JP3789190B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技媒体として弾球等を用いて遊技するパチンコ機,ピンボールゲーム機,スマートボールゲーム機といった弾球遊技機や、遊技媒体としてメダル等を用いて遊技するスロットマシンといった遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機としては、例えば、図3(a)の正面図に示すパチンコ機1がある。
【0003】
上皿2に貯まったパチンコ球は遊技者がハンドル3を回動操作することにより、遊技盤4内に発射される。遊技盤4内に打ち込まれたパチンコ球は障害釘に弾かれながら流下し、遊技盤4の下方に設けられたアウト口から回収される。盤面を流下する途中に入賞口にパチンコ球が入った場合には、所定個数のパチンコ球が賞球として上皿2に払い出される。
【0004】
また、パチンコ機1の機種により、始動口にパチンコ球が入賞すると、遊技盤4の中央部に設けられた可変表示装置が回転し、種々のシンボルが可変表示される。この可変表示装置の停止時に所定のシンボルの組み合わせが表示された場合には大当たりが発生し、変動入賞装置(アタッカ)が開く。この変動入賞装置は所定時間の経過または所定個数のパチンコ球が入賞するまで開き続けるため、多量のパチンコ球が賞球として払い出される。
【0005】
パチンコ球が上皿2に満杯に貯まると、余剰球は上皿2の裏側に設けられた球通路を通って下皿5に排出され、この下皿5に貯留される。また、上皿2に設けられた球抜きレバー6をスライドさせることにより、遊技者は上皿2にあるパチンコ球をいつでも下皿5に移すことが出来る。
【0006】
同図(b)はこの下皿5を示す斜視図である。下皿5の底部中央には球抜き穴5aが形成されており、球抜きレバー7をスライドさせることにより、この球抜き穴5aは開口する。また、この球抜きレバー7にはストッパ機構が設けられている。このストッパ機構は、球抜きレバー7をスライドした状態に保持し、球抜き穴5aを開口したままの状態にする。
【0007】
上述した大当たりが発生すると、上皿2および下皿5は直ぐに満杯となる。このため、遊技者は下皿5の球抜きレバー7をスライドさせ、下皿5に貯留されたパチンコ球を球抜き穴5aを通してドル箱8に移動させる。下皿5の下方に置かれたこのドル箱8はパチンコ球を収納して持ち運ぶことが出来る。この際、上記のストッパ機構によって球抜き穴5aを開口したままの状態にすると、下皿5に貯まった遊技球はドル箱8へ自動的に移っていく。
【0008】
また、従来、図4の斜視図に示すスロットマシン11もある。
【0009】
このスロットマシン11では、投入口12にメダルが投入された後、遊技者によってスタートレバー13が操作されると、各リール14が回転し出す。引き続いて遊技者によって各ストップボタン15が押圧操作されると、その操作タイミングに応じて各リール14の回転が停止する。この停止時に各窓16に表示されるシンボルの組み合わせにより、入賞が発生する。入賞時にはその入賞態様に応じた枚数のメダルが払出口17から払い出され、コイン受け皿18に貯められる。
【0010】
スロットマシン11の機種によっては、各リール14の停止時に例えば「7,7,7」等の所定のシンボルの組み合わせが得られると、ビッグボーナスゲームといった大当たり状態が発生する。この大当たり状態では多量のメダルが短時間に払出口17から払い出され、コイン受け皿18に貯留される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のパチンコ機1では、下皿5の操作レバー7をスライドさせたままの状態で前の遊技客が帰ってしまい、次の遊技客が、ストッパ機構が働いて球抜き穴5aが開口したままの状態であることに気付かない場合がある。球抜き穴5aが開口したままの状態であるか否かは、一見して確認しずらい。球抜き穴5aがこのように開口したままの状態で次の遊技客が遊技を行い、上皿2にある球を下皿5に落とすと、遊技球は全て開口した球抜き穴5aからこぼれていってしまう。
【0012】
パチンコ機1の機種によっては下皿5にこのようなストッパ機構を備えていないものもある。しかし、このストッパ機構が無いと、下皿5から球を抜いている最中、遊技者はずっと操作レバー7を押さえていなければならず、煩わしい。
【0013】
また、上記従来のスロットマシン11では、コイントレイ18にメダルが一杯に貯まると、その都度、遊技者はトレイ18内のメダルを手で取り出し、これをドル箱に移す作業が必要とされる。獲得したメダルをこのように手で取り出してドル箱に移す作業は、遊技者にとって煩わしかった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、入賞に応じて遊技者に払い出される遊技媒体を貯留する遊技媒体受け皿を備えた遊技機において、上記遊技媒体受け皿は、皿底部の周囲を囲む側壁の一部および皿底部の一部を形成し,機器外方に向けて摺動自在に設けられ,機器外方に摺動されると機器外方へ突出するスライド部と、このスライド部が形成する皿底部の一部によって覆われ,スライド部が機器外方に摺動すると開口する,皿底部に形成された穴とを備えて構成されていることを特徴とする。また、上記スライド部は、皿底部の周囲を囲む側壁の一部および上記スライド部が形成する皿底部の一部が略L字状を呈し、機器外方へ摺動されると、皿底部の周囲を囲む側壁の一部が機器外方へ突出することを特徴とする。
【0015】
また、上記スライド部を機器内方に向けて付勢し,上記スライド部が形成する皿底部の一部によって上記穴を覆う付勢手段と、上記スライド部が機器外方に摺動されて上記穴が開口した状態になると皿底部に設けられた段差に上記スライド部を落ち込ませて,上記付勢手段に抗して上記穴が開口している状態に上記スライド部を保持するロック機構とを備えていることを特徴とする。
【0016】
また、上記スライド部を摺動させる際に触られる操作部の表面が軟性を持って形成されていることを特徴とする。また、上記操作部の表面には、イボ状の小突起が多数設けられていることを特徴とする。
【0017】
このように遊技媒体受け皿がスライド部と穴とを備えて構成されることにより、遊技媒体受け皿に貯留された遊技媒体は、スライド部が機器外方に摺動されて受け皿から抜かれる。この際、スライド部は機器外方に突出するため、機器外方に摺動したスライド部は一見して遊技者に視認される。
【0018】
また、遊技媒体受け皿に付勢手段を設けることにより、機器外方に摺動したスライド部は手を離すことにより機器内方に自動的に戻る。また、ロック機構を設けてこれを作動させることにより、機器外方に摺動したスライド部はそのままの状態を保持し、皿底部の穴が開口したままの状態になる。
【0019】
また、スライド部の操作部の表面が軟性を持って形成されていると、遊技者は操作部の手触りの変化を楽しめる。また、操作部の表面にイボ状の小突起が多数設けられていると、遊技者の指や手のひら等が当たることによりこれら各部位がマッサージされる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技機を前述したパチンコ機に適用した一実施形態について説明する。
【0021】
図1は本実施形態によるパチンコ機の下皿部分を拡大して示す斜視図である。本実施形態におけるパチンコ機も、従来と同様、下皿21の上方には前述した上皿2がある。これら上皿2および下皿21は、パチンコ機の前面で上下方向に配置されており、入賞が生じた場合に遊技者に払い出されるパチンコ球を貯留する。
【0022】
本実施形態によるパチンコ機の下皿21はABS樹脂からなり、本体前部に設けられたスライド部22と、皿底部に形成された球抜き穴23とを備えて構成されている。なお、球を貯留する容器部に隣接して金属製の灰皿24が設けられており、遊技客のタバコの灰がこの灰皿24に捨てられる。
【0023】
スライド部22は略L字状をしており、皿底部の周囲を囲む側壁の一部22aおよび皿底部の一部22bを形成している。また、スライド部22は機器外方、つまり同図に矢印Aで示す遊技者の手前側に向けて摺動自在に設けられている。このスライド部22を摺動させる際に遊技者によって触られる操作部22cの表面はラバーコーティングされており、硬いABS樹脂からなるスライド部22の表面は軟性を持って形成されている。
【0024】
さらにこのラバーコーティングの表面には、イボ状の小突起22dが多数設けられている。また、ラバーコーティングの表面に描かれた三角マーク25は、スライド部22を引っ張る方向を遊技者に示している。
【0025】
球抜き穴23は、通常同図(a)に示すように、スライド部22が形成する皿底部の一部22bによって覆われている。スライド部22が遊技者の手前側に引っ張られ、スライド部22が機器外方に摺動すると、球抜き穴23は同図(b)に示すように開口する。この際、スライド部22は、一段落ち込んで球抜き穴23が開口した皿底部26の表面を摺動する。
【0026】
また、下皿21には図示しない付勢手段およびロック機構が設けられている。この付勢手段は、スライド部22を機器内方に向けて付勢するバネからなり、スライド部22が形成する皿底部の一部22bによって球抜き穴23を覆う。また、ロック機構は、この付勢手段に抗し、スライド部22を球抜き穴23が開口している状態に保持する。このようなロック機構は、例えば、スライド部22がある位置まで前部へ出ると、スライド部22が落ち込んでロックされる段差を皿底部26に形成することにより、構成することが出来る。
【0027】
このように下皿21が上述したスライド部22と球抜き穴23とを備えて構成されることにより、下皿21に貯留されたパチンコ球は、ドル箱等に移す際、スライド部22が遊技者の手前側に摺動されて球抜き穴23から抜かれる。この際、スライド部22はパチンコ機の手前側に突出するため、機器外方に摺動したこのスライド部22は一見して遊技者に視認される。
【0028】
従って、前の遊技客がスライド部22をパチンコ機の手前側に引っ張ったままの状態で帰っても、次の遊技客は一見してこの状態を把握することが出来る。このため、次の遊技客は必ずスライド部22を機器内方に摺動させ、皿底部の球抜き穴23を閉じてから遊技を行う。よって、従来のように、下皿の球抜き穴が開いたままの状態になっていることに気付かず、遊技者が上皿から下皿にパチンコ球を移し、開口した球抜き穴からパチンコ球がこぼれ出てしまうといったことはなくなる。
【0029】
また、本実施形態による下皿21によれば、玉抜き操作自体を楽に行うことが出来る。つまり、従来の玉抜き操作は指先でレバーをスライド操作するため、指1本に力がかかっていた。しかし、本実施形態における玉抜き操作は指全体でスライド部22を操作するため、1本の指先に大きな力がかかることなく、楽に操作することが出来る。
【0030】
また、下皿21に上述した付勢手段を設けることにより、手前側に摺動したスライド部22は手を離すことにより、元の奥の方に自動的に戻る。また、ロック機構を設けてこれを作動させることにより、手前側に引っ張られたスライド部22はそのままの状態を保持し、球抜き穴23が開口したままの状態になる。従って、本実施形態による下皿21にも、従来のストッパ付き下皿と同等な機能を持たせることが出来、下皿21の使い勝手を良くすることが出来る。
【0031】
また、本実施形態では、スライド部22の操作部22cの表面がラバーコーティングされ、柔らかい表面処理が施されている。このため、操作部22cの手触りが良くなっている。従って遊技者は、硬いABS樹脂とは異なる、操作部22cのこの柔らかい手触りを楽しむことが出来る。また、スライド部22を操作する際、操作部22cの表面に突出する小突起22dに遊技者の指や手のひら等が当たることにより、これら各部位がマッサージされる。
【0032】
なお、上記実施形態では本発明をパチンコ機に適用した場合について説明したが、他の弾球遊技機やスロットマシンにおける遊技媒体受け皿にも同様に適用することが出来る。
【0033】
例えば、図4に示す従来のスロットマシン11のコイン受け皿18に本発明を適用した場合には、図2に示すスロットマシン31のように、コイン受け皿32の側壁および皿底部に上述したスライド部33を形成し、また、皿底部に上述したコイン抜き穴を形成する。なお、図2において図4と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。スロットマシン31にこのようなコイン受け皿32が構成されることにより、コイン受け皿32に貯留されたメダルは、スライド部33を手前側に引っ張るだけで簡単にドル箱34に移される。よって、コイン受け皿32に貯まったメダルを手で掻き出す従来の煩わしさは無くなる。
【0034】
また、コイン受け皿32に貯留されたメダルを、ドル箱34ではなく、膳板35の下部に構成された個別計数機36に直接流すことも可能である。この場合には点線で示す移動部35aを膳板35に形成し、個別計数機36にメダルを移す際、移動部35aを手前に引っ張る。移動部35aが手前に引っ張られると、個別計数機36の球受け部が開口し、個別計数機36の受け入れの準備が整う。個別計数機36は受け入れたメダルの枚数を計数する。
【0035】
コイン受け皿32に貯留したメダルを一旦ドル箱34に移す構成においては、ドル箱34内に収納されたメダルを計数機に移し換え、メダル枚数を計数する必要がある。しかし、コイン受け皿32に貯留したメダルを直接個別計数機36に流す上記構成をとることにより、メダルを移し換える手間が省ける。
【0036】
また、スロットマシン31が載置される取り付け台37を遊技機島の遊技機設置台とし、多数のスロットマシン31をこの取り付け台37上に隣接させて配置することにより、パチンコホール等に設置されるスロットマシンにも本発明を同様に適用することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、遊技媒体受け皿に貯留された遊技媒体は、スライド部が機器外方に摺動されて受け皿から抜かれる。この際、スライド部は機器外方に突出するため、機器外方に摺動したスライド部は一見して遊技者に視認される。
【0038】
従って、前の遊技客がスライド部を機器外方に摺動したままの状態で帰っても、次の遊技客は一見してこの状態を把握することが出来る。このため、次の遊技客は必ずスライド部を機器内方に摺動させ、皿底部の穴を閉じてから遊技を行う。よって、球抜き穴が開いたままの状態に気付かず、球抜き穴から遊技媒体がこぼれ出てしまう従来の不都合は解消される。
【0039】
また、遊技媒体受け皿に付勢手段を設けることにより、機器外方に摺動したスライド部は手を離すことにより機器内方に自動的に戻る。また、ロック機構を設けることにより、機器外方に摺動したスライド部はそのままの状態を保持し、皿底部の穴が開口したままの状態になる。従って、この付勢手段およびロック機構を遊技媒体受け皿に設けることにより、遊技媒体受け皿の使い勝手は向上する。
【0040】
また、スライド部の操作部の表面が軟性を持って形成されていると、遊技者は操作部の手触りの変化を楽しめる。従って、遊技機による遊技の興趣も高められる。また、操作部の表面にイボ状の小突起が多数設けられていると、遊技者の指や手のひら等が当たることによりこれら各部位がマッサージされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるパチンコ機の下皿部の構成を示す一部拡大斜視図である。
【図2】本発明をスロットマシンに適用した他の実施形態を示す斜視図である。
【図3】従来のパチンコ機の正面およびその下皿部を示す図である。
【図4】従来のスロットマシンの斜視図である。
【符号の説明】
21…下皿
22…スライド部
22a…側壁の一部
22b…皿底部の一部
22c…操作部
22d…イボ状小突起
23…球抜き穴
24…灰皿
25…三角マーク
26…球抜き穴23が形成された皿底部
Claims (6)
- 入賞に応じて遊技者に払い出される遊技媒体を貯留する遊技媒体受け皿を備えた遊技機において、
前記遊技媒体受け皿は、皿底部の周囲を囲む側壁の一部および皿底部の一部を形成し,機器外方に向けて摺動自在に設けられ,機器外方に摺動されると機器外方へ突出するスライド部と、このスライド部が形成する皿底部の一部によって覆われ,前記スライド部が機器外方に摺動すると開口する,皿底部に形成された穴とを備えて構成されていることを特徴とする遊技機。 - 前記スライド部は、皿底部の周囲を囲む側壁の一部および前記スライド部が形成する皿底部の一部が略L字状を呈し、機器外方へ摺動されると、皿底部の周囲を囲む側壁の一部が機器外方へ突出することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記スライド部を機器内方に向けて付勢し,前記スライド部が形成する皿底部の一部によって前記穴を覆う付勢手段と、前記スライド部が機器外方に摺動されて前記穴が開口した状態になると皿底部に設けられた段差に前記スライド部を落ち込ませて,前記付勢手段に抗して前記穴が開口している状態に前記スライド部を保持するロック機構とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
- 前記スライド部を摺動させる際に触られる操作部の表面が軟性を持って形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機。
- 前記操作部の表面には、イボ状の小突起が多数設けられていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
- 前記遊技機は弾球遊技機またはスロットマシンであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載した遊技機。
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JPH10230065A JPH10230065A (ja) | 1998-09-02 |
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Family Applications (1)
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JP05088797A Expired - Lifetime JP3789190B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 遊技機 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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JP5712394B2 (ja) * | 2011-01-26 | 2015-05-07 | 株式会社Mrd | 遊技機の球皿構造 |
-
1997
- 1997-02-19 JP JP05088797A patent/JP3789190B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH10230065A (ja) | 1998-09-02 |
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