一方、アンテナ支持部材１２側面には係合突起６１が係合される係合凹部６３が形成され、電子機器１０の嵌合凹部６０内にアンテナ支持部材１２を挿入することによって、前述したコネクタ装置が互いに嵌合されると同時に、係合突起６１が係合凹部６３内に嵌り合い、アンテナ支持部材１２の抜け出し方向の力に対向する抵抗力が与えられるようになっている。このようにして、外部アンテナ１１アンテナ支持部材１２の嵌合凹部６０に対する嵌合及びコネクタ装置の嵌合により電子機器１０に対して支持されるようになっている。
【００３３】
外部アンテナ１１は、前述したプラグピン４３が一体成形され、アンテナ支持部材１２に貫通させて支持させた導電性の縦軸１３と、縦軸１３に対し、これを中心軸として回動自在に取り付けられた導電性の中間軸受金具１４と、中間軸受金具１４に縦軸１３と直交配置に支持させた横軸１５とからなるユニバーサルジョイントを備え、アンテナ支持部材１２を携帯通信装置等の電子機器１０に保持させるとともに、中間軸受金具１４に対し、横軸１５を中心軸として回動自在にアンテナ本体１６を取り付けることによって、電波の送受信やアンテナの収納等にとって最適なアンテナ位置を得ることができるようになっている。
【００３４】
ユニバーサルジョイントを構成する横軸１５は、絶縁材により形成され、図７に示すように、一端側にフランジ状の頭部１７を備え、他端側に先端側を細くしたテーパ部１８とテーパ部の基端側に抜け止め用の段部１９が形成されている。
【００３５】
中間軸受金具１４は、図８に示すように、導電性を有する金属部材によって形成された平板状の回動基盤部２０と、回動基盤部２０の両側縁より同じ側に立ち上がらせた横軸支持片部２１，２１とを一体に有する断面Ｕ字状に形成されている。
【００３６】
この中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間には、絶縁駒２２が挿入され、これによって、回動基盤部２０の底面及び両横軸支持片部２１，２１の外側面（両横軸支持片部の対向面の背側面）を除く部分が覆われている。
【００３７】
回動基盤部２０には、中心の円孔を一方の側縁に向かって延長した形状、即ち一側縁より中央部分にかけてのＵ字形に形成された凹陥部２３が設けられ、この凹陥部２３にアンテナ支持部材１２より突出した導電性の縦軸１３が嵌り込むことによって、回動基盤部２０をアンテナ支持部材１２に対して回転自在且つ抜け止め不能に支持させるようになっている。
【００３８】
両横軸支持片部２１，２１には、ユニバーサルジョイントを構成する横軸１５が挿通される横軸挿通孔２４が形成されている。
【００３９】
絶縁駒２２は、絶縁材により形成され、円盤の外周面の一部を切り欠いて底面を形成した形状になっている。
【００４０】
この円盤状の中心部分に横軸１５が挿通される挿入孔２６が貫通開口されている。
【００４１】
この絶縁駒２２の両側面には、中間軸受金具１４の横軸支持片部２１，２１が嵌合される支持片部嵌合用の凹部２５，２５が形成され、絶縁駒２２の底面には、縦軸１３の先端部分が挿入される抜け止め用穴２２ａが形成されている。
【００４２】
この中間軸受金具１４は、図９に示すように、絶縁駒２２を中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間に挿入すると、該両横軸支持片部２１，２１が凹部２５，２５に嵌り込み、回動基盤部２０の下面及び各横軸支持片部２１，２１の外側面（対向面の背側面）を除いた部分が絶縁駒２２によって覆われるようになっている。
【００４３】
また、絶縁駒２２を中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間に挿入すると、回動基盤部縁部が覆われるとともに、縦軸１３の先端部分が抜け止め用穴２２ａに挿入され、縦軸１３に対する回転基盤部２０の回転半径方向の動きが規制され、抜け止めがなされるようになっている。
【００４４】
この絶縁駒２２を、中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１間に挿入させた状態で、横軸１５を横軸支持片部２１、絶縁駒２２、横軸支持片部２１に貫いて挿通させることによって中間軸受金具１４に対して縦軸軸心方向の抜け止めがなされるようになっている。
【００４５】
アンテナ本体１６は、図１１に示すように、薄長板状の本体部２７と、本体部２７の端部両側縁に突設された互いに対向する一対の平行な軸受片部２８，２８とを導電性のバネ材により一体に形成し、この各軸受片部２８，２８の突端部間を狭めて形成することにより、両軸受片部２８，２８に中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１の外側面を弾性的に挟持することができるようになっている。また、この軸受片部２８には、横軸１５が挿通される挿通孔２９が形成されている。
【００４６】
また、アンテナ本体１６は、両軸受片部２８，２８に中間軸受金具１４の両横軸支持片部２１，２１の外側面を弾性的に挟持させた状態で中間軸受金具１４に横軸１５を回転中心にして回動自在に支持させることによって、中間軸受金具１４に対して電気的に接続されるとともに、軸受片部２８が横軸支持片部２１の外側面に対して好適な導電接触圧と、回動摩擦抵抗を得るようになっており、これによりユニバーサルジョイントを介して縦軸１３に導通されるようになっている。
【００４７】
このアンテナ本体１６の外側には、図１０に示すように、絶縁材からなる一端側が開放した有底筒状の絶縁鞘部材３０を被せ、アンテナ本体１６が外部に露出しないようにしている。
【００４８】
この絶縁鞘部材３０の基端部には、互いに対向する一対の絶縁軸受片部３１，３１が形成され、この絶縁軸受片部３１，３１の中央部には横軸が枢支される横軸貫通孔３２，３２が形成され、この横軸貫通孔３２には、横軸１５の頭部１７が互いに嵌り合う拡径部３３及び抜け止め用の段部３４がそれぞれ形成されている。
【００４９】
尚、アンテナ本体１６に絶縁鞘部材３０を被せると、絶縁軸受片部３１，３１の対向面側にアンテナ本体１６の軸受片部２８，２８が絶縁軸受片部３１の対向面に沿うように配置されるようになっている。
【００５０】
縦軸１３は、先端にフランジ状の抜け止め頭部３６が形成されており、この抜け止め頭部３６は、縦軸１３のアンテナ支持部材からの突出部分の根元部に、回動基盤部２０の凹陥部２３の幅（即ち中心の円孔部の直径）と円環の直径が略同径の環状凹溝３７を形成することにより形成されている。
【００５１】
この環状凹溝３７に凹陥部２３を嵌め込むことによって、回動基盤部の凹陥部２３周縁が抜け止め頭部３６下に当接し、回動基盤部２０を縦軸１３に対して、回転自在且つ軸心方向で抜け止め不能にすることができ、且つ電気的にも接続されるようになっている。
【００５２】
また、この抜け止め頭部３６は、縦軸１３、中間軸受金具１４及び絶縁駒２２を組み込んだ際に、絶縁駒２２の底面に形成された抜け止め用穴２２ａに挿入され、縦軸１３に対する回転基盤部２０の縦軸回転半径方向の抜け止めがなされるようになっている。
【００５３】
尚、図中符号３８は、弾性材からなるＯリングであり、このＯリング３８によって中間軸受金具１４のアンテナ支持部材１２に対する回転動作に抵抗を持たせ、任意の位置で回転を止めることができるようになっている。
【００５４】
この外部アンテナ１１では、回動基盤部の底面が、縦軸１３が突設されたアンテナ支持部材１２の平な表面１２ａによって覆われるようになっており、アンテナ本体１６を覆う絶縁鞘部材３０の絶縁軸受片部３１，３１によりアンテナ本体軸受片部２８，２８の両外面側（両軸受片対向面の背面側）及び中間軸受金具横軸支持片部２１，２１の両外面側（両対向面の背面側）を覆わせるようになっている。
【００５５】
即ち、重なり合って互いに導通されたアンテナ本体軸受け片部２８と中間軸受金具横軸支持片部２１とを金属部が外部に露出しないように絶縁鞘部材３０の絶縁軸受片部３１によって覆うようになっている。
【００５６】
従って、この外部アンテナ１１では、外部に露出した金属部分がなく、静電対策が成されるようになっている。
【００５７】
尚、上述の実施例では、外部アンテナをＰＣカード型の携帯通信装置に適応させた例について説明したが、その他、携帯電話機等の携帯通信装置をはじめ、アンテナを使用する全ての電子機器について適応させることができる。
【００５８】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る着脱式アンテナ装置は、コネクタ装置を介して外部アンテナを着脱自在としているため、単に挿抜するだけで着脱できるようになり、操作が簡単にでき、必要に応じて着脱が可能であるため、これを使用する電子機器に外部アンテナ用のスペースを要せず、電子機器の小型化ができる。
【００５９】
また、コネクタ装置に切り換えスイッチ機構を有するものを使用し、外部アンテナの装着によって、給電回路が内部アンテナから外部アンテナに切り換わるようにしたことにより、必要に応じて内部アンテナと外部アンテナを切り換え使用できることとなり、広範囲の電波事情に対応した送信及び受信が可能となる。
【００６０】
更に、電子機器に対する支持を、給電のためのコネクタ装置による結合の他、アンテナ支持部材と電子機器側の嵌合凹部との嵌合によって受け持たせるようにしたことによって、厚さが５ｍｍ以下程度の薄型の電子機器に対する着脱も装置を損傷させることなく安全に行うことができる。
【００６１】
更に、外部アンテナは、回動基盤部の底面がアンテナ支持部材の平らな表面によって覆われ、横軸支持片部の外側面及びアンテナ本体の軸受片部とが、互いに接触した状態で絶縁鞘部材の絶縁軸受片部によって覆われるので、外部に金属部分を露出させることがなく、見映えが良く、完全な静電対策がなされ、アンテナの小型化も可能となる。
【００６２】
また、縦軸先端にフランジ状の抜け止め頭部を形成するとともに、前記中間軸受金具の回動基盤部に、その一辺側から中央部分にかけてＵ字形の凹陥部を形成し、該凹陥部を前記縦軸の頭部下に嵌合させ、かつ前記絶縁駒によって前記凹陥部に嵌合された縦軸を抜け止めさせることによって、縦軸に対する中間軸受金具の取り付けが容易となり、組み立てを容易に行うことができるとともに、絶縁材を兼ねることとなる部品の数が少なくなる。
【００６３】
更に、縦軸先端の頭部が、アンテナ支持部材からの突出部分の根元部に環状凹溝を形成することによって設けることによって、回転基盤部を好適に縦軸に支持させることができ、回動基盤部を抜け止めする為の部品を他に必要としないので小型化が可能となる。
【００６４】
アンテナ本体の基端部側に一体に設けた両軸受片部に導電性のバネ材を使用し、該両軸受片によって前記中間軸受金具の両横軸支持片部外面側を弾性的に挟持させることにより、中間軸受金具に対してアンテナ本体を回動させた際に、アンテナ本体を任意の位置で回動を止めることができ、アンテナ本体を中間軸受金具に対して好適に電気的接続することができる。
【００６５】
横軸は絶縁材により形成され、一端側にフランジ状の頭部を有するとともに、他端側に先端側を細くしたテーパ部と該テーパ部の基端側に抜け止め用段部を形成し、前記絶縁鞘部材の各絶縁軸受片部の横軸貫通孔に、前記横軸の頭部が嵌り合う拡径部及び抜け止め用係止段部を備えることにより、外部に金属部を露出させることなく中間軸受金具にアンテナ本体を好適に枢支させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る外部アンテナを利用した携帯型通信装置を示す斜視図である。
【図２】 （ａ）は同上の電子機器側の外部アンテナ取り付け部を示す部分縦断面図、（ｂ）は同部分横断面図である。
【図３】 （ａ）は同上のレセプタクル部分の正面図、（ｂ）は同側面図である。
【図４】 同上の回路図である。
【図５】 （ａ）は図１中の外部アンテナを示す平面図、（ｂ）は同側面図である。
【図６】 図５中のＡ−Ａ線断面図である。
【図７】 図６中の横軸を示す平面図である。
【図８】 図６中のユニバーサルジョイントを示す分解斜視図である。
【図９】 （ａ）は中間軸受金具に絶縁駒を挿入した状態を示す側面図、（ｂ）は同縦断面図である。
【図１０】 図１中のアンテナ本体の被覆状態を示す横断面図である。
【図１１】 （ａ）は同上のアンテナ本体を示す平面図、（ｂ）は同側面図である。
【図１２】 図１中のアンテナ支持部材を示す正面図である。
【図１３】 （ａ）は従来の外部アンテナの一例を示す側面図、（ｂ）は同正面図である。
【図１４】 同上の外部アンテナに静電対策を施した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
ａ コモン端子
ｂ バネ製接触片
ｃ ノーマルクローズ端子
ｄ スイッチ片
ｅ アース端子
１０ 電子機器（携帯通信装置）
１１ 外部アンテナ
１２ アンテナ支持部材
１３ 縦軸
１４ 中間軸受金具
１５ 横軸
１６ アンテナ本体
１７ 頭部
１８ テーパ部
１９ 段部
２０ 回動基盤部
２１ 横軸支持片部
２２ 絶縁駒
２２ａ 抜け止め用穴
２３ 凹陥部
２４ 横軸挿通孔
２５ 凹部
２６ 挿通孔
２７ 本体部
２８ 軸受片部
２９ 挿通孔
３０ 絶縁鞘部材
３１ 絶縁軸受片部
３２ 横軸貫通孔
３３ 拡径部
３４ 段部
３５ 接続用部材
３６ 抜け止め頭部
３７ 環状凹溝
３８ Ｏリング
４０ プラグ
４１ アース用外筒
４２ 円筒型挟持バネ
４３ プラグピン
５０ レセプタクル
５１ 回路基板
５２ モールドケース
５３ アーススリーブ
５４ ピン挿入孔
５５ 内部アンテナ
５６ アンテナ給電回路
６０ 嵌合凹部
６１ 係合突起
６２ バネ片
６３ 係合凹部
Claims (6)
- 送信及び／又は受信機能を有する電子機器に対して着脱自在となし、該電子機器のアンテナ給電回路に対してアンテナ本体を、コネクタ装置を介して電気接続させる外部アンテナを備え、
該外部アンテナには、アンテナ支持部材に対して固定され、コネクタ装置のプラグが導通された導電性の縦軸と、該縦軸に対し、これを中心軸として回動自在に取り付けられた導電性の中間軸受金具と、該中間軸受金具に前記縦軸と直交配置に支持させた横軸とからなるユニバーサルジョイントを備え、
前記中間軸受金具に対し、前記横軸を中心軸として回動自在に前記アンテナ本体を取り付けることにより、前記縦軸とアンテナ本体とを前記ユニバーサルジョイントを介して導通させ、
前記中間軸受金具は、平板状の回動基盤部と、該回動基盤部の両縁をそれぞれ同じ側に立ち上がらせた一対の横軸支持片部とを一体に有する断面 U 字形に形成され、
該中間軸受金具の回動基盤部を前記縦軸の先端に回動自在に支持させるとともに、前記両横軸支持片部に前記横軸を貫通させて支持させ、
前記中間軸受金具の両横軸支持片部間に絶縁材からなる中間軸受金具用の絶縁駒を挿入し、該絶縁駒により中間軸受金具の底面及び両横軸支持片部の対向面の背面側を除く部分を覆わせ、
前記アンテナ本体には基端部側に一対の平行な軸受片部を一体に備え、該軸受片部を前記中間軸受金具の両横軸支持片部の対向面の背面側に接触させて前記横軸を中心軸にして回動自在に支持させ、
該アンテナ本体の外側に、絶縁材を持って成形され、一端側が開放した有底筒状の絶縁鞘部材を被せ、該絶縁鞘部材の開放端側に一対の絶縁軸受片部を備え、該絶縁軸受片部を前記横軸により中間軸受金具に枢着させ、該絶縁軸受片部により前記アンテナ本体軸受片部の両軸受片対向面の背面側及び前記中間軸受金具横軸支持片部の両対向面の背面側を覆わせてなる着脱式アンテナ装置。 - 電子機器には、該電子機器と固定配置に内蔵された内部アンテナを有し、コネクタ装置には、前記電子機器側に備えたレセプタクルに対して外部アンテナ側に備えたプラグを結合させることによって、アンテナ給電回路が前記内部アンテナから外部アンテナのアンテナ本体に切り換え接続される切り換えスイッチを備え、前記アンテナ給電回路に内部アンテナを常時接続状態としておき、前記プラグの挿し込みによってアンテナ給電回路に対する内部アンテナの接続をＯＦＦとするとともに前記外部アンテナの接続をＯＮとするようにしてなる請求項１に記載の着脱式アンテナ装置。
- 外部アンテナにはその基端部に、絶縁材からなるアンテナ支持部材を備え、該アンテナ支持部材にコネクタ装置のプラグを支持させ、かつ電子機器側には、前記アンテナ支持部材を嵌合して支持する嵌合凹部を備え、前記コネクタ装置の嵌合と、前記嵌合凹部に対するアンテナ支持部材の嵌合によって外部アンテナを前記電子機器に対して支持させるようにしてなる請求項１又は２に記載の着脱式アンテナ装置。
- 嵌合凹部内面には、該嵌合凹部内に嵌合されるアンテナ支持部材の側面を押圧する係止突起が突出方向に付勢されて備えられ、前記アンテナ支持部材の側面には前記係止突起が嵌り合う係合凹部を備えてなる請求項３に記載の着脱式アンテナ装置。
- 前記縦軸の先端をアンテナ支持部材の平らな表面に突出させて固定し、該縦軸の先端にフランジ状の抜け止め頭部を形成するとともに、前記中間軸受金具の回動基盤部に、その一辺側から中央部分にかけてＵ字形の凹陥部を形成し、該凹陥部を前記縦軸の頭部下に嵌合させ、かつ前記絶縁駒によって前記凹陥部に嵌合された縦軸を抜け止めさせてなる請求項 1 に記載の着脱式アンテナ装置。
- アンテナ本体の基端部側に一体に設けた両軸受片部に導電性のバネ材を使用し、該両軸受片によって前記中間軸受金具の両横軸支持片部外面側を弾性的に挟持させることにより導電接触圧及び回動摩擦抵抗を持たせてなる請求項１又は５に記載の着脱式アンテナ装置。
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