JP3756433B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技球の入賞に対して賞球を払い出す遊技機に関し、特に、払出を受けた遊技球を蓄え発射装置へ案内するための上皿と、賞球を蓄えるための下皿とを備える遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機では、遊技盤に設けられた入賞口への入賞により、賞球(遊技球)が上皿賞球排出口から払い出され、上皿に蓄えられる。上皿に蓄えられた遊技球は、発射装置へ案内され、遊技盤へ打ち出されるようになっている。賞球が払い出される際に、上皿に球が満杯になっていると、賞球は遊技機の内部側から下皿へ自動的に誘導されるように構成されている。
【0003】
現在、球貸し機は、遊技機と遊技機との間、即ち、遊技機に隣接して配置され、該球貸し機に現金を入れると、球貸し機に備えられた誘導樋を介して、投入金額に対応する数の遊技球が上皿へ送られるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上皿に遊技球が蓄えられていない状態において、賞球が勢いよく払い出されると、即ち、賞球が上皿に蓄えられた遊技球に当たることなく直接上皿内部の側壁に当たると、側壁を飛び越えて島設備の受け台や、ホールの床上にこぼれ落ちることがあった。一方、大当たりが発生し、大量の賞球が払い出された際に、内部での下皿への誘導が適切に行い得ず、賞球が上皿から溢れてしまうこともあった。
【0005】
更に、上皿に少し遊技球が残っている状態で、遊技者が球貸し機に500円硬貨を投入すると、上皿が一杯になり、誘導樋を介して送られた遊技球が上皿から零れ落ちることがあった。上皿から球が零れ落ちると、当該遊技機の遊技者に取って損失であると共に、他の遊技者にとってもホール内を歩行する際の障害となる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、上皿からの球零れを防止し得る遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段・効果】
【0012】
請求項1では、払出を受けた遊技球を蓄え発射装置へ案内するための上皿を備える遊技機であって、
前記上皿の上部開口を覆う零れ球防止板を、開放状態において前記上皿側へ傾くよう開閉可能に前記上皿の遊技者側の側壁に軸支して配置したことを技術的特徴とする。
【0013】
請求項1では、零れ球防止板を、開閉可能に軸支して配置したため、上皿から遊技球が零れるのを防止できる。また、零れ球防止板を上皿に軸支して開閉可能に設けてあるため、零れ球防止板を開くことで、容易に上皿から遊技球を取り出し、上皿へ遊技球を加えることができ、一方、球詰まりが発生しても簡単に直すことができる。更に、開放状態で零れ球防止板が上皿側に傾くようにする事で、上皿に遊技球を加える際に手を添え易い。
【0016】
請求項2では、前記零れ球防止板を内部が視認可能な樹脂で形成してあるため、上皿に貯まった遊技球の状態を視認することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機の実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態のパチンコ機の主要構成について、本実施形態のパチンコ機を正面から見た説明図である図1を参照して説明する。
【0022】
パチンコ機10には、内枠11が開閉可能に備えられており、その内枠11には、金枠12が開閉可能に取付けられており、さらに金枠12には、ガラス枠46が開閉可能に取付けられている。ガラス枠46の裏面側には、遊技盤13が配置されている。内枠11の右側には、ガラス枠46開閉用の鍵を差し込む鍵穴15を備えた鍵穴飾り16が設けられている。
【0023】
ガラス枠46の下には、前面板18が設けられており、この前面板18の左側上部には、賞球が導出される上皿賞球排出口19が形成されており、この上皿賞球排出口19の排出側には、その上皿賞球排出口19から排出された賞球を溜めておくための上皿20が取り付けられている。上皿20の下方には、その上皿20で収容しきれなくなった賞球を排出するための下皿賞球排出口31が形成されており、この下皿賞球排出口31の排出側には、その下皿賞球排出口31から排出された賞球を溜めておくための下皿32が設けられている。
【0024】
下皿32の右方には、上皿20から供給された遊技球を遊技盤13へ発射する発射モータ(図示せず)を操作するための発射ハンドル43が、回転可能に取付けられており、その発射ハンドル43には、発射途中で発射を停止するための発射停止ボタン44が設けられている。また、上皿20の右方には、上皿20に溜められた賞球を下皿32へ抜くための上皿球抜きレバー28がスライド可能に取付けられている。
【0025】
図2(A)は、図1中に示す上皿20の上面図であり、図3(A)、図3(B)は斜視図である。上皿20の上部開口20aには、零れ球防止板22が配置されている。零れ球防止板22の平面図を図2(B)に、底面図を図2(C)に、側面図を図2(D)に示す。第1実施形態の零れ球防止板22は、スライド式の扉板24と本体板26とから構成されている。扉板24及び本体板26は、共に透明な合成樹脂で形成されている。扉板24の上部には、つまみ24aが取り付けられている。本体板26の裏面には、図2(C)に示すように遊技球を整列させるための凸状のリブ26aが、遊技球の案内方向(流下方向)と平行に複数設けられている。
【0026】
図3は、パチンコ機の上皿の斜視図であり、(A)は零れ球防止板22の扉板24の開状態を、(B)は扉板24の閉状態を示している。零れ球防止板22の本体板26は、上皿20の遊技者側の側壁20b及び本体側の側壁20cに固定されている。一方、扉板24は、遊技者側の側壁20b及び本体側の側壁20cに設けられた案内溝20dにより摺動可能に支持されている。即ち、つまみ24aを把持し、図3(A)中に示すように扉板24を右側へ摺動させることで、上皿20の上部を開口することができ、反対に、図3(B)に示すように、左側へ摺動させることで、上皿20の上部開口20aを覆うことができる。
【0027】
第1実施形態では、上皿20の上部開口20aに零れ球防止板22を配置したため、上皿20から遊技球が零れるのを防止できる。また、零れ球防止板22に扉板24を設けてあるため、図3(A)に示すように扉板24を開けることで、容易に上皿20から遊技球を取り出し、上皿20へ遊技球を加えることができ、一方、球詰まりが発生しても簡単に直すことができる。
【0028】
また、零れ球防止板22は、上皿20の上部開口20aの一部を覆うように配置、即ち、上皿20の上部開口20a全体を覆わない部分を設けてあるため、遊技球の零れを防止する部位にのみ零れ球防止板22を配置できる。
【0029】
更に、扉板24は、上皿20の内側の側壁20b、20cに設けられた案内溝20dによって摺動可能に保持される。このため、扉板24を容易に開閉することができる。
【0030】
零れ球防止板を構成する扉板24及び本体板26を、内部が視認可能な透明な合成樹脂で形成してあるため、上皿20に貯まった遊技球の状態を視認することができる。
【0031】
また更に、図2(C)に示すように本体板26の裏面側に、遊技球を整列させるための凸状のリブ26aを、遊技球の案内方向と平行に複数設てあるため、上皿内での球詰まりを防止できる。なお、扉板24側にもリブを設けることもできる。
【0032】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について図4を参照して説明する。第2実施形態のパチンコ機は、図1を参照して上述した第1実施形態に係るパチンコ機と同様に構成されている。但し、第1実施形態では、零れ球防止板22が扉板24を備えたのに対して、第2実施形態では、零れ球防止板22自体が開閉する構成になっている。該零れ球防止板22は、第1実施形態と同様に透明な合成樹脂により形成されている。
【0033】
図4(A)は、第2実施形態の零れ球防止板22の平面図を、図4(B)は、上皿の斜視図であって、零れ球防止板22を閉じた状態を、4(C)は、零れ球防止板22を開いた状態を示している。
【0034】
図4(A)に示すように、零れ球防止板22の上端部には、つまみ22aが取り付けられており、左右の側部には、零れ球防止板22を回動させるための支軸22bが形成されている。図4(B)に示すように、上皿20の遊技者側の側壁20bには、上皿内部に向かって傾斜のついた凹部20eが設けられ、凹部20eの側部には、図4(A)に示す零れ球防止板22の支軸22bを嵌入するための図示しない嵌入孔が形成されている。
【0035】
図4(C)に示すように、上皿の本体側の側壁20cには、零れ球防止板22の端部と当接し、該零れ球防止板22を位置決めするための凸部20fが形成されている。また、零れ球防止板22の裏面に、第1実施形態と同様に遊技球を整列させるための凸状のリブ22cが、遊技球の案内方向(流下方向)と平行に複数設けられている。
【0036】
零れ球防止板22は、図4(C)に示す開放状態において、上皿20側へ傾くように取り付けられている。このため、上皿20から遊技球を取り出し、また、上皿20へ遊技球を加える際に手が添えやすくなっている。
【0037】
第2実施形態では、上皿20の上部開口20aに零れ球防止板22を配置したため、上皿20から遊技球が零れるのを防止できる。また、零れ球防止板22を上皿20に軸支して開閉可能に設けてあるため、零れ球防止板22を開くことで、容易に上皿から遊技球を取り出し、上皿へ遊技球を加えることができ、一方、球詰まりが発生しても簡単に直すことができる。
【0038】
[第3実施形態]
引き続き、本発明の第3実施形態に係るパチンコ機について図5を参照して説明する。第3実施形態のパチンコ機は、図4を参照して上述した第2実施形態に係るパチンコ機と同様に構成されている。但し、第2実施形態では、零れ球防止板22が開閉する構成になっていたのに対して、第3実施形態では、零れ球防止板22がパチンコ機本体側に収容可能に構成されている。該零れ球防止板22は、第1、第2実施形態と同様に透明な合成樹脂により形成されている。
【0039】
図5(A)は、第3実施形態の零れ球防止板22の斜視図を、図5(B)は、上皿の斜視図であって、零れ球防止板22を本体側へ収容した状態を、図5(C)は、零れ球防止板22を閉じた状態を示している。
【0040】
図5(A)に示すように、零れ球防止板22の上部には、つまみ22aが取り付けられており、端部には零れ球防止板の脱落防止用のフランジ形状から成る規制部22dが形成されている。
【0041】
図5(B)、図5(C)に示すように、上皿20の本体側の側壁20cには、零れ球防止板22を摺動させるスリット状の収納口(開口)20gが設けられている。零れ球防止板22は、図5(B)に示す本体側に収容した状態で、つまみ22aが上皿20の本体側側壁20cに当接する。一方、図5(C)に示すように、最大まで引き出された状態で、零れ球防止板22の先端部が上皿の遊技者側の側壁20bに当接すると共に、零れ球防止板の後端の規制部22dが、本体側の側壁20cの内側(図示せず)に当接するように構成されている。なお、図示しないが、零れ球防止板22の裏面には、遊技球を整列させるための凸状のリブを遊技球の案内方向(流下方向)と平行に複数設てある。
【0042】
第3実施形態では、図5(B)に示す零れ球防止板22を収容した状態でも、また、図5(c)に示す上皿の上部開口20aを零れ球防止板22が覆った状態のいずれでも遊技ができる。このため、不要と考える遊技者は、零れ球防止板22を本体側へ収容させ、目に付かない状態で遊技することが可能である。
【0043】
第3実施形態では、上皿20の上部開口20aに零れ球防止板22を配置したため、上皿20から遊技球が零れるのを防止できる。また、零れ球防止板22を本体内へ収容可能に設けてあるため、零れ球防止板22を収容することで、容易に上皿から遊技球を取り出し、上皿へ遊技球を加えることができ、一方、球詰まりが発生しても簡単に直すことができる。
【0044】
[第4実施形態]
引き続き、本発明の第4実施形態に係るパチンコ機について図6を参照して説明する。図6(A)は、第4実施形態のパチンコ機の上皿の上面図であり、図6(B)は上皿の斜視図である。第4実施形態のパチンコ機は、図3を参照して上述した第1実施形態に係るパチンコ機と同様に、零れ球防止板22が、スライド式の扉板24と本体板26とから構成されている。但し、第4実施形態では、扉板24の端部に挿入口24bが設けられている。挿入口24bには、図6(B)に示すよう現金球貸し機60から遊技球を上皿へ誘導する誘導樋62が挿入される。なお、図示しないが、第1実施形態と同様に、本体板26の裏面には、遊技球を整列させるための凸状のリブが、遊技球の案内方向(流下方向)と平行に複数設けられている。
【0045】
現金球貸し機60は、投入された金額(例えば、100円、500円硬貨、1000円紙幣)に対応する個数の遊技球を誘導樋62を介してパチンコ機の上皿20へ送り出す。第4実施形態では、零れ球防止板22に、現金球貸し機60の誘導樋62と連通し得る開口(挿入口)24bを設けてあるため、球貸し機60からの遊技球を、例えば、上皿20に球が残っている状態で500円硬貨が投入されても、また、1000円紙幣が投入されても、上皿20から溢れさせることがない。
【0046】
[第5実施形態]
引き続き、本発明の第5実施形態に係るパチンコ機について図7を参照して説明する。図7(A)は、第5実施形態のパチンコ機の上皿の斜視図であり、図7(B)は上皿の上面図である。図6を参照して上述した第4実施形態は、現金球貸し機が隣接して配置されるいわゆる現金機を対象とした。これに対して、第5実施形態は、カード球貸し機が隣接して配置されるカード機を対象としている。係るカード機では、貸し球は、パチンコ機内部から賞球と同様に上皿賞球排出口19を介して上皿20へ直接供給される。
【0047】
第5実施形態のパチンコ機では、上皿賞球排出口19の開口部直上にのみ零れ球防止板22が配置されている。即ち、上皿賞球排出口19の開口部直上に零れ球防止板22を配置したため、カード球貸し機(図示せず)を操作して貸し出される遊技球が、上皿賞球排出口19から上皿20へ供給され側壁20bに衝突した際、また、賞球として上皿賞球排出口19から排出される遊技球が、上皿20の遊技者側の側壁20bに衝突した際にも、上皿20から零れさせることがない。また、上皿賞球排出口19口の開口部直上にのみ零れ球防止板22を配置してあるため、遊技球を上皿から取り出し、また、上皿へ供給することができるため、閉機構等を設ける必要がなく廉価に構成することができる。更に、この第5実施形態では、零れ球防止板22を透明にしなくとも、上皿20内の遊技球の状態を確認することができるため、上皿20と同色の非樹脂で形成することで見栄えを高めることができる。なお、非透明に構成した場合には、遊技球にコートされた油脂が零れ球防止板22の裏面に付着しても、汚れが目立たない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】(A)は図1に示すパチンコ機の上皿の上面図であり、(B)は上皿の上部開口に配置された零れ球防止板の平面図であり、(C)は零れ球防止板の底面図であり、(D)は零れ球防止板の側面図である。
【図3】図1に示すパチンコ機の上皿の斜視図であり、(A)は零れ球防止板の扉板の開状態を、(B)は扉板の閉状態を示している。
【図4】(A)は、第2実施形態の零れ球防止板の平面図を、(B)は、第2実施形態の上皿の斜視図であって、零れ球防止板を閉じた状態を、(C)は、零れ球防止板を開いた状態を示している。
【図5】(A)は、第3実施形態の零れ球防止板の斜視図を、(B)は、第3実施形態の上皿の斜視図であって、零れ球防止板を収容した状態を、(C)は、零れ球防止板を閉じた状態を示している。
【図6】(A)は、第4実施形態のパチンコ機の上皿の上面図であり、(B)は、上皿の斜視図である。
【図7】(A)は、第5実施形態のパチンコ機の上皿の斜視図であり、(B)は、上皿の上面図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機
13 遊技盤
19 上皿賞球排出口
20 上皿
20a 上部開口
20b 側壁
20c 側壁
20d 案内溝
20e 凹部
20f 凸部
20g 収納口(開口)
22 零れ球防止板
22a つまみ
22b 支軸
22c リブ
22d 規制部
24 扉板(扉)
24a つまみ
24b 挿入口(開口)
26 本体板
26a リブ
28 球抜きレバー
31 下皿賞球排出口
32 下皿
60 現金球貸し機
62 誘導樋
Claims (2)
- 払出を受けた遊技球を蓄え発射装置へ案内するための上皿を備える遊技機であって、
前記上皿の上部開口を覆う零れ球防止板を、開放状態において前記上皿側へ傾くよう開閉可能に前記上皿の遊技者側の側壁に軸支して配置したことを特徴とする遊技機。 - 前記零れ球防止板を内部が視認可能な樹脂で形成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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