[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図10を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。また、図8は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図10はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図9及び図10等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面右下隅に取付けられており遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられており遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて遊技者に参加型の演出を提示することが可能な演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも上側の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861及び満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図9及び図10等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿321に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドル302を回転操作すると、球発射装置680によってハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿321に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿321内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図11乃至図16を参照して説明する。図11はパチンコ機における外枠の正面図であり、図12は外枠の右側面図である。また、図13は外枠を前から見た斜視図であり、図14は外枠を後ろから見た斜視図である。図15は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図16(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を、左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図16(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図16に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図18を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図18を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部21内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30及び右枠部材40に夫々固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に夫々固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図17及び図18を参照して説明する。図17(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図18は、外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体66aの前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック本体66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方延出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について説明する。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上っている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、左排出孔52、及び右排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図30を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の右側面図であり、図21は扉枠の左側面図であり、図22は扉枠の背面図である。図23は扉枠を右前から見た斜視図であり、図24は扉枠を左前から見た斜視図であり、図25は扉枠を後ろから見た斜視図である。図26は図19におけるA−A線で切断した断面図であり、図27は図19におけるB−B線で切断した断面図であり、図28は図19におけるC−C線で切断した断面図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、図29及び図30等に示すように、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられている演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、詳細は後述するが、正面視の外形が上下に延びた長方形(四角形)で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられ開閉可能とされている扉枠3と本体枠4、及び本体枠4と外枠2との間を施錠するための開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ遊技球を球発射装置680に送るための球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ球発射装置680により発射されて遊技領域5a内に到達しなかった遊技球を受けて下皿322へ排出させるファールカバーユニット270と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット300は、詳細は後述するが、回転可能なハンドル302を遊技者が回転操作することで、上皿321内に貯留されている遊技球を、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
扉枠3の皿ユニット320は、詳細は後述するが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出していると共に、左右方向中央の前端に演出操作ユニット400が取付けられる。皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、上皿321に貯留されている遊技球を下皿322へ抜くための上皿球抜きボタン327と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタン328と、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタン329と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部330と、演出提示時に遊技者の操作が受付可能とされている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322内の遊技球を皿ユニット320の下方へ排出するための下皿球抜きボタン333と、を備えている。
扉枠3の演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。この演出操作ユニット400は、詳細は後述するが、遊技者が操作可能な大型の操作ボタン410と、操作ボタン410内に遊技者側から視認可能に配置され演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
扉枠3の扉枠左サイドユニット530は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の左外側を装飾するものである。扉枠左サイドユニット530は、発光装飾可能な左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)を備えている。
扉枠3の扉枠右サイドユニット550は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の右外側を装飾するものである。この扉枠右サイドユニット550は、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく突出しており、左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を備えている。扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させることができる。
扉枠3の扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられ、扉枠3の上部を装飾するものである。扉枠トップユニット570は、詳細な内容は後述するが、左右に離間した一対の上部スピーカ573と、前面中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、を備えている。扉枠トップユニット570は、トップ中装飾部材576、トップ左装飾レンズ部材579、及びトップ右装飾レンズ部材580を発光装飾させることができる。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠における扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4の前面を閉鎖するように本体枠4に対して開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられるものである。扉枠ベースユニット100は、前面下隅にハンドルユニット300が、貫通口111の下側前面に演出操作ユニット400が取付けられる皿ユニット320が、貫通口111の左外側前面に扉枠左サイドユニット530が、貫通口111の右外側前面に扉枠右サイドユニット550が、貫通口111の上外側前面に扉枠トップユニット570が、夫々取付けられるものである。
扉枠ベースユニット100は、図32及び図33に等に示すように、正面視の外形が上下に延びた長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており扉枠ベース110から前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板160と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材170と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット300を取付けるための筒状のハンドル取付部材180と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられる開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられる球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられるファールカバーユニット270と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、図示は省略するが、扉枠3に備えられている各種の装飾基板、球送ソレノイド255、ハンドル回転検知センサ307、ハンドルタッチセンサ310、単発ボタン操作センサ312、球貸ボタン328、返却ボタン329、球貸返却表示部330、演出選択左ボタン331、演出選択右ボタン332、振動モータ424、押圧検知センサ440、扉枠側演出表示装置460(液晶表示装置461)、上部スピーカ573、等と、本体枠4における基板ユニット900の扉枠用中継基板911との接続を中継するための扉本体中継基板を備えている。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース110は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース110は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された貫通口111を備えている。貫通口111は、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース110の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース110の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。従って、扉枠ベース110は、前後に貫通している貫通口111により全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース110は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース110は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面112と、ハンドル取付座面112と貫通口111との間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213が取付けられるシリンダ取付部113と、シリンダ取付部113において前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通孔114と、シリンダ挿通孔114及びハンドル取付座面112の正面視左側で前後に貫通しており球送りユニット250の進入口251a及び球抜口251bを前方に臨ませるための球送り開口115と、を備えている。
また、扉枠ベース110は、扉枠ベース110の左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面112と略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット270の球放出口276を前方に臨ませる下皿用通過口116と、扉枠ベース110の正面視左端付近で貫通口111の下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット270の貫通球通路273を前方に臨ませる上皿用通過口117と、貫通口111の内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット190のガラス枠191が挿入されるガラスユニット取付部118と、扉枠ベース110の左右両上隅において前後に貫通しており扉枠トップユニット570の上部スピーカ573の後端が挿通されるスピーカ挿通口119と、を備えている。
[3−1b.補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の補強ユニット130について、図31及び図33等を参照して詳細に説明する。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後側に取付けられることで扉枠ベース110を補強して、扉枠ベース110(扉枠3)の強度剛性を高めている。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後面における上辺に沿って取付けられる左右に延びた上補強板金131と、扉枠ベース110の後面における貫通口111の下側に取付けられる左右に延びた中補強板金132と、扉枠ベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられる上下に延びた左補強板金133と、扉枠ベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられる上下に延びた右補強板金134と、右補強板金134の後面に取付けられており施錠ユニット700の扉枠用鉤702が係止される施錠係止部135と、を備えている。
補強ユニット130は、上補強板金131の左右両端が左補強板金133及び右補強板金134の夫々の上端にビスによって連結固定されており、中補強板金132の左端が左補強板金133にビスによって連結固定されている。中補強板金132の右端は、後述する開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213を介して右補強板金134に連結固定されている。従って、補強ユニット130は、上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134等によって、枠状に形成されている。
補強ユニット130の上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、右補強板金134、及び施錠係止部135は、夫々金属板を適宜屈曲させて形成されている。中補強板金132は、扉枠ベース110の上皿用通過口117と対応する位置に、前後に貫通した切欠部132aが形成されている。
補強ユニット130は、詳細な図示は省略するが、各上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134において、夫々前後方向に屈曲された部位を有しており、その部位によって、強度剛性が高められていると共に、外部からのピアノ線やマイナスドライバー等の不正な工具の侵入を防止している。
[3−1c.扉枠側上ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側上ヒンジ部材140について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠ベース110に取付けられ上下に離間している一対の突出片141aを有した扉枠上ヒンジ軸ブラケット141と、扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aを貫通しており、上端が本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入される円柱状の扉枠上ヒンジピン142と、扉枠上ヒンジピン142における一対の突出片141aの間の位置に取付けられている円盤状の鍔部材143と、鍔部材143と一対の突出片141aのうちの下側の突出片141aとの間に介装されていると共に扉枠上ヒンジピン142が挿通されており、扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢しているロックバネ144と、を備えている。
扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、図示は省略するが一対の突出片141aの後端同士を連結している平板状の取付片を有しており、側面視の形状が前方へ開放されたコ字状に形成されている。扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、一対の突出片141a同士を連結している取付片が、ビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠上ヒンジピン142は、上側の突出片141aよりも上方に突出している部位(上端)が、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して回転可能に挿入される。また、扉枠上ヒンジピン142は、図示は省略するが、下側の突出片141aよりも下方に突出している部位が水平方向に屈曲している。この屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、扉枠上ヒンジピン142の上方への移動を規制している。
鍔部材143は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン142の外周に形成されている溝内に挿入保持されている。ロックバネ144は、扉枠上ヒンジピン142を挿通可能なコイルスプリングとされており、上端が鍔部材143に当接していると共に、下端が下側の突出片141aに当接している。このロックバネ144は、鍔部材143と下側の突出片141aとの間に、圧縮された状態で介装されており、鍔部材143を介して扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142がロックバネ144により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン142の上端が、上側の突出片141aの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位を作業者が持って、ロックバネ144の付勢力に抗してその部位を下方へ引っ張ると、扉枠上ヒンジピン142を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン142の上端を、上側の突出片141aの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aにより支持されている部位が、後述する扉枠側下ヒンジ部材150の扉枠下ヒンジピン152と同軸上に支持されている。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140と扉枠側下ヒンジ部材150とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1d.扉枠側下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側下ヒンジ部材150について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠ベース110に取付けられ前方に延出している平板状の延出片151aを有している扉枠下ヒンジ軸ブラケット151と、扉枠下ヒンジ軸ブラケットにおける延出片151aの前端部付近から下方に突出している円柱状の扉枠下ヒンジピン152(図21及び図22を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、水平に延びた平板状の延出片151aの後端から上方に延出した平板状の取付片(図示は省略)を有しており、側面視の全体形状が略L字状に形成されている。この扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、図示しない取付片がビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠下ヒンジピン152は、下端部が、下方へ向かうほど窄まる円錐台状に形成されている。この扉枠下ヒンジピン152は、後述する本体枠4における本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に、上方から回転可能に挿入される。扉枠下ヒンジピン152は、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142と同軸上に配置されている。
この扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠下ヒンジピン152が本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に挿入されることで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1e.扉枠左サイド装飾基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠左サイド装飾基板160について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110の前面において、貫通口111の正面視左側に取付けられている。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110における正面視左側のスピーカ挿通口119よりも下側の位置の高さから貫通口111の上下方向の中央付近の高さまで上下に延びている扉枠左サイド上装飾基板161と、扉枠左サイド上装飾基板161の下側の位置の高さから上皿用通過口117の下端と略同じ高さまで上下に延びている扉枠左サイド下装飾基板162と、を備えている。
扉枠左サイド装飾基板160の扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162は、夫々前面に、前方へ光を照射可能な複数のLED161a,162aを備えている。これらLED161a,162aは、フルカラーLEDとされている。
扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠3を組立てた状態で、後述する扉枠左サイドユニット530の後方に位置しており、前面に備えられた(実装された)複数のLED161a,162aを適宜発光させることで、扉枠左サイドユニット530の左ユニット装飾レンズ部材を発光装飾させることができる。
[3−1f.ガラスユニット取付部材]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット取付部材170について、主に図31(b)等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのものである。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部171と、基部171から回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部172と、を有している。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後面における一対のスピーカ挿通口119の下側で、ガラスユニット取付部118よりも外側の部位に、夫々回転可能に取付けられている。
ガラスユニット取付部材170は、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させた状態とすることで、背面視において扉枠ベース110のガラスユニット取付部118よりも突出部172が外側に位置した状態となり、扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に対してガラスユニット190を挿入したり、ガラスユニット取付部118からガラスユニット190を取外したりすることができる。
ガラスユニット取付部材170は、ガラスユニット190を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に挿入させた状態で、突出部172が基部171から下方へ突出するように回転させると、突出部172がガラスユニット190の取付片191aの後側と当接し、ガラスユニット190上部の後方への移動を規制した状態となり、ガラスユニット190を扉枠ベース110に取付けることができる。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110に回転可能に取付けられる円盤状の基部171から突出部172が突出しているため、ガラスユニット取付部材170の重心位置が突出部172内に位置している。このことから、ガラスユニット取付部材170が自由に回転できる状態では、突出部172が基部171から下方へ突出した状態で安定することとなる。そして、ガラスユニット取付部材170では、突出部172が基部171から下方へ突出している回転位置の時に、突出部172によりガラスユニット190の後方への移動を規制させるようにしているため、ガラスユニット取付部材170に振動等が作用しても、突出部172が基部171から上方へ突出するように全体が回転することはなく、ガラスユニット190の後方への移動の規制が自然に解除されることはない。
なお、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外す場合は、ガラスユニット取付部材170を、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させて、突出部172をガラスユニット190の取付片191aよりも外側へ移動させることで、ガラスユニット190の上部側を後方へ移動させることができるようになり、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外すことができる。
[3−1g.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材180は、扉枠ベース110の前面にハンドルユニット300を取付けるためのものである。ハンドル取付部材180は、図32及び図33等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部181と、筒部181の後端から筒部181の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部182と、筒部181内に突出していると共に筒部181の軸方向全長に亘って延びており筒部181の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条183と、筒部181の外周面とフランジ部182の前面とを繋ぎ、筒部181の周方向に対して複数配置された補強リブ184と、を備えている。
ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面を、扉枠ベース110におけるハンドル取付座面112の前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面112に取付けられる。
筒部181は、内径がハンドルユニット300におけるハンドルベース301の基部301aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条183は、一つが筒部181内の上側に備えられており、残り二つが筒部181内の下側に備えられている。これら三つの突条183は、ハンドルベース301における三つの溝部301cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材180は、三つの突条183と、ハンドルベース301の三つの溝部301cとを一致させた状態でのみ、筒部181内にハンドルベース301の基部301aを挿入させることができ、扉枠ベース110に対してハンドルベース301(ハンドルユニット300)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面に対して、筒部181の軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース110の傾斜したハンドル取付座面112に取付けることで、筒部181の軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット300を同様に傾いた状態で扉枠ベース110に取付けることができる。
[3−1h.ガラスユニット]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット190について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111を、前方から後方が視認できるように閉鎖するものである。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111の内周形状よりも大きくガラスユニット取付部118に取付可能な枠状のガラス枠191と、ガラス枠191の枠内を閉鎖し外周がガラス枠191に取付けられている透明な二つのガラス板192と、を備えている。二つのガラス板192は、ガラス枠191の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図26等を参照)。
ガラス枠191は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片191aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片191bと、を有している。ガラス枠191の取付片191aは、ガラスユニット取付部材170の突出部172と当接可能とされている。係止片191bは、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の空間内に挿入可能とされている(図26を参照)。
このガラスユニット190は、扉枠ベース110の後側から、ガラス枠191の係止片191bを、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠191の前端を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118の後面に当接させ、ガラスユニット取付部材170を回転させてガラスユニット取付部材170の突出部172をガラス枠191の取付片191aの後面と当接させることで、扉枠ベース110に取付けられる。
ガラスユニット190を扉枠ベース110から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット190は、扉枠ベース110に対して着脱可能となっている。
[3−1i.防犯カバー]
扉枠ベースユニット100の防犯カバー200について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。防犯カバー200は、ガラスユニット190の後面下部を覆うように扉枠ベース110の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー200は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部201と、本体部201の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片202と、左右に離間して配置され本体部201よりも前方に突出し、扉枠ベース110の後側に係止可能とされている一対の係止片203と、を備えている。
防犯カバー200の本体部201は、扉枠ベース110に取付けた状態で下端がガラスユニット190の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部201は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部201の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片202は、本体部201の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー200は、本体部201と後方突片202とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片202は、図33に示すように、本体部201の外周縁とは異なる本体部201の後面の一部からも後方に突出している。この本体部201の後面の一部から後方に突出している後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球(球発射装置680により発射された遊技球)が、防犯カバー200の後方突片202に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球の打込みを阻害することはない。
一対の係止片203は、扉枠ベース110の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー200は、扉枠ベース110に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー200は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部201の前面がガラスユニット190の後面(ガラス枠191の後端)と当接し、本体部201の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片202が、後述する前構成部材1000の防犯凹部1008内に挿入された状態となる。また、防犯カバー200は、本体部201の下辺から後方に突出している後方突片202が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−1j.開閉シリンダユニット]
扉枠ベースユニット100の開閉シリンダユニット210について、主に図31乃至図33等を参照して説明する。開閉シリンダユニット210は、正面視において扉枠ベース110の右端付近で貫通口111とハンドル取付座面112との間の位置のシリンダ取付部113に後側から取付けられ、後述する施錠ユニット700と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉に使用されるものである。
開閉シリンダユニット210は、前面に鍵穴211aを有し前後に延びた円筒状のシリンダ錠211と、シリンダ錠211の後端に取付けられており鍵穴211aに挿入された鍵の回動操作を施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させる回転伝達部材212と、シリンダ錠211を扉枠ベース110(補強ユニット130)に取付けるシリンダ取付板金213と、を備えている。
シリンダ錠211は、対応する鍵(図示は省略)を鍵穴211aに差し込むことで、鍵を回転させることができるものであり、対応する鍵であれば、正面視において時計回り及び反時計回りの何れの方向へも所定角度回転させることができる。
回転伝達部材212は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部212aを有している。この回転伝達部材212は、本体枠4における施錠ユニット700の鍵シリンダ710が後方から挿入されるように形成されており、施錠ユニット700の鍵シリンダ710の突起が一対の切欠部212a内に挿入されることで、回転伝達部材212(シリンダ錠211の鍵穴211aに挿入された鍵)の回転を、施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させて鍵シリンダ710を回転させることができる。
シリンダ取付板金213は、一枚の金属板を屈曲させて形成されており、平面視の形状が前方へ突出している凸形状に形成されている。詳述すると、シリンダ取付板金213は、正面視において上下に延びた長方形で平板状の前板部213aと、前板部213aの左右両辺から後方へ平板状に延出している一対の側板部213bと、一対の側板部213bの夫々の後辺から互いに遠ざかる方向へ平板状に延出している一対の取付板部213cと、を備えている。シリンダ取付板金213の前板部213aは、上下方向略中央の位置で後方からシリンダ錠211が貫通し、前板部213aの後面にシリンダ錠211の後端が取付けられる。シリンダ取付板金213の一対の取付板部213cは、正面視左側の取付板部213cが補強ユニット130の中補強板金132の右端部に取付けられ、正面視右側の取付板部213cが補強ユニット130の右補強板金134に取付けられる。これにより、シリンダ取付板金213によって、補強ユニット130の中補強板金132と右補強板金134とが連結される。
開閉シリンダユニット210は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、シリンダ取付板金213の前板部213aから前方に突出しているシリンダ錠211の前端が、扉枠ベース110の後側からシリンダ挿通孔114に挿通されて扉枠ベース110の前方へ突出していると共に、シリンダ取付板金213の前板部213a及び一対の側板部213bが後方へ開放されている箱状のシリンダ取付部113内に収容されている。
[3−1k.球送りユニット]
扉枠ベースユニット100の球送りユニット250について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送りユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送りユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送りユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321から供給される遊技球を一つずつ球発射装置680へ供給することができると共に、上皿321内に貯留された遊技球を、上皿球抜きボタン327の操作によって下皿へ抜くことができるものである。
球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、皿ユニットベース323の上皿球送り口323d及び扉枠ベース110の球送り開口115を通して供給され前後方向に貫通した進入口251a、及び進入口251aの下側に開口する球抜口251bを有し後方が開放された箱状の前カバー251と、前カバー251の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー251の進入口251aから進入した遊技球を球発射装置680へ供給するための打球供給口252aを有した後カバー252と、後カバー252及び前カバー251の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー251の後側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切る仕切部253aを有した球抜き部材253と、球抜き部材253の仕切部253a上の遊技球を一つずつ後カバー252の打球供給口252aへ送り、前カバー251と後カバー252との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材254と、球送り部材254を回動させる球送ソレノイド255と、を備えている。
この球送りユニット250は、図示するように、正面視で、球送り部材254が進入口251aの右側に配置されており、球送り部材254の左側に球抜き部材253が、球送り部材254の右側に球送ソレノイド255が夫々配置されている。
球送りユニット250の前カバー251は、正面視で球抜口251bの左側に、球抜き部材253の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット251cを備えており、このスリット251cから後述する球抜き部材253の作動棹253cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー251は、進入口251aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、皿ユニットベース323の球送り誘導路323e及び球抜き誘導路323fの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜き部材253は、進入口251aよりも下側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切り上面が球送り部材254の方向へ向かって低くなる仕切部253aと、仕切部253aの球送り部材254とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口251bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部253bと、回動棹部253bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹253cと、作動棹253cよりも下側で回動棹部253bの側面から仕切部253aとは反対側へ突出した錘部253dと、を備えている。球抜き部材253の作動棹253cは、前カバー251に形成された円弧状のスリット251cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹253cは、扉枠ベース110の球送り開口115を介して皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接する。
球送り部材254は、進入口251a及び球抜き部材253の仕切部253aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部254aと、遮断部254aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部254bと、球保持部254bの後端から下方へ延出する棒状の棹部254cと、を備えている。球送り部材254における遮断部254aと球保持部254bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送り部材254の球保持部254bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。球送り部材254は、球送ソレノイド255の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部254cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送り部材254は、遮断部254aが仕切部253aの方向を向くと同時に球保持部254bが打球供給口252aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部254bが仕切部253aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送り部材254が供給位置の時には、球保持部254bに保持された遊技球が、打球供給口252aから球発射装置680へ供給されると共に、進入口251aから仕切部253a上に進入した遊技球が、遮断部254aによって球保持部254b(打球供給口252a)側への移動が遮断されて仕切部253a上に留まった状態となる。一方、球送り部材254が保持位置へ回動すると、球保持部254bが仕切部253aの方向を向くと共に、球保持部254bの棹部254c側の端部が打球供給口252aを閉鎖した状態となり、仕切部253a上の遊技球が一つだけ球保持部254b内に保持される。
また、球送りユニット250は、球送ソレノイド255の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿256と、球送り作動桿256における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材254を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク257と、を備えている。球送りクランク257は、球送り作動桿256の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部257aと、係合部257aの球送り作動桿256と係合する側とは反対側に配置され前カバー251と後カバー252との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部257bと、軸部257bから上方へ延出しており、球送り部材254における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部254c(図35(b)を参照)と係合する伝達部257cと、を備えている。
この球送りユニット250は、球送り作動桿256及び球送りクランク257によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド255の駆動により揺動する球送り作動桿256の動きを伝達させて球送り部材254を回動させることができる。なお、球送ソレノイド255の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送り部材254が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド255の駆動時では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端に吸引されて先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材254が保持位置へ回動する。つまり、球送ソレノイド255が駆動される(ONの状態)と、球送り部材254が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド255の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送り部材254が受入れた遊技球を球発射装置680側へ送る(供給する)ことができる。この球送りユニット250における球送ソレノイド255の駆動は、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)により発射ソレノイド682の駆動制御と同期して制御される。
また、球送りユニット250における回動可能に軸支された球抜き部材253は、錘部253dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹253cが皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接することで、その回動が規制されるため、通常時では、球抜き部材253の仕切部253aが進入口251aと球抜口251bとの間を仕切っており、球抜口251b側へ遊技球が侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット320の上皿球抜きボタン327を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ327bが作動伝達部327aと共に下方へスライドして、作動伝達部327aの下方への移動に伴って作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部327aと共に作動棹253cが下方へ移動すると、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除される。これにより、進入口251aから進入した遊技球が、球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜き部材253の作動棹253cが当接する作動伝達部327aが形成されている上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cによって上方へ付勢されているので、仕切部253a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹253cを介して上皿球抜きバネ327cによって吸収させることができ、球抜き部材253等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部253aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送りユニット250は、後カバー252における打球供給口252aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部252b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部252b内に不正防止部材260が取付けられている。球送りユニット250の不正防止部材260は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー252の取付凹部252b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材260は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部261及び下片部262と、上片部261及び下片部262の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部263と、を備えている。不正防止部材260の上片部261は、不正防止部材260の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部262は、不正防止部材260の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部261と下片部262とによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材260は、後カバー252の取付凹部252bに取付けられることで、上片部261と下片部262とで形成されるV字状の溝が、打球供給口252a内と連通した状態となる。
この不正防止部材260によれば、紐を取付けた不正な遊技球を、上皿321から球送りユニット250を介して球発射装置680により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球に取付けられた紐を操作して、不正な遊技球を第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置680により発射(打球)された不正な遊技球の勢いによって、不正な遊技球に取付けられた紐を、上片部261と下片部262との間に挿入させた上で、上片部261と下片部262とによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球を用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1l.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット270について、図36乃至図38を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図38は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
ファールカバーユニット270は、図示するように、扉枠ベース110の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体271と、ユニット本体271の前面に取付けられている平板状の蓋部材272と、を備えている。ファールカバーユニット270は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット320の上皿球供給口323aとを連通させる貫通球通路273と、貫通球通路273の正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口274と、を備えている。
また、ファールカバーユニット270は、満タン球受口274の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口275と、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口274及びファール球受口275に受入れられた遊技球を前方へ放出すると共に皿ユニット320の下皿球供給口323cと連通する球放出口276と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271及び蓋部材272によって、満タン球受口274及びファール球受口275と球放出口276との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路277と、貯留通路277の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体271に取付けられている平板状の可動片278と、可動片278の貯留通路277から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ279と、可動片278を貯留通路277の中心側へ付勢しているバネ280と、を備えている。
このファールカバーユニット270は、皿ユニット320の下皿322内が遊技球で一杯になって、球放出口276から遊技球が下皿322側へ放出されなくなると、貯留通路277内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路277内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片278の上端がバネ280の付勢力に抗して貯留通路277から遠ざかる方向へ移動するように可動片278が回動し、その回動が満タン検知センサ279によって検知される。これにより、下皿322が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ279により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿322の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271の後側で貫通球通路273の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部281を備えている(図112を参照)。扉開閉当接部281は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部281は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部281に誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接することで、誘導路開閉扉863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ハンドルユニット]
扉枠3のハンドルユニット300について、主に図39及び図40を参照して詳細に説明する。図39(a)は扉枠におけるハンドルユニットの正面図であり、(b)はハンドルユニットを前から見た斜視図であり、(b)はハンドルユニットを後ろから見た斜視図である。また、図40(a)はハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿321内の遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材180の筒部181に取付けられるハンドルベース301と、ハンドルベース301の前端に回転可能に取付けられるハンドル302と、ハンドル302の前端側を覆うようにハンドルベース301に取付けられるハンドルカバー303と、を備えている。
また、ハンドルユニット300は、ハンドル302の後側でハンドルベース301の前面に取付けられるインナーベース304と、前端にハンドル302が取付けられると共にインナーベース304とハンドルベース301とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部305aを有している軸部材305と、軸部材305の駆動ギア部305aと噛合している伝達ギア306と、伝達ギア306と一体回転する検知軸307aを有しハンドルベース301とインナーベースとの間に挟持されているハンドル回転検知センサ307と、を備えている。
更に、ハンドルユニット300は、一端側がハンドルベース301に取付けられると共に他端側がハンドル302に取付けられハンドル302を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ308と、一端側がインナーベース304に取付けられると共に他端側が伝達ギア306に取付けられ伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ309と、インナーベース304の後方でハンドルベース301に取付けられているハンドルタッチセンサ310と、先端側がハンドルベース301の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース304の後方でハンドルベース301に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン311と、単発ボタン311の押圧操作を検知しハンドルベース301に取付けられている単発ボタン操作センサ312と、を備えている。
ハンドルユニット300のハンドルベース301は、前後に延びた円筒状の基部301aと、基部301aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部301bと、円筒状の基部301aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部301cと、を備えている。ハンドルベース301の基部301aは、外径がハンドル取付部材180の筒部181の内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部301cは、ハンドル取付部材180における筒部181の三つの突条183と対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部301cを三つの突条183と一致させた状態で、基部301aをハンドル取付部材180の筒部181内に挿入させることができると共に、三つの溝部301c内に夫々突条183が挿入されることで、ハンドルベース301がハンドル取付部材180に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル302は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dと、回転軸(軸部材305)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット302eと、スリット302eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ308の他端側が係止される係止突部302fと、を備えている。
四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起302aは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起302bは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起302aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起302aよりはやや低く突出している。この第二突起302bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起302aと相似した形状に形成されている。
第三突起302cは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起302bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起302aの約半分の高さで突出している。この第三突起302cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起302dは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起302cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起302aよりもやや高く突出している。この第四突起302dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
ハンドルカバー303は、前面の中心が丸く前方へ膨出しており、後方へ突出している三つの取付ボス303aを備えている。三つの取付ボス303aは、ハンドル302のスリット302eを前方から貫通してハンドルベース301の前面に取付けられる。ハンドルカバー303の取付ボス303aが、ハンドル302のスリット302eを貫通していることから、取付ボス303aがスリット302eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル302の回転角度を規制している。本例では、ハンドル302を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
このハンドルユニット300は、扉枠ベース110のハンドル取付座面112に対して、ハンドル取付部材180を介して取付けられる。この扉枠ベース110のハンドル取付座面112は、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材180を介して取付けられるハンドルユニット300も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット300のハンドル回転検知センサ307は、可変抵抗器とされており、ハンドル302を回転させると、軸部材305及び伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aが回転する。この検知軸307aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ307の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ307の内部抵抗に応じて後述する球発射装置680における発射ソレノイド682の駆動力が変化して、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドル302やハンドルカバー303の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル302等に接触することでハンドルタッチセンサ310が接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ310が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル302を回動させると、ハンドル回転検知センサ307の検知が受付けられ、ハンドル302の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド682の駆動が制御されて、遊技球を打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル302に触れずに、何らかの方法でハンドル302を回転させて遊技球を遊技領域5a内に打込もうとしても、発射ソレノイド682は駆動されず、遊技球を打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル302を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット300は、遊技者がハンドル302を回転操作中に、単発ボタン311を押圧すると、単発ボタン操作センサ312が単発ボタン311の操作を検知し、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)によって発射ソレノイド682の回転駆動が停止させられる。これにより、ハンドル302の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン311の押圧操作を解除することで、単発ボタン311を操作する前の打込み強さで再び遊技球を遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット300は、ハンドル302に、四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dを備えており、ハンドル302を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球を最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起302dが、ハンドル302を回転させていない時の第一突起302aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起302dを第一突起302aとしてハンドル302を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル302を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−3.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット320について、主に図41乃至図45を参照して詳細に説明する。図41(a)は扉枠の皿ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左前から見た斜視図である。また、図42(a)は皿ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左下後から見た斜視図である。図43は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図44は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図45は、図28の断面図において下皿カバーを外した状態で下皿の部位を拡大して示す説明図である。皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出している。皿ユニット320の前面には、後述する演出操作ユニット400が取付けられる。
皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、を備えている。
皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110に取付けられる平板状の皿ユニットベース323と、皿ユニットベース323の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿321を形成している上皿本体324と、皿ユニットベース323の前面下部で左右中央よりも左側に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿322を形成している下皿本体325と、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられている皿ユニットカバー326と、を備えている。
また、皿ユニット320は、皿ユニットカバー326の上面における上皿321の正面視右方で上方から押圧操作可能に取付けられている上皿球抜きボタン327と、上皿球抜きボタン327の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸ボタン328と、球貸ボタン328の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている返却ボタン329と、球貸ボタン328及び返却ボタン329の後方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸返却表示部330と、上皿321の前方で皿ユニットカバー326の前面における皿前上装飾部326bに取付けられている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322の前方で皿ユニットカバー326の前面から前方に突出しており前方から押圧操作可能に取付けられている下皿球抜きボタン333と、を備えている。
[3−3a.上皿]
皿ユニット320の上皿321について、主に図41及び図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニット320の上皿321は、皿ユニットベース323と上皿本体324とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿321(上皿本体324)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿321は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球の外径よりも若干大きい誘導通路部321aが形成されている。上皿321は、誘導通路部321aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部321aの正面視右端側が、皿ユニットカバー326の上面(上皿球抜きボタン327)の下方へ潜り込んでいる(図44を参照)。
上皿321は、皿ユニットベース323に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース323の上皿球供給口323aよりも下側の位置から上皿球送り口323dの上端に対して遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口323aから前方へ放出された遊技球が、上皿321内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球を誘導通路部321aの右端側から上皿球送り口323dへ供給させることができる。
上皿321は、上述したように、前後方向の奥行が狭くなる誘導通路部321aにおいて、その底面が下方へ向かって低くなるように形成されている。つまり、上皿321の一部が、後述する演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が取付けられる皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、上方から突出している。従って、上皿321において、遊技球の貯留量を十分に確保することができるようになっている。なお、上皿321(上皿本体324)は、皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)と接触しないように突出している。
なお、誘導通路部321aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具321bが備えられており、遊技球が接触(転動)することで、遊技球に帯電した静電気を除去させることができる。
[3−3b.下皿]
皿ユニット320の下皿322について、主に図41乃至図45等を参照して詳細に説明する。下皿322は、上皿321の下方で、正面視おいて皿ユニット320(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿322は、遊技球を貯留可能な容器状に形成されており、底壁部325aに上下に貫通し遊技球を排出可能とされた下皿球抜き孔322aと、皿ユニットカバー326に取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bと、を備えている。下皿322の逃し部322bは、右前隅が、後方へ向かって円弧状に窪むように形成されている。
下皿322は、上方及び後方が開放されている下皿本体325と、下皿本体325の左端側から上方を覆っている皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kと、下皿本体325の開放されている後方を閉鎖している皿ユニットベース323と、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を覆う下皿カバー340とによって、形成されており、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dから外方に臨んでいる。下皿322は、図28及び図45に示すように、平面視の外周形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置された台形と、を組合せたような形状に形成されており、台形の斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲している。この下皿322は、平面視において、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。
下皿本体325は、図43及び図44等に示すように、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体325は、平板状の底壁部325aと、底壁部325aの後端辺を除いた外周端から上方へ延出している本体立壁部325bと、底壁部325aを遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えている。底壁部325aの外周形状は、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置され斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲した台形と、を組合せたような形状に形成されている。底壁部325a(の上面)は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。本体立壁部325bは、底壁部325aから上方へ、遊技球の直径の2倍〜5倍の高さで立上っている。下皿球抜き孔322aは、下皿本体325(底壁部325a)の左右方向中央よりも右寄りの位置に形成されている。下皿本体325では、底壁部325a及び本体立壁部325bにおける正面視右前隅の湾曲している部位が、逃し部322bに相当している。
下皿カバー340は、下皿本体325の上方のおよそ右半部を覆うように形成されている。下皿カバー340は、図43及び図44等に示すように、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から上方へ立上っているカバー立壁部340aと、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びている天井部340bと、を備えている。カバー立壁部340aは、下皿本体325の本体立壁部325bにおける前辺側の一部から右辺の後端までの部位から立上っている。下皿カバー340は、皿ユニット320に組立てた状態で、カバー立壁部340a及び天井部340bの後端が、皿ユニットベース323の前面に当接している。また、カバー立壁部340aの前端(前辺における左端側)が、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの右端辺と当接している。更に、天井部340bの左端が、皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kの右端に当接している。この下皿カバー340では、カバー立壁部340aにおける湾曲面状の部位と、その後側においてカバー立壁部340aと天井部340bとの間で斜めに延びている部位とが、逃し部322bに相当している。
下皿322は、前端側の左右に短く延びている部位の正面視左端付近から右側が、皿ユニットカバー326(演出操作ユニット400)によって覆われており、正面視において半分以上が演出操作ユニット400の後方に位置している。つまり、下皿322は、右半分が、演出操作ユニット400の後方へ回り込むように形成されている。従って、下皿322は、図45に示すように、後述する皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの後方に位置する下皿第一領域A1(図45においてクロスハッチの領域)と、下皿開口部326dよりも右側(演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側)の後方に位置する下皿第二領域A2(図45において網掛けの領域)と、を有している。換言すると、下皿322は、遊技球を貯留可能な貯留領域(平面視における貯留面積に相当し、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2とを合せた領域)の半分以上が、演出操作ユニット400の後方に位置している。なお、図45において点線ハッチの領域は、皿ユニットカバー326における取付空間326jの残りの空間(領域)である。
下皿322は、後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cが、後壁の正面視左右方向中央よりも右側に開口している。更に詳述すると、下皿322の下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方となる下皿第二領域A2に配置されている。これにより、扉枠3を正面から見た時に、下皿球供給口323cが下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている(図19等を参照)。従って、下皿322は、前方に膨出している皿ユニット320(皿ユニットカバー326)の左側面の下皿開口部326dから演出操作ユニット400の後方へ向かって抉れるように形成されており、正面から見える範囲よりも遊技球の貯留容積が大きく形成されている。換言すると、下皿322は、下皿第一領域A1よりも下皿第二領域A2の方が大きく形成されている。これにより、外側(遊技者側)から下皿322を見た時に、見た目以上に下皿322内に多くの遊技球を貯留させることができる。
下皿322は、下皿本体325の左右方向の右側半分(下皿第二領域A2)が、図41(a)に示すように、皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a(取付空間326j)内に突出しており、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を、下皿カバー340が覆っている。この下皿カバー340により、下皿開口部326dから下皿322内に遊技者が手指を挿入した時に、その指先が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に触れるのを阻止することができる。
下皿322は、下皿第二領域A2内である下皿球供給口323cの真正面に、上下に貫通している下皿球抜き孔322aを備えている。下皿322の底面は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿球抜きボタン333の押圧操作によって動作する蓋部材334によって開閉可能に閉鎖されている。下皿322は、通常の状態では、下皿球抜き孔322aが蓋部材334によって閉鎖されており、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。そして、下皿球抜きボタン333を押圧操作して蓋部材334を開動作させると、下皿322内の遊技球を、下皿球抜き孔322aから皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿322の後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cの前方(真正面)に配置されている。従って、扉枠3に組立てた状態では、下皿球抜き孔322aが、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側で演出操作ユニット400におけるフレームユニット415の後方に位置しているため、遊技者(正面)側からは見えないようになっている。
この下皿322は、上述したように、外周形状が、左右に延びた四角形の前側に、前方側が窄まった台形を組合せた形状に形成されていると共に、底面が、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、蓋部材334が開いて下皿球抜き孔322aが開放されている状態で、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、下皿球供給口323cの真正面に開口している下皿球抜き孔322aから即座に下方へ排出される。この下皿球抜き孔322aの左端は、下皿球供給口323cの左端よりも若干左方に位置していることから、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球が、下皿322内における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ直接流通することはなく、下皿球抜き孔322aから排出されることとなる。
一方、下皿球抜き孔322aの右端は、下皿球供給口323cの右端よりも左方に位置していることから、下皿球供給口323cの右端付近から下皿322へ供給された遊技球が、本体立壁部325bにおける下皿322の右側の立壁を形成している部位に当接することとなる。この下皿322の右側の立壁は、下皿球抜き孔322aの方向を向くように前後方向に対して斜めに湾曲しているため、下皿球供給口323cから供給された遊技球が、この傾斜している部位に当接すると、下皿球抜き孔322aの方向へ反射することとなり、下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ行くことなく、下皿球抜き孔322aから排出される(図45を参照)。
このように、本実施形態の下皿322は、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿球抜き孔322aへ誘導するように形成しているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。これにより、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態の下皿322は、下皿本体325の本体立壁部325bと、本体立壁部325bの上端から上方へ延出した下皿カバー340,340Aとを備えているため、下皿322内に供給され遊技球が、下皿322内で跳ねて飛び上がっても、下皿322内から取付空間326j側へ遊技球が侵入するのを防止することができ、下皿322内の遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に接触するのを阻止することができる。従って、下皿322内に供給された遊技球や下皿322に貯留されている遊技球が、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接したり押圧したりするのを防止することができ、遊技球によって演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が破損するのを防止することができる。
更に、下皿322において、下皿球供給口323cの前方に下皿球抜き孔322aを備えていることから、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから放出された遊技球をそのまま下皿球抜き孔322aに進入させて下方(ドル箱)へ排出させることができるため、遊技球を下皿本体325の本体立壁部325bの前端側に到達し難くすることができる。また、下皿322の前端付近の下皿本体325の底壁部325aが、前方へ向かうほど高くなっているため、下皿本体325の本体立壁部325bの前端側へ向かう遊技球が、傾斜した底面を登ることとなり、遊技球の移動速度を減衰させることができる。従って、下皿球供給口323cから下皿322内に放出された遊技球が、下皿カバー340,340Aや本体立壁部325bに当接した時の衝撃を小さくすることができ、それらを破損し難くすることができる。
なお、本実施形態では、上皿球抜きボタン327に対して、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を連動させるようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、上述した作用効果をより一層発揮させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
また、本実施形態では、下皿322を構成している下皿本体325と下皿カバー340とが分解可能な別体のものを示したが、下皿本体325と下皿カバー340とが分解不能な一体のものとしても良い。また、下皿カバー340のカバー立壁部340aが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から立上った例を示したが、下皿本体325の底壁部325aから下皿カバー340のカバー立壁部340aが立上っていても良い。また、下皿カバー340の天井部340bが、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びた例を示したが、下皿カバー340の天井部340bが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から略水平に延びるようにしても良い。
更に、本実施形態では、下皿322の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bを備えた例を示したが、逃し部322bを備えていない下皿322としても良い。
また、本実施形態では、下皿322(下皿本体325や下皿カバー340等)として、貫通した孔の無い一様な面状のものを示したが、遊技球が通過不能な複数の貫通した孔を有するものであっても良い。具体的には、下皿322の底壁部325a、本体立壁部325b、カバー立壁部340a、天井部340b等の少なくとも一部を、遊技球が通過不能な隙間を有した、柵状に形成したものや網状に形成したものとしても良い。なお、皿ユニットカバー326(取付空間326j)内に、LED等の発光体を配置し、下皿322の柵状や網状の隙間を通して下皿322内を照らす(発光装飾させる)ようにしても良い。
なお、本実施形態では、夫々別体に形成された下皿本体325、下皿カバー340、皿ユニットベース323、及び皿ユニットカバー326(下皿カバー部326k)によって、下皿322を形成したものを示したが、それら四つの部材が適宜の組合せで一体とされて下皿322を形成するようにしても良い。具体的には、下皿カバー340と下皿本体325とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、等としても良い。
[3−3b−1.下皿の球誘導部]
皿ユニット320の下皿322において、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する球誘導部322c等を備えた実施形態について、図46を参照して詳細に説明する。図46(a)は下皿に球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(b)は下皿に(a)とは異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(c)は更に異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図である。図46では、上記と同じ構成については、同一の符号を付してある。
図46(a)の下皿322の例は、下皿322の底面における下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位に、下皿球抜き孔322aの直径と略同じ距離で左右に離間して配置された一対の球誘導部322cを備えている。一対の球誘導部322cは、下皿322の底面から突出した状態で前後に延びたレール状(突条)に形成されている。また、下皿322は、底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、球誘導部322cを乗り越えることなく、一対の球誘導部322cにより下皿球抜き孔322aへ誘導され、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。
そして、この例の下皿322は、上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2)に、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが前後方向へ直線状に並んで配置されている。従って、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方に位置しており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、一対の球誘導部322cを備えているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。そして、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
この図46(a)の例では、球誘導部322cとして、レール状のものを示したが、これに限らず、下皿球抜き孔322aへ向かって延びた溝のように、遊技球を下皿球抜き孔322aへ誘導できるものであれば良い。
次に、図46(b)の下皿322の例は、下皿322における下皿球抜き孔322aの右側の壁部を、下皿球供給口323cから右斜め前方へ放出された遊技球が、下皿球抜き孔322aの方向へ反射するような形状に形成していると共に、遊技球が当接する部位に緩衝部322dを備えるようにしたものである。この緩衝部322dは、ゴムや発泡体等で形成されている。
本例の下皿322も上記と同様に、下皿球供給口323cの真正面に下皿球抜き孔322aが配置されていると共に、下皿322の底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って。下皿球供給口323cから真直ぐに前方へ放出された遊技球は、そのまま下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。一方、下皿球供給口323cから右前方へ放出された遊技球は、緩衝部322dで下皿球抜き孔322aの方向へ反射して、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。この際に、遊技球が緩衝部322dに当接して反射するため、反射時の衝突音が低減される。
更に、この例の下皿322も上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、遊技球を反射させる壁部に緩衝部322dを備えているため、下皿球供給口323cから遊技球が真直ぐに前方へ放出されなかった場合でも、緩衝部322dにより音もなく下皿球抜き孔322aの方向へ反射させて下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等がドル箱へ排出される際に、下皿322から遊技球の衝突音が聞こえないため、恰も直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
続いて、図46(c)の下皿322の例は、下皿322の底面(底壁部325a)における下皿球抜き孔322aを間にして下皿球供給口323cとは反対側の部位から上方へ突出し、下皿球抜き孔322aを飛び越えた遊技球を下皿球抜き孔322a側へ反射させる返し部322eを備えたものである。なお、返し部322eは、下皿322を形成している素材と同じ素材を用いても良いし、ゴムや発泡体等の反射時の衝突音を緩和させる緩衝材を用いても良い。また、返し部322eは、下皿322の側壁を構成していないものとしても良いし、下皿322の側壁(本体立壁部325b)の一部を構成するものとしても良い。
この下皿322では、下皿球供給口323c、下皿球抜き孔322a、及び返し部322eが、後方から前方へ向かって順番に直線上に配置されていると共に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。この下皿322では、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ流通する遊技球が、万が一、下皿球抜き孔322aを飛び越えても、返し部322eにより下皿球抜き孔322a側へ反射させて、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、下皿322に対して、上記の球誘導部322cと緩衝部322dとを、適宜に組合せても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[3−3b−2.下皿の別の実施形態]
皿ユニット320の下皿322の別の実施形態について、図47を参照して説明する。図47(a)は分割可能とした下皿を概略で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの後方の空間の大きさに応じて下皿の貯留領域を拡張した状態を概略で示す説明図であり、(c)は(b)の下皿を概略の斜視図で示す説明図である。図47に示す下皿322は、下皿本体325が下皿第二領域A2内に配置された分割線PLを境に分割可能とされているものである。なお、図47において点線ハッチで示す領域は、取付空間326jの残りの空間を示している。
まず、図47(a)に示す下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられており下皿第二領域A2の残りの領域を構成している第一増設部325Bとを備えている。第一増設部325Bは、本体部325Aよりも更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が収容される取付空間326jの残りの空間(演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400Aの後方の空間)内へ突出している。この第一増設部325Bは、図示するように、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。また、第一増設部325Bは、右前隅に、第二演出操作ユニット400Aとの接触を回避させるための逃し部322bが形成されている。
次に、図47(b)及び図47(c)の例は、演出操作ユニット400の後端が、下皿322の前端よりも後方へ突出しておらず、図47(a)の例よりも、演出操作ユニット400の後方の空間(取付空間326jの残りの空間)が広くなっている。そして、この下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられていると共に下皿第二領域A2の残りの領域を構成しており第一増設部325Bよりも大きい第二増設部325Cとを備えている。この第二増設部325Cは、図示するように、前端から後端までの左右方向の幅が一定に形成されており、第一増設部325Bよりも遊技球の貯留領域が大きく形成されている。また、この下皿322は、第二増設部325Cの形状と対応した形状の下皿カバー340Aが取付けられている(図47(c)を参照)。
図47に示した例では、本体部325Aに第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けることで、夫々の遊技球の貯留領域同士が連続(連通)した状態となり、遊技球の貯留領域が拡大する。また、本体部325Aと、第一増設部325Bや第二増設部325Cとの境が、分割線PLとなっている。また、下皿本体325における第一増設部325B及び第二増設部325Cは、演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400Aの後面との間に、所定の隙間(取付空間326jと連通している空間)が生じるように形成されている。
このように、上記の例では、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成とすると共に、分割された部材の少なくとも一方を交換可能としていることから、下皿322内における遊技球の貯留領域を、必要に応じて、大きくしたり、小さくしたりすることができる。また、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成としているため、皿ユニットカバー326に取付けられる演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方(取付空間326j内)への突出量に応じた大きさの増設部(第一増設部325B又は第二増設部325C)を取付けることができる。
なお、上記の実施形態では、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる下皿第二領域A2内に分割線PLを配置したものを示したが、分割線PLを、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2との境界線上に配置しても良いし、下皿第一領域A1内に配置しても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325(下皿322)における本体部325Aに、下皿球抜き孔322aを備えたものを示したが、第一増設部325Bや第二増設部325Cに下皿球抜き孔322aを備えるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325の本体部325Aの右側に、第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けたものを示したが、本体部325Aの右側に、遊技球の貯留領域を有しない、平板状の閉鎖部材を取付けるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、下皿322における下皿本体325について説明したが、下皿カバー340についても、下皿本体325と同様に分割可能としたり、第一増設部325Bや第二増設部325Cの大きさに合せた形状としたりしても良い。
[3−3c.皿ユニットベース]
皿ユニット320の皿ユニットベース323について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース323は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の下側に取付けられ、扉枠ベース110の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース323は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口323aと、上皿球供給口323aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット323bと、正面視左右中央から左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口323cと、下皿球供給口323cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体324の右端に位置する上皿球送り口323dと、を備えている。
また、皿ユニットベース323は、上皿球送り口323dを通って皿ユニットベース323の後側に送られた遊技球を球送りユニット250の進入口251aへ誘導する球送り誘導路323eと、球送り誘導路323eの下側から垂下した後に下皿球供給口323cの筒状の正面視右側面へ向かって低くなるように略L字状に延びており球送りユニット250の球抜口251bから放出された遊技球を下皿球供給口323cへ誘導する球抜き誘導路323fと、球送り誘導路323eの正面視左方で且つ球送り誘導路323eの下端と球抜き誘導路323fの上端との間の高さの位置で前後に貫通しており球送りユニット250の作動棹253cと当接し上皿球抜きボタン327により動作する作動伝達部327aが後方へ臨むように突出する開口部323gと、を備えている。球抜き誘導路323fは、下流端が下皿球供給口323cにおける筒状の部位内に開口している。
更に、皿ユニットベース323は、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口323hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口323iと、を備えている。
皿ユニットベース323の上皿球供給口323aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿321の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の上皿用通過口117を前側から貫通してファールカバーユニット270の貫通球通路273の前端と接続している。これにより、払出ユニット800から払出された遊技球が、上皿球供給口323aを通って上皿321内に供給(払出)される。
下皿球供給口323cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿322の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の下皿用通過口116を前側から貫通してファールカバーユニット270の球放出口276の前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット270の貯留通路277内を流通する遊技球が、下皿球供給口323cを通って下皿322内に供給される。この下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置されており、扉枠3を正面から見た時に、下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている。
[3−3d.皿ユニットカバー]
皿ユニット320の皿ユニットカバー326について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニットカバー326は、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられる。皿ユニットカバー326は、左右方向中央が前方へ膨出しており左右方向中央に前方へ大きく開口し演出操作ユニット400が取付けられる演出操作ユニット取付部326aと、演出操作ユニット取付部326aの左右両側における上皿321と略同じ高さに形成されている皿前上装飾部326bと、左右の皿前上装飾部326bの夫々の下側に形成されている皿前下装飾部326cと、を備えている。
演出操作ユニット取付部326aは、左右方向が皿ユニット320の左右方向の全幅に対して約1/3の大きさに形成されていると共に、上下方向が皿ユニット320の上下方向の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット取付部326aは、前端が上方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。詳しくは、演出操作ユニット取付部326aの前端は、垂直線に対して27度の角度で傾斜している。
皿前上装飾部326bは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が前方へやや膨出した湾曲面状に形成されている。また、皿前上装飾部326bは、下端が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側(演出操作ユニット取付部326a側)から左右両端側へ向かって上下方向が窄まるように形成されている。皿ユニットカバー326は、正面視左側の皿前上装飾部326bに、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332が取付けられている。
皿前下装飾部326cは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が後方へ窪むような湾曲面状に形成されている。
正面視左側の皿前下装飾部326cには、前後に貫通している下皿開口部326dが形成されており、下皿開口部326dから下皿322が前方に臨んでいる。正面視左側の皿前下装飾部326cでは、下皿開口部326dの下側前面から下皿球抜きボタン333が前方へ突出している。また、正面視左側の皿前下装飾部326cにおける下皿開口部326dの左側には、パンチングメタルからなる下スピーカ口326eが形成されている。下スピーカ口326eは、皿ユニット320に組立てた状態で、皿ユニットベース323のスピーカスリット323bの前方に位置している。
正面視右側の皿前下装飾部326cには、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口326fと、正面視右隅付近におけるハンドル挿通口326fの上側で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口326gと、が形成されている。
皿ユニットカバー326は、正面視右側の皿前上装飾部326bの上端から皿ユニットベース323の前端まで延びた板状の天板部326hを有しており、天板部326hにより上皿321の右側上方を覆っている。この天板部326hに、上皿球抜きボタン327、球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330が取付けられている。
皿ユニットカバー326は、皿前下装飾部326cの下端から皿ユニットベース323の前面まで延びている平板状の底板部326iを備えている。この底板部326iにより皿ユニット320の下側が閉鎖されている。なお、底板部326iは、下皿322の下方に位置する部位が下方から上方へ凹むように段状に形成されており、その部位に後述する下皿球抜きベース335が取付けられている。また、底板部326iには、下皿322の下皿球抜き孔322aと対応した位置に、上下に貫通した孔が形成されている。
皿ユニットカバー326は、演出操作ユニット取付部326aの部位で前方へ開口しており演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が挿入(収容)される取付空間326jを備えている。また、皿ユニットカバー326は、下皿開口部326dの左辺及び上辺から後方へ平板状に延出しており、下皿322を覆っている下皿カバー部326kを備えている(図44を参照)。下皿カバー部326kは、左端に、下皿本体325における本体立壁部325bの左辺の上端が当接していると共に、右端に、下皿カバー340における天井部340bの左端が当接するようになっている。
[3−3e.上皿球抜きボタン]
皿ユニット320の上皿球抜きボタン327について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。上皿球抜きボタン327は、上皿321の正面視右側で、皿ユニットカバー326の天板部326hに取付けられており、押圧操作することで、上皿321内の遊技球を下皿322へ抜くことができるものである。上皿球抜きボタン327は、詳細な図示は省略するが、皿ユニットカバー326の天板部326hの下側に取付けられている球抜きボタンホルダによって、天板部326hの下方で後端側が左右に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。上皿球抜きボタン327は、その前端下面に、上下に延びている球抜きレバーの上端が当接している。この球抜きレバーは、上皿球抜きボタン327の下方で皿ユニットベース323の前面に取付けられている球抜きベースによって上下方向へスライド可能に取付けられている。
そして、上皿球抜きボタン327の前端下面に上端が当接している球抜きレバーは、皿ユニットベース323によって上下にスライド可能に取付けられている上皿球抜きスライダ327bの上部に上側から当接している。この上皿球抜きスライダ327bは、後面から後方に突出している作動伝達部327aを備えており、扉枠3を組立てた状態で、この作動伝達部327aが、皿ユニットベース323における開口部323gから臨むように後方に突出すると共に、球送りユニット250における球抜き部材253の作動棹253cに下方から当接する。なお、上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cにより上方へ付勢されており、この上皿球抜きバネ327cの付勢力により、上皿球抜きスライダ327b及び球抜きレバーを介して上皿球抜きボタン327が上昇端に位置している。
従って、上皿球抜きボタン327を、上皿球抜きバネ327cの付勢力に抗して下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ327bの作動伝達部327aが下方へ移動し、作動伝達部327aの上端側に当接している球抜き部材253の作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなるため、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除され、それらが互いに連通した状態となる。これにより、上皿321内の遊技球が、球送りユニット250の球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334が連動して可動するようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−3f.球貸ボタン、返却ボタン、及び球貸返却表示部]
皿ユニット320の球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330について、主に図41を参照して詳細に説明する。球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330は、図示するように、皿ユニットカバー326の天板部326hにおける上皿球抜きボタン327の正面視右側で、円形状の装飾内に取付けられている。
球貸ボタン328は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、押圧操作することで、所定数の遊技球を皿ユニット320の上皿321内へ貸出す(払出す)ものである。返却ボタン329は、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを投入した状態で押圧操作すると、貸出された遊技球の分を差し引いた上で、現金やプリペイドカードを返却するものである。
球貸返却表示部330は、図示は省略するが、透明な表面の下側に三桁の7セグメントLEDが配置されており、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、を表示するものである。
[3−3g.演出選択左ボタン及び演出選択右ボタン]
皿ユニット320の演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332について、主に図41等を参照して詳細に説明する。演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、図示するように、皿ユニットカバー326における正面視左側の皿前上装飾部326bにおける演出操作ユニット取付部326aに近い右端付近に取付けられている。演出選択左ボタン331は、一つの頂点を左方へ向けた三角形状に形成されている。演出選択右ボタン332は、演出選択左ボタン331の右方で一つの頂点を右方へ向けた三角形状に形成されている。
演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、正面視において遊技領域5a内に配置された遊技盤側演出表示装置1600や演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460等において、遊技者に対して選択を促す演出画像が表示されると、押圧操作が受付可能となり、所定時間内に演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の選択肢を選択するためのものである。
[3−3h.下皿球抜きボタン]
皿ユニット320の下皿球抜きボタン333について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。下皿球抜きボタン333は、下皿322の前方となる皿ユニットカバー326における下皿開口部326dの下側で、正面視左側の皿前下装飾部326cの前面下端から前方に突出している。この下皿球抜きボタン333は、押圧操作することで、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を回動させることができ、蓋部材334が回動することで下皿球抜き孔322aが開放されて、下皿322内に貯留されている遊技球を、皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿球抜きボタン333は、下皿本体325の下側で皿ユニットカバー326の底板部326iに取付けられている下皿球抜きベース335(図42(b)を参照)によって前後方向へスライド可能に取付けられている。下皿球抜きボタン333は、下皿322の下皿球抜き孔322aに対して左方に配置されている(図28等を参照)。
下皿球抜きベース335には、皿ユニットカバー326の底板部326iにおいて、下皿322の下方の位置で下方から上方へ凹むように段状に形成されている部位に収容されるように、底板部326iに取付けられている。下皿球抜きベース335は、下皿322の下皿球抜き孔322aの直下となる位置に、下皿球抜き孔322aと同じ大きさで上下に貫通している排出口335aが形成されている。蓋部材334は、詳細な図示は省略するが、下皿本体325と下皿球抜きベース335との間に配置されている。これにより、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を開くと、下皿球抜きベース335の排出口335aも開くこととなり、下皿球抜き孔322aと排出口335aとが互いに連通した状態となる。
蓋部材334は、図示は省略するが、平面視において、下皿球抜きボタン333よりも左方の位置を中心として回動可能に下皿球抜きベース335に取付けられている。下皿球抜きボタン333には、蓋部材334における下皿球抜き孔322aを閉鎖する部位と、下皿球抜きベース335により回動可能に取付けられる部位との間の部位が連結されている。これにより、下皿球抜きボタン333を前後方向へ移動させると、蓋部材334が上下に延びた軸周りに回動し、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を開閉させることができる。
下皿球抜きベース335には、図示は省略するが、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧して移動させた時に、下皿球抜きボタン333を保持する保持装置と、下皿球抜きボタン333を前方へ付勢している下皿球抜きバネと、が取付けられている。下皿球抜きボタン333が前方に突出して下皿球抜き孔322aを蓋部材334により閉鎖している状態で、下皿球抜きボタン333を押圧して後方へ移動させると、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322aが開くと共に、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて、後方へ移動したままの状態となる。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放しても、下皿球抜きボタン333が前方へ移動することはなく、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態で維持され、下皿322内の遊技球を下皿球抜き孔322a及び排出口335aを通して皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
そして、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて下皿球抜き孔322aが開いている状態で、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧すると、保持装置による保持が解除される。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放すと、下皿球抜きボタン333が下皿球抜きバネの付勢力により前方へ移動し、突出した状態に復帰すると共に、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322a(排出口335a)が閉鎖された状態となる。これにより、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。
なお、下皿球抜きボタン333の押圧操作とは別に、上皿球抜きボタン327の押圧操作によっても、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を閉鎖している蓋部材334が可動して下皿球抜き孔322aが開くようにしても良い。これにより、上皿321に貯留された遊技球を皿ユニット320の下方に配置されたドル箱に排出させたい時に、上皿球抜きボタン327を操作するだけで、下皿322を介してドル箱に排出させることができ、球抜きに係る手間を簡素化することができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−4.演出操作ユニットの全体構成]
扉枠3における演出操作ユニット400の全体構成について、主に図48乃至図55等を参照して詳細に説明する。図48(a)は扉枠における演出操作ユニットの正面図であり、(b)は演出操作ユニットの右側面図である。また、図49(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図50は、演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図51は図48(a)におけるD−D線で切断した断面図であり、図52は図48(b)におけるE−E線で切断した断面図である。図53(a)は図48(b)におけるF−F線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図55は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。
演出操作ユニット400は、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられているベースユニット430と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能にベースユニット430に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
[3−4a.操作ボタン]
演出操作ユニット400の操作ボタン410について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。図56(a)は操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えている。ボタンフレーム412及びボタンベース413は、光を通し難い部材によって形成されている。
ボタンレンズ411は、全体が略一定の厚さに形成されている。また、ボタンレンズ411は、表面側が凹凸の無い滑らかな湾曲面状に形成されている。ボタンレンズ411は、ボタンフレーム412の内周側となる位置に裏面から断面W字状に窪んだ状態で中央側(内側)へ所定長さで延びていると共に周方向に列設されている第一ボタン装飾部411aと、第一ボタン装飾部411aよりも外周側の位置に裏面から断面円弧状に窪んだ状態で中央側へ向かう軸線上に延びていると共に周方向に所定角度範囲内で列設されている複数(六つ)の第二ボタン装飾部411bと、を備えている。
ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは、図示するように、操作ボタン410に組立てた状態では、ボタンフレーム412の内周から中央側へ延びており、左右両側の一群が、上下両側の一群よりも中央側へ長く延びている。
ボタンレンズ411の複数の第二ボタン装飾部411bは、夫々が同一の円周上において円弧状に延びており、左右両側に夫々三つずつ形成されている。これらの第二ボタン装飾部411bは、ボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨むように形成されていると共に、前面側がボタンフレーム412の前面と略同一面上となるように前方へ突出している。
ボタンレンズ411は、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bの部位において、裏面に形成されている断面W字状や断面円弧状の凹凸により、光が屈折するレンズ効果が発揮されるため、後側が明瞭に見えないようになっている。
ボタンフレーム412は、円環状に形成されており、前後方向に貫通し周方向へ所定長さで円弧状に延びた複数(六つ)のフレーム開口部412aを備えている。六つのフレーム開口部412aは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の六つの第二ボタン装飾部411bと対応している。このボタンフレーム412は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
ボタンベース413は、前後方向に短く延びた略円筒状の本体部413aと、本体部413aの前端から外方へ突出している円環状のフランジ部413bと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ円柱状に突出しており周方向に略等間隔で複数(四つ)配置されているガイドボス部413cと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ帯板状に突出しており周方向に複数(三つ)配置されている検知片413dと、本体部413aよりも外側でフランジ部413bを前後に貫通していると共に外周に沿って所定長さで延びており周方向に複数(六つ)形成されているベース開口部413eと、本体部413aの前端から前方へ筒状に延出しており前端側がボタンレンズ411の内面に沿うように内側(中央側)へ窄まっている内側延出部413fと、を備えている。
ボタンベース413における内側延出部413fの外周面と、フランジ部413bの前面とにボタンレンズ411の外周縁及びボタンフレーム412が取付けられる。四つのガイドボス部413cは、本体部413aの周方向に対して、上下左右の四隅に相当する部位に夫々配置されている。これら四つのガイドボス部413cは、ベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431b内に夫々摺動可能に挿入される。三つの検知片413dは、本体部413aの周方向に対して、上側に二つ、下側に一つ、配されるように、周方向へ略等間隔に配置されている。これら三つの検知片413dは、操作ボタン410が押圧されると、ベースユニット430の押圧検知センサ440により検知される。
六つのベース開口部413eは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の第二ボタン装飾部411b及びボタンフレーム412のフレーム開口部412aと対応している。ボタンベース413におけるベース開口部413eの部位では、本体部413a及び内側延出部413fの一部が、外周側から内側へ窪んでいる。内側延出部413fは、内側へ窄まっている前端の内径が、ボタンフレーム412の内径と略一致している。
この操作ボタン410は、前面が前方へ湾曲面状(略球面の一部の形状)に膨出していると共に、透明に形成されており、後側に配置されている扉枠側演出表示装置460の表示画面を前方から視認することができる。操作ボタン410は、四つのガイドボス部413cがベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431bに摺動可能に挿入されていると共に、ユニットベース431の保持孔に431bに挿入されている操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。操作ボタン410は、ベースユニット430の操作ボタンバネ438の付勢力により、外周縁の前面側がフレームユニット415に当接することで、前方へのこれ以上の移動が規制されており、操作ボタンバネ438の付勢力に抗して押圧操作することで、後端がベースユニット430の前面に当接するまで後方へ移動する。操作ボタン410は、押圧操作して後方へ移動させると、三つの検知片413dの少なくとも一つがベースユニット430の押圧検知センサ440に検知される。この押圧検知センサ440による検知片413dの検知によって、操作ボタン410が操作されたこととなる。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、透明なボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周端から中央側へ延びるように全周に亘って形成されている第一ボタン装飾部411aによって、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くすることができる。
更に、操作ボタン410は、円筒状のボタンベース413の前端開口を、ボタンレンズ411とボタンフレーム412とで閉鎖しており、ボタンレンズ411の外周縁に取付けられているボタンフレーム412により、操作ボタン410の外径に対して、後方が視認可能な透明な部分が、外周から内側へ窄まったように形成されている。このボタンフレーム412の存在によっても、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くしている。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、筒状のボタンベース413(本体部413a)の後端が、装飾基板ユニット420の内周側を通して装飾基板ユニット420の前面よりも後方へ突出した状態となる。これにより、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に夫々実装されている第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bから前方へ照射された光が、ボタンベース413の外側から内側へ漏れるのを防止することができると共に、ベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDから前方へ照射された光がボタンベース413の内側から外側へ漏れるのを防止することができる。従って、装飾基板ユニット420の第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bやベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDが、発光装飾対象としている部位以外が発光装飾されてしまうのを防止することができ、見栄え良く発光装飾を行うことができる。
[3−4b.フレームユニット]
演出操作ユニット400のフレームユニット415について、主に図53乃至図55等を参照して詳細に説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
フレームユニット415は、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられ円形の中央開口部416aを有する枠状のフレーム本体416と、中央開口部416aの左右両側でフレーム本体416に後側から取付けられる透光性を有した一対のフレームサイドレンズ417と、中央開口部416aの上側でフレーム本体416に前側から取付けられる透光性を有したフレームトップレンズ418と、を備えている。
フレーム本体416は、操作ボタン410の外径よりも小径で前後に貫通している円形の中央開口部416aと、中央開口部416aよりも左右両外側で前後に貫通していると共に中央開口部416aの周縁に沿って円弧状に延びており周方向に列設されている複数(六つ)の外周開口部416bと、中央開口部416aの上側前面において所定幅で切欠かれている切欠部416cと、を備えている。中央開口部416aは、操作ボタン410におけるボタンフレーム412のフレーム開口部412aの外周側の直径と略同じ大きさに形成されている。これにより、フレーム開口部412aの外周後側に操作ボタン410におけるボタンベース413のフランジ部413bの前端側が当接できるようになっている。
六つの外周開口部416bは、中央開口部416aの左右両外側に、夫々三つずつ備えられており、後側からフレームサイドレンズ417によって閉鎖されている。切欠部416cは、前後方向にも貫通しており、前側からフレームトップレンズ418が嵌込まれている。
また、フレーム本体416は、中央開口部416aの周縁よりも若干外側の位置から後方へ延出している略筒状の内側筒部416dを備えている。内側筒部416dは、中央開口部416aと外周開口部416bとの間の位置から後方へ延出しており、切欠部416cと対応している部位が切欠かれている。内側筒部416dは、演出操作ユニット400を組立てた状態では、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間に位置しており、第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間を仕切っている(図52を参照)。
更に、フレーム本体416は、外周の左右両側上部において夫々外方へ延出しており、皿ユニット320の皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる一対の取付部416eを備えている。フレーム本体416(演出操作ユニット400)は、一対の取付部416eと切欠部416cの左右両側の部位が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる。
フレーム本体416は、中央開口部416aを間にして切欠部416c側(フレームトップレンズ418が取付けられる側)とは反対側で切欠部416cと同じ幅の部位を除いて、表面の略全体に金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
フレームサイドレンズ417は、フレーム本体416の左右に夫々三つずつ形成されている外周開口部416bを後側から閉鎖している。フレームサイドレンズ417は、前面側が凹凸の無い滑らかな面に形成されており、後面側に中央開口部416aの周縁に沿った複数の凹凸が形成されている(図53及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームサイドレンズ417の後側が見えないようになっている。
フレームトップレンズ418は、フレーム本体416の切欠部416cに前側から嵌込まれるように、外形が略四角形に形成されている。フレームトップレンズ418は、前面側が滑らかに形成されている。また、フレームトップレンズ418は、後面側に中央開口部416aの周縁に沿ってジグザグ状に延びた複数の凹凸が中央開口部416aの半径方向に複数列設されている(図51及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームトップレンズ418の後側が見えないようになっている。
フレームユニット415は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、一対のフレームサイドレンズ417が装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第二LED422b,423bの前方に位置すると共に、フレームトップレンズ418がベースユニット430のフレームトップレンズ装飾基板437の前方に位置し、それらに実装されている第二LED422b,423b等によって夫々が発光装飾可能となっている。
[3−4c.装飾基板ユニット]
演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420について、主に図53乃至図57等を参照して詳細に説明する。図57は、演出操作ユニットの装飾基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方でベースユニット430の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、演出操作ユニット400に振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
基板ベース421は、内周側が操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの外径よりも若干大きく形成されていると共に、外周側がボタンベース413におけるフランジ部413bの外径よりも大きく且つフレームユニット415の外径よりも小さく形成されている。
操作ボタン左外装飾基板422は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン左外装飾基板422は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED422aと、複数の第一LED422aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED422bと、を備えている。操作ボタン右外装飾基板423は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン右外装飾基板423は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED423aと、複数の第一LED423aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED423bと、を備えている。これら操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423は、前後両面が白色とされている。
振動モータ424は、回転軸に偏芯した錘424aが取付けられており、この錘424aを回転させることで振動を発生させることができる。
装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、基板ベース421の内側に、操作ボタン410におけるボタンベース413の筒状の本体部413a後端側が挿入されている。また、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aが操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bの後方に位置し、夫々の第二LED422b,423bがフレームユニット415のフレームサイドレンズ417の後方に位置している。また、演出操作ユニット400に組立てた状態では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の夫々の第一LED422a,423aと、夫々の第二LED422b,423bとの間に、フレームユニット415の内側筒部416dが位置している(図52を参照)。
従って、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aからの光によって操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを発光装飾させることができると共に、夫々の第二LED422b,423bからの光によってフレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを発光装飾させることができる。
また、装飾基板ユニット420は、振動モータ424の錘424aを回転させることで、振動を発生させて、演出操作ユニット400全体を振動させることができる。
[3−4d.ベースユニット]
演出操作ユニット400のベースユニット430について、主に図58乃至図60等を参照して詳細に説明する。図58(a)は演出操作ユニットのベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットのベースユニットを後ろから見た斜視図である。図59は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。また、図60は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400のベースユニット430は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
ベースユニット430は、フレームユニット415の後側に取付けられ中央部において上下に延びた略四角形に貫通している貫通孔431a、及び貫通孔431aの外側で前方に開放された止り孔からなる四つの保持孔431bを有する環状のユニットベース431と、ユニットベース431の前面で貫通孔431aを覆うように取付けられており前後に短く筒状延びた透光性を有する操作ボタン内装飾部材432と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの左右両側に夫々取付けられている操作ボタン左内装飾基板433及び操作ボタン右内装飾基板434と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの上下両側に取付けられている操作ボタン上内装飾基板435及び操作ボタン下内装飾基板436と、ユニットベース431の前面上部に取付けられているフレームトップレンズ装飾基板437と、を備えている。
また、ベースユニット430は、ユニットベース431の四つの保持孔431b内に夫々挿入されている四つの操作ボタンバネ438と、ユニットベース431の前面に取付けられている三つのセンサホルダ439と、各センサホルダ439に夫々取付けられており操作ボタン410の押圧操作を検知する三つの押圧検知センサ440と、ユニットベース431の後側に取付けられている演出操作ユニット中継基板441と、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆うようにユニットベース431の後側に取付けられている中継基板カバー442と、を備えている。
ユニットベース431は、外形が略円形状で、フレームユニット415の外形よりも若干小さく形成されている。ユニットベース431は、中央において前後に貫通しており、上下に延びた略四角形の貫通孔431aが形成されている。この貫通孔431aは、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413a内に収まる大きさで、扉枠側演出表示装置460の表示画面が挿通可能な大きさに形成されている。このユニットベース431の後側に扉枠側演出表示装置460が取付けられる。
ユニットベース431の四つの保持孔431bは、貫通孔431aの外側の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔431bは、内径がガイドボス部413cの外径よりも若干大きく形成されており、ガイドボス部413cを摺動可能に挿入させることができる。
更に詳述すると、四つの保持孔431bのうちの左上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔431bのうちの右上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔431bのうちの下側に配置されている二つの保持孔431bは、上側の二つの保持孔431bに対してユニットベース431の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、ユニットベース431は、前面上部において、操作ボタン上内装飾基板435が取付けられる部位と、フレームトップレンズ装飾基板437が取付けられる部位との間から平板状に前方へ突出している遮光壁部431cを備えている。この遮光壁部431cにより、フレームトップレンズ装飾基板437のみによってフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン内装飾部材432は、前後方向へ短く延びた略円筒状の周壁部432aと、周壁部432aの前端側を閉鎖しており中央が前方へ突出するように湾曲面状に形成されている前板部432bと、前板部432bを前後に貫通しており上下延びた四角形状の開口部432cと、周壁部432aの後端から外方へ延出しているフランジ部432dと、フランジ部432dから後方へ突出しておりユニットベース431に取付けられる複数の取付ボス432eと、を備えている。
操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aは、外径が操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内径と略同じ大きさに形成されている。前板部432bを貫通している開口部432cは、扉枠側演出表示装置460の表示画面と略同じ大きさに形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの外周面と、前板部432bの前面が、凹凸のない滑らかな面に形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの内周面に形成されており、円弧状に窪んでいると共に前後方向へ延びており、周方向に複数備えられた第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの後面に形成されており、円弧状に膨出し、前板部432bの中央を中心とするような変八角形状に延びていると共に、前板部432bの中央を中心として同心円状に複数備えられている第二ボタン内装飾部432g(図63を参照)と、を備えている。第二ボタン内装飾部432gは、開口部432cの四つの内周辺と平行に延びている部位を有するように形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、透明な部材によって形成されている。操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの第二ボタン内装飾部432gとによるレンズ効果により、後方が明瞭に視認できないようになっている。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436は、夫々前面側に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。この操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることで、操作ボタン410内や扉枠側演出表示装置460の外側を発光装飾させることができる。
フレームトップレンズ装飾基板437は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、フレームユニット415におけるフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437に実装されているLEDは、夫々フルカラーLEDとされている。また、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437は、前面が白色とされている。
操作ボタンバネ438は、コイルバネとされており、ユニットベース431における四つの保持孔431b内に前方から挿入されている。操作ボタンバネ438は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、後端が保持孔431bの底面に当接しており、前端が操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aから後方へ突出しているガイドボス部413cの後端に当接している。これら操作ボタンバネ438により、操作ボタン410を前方へ付勢している。
三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に配置されている。詳述すると、三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の前面において、一つが左上の保持孔431bの左下側に、もう一つが右上の保持孔431bの右下側に、残りの一つが左下の保持孔431bの右下側に夫々センサホルダ439を介して取付けられている。三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
演出操作ユニット中継基板441は、ユニットベース431の後側において、背面視で貫通孔431aの左側(正面視右側)に取付けられている。演出操作ユニット中継基板441は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、フレームトップレンズ装飾基板437、押圧検知センサ440、及び扉枠側演出表示装置460と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
中継基板カバー442は、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆う部位の下端から正面視左方に延びており、ユニットベース431の後面下部に取付けられる脚部442aを備えている。中継基板カバー442の脚部442aは、扉枠3に組立てた状態では、下面が略水平に延びていると共に、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底面を形成している底板部326iとの間で僅かな隙間を形成している(図26を参照)。これにより、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接するまでの間では、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。そして、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方へ移動が規制され、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4e.扉枠側演出表示装置]
演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。扉枠側演出表示装置460は、表示画面がベースユニット430における操作ボタン内装飾部材432の開口部432cから前方へ臨むようにユニットベース431の後側に取付けられており、操作ボタン410の透明な中央部分を通して前方側(遊技者側)から表示画面を視認することができると共に、表示画面に演出画像を表示させることができるものである。
扉枠側演出表示装置460は、前面に四角形の表示画面を有した液晶表示装置461と、液晶表示装置461の後側に取付けられていると共に、ベースユニット430のユニットベース431の後側に取付けられる有底角筒状の取付ブラケット462と、を備えている。液晶表示装置461は、縦横の比が、16:9で、対角線の長さが、約4.3inchの市販のカラー液晶ディスプレイである。取付ブラケット462は、外周が液晶表示装置461の外周と同じ形状に形成されており、有底筒状の底部が液晶表示装置461の後面と当接するように取付けられている。
扉枠側演出表示装置460は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、液晶表示装置461がユニットベース431の貫通孔431aを後側から貫通して、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432a内に突出している(図51を参照)。液晶表示装置461の前面(表示画面)は、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの前端付近に位置しており、前板部432bを貫通している開口部432cから前方に臨んでいる。
扉枠側演出表示装置460は、液晶表示装置461において周辺制御基板1510からの制御信号に基づいた所定の演出画像を表示することができる。
[3−4f.演出操作ユニットの作用効果]
演出操作ユニット400の作用効果について、主に図61乃至図63等を参照して詳細に説明する。図61は、図51の演出操作ユニットの断面図において操作ボタンを押圧した状態を示す説明図である。図62(a)は演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの一部を切欠いて操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図63(a)は演出操作ユニットの外観を前から見た斜視図で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの外観を操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。
本実施形態の演出操作ユニット400は、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて演出画像を遊技者に見せることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて遊技者に提示した演出に遊技者を参加させて楽しませることができるものである。
演出操作ユニット400は、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット400は、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。演出操作ユニット400は、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。演出操作ユニット400は、皿ユニット320に取付けた状態で、底面となる中継基板カバー442の脚部442aの下面が、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、演出操作ユニット400は、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、演出操作ユニット400は、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CLが、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(演出操作ユニット400)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから演出操作ユニット400(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460等を良好な状態で視認することができる。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410の四つのガイドボス部413cがベースユニット430の四つの保持孔431bに夫々摺動可能に挿入されていると共に、操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。演出操作ユニット400は、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネ438の付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
演出操作ユニット400は、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図51等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネ438の付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端がベースユニット430のユニットベース431の前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、図61において白抜きの矢印で示すように、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、演出操作ユニット400は、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、演出操作ユニット400が吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、演出操作ユニット400全体を大きく(強く)振動させることができ、演出操作ユニット400に触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(図61において白抜きの矢印の位置)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400は、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、下面を形成している中継基板カバー442の脚部442aの下面と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、操作ボタン410を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接するまでの間、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。また、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方への移動を規制し、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、演出操作ユニット400等の破損を防止することができる。従って、演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や演出操作ユニット400等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、上述したように、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、演出操作ユニット400は、図63に示すように、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、フレームトップレンズ418、及び操作ボタン内装飾部材432が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、第一ボタン内装飾部432f、及び第二ボタン内装飾部432g等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの外周面との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、操作ボタン内装飾部材432の外周の隙間を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、位置が固定されている操作ボタン内装飾部材432を備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に操作ボタン内装飾部材432を問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432の外周よりも外側で後方側(奥側)にあるユニットベース431や装飾基板ユニット420等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、図62において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、操作ボタン内装飾部材432の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、演出操作ユニット400全体の見栄えを良くすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aが、操作ボタン410の中心軸線CLへ向かうように延びていると共に周方向に列設されているのに対して、操作ボタン410の内側後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432の前板部432bに形成されている第二ボタン内装飾部432gが中心軸線CLを中心とした変八角形状に延びていると共に同心円状に列設されているため、図63に示すように、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と第二ボタン内装飾部432gの凹凸線とが交差することとなり、幾何学的な装飾を遊技者に見せることができる。
また、演出操作ユニット400は、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが、前後方向(中心軸線CLの延びている方向)に離れているため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによって奥行のある立体的な感じの幾何学模様を遊技者に見せることができ、操作ボタン410内を含む装飾を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400では、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と、第二ボタン内装飾部432gの凹凸線との重なり具合が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
このように、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)で、操作ボタン内装飾部材432の後方には、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436が配置されており、それらの前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、操作ボタン410内の操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。つまり、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436によって、操作ボタン410内を発光装飾させることができる。これら操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の前面に実装されているLEDは、図52に示すように、中心軸線CLの延びている方向から見て、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの内側に配置されているため、それらからの光が本体部413aの外側に漏れることはなく、操作ボタン410内のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図52に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、演出操作ユニット400は、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、ベースユニット430におけるフレームトップレンズ装飾基板437が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板437の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。ベースユニット430におけるユニットベース431のフレームトップレンズ装飾基板437が取付けられている部位の下側からは、フレームトップレンズ418の下端後方付近まで平板状の遮光壁部431cが前方へ突出しており、フレームトップレンズ装飾基板437のLEDからの光が操作ボタン410やフレームサイドレンズ417側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームトップレンズ418のみを良好に発光装飾させることができる。
[3−4g.演出操作ユニットの第二実施形態の全体構成]
次に、上記の演出操作ユニット400の第二実施形態である第二演出操作ユニット400Aについて、主に図64乃至図71等を参照して詳細に説明する。図64(a)は図48乃至図63の演出操作ユニットとは実施形態の異なる第二演出操作ユニットの正面図であり、(b)は第二演出操作ユニットの右側面図である。図65(a)は第二演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図66は、第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図67は、図64(a)におけるG−G線で切断した断面図である。図68は、図64(b)におけるH−H線で切断した断面図である。図69(a)は図64(b)におけるI−I線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図70は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図71は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
第二演出操作ユニット400Aは、上記の演出操作ユニット400に替えて皿ユニット320の演出操作ユニット取付部326aに取付けることができるものである。この第二演出操作ユニット400Aは、演出操作ユニット400と同様に、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。以下では、第二演出操作ユニット400Aにおいて、演出操作ユニット400と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明する。
第二演出操作ユニット400Aは、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられている第二ベースユニット450と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能に第二ベースユニット450に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側第二演出表示装置460Aと、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられている緩衝ユニット510と、を備えている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている第二演出操作ユニット中継基板515と、第二演出操作ユニット中継基板515の表面を覆うように扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている中継基板カバー516と、を備えている。第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516は、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の正面視右側面に取付けられている。
第二演出操作ユニット中継基板515は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、押圧検知センサ454、フレームトップレンズ装飾基板482、切替駆動モータ492、プロジェクタ500、及び回転検知センサ507と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
[3−4g−1.操作ボタン]
第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410について、主に図69乃至図72等を参照して詳細に説明する。図72(a)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。この操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えており、演出操作ユニット400の操作ボタン410と略同一の構成である。
具体的な相違点は、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410と、演出操作ユニット400の操作ボタン410とでは、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aの模様と、ボタンベース413のガイドボス部413cの形状が異なっている。
詳述すると、図示するように、第二演出操作ユニット400Aにおける操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aは、ボタンフレーム412の内周と接する部位に、ボタンレンズ411の中央側へ一つの頂点を向けた三角形と、中央とは反対側へ一つの頂点を向けた三角形とが、周方向へ交互に全周に亘って複数列設されたトラス状の模様と、トラス状の模様におけるボタンレンズ411の中央側を向いている底辺と、その底辺の両端からボタンレンズ411の中央側へ延びた辺と、その辺の先端から底辺の中央へ延びている斜辺とで構成された直角三角形状の模様と、直角三角形状の模様の斜辺と、トラス状の模様の三角形の底辺の中央からボタンレンズ411の中央側へ直角三角形状の模様よりも長く延びた辺と、その辺の先端から直角三角形状の模様の斜辺の先端へ延びた辺とで構成された変二等辺三角形状の模様と、で形成されている。
つまり、この第一ボタン装飾部411aは、複数の三角形の組合せによって構成されている。なお、図示は省略するが、第一ボタン装飾部411aを構成している各三角形は、夫々の面が異なる方向を向いており、多面体状に形成されている。これにより、ボタンレンズ411の表面側が滑らかな湾曲面状に形成されているのに対して、裏面側が第一ボタン装飾部411aの部位において多面体状に形成されているため、第一ボタン装飾部411aの部位では、ボタンレンズ411の板厚が複雑に変化しており、この部位を通る光が乱屈折することとなる。従って、第一ボタン装飾部411aの部位では、複数の三角形が組合わされた幾何学模様を遊技者に見せることができると同時に、乱屈折により後側の部材を見え難くすることができる。
第二演出操作ユニット400Aのボタンベース413におけるガイドボス部413cは、後方が開放されている円筒状に形成されている。このガイドボス部413cは、第二ベースユニット450の保持孔451d内に挿入されると共に、筒状の内部に第二ベースユニット450におけるユニットベース451の保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が摺動可能に挿入される。本例では、操作ボタン410が、ガイドボス部413c内に後方から挿入される第二ベースユニット450のボタンシャフト452によって前後方向へ進退可能に取付けられる。
[3−4g−2.フレームユニット]
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415について、主に図69乃至図71等を参照して説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415は、演出操作ユニット400のフレームユニット415と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−3.装飾基板ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420について、主に図57、図69乃至図71等を参照して説明する。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方で第二ベースユニット450の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、第二演出操作ユニット400Aに振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−4.第二ベースユニット]
第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450について、主に図73等を参照して詳細に説明する。図73は、第二演出操作ユニットの第二ベースユニットを前から見た斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aが取付けられ、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
第二ベースユニット450は、フレームユニット415の後側に取付けられるユニットベース451と、ユニットベース451の前面から突出しており操作ボタン410のボタンベース413における円筒状の四つのガイドボス部413c内に後方から摺動可能に夫々挿入される円柱状の四つのボタンシャフト452と、四つのボタンシャフト452の夫々が挿通され操作ボタン410のガイドボス部413cの後端を前方へ付勢している操作ボタンバネ(図示は省略)と、ユニットベース451の前面に取付けられており、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dを夫々検知する三つの押圧検知センサ454と、を備えている。
第二ベースユニット450のユニットベース451は、円環状の本体部451aと、本体部451aの内周縁から後方へ半球状に突出しているカバー部451bと、本体部451aの前面に対して垂直方向から見た時に上下に延びた略四角形でカバー部451bを前後に貫通している貫通口451cと、本体部451aの前面から後方へ止り孔状に窪んでいる四つの保持孔451dと、本体部451aの上部において前面から後方へ向かって半円状(U字状)に窪んでいる上軸受部451eと、本体部451aの下部において前面から後方へ向かって上軸受部451eと同軸上で半円状(U字状)に窪んでいる下軸受部451fと、本体部451aの上部前面で上軸受部451eの左右両側に形成されておりスクリーンユニット470の回動を規制する一対の回動規制部451gと、を備えている。
ユニットベース451の円環状の本体部451aは、内周と外周とが、C字状に形成されている装飾基板ユニット420の基板ベース421と略同じ大きさに形成されている。この本体部451aの前面に装飾基板ユニット420が取付けられる。カバー部451bは、上軸受部451e及び下軸受部451fにより回転可能に取付けられる扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が回転した時に接触せずに収容可能な大きさに形成されている。貫通口451cは、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500が後方から通過可能な大きさに形成されている。
ユニットベース451の四つの保持孔451dは、本体部451aの前面の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔451dは、内径がガイドボス部413cの外径よりも大きく形成されており、ガイドボス部413cを挿入させることができる。これら四つの保持孔451d内には、その中心軸と同軸上にボタンシャフト452が取付けられている。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452の前端は、本体部451aの前面よりも前方へ突出している。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452が操作ボタン410の筒状のガイドボス部413c内に挿入されることで、ガイドボス部413cを介して操作ボタン410を前後方向へ摺動可能に取付けることができる。
四つの保持孔451dのうちの左上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔451dのうちの右上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔451dのうちの下側に配置されている二つの保持孔451dは、上側の二つの保持孔451dに対してユニットベース451の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、四つの保持孔451d内には、図示しない操作ボタンバネが夫々挿入されており、これら操作ボタンバネの前端がガイドボス部413cの後端に当接することで、ガイドボス部413cを介して操作ボタン410を前方へ付勢している。
ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方が開放されて後方へ延びたU字状に形成されている。上軸受部451e及び下軸受部451fは、半円弧状に延びている部位の中心が同軸上に位置している。上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方から扉枠側第二演出表示装置460Aの上軸部材473及び下軸部材474が挿入されたうえで、前側から上部軸受部材480及び下部軸受部材485が本体部451aの前面に取付けられることで、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回転可能に支持することができる。
ユニットベース451の一対の回動規制部451gは、夫々の前面が、その延長線(面)が、U字状に後方へ窪んでいる上軸受部451eにおける半円形状の部位の中心軸を通るように形成されており、中心軸を中心として所定角度周方向へ離反している。これら一対の回動規制部451gは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが当接することで、スクリーンユニット470の回動範囲を規制している。本実施形態では、一対の回動規制部451gによりスクリーンユニット470の回動範囲を、90度の角度範囲に規制している。
なお、図示は省略するが、一対の回動規制部451g内には、夫々磁石が埋設されており、ストッパ475bに取付けられている鉄板と磁着することで、回動規制部451gに当接しているストッパ475bを回動規制部451gから離れ難くしている。従って、回動規制部451g内の磁石と、ストッパ475bの鉄板とによって、スクリーンユニット470において、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態、或いは、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態、の何れかにスクリーンユニット470を保持することができ、操作ボタン410の押圧操作や振動モータ424等による振動によって、スクリーンユニット470が回動しようとする動きを抑制して扉枠側第二演出表示装置460Aによる演出画像を良好な状態で楽しませることができる。
三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に取付けられている。詳述すると、三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、一つが左上の保持孔451dの左下側に、もう一つが右上の保持孔451dの右下側に、残りの一つが左下の保持孔451dの右下側に夫々取付けられている。三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ454は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
[3−4g−5.扉枠側第二演出表示装置]
第二演出操作ユニット400Aの扉枠側第二演出表示装置460Aについて、主に図70及び図71等を参照視して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450に取付けられており操作ボタン410の透明な部位を通して遊技者に演出画像を見せることができるものである。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450の上軸受部451e及び下軸受部451fにより上下に延びた軸線周りを回動可能に取付けられているスクリーンユニット470と、第二ベースユニット450の前面上部に取付けられておりスクリーンユニット470の上部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている上部軸受部材480と、第二ベースユニット450の前面下部に取付けられておりスクリーンユニット470の下部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている下部軸受部材485と、を備えている。
また、扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470を回転駆動させ第二ベースユニット450の上部に取付けられている回動駆動ユニット490と、第二ベースユニット450のカバー部451b内に配置され後方からスクリーンユニット470に演出画像を投影表示可能なプロジェクタ500と、プロジェクタ500が取付けられていると共に第二ベースユニット450のカバー部451bを後側から覆うようにユニットベース451の後面取付けられており前方が開放されている箱状のプロジェクタ取付部材505と、第二ベースユニット450の上部における回動駆動ユニット490の正面視左側でスクリーンユニット470の作動ギア部材475を上方から覆うように取付けられている上部カバー506と、上部カバー506に取付けられておりスクリーンユニット470の回動位置(回転位置)を検知する二つの回転検知センサ507と、を備えている。
[3−4g−5a.スクリーンユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470は、第二ベースユニット450に上下に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられており、プロジェクタ500から演出画像が投射されることで、その演出画像を遊技者から視認可能に表示(投影表示)することができるものである。
スクリーンユニット470は、半円筒状に形成されており乳白色で透光性を有しているメインスクリーン471と、メインスクリーン471の軸方向一端側を外周の一部としている円盤状で中央部が軸方向外方へ膨出するように湾曲しており乳白色で透光性を有しているサブスクリーン472と、メインスクリーン471の両端部の軸方向中央から軸直角方向外方へ夫々円柱状に突出している上軸部材473及び下軸部材474と、上軸部材473の先端に取付けられており外周の略半周に亘ってギア歯475aが形成されている作動ギア部材475と、サブスクリーン472を貫通する透明で所定のキャラクタ(ドクロ)を模したレリーフ状に形成されているサブスクリーン装飾部材476(図74及び図75等を参照)と、サブスクリーン472の裏面側に取付けられておりサブスクリーン472と対向する面に複数のLED477aが実装されているサブスクリーン装飾基板477(図75等を参照)と、メインスクリーン471のサブスクリーン472とは反対側の端部からメインスクリーン471の中心軸へ向かって短く延びている半円弧状の周縁装飾部材478と、を備えている。
スクリーンユニット470の半円筒状のメインスクリーン471は、半径が第二ベースユニット450のユニットベース451における円環状の本体部451aの内径よりも小さい大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の長さが、半円筒状の半径の約4/3倍の大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の両端が、サブスクリーン472の周縁装飾部472aと周縁装飾部材478とによって、縁取られるように装飾されている。
サブスクリーン472は、その中心軸が延びている方向から見た時に、外形が半円筒状のメインスクリーン471の半径と一致している円形状に形成されている(図74(b)を参照)。サブスクリーン472は、外周から中心側へ所定幅で円環状に形成されており四角錘状の凹凸が周方向に複数列設されている周縁装飾部472aと、周縁装飾部472aの内側を閉鎖している湾曲面状のスクリーン一般部472bと、を備えている。サブスクリーン472の周縁装飾部472aは、内周側がメインスクリーン471から遠ざかる方向へ突出するように全体が円錐台状に形成されている。スクリーン一般部472bは、メインスクリーン471から遠ざかる方向へ、半円筒状のメインスクリーン471の半径よりも大きい半径の球面状に膨出している。サブスクリーン472のスクリーン一般部472bには、貫通した穴が形成されており、その穴を閉鎖するようにサブスクリーン装飾部材476が取付けられている。
上軸部材473及び下軸部材474は、夫々第二ベースユニット450におけるユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451f内に夫々前方から挿入されて回転可能に取付けられる。
作動ギア部材475は、回動駆動ユニット490の第二伝達ギア495と噛合し略半周に亘って形成されているギア歯475aと、ギア歯475aの周方向端部の一方から外方へ突出しているストッパ475bと、ギア歯475aの周方向端部のストッパ475bとは反対側から外方へ平板状に突出している検知片475cと、を備えている。作動ギア部材475のストッパ475bは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、上軸部材473の軸芯を中心として円弧状に窪んでいる上部軸受部材480の凹部481a内に位置しており、凹部481a内の両端部に位置している第二ベースユニット450におけるユニットベース451の一対の回動規制部451gに当接することでスクリーンユニット470の回動範囲が規制される。
なお、詳細な図示は省略するが、ストッパ475bにおける回動規制部451gと当接する部位には、鉄板が取付けられており、この鉄板が回動規制部451gに埋設されている磁石と磁着できるようになっている。
このスクリーンユニット470は、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置と、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置との間で回動することができる。検知片475cは、上部カバー506に取付けられている回転検知センサ507により検知される。
サブスクリーン装飾部材476は、サブスクリーン472におけるスクリーン一般部472bに取付けられている。サブスクリーン装飾部材476は、透明な部材によりドクロを模したレリーフ状に形成されており、その板厚が複雑に変化していることから、透過する光が複雑に乱屈折し、後方が視認し難くなっている。なお、詳細な図示は省略するが、サブスクリーン装飾部材476は、ドクロを模したレリーフ内に「PUSH」の文字が形成されている。
サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472の裏面側に、サブスクリーン472との間に隙間が形成されるように取付けられており、前面側(サブスクリーン472を向いている側)に複数のLED477aが実装されている。サブスクリーン装飾基板477は、外形がサブスクリーン装飾部材476よりも小さく形成されており、表面が白色とされている。このサブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、サブスクリーン装飾部材476及びサブスクリーン472を発光装飾させることができる。詳述すると、サブスクリーン装飾基板477は、LED477aを発光させることで、ドクロの「目」の部分と「PUSH」の文字の部分とを、強く発光装飾させることができる。
また、サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472に対して比較的接近させて配置していると共に、サブスクリーン472との間に光を拡散させる部材を備えていないことから、LED477aを発光させると、LED477aの点光源を遊技者が認識することができるようになっている。更に、サブスクリーン装飾基板477は、プロジェクタ500からの光を遮ることができる。従って、プロジェクタ500によって、サブスクリーン472にサブスクリーン装飾基板477の影を投影させることができる。
周縁装飾部材478は、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの一部と同じ形状に形成されており、周縁装飾部472aと同様に四角錘状の凹凸が円弧の周方向に複数列設されている。
上述したように、スクリーンユニット470は、メインスクリーン471とサブスクリーン472のように、互いに異なる二つのスクリーンを備えている。メインスクリーン471は、プロジェクタ500から演出画像が半円筒状の全面に亘って投影され、プロジェクタ500からの投影により遊技者に注目される演出画像の表示を目的としている。一方、サブスクリーン472は、プロジェクタ500からの演出画像が、裏側中央のサブスクリーン装飾基板477の存在により、中央のサブスクリーン装飾部材476の周囲を形成している狭い範囲(メインスクリーン471よりも狭い範囲)に投影され、サブスクリーン装飾部材476の周囲を華やかに彩る演出画像の表示を目的としていると共に、LED477aを用いたサブスクリーン装飾部材476の発光装飾による遊技者への操作ボタン410の押圧操作の促しを目的としている。
[3−4g−5b.上部軸受部材及び下部軸受部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部軸受部材480及び下部軸受部材485について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、第二ベースユニット450のユニットベース451における前方へ開放されている上軸受部451e及び下軸受部451fの前側を閉鎖するように、ユニットベース451の本体部451aの前面に取付けられるものである。また、上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fに、スクリーンユニット470の上軸部材473及び下軸部材474を夫々前方から挿入させた状態で、ユニットベース451の前面に取付けることで、上軸部材473及び下軸部材474を第二ベースユニット450に対して回転可能に取付けることができる。
上部軸受部材480は、第二ベースユニット450のユニットベース451の本体部451aの上部に、前方側が開放されている上軸受部451eの前方側を閉鎖するように取付けられる軸受部材481と、軸受部材481の上部前面に取付けられるフレームトップレンズ装飾基板482と、を備えている。軸受部材481は、左右方向中央が最も深くなるように、後面から前方へ向かって円弧状に窪んでいる凹部481aを有している。上部軸受部材480における軸受部材481の凹部481aは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470の上軸部材473の軸芯を中心とした円弧状に窪んでおり、内部にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが挿入配置されていると共に、凹部481aの円弧の両端にユニットベース451の一対の回動規制部451gが位置している。この円弧状に窪んだ凹部481aにより、作動ギア部材475のストッパ475bが、一対の回動規制部451gの間で良好に回動することができる。
上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482は、表面側に複数のLEDが実装されており、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に位置している。これにより、フレームトップレンズ装飾基板482のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
下部軸受部材485は、略平板状に形成されており、第二ベースユニット450のユニットベース451における本体部451aの前面に、下軸受部451fの前方を閉鎖するように取付けられる。スクリーンユニット470の下軸部材474を、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の下軸受部451fに挿入させた状態で、下部軸受部材485をユニットベース451の前面に取付けることで、下軸部材474を回転可能に取付けることができる。
[3−4g−5c.回動駆動ユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aの回動駆動ユニット490について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。回動駆動ユニット490は第二ベースユニット450のユニットベース451の上面に取付けられ、スクリーンユニット470を回動駆動させることができるものである。回動駆動ユニット490は、ユニットベース451の上面に取付けられ内部が中空のユニットケース491と、ユニットケース491の下面に取付けられており回転軸がユニットケース491内に突出している切替駆動モータ492と、切替駆動モータの回転軸に固定されている平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア(図示は省略)と、第一伝達ギアと噛合していると共にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合可能とされておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア495と、を備えている。
回動駆動ユニット490は、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、第二伝達ギア495が、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合している。回動駆動ユニット490は、切替駆動モータ492を回転駆動させることで、駆動ギア、第一伝達ギア、第二伝達ギア495、及びギア歯475aを介してスクリーンユニット470を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
[3−4g−5d.プロジェクタ]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ500は、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の半球状のカバー部451b内に配置されており、プロジェクタ取付部材505を介してユニットベース451の後側に取付けられている。プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471又はサブスクリーン472へ向かって演出画像を照射することで、メインスクリーン471又はサブスクリーン472に演出画像を投影表示させることができる。
プロジェクタ500は、プロジェクタ取付部材505に取付けられる立方体状のプロジェクタ本体501と、プロジェクタ本体501から円柱状に前方へ突出しており前端から演出画像を前方へ照射するレンズ部502と、を備えている。
このプロジェクタ500は、プロジェクタ本体501の後部がプロジェクタ取付部材505に取付けられ、レンズ部502及びプロジェクタ本体501が、ユニットベース451の貫通口451cを後側から通って、カバー部451b内に配置されるように取付けられる。
プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471やサブスクリーン472の略前面に亘って演出画像を投影させることができ、演出画像として、静止画や動画を投影表示させることができる。このプロジェクタ500は、市販の液晶型プロジェクタとされており、自動焦点機能を有している。
[3−4g−5e.プロジェクタ取付部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ取付部材505は、前方が開放された箱状に形成されており、内部にプロジェクタ500が取付けられると共に、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられるものである。このプロジェクタ取付部材505は、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられることで、ユニットベース451のカバー部451b及びプロジェクタ500の後側を覆うことができる。
プロジェクタ取付部材505は、底壁が水平方向に延びていると共に、後壁が垂直方向に延びており、プロジェクタ500を、操作ボタン410の傾きと一致するように傾斜させた状態で取付けることができる。プロジェクタ取付部材505の後壁には、前後に貫通している複数のスリット505aが形成されており、プロジェクタ500から放出される熱を、スリット505aを通して外部へ排出させることができる。
プロジェクタ取付部材505の正面視右側面には、第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516が取付けられる。
[3−4g−5f.上部カバー及び回転検知センサ]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部カバー506及び回転検知センサ507について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。上部カバー506は、スクリーンユニット470の作動ギア部材475の上方を覆うように、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の本体部451aの上面に取付けられている。回転検知センサ507は、スクリーンユニット470の回転位置を検知するためのものであり、上部カバー506の下面に、互いに離間している状態で二つ取付けられている。
二つの回転検知センサ507は、詳細な図示は省略するが、スクリーンユニット470の回転軸を中心にして周方向へ互いに90度の回転角度離れた位置に取付けられており、スクリーンユニット470における作動ギア部材475の検知片475cを検知することができる。具体的には、二つの回転検知センサ507は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471が前方を向いている第一位置の時の検知片475cと、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の時の検知片475cと、を夫々検知することができる。これら二つの回転検知センサ507による検知片475cの検知信号に基づいて、回動駆動ユニット490の切替駆動モータ492の回転駆動が制御されている。
[3−4g−6.緩衝ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの緩衝ユニット510について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。緩衝ユニット510は、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられており、上方から第二演出操作ユニット400Aが叩かれたりした時の衝撃を緩和させて、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iに伝達させるものである。
緩衝ユニット510は、上面が扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の下面に接触している弾性変形可能な平板状の緩衝部材511と、緩衝部材511の下面に当接しておりプロジェクタ取付部材505の下面に対して相対的に接近可能に取付けられている緩衝ベース512と、を備えている。
緩衝ユニット510の緩衝ベース512は、緩衝部材511の下面と当接する平板状の本体部512aと、本体部512aの正面視左右両端辺から下方へ突出していると共に前後方向に延びている脚片部512bと、を備えている。緩衝ベース512の脚片部512bは、扉枠3に組立てた状態で、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に接触している。
この緩衝ユニット510は、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、ベースユニット430に取付けられているプロジェクタ取付部材505が、緩衝ユニット510における緩衝部材511を圧縮するように下方へ移動する。この緩衝部材511が圧縮されることで衝撃が吸収される。そして、プロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動した場合、プロジェクタ取付部材505の下面が緩衝ベース512の本体部512aの上面側に当接する。この本体部512aは、左右の脚片部512bによって、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、本体部512aの上面側に当接しているプロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動すると、平板状の本体部512aが撓むこととなり、本体部512aの撓みによっても衝撃を吸収することができる。更に、プロジェクタ取付部材505が下方へ移動した場合、下方へ撓んでいる本体部512aの下面が、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接し、本体部512aのこれ以上の撓みが規制され、衝撃が皿ユニットカバー326に伝達されることとなる。このように、操作ボタン410やフレームユニット415を上方から強く叩かれた時に、その衝撃を多段階で吸収させることができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4g−7.第二演出操作ユニットの作用効果]
第二演出操作ユニット400Aの作用効果について、主に図74乃至図77等を参照して詳細に説明する。図74(a)はスクリーンユニットのメインスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図であり、(b)はスクリーンユニットのサブスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図である。また、図75(a)は図74(a)におけるJ−J線で切断した断面図であり、(b)は図74(b)におけるK−K線で切断した断面図である。図76(a)はメインスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図77(a)はサブスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。
本実施形態の第二演出操作ユニット400Aは、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて、操作ボタン410内の装飾を変化させたり、操作ボタン410内に演出画像を表示させたりして遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて、遊技者に提示した演出に遊技者を参加させることができるものである。
第二演出操作ユニット400Aは、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、第二演出操作ユニット400Aは、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。第二演出操作ユニット400Aは、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に取付けた状態で、緩衝ユニット510の緩衝ベース512の脚片部512bの下端と、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、第二演出操作ユニット400Aは、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CL(図67を参照)が、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(第二演出操作ユニット400A)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから第二演出操作ユニット400A(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側第二演出表示装置460A等を良好な状態で視認することができる。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の四つの筒状のガイドボス部413cに、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の四つの保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が夫々摺動可能に挿入されていると共に、図示しない操作ボタンバネにより前方へ付勢されている。第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネの付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図67等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネの付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端が第二ベースユニット450のユニットベース451における本体部451aの前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる(図61を参照)。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、第二演出操作ユニット400Aが吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、第二演出操作ユニット400A全体を大きく(強く)振動させることができ、第二演出操作ユニット400Aに触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(操作ボタン410の上部付近)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に、緩衝ユニット510を配置している。この緩衝ユニット510は、弾性変形可能な緩衝部材511を備えていると共に、緩衝部材511が上面に当接している本体部512aと皿ユニットカバー326の底板部326iとの間に隙間を形成しているため、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、その衝撃を緩衝部材511の弾性変形(圧縮)や、緩衝ベース512の本体部512aの撓み等によって多段階に吸収することができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、第二演出操作ユニット400A等の破損を防止することができる。従って、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410やフレームユニット415が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や第二演出操作ユニット400A等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、及びフレームトップレンズ418が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、及び第二ボタン装飾部411b等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる(図63を参照)。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの複数の三角形を組合せた凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470の外周との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、スクリーンユニット470の外側や後側の部材を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、扉枠側第二演出表示装置460Aを備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に扉枠側第二演出表示装置460Aを問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるメインスクリーン471やサブスクリーン472等の外周よりも外側で後方側(奥側)にある第二ベースユニット450、上軸部材473及び下軸部材474等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、メインスクリーン471の上下外側、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの左外側、及び周縁装飾部材478の右外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、サブスクリーン472の円環状の周縁装飾部472aの外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、メインスクリーン471やサブスクリーン472の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、第二演出操作ユニット400A全体の見栄えを良くすることができる。
また、メインスクリーン471が前方を向いている第一位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、サブスクリーン472のスクリーン一般部472b及びサブスクリーン装飾部材476や、上軸部材473及び下軸部材474が、見え難くなっている(図76を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472の存在や、メインスクリーン471が回転可能であること等に、気付き難くなるため、スクリーンユニット470を回転させてメインスクリーン471からサブスクリーン472に切替えると、操作ボタン410内において遊技者の予想を超えた動きが行われることで遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、上軸部材473及び下軸部材474が見え難くなっている(図77を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472(サブスクリーン装飾部材476)が回転可能であることに気付き難くなるため、サブスクリーン472(スクリーンユニット470)を回転させた時のインパクトを高めることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410における後側に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aを視認することができるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周から中心側へ所定幅の範囲内に、複数の三角形状の面を組合せた多面体状の第一ボタン装飾部411aを備えていると共に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aに、複数の四角錘を列設したサブスクリーン472の周縁装飾部472aや、周縁装飾部材478を備えている。これにより、前側に配置された三角形からなる装飾(第一ボタン装飾部411a)と後側に配置された四角形からなる装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とが、交差するように重なって見えることとなり、複雑な幾何学模様を遊技者に見せることができ、見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、三角形を主体とした第一ボタン装飾部411aと、四角形を主体とした周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478とが、前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、それらの重なり具合が変化するため、重なって見える幾何学模様が変化して動きのある装飾を遊技者に見せることができると共に、奥行きのある立体的な感じの装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aでは、切替駆動モータ492の駆動によりスクリーンユニット470を回動させてメインスクリーン471を前方へ向けたり、サブスクリーン472を前方へ向けたりすることができ、複数の四角形からなる装飾を変化させることができる。詳述すると、メインスクリーン471を前方へ向けた状態では、図74(a)に示すように、周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478が左右に離間して上下に延びている状態となり、上下に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aの円環状に列設された複数の三角形からなる装飾を縦断しているような幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。一方、サブスクリーン472を前方へ向けた状態では、図74(b)に示すように、周縁装飾部472aが円環状の延びている状態となり、環状に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aの円環状に列設された複数の三角形からなる装飾と重なった幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。従って、スクリーンユニット470を回動させることで、操作ボタン410の装飾(物理的な装飾)を変化させることができるため、装飾の変化によって遊技者の関心を操作ボタン410に引付けたり、装飾の変化によって遊技者にチャンスの到来等を示唆させたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内に備えられている扉枠側第二演出表示装置460Aに、切替可能な形態の異なるスクリーン(メインスクリーン471及びサブスクリーン472)を有したスクリーンユニット470と、スクリーンユニット470に演出画像を投影表示させるプロジェクタ500と、を備えているため、液晶表示装置による演出画像の表示とは全く異なる演出画像を表示させることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。詳述すると、スクリーンユニット470は、半円筒状のメインスクリーン471と、円盤状で中央にレリーフ状のサブスクリーン装飾部材476を有するサブスクリーン472とが、上軸部材473及び下軸部材474の中心軸を中心として90度の回転角度周方向へ離間して備えられている。
そして、扉枠側第二演出表示装置460Aにおいて、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、半円筒状の中心軸が左右方向へ延びるように位置しており、正面から見ると上下に延びた四角形(長方形)に見える(図74(a)を参照)。このメインスクリーン471の後方に配置されているプロジェクタ500から演出画像を前方へ照射すると、その演出画像がメインスクリーン471の後面に投影され(図75(a)を参照)、透光性を有する乳白色のメインスクリーン471を通して、前方側から投影された演出画像を視認することができる。このメインスクリーン471は、表面が滑らかな半円筒状に形成されていることから、演出画像が表示画面も半円筒状に湾曲している。これにより、一般的な液晶表示装置の表示画面が平面であるのに対して、メインスクリーン471の表示画面が半円筒状に湾曲しているため、遊技者に対して一見して従来の表示画面とは異なるものであることを認識させることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者をメインスクリーン471に注目させることができ、メインスクリーン471に投影表示される演出画像を楽しませることができる。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、円盤状の中心軸が操作ボタン410の中心軸と略一致しており、正面から見ると円形の操作ボタン410の中央にドクロを模したサブスクリーン装飾部材476が位置した状態に見える(図74(b)を参照)。この状態で後方に配置されているプロジェクタ500から前方へ演出画像を照射すると、その演出画像がサブスクリーン472の後面に投影される。ところで、サブスクリーン472の後側には平板状で不透光性のサブスクリーン装飾基板477が取付けられているため、このサブスクリーン装飾基板477の部位ではプロジェクタ500から照射された演出画像(光)が遮られることとなり、サブスクリーン472の後面の中央部分には、サブスクリーン装飾基板477の影が投影されることとなる(図75(b)を参照)。従って、サブスクリーン472では、サブスクリーン装飾基板477の影が投影される中央部分を除いた外周の部分に、プロジェクタ500からの演出画像が投影表示される。この際に、サブスクリーン装飾基板477の前面に実装されているLED477aを発光させると、その光によってサブスクリーン472の中央部分を発光装飾させることができ、サブスクリーン472の中央に備えられているサブスクリーン装飾部材476を発光装飾させることができる。また、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、プロジェクタ500からの光によりサブスクリーン472の後面に投影されるサブスクリーン装飾基板477の影を見え難くすることができ、サブスクリーン472の前面側全体を明るく発光装飾させることができる。
この扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた状態で、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させると共に、プロジェクタ500から前方へ演出画像(動画)を照射させると、サブスクリーン472におけるサブスクリーン装飾基板477の影が投影されていない部位、つまり、ドクロを模した装飾からなるサブスクリーン装飾部材476の外側の部位に、演出画像が表示され、演出画像の内側となるサブスクリーン装飾部材476がサブスクリーン装飾基板477のLED477aによって発光装飾される。この状態では、固定されたサブスクリーン装飾部材476の発光装飾の外側が、演出画像(動画)によって装飾されることとなり、これまでのパチンコ機における装飾部材の発光装飾とは全く異なった装飾演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、サブスクリーン472に対して遊技者を強く注目させることができる。また、この状態では、演出画像の内側において、LED477aの光が、演出画像の明るさよりも明るく(高輝度で)輝くため、従来の液晶表示装置では成し得ない部分的に高輝度な演出画像を表示させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者をより楽しませられる演出画像を表示させることができる。
また、扉枠側第二演出表示装置460Aでは、プロジェクタ500から前方へ演出画像を照射させた状態で、前方へ向いているスクリーンを適宜方向へ回転させて、メインスクリーン471からサブスクリーン472に変更したり、サブスクリーン472からメインスクリーン471に変更したりすると、メインスクリーン471及びサブスクリーン472が回転している途中では、メインスクリーン471及びサブスクリーン472におけるプロジェクタ500の投影範囲に位置している部位に、演出画像が投影表示される。つまり、演出画像が、メインスクリーン471とサブスクリーン472とに跨るように表示される。従って、メインスクリーン471からサブスクリーン472にゆっくり変更させると、プロジェクタ500から投影されている演出画像上に、周縁装飾部472aやサブスクリーン装飾部材476が回転移動してくるような不思議な視覚演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
このように、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470の装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)の後方には、前面にLED477aが実装されているサブスクリーン装飾基板477や前方へ演出画像等の光を照射可能なプロジェクタ500を有する扉枠側第二演出表示装置460Aを備えており、扉枠側第二演出表示装置460Aによって操作ボタン410内を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400A、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図68に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、扉枠側第二演出表示装置460Aにおける上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板482の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回動させることで、互いに形態の異なる表示画面を有したメインスクリーン471又はサブスクリーン472に切替えて演出画像を表示させることができ、表示画面の形状が変化する(切替わる)と言う従来のパチンコ機で有りえない演出を遊技者に提示することができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。
[3−5.扉枠左サイドユニット]
扉枠3の扉枠左サイドユニット530について、主に図78乃至図81を参照して詳細に説明する。図78(a)は扉枠における扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図79は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図80は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図81は図78(a)におけるL−L線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット530は、皿ユニット320の上側で扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162(扉枠左サイド装飾基板160)の前側を覆うように扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられるものである。扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベース110の貫通口111の正面視左側を装飾するためのものである。
扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられる上下に延びた帯板状の左ユニットベース531と、左ユニットベース531の前面に取付けられている透明な帯板状の左ユニット拡散レンズ部材532と、左ユニット拡散レンズ部材532の前方に配置されており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面上部に取付けられており前方へ筒枠状に突出していると共に上下に延びている左ユニット上装飾ベース534と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面下部に取付けられており左ユニット上装飾ベース534よりも短く前方へ枠状に突出している左ユニット下装飾ベース535と、左ユニット上装飾ベース534及び左ユニット下装飾ベース535の前側から左ユニット装飾レンズ部材の前端側を覆うように左ユニットベース531の前側に取付けられている透明な左ユニット装飾カバー536と、左ユニット装飾カバー536の前側に取付けられている複数の飾り部材537と、を備えている。
扉枠左サイドユニット530の左ユニットベース531は、後側が開放された浅い箱状に形成されており、前面に前後に貫通している複数の開口部531aを有している。複数の開口部531aは、図示するように、円形状の穴と、上下に延びた四角形状の穴とがある。左ユニットベース531は、扉枠左サイド装飾基板160(扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162)の前面に実装されているLED161a,162aが、複数の開口部531aから前方へ臨むように、扉枠ベース110の前面左側に取付けられる。左ユニットベース531の各開口部531aは、扉枠3に組立てた時に、扉枠左サイド装飾基板160の各LED161a,162aが上下方向の略中央に位置するように夫々形成されている。この左ユニットベース531は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532は、透明な部材によって形成されており、上拡散レンズ部材532Aと下拡散レンズ部材532Bとに上下に分割されている。左ユニット拡散レンズ部材532は、左ユニットベース531における円形状の開口部531aと対応している正面視円形の円形レンズ部532aと、四角形状の開口部531aと対応している正面視四角形の角形レンズ部532bと、を備えている。扉枠左サイドユニット530は、扉枠3に組立てた状態で、円形レンズ部532a及び角形レンズ部532bの中央の直後に、扉枠左サイド装飾基板160の夫々のLED161a,162aが位置するように形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aは、前面及び後面が滑らかな凸レンズ状に形成されている。この円形レンズ部532aによって、後方に配置されているLED161a,162aからの光を、点状のまま前方へ照射させることができる。この円形レンズ部532aから前方へ照射された光によって、左ユニット装飾レンズ部材の円形装飾部を発光装飾させることができる。
左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bは、前面中央において円錐状に後方へ窪んだ中央拡散反射部532cと、前面における中央拡散反射部532cの外側に形成されている前面拡散レンズ部532dと、後面中央(中央拡散反射部532cの直後)において湾曲面状に後方へ膨出している入力レンズ部532eと、後面における入力レンズ部532eの外側で全体的に入力レンズ部532eから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜している前方反射部532fと、を備えている。
角形レンズ部532bの前面拡散レンズ部532dは、中央拡散反射部532cを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。更に詳述すると、前面拡散レンズ部532dは、半径方向に沿って切断した時の断面形状に、溝の部分が後方へ円弧状に窪んでおり、溝と溝の間の山の部分が前方へ円弧状に膨出しており、前面が滑らかな波状に形成されている。また、前面拡散レンズ部532dは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。
角形レンズ部532bの前方反射部532fは、入力レンズ部532eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら複数の溝は、後方から前方へ向かってV字状に窪んでおり、最深部が円弧状に形成されている。前方反射部532fは、半径方向に沿って切断した時の断面形状が、溝と溝との間の山の部分が後方へ尖った三角形状に形成されており、鋸状に形成されている。前方反射部532fは、中心から遠ざかるに従って溝及び山の部分が前方へ移動するように形成されている。また、前方反射部532fは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。この周方向へ分割している放射状に延びた線は、前面拡散レンズ部532dにおける放射状に延びた分割線と一致している。
この角形レンズ部532bは、扉枠3に組立てた状態で、入力レンズ部532eの直後に、扉枠左サイド装飾基板160の対応しているLED161a,162aが位置している。
角形レンズ部532bは、LED161a,162aから前方へ照射された光が、入力レンズ部532eから角形レンズ部532b内に入力される。この入力レンズ部532eは、後方へ湾曲面状(凸レンズ状)に膨出していることから、LED161a,162aから前方へ広がる光を、前方へ平行に進むように屈折させて、入力された光の略全てを円錐状の中央拡散反射部532cへ導くことができる。そして、中央拡散反射部532cへ導かれた光は、中央拡散反射部532cの傾斜している円錐面により、前後に延びた軸線に対して直角方向(扉枠左サイド装飾基板160の前面と平行な方向)へ拡散するように反射させられ、角形レンズ部532b内をその前面に沿って中央側から外側へ向かって進むこととなる。また、中央拡散反射部532cで反射した光は、角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って、中央側から外側(中央拡散反射部532cの中心線から遠ざかる方向)へ進む。
角形レンズ部532b内を扉枠左サイド装飾基板160の前面と略平行に中央側から外側へ向かって反射した光が、鋸状の前方反射部532fに到達すると、前方反射部532fの面により前方側へ反射する。この際に、前方反射部532fは、後面が中央拡散反射部532cから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜していることから、角形レンズ部532bの前後方向の厚が、中央から遠ざかるに従って薄くなっている(図81を参照)。これにより、中央拡散反射部532cにおいて角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って外側へ向かって反射している光を、中心側から外側へ向かうに従って、前方反射部532fにより順次前方へ反射させることができる。
そして、前方反射部532fにより前方へ向かって反射させられた光は、前面拡散レンズ部532dを通って角形レンズ部532bから前方へ照射される。この際に、前面拡散レンズ部532dは、断面が波状に形成されているため、前方反射部532fで前方へ向かって反射させられた光を様々な方向へ拡散させることができ、角形レンズ部532bの前面から略均一に光を前方(左ユニット装飾レンズ部材の後面)へ照射させることができる。
この角形レンズ部532bは、前面拡散レンズ部532d及び前方反射部532fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、角形レンズ部532bの前面から前方へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を前方へ照射させることができる。これにより、左ユニット装飾レンズ部材における角形レンズ部532bの前方の多面装飾部を略均一に発光装飾させることができる。
図示しない左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット装飾カバー536の前面に沿うように形成されている。左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aの前方の位置する部位に形成されている円形装飾部と、左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bの前方に位置する部位に形成されている多面装飾部と、を備えている。円形装飾部は、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部は、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。円形装飾部及び多面装飾部は、扉枠右サイドユニット550における右ユニット装飾レンズ部材561の円形装飾部561a及び多面装飾部561bと、同じ形状に形成されている。
左ユニット装飾レンズ部材は、透明な左ユニット装飾カバー536を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。また、左ユニット装飾レンズ部材は、円形装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aから前方へ照射された光により、多面装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bから前方へ照射された光により、夫々発光装飾させられる。
左ユニット上装飾ベース534は、正面視の形状が上下に延びた四角形で、前後に延びた角筒状に形成されている。左ユニット上装飾ベース534は、外周における下面を構成する部位が、前端側から後端側へ向かうに従って下方へ突出するように傾斜していおり、その部位の下部が前後に貫通している。この左ユニット上装飾ベース534は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット下装飾ベース535は、正面視の形状が、上方へ開放されているコ字状に形成されている。左ユニット下装飾ベース535は、前端における上下方向略中央から上側が、上方へ向かうに従って後方へ移動するように後端まで傾斜している。この左ユニット下装飾ベース535は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット装飾カバー536は、扉枠左サイドユニット530の全高に亘って上下に延びている。左ユニット装飾カバー536は、上下方向の中間部が後方へ凹むように屈曲しており、左ユニット上装飾ベース534の前端に沿うように下部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、左ユニット下装飾ベース535の前端に沿うように上部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、上側のく字状の部位の下端と下側のく字状の部位の上端とを結んでいる直線状の部位と、で構成されている。
左ユニット装飾カバー536は、上下両端が左ユニット上装飾ベース534の前面と、左ユニット下装飾ベース535の前面とに夫々取付けられる。この左ユニット装飾カバー536は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている左ユニット装飾レンズ部材を前方側から視認することができる。
飾り部材537は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で左ユニット装飾カバー536の前面に取付けられている。飾り部材537は、不透光性の部材によって形成されている。
[3−6.扉枠右サイドユニット]
扉枠3の扉枠右サイドユニット550について、主に図82乃至図86等を参照して詳細に説明する。図82(a)は扉枠における扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図83は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図84は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図85は、図82(a)におけるM−M線で切断した断面図である。図86(a)は図82(a)におけるN−N線で切断した断面図であり、(b)は図82(a)におけるO−O線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット550は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の右側に取付けられるものである。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視右側に取付けられる上下に延びた箱状の右ユニットベース551と、右ユニットベース551の前面に取付けられている扉枠右サイド装飾基板552と、扉枠右サイド装飾基板552の前側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より左側に取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット左拡散レンズ部材553と、右ユニット左拡散レンズ部材553の左側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット左装飾部材554と、右ユニット左装飾部材554の左側を覆うように右ユニット左拡散レンズ部材553に取付けられている透明平板状の右ユニット左カバー555と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、扉枠右サイド装飾基板552の前側且つ右ユニット左拡散レンズ部材553の正面視右側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より右側と右ユニット左拡散レンズ部材553とに取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット右拡散レンズ部材556と、右ユニット右拡散レンズ部材556の右側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット右装飾部材557と、右ユニット右装飾部材557の右側を覆うように右ユニット右拡散レンズ部材556に取付けられている透明平板状の右ユニット右カバーと558、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553と右ユニット右拡散レンズ部材556との間に配置されており前方及び右方が開放された上下方向及び前後方向に延びた浅い箱状で不透光性の右ユニット左遮光部材559と、右ユニット右拡散レンズ部材556の左側で右ユニット左遮光部材559の開放されている右側を閉鎖するように取付けられている不透光性で平板状の右ユニット右遮光部材560と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する右ユニット装飾レンズ部材561と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側と右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端側を覆うように右ユニットベース551の前面に取付けられている前後に貫通した枠状の右ユニット装飾ベース562と、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖するように右ユニット装飾ベース562の前側に取付けられている透明な右ユニットカバー563と、右ユニットカバー563の前側に取付けられている複数の飾り部材564と、を備えている。なお、図示は省略するが、扉枠右サイドユニット550は、右ユニットベース551を上下に貫通するように取付けられ、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板と、扉枠トップユニット570の扉枠トップユニット中継基板589とを接続するための接続ケーブルを備えている。
扉枠右サイドユニット550の右ユニットベース551は、正面視の形状が上下に長く延びた四角形で、前後に短く角筒状に延びており、前後方向の中央付近が閉鎖された箱状に形成されている。この右ユニットベース551は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠右サイド装飾基板552は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、前面における左右方向中央より左側に実装されている複数の左LED552aと、前面における左右方向中央より右側に実装されている右LED552bと、前面における左右方向中央に実装されている複数の中LED552cと、を備えている。扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aは、右ユニット左拡散レンズ部材553を介して右ユニット左装飾部材554を発光装飾させためのものである。また、右LED552bは、右ユニット右拡散レンズ部材556を介して右ユニット右装飾部材557を発光装飾させるためのものである。中LED552cは、右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させるためのものである。
扉枠右サイド装飾基板552は、前後両面が白色に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、上側の扉枠右サイド上装飾基板552Aと、下側の扉枠右サイド下装飾基板552Bとに上下に分割されている。図示は省略するが、扉枠右サイド下装飾基板552Bは、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板に接続されており、扉枠右サイド上装飾基板552Aは、扉枠右サイド下装飾基板552Bに接続されている。
右ユニット左拡散レンズ部材553は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部553aと、本体部553aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部553bと、後壁部553bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部553cと、本体部553aの正面視左面側において右ユニット左装飾部材554を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部553dと、本体部553aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部553eと、本体部553aの正面視右面側において各入力レンズ部553eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部553fと、を備えている。
右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されている。また、本体部553aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視右方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部553aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部553bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その右端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部553bの右端には、右ユニット右拡散レンズ部材556の後壁部556bの左端が当接する。
複数の切欠部553cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部553cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨んでおり、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部553dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット左装飾部材554の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット左装飾部材554を収容することができる。
複数の入力レンズ部553eは、本体部553aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット左拡散レンズ部材553を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部553eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部553eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aの直前に夫々位置している。これにより、左LED552aからの光を、本体部553a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部553fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部553eに近い側の面が本体部553aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部553eから遠い側の面が本体部553aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部553fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット左拡散レンズ部材553は、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aから前方へ照射された光が、入力レンズ部553eの後面から右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553a内へと入射される。この入力レンズ部553eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により左LED552aからの光が広がるように屈折し、本体部553a内において、各入力レンズ部553eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部553aは、全体が前方へ向かうに従って正面視右方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている左LED552aから照射されて入力レンズ部553eから本体部553a内に入射された光が、本体部553a内の平坦な左面に当ることとなる。しかしながら、左LED552aからの直接光は、本体部553aの左面に対する入射角度の関係で、本体部553aの左面から外部へ放射されることはなく、左面の内面で側面反射部553f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部553eから本体部553a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部553fに当ることで正面視左方へ反射し、本体部553aの左面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部553aの右面(側面反射部553f)からも外方(正面視右方)へ光が照射されるが、本体部553aの右側に配置されている右ユニット左遮光部材559が白色の部材とされているため、右ユニット左遮光部材559の左面が明るく照らされることとなり、右ユニット左遮光部材559で反射した間接光が本体部553aを通って左方側へ照射されることとなる。従って、本体部553aの左面からは、本体部553a内において側面反射部553fにより左方へ反射された光と、側面反射部553fから右方へ照射されて右ユニット左遮光部材559の左面で左方へ反射して本体部553aを通過した光とが、左方へ照射されるため、本体部553aの左側に取付けられている右ユニット左装飾部材554を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部553fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部553aの左面から外方(左方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を左方へ照射させることができる。これにより、本体部553aの左面の収容凹部553dに収容されている右ユニット左装飾部材554を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット左拡散レンズ部材553は、透明な部材により形成されているため、本体部553aの正面視左側(収容凹部553dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部553fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット左装飾部材554において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット左拡散レンズ部材553の側面反射部553fの模様が視認できることとなり、右ユニット左装飾部材554における透明な部分を側面反射部553fによって装飾することができる。
右ユニット左装飾部材554は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット左カバー555は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット左装飾部材554の外面を保護している。
右ユニット右拡散レンズ部材556は、右ユニット左拡散レンズ部材553とは略左右対称に形成されており、同じような構成を備えている。詳述すると、右ユニット右拡散レンズ部材556は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部556aと、本体部556aの後辺から正面視左方へ短く平板状に突出している後壁部556bと、後壁部556bの正面視左端側から右方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部556cと、本体部556aの正面視右面側において右ユニット右装飾部材557を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部556dと、本体部556aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部556eと、本体部556aの正面視左面側において各入力レンズ部556eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部556fと、を備えている。
右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aと外形が略同じ形状に形成されている。また、本体部556aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視左方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部556aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部556bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部556bの左端には、右ユニット左拡散レンズ部材553の後壁部553bの右端が当接する。
複数の切欠部556cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部556cは、右ユニット左拡散レンズ部材553の複数の切欠部553cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、右ユニット左拡散レンズ部材553の切欠部553cと、右ユニット右拡散レンズ部材556の切欠部556cとで、前後に貫通している四角い開口部が形成され、その開口部から扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部556dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット右装飾部材557の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット右装飾部材557を収容することができる。
複数の入力レンズ部556eは、本体部556aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット右拡散レンズ部材556を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部556eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部556eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bの直前に夫々位置している。これにより、右LED552bからの光を、本体部556a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部556fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部556eに近い側の面が本体部556aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部556eから遠い側の面が本体部556aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部556fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット右拡散レンズ部材556は、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bから前方へ照射された光が、入力レンズ部556eの後面から右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556a内へと入射される。この入力レンズ部556eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により右LED552bからの光が広がるように屈折し、本体部556a内において、各入力レンズ部556eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部556aは、全体が前方へ向かうに従って正面視左方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている右LED552bから照射されて入力レンズ部556eから本体部556a内に入射された光が、本体部556a内の平坦な右面に当ることとなる。しかしながら、右LED552bからの直接光は、本体部556aの右面に対する入射角度の関係で、本体部556aの左面から外部へ放射されることはなく、右面の内面で側面反射部556f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部556eから本体部556a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部556fに当ることで正面視右方へ反射し、本体部556aの右面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部556aの右面(側面反射部556f)からも外方(正面視左方)へ光が照射されるが、本体部556aの左側に配置されている右ユニット右遮光部材560が白色の部材とされているため、右ユニット右遮光部材560の右面が明るく照らされることとなり、右ユニット右遮光部材560で反射した間接光が本体部556aを通って右方側へ照射されることとなる。従って、本体部556aの右面からは、本体部556a内において側面反射部556fにより右方へ反射された光と、側面反射部556fから左方へ照射されて右ユニット右遮光部材560の右面で右方へ反射して本体部556aを通過した光とが、右方へ照射されるため、本体部556aの右側に取付けられている右ユニット右装飾部材557を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部556fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部556aの右面から外方(右方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を右方へ照射させることができる。これにより、本体部556aの右面の収容凹部556dに収容されている右ユニット右装飾部材557を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット右拡散レンズ部材556は、透明な部材により形成されているため、本体部556aの正面視右側(収容凹部556dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部556fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット右装飾部材557において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット右拡散レンズ部材556の側面反射部556fの模様が視認できることとなり、右ユニット右装飾部材557における透明な部分を側面反射部556fによって装飾することができる。
右ユニット右装飾部材557は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット右カバー558は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット右装飾部材557の外面を保護している。右ユニット右装飾部材557及び右ユニット右カバー558は、右ユニット左装飾部材554及び右ユニット左カバー555とは、略左右対称に形成されている。また、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557とに施される装飾は、同じ装飾であっても良いし、異なる装飾であっても良い。
右ユニット左遮光部材559は、側面視の形状が右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の側面視の形状と、略同じ形状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、前方及び右方が開放された浅い箱状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部559aと、本体部559aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部559bと、後壁部559bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部559cと、本体部559aの右面から右方へ延出していると共に後壁部559bから本体部559aの前端まで延びている平板状の複数の補強部559dと、を備えている。
右ユニット左遮光部材559の本体部559aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと外形が略同じ形状に形成されている。
後壁部559bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央よりも右側へ延出している。この後壁部559bの右端には、右ユニット右遮光部材560の左面が当接する。
複数の切欠部559cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部559cは、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の複数の切欠部553c,556cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部559cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
複数の補強部559dは、左右の幅と略同じ高さで上下方向に離間している一対の補強部559dを一組として、上下方向へ所定距離離間して三組備えられている。各組の補強部559dは、右ユニットカバー563に取付けられる飾り部材564の後方となる位置に夫々形成されている。これら複数の補強部559dによって、扉枠右サイドユニット550の全体の強度・剛性を高めている。
右ユニット右遮光部材560は、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左遮光部材559における本体部559aと略同じ形状に形成されている。右ユニット右遮光部材560は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、浅い箱状に形成されている右ユニット左遮光部材559の右方へ開放されている右側開口を閉鎖している。
右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、白色の部材によって夫々形成されている。右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、図86に示すように、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、夫々の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560が、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと近接するように配置されている。これにより、右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士が左右方向に離間しており、左右方向に所定幅で上下方向及び前後方向に延びた空間を形成している。この右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士の間に形成された空間を通して、扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cから前方へ放射された光が、右ユニット装飾レンズ部材561の後側に照射される。
また、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、不透光性の部材によって形成されており、扉枠右サイド装飾基板552における左LED552a、中LED552c、右LED552bから夫々前方へ照射される光が、互いに干渉するのを防止しており、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を、夫々対応している左LED552a、右LED552b、及び中LED552cによってのみ発光装飾させることができる。
更に、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、三組の補強部559dによって内部空間が上下方向へ四つに分割されているため、分割された夫々の空間の後側に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、各空間同士の間で光が干渉しないようにすることができ、右ユニット装飾レンズ部材561の各空間の前方に位置している部位を、夫々独立して発光装飾させることができる。つまり、扉枠右サイドユニット550の前端側において、上下方向へ複数(四つ)の領域に分割して夫々を独立して発光装飾させることができる。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾レンズ部材561は、正面視において円形状に形成されている円形装飾部561aと、上下に延びており複数の多面体が形成されている多面装飾部561bと、を備えている。円形装飾部561aは、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部561bは、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。
詳述すると、右ユニット装飾レンズ部材561は、複数の円形装飾部561a及び多面装飾部561bが、右ユニット左遮光部材559における三組の補強部559dによって四つに分割されている夫々の空間の前方に位置する部位において、上から三つの部位では、上下方向の中央に配置された円形装飾部561aの上下両側に一つずつ多面装飾部561bが配置され、最も下側の部位では、多面装飾部561bのみが配置されるように形成されている。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられている。右ユニット装飾レンズ部材561は、透明な右ユニットカバー563を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。この右ユニット装飾レンズ部材561は、後方に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、発光装飾させられる。
右ユニット装飾ベース562は、前後方向に貫通している筒枠状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端及び上端の形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556における前端付近の左右両外側と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側を被覆可能に形成されている。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット装飾ベース562の前端よりも、右ユニット装飾レンズ部材561の前端が、僅かに前方へ突出している。この右ユニット装飾ベース562は、不透光性の部材によって形成されている。
右ユニットカバー563は、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖可能に形成されている。この右ユニットカバー563は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている右ユニット装飾レンズ部材561を前方側から視認することができる。
飾り部材564は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で右ユニットカバー563の前面に取付けられている。飾り部材564は、不透光性の部材によって形成されている。三つの飾り部材564は、右ユニットカバー563(右ユニット装飾レンズ部材561)を上下方向へ四つに分割している。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく板状に突出しており、皿ユニット320の上皿321前端よりも若干前方へ突出している。扉枠右サイドユニット550は、突出した左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を夫々独立して発光装飾させることができる。
扉枠右サイドユニット550は、板状で前方へ大きく突出していることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができる。これにより、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているように錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
また、扉枠右サイドユニット550は、前方へ大きく突出していることから、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホールでは、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向からでも視認することができ、多数のパチンコ機が列設されている遊技ホール内において本パチンコ機1を目立たせることができる。従って、扉枠右サイドユニット550の左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557を発光装飾させると、本パチンコ機1の前方近辺に位置していなくても、遠くから本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠右サイドユニット550において、本パチンコ機1で球詰りやエラー等の不具合が発生した時に、左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561等を特有な態様で発光装飾させるようにすることで、遊技ホールの係員に対して、不具合の発生を直ち知らせて認識させることができ、不具合に対して素早い対応ができるようになることから、遊技者の遊技の中断を早期に解決させることができ、遊技者が苛立ちを覚えて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−7.扉枠トップユニット]
扉枠3の扉枠トップユニット570について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図87(a)は扉枠における扉枠トップユニットの正面図であり、(b)は扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図である。図88は扉枠トップユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図89は扉枠トップユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図90は、図87におけるP−P線で切断した断面図である。扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられるものである。
扉枠トップユニット570は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側で左右方向の中央に取付けられる中央ベース571と、中央ベース571の左右両側に取付けられていると共に扉枠ベース110の前面に取付けられる一対のサイドベース572と、一対のサイドベース572の前面に夫々取付けられている一対の上部スピーカ573と、左右に延びていると共に左右方向中央が前方へ突出しており後方が開放されている箱状で一対の上部スピーカ573の前方位置で前後に夫々貫通している一対の開口部574a、及び一対の開口部574aよりも左右方向中央寄りの位置から中央付近まで夫々延びていると共に前後方向に夫々貫通しており上下に離間している複数(左右夫々三つ)のスリット574bを有しており中央ベース571及び一対のサイドベース572の前側に取付けられているユニット本体574と、一対の上部スピーカ573の前側に夫々配置されており一対の開口部574aを閉鎖するようにユニット本体574の後側に取付けられているパンチングメタルからなるスピーカカバー575と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体574の左右方向中央の前面に取付けられており透光性を有しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中装飾基板577と、ユニット本体574の前面に夫々取付けられており複数のスリット574bを夫々閉鎖していると共にトップ中装飾部材576の左右両端付近から開口部574aを跨いでユニット本体574の左右両端付近まで夫々延びている透明平板状の複数(左右夫々三つ)の導光部材578と、ユニット本体574の前面におけるトップ中装飾部材576の左右両側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578の前面を夫々覆っているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の前方側からユニット本体574の前面に夫々取付けられておりトップ中装飾部材576の左右両側から開口部574aの中央側端部付近まで夫々延びているトップ中左装飾部材581及びトップ中右装飾部材582と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット570は、ユニット本体574における左右両側面の内側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578における左右方向外側端部と対面する部位にLEDが夫々実装されている扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ右装飾基板584と、ユニット本体574の後側における左右方向中央の左右両側に夫々形成されている複数(三つの)スリット574bが貫通している部位に夫々取付けられている一対の基板ベース585と、一対の基板ベース585の前面に夫々取付けられておりユニット本体574のスリット574bの後方となる位置に複数のLED586a,587aが実装されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の前側でユニット本体574の後側に夫々取付けられている一対の遮光部材588と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体574内で中央ベース571の前面に取付けられている扉枠トップユニット中継基板589と、扉枠トップユニット中継基板589の前面を覆うように中央ベース571に取付けられている中継基板カバー590と、ユニット本体574の上開口部574cを閉鎖するようにユニット本体574に取付けられている上カバー591と、ユニット本体574の下開口部574dを閉鎖するようにユニット本体574に取付けられている下カバー592と、を備えている。
扉枠トップユニット570の中央ベース571は、正面視の形状が左右に延びた四角形に形成されている。中央ベース571は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面に複数の凹凸を備えている。一対のサイドベース572は、中央ベース571の左右両端に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、各サイドベース572の前面に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、夫々の前面が、扉枠トップユニット570の左右方向中央に近い側が後方へ移動するように斜めに取付けられている。一対の上部スピーカ573は、広い周波数帯域で音を出力可能なフルレンジのコーン型スピーカである。
ユニット本体574は、正面視の形状が、左右に延びた四角形の左右両端付近の下部が下方へ膨出したような形状に形成されている。換言すると、ユニット本体574は、正面視の形状が、左右に延びた四角形を、下端辺側から上方へ窄まった台形で切欠いたような形状に形成されている。ユニット本体574は、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前端辺側における左右方向中央を中心にして全幅(左右方向の長さ)の約1/2の部位を底辺とする前方へ突出した台形と、その台形の前端辺を長辺として前方へ短く突出した四角形と、を組合せた形状に形成されている。従って、ユニット本体574は、前面における左右方向中央で前方へ突出した部位の両側が、ユニット本体574の左右方向の端部と、前方へ突出した部位の前端の左右方向端部とを結んだ線よりも後方に位置している(窪んでいる)。
ユニット本体574は、前面における左右方向両端から前方へ突出している部位よりも外側の位置までの部位に、夫々前後に貫通している開口部574aが形成されている。また、ユニット本体574は、前面における前方へ台形に突出している部位の斜めに延びている部位に、上下方向に所定の高さで左右に延びていると共に前後方向に貫通している複数のスリット574bが形成されている。複数のスリット574bは、ユニット本体574の前面における前方へ斜めに延びている部位の前端付近から、開口部574a付近まで左右に延びている。また、複数のスリット574bは、ユニット本体574の左右方向中央の両側に、夫々三つずつ上下に離間して形成されている。
また、ユニット本体574は、上面における左右方向中央に後端から前方へ向かって四角く切欠かれた上開口部574cと、下面における左右方向に後端から前方へ向かって切欠かれた下開口部574dと、を備えている。ユニット本体574の上開口部574cは、上カバー591によって閉鎖される。また、下開口部574dは、下カバー592によって閉鎖される。
また、ユニット本体574は、左右両端に上下に延びたトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fを備えている。トップ左装飾部574eは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面と、前後方向が略同じ位置に形成されている。トップ右装飾部574fは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面よりも前方へ位置するように形成されている。このユニット本体574は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中装飾部材576は、ユニット本体574の前面における左右方向中央において前方へ突出している部位の前端に取付けられる。トップ中装飾部材576は、正面視の形状が、略正方形の下辺の左右方向中央部が下方へ位置するように折れ曲がった変五角形と、変五角形の左右の辺の上端から左右方向外側へ延出した辺の先端と辺五角形の左右の辺の下端とを結んだ略直角三角形と、を組合せたような形状に形成されている。トップ中装飾部材576は、前面の変五角形の部位が、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。このトップ中装飾部材576は、全体が立体的な形状に形成されており、透光性を有している。
扉枠トップ中装飾基板577は、前面が、トップ中装飾部材576の変五角形の部位の前面と沿うように、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜した状態でトップ中装飾部材576の後側に取付けられる。扉枠トップ中装飾基板577は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、トップ中装飾部材576を発光装飾させることができる。
導光部材578は、透明な部材によって形成されている。導光部材578は、ユニット本体574の前面における前方へ突出した部位の前端よりも左右両外側の形状に沿った形状に形成されている。ユニット本体574の左右方向両端部に近い側を端部側、中央に近い側を中央側として説明すると、導光部材578は、端部側から中央側へ向かって左右に真っすぐに延びた直部578aと、直部578aの中央側の端部側から中央側へ向かうに従って前方へ移動するように半径の大きい円弧状に延びた円弧部578bと、で構成されている。導光部材578は、直部578aでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも小さく形成されており、円弧部578bでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも大きく形成されている。また、導光部材578は、直部578aでは上下方向の高さが一定に形成されており、円弧部578bでは上下方向の高さが中央側へ向かうに従って小さくなるように形成されている。導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、直部578aがユニット本体574の開口部574aの直前に位置し、円弧部578bがユニット本体574のスリット574bを前方から閉鎖している。
導光部材578は、直部578aの後面に形成されている鋸状の凹凸からなる拡散反射部578cと、円弧部578bの後面側に形成されている複数の凹凸からなる拡散入力部578dと、を備えている。
導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、左右方向両外側の端部が、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aと対面していると共に、拡散入力部578dが扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aと対面している。この導光部材578は、左右方向両外側の端部から、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aからの光が入射されると、その光が直部578a内を中央側へ進むと共に、直部578aの後面に形成されている拡散反射部578cにより端部側から順次前方へ反射され、直部578aの前面全体から光が前方へ照射される。導光部材578の前方にはトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580が配置されており、それらのうちの直部578aの前方となる部位が発光装飾させられる。
また、導光部材578は、円弧部578bの後面に形成されている拡散入力部578dから、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aからの光が入射されると、その光が拡散入力部578dの凹凸により円弧部578b内へ広く拡散され、円弧部578bの前面全体から光が前方へ照射される。これにより、トップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580における円弧部578bの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
このように、導光部材578は、扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586a、又は、扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587a、からの光を導いて、前方に配置されているトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580の全体を良好(均一)な状態で発光装飾させることができる。
トップ左装飾レンズ部材579は、ユニット本体574の前面における左右方向中央より左側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体574の前面に取付けられる。トップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部579aを有している。トップ左装飾レンズ部材579の装飾レンズ部579aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部579aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左端から、ユニット本体574のトップ左装飾部574eの右端まで延びている。つまり、トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも左側の略全体を装飾している。このトップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586aによって発光装飾させられる。
トップ右装飾レンズ部材580は、ユニット本体574の前面における左右方向中央より右側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体574の前面に取付けられる。トップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部580aを有している。トップ右装飾レンズ部材580の装飾レンズ部580aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部580aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の右端から、ユニット本体574のトップ右装飾部574fの左端まで延びている。つまり、トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも右側の略全体を装飾している。このトップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587aによって発光装飾させられる。
トップ中左装飾部材581は、ユニット本体574の前面における左側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ左装飾レンズ部材579の前方からユニット本体574の前面に取付けられる。トップ中左装飾部材581は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ左装飾レンズ部材579の三つの装飾レンズ部579aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ左装飾レンズ部材579の前面よりも前方に突出している。このトップ中左装飾部材581は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中右装飾部材582は、ユニット本体574の前面における右側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ右装飾レンズ部材580の前方からユニット本体574の前面に取付けられる。トップ中右装飾部材582は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ右装飾レンズ部材580の三つの装飾レンズ部580aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ右装飾レンズ部材580の前面よりも前方に突出している。このトップ中右装飾部材582は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体574内における左側面(トップ左装飾部574e)の内側に、LED583aが実装されている面を右方へ向けて取付けられている。扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体574の左右方向中央より左側の前面に取付けられている三つの導光部材578の左端面と対向する位置にLED583aが実装されている(図90を参照)。三つのLED583aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ左装飾基板583のLED583aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ左装飾レンズ部材579におけるユニット本体574の左側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体574内における右側面(トップ右装飾部574f)の内側に、LED584aが実装されている面を左方へ向けて取付けられている。扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体574の左右方向中央より右側の前面に取付けられている三つの導光部材578の右端面と対向する位置にLED584aが実装されている(図90を参照)。三つのLED584aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ右装飾基板584のLED584aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ右装飾レンズ部材580におけるユニット本体574の右側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
一対の基板ベース585は、ユニット本体574内における複数のスリット574bが形成されている部位の後側に取付けられるものである。一対の基板ベース585は、互いが略左右対称に形成されている。基板ベース585は、上下及び前後に延びた辺を有する側面視略正方形の側壁と、側壁の後辺から直角に左右方向外方へ延びた正面視四角形の後壁と、側壁の上辺の前端から側壁の上辺途中までを結んだ線を斜辺として側壁と後壁の上辺同士を結んでいる略直角三角形の上壁と、上壁とは反対側で側壁と後壁の下辺同士を結んでいる略直角三角形の下壁と、を備え、上下の斜辺同士の間が開放された三角柱状の箱状に形成されている。基板ベース585は、開放されている部位が、ユニット本体574によって閉鎖されるようにユニット本体574に取付けられる。この基板ベース585は、開放されている部位が閉鎖されるように、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587が取付けられる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体574における左右中央より左側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中左装飾基板586は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体574の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体574の左右方向中央より左側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体574の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED586aが実装されている。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体574の中央より左側の三つのスリット574bから、複数のLED586aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中左装飾基板586は、複数のLED586aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ左装飾レンズ部材579のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体574における左右中央より右側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中右装飾基板587は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体574の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体574の左右方向中央より右側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体574の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED587aが実装されている。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体574の中央より右側の三つのスリット574bから、複数のLED587aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中右装飾基板587は、複数のLED587aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ右装飾レンズ部材580のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
一対の遮光部材588は、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587とユニット本体574との間の位置で、ユニット本体574の前面後側に取付けられるものである。一対の遮光部材588は、不透光性の部材によって、互いが略左右対称に形成されている。遮光部材588は、ユニット本体574における三つのスリット574bと対応して列設されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の複数のLED586a,587aの上下の間を仕切っている。この遮光部材588により、各導光部材578の直後に位置しているLED586a,587aによってのみ、その導光部材578により光を前方へ誘導させることができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の装飾レンズ部579a,580aを夫々独立させた状態で良好に発光装飾させることができる。
扉枠トップユニット中継基板589は、中央ベース571の前面に取付けられている。扉枠トップユニット中継基板589は、一対の上部スピーカ573、扉枠トップ中装飾基板577、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継している。扉枠トップユニット中継基板589は、扉枠右サイドユニット550に備えられている図示しない接続ケーブルを介して、扉本体中継基板と接続されている。この扉枠トップユニット中継基板589は、前側が中継基板カバー590によって覆われている。
この扉枠トップユニット570は、左右方向中央において前方へ突出したトップ中装飾部材576を備えていると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ抉れているように湾曲しているため、トップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように遊技者を錯覚させることができ、遊技者の関心を本パチンコ機1に対して強く引付けさせることができる。
また、扉枠トップユニット570は、中央に配置されているトップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を、トップ中装飾部材576の左右両側から、ユニット本体574の左右両端に形成されているトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fまで延びるように形成している。これにより、扉枠トップユニット570によって、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができる。
この際に、扉枠トップユニット570では、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580が配置されている左右方向両端付近の夫々の後方に、パンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された上部スピーカ573を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の上下に離間している三つの装飾レンズ部579a,580aの間からスピーカカバー575が前方へ臨むようにしているため、左右の上部スピーカ573から出力されるサウンドを、良好な状態で遊技者に聴かせることができ、良質なステレオサウンドを楽しませることができる。
また、扉枠トップユニット570は、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の後側に備えられた複数の導光部材578により、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587からの光を、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580に導くことができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を良好に発光装飾させることができる。従って、扉枠トップユニット570は、左右の上部スピーカ573の前方を含む扉枠3の上部の前面全体を発光装飾させることができる。
[3−8.扉枠の作用効果]
扉枠3の作用効果について説明する。本実施形態のパチンコ機1における扉枠3は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前後に貫通している貫通口111を、従来のパチンコ機よりは上下及び左右方向へ大きくしており、貫通口111の拡大に合せて、皿ユニット320及び扉枠トップユニット570の上下方向の高さを小さくしていると共に、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の左右方向の幅を小さくしている。これにより、貫通口111(ガラスユニット190)を通して、本体枠4に取付けられた遊技盤5(遊技領域5a)の前面を、可及的に広く遊技者(前方)から見えるようにすることができ、遊技領域5aの広い遊技盤5に対応している。
扉枠3は、貫通口111の下側において、前方へ膨出している皿ユニット320の左右方向中央に大きな半球面状の操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備え、演出操作ユニット400の左右両側における下半分(上皿321よりも下側の部分)の前面(皿前下装飾部326cの前面)を、後方へ抉れるように窪んだ形状(皿ユニット320の左右両端の前端と、演出操作ユニット400の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、演出操作ユニット400の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、皿ユニット320の左右方向中央の前面に取付けられている演出操作ユニット400が前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対して演出操作ユニット400を目立たせて強調して見せることができ、演出操作ユニット400に強く注目させることができる。
扉枠3は、貫通口111よりも下側の皿ユニット320の前面に配置されている演出操作ユニット400を、大きな半球面状の透明な操作ボタン410が、斜め上前方を向くように傾けた状態で取付けているため、本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、操作ボタン410が遊技者の頭部(顔)を向いた状態となり、遊技者が視線を落として演出操作ユニット400を見ると、操作ボタン410が略正面に近い状態で見えることとなり、大きくて丸い操作ボタン410を強烈に視認させることができ、操作ボタン410を用いた演出に対して期待感を高めさせることができると共に、透明な操作ボタン410内に配置されている扉枠側演出表示装置460に表示される演出画像を良好な状態で視認させることができ、演出画像を十分に楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の全高と略同じ直径の大きくて前方へ丸く膨出した操作ボタン410を備えているため、操作ボタン410を操作する際に、短い距離の手の移動で操作ボタン410の何れかの部位に触れることができ、操作ボタン410の「早押し」を比較的容易に行うことができる。また、大径で前方へ丸く膨出した操作ボタン410を、傾けた状態で取付けているため、従来のパチンコ機の操作ボタンのように上から押圧操作することができるだけでなく、左方や右方、或いは、前方からでも良好に操作することができ、操作性の良い操作ボタン410によって操作ボタン410を用いた演出をより楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320によって演出操作ユニット400を、吊り下げたような状態で取付けていると共に、演出操作ユニット400の下部に振動を発生させる振動モータ424を備えているため、遊技状態に応じて振動モータ424を回転させて振動を発生させると、操作ボタン410の上部に触れている遊技者の手に対して、強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて操作ボタン410を用いた演出をより一層楽しませることができる。
更に、扉枠3は、皿ユニット320の前面中央に、皿ユニット320の全高に亘る大きな操作ボタン410(演出操作ユニット400)を備えていることから、従来のパチンコ機と比較して上皿321の下にある下皿322が目立ち難くなるため、従来のパチンコ機を見慣れた遊技者に対して、明らかに異なっていると認識させ易くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の前面における演出操作ユニット400の左側に開口している下皿開口部326dに対して、下皿322を、演出操作ユニット400の後側へ回り込むように形成しているため、下皿開口部326dの大きさに対して、下皿322の容積を大きくすることができ、下皿322での遊技球の貯留数を十分に確保することができる。また、下皿322の後部が演出操作ユニット400の後側へ回り込んでいることから、遊技者が下皿322内に左手を入れたり、下皿開口部326dに左手の指を掛けたりした時に、指先が下皿322の後の壁に触れ難くなるため、遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができると共に、下皿開口部326dの大きさに比べて下皿322の容積が大きいことを触覚でも認識させることができる。
更に、扉枠3は、上皿321からの遊技球が下皿322に放出される下皿球供給口323cと下皿322の遊技球を皿ユニット320の下方のドル箱等に抜くための下皿球抜き孔322aとを、前後に直線状に配置すると共に、正面視において下皿開口部326dの右外側(演出操作ユニット400のフレームユニット415の左端よりも右側)に配置している。つまり、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aを、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置しているため、遊技者側から下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えず、皿ユニット320(パチンコ機1)の外観をスッキリさせることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方(真正面)の下方に下皿球抜き孔322aを配置しているため、下皿球抜き孔322aを開いた状態とすると、上皿321等から下皿322へ放出された遊技球が、下皿322に入ると直ぐに下皿球抜き孔322aから下方のドル箱等へ排出されることとなる。この際に、遊技者側からは、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えないため、上皿321等から下皿322を通ってドル箱へ排出される遊技球の流れも見ることができない。これにより、遊技者に対して上皿321の遊技球や上皿321が満タンな状態で払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができるため、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方左寄りの位置に下皿球抜き孔322aを配置すると共に、下皿球抜き孔322aよりも右側の下皿322の立上った壁部を下皿球抜き孔322aの方向を向くように斜めに湾曲させているため、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球を、直接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したり、右側の壁部に反射させて間接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したりすることができる。これにより、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態では、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、下皿322における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域(下皿第一領域A1)へ侵入することなく、下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、下皿322内を流通する遊技球を遊技者に見せることなく下皿322の下方(ドル箱)へ遊技球を排出させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、扉枠3は、下皿322が前方へ臨む皿ユニットカバー326の下皿開口部326dを、演出操作ユニット取付部326a(演出操作ユニット400)と下スピーカ口326eとの間に備えているため、遊技者が下皿開口部326dに手を掛けたり、下皿322に手を入れたりしても、下スピーカ口326eの前方が遊技者の手によって遮られることはないため、本体枠4の基板ユニット900におけるスピーカ921からのサウンドを、良好に前方へ出力させることができ、本パチンコ機1によるサウンドを楽しませることができる。また、遊技者が下皿322に手を入れたり近付けたりすると、下スピーカ口326eから前方へ出力されるスピーカ921からの重低音による振動を、遊技者に触覚的に感じさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の右側から板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550を備えていることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができるため、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているような感じに錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
更に、扉枠3は、板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550の前端や左右両面を、発光装飾させることができるため、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホール内において、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向から等の遠くからでも本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の上側の扉枠トップユニット570において、左右方向中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576を備えると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面を、後方へ抉れるように窪んだ形状(扉枠トップユニット570の左右両端の前端と、トップ中装飾部材576の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対してトップ中装飾部材576を目立たせて強調して見せることができ、トップ中装飾部材576に強く注目させることができる。
ところで、従来のパチンコ機における扉枠の上部には、左右に離間した一対の上部スピーカが備えられており二つの上部スピーカが目立っていた。これに対して、本実施形態の扉枠3は、貫通口111の上側に取付けられている扉枠トップユニット570において、左右両端にパンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された一対の上部スピーカ573を備えた上で、中央のトップ中装飾部材576の左右両側からスピーカカバー575の前を通って左右方向両端まで延びたトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を、発光装飾できるようにしている。これにより、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができるため、扉枠3の上部において、一対の上部スピーカ573が目立たなくなり、従来のパチンコ機とは明らかに異なる装飾が施されていることを一見して遊技者に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、一対の上部スピーカ573により良質なステレオサウンドを遊技者に楽しませることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、貫通口111より下側と上側において、皿ユニット320に取付けられている演出操作ユニット400と、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576とが、夫々左右方向の中央で前方へ大きく突出しているため、左右方向中央を通る仮想線が目立つような上下において統一感のある装飾を遊技者に見せることができると共に、洗練された感じの装飾により他のパチンコ機よりも目立たせることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、左右方向の中央において上下に配置されている扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576と演出操作ユニット400とを、前方へ突出させているため、トップ中装飾部材576及び演出操作ユニット400を発光装飾させると、扉枠3の前面の左右方向中央で上下に延びたような発光ラインを遊技者に見せることができ、遊技者の視線を左右方向中央に配置された演出操作ユニット400の操作ボタン410等に誘導させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図91乃至図94を参照して説明する。図91は本体枠を前から見た斜視図であり、図92は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図93は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図94は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図91乃至図94に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の扉枠用中継基板911を前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠ベース600は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4の本体枠ベース600は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠ベース600は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿入口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図91乃至図94を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠ベース600の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠ベース600の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体枠側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠ベース600の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図91乃至図94を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図91、図93及び図94を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット320の上皿321に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット300のハンドル302の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット250から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドル302を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット270のファール球受口275へ落下し、ファールカバーユニット270内を通って下皿322に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図91乃至図94を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4の本体枠ベース600に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出していると共に、前端部から軸直角方向へ突起が突出しており、扉枠3の開閉シリンダユニット210の回転伝達部材212と係合することでシリンダ錠211の回転が伝達され、鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図95乃至図113を参照して説明する。図95は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図96は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図97は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図99(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図100は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図101(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図102は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図103は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図104(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるQ−Q線で切断した断面図である。また、図105(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。
また、図106(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図107(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図108(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図109は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図110は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図111(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図112は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図113は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図95及び図96等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図113を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図99及び図100を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後ケース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース821内及び後ケース822内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821eから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822eから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820に組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材後826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材後826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図113を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825a,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材後826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826a(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,826aが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,826aへ向かって遊技球を誘導させる導入部821d,822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図101乃至図105を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材838を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部837cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱831及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱831及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b及び後羽根839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図105を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図105(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図105(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路831e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図106及び図107を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831b,832bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831c,832cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図113を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831b,832bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿321内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿322に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿321での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿321から下皿322へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図108乃至図112を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下ケース867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット270における貫通球通路273、満タン球受口274、及び扉開閉当接部281と対向する位置に取付けられている(図112を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図111(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図111(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の貫通球通路273及び満タン球受口274が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路273及び満タン球受口274側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿321が遊技球で一杯になり、上皿321へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット270を通って下皿322へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿321に加えて下皿322も遊技球で一杯になって下皿322へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路277内に遊技球が貯留されることで可動片278が回動して満タン検知センサ279により検知されると、上皿321及び下皿322が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ279による可動片278の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ279による可動片278の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に可動片278が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路277、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿321や下皿322が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図91乃至図94を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
基板ユニット900は、基板ユニットベース910の前面で、本体枠ベース600の接続用開口部606から前方へ臨むように取付けられている扉枠用中継基板911を備えている。この扉枠用中継基板911は、払出制御基板951、主制御基板1310、及び周辺制御基板1510と、扉枠3の扉枠ベースユニット100に取付けられている扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板951によって、払出装置830が制御されている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、主に図114乃至図123を参照して詳細に説明する。図114は、遊技パネルのパネル板を不透明な状態とした遊技盤の正面図である。図115は図114の状態の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図116は図114の状態の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図117は遊技盤を後ろから見た斜視図である。また、図118は図114におけるR−R線で切断した断面図であり、図119は図114におけるS−S線で切断した断面図である。更に、図120は、遊技盤における表ユニットを遊技領域内の前後方向の略中央で切断した正面図である。また、図121は、遊技パネルのパネル板を透明な状態とした遊技盤の正面図である。また、図122は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図123は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に取付けられている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な遊技盤側演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後面に遊技盤側演出表示装置1600が取付けられていると共に、遊技盤側演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左端上方に取付けられているサイドスロープ2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられている枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の後面で開口部3010aの下側に取付けられている演出駆動基板3031と、裏箱3010の後面で演出駆動基板3031の背面視右側に取付けられているパネル中継基板3032と、裏箱3010の後面でパネル中継基板3032の背面視右側に取付けられている左下中継基板3033と、裏箱3010の後面で演出駆動基板3031の背面視左側に取付けられている右下中継基板3034と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端で正面視左辺側と下辺側とにかけて取付けられている裏前飾りユニット3100と、裏箱3010内において開口部3010aを囲むように取付けられている裏中可動演出ユニット3200と、裏箱3010内において開口部3010aの左右両側に夫々取付けられている裏左可動演出ユニット3300及び裏右可動演出ユニット3400と、裏箱3010内において開口部3010aの上側に取付けられている裏上可動演出ユニット3500と、裏箱3010内において開口部3010aの下側に取付けられている裏下可動演出ユニット3700と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、主に図124を参照して説明する。図124(a)は遊技盤における前構成部材と遊技パネルとを前から見た斜視図であり、(b)は(a)を後ろから見た斜視図である。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1008を備えている。この防犯凹部1008は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー200の後方へ突出した後方突片202が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、図示は省略するが、内レール1002の後端から後方へ突出している複数の位置決め突起を備えている。これら位置決め突起は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている内レール固定孔に挿入させることで、内レール1002をパネル板1110の前面に位置決め固定することができる。
更に、前構成部材1000は、図示は省略するが、後面から後方へ突出している複数の取付ボスを備えている。複数の取付ボスは、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の取付孔(図示は省略)に挿入されることで、パネルホルダ1120(遊技パネル1100)との間を位置決めすることができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1011を備えている。この切欠部1011は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1127と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、主に図124を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、図示は省略するが、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔と、を備えている。これら嵌合孔及び長孔は、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネルホルダ1120との位置決めを行うものである。また、パネル板1110は、上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部が夫々備えられている。これら係合段部は、パネル板1110の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔及び長孔と同様に、遊技領域5aよりも外側に配置されており、パネル板1110をパネルホルダ1120へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1110は、図示は省略するが、所定位置に内レール固定孔が複数備えられている。この内レール固定孔に内レール1002の後側から突出する位置決め突起(図示は省略)を嵌合固定させることで、内レール1002を所定の位置に固定することができる。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部(図示は省略)と、保持段部の内側において略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1122と、を備えている。
パネルホルダ1120の保持段部は、前面からの深さがパネル板1110の厚さと略同じ深さとされており、保持段部内に保持されたパネル板1110の前面が、パネルホルダ1120の前面と略同一面となる。また、保持段部は、その前側内周面が、パネル板1110の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさに形成されている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1110が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部に保持されるパネル板1110に形成されている嵌合孔及び長孔と対応する位置に配置され、保持段部の前面から前方に向かって延びており、パネル板1110の嵌合孔及び長孔に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピンを備えている。これらの突出ピンをパネル板1110の嵌合孔及び長孔に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1120とパネル板1110とを互いに位置決めすることができる。
更に、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、パネル板1110の係合段部と対応する位置に、係合段部と係合する係合爪及び係合片を備えている。詳述すると、係合爪は、パネルホルダ1120の保持段部の上部に配置されており、パネル板1110における上側の係合段部と対応し、保持段部の前面から前方に向かって突出し、係合段部と弾性係合するようになっている。この係合爪は、先端がパネルホルダ1120の前面から突出しない大きさとされている。
パネルホルダ1120の係合片は、パネルホルダ1120の保持段部の下部に配置され、パネル板1110における下側の係合段部と対応している。この係合片は、保持段部の前面との間にパネル板1110の係合段部が挿入可能な大きさの隙間を形成した状態で、パネルホルダの前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びている。これら係合爪及び係合片にパネル板1110の係合段部を係合させることで、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して着脱可能に保持される。
また、パネルホルダ1120は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1126を備えている。パネルホルダ1120は、アウト口1126の後面下側が、アウト口1126と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
更に、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1127を備えている。この切欠部1127は、前構成部材1000の切欠部1011と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1011,1127を貫通して下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、前構成部材1000における複数の取付ボス(図示は省略)と対応している位置に、前後に貫通した複数の取付孔を備えている。これら複数の取付孔に、前構成部材1000の取付ボスを挿入することで、パネルホルダ1120を前構成部材1000の後側に取付けることができると共に、前構成部材1000との間でパネルホルダ1120(遊技パネル1100)を位置決めすることができる。
また、パネルホルダ1120は、切欠部1127の上側で前後方向に貫通している四角い挿通孔1129を備えている。この挿通孔1129は、機能表示ユニット1400の後端が挿通される。
遊技パネル1100は、前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネルホルダ1120のアウト口1126が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1126へ誘導され、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出される。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、主に図122及び図123を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、主に図122及び図123を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板1310(図118を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、払出制御基板951、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、パネル中継基板3032を介して、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、第一始動口センサ3112、第二始動口センサ4004、磁気検出センサ4024、第一大入賞口センサ4005、第二大入賞口センサ2402、第一受入口センサ2434、第二受入口センサ2435、一般入賞口センサ3111、ゲートセンサ2401、始動口ソレノイド2107、第一アタッカソレノイド2108、第二アタッカソレノイド2109、振分ソレノイド2110と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、主に図114等を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図181を参照)。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する四つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1408と、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1403と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1404と、第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1405と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1406と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する三つのLEDからなるラウンド表示器1407と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、主に図117及び図123等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられる遊技盤側演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図118を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部と、演出画像を制御するための演出表示制御部と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット400、扉枠3側の各種装飾基板、遊技盤側演出表示装置1600、演出駆動基板3031、等と接続されている。
[5−7.遊技盤側演出表示装置]
次に、遊技盤側演出表示装置1600について、主に図122及び図123を参照して説明する。遊技盤側演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。詳述すると、遊技盤側演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。この遊技盤側演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。遊技盤側演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの液晶表示装置である。遊技盤側演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
遊技盤側演出表示装置1600は、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。この遊技盤側演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニットの全体構成]
次に、表ユニット2000の全体構成について、主に図122及び図123を参照して説明する。遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されおり、左右方向中央に対して左側に三つ、右側に一つ夫々配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央の下寄りに配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下に配置されている。第一大入賞口2005は、左右方向中央より右側の一般入賞口2001の右方で当該一般入賞口2001と第一始動口2002との間の高さに配置されている。第二大入賞口2006は、第二始動口2004と第一大入賞口2005との間に配置されている。
また、表ユニット2000は、第一大入賞口2005と第二大入賞口2006との間に、遊技球を遊技領域5a内から排出するサブアウト口2007を備えている。
更に、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1126の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左端上方に取付けられているサイドスロープ2300と、始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006を有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の略中央に取付けられている枠状のセンター役物2500と、を備えている。
[5−8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図125を参照して説明する。図125(a)は遊技盤の表ユニットにおける始動口ユニット、サイドユニット、サイドスロープ、及びアタッカユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)を後ろから見た斜視図である。始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1126の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、最上部において、第一始動口2002が、遊技球を一度に一つのみ受入可能な大きさで上方に向かって常時開口している。
始動口ユニット2100は、第一始動口2002が形成されており遊技パネル1100のパネル板1110に前方から取付けられる透光性を有したユニット本体2101と、ユニット本体2101の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている始動口装飾基板2102(図120を参照)と、を備えている。この始動口ユニット2100は、始動口装飾基板2102のLEDを発光させることで、第一始動口2002の下側を発光装飾させることができる。
始動口ユニット2100は、パネル板1110に取付けることで、第一始動口2002がパネル板1110の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、第一始動口2002が後述するセンター役物2500のステージ2530におけるチャンス出口2536の直下に位置している。従って、ステージ2530のチャンス出口2536から下方へ遊技球が放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002に受入れられた遊技球を、パネル板1110の後方へ誘導し、後述する裏ユニット3000における裏前飾りユニット3100の中央受渡口3135に受け渡すことができる。
[5−8b.サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、主に図125を参照して詳細に説明する。サイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように円弧状に延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、上方へ向かって常時開口している三つの一般入賞口2001を有している。
サイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001が左右に列設された状態で備えられていると共に、三つの一般入賞口2001が正面視左方へ向かうほど高くなるように備えられている。
サイドユニット2200は、パネル板1110に取付けることで、三つの一般入賞口2001が、パネル板1110の前面よりも前方へ突出した状態となると共に、第一始動口2002よりも下方で、且つ、始動口ユニット2100とサイドスロープ2300との間に配置された状態となる。サイドユニット2200は、各一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、パネル板1110の後方へ誘導し、後述する裏ユニット3000の裏前飾りユニット3100における球誘導ユニット3150の受渡口3151に受け渡すことができる。
[5−8c.サイドスロープ]
次に、表ユニット2000のサイドスロープ2300について、主に図125を参照して詳細に説明する。サイドスロープ2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の正面視左上方で上下方向中央からやや下寄りに前方からパネル板1110に取付けられる。サイドスロープ2300は、前方に突出していると共に正面視右端側が低くなるように左右に延びている棚部2301を備えている。
サイドスロープ2300は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、棚部2301の左端が内レール1002に接近していると共に、棚部2301の右端がサイドユニット2200の最も左側の一般入賞口2001よりも左方に位置している。また、サイドスロープ2300は、パネル板1110に取付けた状態で、棚部2301が、始動口ユニット2100の第一始動口2002よりも上方に位置している。これにより、サイドスロープ2300は、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、棚部2301により右方(遊技領域5aの左右方向中央)へ誘導させることができ、始動口ユニット2100の第一始動口2002、及びサイドユニット2200の三つの一般入賞口2001の何れかに遊技球が受入れられる可能性がある。
[5−8d.アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2400について、主に図125及び図126を参照して詳細に説明する。図126は、表ユニットにおけるアタッカユニットを遊技領域内の前後方向の略中央で切断して正面から示した説明図である。アタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、パネル板1110の前面に前方から取付けられている。このアタッカユニット2400は、四つの一般入賞口2001のうちの一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、及びサブアウト口2007を備えている。
アタッカユニット2400は、図126等に示すように、正面視における外形形状が、右端がやや上方に位置するように傾斜した底辺と、底辺の右端から略垂直に立ち上がった右辺と、右辺の上端と底辺の左端とを結ぶように斜めに延びた斜辺と、を有するような略三角形に形成されている。このアタッカユニット2400は、右上隅に遊技球が上下に流通(通過)するゲート部2003が配置されていると共に、ゲート部2003の直下に前方へ開口可能な第二始動口2004が配置されている。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004の左下に上方へ開口可能な第二大入賞口2006が配置されていると共に、第二大入賞口2006の左下に左方へ常時開口しているサブアウト口2007が配置されている。更に、アタッカユニット2400は、サブアウト口2007のやや下側の左方に上方へ開口可能な第一大入賞口2005が配置されている共に、第一大入賞口2005の左下に上方へ常時開口している一般入賞口2001が配置されている。
アタッカユニット2400は、ゲート部2003を通過する遊技球を検知するゲートセンサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ4004と、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球を検知する第一大入賞口センサ4005と、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球を検知する第二大入賞口センサ2402と、を備えている。
アタッカユニット2400は、ゲート部2003の遊技球の通過により抽選される普通抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉する第二始動口扉2411と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて第一大入賞口2005を開閉する第一大入賞口扉2412と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて第二大入賞口2006を開閉する第二大入賞口扉2413と、を備えている。
アタッカユニット2400は、正面視において右上隅で上下に延びており遊技球が流通可能なゲート通路2420と、ゲート通路2420の左側で上下に延びており遊技球が流通可能な左サイド通路2421と、ゲート通路2420の右側で上下に延びており遊技球が流通可能な右サイド通路2422と、ゲート通路2420、左サイド通路2421、及び右サイド通路2422の下方で右サイド通路2422の下方から左端側が低くなるように左サイド通路2421よりも左方へ延びており遊技球が流通可能なアタッカ通路2423と、アタッカ通路2423の左側の下方で左端側が低くなるように左方へ延びており遊技球を誘導可能なアタッカ棚部2424と、を備えている。
ゲート通路2420は、上部付近にゲート部2003が配置されていると共に、下部に第二始動口2004が配置されている。このゲート通路2420は、ゲート部2003と第二始動口2004との間において、左サイド通路2421及び右サイド通路2422と夫々連通するように左右両壁が貫通している。ゲート通路2420は、遊技球の外径よりも若干広い幅で上下に延びている。
アタッカ通路2423は、左サイド通路2421よりも左方における底壁に、第二大入賞口2006が開口している。このアタッカ通路2423は、第二大入賞口2006を開閉可能に閉鎖する第二大入賞口扉2413が、底壁の一部を形成している。また、アタッカ通路2423は、最も低くなっている左端側が、下方へ向かって開口している。第二大入賞口2006は、遊技球の外径の約1.5倍の幅で開口している。
アタッカ棚部2424は、第一大入賞口2005が開口しており、第一大入賞口2005を開閉可能に閉鎖している第一大入賞口扉2412が一部を形成している。第一大入賞口2005は、遊技球の外径の約3倍の幅で開口している。アタッカ棚部2424の右端において、サブアウト口2007が開口している。また、アタッカ棚部2424の左端よりも左下において、一つの一般入賞口2001が開口している。
第二始動口扉2411は、前方へ開口している第二始動口2004を、前方から閉鎖可能としており、第二始動口2004の下端付近において、下辺が左右に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。この第二始動口扉2411は、上辺が前方へ移動するように回転(回動)することで、第二始動口2004を開放すると共に、ゲート通路2420を閉鎖し、ゲート通路2420内を流下してきた遊技球を、第二始動口2004側へ誘導して、第二始動口2004へ受入れさせることができる。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2107の駆動によって回動するように形成されており、始動口ソレノイド2107がOFF(非通電時)の時は第二始動口2004を閉鎖し、始動口ソレノイド2107がON(通電時)の時は第二始動口2004を開放させる。
第一大入賞口扉2412は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びている板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している第一大入賞口2005を閉鎖可能としている。第一大入賞口扉2412は、前進することで第一大入賞口2005を閉鎖すると共に、アタッカ棚部2424の一部を形成し、アタッカ棚部2424上に流下してきた遊技球を、左方へ誘導してアタッカ棚部2424の左端から下方へ放出する。また、第一大入賞口扉2412は、後退することで第一大入賞口2005を開放し、アタッカ通路2423等を介してアタッカ棚部2424上に流下してきた遊技球を、第一大入賞口2005に受入れさせることができる。この第一大入賞口扉2412は、第一アタッカソレノイド2108の駆動によって進退するように形成されており、第一アタッカソレノイド2108がOFF(非通電時)の時は第一大入賞口2005を閉鎖し、第一アタッカソレノイド2108がON(通電時)の時は第一大入賞口2005を開放させる。
第二大入賞口扉2413は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びている板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している第二大入賞口2006を閉鎖可能としている。第二大入賞口扉2413は、前進することで第二大入賞口2006を閉鎖すると共に、アタッカ通路2423の底壁の一部を形成し、ゲート通路2420、左サイド通路2421、及び右サイド通路2422の何れかを通過した遊技球を、左方へ誘導して、アタッカ通路2423の左端から下方へ放出する。また、第二大入賞口扉2413は、後退することで第二大入賞口2006を開放し、アタッカ通路2423に進入してきた遊技球を、高い確率で第二大入賞口2006に受入れさせることができる。この第二大入賞口扉2413は、第二アタッカソレノイド2109の駆動によって進退するように形成されており、第二アタッカソレノイド2109がOFF(非通電時)の時は第二大入賞口2006を閉鎖し、第二アタッカソレノイド2109がON(通電時)の時は第二大入賞口2006を開放させる。
また、アタッカユニット2400は、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球が流通可能な内部通路2430と、内部通路2430の底部に開口している第一受入口(第一球通路)2431及び第二受入口(第二球通路)2432と、内部通路2430において遊技球を第一受入口2431又は第二受入口2432の何れかに振り分ける振分片2433と、第一受入口2431に受入れられた遊技球を検知する第一受入口センサ2434と、第二受入口2432に受入れられた遊技球を検知する第二受入口センサ2435と、を備えている。
内部通路2430は、第二大入賞口センサ2402の下流側に形成されている。第一受入口2431は、第二大入賞口センサ2402における遊技球が通過する部位の直下に配置されており、第二受入口2432は、第一受入口2431の正面視右側に配置されている。振分片2433は、内部通路2430内における第一受入口2431と第二受入口2432との間に配置されており、下辺が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。振分片2433は、垂直に立上って第二大入賞口2006と第一受入口2431とを連通させた状態と、上辺が正面視左方へ移動して内部通路2430の左側の側壁に当接(或いは、接近)して第二大入賞口2006と第二受入口2432とを連通させた状態との間で回転するように取付けられている。この振分片2433は、振分ソレノイド2110の駆動によって回転するように形成されており、振分ソレノイド2110がOFF(非通電時)の時は第一受入口2431へ遊技球を振り分け、振分ソレノイド2110がON(通電時)の時は第二受入口2432へ遊技球を振り分ける。
このアタッカユニット2400は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、ゲート通路2420が、後述するセンター役物2500における右案内通路2540の下流側の開口部の直下に位置していると共に、ゲート部2003がセンター役物2500のステージ2530よりも上方に位置している。また、第一大入賞口2005と一般入賞口2001とが、始動口ユニット2100の第一始動口2002よりも下方に位置している。
続いて、アタッカユニット2400における遊技球の流れについて説明する。遊技盤5に組立てた状態で、アタッカユニット2400のゲート部2003が、センター役物2500のステージ2530よりも上方に位置していることから、ステージ2530から遊技球が放出されてもゲート部2003を通過することはない。従って、センター役物2500の右側を流下した遊技球のみゲート部2003を通過する可能がある。ゲート部2003が配置されているゲート通路2420の上端開口は、センター役物2500における右案内通路2540の下流側の開口の直下で上方へ向けて開口していることから、センター役物2500の右側を流下した遊技球は、高い確率でゲート通路2420に進入し、ゲート部2003を通過することとなる。
そして、ゲート部2003を通過した遊技球は、その直下の第二始動口2004を閉鎖している第二始動口扉2411の前方を通って、ゲート通路2420からアタッカ通路2423へ放出される。この際に、第二始動口扉2411が前方へ回動して開位置の状態となっていると、ゲート部2003を通過した遊技球が第二始動口扉2411の裏面に当接して第二始動口2004側へ誘導され、第二始動口2004に受入れられることとなる。第二始動口扉2411は、ゲート部2003を遊技球が通過する(ゲートセンサ2401より遊技球が検知される)ことで抽選される普通抽選結果に応じて(普通抽選結果が「普通当り」の時に)駆動させられるため、普通抽選結果の抽選時間や第二始動口扉2411の開閉タイミング等を適宜設定することで、「普通当り」を抽選した遊技球そのものを第二始動口2004へ受入れさせることができる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球は、第二始動口センサにより検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
なお、ゲート通路2420では、ゲート部2003と第二始動口2004との間の部位の左右両側が、左サイド通路2421や右サイド通路2422と連通していることから、ゲート部2003を通過した遊技球が、稀に連通している部位を通って左サイド通路2421や右サイド通路2422側へ進入することがある。つまり、ゲート部2003を通過した遊技球は、第二始動口扉2411の前方を必ずしも通過するとは限らない。
センター役物2500の右側を流下した遊技球が、ゲート通路2420に進入しなかった場合は、ゲート通路2420の左右両側に配置された左サイド通路2421又は右サイド通路2422の何れかに進入し、左サイド通路2421又は右サイド通路2422を通ってアタッカ通路2423へ放出される。
ゲート通路2420、左サイド通路2421、及び右サイド通路2422の何れかからアタッカ通路2423に放出された遊技球は、アタッカ通路2423の傾斜に沿って左方へ誘導され、アタッカ通路2423の左端から下方へ放出される。この際に、第二大入賞口2006を閉鎖している第二大入賞口扉2413が後退して第二大入賞口2006が開いていると、アタッカ通路2423内に放出された遊技球が、高い確率で第二大入賞口2006に受入れられる。第二大入賞口2006に受入れられた遊技球は、第二大入賞口センサ2402に検知された後、内部通路2430に送られ、振分片2433によって第一受入口2431又は第二受入口2432の何れかに振り分けられる。
第一受入口2431又は第二受入口2432に受入れられた遊技球は、第一受入口センサ2434又は第二受入口センサ2435により検知された上で、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
なお、第二大入賞口2006は、左右の幅が遊技球の外径の約1.5倍とされていることから、第二大入賞口扉2413が後退して第二大入賞口2006が開いていても、アタッカ通路2423を流通している遊技球の速度や挙動等によっては、遊技球が第二大入賞口2006を飛び越えてしまい、第二大入賞口2006に受入れられないことがある。
アタッカ通路2423から放出された遊技球は、アタッカ棚部2424上に流下し、アタッカ棚部2424に誘導されて、アタッカ棚部2424の左端から下方へ放出される。この際に、第一大入賞口扉2412が後退して第一大入賞口2005が開いていると、アタッカ通路2423から放出された遊技球が、第一大入賞口2005に受入れられることとなる。従って、第一大入賞口2005が開いている時に、センター役物2500の右側を流通するように遊技球を遊技領域5a内に打込むと、高い確率で第一大入賞口2005に遊技球を受入させることができる。
第一大入賞口2005に受入れられた遊技球は、第一大入賞口センサ4005に検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
アタッカ棚部2424から下方へ放出された遊技球は、下方に配置されている一つの一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。アタッカユニット2400の一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、パネル板1110の後側へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏前飾りユニット3100の右受渡口3136に受け渡される。一方、一般入賞口2001に受入れられなかった遊技球は、遊技領域5a下端のアウト口1126を通り、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
[5−8e.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図127を参照して詳細に説明する。図127(a)は表ユニットにおけるセンター役物を前から見た斜視図であり、(b)はセンター役物を後ろから見た斜視図である。センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット2200よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された遊技盤側演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球を放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2522と、ワープ出口2522から放出された遊技球を左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2530と、を備えている(図120等を参照)。
センター役物2500のステージ2530は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状に形成されている。このステージ2530は、波状に形成されている中央両側の最も低くなっている部位から、遊技球を遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、ステージ2530における中央の若干高くなっている部位の最も高い位置において前方へ向かって開口しており遊技球が進入可能なチャンス入口2535と、チャンス入口2535に進入した遊技球をステージ2530よりも下方で遊技領域5a内へ放出するチャンス出口2536と、を備えている。チャンス出口2536は、センター役物2500を遊技盤5に組立てた状態で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、遊技球がチャンス出口2536から放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、正面視右側の外周面に沿って流下してきた遊技球を、やや左方へ誘導した後に下方へ放出する右案内通路2540を備えている。この右案内通路2540は、センター役物2500を遊技盤5に組立てた状態で、右案内通路2540における下流端が、アタッカユニット2400におけるゲート通路2420(ゲート部2003)の直上に位置するように形成されている。
このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、右側の外周面が、前構成部材1000における右レール1005から遊技球の外径よりも若干大きい離れるように形成されている。従って、遊技球がセンター役物2500の右側を流通すると、センター役物2500の右側の外周面に沿って流通することとなり、センター役物2500の右側を流通する遊技球は全て右案内通路2540に進入して案内される。これにより、遊技球がセンター役物2500の右側を流通するように遊技領域5a内に打込む(所謂、右打ちする)と、極めて高い確率でゲート部2003に対して遊技球を通過させることができる。
[5−9.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図128乃至図131を参照して詳細に説明する。図128は遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図であり、図129は裏ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図130は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図131は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後側に遊技盤側演出表示装置1600及び周辺制御ユニット1500が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の後面で開口部3010aの下側に取付けられている演出駆動基板3031と、裏箱3010の後面で演出駆動基板3031の背面視右側に取付けられているパネル中継基板3032と、裏箱3010の後面でパネル中継基板3032の背面視右側に取付けられている左下中継基板3033と、裏箱3010の後面で演出駆動基板3031の背面視左側に取付けられている右下中継基板3034と、を備えている。
演出駆動基板3031は、周辺制御基板1510からの制御信号に基づいて、裏前飾りユニット3100、裏中可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏右可動演出ユニット3400、裏上可動演出ユニット3500、及び裏下可動演出ユニット3700、に備えられている装飾基板や駆動モータ等を制御している。パネル中継基板3032は、主制御基板1310と、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、第一始動口センサ3112、第二始動口センサ4004、磁気検出センサ4024、第一大入賞口センサ4005、第二大入賞口センサ2402、第一受入口センサ2434、第二受入口センサ2435、一般入賞口センサ3111、ゲートセンサ2401、始動口ソレノイド2107、第一アタッカソレノイド2108、第二アタッカソレノイド2109、振分ソレノイド2110との接続を中継している。
左下中継基板3033は、演出駆動基板3031と、裏左可動演出ユニット3300との接続を中継している。右下中継基板3034は、演出駆動基板3031と、裏前飾りユニット3100、裏中可動演出ユニット3200、裏右可動演出ユニット3400、裏上可動演出ユニット3500、及び裏下可動演出ユニット3700との接続を中継している。
また、裏ユニット3000は、演出駆動基板3031、パネル中継基板3032、左下中継基板3033、及び右下中継基板3034の夫々の後側を夫々覆うように裏箱3010の後面に取付けられている演出駆動基板カバー3035、パネル中継基板カバー3036、左下中継基板カバー3037、及び右下中継基板カバー3038を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端で正面視左辺側と下辺側とにかけて取付けられている裏前飾りユニット3100と、裏箱3010内において開口部3010aを囲むように取付けられている裏中可動演出ユニット3200と、裏箱3010内において開口部3010aの左右両側に夫々取付けられている裏左可動演出ユニット3300及び裏右可動演出ユニット3400と、裏箱3010内において開口部3010aの上側に取付けられている裏上可動演出ユニット3500と、裏箱3010内において開口部3010aの下側に取付けられている裏下可動演出ユニット3700と、を備えている。
[5−9a.裏箱]
次に、裏ユニット3000の裏箱3010について、主に図128乃至図131を参照して詳細に説明する。裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視右辺において枠内の内側から外方へ向かって窪んでおり遊技盤側演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視左辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、遊技盤側演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に遊技盤側演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[5−9b.裏前飾りユニット]
次に、裏ユニット3000の裏前飾りユニット3100について、主に図128乃至図132を参照して詳細に説明する。図132(a)は裏ユニットにおける裏前飾りユニットの正面図であり、(b)は(a)におけるT−T線で切断して拡大した拡大断面図である。裏前飾りユニット3100は、裏箱3010における前端の正面視左辺側から下辺側にかかるように取付けられている。
裏前飾りユニット3100は、裏箱3010の前端における左辺側と下辺側とに沿うようにL字型(三日月型)に形成されており裏箱3010の前端に取付けられる透明なユニットベース3110と、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3111と、表ユニット2000の第一始動口2002に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ3112と、遊技領域5a内に外部から作用させられた不正な磁気を検知可能な磁気検出センサ4024と、を備えている。
また、裏前飾りユニット3100は、裏箱3010の左辺に沿うよう上下に延びておりユニットベース3110の前面に取付けられている裏前左飾りユニット3120と、裏前左飾りユニット3120の下端から裏箱3010の辺に沿うように左右に延びておりユニットベース3110の前面に取付けられている裏前下飾りユニット3130と、裏前下飾りユニット3130の正面視左側の下部に配置されておりユニットベース3110の前面に取付けられている球誘導ユニット3150と、を備えている。
裏前飾りユニット3100の裏前左飾りユニット3120は、図示するように、「ドドドド」の文字の装飾を有した透光性を有する平板状の裏前左飾り装飾体3121と、裏前左飾り装飾体3121の後側に取付けられている透明で平板状の裏前左導光レンズ3122と、裏前左導光レンズ3122の左側面に向かって光を照射可能な複数のLED3123aが実装された裏前左装飾基板3123と、を備えている(図132(b)を参照)。
裏前左導光レンズ3122は、裏前左飾り装飾体3121における「ド」の字の装飾の後方となる後面に、円錐状に形成された複数の反射部3122aを有している。裏前左導光レンズ3122の左側面から内部に入射された光は、複数の反射部3122aによって前方へ反射させられ、裏前左導光レンズ3122の前方に配置された裏前左飾り装飾体3121を面状に発光装飾させることができる。
裏前飾りユニット3100の裏前下飾りユニット3130は、遊技領域5aの左右方向中央と対応するように配置されており前面に所定の立体的な装飾が形成されている裏前下中央レンズ3131と、裏前下中央レンズ3131の左右両側に夫々配置されており前面に所定の立体的な装飾が形成されている裏前下左レンズ3132及び裏前下右レンズ3133と、裏前下中央レンズ3131、裏前下左レンズ3132、及び裏前下右レンズ3133の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されている裏前下装飾基板3134と、を備えている。裏前下装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前下中央レンズ3131、裏前下左レンズ3132、及び裏前下右レンズ3133を、夫々独立させた状態で発光装飾させることができる。
また、裏前下飾りユニット3130は、裏前下中央レンズ3131の上部中央において前方へ向かって開口しており始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられて後方へ誘導された遊技球が進入可能な中央受渡口3135と、裏前下中央レンズ3131の下部の右外側において前方へ向かって開口しておりアタッカユニット2400の一般入賞口2001に受入れられて後方へ誘導された遊技球が進入可能な左受渡口3137と、を備えている。中央受渡口3135に進入した遊技球は、第一始動口センサ3112に検知された後に、下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。また、右受渡口3136に進入した遊技球は、一般入賞口センサ3111に検知された後に、下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
裏前飾りユニット3100の球誘導ユニット3150は、裏前下飾りユニット3130における裏前下左レンズ3132の下方に配置されるようにユニットベース3110に取付けられている。球誘導ユニット3150は、全体が箱状に形成されており、サイドユニット2200における三つの一般入賞口2001と対応した位置で前方へ向かって開口しており遊技球が進入可能な三つの受渡口3151と、受渡口3151から内部に進入した遊技球を下方(基板ホルダ1200上)へ排出する排出口(図示は省略)と、を備えている。受渡口3151から内部に進入した遊技球は、一般入賞口センサ3111に検知された後に、排出口から下方へ排出される。
[5−9c.裏中可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏中可動演出ユニット3200について、主に図130及び図131を参照して詳細に説明する。裏中可動演出ユニット3200は、裏箱3010内の後壁に、開口部3010aを囲むように取付けられる。裏中可動演出ユニット3200は、正面視において左側に配置され裏箱3010の開口部3010aの高さよりも高く上下に延びており所定の装飾を有している裏中左装飾体3210と、正面視において右側に配置され裏箱3010の開口部3010aの高さよりも高く上下に延びており所定の装飾を有している裏中右装飾体3220と、裏箱3010内の後壁における開口部3010aの上下両外側に取付けられ裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220を左右方向へ移動させる裏中駆動ユニット3250と、を備えている。
裏中左装飾体3210は、前面にレリーフ状の装飾が形成された透光性を有する平板状の裏中左装飾レンズ3211と、裏中左装飾レンズ3211の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されている裏中左装飾基板(図示は省略)と、裏中左装飾基板の後面を覆うように裏中左装飾レンズ3211の後側に取付けられている平板状の裏中左装飾体ベース3212と、を備えている。裏中左装飾体ベース3212は、図示は省略するが、下端に、左右へ延びていると共にギア歯が上方へ向けて形成されているラックギアを備えている。この裏中左装飾体3210は、裏中左装飾基板のLEDを発光させることで、裏中左装飾レンズ3211を発光装飾させることができる。
裏中右装飾体3220は、前面にレリーフ状の装飾が形成された透光性を有する平板状の裏中右装飾レンズ3221と、裏中右装飾レンズ3221の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されている裏中右装飾基板(図示は省略)と、裏中右装飾基板の後面を覆うように裏中右装飾レンズ3221の後側に取付けられている平板状の裏中右装飾体ベース3222と、を備えている。裏中右装飾体ベース3222は、図示は省略するが、下端に、左右へ延びていると共にギア歯が下方へ向けて形成されているラックギアを備えている。この裏中右装飾体3220は、裏中右装飾基板のLEDを発光させることで、裏中右装飾レンズ3221を発光装飾させることができる。
裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220の裏中左装飾レンズ3211及び裏中右装飾レンズ3221は、互いが左右対称の形状に形成されており、上下方向の略中央において、遊技盤5の左右方向中央に近い側が抉れたような形状に形成されている。
裏中駆動ユニット3250は、裏箱3010内における開口部3010aの上側に取付けられ裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220の上端を左右方向へスライド可能に支持する上レール3251と、裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220の下端を左右方向へスライド可能に支持する平板状のユニットベース3252と、ユニットベース3252の後側に取付けられており裏箱3010内における開口部3010aの下側に取付けられる平板状の取付ベース3253と、取付ベース3253とユニットベース3252の間に回転軸が突出するようにユニットベース3252の前面に取付けられている裏中駆動モータ3254と、裏中駆動モータ3254の回転が伝達されると共に取付ベース3253の前面において回転可能に取付けられており上下から挟まれるように裏中左装飾体3210のラックギアと裏中右装飾体3220のラックギアとが噛合しているピニオンギア(図示は省略)と、を備えている。
裏中可動演出ユニット3200は、通常の状態では、左右の裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220が、互いに最も離反した退避位置の状態となっている。この状態では、裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220が、センター役物2500の枠内を通して僅かに見えるようになっている(図114等を参照)。通常の状態から裏中駆動モータ3254の駆動によりピニオンギアを正面視反時計回りの方向へ回転させると、ピニオンギアに噛合している裏中左装飾体3210のラックギアと裏中右装飾体3220のラックギアとにより、裏中左装飾体3210が右方へ移動すると共に裏中右装飾体3220が左方へ移動することとなる。
これにより、互いに離反していた裏中左装飾体3210と裏中右装飾体3220とが互いに接近するように移動し、互いに当接する直前で移動が停止する。この状態では、裏中左装飾体3210と裏中右装飾体3220とが、遊技盤側演出表示装置1600の前面側の略中央(出現位置)に位置した状態となり、裏中左装飾体3210と裏中右装飾体3220との装飾が合体して、一つの大きな装飾(桜の花弁を模した装飾)を形成した状態となる(図170を参照)。
[5−9d.裏左可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3300について、主に図130及び図131を参照して詳細に説明する。裏左可動演出ユニット3300は、裏箱3010内における開口部3010aの正面視左外側に取付けられている。裏左可動演出ユニット3300は、裏箱3010内の開口部3010aを間にして、裏右可動演出ユニット3400に対して略左右対称に形成されている。
裏左可動演出ユニット3300は、三角柱状に形成されている裏左装飾体3310と、裏左装飾体3310を上下に延びた軸線周りに回転させる裏左回転駆動ユニット3330と、裏箱3010内に取付けられ裏左回転駆動ユニット3330の上端側を左右方向へ移動させる裏左移動駆動ユニット3350と、裏箱3010内に取付けられ裏左回転駆動ユニット3330の下端側を左右方向へ移動可能に案内している裏左下案内レール3370と、裏左移動駆動ユニット3350の前側に取付けられており所定の装飾を有している裏左上装飾体3390と、を備えている。
裏左装飾体3310は、上下に延びた三角柱状に形成されており、裏箱3010における開口部3010aの上下の高さよりも短く延びている。裏左装飾体3310は、仁王像のレリーフが形成されている第一装飾面3311と、所定の文字の装飾が形成されている第二装飾面3312と、第二装飾面3312とは異なる文字の装飾が形成されている第三装飾面3313と、を備えている。裏左装飾体3310は、透光性を有するように形成されている。また、裏左装飾体3310は、図示は省略するが、下端に円筒状の軸部を備えている。
裏左回転駆動ユニット3330は、裏左移動駆動ユニット3350により左右方向へ移動可能に取付けられる上下延びた移動ベース3331と、前方へ突出するように移動ベース3331の下部に取付けられており裏左装飾体3310の下端を回転可能に支持している下回転ベース3332と、裏左装飾体3310の上側へ突出するように移動ベース3331の上部に取付けられている上回転ベース(図示は省略)と、上回転ベースに回転軸が下方へ突出するように取付けられており、上回転ベースを貫通した回転軸が裏左装飾体3310の上端に取付けられている裏左回転駆動モータ(図示は省略)と、裏左回転駆動モータの外周を覆うように移動ベース3331に取付けられているモータカバー3333と、裏左装飾体3310の内部に配置されていると共に下端が下回転ベース3332に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏左装飾基板3334(図119を参照)と、を備えている。
移動ベース3331は、図示は省略するが、上端に左右へ延びたラックギアを備えている。下回転ベース3332は、裏左装飾体3310の円筒状の軸部の外周面に対して回転可能に支持している。この下回転ベース3332は、図示は省略するが、下面から下方へ突出し、裏左下案内レール3370に案内される突起を有している。
裏左装飾基板3334は、円筒状の軸部内を通して裏左装飾体3310の内部に配置されている。この裏左装飾基板3334は、図示は省略するが、上端側が裏左装飾体3310の上端の下側において、相対的に回転可能に支持されている。これにより、裏左回転駆動モータの駆動によって裏左装飾体3310のみが回転するように形成されている。また、裏左装飾基板3334のLEDは常に前方を向いており、裏左装飾体3310における裏左装飾基板3334の前方に位置した部位(つまり、前方を向いている装飾面)のみを発光装飾させることができる。
裏左移動駆動ユニット3350は、裏箱3010内である後壁の前面における開口部3010aより上側の左上隅に取付けられるユニットベース3351と、ユニットベース3351を貫通して回転軸が後方へ突出するようにユニットベース3351の前面に取付けられている裏左移動駆動モータ3352と、裏左移動駆動モータ3352の回転軸に取付けられている駆動ギア3353と、駆動ギア3353と噛合していると共に裏左回転駆動ユニット3330のラックギアと噛合しておりユニットベース3351に回転可能に取付けられているピニオンギア(図示は省略)と、ユニットベース3351の前面下部に取付けられており裏左回転駆動ユニット3330の移動ベース3331を左右方向へ移動可能に取付けているスライドレール(図示は省略)と、を備えている。
裏左移動駆動ユニット3350は、裏左移動駆動モータ3352により駆動ギア3353を介してピニオンギアを正面視において反時計回りの方向へ回転させると、ピニオンギアに噛合しているラックギアにより裏左回転駆動ユニット3330(裏左装飾体3310)を右方へ移動させることができる。
裏左下案内レール3370は、裏箱3010の後壁の前面における開口部3010aの下側で左端付近に取付けられる。裏左下案内レール3370は、左右に延びており、上面が開口した箱状に形成されている。この裏左下案内レール3370は、上面の開口に、裏左回転駆動ユニット3330の下回転ベース3332の下面から突出している突起を挿入することで、その突起を左右方向へ摺動可能に案内することができる。
裏左上装飾体3390は、所定の装飾が形成された透光性を有する裏左上装飾レンズ3391と、裏左上装飾レンズ3391の後側に取付けられており裏左移動駆動ユニット3350のユニットベース3351の前面に取付けられる装飾体ベース3392と、装飾体ベース3392と裏左上装飾レンズ3391との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装された裏左上装飾基板(図示は省略)と、を備えている。この裏左上装飾体3390は、裏左上装飾基板のLEDを発光させることで、裏左上装飾レンズ3391を発光装飾させることができる。
この裏左可動演出ユニット3300は、通常の状態では、裏左移動駆動ユニット3350により裏左回転駆動ユニット3330(裏左装飾体3310)が、最も左側へ移動した位置(退避位置)の状態となっている。この通常の状態では、裏左装飾体3310が、裏前飾りユニット3100における裏前左飾りユニット3120の後方に位置しており、裏前左飾りユニット3120に遮られて前方から殆ど視認することができない(図114等を参照)。
この通常の状態において、裏左移動駆動ユニット3350の裏左移動駆動モータ3352を駆動させることで、裏左回転駆動ユニット3330を介して裏左装飾体3310を右方へ移動させることができ、裏左移動駆動ユニット3350のスライドレールの右端位置(出現位置)に到達すると、移動が停止する。この出現位置の状態では、裏左回転駆動ユニット3330を介して裏左装飾体3310が、裏前飾りユニット3100における裏前左飾りユニット3120よりも右側に位置していると共に、遊技盤側演出表示装置1600の前面における左端付近に位置しており、センター役物2500の枠内を通して視認可能な状態となっている(図171乃至図173を参照)。
また、裏左可動演出ユニット3300は、裏左回転駆動ユニット3330の裏左回転駆動モータにより裏左装飾体3310をグルグルと回転させたり、裏左装飾体3310の第一装飾面3311、第二装飾面3312、及び第三装飾面3313の何れかが前方を向くように回転停止させたり、することができる。裏左装飾体3310は、退避位置、及び出現位置、の何れの位置においても回転させることができる。
[5−9e.裏右可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏右可動演出ユニット3400について、主に図130及び図131を参照して詳細に説明する。裏右可動演出ユニット3400は、裏箱3010内における開口部3010aの正面視右外側に取付けられている。裏右可動演出ユニット3400は、裏箱3010内の開口部3010aを間にして、裏左可動演出ユニット3300に対して略左右対称に形成されている。
裏右可動演出ユニット3400は、三角柱状に形成されている裏右装飾体3410と、裏右装飾体3410を上下に延びた軸線周りに回転させる裏右回転駆動ユニット3430と、裏箱3010内に取付けられ裏右回転駆動ユニット3430の上端側を左右方向へ移動させる裏右移動駆動ユニット3450と、裏箱3010内に取付けられ裏右回転駆動ユニット3430の下端側を左右方向へ移動可能に案内している裏右下案内レール3470と、裏右移動駆動ユニット3450の前側に取付けられており所定の装飾を有している裏右上装飾体3490と、を備えている。
裏右装飾体3410は、上下に延びた三角柱状に形成されており、裏箱3010における開口部3010aの上下の高さよりも短く延びている。裏右装飾体3410は、仁王像のレリーフが形成されている第一装飾面3411と、所定の文字の装飾が形成されている第二装飾面3412と、第二装飾面3412とは異なる文字の装飾が形成されている第三装飾面3413と、を備えている。裏右装飾体3410は、透光性を有するように形成されている。また、裏右装飾体3410は、図示は省略するが、下端に円筒状の軸部を備えている。
裏右回転駆動ユニット3430は、裏右移動駆動ユニット3450により左右方向へ移動可能に取付けられる上下延びた移動ベース3431と、前方へ突出するように移動ベース3431の下部に取付けられており裏右装飾体3410の下端を回転可能に支持している下回転ベース3432と、裏右装飾体3410の上側へ突出するように移動ベース3431の上部に取付けられている上回転ベース(図示は省略)と、上回転ベースに回転軸が下方へ突出するように取付けられており、上回転ベースを貫通した回転軸が裏右装飾体3410の上端に取付けられている裏右回転駆動モータ(図示は省略)と、裏右回転駆動モータの外周を覆うように移動ベース3431に取付けられているモータカバー3433と、裏右装飾体3410の内部に配置されていると共に下端が下回転ベース3432に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏右装飾基板3434(図119を参照)と、を備えている。
移動ベース3431は、図示は省略するが、上端に左右へ延びたラックギアを備えている。下回転ベース3432は、裏右装飾体3410の円筒状の軸部の外周面に対して回転可能に支持している。この下回転ベース3432は、図示は省略するが、下面から下方へ突出し、裏右下案内レール3470に案内される突起を有している。
裏右装飾基板3434は、円筒状の軸部内を通して裏右装飾体3410の内部に配置されている。この裏右装飾基板3434は、図示は省略するが、上端側が裏右装飾体3410の上端の下側において、相対的に回転可能に支持されている。これにより、裏右回転駆動モータの駆動によって裏右装飾体3410のみが回転するように形成されている。また、裏右装飾基板3434のLEDは常に前方を向いており、裏右装飾体3410における裏右装飾基板3434の前方に位置した部位(つまり、前方を向いている装飾面)のみを発光装飾させることができる。
裏右移動駆動ユニット3450は、裏箱3010内である後壁の前面における開口部3010aより上側の右上隅に取付けられるユニットベース3451と、ユニットベース3451を貫通して回転軸が後方へ突出するようにユニットベース3451の前面に取付けられている裏右移動駆動モータ3452と、裏右移動駆動モータ3452の回転軸に取付けられている駆動ギア3453と、駆動ギア3453と噛合していると共に裏右回転駆動ユニット3430のラックギアと噛合しておりユニットベース3451に回転可能に取付けられているピニオンギア(図示は省略)と、ユニットベース3451の前面下部に取付けられており裏右回転駆動ユニット3430の移動ベース3431を左右方向へ移動可能に取付けているスライドレール(図示は省略)と、を備えている。
裏右移動駆動ユニット3450は、裏右移動駆動モータ3452により駆動ギア3453を介してピニオンギアを正面視において時計回りの方向へ回転させると、ピニオンギアに噛合しているラックギアにより裏右回転駆動ユニット3430(裏右装飾体3410)を左方へ移動させることができる。
裏右下案内レール3470は、裏箱3010の後壁の前面における開口部3010aの下側で右端付近に取付けられる。裏右下案内レール3470は、左右に延びており、上面が開口した箱状に形成されている。この裏右下案内レール3470は、上面の開口に、裏右回転駆動ユニット3430の下回転ベース3432の下面から突出している突起を挿入することで、その突起を左右方向へ摺動可能に案内することができる。
裏右上装飾体3490は、所定の装飾が形成された透光性を有する裏右上装飾レンズ3491と、裏右上装飾レンズ3491の後側に取付けられており裏右移動駆動ユニット3450のユニットベース3451の前面に取付けられる装飾体ベース3492と、装飾体ベース3492と裏右上装飾レンズ3491との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装された裏右上装飾基板(図示は省略)と、を備えている。この裏右上装飾体3490は、裏右上装飾基板のLEDを発光させることで、裏右上装飾レンズ3491を発光装飾させることができる。
この裏右可動演出ユニット3400は、通常の状態では、裏右移動駆動ユニット3450により裏右回転駆動ユニット3430(裏右装飾体3410)が、最も右側へ移動した位置(退避位置)の状態となっている。この通常の状態では、裏右装飾体3410が、センター役物2500における右辺側の後方に位置しており、一部を、センター役物2500の枠内を通して視認することができる(図114等を参照)。
この通常の状態において、裏右移動駆動ユニット3450の裏右移動駆動モータ3452を駆動させることで、裏右回転駆動ユニット3430を介して裏右装飾体3410を右方へ移動させることができ、裏右移動駆動ユニット3450のスライドレールの左端位置(出現位置)に到達すると、移動が停止する。この出現位置の状態では、裏右回転駆動ユニット3430を介して裏右装飾体3410が、センター役物2500における右辺側よりも左側に位置していると共に、遊技盤側演出表示装置1600の前面における右端付近に位置しており、センター役物2500の枠内を通して全体が視認可能な状態となっている(図171乃至図173を参照)。
また、裏右可動演出ユニット3400は、裏右回転駆動ユニット3430の裏右回転駆動モータにより裏右装飾体3410をグルグルと回転させたり、裏右装飾体3410の第一装飾面3411、第二装飾面3412、及び第三装飾面3413の何れかが前方を向くように回転停止させたり、することができる。裏右装飾体3410は、退避位置、及び出現位置、の何れの位置においても回転させることができる。
[5−9f.裏上可動演出ユニットの全体構成]
次に、裏ユニット3000における裏上可動演出ユニット3500の全体構成について、主に図133乃至図158を参照して詳細に説明する。図133(a)は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図134は裏上可動演出ニットを主に構成ユニット毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図135は裏上可動演出ユニットを主な構成ユニット毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。裏上可動演出ユニット3500は、裏箱3010内において、後壁の前面で開口部3010aの上側に取付けられる。
裏上可動演出ユニット3500は、所定の文字の装飾を有した裏上第一装飾体ユニット3510と、裏上第一装飾体ユニット3510とは異なる文字の装飾を有した裏上第二装飾体ユニット3530と、裏上第一装飾体ユニット3510及び裏上第二装飾体ユニット3530とは異なる文字の装飾を有した裏上第三装飾体ユニット3550と、長手方向の中央において裏上第一装飾体ユニット3510が前後に延びた軸線周りに対して相対的に回転可能に取付けられると共に、長手方向の両端付近において裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550が夫々前後に延びた軸線周りに対して相対的に回転可能に取付けられている裏上回転ベースユニット3570と、裏上回転ベースユニット3570を貫通して裏上第一装飾体ユニット3510を回転不能に取付けていると共に、裏上第一装飾体ユニット3510と裏上回転ベースユニット3570とを昇降させ、裏箱3010内に取付けられる裏上昇降ユニット3600と、を備えている。
[5−9f−1.裏上第一装飾体ユニット]
次に、裏上可動演出ユニット3500における裏上第一装飾体ユニット3510について、主に図136乃至図139を参照して詳細に説明する。図136(a)は裏上可動演出ユニットにおける裏上第一装飾体ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上第一装飾体ユニットを後ろから見斜視図である。図137は裏上第一装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図138は裏上第一装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図139(a)は裏上第一装飾体ユニットが閉位置の時の駆動系を正面から示す説明図であり、(b)は裏上第一装飾体ユニットが開位置の時の駆動系を正面から示す説明図である。裏上可動演出ユニット3500の裏上第一装飾体ユニット3510は、後端が、裏上昇降ユニット3600における可動側ユニット3610の前面に回転不能に取付けられている。
裏上第一装飾体ユニット3510は、一対一組で所定の文字となるような装飾が形成されており透光性を有する第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512と、第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512の後側に配置されており所定の装飾が形成された透光性を有する第一固定装飾レンズ3513と、第一固定装飾レンズ3513の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されている裏上第一装飾基板3514と、裏上第一装飾基板3514の後面を覆うように第一固定装飾レンズ3513の後側に取付けられている平板状の第一装飾体ベース3515と、を備えている。なお、第一固定装飾レンズ3513には、稲妻を模したような装飾が形成されている。
また、裏上第一装飾体ユニット3510は、第一装飾体ベース3515の後側の下部において左右方向へ延びていると共に左端が第一装飾体ベース3515の左外側で第一左可動装飾レンズ3511の後側に取付けられており、上辺に左右に延びたラックギア3516a、及びラックギア3516aの下側で前後に貫通し左右に延びているスリット3516bを有する第一下アーム3516と、第一下アーム3516のスリット3516bを通して第一装飾体ベース3515の後側に取付けられており第一装飾体ベース3515と協働して第一下アーム3516を左右方向へスライド可能に取付けている下アーム押え3517と、を備えている。
また、裏上第一装飾体ユニット3510は、第一装飾体ベース3515の後側の上部において左右方向へ延びていると共に右端が第一装飾体ベース3515の右外側で第一右可動装飾レンズ3512の後側に取付けられており、下辺に左右に延びたラックギア3518a、及びラックギア3518aの上側で前後に貫通し左右に延びているスリット3518bを有する第一上アーム3518と、第一上アーム3518のスリット3518bを通して第一装飾体ベース3515の後側に取付けられており第一装飾体ベース3515と協働して第一上アーム3518を左右方向へスライド可能に取付けている上アーム押え3519と、を備えている。
更に、裏上第一装飾体ユニット3510は、第一下アーム3516のラックギア3516aと第一上アーム3518のラックギア3518aとに夫々噛合する大径の伝達ギア部3520a、及び伝達ギア部3520aの後面に一体的に形成されている小径の駆動ギア部3520bを有し、第一装飾体ベース3515の後側に回転可能に取付けられている第一開閉ギア部材3520を、備えている。
また、裏上第一装飾体ユニット3510は、第一装飾体ベース3515の後側における第一開閉ギア部材3520の正面視左側において平板状で上下方向へ延びており、右辺に第一開閉ギア部材3520の駆動ギア部3520bと噛合する上下に延びた駆動ラックギア3521a、後面の下部から後方へ円柱状に突出している受ボス3521b、及び左辺付近において前後に貫通し上下に延びているスリット3521cを有する第一開閉アーム3521と、第一開閉アーム3521のスリット3521cを通して第一装飾体ベース3515の後側に取付けられており第一装飾体ベース3515と協働して第一開閉アーム3521を上下方向へスライド可能に取付けている開閉アーム押え3522と、を備えている。
更に、裏上第一装飾体ユニット3510は、左端が第一装飾体ベース3515の後側に取付けられていると共に右端が第一上アーム3518に取付けられており第一上アーム3518を正面視左方へ移動するように付勢している第一開閉バネ3523と、第一開閉ギア部材3520の後側を覆うように第一装飾体ベース3515の後側に取付けられている第一取付ベース3524と、第一取付ベース3524の後側に取付けられており、右側の外周面に開口している水平ロック孔3525a、前後方向が水平ロック孔3525aと同じ位置に形成されており下側の外周面に開口している垂直ロック孔3525b、及び垂直ロック孔3525bよりも後側において円筒状に後方へ突出している取付軸部3525cを有し、取付軸部3525cの後端が裏上昇降ユニット3600における可動側ユニット3610の前面に取付けられる第一取付軸部材3525と、を備えている。
続いて、裏上第一装飾体ユニット3510の動きについて詳述する。裏上第一装飾体ユニット3510は、左右の第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが、互いに接近して当接した閉位置と、互いに離反した開位置との間で左右方向へスライドするように形成されている。
裏上第一装飾体ユニット3510は、第一左可動装飾レンズ3511が取付けられている第一下アーム3516の上方に、第一右可動装飾レンズ3512が取付けられている第一上アーム3518が配置されており、夫々が左右方向へスライド可能に取付けられている。第一下アーム3516では、左右に延びたラックギア3516aが上方へ向けて備えられていると共に、第一上アーム3518では、左右に延びたラックギア3518aが下方へ向けて備えられており、第一下アーム3516のラックギア3516aと第一上アーム3518のラックギア3518aとが互いに対向している。そして、第一下アーム3516と第一上アーム3518との間において、第一開閉ギア部材3520の伝達ギア部3520aが、第一下アーム3516のラックギア3516aと第一上アーム3518のラックギア3518aとに夫々噛合している。これにより、第一開閉ギア部材3520(伝達ギア部3520a)を回転させると、第一下アーム3516と第一上アーム3518とを互いに左右方向の異なる方向へスライドさせることができる。
従って、第一開閉ギア部材3520を正面視において反時計回りの方向へ回転させると、第一下アーム3516及び第一上アーム3518を介して、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とを互いに接近する方向(閉位置の方向)へスライドさせることができ、第一開閉ギア部材3520を正面視時計回りの方向へ回転させると、第一下アーム3516及び第一上アーム3518を介して、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とを互いに離反する方向(開位置の方向)へスライドさせることができる。
また、裏上第一装飾体ユニット3510では、第一開閉ギア部材3520に、伝達ギア部3520aと一体回転する駆動ギア部3520bを有していると共に、駆動ギア部3520bと噛合する上下に延びた駆動ラックギア3521aを有した第一開閉アーム3521を備えている。この第一開閉アーム3521は、上下方向へスライド可能に取付けられていることから、第一開閉ギア部材3520が回転すると、上下方向へスライドすることとなる。そして、第一開閉アーム3521は、第一開閉ギア部材3520の正面視左側に配置されていることから、第一開閉ギア部材3520を正面視反時計回りの方向へ回転させると下方へスライドし、第一開閉ギア部材3520を正面視時計周りの方向へ回転させると上方へスライドする。
換言すると、第一開閉アーム3521を下方へスライドさせると、第一開閉ギア部材3520が正面視反時計回りの方向へ回転して、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とを互いに接近する方向(閉位置の方向)へスライドさせることができる。一方、第一開閉アーム3521を上方へスライドさせると、第一開閉ギア部材3520が正面視時計回りの方向へ回転して、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とを互いに離反する方向(開位置の方向)へスライドさせることができる。
この裏上第一装飾体ユニット3510は、第一上アーム3518が左方へ移動するように付勢している第一開閉バネ3523を有しているため、第一開閉アーム3521に力が作用していない時(通常の状態の時)には、第一開閉バネ3523の付勢力により、第一上アーム3518が左方へスライドさせられ、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが互いに当接した閉位置の状態となる。この閉位置の状態では、第一開閉ギア部材3520の伝達ギア部3520aが、第一下アーム3516におけるラックギア3516aの左端付近と噛合していると共に、第一上アーム3518におけるラックギア3518aの右端付近と噛合している。また、この状態では、第一開閉ギア部材3520の駆動ギア部3520bが、第一開閉アーム3521における駆動ラックギア3521aの上端付近と噛合している(図139(a)を参照)。
この閉位置の状態から、第一開閉バネ3523の付勢力に抗するように第一開閉アーム3521を上方へスライドさせると、第一開閉ギア部材3520が正面視時計回りの方向へ回転し、第一下アーム3516及び第一上アーム3518を介して、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが互いに離反する方向へスライドする。そして、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが開位置に到達すると、スライドが停止する(図139(b)を参照)。この開位置でのスライドの停止は、第一下アーム3516のスリット3516b、第一上アーム3518のスリット3518b、及び第一開閉アーム3521のスリット3521c、の少なくとも一つにおいて長孔の端部に、下アーム押え3517、上アーム押え3519、及び開閉アーム押え3522、が当接することでスライドが規制される。
従って、裏上第一装飾体ユニット3510は、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが閉位置の時には、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが第一固定装飾レンズ3513の前方に位置し、第一固定装飾レンズ3513が前方から殆ど見えない状態となると共に、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とにより所定の文字の装飾が見える状態となる。一方、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが開位置の時には、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが離反してそれらの間から第一固定装飾レンズ3513の装飾が見える状態となる。
また、裏上第一装飾体ユニット3510は、裏上第一装飾基板3514のLEDを適宜発光させることで、第一左可動装飾レンズ3511、第一右可動装飾レンズ3512、及び第一固定装飾レンズ3513を、適宜発光装飾させることができる。具体的には、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが閉位置の時に、裏上第一装飾基板3514のLEDを発光させると、第一固定装飾レンズ3513を介して第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512と発光装飾させることができる。一方、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512とが開位置の時に、裏上第一装飾基板3514のLEDを発光させると、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512との間から臨む第一固定装飾レンズ3513のみを発光装飾させることができる。
[5−9f−2.裏上第二装飾体ユニット]
次に、裏上可動演出ユニット3500における裏上第二装飾体ユニット3530について、主に図140乃至図143を参照して詳細に説明する。図140(a)は裏上可動演出ユニットにおける裏上第二装飾体ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上第二装飾体ユニットを後ろから見斜視図である。図141は裏上第二装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図142は裏上第二装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図143(a)は裏上第二装飾体ユニットが閉位置の時の駆動系を正面から示す説明図であり、(b)は裏上第二装飾体ユニットが開位置の時の駆動系を正面から示す説明図である。裏上可動演出ユニット3500の裏上第二装飾体ユニット3530は、後端が、裏上回転ベースユニット3570の長手方向の一方の端部付近(水平位置の時の右端部付近)に、前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられている。
裏上第二装飾体ユニット3530は、一対一組で所定の文字となるような装飾が形成されており透光性を有する第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532と、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532の後側に配置されており所定の装飾が形成された透光性を有する第二固定装飾レンズ3533と、第二固定装飾レンズ3533の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されている裏上第二装飾基板3534と、裏上第二装飾基板3534の後面を覆うように第二固定装飾レンズ3533の後側に取付けられている平板状の第二装飾体ベース3535と、を備えている。なお、第二固定装飾レンズ3533には、稲妻を模したような装飾が形成されている。
また、裏上第二装飾体ユニット3530は、第二装飾体ベース3535の後側の下部において左右方向へ延びていると共に左端が第二装飾体ベース3535の左外側で第二左可動装飾レンズ3531の後側に取付けられており、上辺に左右に延びたラックギア3536a、及びラックギア3536aの下側で前後に貫通し左右に延びているスリット3536bを有する第二下アーム3536と、第二下アーム3536のスリット3536bを通して第二装飾体ベース3535の後側に取付けられており第二装飾体ベース3535と協働して第二下アーム3536を左右方向へスライド可能に取付けている下アーム押え3537と、を備えている。
また、裏上第二装飾体ユニット3530は、第二装飾体ベース3535の後側の上部において左右方向へ延びていると共に右端が第二装飾体ベース3535の右外側で第二右可動装飾レンズ3532の後側に取付けられており、下辺に左右に延びたラックギア3538a、及びラックギア3538aの上側で前後に貫通し左右に延びているスリット3538bを有する第二上アーム3538と、第二上アーム3538のスリット3538bを通して第二装飾体ベース3535の後側に取付けられており第二装飾体ベース3535と協働して第二上アーム3538を左右方向へスライド可能に取付けている上アーム押え3539と、を備えている。
更に、裏上第二装飾体ユニット3530は、第二下アーム3536のラックギア3536aと第二上アーム3538のラックギア3538aとに夫々噛合する大径の伝達ギア部3540a、及び伝達ギア部3540aの後面に一体的に形成されている小径の駆動ギア部3540bを有し、第二装飾体ベース3535の後側に回転可能に取付けられている第二開閉ギア部材3540を、備えている。
また、裏上第二装飾体ユニット3530は、第二装飾体ベース3535の後側における第二開閉ギア部材3540の正面視左側において平板状で上下方向へ延びており、右辺に第二開閉ギア部材3540の駆動ギア部3540bと噛合する上下に延びた駆動ラックギア3541a、後面の上端部付近から後方へ円柱状に突出している受ボス3541b、及び左辺付近において前後に貫通し上下に延びているスリット3541cを有する第二開閉アーム3541と、第二開閉アーム3541のスリット3541cを通して第二装飾体ベース3535の後側に取付けられており第二装飾体ベース3535と協働して第二開閉アーム3541を上下方向へスライド可能に取付けている開閉アーム押え3542と、を備えている。
更に、裏上第二装飾体ユニット3530は、左端が第二下アーム3536に取付けられていると共に右端が第二装飾体ベース3535の後側に取付けられており第二下アーム3536を正面視右方へ移動するように付勢している第二開閉バネ3543と、第二開閉ギア部材3540の後側を覆うように第二装飾体ベース3535の後側に取付けられている第二取付ベース3544と、を備えている。第二取付ベース3544は、後述する裏上回転ベースユニット3570の第二用駆動リンクギア部材3573に取付けられている。
続いて、裏上第二装飾体ユニット3530の動きについて詳述する。裏上第二装飾体ユニット3530は、左右の第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが、互いに接近して当接した閉位置と、互いに離反した開位置との間で左右方向へスライドするように形成されている。
裏上第二装飾体ユニット3530は、第二左可動装飾レンズ3531が取付けられている第二下アーム3536の上方に、第二右可動装飾レンズ3532が取付けられている第二上アーム3538が配置されており、夫々が左右方向へスライド可能に取付けられている。第二下アーム3536では、左右に延びたラックギア3536aが上方へ向けて備えられていると共に、第二上アーム3538では、左右に延びたラックギア3538aが下方へ向けて備えられており、第二下アーム3536のラックギア3536aと第二上アーム3538のラックギア3538aとが互いに対向している。そして、第二下アーム3536と第二上アーム3538との間において、第二開閉ギア部材3540の伝達ギア部3540aが、第二下アーム3536のラックギア3536aと第二上アーム3538のラックギア3538aとに夫々噛合している。これにより、第二開閉ギア部材3540(伝達ギア部3540a)を回転させると、第二下アーム3536と第二上アーム3538とを互いに左右方向の異なる方向へスライドさせることができる。
従って、第二開閉ギア部材3540を正面視において反時計回りの方向へ回転させると、第二下アーム3536及び第二上アーム3538を介して、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とを互いに接近する方向(閉位置の方向)へスライドさせることができ、第二開閉ギア部材3540を正面視時計回りの方向へ回転させると、第二下アーム3536及び第二上アーム3538を介して、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とを互いに離反する方向(開位置の方向)へスライドさせることができる。
また、裏上第二装飾体ユニット3530では、第二開閉ギア部材3540に、伝達ギア部3540aと一体回転する駆動ギア部3540bを有していると共に、駆動ギア部3540bと噛合する上下に延びた駆動ラックギア3541aを有した第二開閉アーム3541を備えている。この第二開閉アーム3541は、上下方向へスライド可能に取付けられていることから、第二開閉ギア部材3540が回転すると、上下方向へスライドすることとなる。そして、第二開閉アーム3541は、第二開閉ギア部材3540の正面視左側に配置されていることから、第二開閉ギア部材3540を正面視反時計回りの方向へ回転させると下方へスライドし、第二開閉ギア部材3540を正面視時計周りの方向へ回転させると上方へスライドする。
換言すると、第二開閉アーム3541を下方へスライドさせると、第二開閉ギア部材3540が正面視反時計回りの方向へ回転して、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とを互いに接近する方向(閉位置の方向)へスライドさせることができる。一方、第二開閉アーム3541を上方へスライドさせると、第二開閉ギア部材3540が正面視時計回りの方向へ回転して、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とを互いに離反する方向(開位置の方向)へスライドさせることができる。
この裏上第二装飾体ユニット3530は、第二下アーム3536が右方へ移動するように付勢している第二開閉バネ3543を有しているため、第二開閉アーム3541に力が作用していない時(通常の状態の時)には、第二開閉バネ3543の付勢力により、第二下アーム3536が右方へスライドさせられ、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが互いに当接した閉位置の状態となる。この閉位置の状態では、第二開閉ギア部材3540の伝達ギア部3540aが、第二下アーム3536におけるラックギア3536aの左端付近と噛合していると共に、第二上アーム3538におけるラックギア3538aの右端付近と噛合している。また、この状態では、第二開閉ギア部材3540の駆動ギア部3540bが、第二開閉アーム3541における駆動ラックギア3541aの上端付近と噛合している(図143(a)を参照)。
この閉位置の状態から、第二開閉バネ3543の付勢力に抗するように第二開閉アーム3541を上方へスライドさせると、第二開閉ギア部材3540が正面視時計回りの方向へ回転し、第二下アーム3536及び第二上アーム3538を介して、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが互いに離反する方向へスライドする。そして、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが開位置に到達すると、スライドが停止する(図143(b)を参照)。この開位置でのスライドの停止は、第二下アーム3536のスリット3536b、第二上アーム3538のスリット3538b、及び第二開閉アーム3541のスリット3541c、の少なくとも一つにおいて長孔の端部に、下アーム押え3537、上アーム押え3539、及び開閉アーム押え3542、が当接することでスライドが規制される。
従って、裏上第二装飾体ユニット3530は、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが閉位置の時には、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが第二固定装飾レンズ3533の前方に位置し、第二固定装飾レンズ3533が前方から殆ど見えない状態となると共に、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とにより所定の文字の装飾が見える状態となる。一方、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが開位置の時には、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが離反してそれらの間から第二固定装飾レンズ3533の装飾が見える状態となる。
また、裏上第二装飾体ユニット3530は、裏上第二装飾基板3534のLEDを適宜発光させることで、第二左可動装飾レンズ3531、第二右可動装飾レンズ3532、及び第二固定装飾レンズ3533を、適宜発光装飾させることができる。具体的には、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが閉位置の時に、裏上第二装飾基板3534のLEDを発光させると、第二固定装飾レンズ3533を介して第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532と発光装飾させることができる。一方、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532とが開位置の時に、裏上第二装飾基板3534のLEDを発光させると、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532との間から臨む第二固定装飾レンズ3533のみを発光装飾させることができる。
[5−9f−3.裏上第三装飾体ユニット]
次に、裏上可動演出ユニット3500における裏上第三装飾体ユニット3550について、主に図144乃至図147を参照して詳細に説明する。図144(a)は裏上可動演出ユニットにおける裏上第三装飾体ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上第三装飾体ユニットを後ろから見斜視図である。図145は裏上第三装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図146は裏上第三装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図147(a)は裏上第三装飾体ユニットが閉位置の時の駆動系を正面から示す説明図であり、(b)は裏上第三装飾体ユニットが開位置の時の駆動系を正面から示す説明図である。裏上可動演出ユニット3500の裏上第三装飾体ユニット3550は、後端が、裏上回転ベースユニット3570の長手方向の裏上第二装飾体ユニット3530とは反対側の端部付近(水平位置の時の左端部付近)に、前後方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられている。
裏上第三装飾体ユニット3550は、一対一組で所定の文字となるような装飾が形成されており透光性を有する第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552と、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552の後側に配置されており所定の装飾が形成された透光性を有する第三固定装飾レンズ3553と、第三固定装飾レンズ3553の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されている裏上第三装飾基板3554と、裏上第三装飾基板3554の後面を覆うように第三固定装飾レンズ3553の後側に取付けられている平板状の第三装飾体ベース3555と、を備えている。なお、第三固定装飾レンズ3553には、稲妻を模したような装飾が形成されている。
また、裏上第三装飾体ユニット3550は、第三装飾体ベース3555の後側の下部において左右方向へ延びていると共に左端が第三装飾体ベース3555の左外側で第三左可動装飾レンズ3551の後側に取付けられており、上辺に左右に延びたラックギア3556a、及びラックギア3556aの下側で前後に貫通し左右に延びているスリット3556bを有する第三下アーム3556と、第三下アーム3556のスリット3556bを通して第三装飾体ベース3555の後側に取付けられており第三装飾体ベース3555と協働して第三下アーム3556を左右方向へスライド可能に取付けている下アーム押え3557と、を備えている。
また、裏上第三装飾体ユニット3550は、第三装飾体ベース3555の後側の上部において左右方向へ延びていると共に右端が第三装飾体ベース3555の右外側で第三右可動装飾レンズ3552の後側に取付けられており、下辺に左右に延びたラックギア3558a、及びラックギア3558aの上側で前後に貫通し左右に延びているスリット3558bを有する第三上アーム3558と、第三上アーム3558のスリット3558bを通して第三装飾体ベース3555の後側に取付けられており第三装飾体ベース3555と協働して第三上アーム3558を左右方向へスライド可能に取付けている上アーム押え3559と、を備えている。
更に、裏上第三装飾体ユニット3550は、第三下アーム3556のラックギア3556aと第三上アーム3558のラックギア3558aとに夫々噛合する大径の伝達ギア部3560a、及び伝達ギア部3560aの後面に一体的に形成されている小径の駆動ギア部3560bを有し、第三装飾体ベース3555の後側に回転可能に取付けられている第三開閉ギア部材3560を、備えている。
また、裏上第三装飾体ユニット3550は、第三装飾体ベース3555の後側における第三開閉ギア部材3560の正面視左側において平板状で上下方向へ延びており、右辺に第三開閉ギア部材3560の駆動ギア部3560bと噛合する上下に延びた駆動ラックギア3561a、及び左辺付近において前後に貫通し上下に延びているスリット3561cを有する第三開閉アーム3561と、第三開閉アーム3561のスリット3561cを通して第三装飾体ベース3555の後側に取付けられており第三装飾体ベース3555と協働して第三開閉アーム3561を上下方向へスライド可能に取付けている開閉アーム押え3562と、を備えている。
更に、裏上第三装飾体ユニット3550は、左端が第三下アーム3556に取付けられていると共に右端が第三装飾体ベース3555の後側に取付けられており第三下アーム3556を正面視右方へ移動するように付勢している第三開閉バネ3563と、第三開閉ギア部材3560の後側を覆うように第三装飾体ベース3555の後側に取付けられている第三取付ベース3564と、を備えている。第三取付ベース3564は、後述する裏上回転ベースユニット3570の第三用駆動リンクギア部材3578に取付けられている。
続いて、裏上第三装飾体ユニット3550の動きについて詳述する。裏上第三装飾体ユニット3550は、左右の第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが、互いに接近して当接した閉位置と、互いに離反した開位置との間で左右方向へスライドするように形成されている。
裏上第三装飾体ユニット3550は、第三左可動装飾レンズ3551が取付けられている第三下アーム3556の上方に、第三右可動装飾レンズ3552が取付けられている第三上アーム3558が配置されており、夫々が左右方向へスライド可能に取付けられている。第三下アーム3556では、左右に延びたラックギア3556aが上方へ向けて備えられていると共に、第三上アーム3558では、左右に延びたラックギア3558aが下方へ向けて備えられており、第三下アーム3556のラックギア3556aと第三上アーム3558のラックギア3558aとが互いに対向している。そして、第三下アーム3556と第三上アーム3558との間において、第三開閉ギア部材3560の伝達ギア部3560aが、第三下アーム3556のラックギア3556aと第三上アーム3558のラックギア3558aとに夫々噛合している。これにより、第三開閉ギア部材3560(伝達ギア部3560a)を回転させると、第三下アーム3556と第三上アーム3558とを互いに左右方向の異なる方向へスライドさせることができる。
従って、第三開閉ギア部材3560を正面視において反時計回りの方向へ回転させると、第三下アーム3556及び第三上アーム3558を介して、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とを互いに接近する方向(閉位置の方向)へスライドさせることができ、第三開閉ギア部材3560を正面視時計回りの方向へ回転させると、第三下アーム3556及び第三上アーム3558を介して、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とを互いに離反する方向(開位置の方向)へスライドさせることができる。
また、裏上第三装飾体ユニット3550では、第三開閉ギア部材3560に、伝達ギア部3560aと一体回転する駆動ギア部3560bを有していると共に、駆動ギア部3560bと噛合する上下に延びた駆動ラックギア3561aを有した第三開閉アーム3561を備えている。この第三開閉アーム3561は、上下方向へスライド可能に取付けられていることから、第三開閉ギア部材3560が回転すると、上下方向へスライドすることとなる。そして、第三開閉アーム3561は、第三開閉ギア部材3560の正面視左側に配置されていることから、第三開閉ギア部材3560を正面視反時計回りの方向へ回転させると下方へスライドし、第三開閉ギア部材3560を正面視時計周りの方向へ回転させると上方へスライドする。
換言すると、第三開閉アーム3561を下方へスライドさせると、第三開閉ギア部材3560が正面視反時計回りの方向へ回転して、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とを互いに接近する方向(閉位置の方向)へスライドさせることができる。一方、第三開閉アーム3561を上方へスライドさせると、第三開閉ギア部材3560が正面視時計回りの方向へ回転して、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とを互いに離反する方向(開位置の方向)へスライドさせることができる。
この裏上第三装飾体ユニット3550は、第三下アーム3556が右方へ移動するように付勢している第三開閉バネ3563を有しているため、第三開閉アーム3561に力が作用していない時(通常の状態の時)には、第三開閉バネ3563の付勢力により、第三下アーム3556が右方へスライドさせられ、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが互いに当接した閉位置の状態となる。この閉位置の状態では、第三開閉ギア部材3560の伝達ギア部3560aが、第三下アーム3556におけるラックギア3556aの左端付近と噛合していると共に、第三上アーム3558におけるラックギア3558aの右端付近と噛合している。また、この状態では、第三開閉ギア部材3560の駆動ギア部3560bが、第三開閉アーム3561における駆動ラックギア3561aの上端付近と噛合している(図147(a)を参照)。
この閉位置の状態から、第三開閉バネ3563の付勢力に抗するように第三開閉アーム3561を上方へスライドさせると、第三開閉ギア部材3560が正面視時計回りの方向へ回転し、第三下アーム3556及び第三上アーム3558を介して、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが互いに離反する方向へスライドする。そして、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが開位置に到達すると、スライドが停止する(図147(b)を参照)。この開位置でのスライドの停止は、第三下アーム3556のスリット3556b、第三上アーム3558のスリット3558b、及び第三開閉アーム3561のスリット3561c、の少なくとも一つにおいて長孔の端部に、下アーム押え3557、上アーム押え3559、及び開閉アーム押え3562、が当接することでスライドが規制される。
従って、裏上第三装飾体ユニット3550は、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが閉位置の時には、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが第三固定装飾レンズ3553の前方に位置し、第三固定装飾レンズ3553が前方から殆ど見えない状態となると共に、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とにより所定の文字の装飾が見える状態となる。一方、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが開位置の時には、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが離反してそれらの間から第三固定装飾レンズ3553の装飾が見える状態となる。
また、裏上第三装飾体ユニット3550は、裏上第三装飾基板3554のLEDを適宜発光させることで、第三左可動装飾レンズ3551、第三右可動装飾レンズ3552、及び第三固定装飾レンズ3553を、適宜発光装飾させることができる。具体的には、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが閉位置の時に、裏上第三装飾基板3554のLEDを発光させると、第三固定装飾レンズ3553を介して第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552と発光装飾させることができる。一方、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552とが開位置の時に、裏上第三装飾基板3554のLEDを発光させると、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552との間から臨む第三固定装飾レンズ3553のみを発光装飾させることができる。
[5−9f−4.裏上回転ベースユニット]
次に、裏上可動演出ユニット3500の裏上回転ベースユニット3570について、主に図148乃至図152を参照して詳細に説明する。図148(a)は裏上可動演出ユニットにおける裏上回転ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上回転ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図149は裏上回転ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図150は裏上回転ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図151は、裏上回転ベースユニットにおけるギア構成を正面から示す説明図である。図152(a)は裏上回転ベースユニットにおける作用レバーが作用位置の状態を正面から示す説明図であり、(b)は作用レバーが非作用位置の状態を正面から示す説明図である。
裏上可動演出ユニット3500の裏上回転ベースユニット3570は、裏上昇降ユニットにおける可動側ユニットの前面に、前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられていると共に、長手方向の両端に裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550を、夫々前後に延びた軸周りに対して相対的に回転可能に取付けている。
裏上回転ベースユニット3570は、前後方向へ延びた軸線に直交する面に対して平行に延びており、長手方向中央に前後に貫通している第一孔3571a、長手方向の両端付近において夫々前後に貫通している第二孔3571b及び第三孔3571c、及び第一孔3571aの外周から後方へ円筒状に突出しており裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610に回転可能に取付けられる取付筒部3571dを有している裏上回転ベースを備えている。第一孔3571a(取付筒部3571dの内径)は、裏上第一装飾体ユニット3510における第一取付軸部材3525の取付軸部3525cが通過可能な大きさに形成されている。第二孔3571b及び第三孔3571cは、第一孔3571aよりも若干小さく形成されていると共に、互いに同じ大きさに形成されている。また、第二孔3571b及び第三孔3571cは、裏上回転ベース3571を水平に延びた状態とした時(水平位置の時)に、正面視において、右端付近と左端付近とに夫々形成されている。なお、以下では、裏上回転ベース3571が水平に延びている状態で説明する。
また、裏上回転ベースユニット3570は、裏上回転ベース3571の後側に取付けられており第一孔3571aの中心と同心上で半円弧状に延びた回転ベース被駆動ギア3572を備えている。回転ベース被駆動ギア3572は、中心軸を前後に延ばした状態の円環に対して、上半分の形態に形成されており、外周面にギア歯が形成されている。回転ベース被駆動ギア3572は、取付筒部3571dの上側の外周面との間で、隙間が形成されるように取付けられている。この回転ベース被駆動ギア3572は、後述する裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610における回転ベース駆動ギア3614と噛合する。
また、裏上回転ベースユニット3570は、裏上回転ベース3571の第二孔3571bに対して前方から回転可能に挿入される円環状の軸部3573a、及び軸部3573aの前端から同心円状で扇形に形成された第二用リンクギア部3573bを有しており、前面に裏上第二装飾体ユニット3530の第二取付ベース3544の後面が取付けられる第二用駆動リンクギア部材3573と、裏上回転ベース3571の後側から第二用駆動リンクギア部材3573の後側に取付けられており第二孔3571bよりも大径の押え部材3574と、を備えている。第二用駆動リンクギア部材3573は、第二用リンクギア部3573bが、第二孔3571bよりも大径に形成されている。また、第二用リンクギア部3573bは、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610における可動側ベース3611の中央リンクギア3611bと、同径で同じピッチに形成されている。この第二用駆動リンクギア部材3573は、第二孔3571bに挿入した軸部3573aの後側に、押え部材3574が取付けられることで、第二孔3571bに対して前後への移動が規制された状態で回転可能に取付けられる。
更に、裏上回転ベースユニット3570は、第二孔3571bの正面視左側で裏上回転ベース3571の後側に回転可能に取付けられており第二用駆動リンクギア部材3573の第二用リンクギア部3573bと噛合している平歯車状の第二用第一リンクギア3575と、第二用第一リンクギア3575の正面視左側で裏上回転ベース3571の後側に回転可能に取付けられており第二用第一リンクギア3575と噛合している平歯車状の第二用第二リンクギア3576と、第二用第二リンクギア3576の正面視左側で裏上回転ベース3571の後側に回転可能に取付けられており第二用第二リンクギア3576と噛合している平歯車状の第二用第三リンクギア3577と、を備えている。
第二用駆動リンクギア部材3573の第二用リンクギア部3573bと、第二用第一リンクギア3575とは、裏上回転ベース3571に形成されている開口部を通して互いに噛合している。第二用第三リンクギア3577は、左端側が裏上回転ベース3571における取付筒部3571dの右側の外周面に接近している。この第二用第三リンクギア3577は、後述する裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610における可動側ベース3611の中央リンクギア3611bと噛合する。
また、裏上回転ベースユニット3570は、裏上回転ベース3571の第三孔3571cに対して前方から回転可能に挿入される円環状の軸部3578a、及び軸部3578aの前端から同心円状で扇形に形成された第三用リンクギア部3578bを有しており、前面に裏上第三装飾体ユニット3550の第三取付ベース3564の後面が取付けられる第三用駆動リンクギア部材3578と、裏上回転ベース3571の後側から第三用駆動リンクギア部材3578の後側に取付けられており第三孔3571cよりも大径の押え部材3579と、を備えている。第三用駆動リンクギア部材3578は、第三用リンクギア部3578bが、第三孔3571cよりも大径に形成されている。また、第三用リンクギア部3578bは、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610における可動側ベース3611の中央リンクギア3611bと、同径で同じピッチに形成されている。この第三用駆動リンクギア部材3578は、第三孔3571cに挿入した軸部3578aの後側に、押え部材3579が取付けられることで、第三孔3571cに対して前後への移動が規制された状態で回転可能に取付けられる。
更に、裏上回転ベースユニット3570は、第三孔3571cの正面視右側で裏上回転ベース3571の前側に回転可能に取付けられており第三用駆動リンクギア部材3578の第三用リンクギア部3578bと噛合している平歯車状の第三用第一リンクギア3580と、第三用第一リンクギア3580の正面視右側で裏上回転ベース3571の後側に回転可能に取付けられており第三用第一リンクギア3580と噛合している平歯車状の第三用第二リンクギア3581と、第三用第二リンクギア3581の正面視右側で裏上回転ベース3571の後側に回転可能に取付けられており第三用第二リンクギア3581と噛合している平歯車状の第三用第三リンクギア3582と、を備えている。
第三用第一リンクギア3580と、第三用第二リンクギア3581とは、裏上回転ベース3571に形成されている開口部を通して互いに噛合している。第三用第三リンクギア3582は、右端側が裏上回転ベース3571における取付筒部3571dの左側の外周面に接近している。この第三用第三リンクギア3582は、後述する裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610における可動側ベース3611の中央リンクギア3611bと噛合する。
また、裏上回転ベースユニット3570は、裏上回転ベース3571における第一孔3571aと第二孔3571bとの間の下部の後側に取付けられており回転軸が裏上回転ベース3571を貫通して前方へ突出している作用レバー駆動モータ3583と、作用レバー駆動モータ3583の回転軸に取付けられている平歯車状の作用レバー駆動ギア3584と、作用レバー駆動ギア3584と噛合しており裏上回転ベース3571の前面に回転可能に取付けられている平歯車状の作用レバーピニオンギア3585と、作用レバーピニオンギア3585に対して上方から噛合しており左右に延びている作用レバーラックギア3586aを有し裏上回転ベース3571の前面に左右方向へスライド可能に取付けられている作用レバー3586と、作用レバー3586の前方への移動を規制しており裏上回転ベース3571の前面に取付けられている作用レバー押え3587と、裏上回転ベース3571の前面に取付けられており作用レバー3586の左右方向への移動を検知する作用レバー移動検知センサ3588と、を備えている。
作用レバー3586は、下辺に作用レバーラックギア3586aが形成されている横長四角形の本体部3586bと、本体部3586bの上辺と接続されていると共に本体部3586bよりも左方へ帯板状に延びており裏上回転ベース3571の前面上部に左右方向へスライド可能に取付けられるスライド取付部3586cと、本体部3586bの左辺から左方へ突出しており裏上第一装飾体ユニット3510における第一取付軸部材3525の水平ロック孔3525a及び垂直ロック孔3525bに挿入可能なロック片3586dと、本体部3586bから下方へ延びているる第一延出部3586eと、第一延出部3586eの下端からロック片3586dよりも左方へ突出している第一用作用部3586fと、本体部3586bの上辺の右端付近と接続されており右方へ延びている第二右延出部3586gと、第二右延出部3586gの右端から第一用作用部3586fよりも若干高い位置まで下方へ延びている第二下延出部3586hと、第二下延出部3586hの左辺の下端付近から左方に延びている第二用作用部3586iと、スライド取付部3586cの左端から第一延出部3586eの下端と略同じ高さまで下方へ延びている第三延出部3586jと、第三延出部3586jの左辺の下端付近から左方に延びている第三用作用部3586kと、を備えている(図152を参照)。
また、裏上回転ベースユニット3570は、作用レバー駆動ギア3584及び作用レバーピニオンギア3585の前面を覆うように裏上回転ベース3571の前面に取付けられている前ギアカバー3589と、裏上回転ベース3571の前面で第一孔3571aの下側に取付けられており裏上回転ベースユニット3570の回転位置を検知する裏上回転ベースユニット回転検知センサ3590と、裏上回転ベースユニット回転検知センサ3590の前側を覆うように裏上回転ベース3571の前面に取付けられている裏上回転ベース中継基板3591と、裏上回転ベース中継基板3591の前面を覆うように裏上回転ベース3571の前面に取付けられている基板カバー3592と、を備えている。
裏上回転ベースユニット回転検知センサ3590は、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610における可動側ベース3611の回転検知片3611dを検知することで、裏上回転ベースユニット3570の回転位置を検知するものである。裏上回転ベース中継基板3591は、裏上昇降ユニット3600における可動側ユニット3610の裏上回転駆動モータ3612と、裏上第二装飾基板3534、裏上第三装飾基板3554、作用レバー駆動モータ3583、作用レバー移動検知センサ3588、及び裏上回転ベースユニット回転検知センサ3590との接続を中継している。
更に、裏上回転ベースユニット3570は、第二用第一リンクギア3575、第二用第二リンクギア3576、及び第二用第三リンクギア3577の後側を覆うように裏上回転ベース3571の後側に取付けられている後右ギアカバー3593と、第三用第二リンクギア3581、及び第三用第三リンクギア3582の後側を覆うように裏上回転ベース3571の後側に取付けられている後左ギアカバー3594と、作用レバー駆動モータ3583の下側を覆うように裏上回転ベース3571の後側に取付けられているモータカバー3595と、を備えている。
続いて、裏上回転ベースユニット3570の動きについて説明する。この裏上回転ベースユニット3570は、裏上回転ベース3571の後方へ突出している取付筒部3571dが、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610における可動側ベース3611の軸筒部3611a内に挿入されることで、可動側ユニット3610の前面において前後に延びた軸周りに回転するように取付けられる。なお、裏上回転ベースユニット3570は、取付筒部3571dを前方から貫通して可動側ユニットの前面に取付けられる裏上第一装飾体ユニット3510の第一取付軸部材3525によって前方への移動が規制される。また、裏上回転ベースユニット3570は、裏上回転ベース3571の第二孔3571bに回転可能に取付けられている第二用駆動リンクギア部材3573の前面に、裏上第二装飾体ユニット3530における第二取付ベース3544の後面を取付けることで、裏上第二装飾体ユニット3530を裏上回転ベース3571に対して相対的に回転可能に取付けることができる。更に、裏上回転ベースユニット3570は、裏上回転ベース3571の第三孔3571cに回転可能に取付けられている第三用駆動リンクギア部材3578の前面に、裏上第三装飾体ユニット3550における第三取付ベース3564の後面を取付けることで、裏上第三装飾体ユニット3550を裏上回転ベース3571に対して相対的に回転可能に取付けることができる。
この裏上回転ベースユニット3570は、裏上昇降ユニット3600における可動側ユニット3610の前面に取付けた状態で、回転ベース被駆動ギア3572が、可動側ユニット3610の回転ベース駆動ギア3614と噛合していると共に、第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が、可動側ユニット3610の可動側ベース3611における中央リンクギア3611bと噛合している(図163を参照)。そして、可動側ユニット3610の裏上回転駆動モータ3612の駆動により回転ベース駆動ギア3614を回転させると、回転ベース被駆動ギア3572を介して、裏上回転ベースユニット3570が、第一孔3571a(取付筒部3571d)の軸芯を中心として前後に延びた軸周りに回転する。そして、裏上回転ベースユニット3570は、長手方向(第一孔3571a、第二孔3571b、及び第三孔3571cが並んでいる方向)が水平に延びている水平位置と、垂直に延びている垂直位置との間で、90度回転することができる。水平位置の状態では、第一孔3571aの右方に第二孔3571bが位置し、垂直位置の状態では、第一孔3571aの下方に第二孔3571bが位置している。この水平位置の時に、裏上回転ベースユニット回転検知センサ3590が、裏上昇降ユニット3600における可動側ユニット3610の回転検知片3611dを検知している。
裏上回転ベースユニット3570は、第一孔3571aを中心に水平位置と垂直位置との間で回転すると、第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が、可動側ユニット3610の中央リンクギア3611bの周りを公転するように移動する。この際に、第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582は、中央リンクギア3611bと噛合しているため、中央リンクギア3611bの周りを公転すると、第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が夫々自転し、夫々が裏上回転ベース3571に対して相対的に回転することとなる。
そして、第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が回転すると、それらの回転が、第二用第三リンクギア3577からは、第二用第二リンクギア3576、及び第二用第一リンクギア3575を介して第二用リンクギア部3573bに伝達され、第二用駆動リンクギア部材3573が第二用第三リンクギア3577とは反対方向へ回転し、第三用第三リンクギア3582からは、第三用第二リンクギア3581、及び第三用第一リンクギア3580を介して第三用リンクギア部3578bに伝達され、第三用駆動リンクギア部材3578が第三用第三リンクギア3582とは反対方向へ回転する。
この際に、第二用リンクギア部3573b及び第三用リンクギア部3578bは、可動側ユニット3610の中央リンクギア3611bと同じ径であるため、裏上回転ベース3571と中央リンクギア3611bとの回転角度と、裏上回転ベース3571と第二用リンクギア部3573b及び第三用リンクギア部3578bとの回転角度とが同じとなる。この可動側ユニット3610の中央リンクギア3611bは、回転不能に取付けられていることから、裏上回転ベース3571が回転すると、第二用リンクギア部3573b及び第三用リンクギア部3578bが、前後に延びた軸周りに対して回転することなく、中央リンクギア3611bの周りを公転することとなる。つまり、裏上回転ベースユニット3570は、裏上第二装飾体ユニット3530と裏上第三装飾体ユニット3550とを、その上下方向の向きを一定に保った状態で、第一孔3571a(可動側ユニット3610の中央リンクギア3611b)を中心に公転させることができる。
また、裏上回転ベースユニット3570は、作用レバー駆動モータ3583により作用レバーピニオンギア3585を正面視反時計回りの方向へ回転させると、作用レバーラックギア3586aを介して作用レバー3586を左方へ移動させることができ、作用レバーピニオンギア3585を正面視時計回りの方向へ回転させると、作用レバーラックギア3586aを介して作用レバー3586を右方へ移動させることができる。
詳述すると、作用レバー3586は、裏上回転ベースユニット3570に組立てた状態で、本体部3586bが、正面視において裏上回転ベース3571における第一孔3571aの右側に位置している。作用レバー3586のスライド取付部3586cは、第一孔3571aの上外側を跨ぐように第三孔3571c付近まで左方へ延びている。第一用作用部3586fは、第一孔3571aよりも下側に位置している。第二右延出部3586gは、第二孔3571bよりも上側で第二孔3571b付近まで延びている。第二下延出部3586hは、下端が第二孔3571bよりも下側に位置するように延びている。第二用作用部3586iは、第二孔3571bの下部付近の高さに位置している。第三延出部3586jは、第三孔3571cよりも下側に下端が延びている。従って、第三用作用部3586kは、第三孔3571cよりも下側に位置している。
この作用レバー3586は、図152(a)に示すように、最も左方へ移動させた状態(作用位置の状態)では、正面視において本体部3586bの左辺から左方へ突出しているロック片3586dが、第一孔3571a内へ突出した状態となっている。また、この状態では、第一用作用部3586fの左端が第一孔3571aの中心よりもやや左方に位置している。また、第二用作用部3586iの左端は、第二孔3571bよりも左方に位置している。更に、第三用作用部3586kの左端は、第三孔3571cの右端付近に位置している。また、この状態では、作用レバー3586の第三延出部3586jの下端が、作用レバー移動検知センサ3588により検知されている。
一方、作用レバー3586を、最も右方へ移動させた状態(非作用位置の状態)では、ロック片3586d及び第一用作用部3586fが、第一孔3571aよりも右方に位置している。また、第二用作用部3586iの左端は、第二孔3571bの中心に対して若干左寄りに位置している。更に、第三用作用部3586kの左端は、第三孔3571cよりも右方に位置している。この状態では、作用レバー3586の第三延出部3586jの下端が、作用レバー移動検知センサ3588から離れており、非検知の状態となっている。
作用レバー3586は、詳細は後述するが、作用位置へ移動させて、ロック片3586dを、裏上第一装飾体ユニット3510の第一取付軸部材3525における水平ロック孔3525a又は垂直ロック孔3525bに挿入させることで、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610に対する裏上回転ベースユニット3570の回転を規制(ロック)することができる。従って、作用レバー3586を非作用位置へ移動させると、ロック片3586dが、水平ロック孔3525a又は垂直ロック孔3525bから抜けた状態となり、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610に対して裏上回転ベースユニット3570を回転させることができるようになる。
また、作用レバー3586は、第一用作用部3586f、第二用作用部3586i、及び第三用作用部3586kの夫々の左端が、裏上第一装飾体ユニット3510の第一開閉アーム3521、裏上第二装飾体ユニット3530の第二開閉アーム3541、及び裏上第三装飾体ユニット3550の第三開閉アーム3561と、当接可能とされている。従って、裏上回転ベースユニット3570を回転させて垂直に延びた状態に位置させた時に、作用レバー3586を作用位置へ移動させると、第一開閉アーム3521、第二開閉アーム3541、及び第三開閉アーム3561を、上方へスライドさせることができる。
[5−9f−5.裏上昇降ユニット]
次に、裏上可動演出ユニット3500の裏上昇降ユニット3600について、主に図153乃至図158を参照して詳細に説明する。図153(a)は裏上可動演出ユニットにおける裏上昇降ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上昇降ユニットを後ろから見た斜視図である。図154(a)は裏上昇降ユニットを可動側ユニットと固定側ユニットとに分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏上昇降ユニットを可動側ユニットと固定側ユニットとに分解して後ろから見た分解斜視図である。図155(a)は裏上昇降ユニットの可動側ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は可動側ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図156は裏上昇降ユニットの固定側ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図157は裏上昇降ユニットの固定側ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図158(a)は裏上昇降ユニットの可動側ユニットが上昇位置の時の駆動系を正面から示す説明図であり、(b)は裏上昇降ユニットの可動側ユニットが下降位置の時の駆動系を正面から示す説明図である。
裏上昇降ユニット3600は、裏箱3010の後壁の前面における開口部3010aの上側で、裏左可動演出ユニット3300と裏右可動演出ユニット3400との間に取付けられる。裏上昇降ユニット3600は、前面に裏上第一装飾体ユニット3510及び裏上回転ベースユニット3570が取付けられる可動側ユニット3610と、可動側ユニット3610を昇降させ裏箱3010a内に取付けられる固定側ユニット3650と、を備えている。
まず、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610は、図155に示すように、正面視において左右に延びた略四角形の可動側ベース3611と、可動側ベース3611の前面における右上隅に取付けられており回転軸が可動側ベース3611を貫通して後方へ突出している裏上回転駆動モータ3612と、裏上回転駆動モータ3612の回転軸に取付けられている回転駆動ギア3613と、回転駆動ギア3613と噛合していると共に裏上回転ベースユニット3570の回転ベース被駆動ギア3572と噛合し、可動側ベース3611の前面に回転可能に取付けられている回転ベース駆動ギア3614と、を備えている。
また、可動側ユニット3610は、裏上回転駆動モータ3612を覆うように可動側ベース3611の前面に取付けられているモータカバー3615と、可動側ベース3611の後側に取付けられている平板状のベースカバー3616と、ベースカバー3616の前面に取付けられている可動側中継基板3617と、を備えている。
可動側ユニット3610の可動側ベース3611は、前面における左右方向中央の下部から前方へ円筒状に突出している軸筒部3611aと、軸筒部3611aの外周面の前端に形成されており裏上回転ベースユニット3570の第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582と噛合する中央リンクギア3611bと、上部における左右方向中央から左寄りの位置で前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の昇降スリット3611cと、前面における軸筒部3611aの下側に取付けられており裏上回転ベースユニット3570の裏上回転ベースユニット回転検知センサ3590により検知される回転検知片3611d(図158を参照)と、を備えている。
可動側ベース3611の軸筒部3611aは、内径が、裏上回転ベースユニット3570における裏上回転ベース3571の取付筒部3571dの外径よりも若干大径に形成されており取付筒部3571dを回転可能に挿入させることができる。中央リンクギア3611bは、裏上回転ベースユニット3570における第二用駆動リンクギア部材3573の第二用リンクギア部3573b及び第三用駆動リンクギア部材3578の第三用リンクギア部3578bと、同径で同じピッチに形成されている。
可動側中継基板3617は、固定側ユニット3650の裏上中継基板3659と、裏上第一装飾体ユニット3510の裏上第一装飾基板3514、裏上回転ベースユニット3570の裏上回転ベース中継基板3591、及び裏上回転駆動モータ3612との接続を中継している。ベースカバー3617は、後面における左右両端に固定側ユニット3650の昇降スライドレール3656が取付けられる。また、ベースカバー3617の後側には、固定側ユニット3650の昇降バネ3657の下端が取付けられる。
裏上昇降ユニット3600の固定側ユニット3650は、図156及び図157等に示すように、裏箱3010内に取付けられ正面視において左右に延びた略四角形の固定側ベース3651と、固定側ベース3651の前面中央で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている平歯車状の昇降ギア部3652a、昇降ギア部3652aの前面における外周付近から前方へ円柱状に突出しており可動側ユニット3610における可動側ベース3611の昇降スリット3611c内に摺動可能に挿入される昇降駆動ピン3652b、及び昇降ギア部3652aから外方へ扇状の延出している昇降検知片3652cを有した昇降用回転体3652と、昇降用回転体3652の昇降ギア部3652aと噛合する昇降駆動ギア3653と、昇降駆動ギア3653が回転軸に取付けられており固定側ベース3651の後面に取付けられている裏上昇降駆動モータ3654と、を備えている。
また、固定側ユニット3650は、固定側ベース3651の前面に取付けられており昇降用回転体3652の検知片3652cを検知する昇降検知センサ3655と、固定側ベース3651の前面における左右両側付近に取付けられると共に前面に可動側ユニット3610のベースカバー3616が取付けられ、上下に伸縮可能な一対の昇降スライドレール3656と、一対の昇降スライドレール3656よりも外側で固定側ベース3651の前面の下部における左右両端側に上端側が取付けられると共に、下端側が可動側ユニット3610の可動側ベース3611に取付けられ可動側ベース3611が上方へ移動するように付勢している一対の昇降バネ3657と、を備えている。
更に、固定側ユニット3650は、前後に貫通していると共に半円弧状に延びており昇降用回転体3652の昇降駆動ピン3652bが通過可能な挿通スリット3658aを有しており、一対の昇降スライドレール3656の間において昇降用回転体3652の前面を覆うように固定側ベース3651の前面に取付けられている固定側前カバー3658と、固定側ベース3651の後面に取付けられており、可動側ユニット3610の可動側中継基板3617、裏上昇降駆動モータ3654、及び昇降検知センサ3655と、右下中継基板3034とを接続している裏上中継基板3659と、裏上中継基板3659の後側を覆うように固定側ベース3651の後側に取付けられている基板カバー3660と、を備えている。
続いて、裏上昇降ユニット3600の動作について説明する。裏上昇降ユニット3600は、可動側ユニット3610における可動側ベース3611の軸筒部3611a内に、裏上回転ベースユニット3570における裏上回転ベース3571の取付筒部3571dが回転可能に挿入されると共に、裏上回転ベース3571の取付筒部3571dを通して可動側ベース3611の前面に裏上第一装飾体ユニット3510の第一取付軸部材3525の後端が取付けられる。これにより、可動側ユニット3610は、裏上回転ベースユニット3570を、前方へ移動不能な状態で、軸筒部3611a(第一孔3571a)を中心とした前後に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
可動側ユニット3610の可動側ベース3611に裏上回転ベースユニット3570を取付けた状態では、回転ベース駆動ギア3614が裏上回転ベースユニット3570の回転ベース被駆動ギア3572と噛合している状態となる。従って、裏上回転駆動モータ3612の駆動により回転駆動ギア3613を介して回転ベース駆動ギア3614を回転させると、裏上回転ベースユニット3570を、軸筒部3611a(第一孔3571a)を中心に回転させることができる。この可動側ユニット3610は、裏上回転ベースユニット3570を、水平に延びた水平位置の状態と、垂直に延びた垂直位置の状態との間で、90度回転させることができる。なお、可動側ユニット3610における可動側ベース3611の回転検知片3611dは、裏上回転ベースユニット3570が水平位置の時に、裏上回転ベースユニット3570の裏上回転ベースユニット回転検知センサ3590により検知される。
また、裏上昇降ユニット3600は、組立てた状態では、固定側ユニット3650の一対の昇降スライドレール3656によって可動側ユニット3610が固定側ユニット3650に対して上下方向へのみ移動可能(昇降可能)となっている。可動側ユニット3610は、可動側ベース3611の昇降スリット3611c内に固定側ユニット3650における昇降用回転体3652の昇降駆動ピン3652bが左右方向へ摺動可能に挿入されている。従って、可動側ユニット3610は、昇降用回転体3652における昇降駆動ピン3652bの高さ位置によって、上下方向の位置が規制されている。また、可動側ユニット3610は、一対の昇降バネ3657によって、上方へ移動するように付勢されている。
この裏上昇降ユニット3600は、通常の状態では、図158(a)に示すように、昇降用回転体3652の回転により公転する昇降駆動ピン3652bが、昇降用回転体3652の回転中心の直上に対してやや右寄りに位置しており、昇降駆動ピン3652bにより可動側ユニット3610が最も上側に位置した上昇位置の状態となっている。この状態では、昇降用回転体3652の検知片3652cが、昇降検知センサ3655に検知されている。また、この状態では、昇降駆動ピン3652bが、可動側ユニット3610における可動側ベース3611の左右に延びた昇降スリット3611c内の右端に当接している。
従って、可動側ユニット3610側の重量が昇降駆動ピン3652bに作用することで、昇降駆動ピン3652bを介して昇降用回転体3652が正面視時計回りの方向へ回転しようとしても、昇降駆動ピン3652bが昇降スリット3611cの右端に当接しているため、昇降用回転体3652がこれ以上正面視時計回りの方向へ回転することができず、可動側ユニット3610の下方への移動が阻止された状態となっている。つまり、可動側ユニット3610が、上昇位置でロックされた状態となっている。これにより、可動側ユニット3610側からの重量(荷重)が、昇降用回転体3652の昇降ギア部3652a、及び昇降駆動ギア3653を介して、裏上昇降駆動モータ3654に作用することはなく、裏上昇降駆動モータ3654に負荷がかからないようになっている。
この上昇位置の状態から、裏上昇降駆動モータ3654により昇降用回転体3652を正面視反時計回りの方向へ回転させると、昇降用回転体3652の昇降駆動ピン3652bが、左方へ移動しつつ下方へ移動するように公転することとなり、昇降駆動ピン3652bが昇降スリット3611c内を左方へ摺動しつつ、昇降スリット3611cを介して可動側ユニット3610が、一対の昇降バネ3657の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。昇降用回転体3652が、反時計回りに回転することで公転する昇降駆動ピン3652bが、昇降用回転体3652の回転中心と同じ高さを越えて下方へ公転すると、昇降駆動ピン3652bの左右方向の移動の向きが変わって、右方へ移動しつつ下方へ移動することとなり、昇降スリット3611c内を右方へ摺動することとなる。
そして、昇降駆動ピン3652bが、昇降用回転体3652の中心の直下に位置すると、昇降用回転体3652の回転が停止すると同時に、可動側ユニット3610の下方への移動が停止し、可動側ユニット3610が最も下降した下降位置の状態となる(図158(b)を参照)。なお、可動側ユニット3610を下降位置から上昇位置へ移動させる場合は、裏上昇降駆動モータ3654を上記とは逆方向へ駆動して昇降用回転体3652を正面視時計回りの方向へ回転させることで、上昇位置へ復帰させることができる。この際に、可動側ユニット3610の上方への移動が、一対の昇降バネ3657の付勢力によってアシストされ、裏上昇降駆動モータ3654にかかる負荷が軽減されている。
このように、裏上昇降ユニット3600は、可動側ユニット3610を介して、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、及び裏上回転ベースユニット3570を、上昇位置と下降位置との間で上下に移動(昇降)させることができる。
[5−9f−6.裏上可動演出ユニットの動作]
次に、裏上可動演出ユニット3500の動作について、主に図159乃至図168を参照して詳細に説明する。図159は裏上可動演出ユニットにおいて裏上昇降ユニットの可動側ユニットが上昇位置の時の昇降用の駆動系を示す説明図であり、図160は裏上可動演出ユニットにおいて裏上昇降ユニットの可動側ユニットが下降位置の時の昇降用の駆動系を示す説明図である。図161は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが水平位置の時に、作用レバーが作用位置の状態を示す説明図であり、図162は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが水平位置の時に、作用レバーが非作用位置の状態を示す説明図である。図163は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが水平位置の時の裏上回転ベースユニットの駆動系を示す説明図であり、図164は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが水平位置から時計回りに45度回転したの時の裏上回転ベースユニットの駆動系を示す説明図であり、図165は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが垂直位置の時の裏上回転ベースユニットの駆動系を示す説明図である。
また、図166は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが垂直位置の時に、作用レバーが非作用位置の状態を示す説明図であり、図167は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが垂直位置の時に、作用レバーが作用位置で回転を規制している状態を示す説明図であり、図168は裏上可動演出ユニットにおいて可動側ユニットが下降位置で裏上回転ベースユニットが垂直位置の時に、作用レバーが作用位置で裏上第一装飾体ユニット、裏上第二装飾体ユニット、及び裏上第三装飾体ユニットに作用を及ぼしている状態を示す説明図である。
裏上可動演出ユニット3500は、通常の状態では、図159等に示すように、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610が最も上昇した上昇位置の状態となっていると共に、裏上回転ベースユニット3570が水平に延びた水平位置の状態となっている。この状態では、裏上第一装飾体ユニット3510を中央にして、裏上第二装飾体ユニット3530と裏上第三装飾体ユニット3550とが左右両側に並んでいる。また、裏上第一装飾体ユニット3510の第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、裏上第二装飾体ユニット3530の第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、裏上第三装飾体ユニット3550の第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552は、夫々第一開閉バネ3523、第二開閉バネ3543、及び第三開閉バネ3563の付勢力により、夫々互いに当接した閉位置の状態となっている。
この通常の状態では、図159に示すように、裏上昇降ユニット3600における固定側ユニット3650の公転する昇降駆動ピン3652bが、昇降用回転体3652の回転中心の直上に対してやや右寄りに位置して、可動側ベース3611の左右に延びた昇降スリット3611c内の右端に当接している。これにより、可動側ユニット3610の昇降スリット3611cを介して、昇降駆動ピン3652bに、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、裏上回転ベースユニット3570、及び可動側ユニット3610の重量(荷重)が作用しても、昇降駆動ピン3652bが、これ以上正面視時計回りの方向へ公転することができず、可動側ユニット3610の下方への移動が規制され、上昇位置でロックされた状態となっている。
従って、通常の状態では、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、裏上回転ベースユニット3570、及び可動側ユニット3610、の荷重が、裏上昇降駆動モータ3654に作用することはなく、裏上昇降駆動モータ3654に負荷がかからないようになっている。また、通常の状態では、昇降駆動ピン3652bを公転させる昇降用回転体3652の検知片3652cが、昇降検知センサ3655に検知されている。
この通常の状態から、裏上昇降駆動モータ3654を駆動して昇降用回転体3652の昇降駆動ピン3652bを、正面視反時計回りの方向へ公転させると、昇降駆動ピン3652bが昇降スリット3611c内を摺動しつつ下降することとなり、昇降駆動ピン3652bの下降に伴って可動側ユニット3610が下方へ移動し、昇降駆動ピン3652bが、最も下降した位置に到達すると、昇降駆動ピン3652bの公転が停止して、可動側ユニット3610が下降位置に位置することとなる(図160を参照)。
裏上可動演出ユニット3500は、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610を下降位置に移動させることで、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、及び裏上回転ベースユニット3570を、遊技盤側演出表示装置1600の前面側の上部に位置させることができる(図174を参照)。
裏上可動演出ユニット3500は、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610を、上昇位置と下降位置との間で移動させる時には、裏上回転ベースユニット3570の作用レバー3586を作用位置に移動させている。作用レバー3586は、作用レバー駆動モータ3583の駆動により左方の作用位置に移動している状態では、図161に示すように、作用レバー3586のロック片3586dが、裏上第一装飾体ユニット3510における第一取付軸部材3525の水平ロック孔3525aに挿入された状態となっている。これにより、作用レバー3586が、第一取付軸部材3525の周りに回転することができなくなるため、作用レバー3586が取付けられている裏上回転ベースユニット3570が、第一取付軸部材3525(可動側ユニット3610の軸筒部3611a)に対して回転がロックされた状態となる。つまり、裏上回転ベースユニット3570が、水平位置で回転がロックされた状態となる。
なお、作用レバー3586のロック片3586dは、先端がテーパー状に形成されているため、裏上回転ベースユニット3570が水平位置に対して多少ずれていても、第一取付軸部材3525の水平ロック孔3525aに挿入させることで、裏上回転ベースユニット3570を水平位置に移動させて、回転をロックさせることができる。
この作用レバー3586においては、図示は省略するが、作用レバー3586の第二右延出部3586gが、裏上第二装飾体ユニット3530における第二開閉アーム3541の受ボス3541bに上方から当接していると共に、作用レバー3586の第三延出部3586j(スライド取付部3586cの左端)が、裏上第三装飾体ユニット3550における第三上アーム3558の所定位置に右方から当接している。これにより、作用レバー3586によって、裏上第二装飾体ユニット3530における裏上回転ベース3571の第二孔3571bを中心とした軸線周りへの回転と、裏上第三装飾体ユニット3550における裏上回転ベース3571の第三孔3571cを中心とした軸線周りへの回転とを、阻止している。従って、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610を上下方向へ移動(昇降)させることで、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、及び裏上回転ベースユニット3570に振動が作用しても、作用位置に位置した作用レバー3586の作用により、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、及び裏上回転ベースユニット3570が揺れないようになっている。
裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610を介して、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、及び裏上回転ベースユニット3570を、下降位置に位置させた状態で、作用レバー駆動モータ3583により作用レバー駆動ギア3584を介して作用レバーピニオンギア3585を正面視時計回りの方向へ回転させると、作用レバーピニオンギア3585に噛合している作用レバーラックギア3586aにより水平状態の作用レバー3586が右方の非作用位置へ移動し、第一取付軸部材3525の水平ロック孔3525aからロック片3586dが抜けた状態となる(図162を参照)。これにより、裏上回転ベースユニット3570が、第一取付軸部材3525の取付軸部3525c(裏上回転ベース3571の第一孔3571a、可動側ベース3611の軸筒部3611a)を中心として回転することができるようになる。
裏上可動演出ユニット3500の裏上回転ベースユニット3570では、図163に示すように、回転ベース被駆動ギア3572が、可動側ユニット3610における回転ベース駆動ギア3614と噛合していると共に、第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が、可動側ユニット3610の可動側ベース3611における中央リンクギア3611bと噛合している。
そして、裏上回転ベースユニット3570を水平位置とすると共に、作用レバー3586を非作用位置とした状態で、可動側ユニット3610の裏上回転駆動モータ3612を駆動して回転ベース駆動ギア3614を正面視反時計周りの方向へ回転させると、回転ベース駆動ギア3614と噛合している回転ベース被駆動ギア3572を介して、裏上回転ベースユニット3570が、中央リンクギア3611b(第一孔3571a、取付筒部3571d)の軸芯を中心として正面視時計回りの方向へ回転することとなる(図164を参照)。この際に、裏上第一装飾体ユニット3510は、裏上回転ベースユニット3570の回転中心である第一孔3571aを貫通して可動側ユニット3610の前面に取付けられているため、裏上回転ベースユニット3570と一緒に回転することはない。
裏上可動演出ユニット3500は、裏上回転ベースユニット3570が、中央リンクギア3611bを中心にして回転すると、中央リンクギア3611bと噛合している第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が、中央リンクギア3611bの周りを公転しながら自転することとなり、裏上回転ベース3571に対して時計回りの方向へ夫々回転することとなる。これら第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が回転すると、それらの回転が、第二用リンクギア部3573b及び第三用リンクギア部3578bに伝達され、第二用駆動リンクギア部材3573及び第三用駆動リンクギア部材3578が、裏上回転ベース3571に対して反時計回りの方向へ夫々回転することとなる。つまり、裏上回転ベースユニット3570を正面視時計回りの方向へ回転させると、裏上回転ベース3571の長手方向両端の第二孔3571b及び第三孔3571cに夫々回転可能に取付けられている第二用駆動リンクギア部材3573及び第三用駆動リンクギア部材3578が、第一孔3571aを中心に時計回りの方向へ公転すると共に、第二用駆動リンクギア部材3573及び第三用駆動リンクギア部材3578が、裏上回転ベース3571の第二孔3571b及び第三孔3571cにおいて夫々反時計回りの方向へ回転(自転)する。
第二用駆動リンクギア部材3573の第二用リンクギア部3573b及び第三用駆動リンクギア部材3578の第三用リンクギア部3578bは、可動側ユニット3610の中央リンクギア3611bと同じ径であるため、裏上回転ベース3571と中央リンクギア3611bとの回転角度と、裏上回転ベース3571と第二用リンクギア部3573b及び第三用リンクギア部3578bとの回転角度とが同じとなる。裏上回転ベース3571を、中央リンクギア3611bを中心にして回転させると、第二用駆動リンクギア部材3573及び第三用駆動リンクギア部材3578が、その回転向きを一定に保ったまま中央リンクギア3611bの周りを公転する(図164及び図165を参照)。そして、第二用駆動リンクギア部材3573及び第三用駆動リンクギア部材3578の前面には、裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550が夫々取付けられていることから、裏上回転ベース3571を回転させると、裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550が、その上下の向きを一定に保った状態で、裏上第一装飾体ユニット3510の周りを公転することとなる。
この裏上可動演出ユニット3500は、裏上回転ベースユニット3570が水平位置の時に、裏上第一装飾体ユニット3510の右側に裏上第二装飾体ユニット3530が配置されていると共に、裏上第一装飾体ユニット3510の左側に裏上第三装飾体ユニット3550が配置されているため、裏上回転ベースユニット3570を正面視時計回りの方向へ回転させて垂直位置の状態とすると、裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550が、その上下の向きをそのままにして、裏上第一装飾体ユニット3510の下側と上側とに夫々配置された状態となる(図165を参照)。従って、裏上回転ベースユニット3570が垂直位置の時には、裏上第三装飾体ユニット3550、裏上第一装飾体ユニット3510、及び裏上第二装飾体ユニット3530の順に上から並んだ状態となる。この状態では、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が、夫々閉位置の状態で、遊技領域5aの左右方向中央で、センター役物2500の枠内の略全高に亘って縦断するように位置している(図176を参照)。
この裏上回転ベースユニット3570を、水平位置から垂直位置へ回転させた状態では、図166に示すように、非作用位置に位置している裏上回転ベースユニット3570の作用レバー3586が、ロック片3586dを上方へ向けた状態となっている。この状態で、作用レバー駆動モータ3583の駆動により作用レバーピニオンギア3585を正面視反時計回りの方向へ回転させて、作用レバー3586を上方へ移動させて非作用位置から作用位置へ移動させると、作用レバー3586のロック片3586dが、第一取付軸部材3525の垂直ロック孔3525bに挿入された状態となる(図167を参照)。これにより、裏上回転ベースユニット3570が、垂直位置で回転がロックされた状態となる。
裏上可動演出ユニット3500は、裏上回転ベースユニット3570が垂直位置の状態で、作用レバー3586を非作用位置から作用位置へ移動させると、作用レバー3586の上方への移動に伴って、作用レバー3586の第一用作用部3586f、第二用作用部3586i、及び第三用作用部3586k、の夫々の先端(上端)が、裏上第一装飾体ユニット3510における第一開閉アーム3521の受ボス3521b、裏上第二装飾体ユニット3530における第二開閉アーム3541の受ボス3541b、及び裏上第三装飾体ユニット3550における第三開閉アーム3561の下端、に夫々下方から当接して、第一開閉アーム3521、第二開閉アーム3541、及び第三開閉アーム3561、を上方へ移動させる。
そして、第一開閉アーム3521、第二開閉アーム3541、及び第三開閉アーム3561が、夫々上方へ移動すると、夫々閉位置の状態となっていた裏上第一装飾体ユニット3510の第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512、裏上第二装飾体ユニット3530の第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532、及び裏上第三装飾体ユニット3550の第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552、が夫々互いに離反するように左右方向外方へ移動して開位置の状態となる(図168を参照)。
これにより、裏上第三装飾体ユニット3550における第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552との間から臨んだ第三固定装飾レンズ3553、裏上第一装飾体ユニット3510における第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512との間から臨んだ第一固定装飾レンズ3513、及び裏上第二装飾体ユニット3530における第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532との間から臨んだ第二固定装飾レンズ3533が、上から下へ順に一直線に並んだ状態となる。この状態では、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が、夫々開位置の状態で、遊技領域5aの左右方向中央で、センター役物2500の枠内の略全高に亘って縦断するように位置しており、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553が、裏前飾りユニット3100における裏前下中央レンズ3131と連続するように略同じ幅で上下に並んでいる(図177を参照)。
なお、裏上可動演出ユニット3500を、通常の状態に戻すには、上記と逆の動作をさせることで、通常の状態に復帰させることができる。
また、裏上可動演出ユニット3500は、裏上第一装飾体ユニット3510の第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、裏上第二装飾体ユニット3530の第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、裏上第三装飾体ユニット3550の第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552、が夫々互いに当接した閉位置の状態では、夫々が異なる文字の装飾を見せることができ、左から右へ裏上第三装飾体ユニット3550、裏上第一装飾体ユニット3510、及び裏上第二装飾体ユニット3530が、並んだ状態では、三つの文字が、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴを横書きとした状態となり、遊技者に対して本パチンコ機1のコンセプトを認識させることができる。なお、裏上回転ベースユニット3570を垂直位置とすることで上から下へ裏上第三装飾体ユニット3550、裏上第一装飾体ユニット3510、及び裏上第二装飾体ユニット3530が並ぶと、パチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴが縦書きの状態となり、この状態でも遊技者に対してロゴを認識させることができる。
このように、裏上可動演出ユニット3500によれば、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に対する裏上回転ベースユニット3570の相対的な回転位置(水平位置又は垂直位置)によって、作用位置と非作用位置との間で移動する作用レバー3586により、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に回転ロック(第一作用)と開位置への移動(第二作用)の別の作用を及ぼして異なる演出を遊技者に見せることができ、多彩な演出により遊技者を飽き難くさせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[5−9g.裏下可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏下可動演出ユニット3700について、主に図169等を参照して詳細に説明する。図169(a)は裏ユニットの裏下可動演出ユニットの正面図であり、(b)は裏下可動演出ユニットの背面図であり、(c)は裏下可動演出ユニットにおいて裏下可動装飾体ユニットを上昇させた状態で示す背面図である。裏下可動演出ユニット3700は、裏箱3010内における後壁の前面の左右方向中央で開口部3010aの下側に取付けられている。裏下可動演出ユニット3700は、所定の立体的な装飾を有している裏下可動装飾体ユニット3710と、裏箱3010内に取付けられており裏下可動装飾体ユニット3710を上下に移動させる裏下駆動ユニット3750と、を備えている。
裏下可動装飾体ユニット3710は、左右に延びた屋根の下に複数の門を左右に列設した立体的な装飾が形成されており各門の部位が前後に貫通している裏下装飾体本体3711と、裏下装飾体本体3711における各門の部位に対して二つ一組で前方へ観音開き状に開閉するように取付けられている複数の裏下扉部材3712と、裏下扉部材3712よりも後方で裏下装飾体本体3711の後側に取付けられており左右に延びている裏下装飾体ベース3713と、裏下装飾体ベース3713の前面下部において左右方向へスライド可能に取付けられており二つ一組の複数の裏下扉部材3712における正面視左側の裏下扉部材3712をヒンジ回転させる下開閉スライダ3714と、裏下装飾体ベース3713の前面上部において左右方向へスライド可能に取付けられており二つ一組の複数の裏下扉部材3712における正面視右側の裏下扉部材3712をヒンジ回転させる上開閉スライダ3715と、を備えている。
また、裏下可動装飾体ユニット3710は、裏下装飾体ベース3713の後側に回転可能に取付けられており下開閉スライダ3714及び上開閉スライダ3715を左右方向の互いに異なる方向へスライドさせる開閉用回転体3716と、開閉用回転体3716の上端に一端側が取付けられていると共に裏下装飾体ベース3713に他端側が取付けられており下開閉スライダ3714及び上開閉スライダ3715を介して各裏下扉部材3712が閉じる方向へヒンジ回転するように開閉用回転体3716を付勢している扉閉鎖バネ3717と、を備えている。扉閉鎖バネ3717は、開閉用回転体3716が、背面視において反時計回りの方向へ回転するように付勢している。
更に、裏下可動装飾体ユニット3710は、裏下装飾体本体3712の後側に取付けられている裏下装飾レンズ3718(図179を参照)と、裏下装飾レンズ3718の後側に配置されており前面に複数のLEDが実装されている裏下装飾基板3719と、裏下装飾体ベース3713の後側に取付けられており裏下装飾基板3719と裏下中継基板3757とを接続する配線ケーブル3701を誘導可能な上配線カバー3720と、を備えている。配線ケーブル3701は、フレキシブルフラットケーブルとされている。上配線カバー3720は、裏下装飾体ベース3713に取付けることで、配線ケーブル3701を収容可能な下方に開口した空間を形成する。また、上配線カバー3720は、背面視において、右端側に、配線ケーブル3701を誘導するための湾曲した上誘導部3720aを有している。
裏下駆動ユニット3750は、裏箱3010の後壁の前面における左右方向中央で開口部3010aの下側に取付けられ、正面視左上隅に前後に貫通し左右に延びていると共に右端から上方へ短く延びているリンクスリット3751aを有している裏下駆動ベース3751と、裏下駆動ベース3751の前面において上下に移動可能に取付けられていると共に上部に裏下装飾体ユニット3710が取付けられている裏下昇降ベース3752と、裏下駆動ベース3751の前面における左右両端付近に夫々回転可能に取付けられており裏下昇降ベース3752を上下に移動させる一対の昇降アーム3753と、裏下駆動ベース3751の後側に取付けられている裏下駆動モータ3754と、裏下駆動モータ3754の回転を伝達して一対の昇降アーム3753を互いに異なる方向へ回転させる複数の伝達ギア3755と、を備えている。
また、裏下駆動ユニット3750は、下端側が裏下駆動ベース3751のリンクスリット3751a内に摺動可能に取付けられていると共に上端側が裏下装飾体ユニット3710の開閉用回転体3716に回転可能に取付けられている棒状のリンクアーム3756を備えている。リンクアーム3756の上端は、開閉用回転体3716における回転中心よりも背面視右側の部位に回転可能に取付けられている。これにより、リンクアーム3756を下方へ引っ張ると、扉閉鎖バネ3717の付勢力に抗して開閉用回転体3716が背面視時計周りの方向へ回転する。
更に、裏下駆動ユニット3750は、裏下駆動ベース3751の後側に取付けられており裏下装飾基板3719及び裏下駆動モータ3754と右下中継基板3034との接続を中継している裏下中継基板3757と、裏下駆動ベース3751の後側における裏下中継基板3757の上方に取付けられており裏下中継基板3757と裏下装飾基板3719とを接続している配線ケーブル3701を誘導可能な下配線カバー3758と、を備えている。下配線カバー3758は、裏下駆動ベース3751に取付けることで、配線ケーブル3701を収容可能な上方に開口した空間を形成する。また、下配線カバー3758は、背面視において、右端側に、配線ケーブル3701を誘導するための湾曲した下誘導部3758aを有している。
続いて、裏下可動演出ユニット3700の動作について説明する。裏下可動演出ユニット3700は、通常の状態では、裏下可動装飾体ユニット3710が、最も下降した状態となっている(図169(a)及び(b)を参照)。この状態では、扉閉鎖バネ3717の付勢力により、開閉用回転体3716、下開閉スライダ3714及び上開閉スライダ3715により、複数の裏下扉部材3712が閉状態となっており、裏下装飾体本体3711の複数の門の扉(裏下扉部材3712)が閉じられた状態となっている。また、この状態では、枠状のセンター役物2500における下辺を形成している部位の上端よりも下側に位置しており、正面からは殆ど見ることができない(図114等を参照)。
この通常の状態において、裏下駆動モータ3754を駆動して一対の昇降アーム3753を、夫々を向いた側が上方へ移動するように回転させると、裏下昇降ベース3752が上方へ移動し、裏下昇降ベース3752に取付けられている裏下可動装飾体ユニット3710が上昇する。
この際に、リンクアーム3756は、上端側が裏下可動装飾体ユニット3710における開閉用回転体3716に上端が取付けられているため、裏下可動装飾体ユニット3710と共に上昇することとなり、下端側が裏下駆動ベース3751におけるリンクスリット3751a内を上方(背面視左方)へ向かって摺動することとなる。
そして、裏下可動装飾体ユニット3710が上昇することで、リンクアーム3756の下端側がリンクスリット3751aの上端に到達すると、リンクアーム3756がこれ以上上方へ移動することができなくなる。裏下可動演出ユニット3700は、この位置(第一上昇位置)で、裏下可動装飾体ユニット3710の上下方向の移動を一旦停止させることができる。この状態では、裏下装飾体本体3711の複数の門の部位が、センター役物2500における下辺(ステージ2530)よりも上側に位置した状態となり、センター役物2500の枠内を通して、扉が閉じた状態の複数の門を視認することができる(図178を参照)。
この第一昇降位置の状態で、裏下可動装飾体ユニット3710が更に上昇すると、リンクアーム3756がリンクスリット3751aにより裏下可動装飾体ユニット3710に対して相対的に下方へ引っ張られる状態となり、リンクアーム3752の上端側が取付けられている開閉用回転体3716が、扉閉鎖バネ3717の付勢力に抗して背面視時計回りの方向へ回転することとなる(図169(c)を参照)。この開閉用回転体3716が背面視時計回りの方向へ回転すると、下開閉スライダ3714及び上開閉スライダ3715が複数の裏下扉部材3712を開かせる方向へスライドし、裏下装飾体本体3711における複数の門の扉(裏下扉部材3712)が開いた状態となって上昇が停止する。裏下扉部材3712が開いた位置(第二上昇位置)の状態では、裏下装飾体本体3711の複数の門を通して後側に配置された裏下装飾レンズ3718が視認できるようになる(図179を参照)。この状態で、裏下装飾基板3719のLEDを発光させることで、開いた門を発光装飾させることができる。
この裏下可動演出ユニット3700は、裏下可動装飾体ユニット3710の裏下装飾基板3719と、裏下駆動ユニット3750の裏下中継基板3757とを接続している配線ケーブル3701が、上配線カバー3720と下配線カバー3758とによって支持されている。上配線カバー3720は、上辺と背面視右辺との間が湾曲し右辺の下端が下方へ延出している上誘導部3720aを有している。下配線カバー3758は、下辺と背面視右辺との間が湾曲し右辺の上端が上方へ延出している下誘導部3758aを有している。
裏下装飾基板3719と裏下中継基板3757とを接続している配線ケーブル3701は、裏下可動装飾体ユニット3710側では上配線カバー3720の上辺における背面視左端において背面視右方へ延びるように取付けられており、裏下駆動ユニット3750側では下配線カバーの下辺における背面視左端において背面視右方へ延びるように取付けられている。これにより、裏下可動装飾体ユニット3710が最も下降した通常位置の状態では、配線ケーブル3701は、上誘導部3720a及び下誘導部3758aに沿うように湾曲して延びており、極端に折れ曲がることなく裏下装飾基板3719と裏下中継基板3757とを良好に接続している(図169(b)を参照)。
一方、裏下可動装飾体ユニット3710が上昇した状態では、図169(c)に示すように、配線ケーブル3701は、上配線カバー3720の上辺及び背面視右辺(上誘導部3720a)、及び下配線カバー3758の下辺及び背面視右辺(下誘導部3758a)、から夫々離れた状態で裏下装飾基板3719と裏下中継基板3757とを接続している。そして、裏下可動装飾体ユニット3710が上昇した状態から下降する際に、上誘導部3720a及び下誘導部3758aに夫々誘導されることで、折れ曲がることなくスムーズに湾曲し、上配線カバー3720及び下配線カバー3758に収容されることとなる。従って、裏下可動演出ユニット3700は、裏下可動装飾体ユニット3710と裏下駆動ユニット3750とを接続している配線ケーブル3701を、裏下可動装飾体ユニット3710の昇降を繰返しても、極端に折れ曲がるのを阻止することができ、配線ケーブル3701の断線を防止することができる。
[5−10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な可動演出について、主に図170乃至図179を参照して詳細に説明する。図170は、裏ユニットにおける裏中可動演出ユニットの裏中左装飾体及び裏中右装飾体を中央側の出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図171は裏ユニットにおける裏左可動演出ユニット及び裏右可動演出ユニットの裏左装飾体及び裏右装飾体を中央寄りの出現位置へ移動させた上で、夫々の第一装飾面を前方へ向けた状態で示す遊技盤の正面図であり、図172は図171の状態から左可動演出ユニット及び裏右可動演出ユニットの裏左装飾体及び裏右装飾体を回転させて夫々の第二装飾面を前方へ向けた状態で示す遊技盤の正面図であり、図173は図171の状態から左可動演出ユニット及び裏右可動演出ユニットの裏左装飾体及び裏右装飾体を回転させて夫々の第三装飾面を前方へ向けた状態で示す遊技盤の正面図である。
図174は裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットにおいて裏上第一装飾体ユニットの第一左可動装飾レンズ及び第一右可動装飾レンズ、裏上第二装飾体ユニットの第二左可動装飾レンズ及び第二右可動装飾レンズ、及び裏上第三装飾体ユニットの第三左可動装飾レンズ及び第三右可動装飾レンズ、を夫々閉位置の状態とした上で、裏上第一装飾体ユニット、裏上第二装飾体ユニット、及び裏上第三装飾体ユニットが水平に並ぶように裏上回転ベースユニットを水平位置の状態としたまま下降位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図であり、図175は図174の状態から裏上回転ベースユニットを正面視時計回りの方向へ45度回転させて裏上第一装飾体ユニット、裏上第二装飾体ユニット、及び裏上第三装飾体ユニットが斜めに並んだ状態で示す遊技盤の正面図であり、図176は図175の状態から裏上回転ベースユニットを正面視時計回りの方向へ更に45度回転させて垂直位置の状態として裏上第一装飾体ユニット、裏上第二装飾体ユニット、及び裏上第三装飾体ユニットが垂直に並んだ状態で示す遊技盤の正面図であり、図177は図176の状態から裏上第一装飾体ユニットの第一左可動装飾レンズ及び第一右可動装飾レンズ、裏上第二装飾体ユニットの第二左可動装飾レンズ及び第二右可動装飾レンズ、及び裏上第三装飾体ユニットの第三左可動装飾レンズ及び第三右可動装飾レンズ、を夫々開位置の状態として夫々の第一固定装飾レンズ、第二固定装飾レンズ、及び第三固定装飾レンズを視認可能とした状態で示す遊技盤の正面図である。
図178は裏ユニットにおける裏下可動演出ユニットの裏下可動装飾体ユニットを第一上昇位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図であり、図179は図178の状態から裏下可動装飾体ユニットを更に上昇させて第二上昇位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
遊技盤5は、通常の状態では、図114及び図121等に示すように、センター役物2500の枠内を通して裏ユニット3000の後側に取付けられている遊技盤側演出表示装置1600の表示画面を、遊技者側(前方)から良好に視認することができる。裏中可動演出ユニット3200では、左右の裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220が、退避位置の裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410の後方となる互いに最も離反した退避位置の状態となっており、センター役物2500の枠内を通して裏中左装飾体3210及び裏中右装飾体3220の一部が僅かに見えている。裏左可動演出ユニット3300では、裏左装飾体3310が、最も左側へ移動した退避位置の状態となっており、裏前飾りユニット3100における裏前左飾りユニット3120の後方に位置して前方から殆ど見えない。裏右可動演出ユニット3400では、裏右装飾体3410が、最も右側へ移動した退避位置の状態となっており、センター役物2500における右辺側において一部がセンター役物2500の枠内を通して見えている。
また、通常の状態において、裏上可動演出ユニット3500では、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610が最も上昇した上昇位置の状態となっていると共に、裏上回転ベースユニット3570が水平に延びた水平位置の状態となっている。また、裏上第一装飾体ユニット3510を中央にして、裏上第二装飾体ユニット3530が右側に、裏上第三装飾体ユニット3550が左側に並んでいる。そして、裏上第一装飾体ユニット3510の第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、裏上第二装飾体ユニット3530の第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、裏上第三装飾体ユニット3550の第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552は、夫々第一開閉バネ3523、第二開閉バネ3543、及び第三開閉バネ3563の付勢力によって夫々互いに当接した閉位置の状態となっており、夫々において所定の文字の装飾を形成している。裏上可動演出ユニット3500は、左から右へ裏上第三装飾体ユニット3550、裏上第一装飾体ユニット3510、及び裏上第二装飾体ユニット3530が、並んだ状態となることで、三つの文字によりパチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴを横書きで見せることができ、遊技盤側演出表示装置1600の上部よりも上側でセンター役物2500の枠内の上部において、所定のロゴが遊技者側(前方)から見えている。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏前飾りユニット3100、裏中可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏右可動演出ユニット3400、裏上可動演出ユニット3500、及び裏下可動演出ユニット3700が、所定の演出(可動演出や発光演出)を行う。
具体的には、例えば、裏ユニット3000の裏中可動演出ユニット3200を用いた演出として、裏中駆動モータ3254の駆動により、互いに左右へ離反している裏中左装飾体3210と裏中右装飾体3220とを、互いに接近するように移動させて、略中央の出現位置に移動させる(図170を参照)。これにより、裏中左装飾体3210と裏中右装飾体3220とが、遊技盤側演出表示装置1600の前面側の略中央に位置した状態となり、裏中左装飾体3210と裏中右装飾体3220との装飾が合体した状態となる。この出現位置の状態では、裏中左装飾体3210と裏中右装飾体3220とが、遊技盤側演出表示装置1600に表示されている演出画像を遮ることとなり、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、合体することで一つの大きな装飾(桜の花弁を模した装飾)を形成するため、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3300及び裏右可動演出ユニット3400を用いた演出として、例えば、裏左移動駆動ユニット3350及び裏右移動駆動ユニット3450の裏左移動駆動モータ3352及び裏右移動駆動モータ3452を駆動することで、裏左回転駆動ユニット3330裏右回転駆動ユニット3430を介して裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410を左右方向の中央側の出現位置に移動させる。これにより、裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410が、枠状のセンター役物2500において、左辺側及び右辺側に接近した中央寄りの位置の状態となる。換言すると、センター役物2500の枠内において、遊技盤側演出表示装置1600の前面における左右両端付近に位置している(図171乃至図173を参照)。
これにより、裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410が見えるようになることで、遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410に引付けさせることができる。この際に、裏左装飾基板3334及び裏右装飾基板3434のLEDを発光させることで、裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410を発光装飾させることができ、遊技者の関心を更に引付けさせることができる。また、この状態では、裏左装飾体3310と裏右装飾体3410との間から遊技盤側演出表示装置1600の表示画面が見えるため、演出画像とコラボレートした演出も楽しませることができる。
そして、裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410を出現位置に移動させた状態で、裏左回転駆動ユニット3330及び裏右回転駆動ユニット3430の図示しない裏左回転駆動モータ及び裏右回転駆動モータにより、裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410を上下に延びた軸線周りにグルグルと回転させることで、遊技者を楽しませることができる。回転させている裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410を停止させる際に、裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410の第一装飾面3311,3411が前方を向くように停止させたり(図171を参照)、第二装飾面3312,3412が前方を向くように停止させたり(図172を参照)、第三装飾面3313,3413が前方を向くように停止させたり(図173を参照)することができる。裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410の回転を停止させる向きによって装飾が変わるため、遊技者に変化する装飾を楽しませることができると共に、所望の装飾で裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410が停止するか否かでハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者の興趣を高めさせることができる。
なお、裏左可動演出ユニット3300及び裏右可動演出ユニット3400は、夫々独立して可動させることができるため、何れか一方のみを可動させるようにしても良いし、裏左装飾体3310及び裏右装飾体3410の回転を停止させた時に、前方を向いている装飾面が異なっているようにしても良い。これにより、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
裏ユニット3000の裏上可動演出ユニット3500を用いた演出として、例えば、通常の位置の状態において、裏上回転ベースユニット3570を水平位置とすると共に、作用レバー3586を作用位置とした状態で、裏上昇降駆動モータ3654により昇降駆動ピン3652bを、正面視反時計回りの方向へ公転させると、昇降駆動ピン3652bの公転に伴って可動側ユニット3610が下方へ移動し、可動側ユニット3610に取付けられている裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が下降する。そして、昇降駆動ピン3652bが、最も下降した位置に到達して公転が停止すると、可動側ユニット3610を介して裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が、左右(水平)に並んで下降位置に位置することとなる(図174を参照)。
この状態では、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が、センター役物2500の枠内における上下方向中央から上寄りに位置し、遊技盤側演出表示装置1600の前面の上半分を覆ったような状態となる。これにより、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550の三つで形成される所定のロゴが、遊技盤側演出表示装置1600に表示されている演出画像の一部を遮るように中央側へ下降するため、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
図174の状態で、作用レバー駆動モータ3583により作用レバーピニオンギア3585を正面視時計回りの方向へ回転させて作用レバー3586を作用位置からが右方の非作用位置へ移動させると、第一取付軸部材3525の水平ロック孔3525aに挿入されていたロック片3586dが、水平ロック孔3525aから抜けた状態となり、裏上回転ベースユニット3570の回転ロックが解除された状態となる。
作用レバー3586による裏上回転ベースユニット3570の回転ロックを解除した状態で、可動側ユニット3610の裏上回転駆動モータ3612により回転ベース駆動ギア3614を正面視反時計周りの方向へ回転させると、回転ベース駆動ギア3614と噛合している回転ベース被駆動ギア3572を介して、裏上回転ベースユニット3570が、中央リンクギア3611bを中心として正面視時計回りの方向へ回転することとなる。この際に、裏上第一装飾体ユニット3510は、裏上回転ベースユニット3570の回転中心である第一孔3571aを貫通して可動側ユニット3610の前面に取付けられているため、裏上回転ベースユニット3570と一緒に回転することはない。
裏上回転ベースユニット3570が、中央リンクギア3611bを中心にして回転すると、中央リンクギア3611bと噛合している第二用第三リンクギア3577及び第三用第三リンクギア3582が、中央リンクギア3611bの周りを公転しながら自転し、それらの回転が第二用駆動リンクギア部材3573及び第三用駆動リンクギア部材3578に伝達され、第二用駆動リンクギア部材3573及び第三用駆動リンクギア部材3578が、裏上回転ベース3571に対して反時計回りの方向へ夫々回転する。従って、裏上回転ベース3571を回転させると、裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550が、その上下の向きを一定に保ったままの状態で、裏上第一装飾体ユニット3510の周りを公転する(図175及び図176を参照)。
この裏上回転ベースユニット3570の回転により、裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550が、裏上第一装飾体ユニット3510の周りを公転する際に、裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550の上下の向きが保たれていることから、三つの装飾の文字による所定のロゴを遊技者に対して十分に認識させることができるため、横書きのロゴが縦書きのロゴに変化する動きを楽しませることができる。
裏上回転ベースユニット3570が、水平位置から正面視時計回りの方向へ90度回転すると、垂直位置に到達しその回転が停止する。この状態では、上から下へ順に、裏上第三装飾体ユニット3550、裏上第一装飾体ユニット3510、及び裏上第二装飾体ユニット3530が並んだ状態となる(図176を参照)。これにより、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550によって形成されるロゴが、センター役物2500の枠内の中央において、その枠内の略全高に亘って縦断するように見えるため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者の興趣を高めさせることができる。
そして、裏上回転ベースユニット3570を、垂直位置へ回転させて、裏上第三装飾体ユニット3550、裏上第一装飾体ユニット3510、及び裏上第二装飾体ユニット3530を、上下に並べた状態で、作用レバー駆動モータ3583により作用レバーピニオンギア3585を正面視反時計回りの方向へ回転させて、非作用位置の作用レバー3586を上方へ移動させて作用位置へ移動させると、作用レバー3586のロック片3586dが、第一取付軸部材3525の垂直ロック孔3525bに挿入されることとなり、裏上回転ベースユニット3570が、垂直位置で回転ロックされた状態となる。
この作用レバー3586が、非作用位置から作用位置へ移動(上昇)する時に、作用レバー3586の第一用作用部3586f、第二用作用部3586i、及び第三用作用部3586k、の夫々の先端(上端)が、裏上第一装飾体ユニット3510における第一開閉アーム3521の受ボス3521b、裏上第二装飾体ユニット3530における第二開閉アーム3541の受ボス3541b、及び裏上第三装飾体ユニット3550における第三開閉アーム3561の下端、に夫々下方から当接し、第一開閉アーム3521、第二開閉アーム3541、及び第三開閉アーム3561、を夫々上方へ移動させる。従って、閉位置の状態となっていた裏上第一装飾体ユニット3510の第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、裏上第二装飾体ユニット3530の第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、裏上第三装飾体ユニット3550の第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552、が夫々互いに離反するように左右方向外方へ移動して開位置の状態となる(図177を参照)。
これにより、遊技領域5a内の左右中央を縦断するように、第三左可動装飾レンズ3551と第三右可動装飾レンズ3552との間から臨んだ第三固定装飾レンズ3553と、第一左可動装飾レンズ3511と第一右可動装飾レンズ3512との間から臨んだ第一固定装飾レンズ3513と、第二左可動装飾レンズ3531と第二右可動装飾レンズ3532との間から臨んだ第二固定装飾レンズ3533と、裏前飾りユニット3100の裏前下中央レンズ3131とが、上から下へに一直線に並んだ状態となり、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
そして、この状態で、裏上第三装飾基板3554、裏上第一装飾基板3514、裏上第二装飾基板3534、及び裏前下装飾基板3134、に実装されているLEDを適宜発光させて、第三固定装飾レンズ3553、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び裏前下中央レンズ3131を、順次発光装飾させることで、遊技者の視線を、上方や下方に誘導させることができ、遊技者を楽しませることができる。なお、第三固定装飾レンズ3553、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び裏前下中央レンズ3131は、演出操作ユニット400における扉枠側演出表示装置460と略同じ幅に形成されているため、第三固定装飾レンズ3553、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、裏前下中央レンズ3131、及び扉枠側演出表示装置460により、パチンコ機1の左右方向中央を縦断するような発光演出を遊技者に見せることができる(図181を参照)。
裏ユニット3000の裏下可動演出ユニット3700を用いた演出として、例えば、通常の状態から、裏下駆動モータ3754により裏下可動装飾体ユニット3710を第一昇降位置へ移動させると、裏下装飾体本体3711がセンター役物2500におけるステージ2530の上側に位置した状態となり、センター役物2500の枠内を通して見えることとなる。これにより、裏下装飾体本体3711が見えるようになることで、遊技者の関心を強く引付けさせることができる(図178を参照)。この第一昇降位置の状態では、裏下装飾体本体3711の複数の門が、複数の裏下扉部材3712によって閉じられている。
そして、裏下可動装飾体ユニット3710が、第一昇降位置から第二昇降位置へ僅かに上昇すると、複数の裏下扉部材3712がヒンジ回転して裏下装飾体本体3711の複数の門が開いた状態となる(図179を参照)。この門(裏下扉部材3712)が開く動作をすることで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。そして、この状態で、裏下装飾基板3719のLEDを発光させて開いた門を発光装飾させると、遊技者に対してチャンスの到来を確信させることができ、遊技者の興趣をより高めさせることができる。
このように、本実施形態の遊技盤5では、裏前飾りユニット3100、裏中可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏右可動演出ユニット3400、裏上可動演出ユニット3500、及び裏下可動演出ユニット3700、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[5−11.遊技盤における異なる実施形態]
次に、遊技盤5における上記とは異なる実施形態について、図180を参照して詳細に説明する。図180は、遊技盤の別の実施形態として、裏ユニットの裏上可動演出ユニットに、センター役物のステージや裏前飾りユニットの裏前下中央レンズを発光装飾させるためのLEDを備えた例を示す説明図である。図180の実施形態は、裏上可動演出ユニット3500における裏上第二装飾体ユニット3530の裏上第二装飾基板3534に、下方へ光を照射可能な複数の下部LED3534aを備えるようにしたものである。
これにより、裏上回転ベースユニット3570を垂直位置に回転させることで、裏上第二装飾体ユニット3530の下端が、センター役物2500のステージ2530の中央(チャンス入口2535付近)や、裏前飾りユニット3100の裏前下中央レンズ3131の上端と、接近した状態となり、この状態で下部LED3534aを発光させることで、ステージ2530の中央や、裏前下中央レンズ3131の上部を発光装飾させることができる。従って、後方にLEDを備えた装飾基板を配置することができない部位でも、外側(ここでは上側)から光を供給して発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な発光演出を行うことができる。
[5−12.扉枠と遊技盤とによる演出]
次に、扉枠3と遊技盤5とを用いた演出について、主に図181を参照して説明する。図181は、遊技盤の裏ユニットにおける裏上可動演出ユニットにおいて、裏上回転ベースユニットを垂直位置の状態とすると共に、裏上第一装飾体ユニットの第一左可動装飾レンズ及び第一右可動装飾レンズ、裏上第二装飾体ユニットの第二左可動装飾レンズ及び第二右可動装飾レンズ、及び裏上第三装飾体ユニットの第三左可動装飾レンズ及び第三右可動装飾レンズ、を夫々開位置の状態として夫々の第一固定装飾レンズ、第二固定装飾レンズ、及び第三固定装飾レンズを視認可能とした状態で示すパチンコ機の正面図である。
扉枠3と遊技盤5とによる演出として、例えば、扉枠3における演出操作ユニット400と、遊技盤5における裏ユニット3000の裏上可動演出ユニット3500と、を用いた演出がある。具体的には、遊技盤5の裏ユニット3000における裏上可動演出ユニット3500において、裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610を下降位置に移動させた状態で、裏上回転ベースユニット3570を垂直位置の状態に回転し、作用レバー3586を非作用位置から作用位置へ移動させて、裏上第一装飾体ユニットの第一左可動装飾レンズ及び第一右可動装飾レンズ、裏上第二装飾体ユニットの第二左可動装飾レンズ及び第二右可動装飾レンズ、及び裏上第三装飾体ユニットの第三左可動装飾レンズ及び第三右可動装飾レンズ、を夫々開位置の状態とする。
この状態では、図181に示すように、パチンコ機1の左右方向中央において、略同じ幅に形成された、第三固定装飾レンズ3553、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、裏前下中央レンズ3131、及び扉枠側演出表示装置460が、上から下へ並んだ状態となり、遊技者を驚かせて強いインパクトを与えることができる。そして、この状態で、裏上第三装飾基板3554、裏上第一装飾基板3514、裏上第二装飾基板3534、及び裏前下装飾基板3134により、第三固定装飾レンズ3553、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び裏前下中央レンズ3131を、上から順次発光装飾させることで、遊技者の視線を、扉枠3における演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460へ誘導させることができ、扉枠側演出表示装置460に表示された演出画像を楽しませることができると共に、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作させて、遊技者参加型演出を確実に楽しませることができる。
[6.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、通常の状態では、裏ユニット3000の裏上可動演出ユニット3500における裏上昇降ユニット3600の可動側ユニット3610(可動側ベース3611)を、遊技領域5aの正面視中央から離れた上方の上方位置に位置させると共に、可動側ベース3611に回転可能に取付けられている裏上回転ベースユニット3570を水平位置に位置させた状態とし、裏上回転ベースユニット3570の前面に備えられている裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が、左右方向へ列設された状態で視認可能となっている。この際に、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550では、夫々一対を一組とした、第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552が、夫々第一開閉バネ3523、第二開閉バネ3543、及び第三開閉バネ3563の付勢力によって閉位置に位置しているため、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550の、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553が、第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552によって夫々視認不能に隠された状態となっている。このため、各裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550では、閉位置の状態の第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552によって形成される文字による所定のロゴの装飾のみを遊技者に楽しませることができる。
そして、可動側ユニット3610を、上昇位置から下降位置へ移動させると、可動側ユニット3610に取付けられている裏上回転ベースユニット3570や、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が、遊技領域5aの正面視中央に接近した状態となるため、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550を目立たせることができ、遊技者の関心を裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に強く引付けさせることができる。
裏上回転ベースユニット3570が上昇位置の時や、上昇位置から下降位置へ移動させる時に、作用レバー3586を裏上回転ベースユニット3570における裏上回転ベース3571に沿って非作用位置から上方の作用位置へ移動させて、各裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に、作用レバー3586に第一作用を及ぼすと、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550と裏上回転ベースユニット3570との相対的な回転が規制(ロック)された状態となり、振動や慣性力等によって、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が揺れ動いたり移動したりするのを防止することができ、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550の装飾を見栄え良く楽しませることができる。
この裏上回転ベースユニット3570を下降位置へ移動させると共に、作用レバー3586を非作用位置へ移動させた状態で、裏上回転ベースユニット3570を前後に延びた軸線周りに回転させて、水平位置から垂直位置へ回転移動させると、裏上回転ベースユニット3570の長手方向両端に備えられている裏上第二装飾体ユニット3530と裏上第三装飾体ユニット3550とが、上下の向きを保ったままで裏上回転ベースユニット3570に対して夫々相対的に回転すると共に、裏上第一装飾体ユニット3510の周りを公転し、水平位置の時とは異なる垂直方向へ列設された状態となり、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550の並んだ方向が変化する演出を遊技者に見せて楽しませることができる。
裏上回転ベースユニット3570を垂直位置へ回転させた状態で、作用レバー3586を非作用位置から作用位置へ裏上回転ベース3571に沿って上方へ移動させて、各裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に第二作用を及ぼすようにすると、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550では、第一開閉バネ3523、第二開閉バネ3543、及び第三開閉バネ3563の付勢力に抗して第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552が閉位置から開位置へ移動し、第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552の間から第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553が視認可能となるため、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553が見えるようになることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができると共に、遊技者に対し、第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552が開いて、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553が視認可能となる演出にプレミアム感を付与することができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
従って、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に対する裏上回転ベースユニット3570の相対的な回転位置(水平位置又は垂直位置)によって、作用位置と非作用位置との間で移動する作用レバー3586により、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に回転ロック(第一作用)と開位置への移動(第二作用)の別の作用を及ぼして異なる演出を遊技者に見せることができ、多彩な演出により遊技者を飽き難くさせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、通常の状態から、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550における第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552が開位置へ移動して、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553が視認可能となるまでに、多段階の動き(演出)があることから、各段階において、次の段階に移るか否かで遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができるため、遊技者に裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550による一連の動き(演出)を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏上回転ベースユニット3570を、前後に延びた軸線周りに回転させることで、水平位置と垂直位置との間で回転して移動するようにしていることから、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に対する裏上回転ベースユニット3570の向きが変化することとなるため、水平位置と垂直位置との時では、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に対して作用レバー3586の向きも異なることとなり、作用レバー3586を非作用位置から作用位置へ移動させた時に、水平位置と垂直位置とでは作用レバー3586から裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に作用する向き(方向)が異なることとなる。従って、水平位置と垂直位置とでは第一作用と第二作用とが異なる方向へ作用することから、第一作用と第二作用とで裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に及ぼされる作用を容易に異ならせることができるため、上述したように、回転ロックする第一作用と、開位置へ移動させる第二作用とを作用させる機構を比較的簡単な構成とすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。
また、非作用位置と作用位置との間で作用レバー3586を裏上回転ベースユニット3570の裏上回転ベース3571に沿って直線的に移動(スライド)させるようにしているため、作用レバー3586を回転させる場合と比較して、非作用位置と作用位置との間の距離を長くし易くすることができ、作用レバー3586により裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に十分な作用を及ぼして所望の演出を行い易くすることができる。
また、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550において、第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552を、第一開閉バネ3523、第二開閉バネ3543、及び第三開閉バネ3563により閉位置へ付勢するようにしていることから、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550が移動したり振動したりすることで、意図せずに第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552が開位置へ移動して、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553が視認可能となるのを阻止することができる。これにより、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550に第二作用が及ぼされた時のみ第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552を移動させて、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553を視認可能とすることができ、第一固定装飾レンズ3513、第二固定装飾レンズ3533、及び第三固定装飾レンズ3553を視認可能とする演出効果をより高めさせることができる。
更に、可動側ユニット3610により裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550や、裏上回転ベースユニット3570を、遊技領域5aの正面視中央に近い下降位置へ移動させることができることから、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550や、裏上回転ベースユニット3570を下降位置へ移動させると、裏上第二装飾体ユニット3530、裏上第三装飾体ユニット3550、及び裏上回転ベースユニット3570を回転させるためのスペースが確保し易くなり、水平位置と垂直位置との間で回転移動する裏上回転ベースユニット3570の移動範囲をより大きくすることができるため、裏上第二装飾体ユニット3530及び裏上第三装飾体ユニット3550が大きく公転することで遊技者を驚かせてより楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、裏上可動演出ユニット3500において、裏上回転ベースユニット3570が垂直位置の時に、非作用位置から作用位置へ移動させることで作用レバー3586により及ぼされる作用(第二作用)として、裏上第一装飾体ユニット3510の第一左可動装飾レンズ3511及び第一右可動装飾レンズ3512、裏上第二装飾体ユニット3530の第二左可動装飾レンズ3531及び第二右可動装飾レンズ3532、及び、裏上第三装飾体ユニット3550の第三左可動装飾レンズ3551及び第三右可動装飾レンズ3552を、閉位置から開位置へ移動させるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、それらを開位置から閉位置へ移動させるようにしたり、裏上第一装飾体ユニット3510、裏上第二装飾体ユニット3530、及び裏上第三装飾体ユニット3550を前後に延びた軸周りに回転させるようにしたりしても良い。
[7.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図182〜図187を参照して説明する。図182は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図183は図182のつづきを示すブロック図であり、図184は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図185は図182のつづきを示すブロック図であり、図186は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図187は液晶表示制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ機1の制御構成は、図123に示すように、主制御基板1310、払出制御基板951及び周辺制御基板1510から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板1310について説明し、続いて払出制御基板951、電源基板931、そして周辺制御基板1510について説明する。
[7−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、図182に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、を主として備えている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ1310af(以下、「主制御内蔵WDT1310af」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路1310an(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路1310an」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されておらず(つまり、初期値が固定されておらず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(後述する主制御水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路1310caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路1310caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路1310caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図114に示した、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ3112、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004、及び一般入賞口2001に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ3111からの検出信号や停電監視回路1310eからの信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、図114に示した、ゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ2401、第一大入賞口2005に入球した遊技球を検出する第一大入賞口センサ4005、第二大入賞口2006に入球した遊技球を検出する第二大入賞口センサ2402、及び図9に示した裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継基板3032、そして主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路1310dからパネル中継基板3032を介して始動口ソレノイド2107、第一アタッカソレノイド2108、第二アタッカソレノイド2109及び振分ソレノイド2110に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caからパネル中継基板3032、そして機能表示ユニット1400を介して第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、状態表示器1401、及びラウンド表示器1407に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから停電監視回路1310eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3112、第二始動口センサ4004、ゲートセンサ2401、第一大入賞口センサ4005、第二大入賞口センサ2402、第一受入口センサ2434及び第二受入口センサ2435には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3111には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球するし、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3112、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ2401による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3112、第二始動口センサ4004、及びゲートセンサ2401には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006が開放されて遊技球が頻繁に入球するし、第二大入賞口2006に入球した遊技球が第一受入口2431又は第二受入口2432の何れかに振り分けられるため、第一大入賞口センサ4005、第二大入賞口センサ2402、第一受入口センサ2434及び第二受入口センサ2435による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一大入賞口センサ4005、第二大入賞口センサ2402、第一受入口センサ2434及び第二受入口センサ2435にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3111による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3111には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板951は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板1510へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU1310aは、主制御CPUコア1310aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート1310ae等がバス1310ahを介して回路接続されている(図133を参照)。主周シリアル送信ポート1310aeは、周辺制御基板1510へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ1310aea、送信バッファレジスタ1310aeb、シリアル管理部1310aec等を主として構成されている(図133を参照)。主制御CPUコア1310aaは、コマンドを送信バッファレジスタ1310aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部1310aecに出力すると、このシリアル管理部1310aecが送信バッファレジスタ1310aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ1310aebから送信シフトレジスタ1310aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア1310aaは、送信バッファレジスタ1310aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部1310aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板1510に送信している。
なお、主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図129を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されると、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板951から出力され、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板951は、図183に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952と、各種機能を兼用する操作スイッチ954と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ954は、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[7−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952は、図183に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU952aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路952bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路952cと、図103に示した払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路952eと、を備えている。払出制御MPU952aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ954の操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート952bを介して主制御基板1310の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ954の操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路952bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路952cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路952caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路952cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路952caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路952caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出ユニット800の球誘導ユニット820の供給通路内の遊技球の球切れを検知する球切れ検知センサ827、及び払出装置830の払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842、払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。なお、後述の説明上、羽根回転検知センサ840を、この明細書において単に回転検知センサ840ということにする。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ279からの検出信号は、まずハンドル中継端子板315、電源基板931、そして払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路952bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ954の操作信号(検出信号)を払出制御入力回路952bを介して主制御基板1310に対して出力する。払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから主制御基板1310に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU952aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板1310は、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板951に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ834を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号を払出モータ駆動回路952dに出力し、払出モータ駆動回路952dから駆動信号を払出モータ834に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れ検知センサ827からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「払出検知センサエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ842からの検出信号に基づいて払出検知センサ842に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいてファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板951は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。
外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板1310や払出等を制御する払出制御基板951に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸ボタン328からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン329からのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路952eを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を球貸返却表示部330に表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が球貸返却表示部330に入力されるようになっている。また、球貸返却表示部330に隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板951に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板951に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図129を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU952aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954が操作されると、その操作信号が払出制御入力回路952bを介して、払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU952aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU952aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に出力されるようにもなっている。
[7−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部952とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図184に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図184に示すように、CRユニット6と払出制御基板951との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板951との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板931からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、の球貸ボタン328と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸ボタン328が実装され、貸球ユニット360の返却ボタン329と対応する位置に押ボタンスイッチである返却ボタン329が実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である球貸返却表示部330が実装されている。
球貸ボタン328及び返却ボタン329は、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸ボタン328は、球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入り(ONし)、球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却ボタン329は、返却ボタン329が押圧操作されると、返却ボタン329のスイッチが入り(ONし)、返却ボタン329からの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
球貸返却表示部330は、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、球貸返却表示部330は、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。球貸返却表示部330は、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、球貸返却表示部330に隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板931から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸ボタン328及び返却ボタン329が有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸返却表示部330に入力されている。
CRユニット6は、球貸ボタン328が押圧操作されて球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板951(払出制御MPU952a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、球貸ボタン328が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン329が押圧操作されて返却ボタン329からの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、球貸ボタン328が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[7−3.電源基板931]
次に、電源基板931について簡単に説明する。電源基板931は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ934と、各種電源を生成する電源制御部935と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682による発射制御及び図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255による球送制御を行う発射制御部953と、を備えている。
[7−3−1.電源制御部]
電源制御部935は、電源スイッチ934が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路935aと、同期整流回路935aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路935bと、力率改善回路935bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路935cと、平滑化回路935cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路935dと、を備えている。
[7−3−2.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送ソレノイド255による球送制御と、を行う発射制御部953は、発射制御回路953aを主として構成されている。発射制御回路953aは、ハンドル302の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するハンドル回転検知センサ307からの操作信号と、ハンドル302に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ310からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ312からの検出信号と、がハンドル中継端子板315を介して、入力されている。また、発射制御回路953aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板951を介して入力されている。
発射制御回路953aは、ハンドル回転検知センサ307からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行っている一方、ハンドル中継端子板315を介して球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
[7−4.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図185に示すように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出制御を行い、かつ、図19に示す扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする周辺制御部1511と、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う一方、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶表示制御部1512と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム1510aと、を備えている。
[7−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部1511は、図185に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU1511aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM1511bと、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM1511cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM1511dと、周辺制御MPU1511aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ1511e(以下、「周辺制御外部WDT1511e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御RAM1511cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM1511dは、電源基板931に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板931にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤5をパチンコ機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM1511dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM1511dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT1511eは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU1511aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT1511eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU1511aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力するときには、周辺制御外部WDT1511eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU1511aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板1310からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、演出操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された演出操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの演出操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU1511aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板1510とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU1511aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT1511eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU1511aについて説明する。周辺制御MPU1511aは、図186に示すように、周辺制御CPUコア1511aaを中心として、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ1511ac、周辺制御バスコントローラ1511ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)1511ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMAコントローラ1511acに対して、内部バス1511ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511akに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御ROM1511bに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511dに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに内蔵される周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置に対して、内部バス1511ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに外付けされる、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び外部バス1511hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ1511adは、内部バス1511ah、周辺バス1511ai、及び外部バス1511hをコントロールして周辺制御MPUコア1511aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート1511aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、演出操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)1511afは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT1511eにクリア信号を出力したり、遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ1511akは、音量調整ボリューム1510aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整によりスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。
これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[7−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM1511bは、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM1511bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM1511bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM1511bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM1511bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[7−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cは、図186に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511caと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccと、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア1511cdと、周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア1511ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfと、が設けられている。
なお、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccについては、パチンコ機1の電源投入時に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図143を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図182に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511caは、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511cbからバックアップ第2エリア1511ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP1512aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaには、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabには、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域1511cacには、主制御基板1310から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域1511cadには、RTC制御部4165(後述するRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域1511caeには、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域1511caeには、周辺制御ROM1511bから各種制御データコピーエリア1511ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM1511bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511cai、及び描画状態情報取得記憶領域1511cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafには、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagには、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域1511cahには、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiには、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域1511cakには、演出表示駆動基板4450が周辺制御基板1510の音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいて周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccについて説明する。バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ1511acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[7−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511daと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM1511dに記憶された内容は、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図143を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図182に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM1511cのバックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM1511cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM1511cと周辺制御SRAM1511dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511dbからバックアップ第2エリア1511dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcについて説明する。バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[7−4−2.液晶表示制御部]
遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御とスピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶表示制御部1512は、図185に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)1512aと、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM1512bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC1512cと、扉枠側演出表示装置460へシリアル化された描画データを扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450へ向かって送信する扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データをプラス信号とマイナス信号とに差動化する差動化回路1512eと、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、差動化回路1512eからの信号が入力されるとともに、差動化回路1512eからの信号が入力されているときには、この信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eからの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続する強制切替回路1512fと、を備えている。この液晶及び音制御ROM1512bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠4の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM1512bは、演出操作ユニット400の押圧操作部405(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
また、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
[7−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP1512aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図187に示すように、液晶及び音制御ROM1512bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP1512aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する描画データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する描画データをチャンネルCH2から、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して、扉枠側演出表示装置460に出力(送信)することで、遊技盤側演出表示装置1600と扉枠側演出表示装置460との同期化を図っている。
チャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、周辺制御基板1510及び遊技盤側演出表示装置1600は遊技盤5にそれぞれ取り付けられていることによりチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力されるため、周辺制御基板1510は遊技盤5に取り付けられているのに対して、演出表示駆動基板4450は扉枠3の皿ユニット320内に収納されていることによりチャンネルCH2から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして演出表示駆動基板4450までの経路に要する配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなることでノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential
Signaling)というシリアル方式による差動インターフェースを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェースを使用している。チャンネルCH2から出力される描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、扉枠側演出用トランスミッタIC4610dでシリアル化されて、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして、このシリアル化された各種信号は、演出表示駆動基板4450においてパラレル信号に復元されて扉枠側演出表示装置460に出力されるようになっている。
このように、周辺制御MPU1511aが遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力すると、音源内蔵VDP1512aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP1512aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力する。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP1512aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP1512aは、主制御基板1310からのコマンドに基づいて周辺制御MPU1511aから上述した音指令データが入力されると、図187に示すように、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定してスピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。
演出音のサブボリューム値は、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
ここで、演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
つまり、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっている。
このように、演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過してスピーカ921及び上部スピーカ573から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
[7−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM1512bは、図187に示すように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[7−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。これにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC1512cは、周辺制御基板1510から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[7−4−2d.扉枠側演出用トランスミッタIC]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、図187に示すように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェースが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットが扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP1512aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信する。
上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路(第1経路)に要する配線の長さが短いものの、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)されるため、チャンネルCH2から扉枠側演出表示装置460までの経路(第2経路)に要する配線の長さが第1経路に要する配線の長さより極めて長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。
具体的には、図1に示した本体枠4に対して開閉自在に扉枠3が軸支されているため、本体枠4の開放側辺に沿って図5に示した施錠ユニット700の反対側である閉塞側に、例えば本体枠4に装着される遊技盤5に備える周辺制御基板1510から扉枠3に備える皿ユニット320に収納される演出表示駆動基板4450などの、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線を通す必要がある。ところが、本体枠4の閉塞側には、払出装置830のほかに、この払出装置830によって払出された遊技球を、皿ユニット320の上皿321へ誘導することができると共に上皿321が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿322側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770が配置されている。
また、本体枠4の下側には、パチンコ島設備から電源が供給される図6に示した電源基板931等を一纏めにしてユニット化した図5に示した払出ユニット800が配置されている。このように、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線は、払出装置830、満タン分岐ユニット770、電源基板931等の近傍に引き回されることとなり、払出装置830に備える払出モータ834が駆動されることによるノイズのほかに、遊技球による静電放電によるノイズやパチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等を受ける環境下にある。
このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続するための配線として、上述したように、差動1ペアケーブルを用いているが、この差動1ペアケーブルは、2本の配線が単に平行に設けられる平行線ではなく、ツイストペアケーブルである。このツイストペアケーブルは、2本の配線を撚り合わせたケーブルであって、撚り対線とも呼ばれるものである。
ここで、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして平行線を採用した場合について簡単に説明する。描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとしても、このようなハードウェアによる構成だけでは、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、平行線におけるシリアルデータが影響を受けると、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されないため、シリアルデータが影響を受けた状態のまま扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることとなり、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが正規なものと異なる乱れたものとして扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信され、扉枠側演出表示装置460の表示領域では、いわゆる砂嵐のような画像が表示されて何の画像であるのかを全く認識することができなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。これにより、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、ツイストペアケーブルにおいてシリアルデータが影響を受けたとしても、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されるようになっているため、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で確実に受信されて扉枠側演出表示装置460に出力されることにより、扉枠側演出表示装置460において、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成した画像を確実に表示することができる。ノイズをキャンセル(除去)することにより、砂嵐のような何の画像であるのかを全く認識することができなくなるような画像が扉枠側演出表示装置460で表示されることを防止することができるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。したがって、ノイズの影響による遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間においては、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882が介在している。これは、本体枠4と扉枠3とが一体的に構成されるものではなく、別々に組み立てられたものを、本体枠4に扉枠3を取り付けるという構造を採用しているため、本体枠4に扉枠3を取り付ける作業のあとに、扉枠3側に備える各種基板からのハーネスやツイストケーブルなどの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3側に備える各種基板と、を電気的に接続することができるようになっている。このような構成により、本体枠4から扉枠3を開放して各種配線を取り外す作業を行ったあとに、本体枠4から扉枠3を取り外すことで、本体枠4や扉枠3のメンテナンスを行うことができるし、扉枠3に生じた不具合が解消することができない場合には、この不具合のある扉枠3に替えて他の扉枠3’を本体枠4に取り付けて、扉枠3’側に備える各種基板からの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3’側に備える各種基板と、を電気的に接続することができる。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。具体的には、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されている。これにより、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882とには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送するための映像伝送用配線パターンのほかに、電源用配線パターンやその他の各種信号を伝送するための各種信号用配線パターンと、が混在している。このため、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882には、電源用配線パターンや各種信号用配線パターンから所定寸法だけ離して上述した映像伝送用配線パターンがそれぞれ形成されている。トランスミッタからレシーバまでの経路には、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882という複数の中継端子板をまたぐこととなるため、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンの入出力間において、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送する信号の一部が反射されてノイズとなったり、その信号の出力レベルが低下するという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンには、インピーダンス整合が施されている。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されているが、ツイストペアケーブルのうち、一方の配線を赤色とし、他方の配線を灰色とするとともに、ハーネスのうち、電源を供給する配線を赤色とし、他の複数の配線を灰色としている。なお、電源を供給する配線を赤色とせず、黄色としてもよい。
[7−4−2e.強制切替回路、差動化回路]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号は、強制切替回路1512f、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信されるようになっている。この強制切替回路1512fには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路1512eでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。周辺制御MPU1511aは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450(実際には、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512e)に向かって送信する。
扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450は、周辺制御基板1510からのシリアル信号(シリアルデータ)を後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信すると、シリアル化された各種信号をパラレル信号に復元して扉枠側演出表示装置460に出力する液晶モジュール回路4450Vと、から主として構成されている。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP1512aを制御して生成して遊技盤側演出表示装置1600に出力することにより遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知する。
また、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカから報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
[7−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図185に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板1510(パチンコ機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板1510(パチンコ機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側演出表示装置1600の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU1511aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU1511aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM1511bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[7−4−4.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム1510aは、上述したように、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム1510aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ1511akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整によりスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ1511akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム1510aは、周辺制御基板1510に実装されているため、本体枠4を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示され、この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[8.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図120等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット300のハンドル302を遊技者が回転操作することで、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドル302の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ出口2522からステージ2530に供給される。
ステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を転動して左右に行ったり来たりして前方へ放出される。ステージ2530の中央のチャンス入口2535に遊技球が進入してチャンス出口2536から遊技領域5a内に放出されと、チャンス出口2536が第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿321に払出される。
ステージ2530を転動している遊技球が、中央以外から遊技領域5a内に放出されと、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター役物2500のステージ2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、始動口ユニット2100の第一始動口2002、サイドユニット2200やアタッカユニット2400の一般入賞口2001、及びアタッカユニット2400における開状態の第一大入賞口2005等、に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、サイドスロープ2300の棚部2301により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001や、始動口ユニット2100の第一始動口2002等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿321に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、センター役物2500の右案内通路2540からアタッカユニット2400の上部へ放出される。右案内通路2540の下流端の直下には、アタッカユニット2400におけるゲート部2003と第二始動口2004とが備えられたゲート通路2420が配置されており、高い確率で遊技球がゲート通路2420へ進入する。
そして、右打した遊技球が、ゲート通路2420に進入してゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口2004を閉鎖している第二始動口扉2411が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、4個)の遊技球が、上皿321に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。この普通変動時間が短いほど、ゲート部2003において「普通当り」を抽選した遊技球が、第二始動口2004に受入れられるようになる。
なお、遊技球がゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球がゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動当り」、「時間短縮当り」、等)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「15R大当りA」、「15R大当りB」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006が所定の開閉パターンで遊技球の受入れが可能な状態となる。第一大入賞口2005が開状態の時に、第一大入賞口2005に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球が、上皿321に払出される。一方、第二大入賞口2006が開状態の時に、第二大入賞口2006に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿321に払出される。従って、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006が遊技球を受入可能としている時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「大当り」の場合、所定のラウンドを複数回発生させる大当り遊技状態が発生する。本実施例の大当り遊技状態は、各ラウンド中に、遊技球を受入可能に開閉する開閉パターン(1回の開閉を有する開閉パターン、または、複数回の開閉を有する開閉パターン)にしたがって第一大入賞口2005または第二大入賞口2006が動作する。詳しくは後述するが、本実施例では、例えば「15R大当り」であれば、1〜3ラウンド目で第二大入賞口2006を開閉させ、4〜15ラウンド目で第一大入賞口2005を開閉させる「15R大当り遊技状態」が発生する。
なお、「大当り」では、大当り遊技状態によって第二大入賞口2006が開状態の時に、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球が、振分片2433によって第二受入口2432に振り分けられると、大当り遊技状態の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と遊技盤側演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、遊技盤側演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の図柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各図柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が遊技盤側演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態A、大当り遊技状態B、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、遊技盤側演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、遊技盤側演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット400の操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460、裏ユニット3000の裏前飾りユニット3100、裏中可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏右可動演出ユニット3400、裏上可動演出ユニット3500、及び裏下可動演出ユニット3700、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[9.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU1310a)で実行される制御処理の例について説明する。図188(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図188(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ954が操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。操作スイッチ954はパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、操作スイッチ954は電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPU1310aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPU1310aのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU1310aのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときに操作スイッチ954が操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU1310aのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時に操作スイッチ954を操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置1600で実行される装飾図柄の変動表示にてリーチ(左装飾図柄と右装飾図柄を同一図柄で停止表示して中装飾図柄を未だ停止表示していない状態や、左・中・右の装飾図柄を全て同一図柄となるように同期して変動表示する状態)するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口扉2411の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図188(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図188(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2401、上記第一始動口センサ3112、上記第二始動口センサ4004、上記第一大入賞口センサ4005、上記第二大入賞口センサ2402、上記第一受入口センサ2434、上記第二受入口センサ2435、上記一般入賞口センサ3111など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPU1310aのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS15の処理として、上記第二始動口扉2411の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当り遊技状態の終了後の所定期間内は、上記第二始動口扉2411の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記大当り遊技状態の終了後の所定期間内だけ上記普通図柄の当選確率を高くするとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口扉2411の開放時間を延長することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPU1310aのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(15R大当りA、15R大当りB)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3112、上記第二始動口センサ4004、上記第一大入賞口センサ4005、上記第二大入賞口センサ2402、上記一般入賞口センサ3111などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板951に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板951に搭載される払出制御MPU952aは、払出モータ駆動回路952dから払出モータ834に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、次にステップS20の処理として、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図189は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図189に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPU1310aはまず、上記第一始動口センサ3112による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ4004による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS39)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「15R大当りA」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Aに応じて第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御し、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球を第一受入口2431または第二受入口2432のいずれかに振り分ける振分片2433を駆動制御し、第二大入賞口2006の開放時に特別状態または非特別状態のいずれかに設定する処理を実行する。また、「15R大当りB」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Bに応じて第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御し、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球を第一受入口2431または第二受入口2432のいずれかに振り分ける振分片2433を駆動制御し、第二大入賞口2006の開放時に特別状態または非特別状態のいずれかに設定する処理を実行する。
ここで、「特別状態」及び「非特別状態」について説明する。先ず、本実施形態では、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるときの状態として、「特別状態」と「非特別状態」の2つの状態を有している。ここで、「特別状態」は、第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容される(有効化される)状態である。よって、「特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられることによって、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることととなる。また、「非特別状態」は、第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容されない(無効化される)状態である。よって、「非特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることはない。また、「非特別状態」は、第二受入口2432に遊技球が受け入れられても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることはないものの、大当り遊技状態にて第二受入口2432に遊技球が受け入れられることに基づく演出を実行可能とするため、第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かについて監視される期間とされている。また、本実施形態では、第二受入口2432に遊技球が受け入れられることがない状態として、「特別状態」及び「非特別状態」とは異なる「無効状態」を有している。ここで、「無効状態」は、第一大入賞口2005を開放する4〜15ラウンド目など、原則として第二受入口2432に遊技球が受け入れられることがない状態であり、仮に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容されない(無効化される)状態である。よって、「無効状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることはない。また、「無効状態」は、不正行為などの異常が発生することにより第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合において、そのような異常発生に関する情報をホール管理側に通知可能とするため、第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かについて監視される期間とされている。
また、大当り制御処理(ステップS41)では、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグである。大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態の実行中において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御することから高確率フラグがセットされるが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合(非特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合など)には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御しないことから高確率フラグがセットされない。そして、高確率フラグがセットされた場合には、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理で高確率フラグがリセットされる。
また、時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる、そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図126に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS36)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS37)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS36)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS38)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図190は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3112がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図190に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS43の処理として、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図191は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2593がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図191に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS52の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS53の処理として、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS52〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図192は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS37)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS37で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS37で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器1403における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1403に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図188参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図193は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図193に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図194は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図195(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図195(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図195(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROM4100dに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、299種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率:300分の1)。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に、1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、299種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率:300分の1)。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む10種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、290種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率:30分の1)。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の10倍に高められる。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む10種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、290種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率:30分の1)。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS117)。そして、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS119)。
図196は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図196に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS121)を判別することにより行う。
主制御MPU1310aは、ステップS121で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図195(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS123)。一方、ステップS121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS124)。
図195(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(15R大当りA、15R大当りB)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態Aに応じて第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御するものであって、1ラウンド目で第二大入賞口2006を短時間開放(遊技球が入球困難な開放。例えば、0.5秒)及び長時間開放(遊技球が入球可能(容易)な開放。例えば、20秒)するときに特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りA
2.15R大当り遊技状態Bに応じて第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御するものであって、1ラウンド目で第二大入賞口2006を短時間開放(遊技球が入球困難な開放。例えば、0.5秒)するときに特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りB、の2種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図195(B)に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りA(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りAに対してのみ判定値の振分けが設定されている。このように、第一特別図柄側の大当り時には、遊技者の有利度合いが異なる15R大当りA又は15R大当りBのいずれかを決定することから、初大当り時にどのような大当りの種類が決定されるかに注目させることができる。また、大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態では、第二特別図柄側の遊技(第二始動口2004への遊技球の入球を可能とする遊技)が行われるが、第二特別図柄側の大当り時には、必ず15R大当り遊技Aに決定することから、連荘時にどの程度の賞球量を獲得することができるかだけに注目させることができる。したがって、初大当り時と連荘時とでゲーム性が変化するため、遊技が単調とはならない。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定し、15R大当りBに決定した場合には大当り図柄として15R大当りB図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS125の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS126の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するように演出表示装置1600を表示制御する。
具体的には、周辺制御MPU1511aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りAを特定した場合には15R大当りA図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りBを特定した場合には15R大当りB図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が15R大当りA図柄または15R大当りB図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができるが、15R大当りA図柄及び15R大当りB図柄として共通の図柄を用いているため、15R大当りAまたは15R大当りBのいずれかを判別することができない。
また、周辺制御MPU1511aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドからリーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一)に決定し、はずれを特定した場合にはリーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
図197は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図197に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS143)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS145)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS146)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS147)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS148)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1403及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU1310aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS149の処理として、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図198は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図198に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図199は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図199に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1403に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記時短フラグがセットされているとともに、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する(ステップS183)。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS184)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS185)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短フラグをリセットし、さらに上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットする(ステップS186)。なお、上記ステップS183の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS185の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS187の処理に移行する。
また、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS187)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS188)、大当り遊技状態を開始(大当りラウンド開始コマンドをセット)するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う期間)をインターバルタイマにセットする(ステップS189)。そして次に、上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットし、上記時短フラグがセットされている場合には該時短フラグをリセットし、さらに時短回数カウンタのカウンタ値が「0」でない場合には同カウンタ値をリセット(「0」に戻す)した後、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし(ステップS190)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS191)、この処理を終了する。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R大当りA、15R大当りB)に応じて個々に用意されている。ステップS188では、大当りの種類に応じた大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図200は、上記大当り制御処理(ステップS39)についてその手順を示すフローチャートである。
上記ステップS189では、大当り遊技状態を開始するまでの待機時間をインターバルタイマにセットしているが、ステップS401の処理において、このインターバルタイマにセットされた待機時間を経過した後には、同図200に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御するとともに、第二大入賞口2006の開放時に特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)または非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)のいずれかに設定し、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かを監視する大入賞口開閉処理(ステップS402)と、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球を第二受入口2432に振り分けることが可能な振分片2433の駆動制御を行う第二受入口開閉処理(ステップS403)と、を順に実行する。
図201は、上記大入賞口開閉処理(ステップS402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS411の処理において、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006が開放状態にあると判断されるとすると、同図201に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、後述する上記第一大入賞口2005及び上記第二大入賞口2006の動作スケジュールに従って、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに20秒、短時間開放のときに0.5秒)が経過したとき(ステップS412)、あるいは、開放状態の上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006に遊技球が最大入賞数(例えば、9個)入賞したときには(ステップS413)、開放状態の上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御する(ステップS414)。そして、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンドを終了すると判断された場合には(ステップS415)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットした時点で(ステップS416)、この処理を終了する。
また、ステップS411の処理において、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図201に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、後述する上記第一大入賞口2005及び上記第二大入賞口2006の動作スケジュールに従って、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を開放状態とするタイミングになったときには(ステップS417)、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始すると判断された場合には(ステップS418)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び新たなラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットする(ステップS419)。そして、特別状態フラグまたは非特別状態フラグをセットするタイミングであると判断された場合、すなわち、上記第二大入賞口2006の開放時である場合には(ステップS420)、後述する第二受入口2432の状態設定スケジュールに従って、特別状態フラグまたは非特別状態フラグをセットする(ステップS421)。なお、既に特別状態フラグがセットされている場合に特別状態フラグを再セットする必要はなく、同様に、既に非特別状態フラグがセットされている場合に非特別状態フラグを再セットする必要はない。そして、閉鎖状態の上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を開放状態に制御した時点で(ステップS422)、この処理を終了する。なお、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始することにならない(同じラウンド内における2回目の開放など)と判断された場合(ステップS419)、あるいは、特別状態フラグまたは非特別状態フラグをセットするタイミングであると判断された場合(上記第二大入賞口2006の開放時である場合)には(ステップS420)、閉鎖状態の上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を開放状態に制御した時点で(ステップS422)、この処理を終了する。これにより、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
なお、特別状態フラグは、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定された状態であることを示すフラグであり、非特別状態フラグは、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定された状態であることを示すフラグである。上記第二大入賞口2006の開放時には、後述する第二受入口開閉処理(ステップS403)で第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球を第一受入口2431または第二受入口2432のいずれかに振り分ける振分片2433を駆動制御することにより第二受入口2432に遊技球を受け入れ可能にするとともに、特別状態又は非特別状態のいずれかに設定されている。
また、ステップS417の処理において、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を開放状態とするタイミングではないと判断されるとすると、同図201に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006の開放状態と閉鎖状態とを繰り返すことにより全てのラウンド数を終了したときには(ステップS423)、大当り実行中フラグをリセットする(ステップS424)。そして、後述する第二受入口通過フラグがセットされていると判断された場合には(ステップS425)、高確率フラグをセットし(ステップS426)、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS427)、この処理を終了する。なお、第二受入口通過フラグがセットされていないと判断された場合には(ステップS425)、高確率フラグをセットすることがなく、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS427)、この処理を終了する。このように、第二受入口通過フラグがセットされている(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた)と判断された場合には、高確率フラグ及び時短フラグをセットし、高確率時短状態に制御するが、第二受入口通過フラグがセットされていない(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった)と判断された場合には、時短フラグのみをセットし、低確率時短状態に制御するようになる。
図202は、上記第二受入口開閉処理(ステップS403)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS431の処理において、上記第二受入口2432が開放状態(振分片2433により第二受入口2432側に遊技球が振り分けられる状態)にあると判断されるとすると、同図202に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、後述する上記振分片2433の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2432の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに10秒、短時間開放のときに0.2秒)が経過したとき(ステップS423)、あるいは、上記第一大入賞口2005又は上記第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンドを終了するときには(ステップS433)、開放状態の上記第二受入口2432を閉鎖状態(振分片2433により第一受入口2431側に遊技球が振り分けられる状態)に制御する(ステップS434)。
また、ステップS431の処理において、上記第二受入口2432が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図202に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、後述する上記振分片2433の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2432を開放状態とするタイミングになったときには(ステップS435)、閉鎖状態の上記第二受入口2432を開放状態に制御する(ステップS436)。
次に、ステップS437の処理において、開放状態の上記第二受入口2432に遊技球が受け入れられたと判断されるとすると、同図202に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、特別状態フラグのセット中で、特別状態中に上記第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか(ステップS438)、あるいは、非特別状態フラグのセット中で、非特別状態中に上記第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか(ステップS442)、を判断する。そして、特別状態中に上記第二受入口2432に遊技球が受け入れられたと判断された場合には(ステップS438)、その特別状態中に上記第二受入口2432に遊技球が受け入れられたことを示す第二受入口通過フラグがセットされていない場合に(ステップS439)該第二受入口通過フラグをセットし(ステップS440)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして第二受入口通過コマンドAをセットした時点で(ステップS441)、この処理を終了する。また、非特別状態中に上記第二受入口2432に遊技球が受け入れられたと判断された場合には(ステップS442)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして第二受入口通過コマンドBをセットした時点で(ステップS443)、この処理を終了する。これにより、第二受入口通過コマンドA又は第二受入口通過コマンドBによって指示された特別状態中又は非特別状態中のいずれで上記第二受入口2432に遊技球が受け入れられたかに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
図203は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図203に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1402に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)
3.普通図柄表示器1402における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1402に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球の受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図188参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図204は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2401による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図204に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS811の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS814の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図205は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図205に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)であれば(ステップS826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態)であれば(ステップS825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶され、遊技状態が時短時(低確率時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球の受入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球の受入れを可能に制御することがない。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS831)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS833)、この処理を終了する。
本例では、上記時短状態の制御において、上記普通図柄の当選確率を251/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなるとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を極端に短い所定時間(例えば、0.3秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004を極端に長い所定時間(例えば、5.5秒)の間、開状態として閉鎖する開閉パターンで制御している。つまり、上記時短状態の制御中には、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球を入賞させることを格段に容易とし、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球を入賞させることができる。なお、上記非時短状態の制御においては、上記普通図柄の当選確率を0/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなることがなく、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球を入賞させることができない。
上記したように、上記非時短状態の制御中には、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球を入賞させることができないため、上記第一始動口2002に遊技球が入賞するように、上記センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)しなければならない。また、上記センター役物2500の左側の遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球に様々な動きが付与されて流下するようになっている。このため、上記第一始動口2002を狙って上記センター役物2500の左側に遊技球を打ち込んだとしても、上記第一始動口2002に入賞するとは限らず、上記第一始動口2002に入賞しなかった遊技球は、遊技領域5aの左右方向中央下端に設けられたアウト口1126から外部に排出される。
一方、上記時短状態の制御中には、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球を入賞させることができるため、上記第二始動口2004に遊技球が入賞するように、上記センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)しなければならない。また、遊技盤5の構造上、上記第二始動口2004を開放したときに、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球を打ち込むと、上記ゲート部2003を通過した遊技球が、上記第二始動口2004に極めて高い確率で入賞するようになっている。このため、上記時短状態の制御中では、上記センター役物2500の右側に打ち込んだ遊技球が無駄となる(アウト口1126またはサブアウト口2007から外部に排出される)ことが殆どなく、上記非時短状態の制御中における上記第一始動口2002と比べて、遊技球が極めて効率良く上記第二始動口2004に入賞するようになる。
また、上記時短状態の制御中には、遊技盤5の構造に加え、上記ゲート部2003を通過したときに、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開放状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球が入賞しやすく、さらに、上記第二始動口2004へ遊技球が入賞したときに、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間を1秒程度とし、上記非時短状態の制御中における10〜120秒の範囲と比べて極めて短くなるため、短時間で上記特別図柄の変動表示制御(上記特別図柄の変動表示制御の保留)を消化することができる。すなわち、大当り遊技状態の終了後に上記時短状態に制御した場合には、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球を打ち込むことで、短時間で再び大当りとなって大当り遊技状態に制御し、多くの遊技球の獲得を期待することができる。なお、上記したように本実施形態では、上記第二始動口2004への遊技球の入賞により払出される遊技球の数を、1個としているので、上記第二始動口2004への遊技球の入賞が頻繁に起きたとしても、遊技者の興趣を高めつつ遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[10.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aによって実行される処理について説明する。図206は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図206に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU1511aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aのRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU1511aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいて演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図207は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPU1511aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS147、第二特別図柄プロセス処理の第一変動パターン設定処理に対応する処理(第二変動パターン設定処理))でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出表示装置1600に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ等に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板4017にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数(例えば先読み乱数)を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[11.本実施形態の大当り遊技状態について]
本実施形態では、内部に第一受入口2431及び第二受入口2432を有する第二大入賞口2006を備え、第二大入賞口2005の開放中に第二受入口2432を開放状態(振分片2433により第二受入口2432側に遊技球が振り分けられる状態)とし、第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を行い、さらに第二大入賞口2005の開放中に特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)または非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)のいずれかに設定し、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を行っている。ただし、第二大入賞口2005の開放中に特別状態または非特別状態のいずれの期間に設定されているかについては、遊技者に通知しておらず、第二受入口2432に遊技球が振り分けられた(受け入れられた)だけでは、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを判別することができない。このような特別状態中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技例について、図208乃至図211を参照して説明する。
図208(A)は、上記第二受入口2432の閉鎖状態(振分片2433により第一受入口2431側に遊技球が振り分けられる状態)を示す図であり、図208(B)は、上記第二受入口2432の開放状態(振分片2433により第二受入口2432側に遊技球が振り分けられる状態)を示す図である。
上記したようにアタッカユニット2400は、第二大入賞口2006と、第二大入賞口2006を開閉する第二大入賞口扉2413と、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球を検知する第二大入賞口センサ2402と、を備えている。この第二大入賞口扉2413は、第二アタッカソレノイド2109の駆動によって進退するように形成されており、第二アタッカソレノイド2109がOFF(非通電時)のときに第二大入賞口2006を閉鎖し、第二アタッカソレノイド2109がON(通電時)のときに第二大入賞口2006を開放させる。
また、アタッカユニット2400は、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球が流通可能な内部通路2430と、内部通路2430の底部に開口している第一受入口2431及び第二受入口2432と、内部通路2430において遊技球を第一受入口2431又は第二受入口2432の何れかに振り分ける振分片2433と、第一受入口2431に受入れられた遊技球を検知する第一受入口センサ2434と、第二受入口2432に受入れられた遊技球を検知する第二受入口センサ2435と、を備えている。この振分片2433は、振分ソレノイド2110の駆動によって回転するように形成されている。図208(A)に示すように、振分ソレノイド2110がOFF(非作動時)のときには、振分片2433が垂直に立上って第二大入賞口2006と第一受入口2431とを連通させた状態となり、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第一受入口2431側に振り分けられる。一方、図208(B)に示すように、振分ソレノイド2110がON(作動時)のときには、振分片2433の上辺が正面視左方へ移動して内部通路2430の左側の側壁に当接(或いは、接近)して第二大入賞口2006と第二受入口2432とを連通させた状態となり、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432側に振り分けられる。
図209(A)に示す15R大当り遊技状態A時の実行テーブルは、上記主制御MPU1310aのROM4100dに記憶され、1〜15ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、がそれぞれ関連付けされている。同様に、図209(B)に示す15R大当り遊技状態B時の実行テーブルは、上記主制御MPU1310aのROM4100dに記憶され、1〜15ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、がそれぞれ関連付けされている。図210(A)は、15R大当り遊技状態A時の実行テーブルに従って実行される1〜3ラウンド目のタイミングチャートであり、図210(B)は、15R大当り遊技状態B時の実行テーブルに従って実行される1〜3ラウンド目のタイミングチャートである。
図209(A)に示すように、15R大当り遊技状態Aでは、1ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、1ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するときに振分片2433を長時間作動(10秒)するように設定されている。また、1ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
また、15R大当り遊技状態Aでは、2ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するように設定されている。また、2ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)するように設定されている。また、2ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。
また、15R大当り遊技状態Aでは、3ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、3ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、所定時間(4.8秒)が経過した後に長時間作動(10秒)するように設定されている。また、1ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。
図209(B)に示すように、15R大当り遊技状態Bでは、1ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するように設定されている。また、1ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)するように設定されている。また、1ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
また、15R大当り遊技状態Bでは、2ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、2ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、所定時間(4.8秒)が経過した後に長時間作動(10秒)するように設定されている。また、2ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。
また、15R大当り遊技状態Bでは、3ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、3ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するときに振分片2433を長時間作動(10秒)するように設定されている。また、3ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。
図210(A)及び図210(B)に示すように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1〜3ラウンド目の全体として、第二大入賞口2006の開放時間及び開放回数、開放タイミングが全て同じとなっている。また、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1〜3ラウンド目の各々のラウンドにおける第二大入賞口2006の開放時間及び開放回数を異ならせているが、実行中のラウンド数については遊技者に通知していない。このように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1〜3ラウンド目の全体として、第二大入賞口2006の開放パターンを同じにしているため、振分片2433の作動パターン(振分片2433の作動時間や作動タイミング)が一部で異なるものの、15R大当り遊技状態Aであるか又は15R大当り遊技状態Bであるかを遊技者が判別困難となっている。
本実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも1ラウンド目に特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されているが、15R大当り遊技状態Aでは、1ラウンド目における第二大入賞口2006の2回目の開放時に長時間開放(20秒)するため、第二大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが極めて容易であり、さらに第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)する期間中に振分片2433を長時間作動(10秒)するため、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて容易となっている。このように、15R大当り遊技状態Aでは、特別状態に設定された1ラウンド目で第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が極めて高いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて高くなっている。一方、15R大当り遊技状態Bでは、1ラウンド目に第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)しかしないため、第二大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが極めて困難であり、さらに第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2433を短時間作動(0.2秒)しかしないため、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。このように、15R大当り遊技状態Bでは、特別状態に設定された1ラウンド目で第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が極めて低いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて低くなっている。
また、本実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも第二大入賞口2006の1回目の開放時に短時間開放(0.5秒)しかしないため、第二大入賞口2006の1回目の開放時には、第二大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが極めて困難であり、さらに第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2433を短時間作動(0.2秒)しかしないため、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。これに対し、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも第二大入賞口2006の2回目の開放時に長時間開放(20秒)するため、第二大入賞口2006の2回目の開放時には、第二大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが極めて容易であり、さらに第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)する期間中に振分片2433を長時間作動(10秒)するため、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて容易となっている。ただし、15R大当り遊技状態Aでは、第二大入賞口2006の2回目の開放時が1ラウンド目に相当し、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されているが、15R大当り遊技状態Bでは、第二大入賞口2006の2回目の開放時が2ラウンド目に相当し、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。また、第二大入賞口2006の2回目の開放時が何ラウンド目であるのか、加えて、特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかについては、遊技者に通知していない。このため、第二大入賞口2006の2回目の開放時に、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられた(受け入れられた)としても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者が判別困難となっている。
なお、本実施形態では、第二大入賞口2006の開放を開始するときに振分片2433の作動を開始するようにしているが、第二大入賞口2006を閉鎖するよりも前に振分片2433の作動を終了するようにしている。また、第二大入賞口2006の開放を開始するときに特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)又は非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)のいずれかに設定し、第二大入賞口2006を閉鎖した後に次のラウンドを開始するまで、その設定した特別状態又は非特別状態のいずれかを継続するようにしている。このため、振分片2433が作動することにより第二受入口2432に振り分けられた(受け入れられた)遊技球が、第二大入賞口2006が閉鎖した後(振分片2433の作動が終了した後)に第二受入口センサ2433に到達した場合であっても、特別状態又は非特別状態のいずれの期間に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたかを判別できるようになっている。なお、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける1〜3ラウンド目では、特別状態又は非特別状態のいずれに設定されているが、それ以外の期間、例えば、第一大入賞口2005を開放する4〜15ラウンド目では、原則として第二受入口2432に遊技球が受け入れられる(振り分けられる)ことがなく、特別状態及び非特別状態とは異なる無効状態に設定されている。
また、本実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける各々のラウンド(1〜3ラウンド目)では、第二大入賞口2006の開放時間が経過するよりも前であっても、開放状態の第二大入賞口2006に遊技球が最大入賞数(例えば、9個)入賞したときには、開放状態の第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御するようにしている。そして、第二大入賞口2006の開放時間が経過するよりも前に第二大入賞口2006を閉鎖状態にするときには、振分片2433の作動中であれば振分片2433を非作動とするようにしている。ただし、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)又は非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)の設定については、第二大入賞口2006の開放時間が経過するよりも前に第二大入賞口2006を閉鎖状態にした場合であっても、次のラウンドを開始するまでは、その設定した特別状態又は非特別状態のいずれかを継続するようにしている。
また、本実施形態では、振分片2433の動作スケジュールとして、振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、所定時間(4.8秒)が経過した後に振分片2433を長時間開放(10秒)するように設定されている単一の動作スケジュールを有しており、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける各々のラウンド(1〜3ラウンド目)を開始するごとに、そのような振分片2433の動作スケジュールを開始するようにしている。このように、振分片2433の動作スケジュールを単一の動作スケジュールとすることで、振分片2433の動作スケジュールに関するデータ量を極力増加させないようにしている。
なお、第一実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける各々のラウンドで、第二大入賞口2006を2回開放する場合には、第二大入賞口2006の1回目の開放時と2回目の開放時との間に、ラウンド内インターバルとして、4.5秒が設定されている。一方、ラウンド内の第二大入賞口2006の開放を終了したときに当該ラウンドを終了するようにし、その第二大入賞口2006の開放を終了してから次回のラウンドを開始するまでの間に、ラウンド間インターバル時間として、4.5秒が設定されている。このように、ラウンド内インターバル時間と、ラウンド間インターバル時間と、を同じ時間(4.5秒)に設定することで、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の一連の開放パターン(動作パターン)を、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bで近似させることが可能となっている。
図209(A)及び図209(B)に示すように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、4〜15ラウンド目の各々のラウンドにおける第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第一大入賞口2005を長時間開放(30秒)するように設定されている。このように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも4〜15ラウンド目では、1〜3ラウンド目のような第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を行うことがなく、単純に、第一大入賞口2005の開放時に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技を行うこととなる。そして、4〜15ラウンド目の各々のラウンドにおける第一大入賞口2005の開放時間は、1〜3ラウンド目の各々のラウンドにおける第二大入賞口2006の開放時間よりも長く、また、4〜15ラウンド目における第一大入賞口2005の開放により獲得することが可能な賞球量は、1〜3ラウンド目における第二大入賞口2006の開放により獲得することが可能な賞球量よりも多いことから、1〜3ラウンド目における遊技とは異なり、4〜15ラウンド目における遊技を遊技者が安心してゆったりと行うことができるようになっている。
次に、演出表示装置1600における15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの実行時の具体的な演出例について、図211を参照して説明する。本実施形態では、少なくとも15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける1〜3ラウンド目で、演出表示装置1600にて共通の演出を実行するようにしている。
まず、演出表示装置1600では、周辺制御基板1510が受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するように表示制御されるが、装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りAを特定した場合には15R大当りA図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りBを特定した場合には15R大当りB図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御するようにしている。このように、15R大当りA及び15R大当りBのいずれに決定した場合にも、演出表示装置1600に装飾図柄の停止図柄として共通の停止図柄を表示制御することで、装飾図柄の停止図柄からは15R大当りAまたは15R大当りBのいずれかを判別することができない。
次に、周辺制御基板1510が大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)を受信してから1ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信するまでの間、すなわち、上記したステップS190の処理でインターバルタイマにセットされた大当り遊技状態を開始するまでの待機時間が経過するまでの間には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目における遊技方法を説明する説明演出を実行している。具体的には、図211(A)に示すように、演出表示装置1600において、「Vアタッカー開放中にV通過すれば確変かも!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなるチャンスが生じることを遊技者に理解させることができる。
次に、周辺制御基板1510が1ラウンド目の大当り開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信してから3ラウンド目の大当り終了コマンド(3ラウンドA終了コマンド、3ラウンドB終了コマンド)を受信するまでの間、すなわち、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の間には、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように第二受入口2432の開放時(振分片2433の作動時)を狙うべき旨を示す標的指示演出を実行している。具体的には、図211(B)に示すように、演出表示装置1600において、「チャンスモード中!ココを狙え!」というメッセージを遊技者に通知し、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を模写した画像とともに、遊技者が狙うべき第二受入口2432の場所を示す画像を表示している。これにより、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるためには、遊技領域5a上のどこを狙えばよいのかを明確に知ることができる。
本実施形態では、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400の前面側には、カバー部材が設けられているが、そのカバー部材が透明であることから、第二大入賞口2006に遊技球が受け入れられたか否かや、振分片2433が作動しているか否か(第二受入口2432が開放状態であるか否か)、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた(振り分けられた)か否かが視認し易くなっている。また、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目で、演出表示装置1600にて遊技者が狙うべき第二受入口2432の場所を示す画像を表示するだけでなく、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400の背面側からLEDによって照射するようにし、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などの遊技者が狙うべき場所を際立たせるようにしている。一方、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を除いては、遊技領域5aの全体が暗くなるようにLEDなどを発光制御することで、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などの遊技者が狙うべき場所を相対的に際立たせるようにしている。これにより、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるためには、遊技領域5a上のどこを狙えばよいのかを容易に把握することができる。なお、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目が開始される前に実行される説明演出においても同様に、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などの遊技者が狙うべき場所を際立たせるようにしてもよい。また、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目においては、遊技盤5の構成上、実際に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かを遊技者が視認できるようになっているが、第二受入口2432に遊技球が受け入れられる際にも、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400の背面側からLEDによって照射されていることで、そのような第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かの遊技者の視認がより容易となるようになっている。
なお、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433を遊技者に識別容易に際立たせる手法の別例として以下のようにしてもよい。例えば、「第二大入賞口2006を開閉動作の識別が容易な構造(例えば、電チュー型や、開閉扉が前方傾斜する開放型など)としておくこと」、「第二大入賞口2006の開口面積を第一大入賞口2005の開口面積よりも大きくしておくこと」等が例示できる。
次に、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目のうち、周辺制御基板1510が第二受入口通過コマンドAまたは第二受入口コマンドBを受信したとき、すなわち、特別状態または非特別状態のいずれかの期間内に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるごとに、その第二受入口2432に遊技球が受け入れられた旨を示すV通過時演出を実行している。具体的には、第二受入口通過フラグがセットされる前の特別状態にて第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとき(特別状態にて初めて第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとき)と、第二受入口通過フラグがセットされた後の特別状態にて第二受入口2432に遊技球が受け入れられとき(特別状態にて第二受入口2432に2個目以降の遊技球が受け入れられたとき)と、非特別状態にて第二受入口2432に遊技球が受け入れられときに、第二受入口通過コマンドAまたは第二受入口通過コマンドBをセットすることに基づいて、図211(C)に示すように、演出表示装置1600において、「V通過!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、例えば実際に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かを遊技者が見逃した場合であっても、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた旨を明確に知ることができ、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる期待を高めることができる。
本実施形態では、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されているか又は非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されているかについては、遊技者に通知していない。また、演出表示装置1600においては、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合(第二受入口通過コマンドAの受信時)と、非特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合(第二受入口通過コマンドBの受信時)と、で共通となるV通過時演出を実行している。このため、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても、その第二受入口2432に遊技球が受け入れられた期間が特別状態に設定されていたか又は非特別状態に設定されていたか、すなわち、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを判別することができない。
また、本実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目において、第二受入口2432に受け入れることが可能な遊技球の数に制限がないため、第二受入口2432に受け入れられる遊技球が多くなるほど、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる確率が高くなるように見せている。そして、演出表示装置1600においては、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた旨を示すV通過時演出を実行した後、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目が終了していない限りは、図211(B)に示した標的指示演出(第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように第二受入口2432の開放時(振分片2433の作動時)を狙うべき旨を示す演出)の実行に戻すようにしている。これにより、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目が終了していない限りは、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように遊技者が努力するべきであることを認識させることができる。なお、演出表示装置1600においては、特別状態または非特別状態のいずれかの期間内に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるごとに、その第二受入口2432に遊技球が受け入れられた旨を示すV通過時演出を実行するだけでなく、特別状態または非特別状態のいずれかの期間内に第二受入口2432に受け入れられた遊技球のトータルの個数を表示するようにしてもよい。
次に、周辺制御基板1510が4ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(4ラウンドA開始コマンド、4ラウンドB開始コマンド)を受信した後、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの4〜15ラウンド目の間には、1〜3ラウンド目のような第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技ではなく、単純に、第一大入賞口2005の開放時に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技を行うことから、その遊技の期間中を楽しませるための大当り遊技中演出を実行している。具体的には、図211(D)に示すように、演出表示装置1600において、4〜15ラウンド目の各々で実行されているラウンド数を表示しているが、その他にも、大当り遊技状態以外で表示されることがない特典映像、第一大入賞口2005の開放時に受け入れられた遊技球の個数や、第一大入賞口2005に遊技球が受け入れられたことに基づいて払い出される遊技球の個数(トータルの賞球数)などを表示するようにしている。
本実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目において、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを判別することができないが、その後の遊技において、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか(制御したか)又は高確率状態に制御しないか(制御していないか)を判別できるようにしている。例えば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの4〜15ラウンド目の実行中において、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者に通知したり、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの15ラウンド目の終了時(終了前後)において、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者に通知したり、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの終了後から特別図柄の変動表示として数変動〜数十変動が行われた後に、高確率状態に制御されているか又は高確率状態に制御されていないかを遊技者に通知したりすればよい。これらのうち、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの終了後にも、高確率状態に制御されているか又は高確率状態に制御されていないかを潜伏させる場合には、高確率状態に制御されているかも知れないという期待をもって遊技を継続させることができる。
以上、本実施形態(第一実施形態)によれば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間(第二受入口2432を有する第二大入賞口2006の開放中)に特別状態及び非特別状態のいずれかを設定することで、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた(振り分けられた)としても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者が判別困難となる。これにより、第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても遊技者に安心感を与えず、高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかの期待感や緊張感を遊技者に与えたまま大当り遊技を継続させることが可能となる。
また、第一実施形態によれば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間(第二受入口2432を有する第二大入賞口2006が複数回開放する期間)のうち「特別状態に設定されている割合(特別状態に滞在する割合)」を大当り遊技状態ごと(15R大当り遊技状態A、15R大当り遊技状態B)に異ならせている。すなわち、特別状態に設定されている割合(特別状態に滞在する割合)が相対的に多い15R大当り遊技状態Aでは、特別状態に設定されている割合(特別状態に滞在する割合)が相対的に少ない15R大当り遊技状態Bに比べて、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる可能性が高められ、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた際に高確率状態が発生する可能性が高くなる。これにより、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた際に高確率状態が付与される可能性の高い大当り遊技状態(15R大当り遊技状態A)と、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた際に高確率状態が付与される可能性の低い大当り遊技状態(15R大当り遊技状態B)とにより遊技にメリハリを与え、従来の予め定められた時期(特定のラウンド)でV入賞(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることに相当)可能に大入賞口が長時間開放するだけの遊技機に比べて、遊技が単調になることを防止することができる。
また、第一実施形態によれば、前述したように、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた際に高確率状態が付与される可能性の高い大当り遊技状態(15R大当り遊技状態A)と、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた際に高確率状態が付与される可能性の低い大当り遊技状態(15R大当り遊技状態B)とを設けることで、「今回の大当り遊技状態が特別状態の発生割合が多い大当り遊技状態であること」に遊技者を期待、注目させるゲームを実現することができる。
また、第一実施形態によれば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)のうち1ラウンド目(特定のラウンド)に特別状態を発生させるようにし、15R大当り遊技状態Aの1ラウンド目における第二大入賞口2006の開閉態様(開放時間や開放回数、開放タイミングなど)と、15R大当り遊技状態Bの1ラウンド目及び2ラウンド目(非特別状態を発生させる非特定のラウンド)にまたがる第二大入賞口2006の開閉態様と、を同じにしている。これにより、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間のうち1ラウンド目に特別状態を発生させるにも関わらず、第二大入賞口2006の開閉態様から1ラウンド目であるか否かを判別困難にでき、上述したゲーム性をより効果的に実現することができる。
また、第一実施形態によれば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)のうち1ラウンド目(特定のラウンド)に特別状態を発生させるようにし、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1ラウンド目における第二大入賞口2006の開放回数を異ならせつつ(15R大当り遊技状態Aでは2回、15R大当り遊技状態Bでは1回)、2〜3ラウンド目における第二大入賞口2006の開放回数を異ならせている(15R大当り遊技状態Aでは合計2回、15R大当り遊技状態Bでは合計3回)。その際、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1ラウンド目における第二大入賞口2006の開放回数を異ならせながらも、1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の総開放回数が同じとなるように、2〜3ラウンド目における第二大入賞口2006の開放回数を設定することで、1〜3ラウンドの発生期間のうち1ラウンド目に特別状態を発生させるにも関わらず、第二大入賞口2006の開閉動作から何ラウンド目が行われているかを判別困難にでき、上述したゲーム性をより効果的に実現することができる。
また、第一実施形態によれば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)における第二大入賞口2006の一連の開閉態様を、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bで同じにすることで、第二大入賞口2006の開放動作を見ても特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかを判別困難(または判別不能)にでき、上述したゲーム性をより効果的に実現することができる。
また、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の一連の開閉態様の一部を近似する程度であれば異なるように構成してもよい。例えば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の複数回の開放動作のうち一部の開放動作における開放時間や開放タイミング、或いは第二大入賞口2006の開放回数を近似する程度に異ならせることが例示できる。こうした形態の第1の例としては、第一実施形態の15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の一連の開閉態様として、第一実施形態の15R大当り遊技状態Aと同様に「短開放→長開放→短開放→長開放」という大まかな開閉パターンを共通としながらも、第二大入賞口2006の1回目の開放時間を「0.5秒」でなく「0.8秒」に変更したもの(若干長い時間に変更したもの)や、第二大入賞口2006の2回目の開放時間を「20秒」でなく「19秒」に変更したもの(若干短い時間に変更したもの)が例示できる。なお、15R大当り遊技状態Aと相違する開放時間の差分は、遊技者が判別困難な程度であればよく、前述したものに限るものではない。第2の例としては、第一実施形態の15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の一連の開閉態様として、第一実施形態の15R大当り遊技状態Aと同様に「短開放→長開放→短開放→長開放」という大まかな開閉パターンを共通としながらも、第二大入賞口2006の1回目の開放と2回目の開放の間の閉鎖時間(ラウンド間インターバルやラウンド内インターバル)を「4.5秒」でなく「4.7秒」に変更して開放タイミングを若干遅延させたものや「4.2秒」に変更して開放タイミングを若干早めたものが例示できる。なお、15R大当り遊技状態Aと相違する閉鎖時間の差分は、遊技者が判別困難な程度であればよく、前述したものに限るものではない。第3の例としては、第一実施形態の15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の一連の開閉態様として、第一実施形態の15R大当り遊技状態Aと同様の「短開放→長開放」という大まかな開閉パターンを有しながらも、その開閉パターンの前後に別の短開放(例えば第二大入賞口2006を0.5秒で1回開放させる)を加えて開放回数を若干増やしたものや、第一実施形態の15R大当り遊技状態Aの「短開放→長開放→短開放→長開放」という大まかな開閉パターンのうち、2回目の短開放を除いて開放回数を若干減らしたものが例示できる。なお、15R大当り遊技状態Aと相違する開放回数の差分は、遊技者が判別困難な程度であればよく、前述したものに限るものではない。これらのように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における第二大入賞口2006の一連の開閉態様を、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bで近似する程度の変更とすることで、第二大入賞口2006の開放動作を見ても特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかを判別困難にでき、上述したゲーム性と同等のゲーム性を実現することができる。
また、第二大入賞口2006の一連の開閉態様には、第二大入賞口2006内に設けられた振分片2433の作動態様が含まれてもよく、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における振分片2433の作動時間や作動タイミングを一部で異ならせているものの、少なくとも振分片2433の作動回数を同じ(第一実施形態では5回)にすることで、振分片2433の作動態様が含まれる第二大入賞口2006の一連の開閉態様を、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bで近似させており、このように近似させた場合にも、第二大入賞口2006の開放動作及び振分片2433の動作を見ても特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかを判別困難にでき、上述したゲーム性と同等のゲーム性を実現することができる。ただし、後述する第一実施形態の変形例のように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間における振分片2433の作動回数だけでなく、振分片2433の作動時間や作動タイミングも同じにし、振分片2433の作動態様が含まれる第二大入賞口2006の一連の開閉態様を、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bで同じにしてもよく、このように同じとした場合にも、第二大入賞口2006の開放動作及び振分片2433の動作を見ても特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかを判別困難(または判別不能)にでき、上述したゲーム性をより効果的に実現することができる。
また、第一実施形態によれば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間(第二受入口2432を有する第二大入賞口2006が複数回開放する期間)のうち振分片2433の作動時には、第二受入口2432の状態設定スケジュールに従って、特別状態又は非特別状態のいずれかが設定されている。このため、上記したように第二大入賞口2006の開放動作を見ても特別状態又は非特別状態のいずれに設定されているかが判別困難であるものの、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれに制御されているかを予測するとともに、第二大入賞口2006の何回目の開放が特別状態に設定されているかを予測しながら、第二受入口2432に遊技球が受け入れられる(振り分けられる)かどうかの遊技を楽しませることができる。
また、第一実施形態のように、各大当り遊技状態にて特別状態および非特別状態を設定して第二受入口2432に遊技球を受け入れ可能にすることで、「各当り遊技状態における高確率状態の発生難易」、「各当り遊技状態における高確率状態の発生契機となる第二受入口2432への遊技球の受入可能時期、あるいは、高確率状態の発生契機とならない第二受入口2432への遊技球の受入可能時期」を遊技設計者の意図を反映するかたちで制御できる。よって、遊技設計者の意図しない高確率状態が発生すること等を抑制して、上述のゲーム性を確実に実現できる。
また、第一実施形態によれば、従来に比して以下のような遊技効果も奏することができる。すなわち、従来の「V入賞(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることに相当)することに基づいて高確率状態に制御する遊技機」では、大入賞口内に入球容易な態様(例えば長時間開放)で大入賞口を開放する有利な大当り遊技状態と、大入賞口内に入球困難な態様(例えば短時間開放)で大入賞口を開放する不利な大当り遊技状態とを設け、遊技設計者によってあらかじめ設定された各大当り遊技状態の発生率に基づいて、実質的に高確率状態の発生有無(発生難易)を制御していた。しかしながら、こうした従来の遊技機では、大当り遊技状態にて入球容易な態様で大入賞口が開放するか否かによって、一見して高確率状態の発生有無(発生難易)が遊技者に認識されてしまてしまう問題があった。例えば、有利な大当り遊技状態では、入球容易な態様で大入賞口が開放されることで高確率状態に制御される可能性が高いことが認識されてしまい、その時点で遊技者に安心感を与えてしまう場合がある。この場合、大入賞口への入球およびV入賞を生ずるための遊技球の発射操作が単なる作業となってしまい、発射された遊技球の挙動に注目させる遊技機本来の面白みが損なわれ、遊技興趣の低下を招く虞があった。また、不利な大当り遊技状態では、入球困難な態様で大入賞口が開放されることで、高確率状態に制御される可能性が低いことが認識されてしまい、その時点で遊技者に残念感を与えてしまうことがある。この場合にも、遊技意欲を減退させてしまう可能性があり、遊技興趣の低下を招く虞があった。これに対し、第一実施形態によれば、V入賞(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることに相当)することに基づいて高確率状態に制御する従来の基本構成を有しつつも、各大当り遊技状態(15R大当り遊技状態A、15R大当り遊技状態B)にて入球容易な態様で第二大入賞口2006を開放可能としつつ、第二大入賞口2006が開放するなかで特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)および非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)を判別困難に発生させることとしている。これにより、遊技設計者によって予め設定された各大当り遊技状態の発生率に基づいて高確率状態の発生有無(発生難易)を制御可能としながらも、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御される可能性を大入賞口の動作から判別不能にでき、各大当り遊技状態中に第二大入賞口2006および第二受入口2432に積極的に遊技球を入球させる遊技意欲を遊技者に与え続けるとともに、発射された遊技球が第二大入賞口2006および第二受入口2432に入球するかの挙動に注目させる遊技機本来の面白みを付与することが可能となる。結果、大当り遊技状態中に遊技興趣の低下を招くことを抑制することが可能となる。
また、第一実施形態によれば、「特別状態」は、第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容される(有効化される)状態であり、「非特別状態」は、第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容されない(無効化される)状態である。これにより、「特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときには必ず、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御し、一方、「非特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととしている。これに対し、「特別状態」及び「非特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときにそれぞれ大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか否かの抽選を行い、その抽選の結果に基づいて大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するようにし、さらに「特別状態」では大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる抽選の結果を導出する割合が「非特別状態」に比べて高くなるようにしてもよい。具体的には、「大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する割合が高くなるように設定された特別状態用の確率テーブル」と、「大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する割合が特別状態用の確率テーブルに比べて低くなるように設定された非特別状態用の確率テーブル」とを有し、「特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときには、主制御MPU1310aが所定の抽選用乱数(0〜99の乱数値)を取得するとともに、その取得した抽選用乱数を「特別状態用の確率テーブル(複数個の当り値が設定される)」を用いて当り値と一致するか否かの判定(抽選)を行うことで、抽選の結果、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる割合を高くすることができる。一方、「非特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときには、主制御MPU1310aが所定の抽選用乱数(0〜99の乱数値)を取得するとともに、その取得した抽選用乱数を「非特別状態用の確率テーブル(特別状態用の確率テーブルよりも少ない個数の当り値が設定される)」を用いて当り値と一致するか否かの判定(抽選)を行うことで、抽選の結果、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる割合を「非特別状態」に比べて低くすることができる。そして、例えば、「特別状態用の確率テーブル」で大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することなる結果を導出する割合を、90/100程度に設定することで、「特別状態」中に複数個の遊技球が受け入れられることにより殆どの場合で、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するようにすることができる。また、「非特別状態用の確率テーブル」で大当り遊技状態の終了後に刻確率状態に制御することとなる割合を、1/100程度に設定することで、「非特別状態」中に複数個の遊技球が受け入れられたとしても殆どの場合で、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないようにすることができる。このような場合にも、第二大入賞口2006が開放するなかで「特別状態」及び「非特別状態」のいずれかを第二大入賞口2006の動作から判別困難とするとともに、少なくとも「特別状態」及び「非特別状態」が終了するまで(第一実施形態では3ラウンド目が終了するまで)抽選の結果を通知しないようにすることで、各大当り遊技状態中に第二大入賞口2006および第二受入口2432に積極的に遊技球を入球させる遊技意欲を遊技者に与え続けるとともに、発射された遊技球が第二大入賞口2006および第二受入口2432に入球するかの挙動に注目させる遊技機本来の面白みを付与することが可能となる。結果、大当り遊技状態中に遊技興趣の低下を招くことを抑制することが可能となる。なお、後述する第一実施形態の変形例や、第二実施形態においても、このような抽選を行うようにしてもよい。
また、上記では、「特別状態」及び「非特別状態」のいずれの場合にも、第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときに、それぞれ大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか否かの抽選を行うようにしているが、「特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときには、この抽選を行うことなく(例えば、抽選用乱数を取得しない)第一実施形態と同様の処理で大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとし、「非特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときには、この抽選を行うことによって大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか否かを決定するようにしてもよい。このような場合には、「非特別状態」で抽選が行われることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる割合が「特別状態」に比べて低くなるものの、「非特別状態」でも大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御される可能性が残されることから、各大当り遊技状態中に第二大入賞口2006および第二受入口2432に期待をもって遊技球を入球させることができるとともに、上記と同様の効果を奏することができる。一方、「特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときには、抽選を行うことによって大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか否かを決定することとし、「非特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたときには、抽選を行うことなく(例えば、抽選用乱数を取得しない)第一実施形態と同様の処理で大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないようにしてもよい。このような場合には、「特別状態」で抽選が行われることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる割合が「非特別状態」に比べて高くなるものの、「特別状態」で第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが確定しないことから、各大当り遊技状態中に遊技者に安心感を与えることなく第二大入賞口2006および第二受入口2432への遊技球の入球を継続させることができるとともに、上記と同様の効果を奏することができる。
[11−1.本実施形態の変形例の大当り遊技状態について]
上記した実施形態(第一実施形態)では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける1〜3ラウンド目の全体として、第二大入賞口2006の開放時間及び開放回数、開放タイミングが全て同じとしているが、振分片2433の作動パターン(振分片2433の作動時間や作動タイミング)が一部で異なっているため、15R大当り遊技状態Aであるか又は15R大当り遊技状態Bであるかを遊技者が判別困難であるものの、判別不可能ではない仕様となっている。これに対し、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける1〜3ラウンド目の全体として、第二大入賞口2006の開放時間及び開放回数、開放タイミングだけでなく、振分片2433の作動パターン(振分片2433の作動時間や作動タイミング)も同じとすることで、15R大当り遊技状態Aであるか又は15R大当り遊技状態Bであるかを遊技者が判別不可能とする仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第一実施形態の変形例として、図212及び図213を参照して説明する。図212(A)は、第一実施形態の変形例における15R大当り遊技状態A時の実行テーブルであり、図212(B)は、第一実施形態の変形例における15R大当り遊技状態B時の実行テーブルである。図213(A)は、第一実施形態の変形例における15R大当り遊技状態A時の実行テーブルに従って実行される1〜3ラウンド目のタイミングチャートであり、図213(B)は、第一実施形態の変形例における15R大当り遊技状態B時の実行テーブルに従って実行される1〜3ラウンド目のタイミングチャートである。なお、図212(A)は、図209(A)に示した第一実施形態における15R大当り遊技状態A時の実行テーブルと同じであり、図213(A)は、図210(A)に示した第一実施形態における15R大当り遊技状態A時の実行テーブルに従って実行される1〜3ラウンド目のタイミングチャートと同じであることから、説明は省略する。
図212(B)に示すように、15R大当り遊技状態Bでは、1ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するように設定されている。また、1ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)するように設定されている。また、1ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
また、15R大当り遊技状態Bでは、2ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、2ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するときに振分片2433を長時間作動(10秒)するように設定されている。また、2ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。
また、15R大当り遊技状態Bでは、3ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、3ラウンド目における振分片2433の動作スケジュールとして、第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、第二大入賞口2006を長時間開放(20秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、所定時間(4.8秒)が経過した後に長時間作動(10秒)するように設定されている。また、3ラウンド目における第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。
図213(A)及び図213(B)に示すように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1〜3ラウンド目の全体として、第二大入賞口2006の開放時間及び開放回数、開放タイミングが全て同じとなっている。また、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1〜3ラウンド目の各々のラウンドにおける第二大入賞口2006の開放時間及び開放回数を異ならせているが、実行中のラウンド数については遊技者に通知していない。そして、第一実施形態の変形例では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける1〜3ラウンド目の全体として、振分片2433の作動時間及び作動回数、作動タイミングが全て同じとなっている。このように、第一実施形態の変形例では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける1〜3ラウンド目の全体として、第二大入賞口2006の開放パターンだけでなく、振分片2433の作動パターンも同じにしているため、15R大当り遊技状態Aであるか又は15R大当り遊技状態Bであるかを遊技者が判別不可能となっている。したがって、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを判別することができないが、その後の遊技において、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか(制御したか)又は高確率状態に制御しないか(制御していないか)を判別可能となるまでの間、緊張感をもって遊技を行わせることができる。
以上、第一実施形態の変形例によれば、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンドの発生期間(特別状態及び非特別状態が設定される間)における振分片2433の一連の動作パターンを、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bで近似させることで、振分片2433の動作を見ても特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかを判別困難にでき、第一実施形態のゲーム性をより効果的に実現することができる。
上記した実施形態(第一実施形態)では、第一大入賞口2005と、内部に第一受入口2431及び第二受入口2432を有する第二大入賞口2006と、の2つの大入賞口を備えているが、第一大入賞口2005を備えることなく、第二大入賞口2006のみを備えるようにしてもよい。このような場合には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも4〜15ラウンド目で、第二大入賞口2005を1回ずつ長時間(例えば20秒)開放するように設定すればよい。そして、第二大入賞口2005の開放中には、第二受入口2432を常時閉鎖状態(振分片2433により第一受入口2431側に遊技球が振り分けられる状態)とすることで、1〜3ラウンド目のような第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を行うことがなく、単純に、第二大入賞口2006の開放時に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技を行うようにすればよい。このように、第二大入賞口2006のみを備えるようにした場合には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける1〜3ラウンド目と、4〜15ラウンド目と、で遊技者が狙うべき大入賞口(第二大入賞口2006)が同じとなることから、遊技球の発射強度を変化させるなどの行為が不要となり、4〜15ラウンド目も継続した遊技を行わせることができる。
上記した実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも第二大入賞口2006の1回目の開放時に短時間開放(0.5秒)しかしないため、第二大入賞口2006の1回目の開放時には、第二大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが極めて困難であり、さらに第二大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2433を短時間作動(0.2秒)しかしないため、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。これに対し、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも第二大入賞口2006の1回目の開放時に、第二大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが可能な程度に開放(例えば、2秒)し、さらに第二大入賞口2006を開放する期間中に振分片2433を、第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)ことが可能な程度に作動(例えば、1秒)するようにしてもよい。これにより、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも第二大入賞口2006の2回目の開放時よりも、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが困難ではあるが、そのような第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)ことが可能となることから、第二大入賞口2006の1回目の開放時においても、第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を楽しませることができるようになる。
また、第二大入賞口2006の3回目の開放時まで特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定される15R大当り遊技状態Cを別個に設け、第二大入賞口2006の1回目の開放時よりも2回目の開放時のほうが、第二大入賞口2006の2回目の開放時よりも3回目の開放時のほうが、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)確率が高くなるように(例えば、第二大入賞口2006の開放時間及び振分片2433の作動時間を段階的に長くするように)構成してもよい。これにより、第二大入賞口2006の1回目の開放時には、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが困難ではあるが、15R大当り遊技状態A〜Cのいずれの実行時でも特別状態に設定されており、第二受入口2432に遊技球が振り分けられた(受け入れられた)場合における高確率状態に制御する確率が高くなっている(本例では100%)。これに対し、第二大入賞口2006の2,3回目の開放時には、第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが容易ではあるが、第二大入賞口2006の2回目の開放時に15R大当り遊技状態A,Cの実行時、第二大入賞口2006の3回目の開放時に15R大当り遊技状態Cの実行時しか特別状態に設定されておらず、第二受入口2432に遊技球が振り分けられた(受け入れられた)場合における高確率状態に制御する確率が、第二大入賞口2006の開放回数が増加するほど低くなっている。したがって、第二大入賞口2006の2,3回目の開放時のうち、第二大入賞口2006の開放回数が増加するほど第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)確率が高くはなるが、相反して高確率状態に制御する確率が低くなるという斬新な遊技を楽しませることができるようになる。
上記したように、第一実施形態の変形例として、第二大入賞口2006の1回目の開放時に対する開放時間を若干長く(例えば2秒)し、第二大入賞口2006の1回目の開放時における遊技球の入球可能性を高めることとしてもよい。第一実施形態では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bで、特別状態の開始時期を同じとしつつ、特別状態の終了時期を異ならせることとしているため、本構成を用いることで、「第二受入口2432に遊技球が受け入れられることが可能とされる第二大入賞口2006の複数回開放が開始されてからできるだけ早く第二受入口2432に遊技球が受け入れられることで、利益付与(高確率状態の付与)の可能性が高まる」という特異なゲーム性も実現可能となる。こうしたゲーム性により、従来に比して「第二受入口2432に遊技球が受け入れられるタイミング」に遊技者を注目させる新たな面白みを付加することができる。
[11−2.本実施形態の別演出例について]
[11−2−1.第一の別演出例]
上記した実施形態(第一実施形態)では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)において、第二受入口2432に遊技球が受け入れられる(振り分けられる)かどうかの遊技が行われているが、演出表示装置1600にて共通の演出を実行することで、演出からは15R大当り遊技状態Aであるか又は15R大当り遊技状態Bであるかを遊技者が判別困難としている。このため、第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態が付与される可能性が高いのかどうかすら判別できない仕様となっている。これに対し、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間において、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて実行するようにし、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた際に高確率状態が付与される可能性が高いのかどうかを判別可能とする仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第一の別演出例として、図214乃至図216を参照して説明する。
まず、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて決定される示唆演出の決定方法について説明する。演出制御処理(ステップS602)において、周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド(大当りの種類に応じた大当り開始コマンドでもよい。)から15R大当りAを特定した場合には、図214に示す15R大当りA時の演出パターン決定テーブルを選択し、15R大当りBを特定した場合には、図214に示す15R大当りB時の演出パターン決定テーブルを選択する。そして、乱数更新処理(ステップS606)で更新されている各種乱数のうち演出パターン決定乱数を読み出し、該読み出した演出パターン決定乱数と上記選択した演出パターン決定テーブルとを比較することにより、6種類の演出パターン(演出パターン0〜5)からいずれかの演出パターンを決定する。これにより、演出パターンに基づいた演出として、演出パターン0が決定された場合には、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を実行することがなく、演出パターン1〜5に決定された場合には、1〜3ラウンド目の発生期間のうち演出パターンの種類によって指定された期間に示唆演出を実行するようにしている。
図215に示すように、演出パターン0は、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を実行しない演出パターンであり、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間には、第一実施形態と同様に、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように第二受入口2432の開放時(振分片2433の作動時)を狙うべき旨を示す標的指示演出を実行することとなる。
また、図215に示すように、演出パターン1〜5は、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を実行する演出パターンであり、それぞれの演出パターンで、示唆演出を実行する期間が異なるようにしている。具体的には、示唆演出を実行する期間として、演出パターン1には、第二大入賞口2006の1回目の開放終了時から2回目の開放開始時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出パターン2には、第二大入賞口2006の2回目の開放開始時から所定時間(4.5秒)が経過するまでの期間、演出パターン3には、第二大入賞口2006の2回目の開放終了時から3回目の開放開始時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出パターン4には、第二大入賞口2006の3回目の開放終了時から4回目の開放開始時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出パターン5には、第二大入賞口2006の4回目の開放開始時から所定時間(4.5秒)が経過するまでの期間が設定されている。このように、示唆演出を実行する期間は、所定時間(4.5秒)で統一されながらも、第二大入賞口2006の開放期間だけでなく、閉鎖期間(インターバル時間)にも設定されていることで、示唆演出がいつ実行されるかを分かり難くし、突然的に示唆演出が実行されるかのように見せることができる。
また、演出パターンとして演出パターン1〜5に決定された場合には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1ラウンド目の開始時から、演出パターン0と同様の標的指示演出を実行するが、演出パターンの種類によって指定された期間の開始タイミングで、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出に切り替えて実行するようにしている。そして、示唆演出を実行した後、すなわち演出パターンの種類によって指定された期間が終了した後、1〜3ラウンド目の発生期間が終了するまでの期間(4ラウンド目を開始するまでの期間)には、演出パターン0と同様の標的指示演出に戻らず、標的指示演出とは異なる専用演出を実行するようにしている。本演出例では、専用演出として、演出表示装置1600における背景画像を、標的指示演出の実行時とは異なる赤色の背景画像に変更しているが、示唆演出の実行後である旨が判別し得るものであればよく、例えば、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400の背面側から照射されるLEDを、標的指示演出の実行時とは異なる配色で発光制御したり、遊技盤5に設けた各種可動体を、突然的に作動したりしてもよい。なお、このような専用演出は、示唆演出の実行後ではなく、示唆演出の実行中から実行するようにしてもよい。
図214に示す演出パターン決定テーブルは、上記周辺制御MPU1511aの周辺制御ROM1511bに記憶され、15R大当りAが決定されている場合に使用する15R大当りA時の演出パターン決定テーブルと、15R大当りBが決定されている場合に使用する15R大当りB時の演出パターン決定テーブルと、を備えている。そして、15R大当りA時の演出パターン決定テーブルには、演出パターン0に対して10個の判定値が設定され、演出パターン1〜5のそれぞれに対して18個の判定値が設定されている。一方、15R大当りB時の演出パターン決定テーブルには、演出パターン0に対して90個の判定値が設定され、演出パターン1〜5のそれぞれに対して2個の判定値が設定されている。
上記したように、15R大当りA時の演出パターン決定テーブルでは、示唆演出を実行する演出パターン1〜5に対して合計90個の判定値が設定されているのに対し、15R大当りB時の演出パターン決定テーブルでは、示唆演出を実行する演出パターン1〜5に対して合計10個の判定値が設定されている。すなわち、大当りAが決定されている場合には、90%の割合で示唆演出を実行するのに対し、大当りBが決定されている場合には、10%の割合で示唆演出を実行する。このように、大当りの種類によって示唆演出の実行割合を異ならせることで、示唆演出の実行によって15R大当りAである可能性が高い旨を示唆するようにしている。そして、示唆演出の実行によって15R大当りAである可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りAが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、1〜3ラウンド目の発生期間における遊技(第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技)を、高確率状態となる期待をもって行わせることができる。
また、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出パターン決定テーブルには、示唆演出を実行する演出パターン1〜5のそれぞれに対して均等に判定値が設定(15R大当りA時には18個ずつ、15R大当りB時には2個ずつ)されることで、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれでの示唆演出の実行割合が同じとなっている。これに対し、示唆演出を実行する演出パターン1〜5のそれぞれに対して設定される判定値の数を異ならせ、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれでの示唆演出の実行割合が異なるようにしてもよい。例えば、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出パターン決定テーブルでは、演出パターン1>演出パターン2>演出パターン3>演出パターン4>演出パターン5の順で判定値が多くなるように設定することで、1〜3ラウンド目の発生期間のうち早い段階での示唆演出の実行割合が高くなり、早い段階から15R大当りAである可能性が高い旨を認識する割合が高くなる。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間のうち早い段階から、第二大入賞口2006及び第二受入口2432に遊技球を入球させようとする意欲が高くなり、高確率状態となる期待をもって遊技を行わせることができる。
また、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出パターン決定テーブルには、示唆演出を実行する演出パターン1〜5のそれぞれに対して均等に判定値が設定(15R大当りA時には18個ずつ、15R大当りB時には2個ずつ)されることで、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれで示唆演出が実行された際に、15R大当りAである可能性(期待度)が同じとなっている。これに対し、示唆演出を実行する演出パターン1〜5のそれぞれに対して設定される判定値の数を異ならせ、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれで示唆演出が実行された場合における、15R大当りAである可能性(期待度)が異なるようにしてもよい。例えば、15R大当りA時の演出パターン決定テーブルでは、演出パターン1<演出パターン2<演出パターン3<演出パターン4<演出パターン5の順で判定値が多くなるように設定し、15R大当りB時の演出パターン決定テーブルでは、演出パターン1>演出パターン2>演出パターン3>演出パターン4>演出パターン5の順で判定値が多くなるように設定することで、1〜3ラウンド目の発生期間のうち遅い段階で示唆演出が実行されるほど、15R大当りAである可能性(期待度)が高くなる。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間のうち早い段階で示唆演出が実行されなくても、遅い段階で示唆演出が実行されるほど、15R大当りAである可能性(期待度)が高くなることから、その後の段階で示唆演出が実行されるかどうかに期待をもって注目させることができる。
次に、第一の別演出例として15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)に示唆演出が実行される場合について、演出表示装置1600における示唆演出の実行時の具体的な演出例を、図216を参照して説明する。
まず、第一実施形態の演出例と同様に、周辺制御基板1510が大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)を受信してから1ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信するまでの間、すなわち、上記したステップS190の処理でインターバルタイマにセットされた大当り遊技状態を開始するまでの待機時間が経過するまでの間には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目における遊技方法を説明する説明演出を実行している。具体的には、図216(A)に示すように、演出表示装置1600において、「Vアタッカー開放中にV通過すれば確変かも!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなるチャンスが生じることを遊技者に理解させることができる。
次に、第一実施形態の演出例と同様に、周辺制御基板1510が1ラウンド目の大当り開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信してから3ラウンド目の大当り終了コマンド(3ラウンドA終了コマンド、3ラウンドB終了コマンド)を受信するまでの間、すなわち、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の間には、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように第二受入口2432の開放時(振分片2433の作動時)を狙うべき旨を示す標的指示演出を実行している。具体的には、図216(B)に示すように、演出表示装置1600において、「チャレンジ中!ココを狙え!」というメッセージを遊技者に通知し、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を模写した画像とともに、遊技者が狙うべき第二受入口2432の場所を示す画像を表示している。これにより、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるためには、遊技領域5a上のどこを狙えばよいのかを明確に知ることができる。
次に、演出パターンとして示唆演出を実行する演出パターン1〜5が決定されている場合には、1〜3ラウンド目の発生期間のうち演出パターンの種類によって指定された期間において、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を実行している。具体的には、図216(C)に示すように、演出表示装置1600において、「大チャンス!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、15R大当りAである可能性が高い、すなわち実行中の大当り遊技状態が15R大当り遊技状態Aである可能性が高い旨を遊技者に認識させることができる。そして、示唆演出の実行によって15R大当りAである可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りAが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、1〜3ラウンド目の発生期間における遊技(第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技)を、高確率状態となる期待をもって行わせることができる。
なお、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)において、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を実行可能としているが、示唆演出が行われたときの遊技状況が「未だV通過していない(第二受入口2432に遊技球が受け入れられていない)遊技状況下」であれば、示唆演出の実行により、V通過に対する意欲、緊張感を一層高め、大当り遊技状態中の遊技興趣を向上させることができる。一方、示唆演出が行われたときの遊技状況が「既にV通過した後(第二受入口2432に遊技球が受け入れられた後)の遊技状況下」であれば、示唆演出の実行により、安心感や期待感を与えると共に、更なるV入賞に向けての意欲を高め、大当り遊技状態中の遊技興趣を向上させることができる。このように、V通過にかかる遊技(第二受入口2432に遊技球が受け入れられる(振り分けられる)かどうかの遊技)を実行している最中に示唆演出を行うことで、「V通過後に示唆演出が行われる場合」と「V通過前に示唆演出が行われる場合」とで遊技者に異なる印象を与えることができ、そのときの遊技状況に応じたかたちで遊技興趣を高めることが可能となる。
次いで、1〜3ラウンド目の発生期間のうち演出パターンの種類によって指定された期間において、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出が実行された後には、標的指示演出とは背景色が異なる専用演出を実行している。具体的には、図216(D)に示すように、演出表示装置1600において、「大チャンス中!ココを狙え!」というメッセージを遊技者に通知するとともに、演出表示装置1600における背景画像を、標的指示演出の実行時とは異なる赤色の背景画像に変更している。これにより、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆演出から継続して遊技者に認識させることができ、1〜3ラウンド目の発生期間の残りの期間において、第二大入賞口2006及び第二受入口2432に遊技球を入球させようとする意欲が高まるようになる。なお、専用演出の実行時には、標的指示演出と同様に、演出表示装置1600において、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を模写した画像とともに、遊技者が狙うべき第二受入口2432の場所を示す画像が表示されていることで、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技が継続して行われている旨を遊技者に理解させることができる。
次に、第一実施形態の演出例と同様に、周辺制御基板1510が4ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(4ラウンドA開始コマンド、4ラウンドB開始コマンド)を受信した後、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの4〜15ラウンド目の間には、1〜3ラウンド目のような第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技ではなく、単純に、第一大入賞口2005の開放時に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技を行うことから、その遊技の期間中を楽しませるための大当り遊技中演出を実行している。具体的には、図216(E)に示すように、演出表示装置1600において、4〜15ラウンド目の各々で実行されているラウンド数を表示しているが、その他にも、大当り遊技状態以外で表示されることがない特典映像、第一大入賞口2005の開放時に受け入れられた遊技球の個数や、第一大入賞口2005に遊技球が受け入れられたことに基づいて払い出される遊技球の個数(トータルの賞球数)などを表示するようにしている。
[11−2−2.第二の別演出例]
上記したように、第一の別演出例では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)において、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて実行しているが、示唆演出として示唆演出Aから示唆演出Bに昇格することを可能とし、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格した場合には15R大当りAである可能性がより高くなるように実行する仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第二の別演出例として、図217乃至図219を参照して説明する。
まず、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて決定される示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)の決定方法について説明する。演出制御処理(ステップS602)において、周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド(大当りの種類に応じた大当り開始コマンドでもよい。)から15R大当りAを特定した場合には、図217に示す15R大当りA時の演出パターン決定テーブルを選択し、15R大当りBを特定した場合には、図217に示す15R大当りB時の演出パターン決定テーブルを選択する。そして、乱数更新処理(ステップS606)で更新されている各種乱数のうち演出パターン決定乱数を読み出し、該読み出した演出パターン決定乱数と上記選択した演出パターン決定テーブルとを比較することにより、7種類の演出パターン(演出パターン0〜6)からいずれかの演出パターンを決定する。これにより、演出パターンに基づいた演出として、演出パターン0が決定された場合には、示唆演出A及び示唆演出Bのいずれも実行することがなく、演出パターン1が決定された場合には、1〜3ラウンド目の発生期間の前に示唆演出Aを実行し、演出パターン2〜6に決定された場合には、1〜3ラウンド目の発生期間の前に示唆演出Aを実行した後に、1〜3ラウンド目の発生期間のうち演出パターンの種類によって指定された期間に示唆演出Aから示唆演出Bに昇格するようにしている。
図218に示すように、演出パターン0は、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行しない演出パターンであり、第一実施形態と同様に、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)には、1〜3ラウンド目における遊技方法を説明する説明演出を実行し、1〜3ラウンド目の発生期間には、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように第二受入口2432の開放時(振分片2433の作動時)を狙うべき旨を示す標的指示演出を実行することとなる。
また、図218に示すように、演出パターン1は、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出として示唆演出Aのみを実行する演出パターンであり、示唆演出Aを実行する期間として、周辺制御基板1510が大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)を受信してから1ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信するまでの期間、すなわち、上記したステップS190の処理でインターバルタイマにセットされた大当り遊技状態を開始するまでの待機時間が経過するまでの期間が設定されている。
また、図218に示すように、演出パターン2〜6は、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出として示唆演出Aを実行した後、該示唆演出Aから示唆演出Bに昇格するように実行する演出パターンであり、示唆演出Aを実行する期間は演出パターン1と同様であるが、それぞれの演出パターンで、示唆演出Bを実行する期間が異なるようにしている。具体的には、示唆演出Bを実行する期間として、演出パターン2には、第二大入賞口2006の1回目の開放終了時から2回目の開放開始時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出パターン3には、第二大入賞口2006の2回目の開放開始時から所定時間(4.5秒)が経過するまでの期間、演出パターン4には、第二大入賞口2006の2回目の開放終了時から3回目の開放終了時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出パターン5には、第二大入賞口2006の3回目の開放終了時から4回目の開放開始時までの期間、演出パターン6には、第二大入賞口2006の4回目の開放開始時から所定時間(4.5秒)が経過するまでの期間が設定されている。このように、示唆演出Bを実行する期間は、所定時間(4.5秒)で統一されながらも、第二大入賞口2006の開放期間だけでなく、閉鎖期間(インターバル時間)にも設定されていることで、示唆演出Aから示唆演出Bにいつ昇格するかを分かり難くし、突然的に示唆演出Bに昇格するかのように見せることができる。
また、演出パターンとして演出パターン0に決定された場合には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)において、1〜3ラウンド目における遊技方法を説明する説明演出を実行するが、演出パターン1〜6に決定された場合には、説明演出ではなく、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出として示唆演出Aを実行するようにしている。また、演出パターンとして演出パターン2〜6に決定された場合には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1ラウンド目の開始時から、演出パターン0,1と同様の標的指示演出を実行するが、演出パターンの種類によって指定された期間の開始タイミングで、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出として示唆演出Bに切り替えて実行するようにしている。そして、示唆演出Bを実行した後、すなわち演出パターンの種類によって指定された期間が終了した後、1〜3ラウンド目の発生期間が終了するまでの期間(4ラウンド目を開始するまでの期間)には、演出パターン0,1と同様の標的指示演出に戻らず、標的指示演出とは異なる専用演出を実行するようにしている。本演出例では、専用演出として、演出表示装置1600における背景画像を、標的指示演出の実行時とは異なる赤色の背景画像に変更しているが、示唆演出の実行後である旨が判別し得るものであればよく、例えば、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400の背面側から照射されるLEDを、標的指示演出の実行時とは異なる配色で発光制御したり、遊技盤5に設けた各種可動体を、突然的に作動したりしてもよい。なお、このような専用演出は、示唆演出Bの実行後ではなく、示唆演出Bの実行中から実行するようにしてもよい。
図217に示す演出パターン決定テーブルは、上記周辺制御MPU1511aの周辺制御ROM1511bに記憶され、15R大当りAが決定されている場合に使用する15R大当りA時の演出パターン決定テーブルと、15R大当りBが決定されている場合に使用する15R大当りB時の演出パターン決定テーブルと、を備えている。そして、15R大当りA時の演出パターン決定テーブルには、演出パターン0,1のそれぞれに対して5個の判定値が設定され、演出パターン2〜6のそれぞれに対して18個の判定値が設定されている。一方、15R大当りB時の演出パターン決定テーブルには、演出パターン0,1のそれぞれに対して45個の判定値が設定され、演出パターン2〜6のそれぞれに対して2個の判定値が設定されている。
上記したように、15R大当りA時の演出パターン決定テーブルでは、少なくとも示唆演出Aを実行する演出パターン1〜6に対して合計95個の判定値が設定されているのに対し、15R大当りB時の演出パターン決定テーブルでは、少なくとも示唆演出Aを実行する演出パターン1〜6に対して合計55個の判定値が設定されている。すなわち、大当りAが決定されている場合には、95%の割合で示唆演出Aを実行するのに対し、大当りBが決定されている場合には、55%の割合で示唆演出Aを実行する。このように、大当りの種類によって示唆演出Aの実行割合を異ならせることで、示唆演出Aの実行によって15R大当りAである可能性が高い旨を示唆するようにしている。そして、示唆演出Aの実行によって15R大当りAである可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りAが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、1〜3ラウンド目の発生期間における遊技(第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技)を、高確率状態となる期待をもって行わせることができる。
また、15R大当りA時の演出パターン決定テーブルでは、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格する演出パターン2〜6に対して合計90個の判定値が設定されているのに対し、15R大当りB時の演出パターン決定テーブルでは、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格する演出パターン2〜6に対して合計10個の判定値が設定されている。すなわち、大当りAが決定されている場合には、90%の割合で示唆演出Bを実行するのに対し、大当りBが決定されている場合には、10%の割合で示唆演出Bを実行する。このように、大当りの種類によって示唆演出Bの実行割合を異ならせているが、示唆演出Aの実行割合よりも大きく異ならせることで、示唆演出Aのみが実行されるよりも示唆演出Aから示唆演出Bに昇格したときのほうが、15R大当りAである可能性がより高い旨を示唆するようにしている。そして、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格したときには、示唆演出Bが、示唆演出Aよりも15R大当りAである可能性が高い示唆演出であることから、示唆演出Aの実行時よりもさらに、高確率状態となる期待をもって遊技を行わせることができる。また、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)に示唆演出Aが実行された場合には、その後の1〜3ラウンド目の発生期間において、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格するかどうかに期待をもって注目させることができる。
また、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出パターン決定テーブルには、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格する演出パターン2〜6のそれぞれに対して均等に判定値が設定(15R大当りA時には18個ずつ、15R大当りB時には2個ずつ)されることで、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれでの示唆演出Bの実行割合が同じとなっている。これに対し、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格する演出パターン2〜6のそれぞれに対して設定される判定値の数を異ならせ、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれでの示唆演出Bの実行割合が異なるようにしてもよい。例えば、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出パターン決定テーブルでは、演出パターン2>演出パターン3>演出パターン4>演出パターン5>演出パターン6の順で判定値が多くなるように設定することで、1〜3ラウンド目の発生期間のうち早い段階での示唆演出Bの実行割合が高くなり、早い段階から示唆演出Aよりも15R大当りAである可能性が高い旨を認識する割合が高くなる。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間のうち早い段階から、第二大入賞口2006及び第二受入口2432に遊技球を入球させようとする意欲が高くなり、高確率状態となる期待をもって遊技を行わせることができる。
また、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出パターン決定テーブルには、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格する演出パターン2〜6のそれぞれに対して均等に判定値が設定(15R大当りA時には18個ずつ、15R大当りB時には2個ずつ)されることで、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれで示唆演出Bが実行された際に、15R大当りAである可能性(期待度)が同じとなっている。これに対し、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格する演出パターン2〜6のそれぞれに対して設定される判定値の数を異ならせ、演出パターンの種類によって指定された期間のそれぞれで示唆演出Bが実行された場合における、15R大当りAである可能性(期待度)が異なるようにしてもよい。例えば、15R大当りA時の演出パターン決定テーブルでは、演出パターン2<演出パターン3<演出パターン4<演出パターン5<演出パターン6の順で判定値が多くなるように設定し、15R大当りB時の演出パターン決定テーブルでは、演出パターン2>演出パターン3>演出パターン4>演出パターン5>演出パターン6の順で判定値が多くなるように設定することで、1〜3ラウンド目の発生期間のうち遅い段階で示唆演出Bが実行されるほど、15R大当りAである可能性(期待度)が高くなる。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間のうち早い段階で示唆演出Bが実行されなくても、遅い段階で示唆演出Bが実行されるほど、15R大当りAである可能性(期待度)が高くなることから、その後の段階で示唆演出Bが実行されるかどうかに期待をもって注目させることができる。
なお、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出パターン決定テーブルには、演出パターン2〜6として、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)に示唆演出Aを実行した後、1〜3ラウンド目の発生期間に示唆演出Bを実行するようにしているが、1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)に示唆演出Aを実行することなく、1〜3ラウンド目の発生期間に示唆演出A及び示唆演出Bを順に実行する演出パターンを設定してもよい。また、1〜3ラウンド目の発生期間において、示唆演出A及び示唆演出Bのいずれか一方のみを突然的に実行する演出パターンを設定してもよい。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)に示唆演出Aが実行されなかったときにも、その後の1〜3ラウンド目の発生期間に示唆演出Aや示唆演出Bが実行されるかどうかに期待をもって注目させることができる。
次に、第二の別演出例として15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)に示唆演出Aが実行された後、1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)に示唆演出Bが実行される場合について、演出表示装置1600における示唆演出A及び示唆演出Bの実行時の具体的な演出例を、図219を参照して説明する。
まず、演出パターンとして示唆演出Aを実行しない演出パターン0が決定されている場合には、第一実施形態の演出例と同様に、周辺制御基板1510が大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)を受信してから1ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信するまでの間、すなわち、上記したステップS190の処理でインターバルタイマにセットされた大当り遊技状態を開始するまでの待機時間が経過するまでの間には、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目における遊技方法を説明する説明演出を実行している。具体的には、図219(A)に示すように、演出表示装置1600において、「Vアタッカー開放中にV通過すれば確変かも!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなるチャンスが生じることを遊技者に理解させることができる。
一方、演出パターンとして少なくとも示唆演出Aを実行する演出パターン1〜6が決定されている場合には、周辺制御基板1510が大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)を受信してから1ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信するまでの間、すなわち、上記したステップS190の処理でインターバルタイマにセットされた大当り遊技状態を開始するまでの待機時間が経過するまでの間には、上記した説明演出ではなく、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出Aを実行している。具体的には、図219(B)に示すように、演出表示装置1600において、「チャンス!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、15R大当りAである可能性が高い、すなわち実行される大当り遊技状態が15R大当り遊技状態Aである可能性が高い旨を遊技者に認識させることができる。そして、示唆演出Aの実行によって15R大当りAである可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りAが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、1〜3ラウンド目の発生期間における遊技(第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技)を、高確率状態となる期待をもって行わせることができる。
次に、第一実施形態の演出例と同様に、周辺制御基板1510が1ラウンド目の大当り開始コマンド(1ラウンドA開始コマンド、1ラウンドB開始コマンド)を受信してから3ラウンド目の大当り終了コマンド(3ラウンドA終了コマンド、3ラウンドB終了コマンド)を受信するまでの間、すなわち、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の間には、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように第二受入口2432の開放時(振分片2433の作動時)を狙うべき旨を示す標的指示演出を実行している。具体的には、図219(C)に示すように、演出表示装置1600において、「チャレンジ中!ココを狙え!」というメッセージを遊技者に通知し、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を模写した画像とともに、遊技者が狙うべき第二受入口2432の場所を示す画像を表示している。これにより、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるためには、遊技領域5a上のどこを狙えばよいのかを明確に知ることができる。なお、1〜3ラウンド目の発生期間の前(大当り遊技状態の開始前)に示唆演出Aが実行された場合には、演出表示装置1600において、「チャンス中!ココを狙え!」というメッセージに変更することで、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆演出Aから継続して遊技者に認識させることができ、1〜3ラウンド目の発生期間の残りの期間において、第二大入賞口2006及び第二受入口2432に遊技球を入球させようとする意欲が高まるようになる。
次に、演出パターンとして示唆演出Aから示唆演出Bに昇格する演出パターン2〜6が決定されている場合には、1〜3ラウンド目の発生期間のうち演出パターンの種類によって指定された期間において、示唆演出Aよりも15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出Bを実行している。具体的には、図219(D)に示すように、演出表示装置1600において、「大チャンス!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、示唆演出Aよりも15R大当りAである可能性が高い、すなわち実行中の大当り遊技状態が15R大当り遊技状態Aである可能性が高い旨を遊技者に認識させることができる。そして、示唆演出Aから示唆演出Bに昇格したときには、示唆演出Bが、示唆演出Aよりも15R大当りAである可能性が高い示唆演出であることから、示唆演出Aの実行時よりもさらに、高確率状態となる期待をもって遊技を行わせることができる。
次いで、1〜3ラウンド目の発生期間のうち演出パターンの種類によって指定された期間において、示唆演出Aよりも15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出Bが実行された後には、標的指示演出とは背景色が異なる専用演出を実行している。具体的には、図219(E)に示すように、演出表示装置1600において、「大チャンス中!ココを狙え!」というメッセージを遊技者に通知するとともに、演出表示装置1600における背景画像を、標的指示演出の実行時とは異なる赤色の背景画像に変更している。これにより、示唆演出Aよりも15R大当りAである可能性が高い旨を示唆演出Bから継続して遊技者に認識させることができ、1〜3ラウンド目の発生期間の残りの期間において、第二大入賞口2006及び第二受入口2432に遊技球を入球させようとする意欲が高まるようになる。なお、専用演出の実行時には、標的指示演出と同様に、演出表示装置1600において、第二大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を模写した画像とともに、遊技者が狙うべき第二受入口2432の場所を示す画像が表示されていることで、第二大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技が継続して行われている旨を遊技者に理解させることができる。
次に、第一実施形態の演出例と同様に、周辺制御基板1510が4ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(4ラウンドA開始コマンド、4ラウンドB開始コマンド)を受信した後、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの4〜15ラウンド目の間には、1〜3ラウンド目のような第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技ではなく、単純に、第一大入賞口2005の開放時に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技を行うことから、その遊技の期間中を楽しませるための大当り遊技中演出を実行している。具体的には、図219(F)に示すように、演出表示装置1600において、4〜15ラウンド目の各々で実行されているラウンド数を表示しているが、その他にも、大当り遊技状態以外で表示されることがない特典映像、第一大入賞口2005の開放時に受け入れられた遊技球の個数や、第一大入賞口2005に遊技球が受け入れられたことに基づいて払い出される遊技球の個数(トータルの賞球数)などを表示するようにしている。
[11−2−3.第三の別演出例]
上記したように、第一の別演出例及び第二の別演出例では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)において、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出を、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて実行しているが、このような示唆演出を、1〜3ラウンド目の発生期間の後、例えば、第二受入口2432に遊技球が振り分けられることがない4〜15ラウンド目や、大当り遊技状態の終了後における変動表示時に実行する仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第三の別演出例として、図220及び図221を参照して説明する。
まず、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて決定される示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)の演出内容、及び演出タイミングの決定方法について説明する。演出制御処理(ステップS602)において、周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド(大当りの種類に応じた大当り開始コマンドでもよい。)から15R大当りAを特定した場合には、図220(A)に示す15R大当りA時の演出内容決定テーブルを選択し、15R大当りBを特定した場合には、図220(A)に示す15R大当りB時の演出内容決定テーブルを選択する。そして、乱数更新処理(ステップS606)で更新されている各種乱数のうち演出内容決定乱数を読み出し、該読み出した演出内容決定乱数と上記選択した演出内容決定テーブルとを比較することにより、2種類の演出内容(演出内容1,2)として設定された示唆演出A及び示唆演出Bのうちいずれかの示唆演出を決定する。
上記に加えて、周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド(大当りの種類に応じた大当り開始コマンドでもよい。)から15R大当りAを特定した場合には、図220(B)に示す15R大当りA時の演出タイミング決定テーブルを選択し、15R大当りBを特定した場合には、図220(B)に示す15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルを選択する。そして、乱数更新処理(ステップS606)で更新されている各種乱数のうち演出タイミング決定乱数を読み出し、該読み出した演出タイミング決定乱数と上記選択した演出タイミング決定テーブルとを比較することにより、5種類の演出タイミング(演出タイミング1〜5)からいずれかの演出タイミングを決定する。これにより、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)の後、演出タイミングとして決定された期間に、演出内容として決定された示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行するようにしている。なお、演出タイミングとして演出タイミング4,5が決定された場合には、それぞれ大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が10回、20回に達したときに示唆演出を実行するものであるが、その変動表示回数が10回、20回に達するよりも前に再び大当り(15R大当りA)となった場合には、当該示唆演出を実行しないようにしている。
演出内容1,2には、15R大当りAである可能性を示唆する示唆演出が設定されているが、その演出内容によって15R大当りAである可能性が異なるようにしている。具体的には、演出内容1には、15R大当りAである可能性が低い旨を示唆する示唆演出A、演出内容2には、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出Bが設定されている。
また、演出タイミング1〜5には、示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行する期間として、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)の後の所定の期間が設定されており、演出タイミング1〜5のそれぞれで、その示唆演出を実行する期間が異なるようにしている。具体的には、示唆演出を実行する期間として、演出タイミング1には、第一大入賞口2005を開放する4〜15ラウンド目のうち4ラウンド目の開放期間、演出タイミング2には、4〜15ラウンド目のうち10ラウンド目の開放期間、演出タイミング3には、4〜15ラウンド目のうち15ラウンド目(最終ラウンド)の開放期間、演出タイミング4には、大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が10回に達したときの変動表示期間、演出タイミング5には、大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が20回に達したときの変動表示期間が設定されている。このように、示唆演出を実行する期間は、大当り遊技状態の実行中(第一大入賞口2005を開放する4〜15ラウンド目の開放期間中)だけでなく、大当り遊技状態の終了後にも設定されていることで、大当り遊技状態の実行中に示唆演出が実行されなかった場合にも、その後の変動表示時において、示唆演出が実行されるかどうかに期待をもって注目させることができる。
図220(A)に示す演出内容決定テーブルは、上記周辺制御MPU1511aの周辺制御ROM1511bに記憶され、15R大当りAが決定されている場合に使用する15R大当りA時の演出内容決定テーブルと、15R大当りBが決定されている場合に使用する15R大当りB時の演出内容決定テーブルと、を備えている。そして、15R大当りA時の演出内容決定テーブルには、演出内容1に対して10個の判定値が設定され、演出内容2に対して90個の判定値が設定されている。一方、15R大当りB時の演出内容決定テーブルには、演出内容1に対して90個の判定値が設定され、演出内容2に対して10個の判定値が設定されている。
上記したように、15R大当りA時の演出内容決定テーブルでは、示唆演出Bを実行する演出内容2に対して90個の判定値が設定されているのに対し、15R大当りB時の演出内容決定テーブルでは、示唆演出Bを実行する演出内容2に対して10個の判定値が設定されている。すなわち、大当りAが決定されている場合には、90%の割合で示唆演出Bを実行するのに対し、大当りBが決定されている場合には、10%の割合で示唆演出Bを実行する。このように、大当りの種類によって示唆演出Bの実行割合を異ならせることで、示唆演出Bの実行によって15R大当りAである可能性が高い旨を示唆するようにしている。そして、示唆演出Bの実行によって15R大当りAである可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りAが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、大当り遊技状態の終了後における高確率状態に制御されているかどうかの遊技を、期待をもって行わせることができる。
図220(B)に示す演出タイミング決定テーブルは、上記周辺制御MPU1511aの周辺制御ROM1511bに記憶され、15R大当りAが決定されている場合に使用する15R大当りA時の演出タイミング決定テーブルと、15R大当りBが決定されている場合に使用する15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルと、を備えている。そして、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルには、演出タイミング1〜5のそれぞれに対して20個の判定値が設定されている。
上記したように、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルには、演出タイミング1〜5のそれぞれに対して均等に判定値が設定されることで、演出タイミングの種類によって指定された期間のそれぞれでの示唆演出の実行割合が同じとなっている。これに対し、演出タイミング1〜5のそれぞれに対して設定される判定値の数を異ならせ、演出タイミングの種類によって指定された期間のそれぞれでの示唆演出の実行割合が異なるようにしてもよい。例えば、15R大当りA時の演出タイミング決定テーブルでは、演出タイミング1>演出タイミング2>演出タイミング3>演出タイミング4>演出タイミング5の順で判定値が多くなるように設定し、15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルでは、演出タイミング1<演出タイミング2<演出タイミング3<演出タイミング4<演出タイミング5の順で判定値が多くなるように設定することで、1〜3ラウンド目の発生期間の後、早い段階での示唆演出Bの実行割合が高くなり、早い段階から15R大当りAである可能性が高い旨を認識する割合が高くなる。このような仕様とした場合には、大当り遊技状態の終了前に示唆演出Bを実行する割合が高くなることから、大当り遊技状態の終了前に示唆演出Bが実行されたときには、大当り遊技状態の終了後から高確率状態である期待をもって遊技を行わせることができる。
一方、例えば、15R大当りA時の演出タイミング決定テーブルでは、演出タイミング1<演出タイミング2<演出タイミング3<演出タイミング4<演出タイミング5の順で判定値が多くなるように設定し、15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルでは、演出タイミング1>演出タイミング2>演出タイミング3>演出タイミング4>演出タイミング5の順で判定値が多くなるように設定することで、1〜3ラウンド目の発生期間の後、遅い段階で示唆演出が実行されるほど、その示唆演出が示唆演出Bである割合が高くなる。このような仕様とした場合には、大当り遊技状態の終了後における変動表示時に示唆演出Bを実行する割合が高くなることから、大当り遊技状態の終了前に示唆演出が実行されなくても、大当り遊技状態の終了後における変動表示時に示唆演出Bが実行されるかどうかに期待をもって注目させることができる。
なお、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出内容決定テーブルには、演出内容1,2として、1〜3ラウンド目の発生期間の後に示唆演出A及び示唆演出Bのいずれか一方のみを実行するようにしているが、第二の別演出例のように、示唆演出Aを実行した後、該示唆演出Aから示唆演出Bに昇格することを可能としてもよい。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間の後、示唆演出Aが実行された場合にも、その後に示唆演出Aから示唆演出Bに昇格するかどうかに期待をもって注目させることができる。
また、15R大当りAである可能性を示唆する示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)は、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて実行するものであり、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かについては考慮していない。このため、15R大当りAでは、1〜3ラウンド目の発生期間において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高くなっているが、例えば、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合にも、15R大当りAである可能性が高い旨を示唆する示唆演出Bを高い割合で実行することとなる。これに対し、示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)の実行に際し、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)だけでなく、1〜3ラウンド目の発生期間において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かを考慮するようにしてもよい。例えば、15R大当りAでありながらも、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなるが、示唆演出Bの実行を制限し、15R大当りAである可能性が低い旨を示唆する示唆演出Aを実行することで、示唆演出Bが実行された場合における、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高いかどうかの信頼性を高くすることができる。
次に、第三の別演出例として15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)の後に示唆演出が実行される場合について、演出表示装置1600における示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)の実行時の具体的な演出例を、図221を参照して説明する。
まず、第一実施形態の演出例と同様に、周辺制御基板1510が4ラウンド目の大当りラウンド開始コマンド(4ラウンドA開始コマンド、4ラウンドB開始コマンド)を受信した後、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの4〜15ラウンド目の間には、1〜3ラウンド目のような第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技ではなく、単純に、第一大入賞口2005の開放時に遊技球が受け入れられるかどうかの遊技を行うことから、その遊技の期間中を楽しませるための大当り遊技中演出を実行している。具体的には、図221(A)に示すように、演出表示装置1600において、4〜15ラウンド目の各々で実行されているラウンド数を表示しているが、その他にも、大当り遊技状態以外で表示されることがない特典映像、第一大入賞口2005の開放時に受け入れられた遊技球の個数や、第一大入賞口2005に遊技球が受け入れられたことに基づいて払い出される遊技球の個数(トータルの賞球数)などを表示するようにしている。
上記したように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの4〜15ラウンド目の間には、大当り遊技中演出が実行されているが、演出タイミングとして演出タイミング1〜3が決定されている場合には、演出タイミングの種類によって指定された期間(4、10、15ラウンド目の第一大入賞口2005の開放期間中のいずれか)において、15R大当りAである可能性を示唆する示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行している。具体的には、図221(B)に示すように、演出内容として示唆演出A(演出内容1)が決定されている場合には、演出表示装置1600において、「チャンス!」というメッセージを遊技者に通知している。一方、図221(C)に示すように、演出内容として示唆演出B(演出内容2)が決定されている場合には、演出表示装置1600において、「大チャンス!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、15R大当りAである可能性が高いのかどうか、すなわち実行中の大当り遊技状態が15R大当り遊技状態Aである可能性が高いのかどうかを遊技者に認識させることができる。そして、示唆演出のうち示唆演出Bの実行によって15R大当りAである可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りAが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、大当り遊技状態の終了後における高確率状態に制御されているかどうかの遊技を、期待をもって行わせることができる。
次に、図221(D)に示すように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの終了後には、演出表示装置1600において、周辺制御基板1510が判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドを受信するごとに、その判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいた変動演出(大当り遊技後変動演出)として、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示している。また、演出タイミングとして演出タイミング4,5が決定されている場合には、それぞれ15R大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が10回、20回に達したときの変動表示期間において、変動パターンコマンドに基づいた変動演出とは別個に、15R大当りAであった可能性を示唆する示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行している。具体的には、図221(B)に示すように、演出内容として示唆演出A(演出内容1)が決定されている場合には、演出表示装置1600において、「チャンス!」というメッセージを遊技者に通知している。一方、図221(C)に示すように、演出内容として示唆演出B(演出内容2)が決定されている場合には、演出表示装置1600において、「大チャンス!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、15R大当りAであった可能性が高いのかどうか、すなわち現在の遊技状態が高確率状態である可能性が高いのかどうかを遊技者に認識させることができる。そして、示唆演出のうち示唆演出Bの実行によって15R大当りAである可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りAが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、現在の遊技状態が高確率状態に制御されているかどうかの遊技を、期待をもって行わせることができる。
なお、演出タイミングとして演出タイミング4,5が決定されている場合には、演出タイミング1〜3が決定されている場合と同様の表示態様で、すなわち演出表示装置1600の表示領域の全面に、示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)に基づいた表示を行うようにしているが、演出タイミング1〜3が決定されている場合とは異なる表示態様で、その示唆演出に基づいた表示を行うようにしてもよい。具体的には、演出タイミングとして演出タイミング4,5が決定されている場合、それぞれ大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が10回、20回に達したときの変動表示期間において、示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)に基づいた表示を行うものであり、演出表示装置1600にて装飾図柄の変動表示が行われているが、その装飾図柄が変動表示する領域とは重複しない領域、例えば、表示領域の右隅の領域に縮小して、示唆演出に基づいた表示を行うようにしてもよい。このような場合には、示唆演出に基づいた表示によって、装飾図柄の変動表示に対する視認が妨げられることがなく、演出表示装置1600におけるいずれの表示にも注目させることができる。
また、演出タイミングとして演出タイミング4,5が決定されている場合には、15R大当りAである可能性を示唆する示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)として、演出タイミング1〜3が決定されている場合とは異なる演出内容で、その示唆演出を実行するようにしてもよい。すなわち、示唆演出として、15R大当りAである可能性を示唆し得るものであればよく、例えば、演出表示装置1600における背景画像を、通常の演出(変動パターンに基づいた変動演出)の実行時とは異なる背景画像に変更したり、パチンコ機1(遊技盤5など)に設けられたランプ・LEDを、通常の演出(変動パターンに基づいた変動演出)とは異なる発光態様(発光輝度や配色など)で発光制御したり、パチンコ機1(遊技盤5など)に設けられた各種可動体を、突然的に作動したりしてもよい。このような場合にも、示唆演出の実行によって、演出表示装置1600における装飾図柄の変動表示に対する視認が妨げられることがなく、変動演出及び示唆演出のいずれにも注目させることができる。なお、演出タイミングとして演出タイミング1〜3が決定されている場合にも、演出表示装置1600以外を用いた演出などの上記した演出内容で、示唆演出を実行するようにしてもよい。
また、演出タイミングとして演出タイミング4,5が決定されている場合には、それぞれ大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が10回、20回に達したときの変動表示期間において、変動パターンに基づいた変動演出とは別個に、15R大当りAであった可能性を示唆する示唆演出を実行するものであるが、変動パターンに基づいた変動演出として、15R大当りAであった可能性を示唆する専用の演出を実行するようにしてもよい。このような仕様とした場合には、主制御基板1310側で、大当りに決定したときに、その大当りの種類(15R大当りA、15R大当りB)を記憶するようにし、大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が10回、20回に達したときの変動表示を開始するときに、大当り遊技状態の終了後に用いられている変動パターンテーブルを異ならせ、その記憶されている大当りの種類(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて、15R大当りAであった可能性を示唆する専用の演出を実行する変動パターンを決定可能とすればよい。このように、変動パターンに基づいた変動演出として、15R大当りAであった可能性を示唆する専用の演出が実行されたときには、その演出から、15R大当りAであった可能性、すなわち現在の遊技状態が高確率状態である可能性を遊技者が把握できるようになる。
[11−2−4.第四の別演出例]
上記したように、第三の別演出例では、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)の後、例えば、第二受入口2432に遊技球が振り分けられることがない4〜15ラウンド目や、大当り遊技状態の終了後における変動表示時において、15R大当りAである可能性を示唆する示唆演出を、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて実行しているが、このような示唆演出を、1〜3ラウンド目の発生期間後の期間だけでなく、第一の別演出例及び第二の別演出例のように1〜3ラウンド目の発生期間中にも実行することを可能とし、いずれかの期間において選択的に実行する仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第四の別演出例として、図222及び図223を参照して説明する。
なお、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて決定される示唆演出の演出内容、及び演出タイミングの決定方法については、第三の別演出例と同じである。また、示唆演出の演出内容(演出内容1(示唆演出A)、演出内容2(示唆演出B))についても、第三の別演出例と同じである。そして、後述する演出タイミングとして決定された期間に、演出内容として決定された示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行するようにしている。
図222に示すように、演出タイミング1〜10のうち演出タイミング1〜5には、示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行する期間として、第一の別演出例(演出パターン1〜5)と同様に、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)における所定の期間が設定されている。具体的には、示唆演出を実行する期間として、演出タイミング1には、第二大入賞口2006の1回目の開放終了時から2回目の開放開始時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出タイミング2には、第二大入賞口2006の2回目の開放開始時から所定時間(4.5秒)が経過するまでの期間、演出タイミング3には、第二大入賞口2006の2回目の開放終了時から3回目の開放開始時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出タイミング4には、第二大入賞口2006の3回目の開放終了時から4回目の開放開始時までのインターバル時間(4.5秒)に相当する期間、演出タイミング5には、第二大入賞口2006の4回目の開放開始時から所定時間(4.5秒)が経過するまでの期間が設定されている。
また、図222に示すように、演出タイミング1〜10のうち演出タイミング6〜10には、示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行する期間として、第三の別演出例(演出タイミング1〜5)と同様に、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)の後の所定の期間が設定されている。具体的には、示唆演出を実行する期間として、演出タイミング6には、第一大入賞口2005を開放する4〜15ラウンド目のうち4ラウンド目の開放期間、演出タイミング7には、4〜15ラウンド目のうち10ラウンド目の開放期間、演出タイミング8には、4〜15ラウンド目のうち15ラウンド目(最終ラウンド)の開放期間、演出タイミング9には、大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が10回に達したときの変動表示期間、演出タイミング10には、大当り遊技状態の終了後における変動表示回数が20回に達したときの変動表示期間が設定されている。
なお、15R大当りAである可能性を示唆する示唆演出は、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)と、1〜3ラウンド目の発生期間後の期間と、のいずれの期間にも実行可能としているが、示唆演出が行われたときの遊技状況が「V通過にかかる遊技(第二受入口2432に遊技球が受け入れられる(振り分けられる)かどうかの遊技)を実行している遊技状況下」であれば、示唆演出の実行により、V通過に対する意欲、緊張感を一層高め、V通過にかかる遊技中の遊技興趣を向上させることができる。一方、「既にV通過にかかる遊技が行われた後の遊技状況下」であれば、示唆演出の実行により、V通過による確率変動状態の発生に対する期待感を高め、V通過にかかる遊技後の遊技興趣を向上させることができる。このように、「V通過にかかる遊技の実行中に示唆演出が行われる場合」と「V通過にかかる遊技の実行後に示唆演出が行われる場合」とで、遊技者に異なる印象を与えることができ、そのときの遊技状況に応じたかたちで遊技興趣を高めることが可能となる。
図222に示す演出タイミング決定テーブルは、上記周辺制御MPU1511aの周辺制御ROM1511bに記憶され、15R大当りAが決定されている場合に使用する15R大当りA時の演出タイミング決定テーブルと、15R大当りBが決定されている場合に使用する15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルと、を備えている。そして、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルには、演出タイミング1〜10のそれぞれに対して10個の判定値が設定されている。また、それぞれの演出タイミング決定テーブルには、演出タイミング1〜5に対して合計で50個の判定値が設定されているのに対し、演出タイミング6〜10に対して合計で50個の判定値が設定されている。
上記したように、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルには、演出タイミング1〜5に対する判定値の数と、演出タイミング6〜10に対する判定値の数と、が同じに設定されることで、1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)と、1〜3ラウンド目の発生期間後の期間と、での示唆演出の実行割合が同じとなっている。これに対し、演出タイミング1〜5に対する判定値の数と、演出タイミング6〜10に対する判定値の数と、を異ならせ、1〜3ラウンド目の発生期間と、1〜3ラウンド目の発生期間後の期間と、での示唆演出の実行割合が異なるようにしてもよい。例えば、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルにおいて、1〜3ラウンド目の発生期間(演出タイミング1〜5)>1〜3ラウンド目の発生期間後の期間(演出タイミング6〜10)の順で判定値が多くなるように設定した場合には、上記した「V通過にかかる遊技(第二受入口2432に遊技球が受け入れられる(振り分けられる)かどうかの遊技)を実行している遊技状況下」での効果を強くし、V通過にかかる遊技中の遊技興趣を向上させることができる。一方、15R大当りA時及び15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルにおいて、1〜3ラウンド目の発生期間(演出タイミング1〜5)<1〜3ラウンド目の発生期間後の期間(演出タイミング6〜10)の順で判定値が多くなるように設定した場合には、上記した「既にV通過にかかる遊技が行われた後の遊技状況下」での効果を強くし、V通過にかかる遊技後の遊技興趣を向上させることができる。
また、15R大当りA時の演出タイミング決定テーブルでは、1〜3ラウンド目の発生期間(演出タイミング1〜5)>1〜3ラウンド目の発生期間後の期間(演出タイミング6〜10)の順で判定値が多くなるように設定し、15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルでは、1〜3ラウンド目の発生期間(演出タイミング1〜5)<1〜3ラウンド目の発生期間後の期間(演出タイミング6〜10)の順で判定値が多くなるように設定してもよい。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間での示唆演出Bの実行割合が高くなることから、1〜3ラウンド目の発生期間中に高確率状態となる期待をもって遊技を行わせることができる。一方、15R大当りA時の演出タイミング決定テーブルでは、1〜3ラウンド目の発生期間(演出タイミング1〜5)<1〜3ラウンド目の発生期間後の期間(演出タイミング6〜10)の順で判定値が多くなるように設定し、15R大当りB時の演出タイミング決定テーブルでは、1〜3ラウンド目の発生期間(演出タイミング1〜5)>1〜3ラウンド目の発生期間後の期間(演出タイミング6〜10)の順で判定値が多くなるように設定してもよい。このような仕様とした場合には、1〜3ラウンド目の発生期間後の期間に示唆演出Bを実行する割合が高くなることから、1〜3ラウンド目の発生期間中に示唆演出が実行されなくても、1〜3ラウンド目の発生期間後に示唆演出Bが実行されるかどうかに期待をもって注目させることができる。
また、第四の別演出例では、演出タイミングとして決定された期間に、演出内容として決定された示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行するようにしているが、演出タイミングとして決定された期間となるまでの間、示唆演出を実行可能な演出タイミングごとに、示唆演出を実行するかどうかを選択する選択演出を実行するようにしてもよい。選択演出としては、例えば、演出表示装置1600において、「チャンス!」(示唆演出A)、「大チャンス!」(示唆演出B)、「外れ」(何ら示唆しない)の表示内容をルーレット態様で表示するものであって、演出タイミングとして決定された期間よりも前には、示唆演出を実行可能な演出タイミングごとに、選択演出で「外れ」(何ら示唆しない)を選択するように表示し、演出タイミングとして決定された期間には、演出内容として決定された示唆演出となるように、選択演出で「チャンス!」(示唆演出A)、「大チャンス!」(示唆演出B)のいずれかを選択するように表示する。図223には、演出タイミングとして決定された期間に示唆演出(示唆演出A、示唆演出B)を実行するまでの選択演出の実行テーブルを示す。演出タイミングとして演出タイミング1〜10が決定されている場合には、図223に示す選択演出の実行テーブルに従い、演出タイミングとして決定された期間よりも前には、示唆演出を実行可能な演出タイミングごとに、選択演出で「外れ」(何ら示唆しない)を選択するように表示し、演出タイミングとして決定された期間には、演出内容として決定された示唆演出となるように、選択演出で「チャンス!」(示唆演出A)、「大チャンス!」(示唆演出B)のいずれかを選択するように表示することとなる。このような仕様とした場合には、演出タイミングとして決定された期間となるまでの間、示唆演出を実行可能な演出タイミングごとに選択演出が実行されることから、示唆演出のうち示唆演出Bが選択されるかどうかに何回も注目させることができる。すなわち、所定の演出タイミングで、選択演出の結果として「外れ」(何ら示唆しない)が選択されたとしても、次の演出タイミングで、選択演出の結果として「チャンス!」(示唆演出A)や「大チャンス!」(示唆演出B)が選択される可能性が残されることから、期待をもって遊技を継続させることができる。なお、上記では、演出タイミングとして決定された期間よりも前には、示唆演出を実行可能な演出タイミングごとに、選択演出を実行するようにしているが、示唆演出を実行可能な演出タイミングの全てではなく一部のみにおいて、選択演出を実行するようにしてもよい。これにより、選択演出で示唆演出を選択するかどうかだけでなく、示唆演出を実行可能な演出タイミングごとに、選択演出自体が実行されるかどうかにも注目させることができる。
また、上記では、演出タイミングとして決定された期間となるまでの間、示唆演出を実行可能な演出タイミングごとに、示唆演出を実行するかどうかを選択する選択演出を実行するようにしているが、さらに、選択演出を実行する際に、操作ボタン410の操作によって、選択演出の結果を通知するようにしてもよい。具体的には、選択演出の実行により、例えば、演出表示装置1600において、「チャンス!」(示唆演出A)、「大チャンス!」(示唆演出B)、「外れ」(何ら示唆しない)の表示内容をルーレット態様で表示するとともに、操作ボタン410を操作する旨を遊技者に通知する、そして、所定の時間内に操作ボタン410を遊技者が操作した場合には、既に内部的に決定されている選択演出の結果を選択するように表示し、一方、所定の時間内に操作ボタン410を遊技者が操作しなかった場合には、既に内部的に選択演出の結果が決定されているが、その選択演出の結果を選択表示することがなく、選択演出の結果が遊技者に分からないようにしている。このように、選択演出を実行する際に、操作ボタン410の操作によって、選択演出の結果を通知することで、選択演出の結果を知るためには操作ボタン410を遊技者が操作しなければならず、選択演出における操作ボタン410の操作に対して遊技者に積極的に参加させることができる。また、選択演出の結果を知りたい遊技者は、選択演出の実行時に操作ボタン410を操作すればよく、一方、選択演出の結果を知りたくない遊技者は、選択演出の実行時に操作ボタン410を操作しなければよく、遊技者の心情に沿った遊技を行うことができる。
[11−2−5.第五の別演出例]
上記したように、第一の別演出例乃至第四の別演出例では、大当りの種別(15R大当りA、15R大当りB)に基づいて演出表示装置1600を用いた示唆演出を実行し、その演出内容によって15R大当りAである可能性を示唆しているが、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける一部の開閉態様、例えば、15ラウンド目(最終ラウンド)における第一大入賞口2005の開閉態様を異ならせ、その開閉態様の違いによって15R大当りAである可能性を示唆する仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第五の別演出例として、図224乃至図226を参照して説明する。
図224に示すように、第五の別演出例の図柄決定テーブルには、判定結果毎(15R大当りA1、15R大当りA2、15R大当りB1、15R大当りB2)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、第五の別演出例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.1〜15ラウンド目の全てで、第一実施形態の15R大当りAに基づいた15R大当り遊技状態Aと同じように第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御するものであって、15ラウンド目(最終ラウンド)では第一大入賞口2005を1回開放する15R大当り遊技状態A1に制御する15R大当りA1
2.1〜14ラウンド目では、第一実施形態の15R大当りAに基づいた15R大当り遊技状態Aと同じように第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御するものであるが、15ラウンド目(最終ラウンド)では、15R大当り遊技状態Aとは異なり、第一大入賞口2005を2回開放する15R大当り遊技状態A2に制御する15R大当りA2
3.1〜15ラウンド目の全てで、第一実施形態の15R大当りBに基づいた15R大当り遊技状態Bと同じように第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御するものであって、15ラウンド目(最終ラウンド)では第一大入賞口2005を1回開放する15R大当り遊技状態B1に制御する15R大当りB1
2.1〜14ラウンド目では、第一実施形態の15R大当りBに基づいた15R大当り遊技状態Bと同じように第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を開閉制御するものであるが、15ラウンド目(最終ラウンド)では、15R大当り遊技状態Bとは異なり、第一大入賞口2005を2回開放する15R大当り遊技状態B2に制御する15R大当りB2、の4種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、15R大当りA1及び15R大当りA2は、1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)における第二大入賞口2006及び振分片2433の開閉制御や特別状態の設定が、第一実施形態の15R大当りAと同じであることから、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りである。また、15R大当りB1及び15R大当りB2は、1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)における第二大入賞口2006及び振分片2433の開閉制御や特別状態の設定が、第一実施形態の15R大当りBと同じであることから、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当りである。
第五の別演出例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図224に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、4種類の大当りのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して合計で50個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB1及び15R大当りB2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)に対して合計で50個の判定値の振分けが設定されている。より詳細には、上記した第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2のうち、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を1回開放する15R大当りA1に対して5個の判定値の振分けが設定されているのに対し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放する15R大当りA2に対して45個の判定値の振分けが設定されている。また、上記した第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、遊技者に比較的不利な15R大当りB1及び15R大当りB2のうち、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を1回開放する15R大当りB1に対して45個の判定値の振分けが設定されているのに対し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放する15R大当りB2に対して5個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、4種類の大当りのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りA2に対してのみ判定値の振分けが設定されている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、15R大当りA1に決定した場合には大当り図柄として15R大当りA1図柄に決定し、15R大当りA2に決定した場合には大当り図柄として15R大当りA2図柄に決定し、15R大当りB1に決定した場合には大当り図柄として15R大当りB1図柄に決定し、15R大当りB2に決定した場合には大当り図柄として15R大当りB2図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、15R大当りA2に決定した場合には大当り図柄として15R大当りA2図柄に決定する。
また、周辺制御MPU1511aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りA1を特定した場合には15R大当りA1図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りA2を特定した場合には15R大当りA2図柄(15R大当りA1図柄と共通)に決定し、15R大当りB1を特定した場合には15R大当りB1図柄(15R大当りA1図柄と共通)に決定し、15R大当りB2を特定した場合には15R大当りB2図柄(15R大当りA1図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が15R大当りA1図柄、15R大当りA2図柄、15R大当りB1図柄または15R大当りB2図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができるが、15R大当りA1図柄、15R大当りA2図柄、15R大当りB1図柄及び15R大当りB2図柄として共通の図柄を用いているため、15R大当りA1、15R大当りA2、15R大当りB1または15R大当りB2のいずれかを判別することができない。
図225(A)に示す15R大当り遊技状態A2時の実行テーブルは、上記主制御MPU1310aのROM4100dに記憶され、1〜15ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、がそれぞれ関連付けされている。同様に、図225(B)に示す15R大当り遊技状態B2時の実行テーブルは、上記主制御MPU1310aのROM4100dに記憶され、1〜15ラウンド目における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、がそれぞれ関連付けされている。なお、15R大当り遊技状態A1時の実行テーブルは、図209(A)に示した15R大当り遊技状態A時の実行テーブルと同じであり、15R大当り遊技状態B1時の実行テーブルは、図209(B)に示した15R大当り遊技状態B時の実行テーブルと同じであるため、記載を省略する。図226は、15R大当り遊技状態A1,A2,B1,B2時の実行テーブルに従って実行される15ラウンド目(最終ラウンド)のタイミングチャートである。
図225(A)に示すように、15R大当り遊技状態A2では、1〜15ラウンド目のうち14ラウンド目までは、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、が、図209(A)に示した15R大当り遊技状態A(15R大当り遊技状態A1)と同じである。そして、15R大当り遊技状態A2では、15ラウンド目(最終ラウンド)における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、15R大当り遊技状態A(15R大当り遊技状態A1)とは異なり、第一大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に第一大入賞口2005を長時間開放(30秒)するように設定されている。
図225(B)に示すように、15R大当り遊技状態B2では、1〜15ラウンド目のうち14ラウンド目までは、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、が、図209(B)に示した15R大当り遊技状態B(15R大当り遊技状態B1)と同じである。そして、15R大当り遊技状態B2では、15ラウンド目(最終ラウンド)における第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の動作スケジュールとして、15R大当り遊技状態B(15R大当り遊技状態B1)とは異なり、第一大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に第一大入賞口2005を長時間開放(30秒)するように設定されている。
図226に示すように、15R大当り遊技状態A1及び15R大当り遊技状態B1では、15ラウンド目(最終ラウンド)として、第二大入賞口2006の開放回数が1回であるのに対し、15R大当り遊技状態A2及び15R大当り遊技状態B2では、15ラウンド目(最終ラウンド)として、第二大入賞口2006の開放回数が2回であり、第二大入賞口2006の開放回数を異ならせている。また、15R大当り遊技状態A1及び15R大当り遊技状態B1では、15ラウンド目(最終ラウンド)として、第二大入賞口2006の開放パターン(開放時間及び開放回数、開放タイミング)を同じにしているため、15R大当り遊技状態A1であるか又は15R大当り遊技状態B1であるかを遊技者が判別困難となっている。同様に、15R大当り遊技状態A2及び15R大当り遊技状態B2では、15ラウンド目(最終ラウンド)として、第二大入賞口2006の開放パターンを同じにしているため、15R大当り遊技状態A2であるか又は15R大当り遊技状態B2であるかを遊技者が判別困難となっている。
上記したように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)のうち、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を1回開放する15R大当りA1に対して5個の判定値の振分けが設定されているのに対し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放する15R大当りA2に対して45個の判定値の振分けが設定されている。また、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、遊技者に比較的不利な15R大当りB1及び15R大当りB2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)のうち、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を1回開放する15R大当りB1に対して45個の判定値の振分けが設定されているのに対し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放する15R大当りB2に対して5個の判定値の振分けが設定されている。すなわち、遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2のうち、90%の割合で15R大当りA2に決定し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放するのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB1及び15R大当りB2のうち、10%の割合で15R大当りB2に決定し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放する。このように、大当りの種類が遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2であるか否かによって、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放する割合を異ならせることで、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放したときに遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2である可能性が高い旨を示唆するようにしている。そして、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放することによって遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2である可能性が高い旨が示唆されたときには、15R大当りA1及び15R大当りA2が、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、大当り遊技状態の終了後における高確率状態に制御されているかどうかの遊技を、期待をもって行わせることができる。
また、上記したように、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を2回開放する15R大当り遊技状態A2及び15R大当り遊技状態B2は、大当りの種別(15R大当りA2及び15R大当りB2に決定するか否か)に基づいて実行するものであり、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bの1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かについては考慮していない。このため、15R大当りA1及び15R大当りA2では、1〜3ラウンド目の発生期間において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高くなっているが、例えば、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合にも、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を高い割合で2回開放することとなる。
なお、第五の別演出例では、遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)であるときに、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を高い割合で2回開放するのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB1及び15R大当りB2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)であるときに、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を高い割合で1回開放するようにしているが、それぞの大当りで、高い割合で開放される第一大入賞口2005の開放回数が異なるものであればよい。例えば、遊技者に比較的有利な大当りよりも、遊技者に比較的不利な大当りのほうが、15ラウンド目(最終ラウンド)での第一大入賞口2005の開放回数を高い割合で多くすることによっても、その第一大入賞口2005の開放回数から、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆しているかどうかを認識させることができる。このような場合には、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005が多く開放したときに、その15ラウンド目(最終ラウンド)で得られる賞球に対する期待が高くなり、遊技者に比較的不利な大当りが示唆されていることの残念感(大当り遊技状態の終了後における高確率状態に制御される可能性が低いことの残念感)を軽減することができる。
また、第五の別演出例では、15ラウンド目(最終ラウンド)での第一大入賞口2005の開放回数によって遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)である可能性が高い旨を示唆しているが、第一大入賞口2005の開放回数に限らず、第一大入賞口2005の開閉態様によって遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆するものであればよい。例えば、第一大入賞口2005の開閉態様として、第一大入賞口2005の開放時間を異ならせたり、第一大入賞口2005の開放開始タイミングを異ならせたりすることによっても、その第一大入賞口2005の開閉態様から、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆しているかどうかを認識させることができる。なお、第五の別演出例では、15ラウンド目(最終ラウンド)での第一大入賞口2005の開閉態様によって遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆しているが、15ラウンド目(最終ラウンド)に限らず、1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)の後、第一大入賞口2005を開放する4〜15ラウンド目のいずれかで、第一大入賞口2005の開閉態様を異ならせるものであればよい。このような場合にも、第一大入賞口2005の開閉態様から、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆しているかどうかを認識させることができる。
また、第五の別演出例では、15R大当り遊技状態A1及び15R大当り遊技状態B1における15ラウンド目(最終ラウンド)で、第一大入賞口2005を長時間開放(30秒)する一方、15R大当り遊技状態A2及び15R大当り遊技状態B2における15ラウンド目(最終ラウンド)で、第一大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に第一大入賞口2005を長時間開放(30秒)している。すなわち、15R大当り遊技状態A2及び15R大当り遊技状態B2では、15R大当り遊技状態A1及び15R大当り遊技状態B1と比較し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を長時間開放(30秒)するよりも前に、短時間開放(0.5秒)が付加されるかたちとなっている。これに対し、15R大当り遊技状態A2及び15R大当り遊技状態B2における15ラウンド目(最終ラウンド)では、第一大入賞口2005を2回開放する態様として、「短時間開放→短時間開放」、「長時間開放→短時間開放」、「長時間開放→長時間開放」のいずれの態様としてもよい。このうち、15ラウンド目(最終ラウンド)で「長時間開放→短時間開放」とした場合には、15R大当り遊技状態A1及び15R大当り遊技状態B1と比較し、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005を長時間開放するまでが同じ態様となり、この第一大入賞口2005を長時間開放した後に、短時間開放が付加されるかたちとなる。すなわち、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005が長時間開放するまでは、遊技者に比較的有利な大当りである可能性を認識することができず、その後に第一大入賞口2005が短時間開放するか否かによって、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆しているかどうかを認識させることができる。また、15ラウンド目(最終ラウンド)で「長時間開放→短時間開放」とした場合には、各々のラウンドでの第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に遊技球を入賞させることが可能な最大入賞数(例えば、9個)が決められており、その最大入賞数が入賞したときには第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御することから、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005の長時間開放中に最大入賞数が入賞したときには長時間開放した後の短時間開放が行われなくなり、遊技者に比較的有利な大当りである可能性を認識できなくなる。すなわち、15ラウンド目(最終ラウンド)で第一大入賞口2005が長時間開放した後に短時間開放するか否かを知るためには、第一大入賞口2005の長時間開放中に最大入賞数が入賞しないようにしなければならない。このため、15ラウンド目(最終ラウンド)では、第一大入賞口2005の長時間開放中に最大入賞数を入賞させることによって最大限の賞球を得るか、第一大入賞口2005の長時間開放中に最大入賞数が入賞しないように遊技球の発射を制限することによって遊技者に比較的有利な大当りである可能性を認識するか、のいずれかを遊技者が選択するという斬新な遊技を行わせることができる。
また、第五の別演出例では、15ラウンド目(最終ラウンド)での第一大入賞口2005の開放回数(開放時間や開放タイミングなどの開閉態様であってもよい。)によって遊技者に比較的有利な15R大当りA1及び15R大当りA2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)である可能性が高い旨を示唆しているが、このような第一大入賞口2005の開閉態様を異ならせるのではなく、第二大入賞口2006の内部の振分片2433の作動態様によって遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆するものであってもよい。例えば、4〜15ラウンド目では、それぞれ第一大入賞口2005を開放するが、4〜15ラウンド目のいずれか1ラウンド以上(全てのラウンドであってもよい。)での第一大入賞口2005の開放期間中に、第二大入賞口2006の内部の振分片2433を作動させることによって、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆するようにしてもよい。このような場合にも、振分片2433の作動態様から、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆しているかどうかを認識させることができる。なお、4〜15ラウンド目では、第一大入賞口2005を開放することから、第二大入賞口2006の内部の振分片2433を作動したとしても原則として第二受入口2432に遊技球が受け入れられることがなく、第二受入口2432の状態を「無効状態」としている。また、第一実施形態の変形例として記載したように、4〜15ラウンド目でも1〜3ラウンド目と同じく第二大入賞口2006を開放する仕様とした場合には、4〜15ラウンド目のいずれか1ラウンド以上(全てのラウンドであってもよい。)での第二大入賞口2006の開放期間中に、振分片2433を高速で作動させ、第二受入口2432が超短時間の開放(例えば、0.1秒)となるかたちが好ましい。これにより、1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)ではない期間において、遊技者に比較的有利な大当りである可能性を示唆するために振分片2433を作動させながらも、第二受入口2432に遊技球が受け入れられることを極力防止することができる。このような場合にも、4〜15ラウンド目では、1〜3ラウンド目の発生期間(特別状態及び非特別状態が設定されている間)ではなく、第二受入口2432の状態を「無効状態」としている。
[12.第二実施形態の大当り遊技状態について]
上記した実施形態(第一実施形態)では、第一大入賞口2005と、内部に第一受入口2431及び第二受入口2432を有する第二大入賞口2006と、の2つの大入賞口を備えているが、第一大入賞口2005を備えることなく、第二大入賞口2006のみを備える仕様としてもよい。そして、第二大入賞口2006を用いた15R大当り遊技状態A〜Cを実行するようにし、その15R大当り遊技状態A〜Cにおける1〜15ラウンドの各々のラウンドで、第二大入賞口2006の開放時間及び開放回数、開放タイミングだけでなく、振分片2433の作動時間及び作動回数、作動タイミングも同じとすることで、15R大当り遊技状態A〜Cのいずれであるかを遊技者が判別不可能とする仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第二実施形態として、図227乃至図232を参照して説明する。以下の第二実施形態の説明では、第二大入賞口2006について、第一大入賞口2005を備えていないため、単に、大入賞口2006と記載するが、内部に第一受入口2431及び第二受入口2432を有するなどの機能については第二大入賞口2006と同じである。
図227に示すように、第二実施形態の遊技盤5は、内部に第一受入口2431及び第二受入口2432を有する大入賞口2006や振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を備えている。第二実施形態のアタッカユニット2400には、第一大入賞口2005に関わる部材(第一大入賞口2005、第一大入賞口センサ4005、第一大入賞口扉2412、第一アタッカソレノイド2108など)を備えていないこと以外、第一実施形態の遊技盤5と同様に構成されている。
図228に示すように、第二実施形態の図柄決定テーブルには、判定結果毎(15R大当りA、15R大当りB、15R大当りC)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、第二実施形態の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態Aに応じて大入賞口2006を30回開閉制御するものであって、大入賞口2006の1〜5回目の開放時には短時間開放(遊技球が入球困難な開放。例えば、0.5秒)とし、大入賞口2006の6〜30回目の開放時には長時間開放(遊技球が入球可能(容易)な開放。例えば、2秒)とし、6ラウンド目及び15ラウンド目に相当する合計15回の大入賞口2006の長時間開放で特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りA
2.15R大当り遊技状態Bに応じて大入賞口2006を30回開閉制御するものであって、大入賞口2006の1〜5回目の開放時には短時間開放(遊技球が入球困難な開放。例えば、0.5秒)とし、大入賞口2006の6〜30回目の開放時には長時間開放(遊技球が入球可能(容易)な開放。例えば、2秒)とし、6ラウンド目及び15ラウンド目に相当する合計2回の大入賞口2006の長時間開放で特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りB
3.15R大当り遊技状態Cに応じて大入賞口2006を30回開閉制御するものであって、大入賞口2006の1〜5回目の開放時には短時間開放(遊技球が入球困難な開放。例えば、0.5秒)とし、大入賞口2006の6〜30回目の開放時には長時間開放(遊技球が入球可能(容易)な開放。例えば、2秒)とし、6ラウンド目及び15ラウンド目に相当する合計9回の大入賞口2006の長時間開放で特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りC、の3種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
第二実施形態では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図228に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、15R大当りA〜Cのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りA及び15R大当りC(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して25個ずつの判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、15R大当りA〜Cのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りAに対してのみ判定値の振分けが設定されている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定し、15R大当りBに決定した場合には大当り図柄として15R大当りB図柄に決定し、15R大当りCに決定した場合には大当り図柄として15R大当りC図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定する。
また、周辺制御MPU1511aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りAを特定した場合には15R大当りA図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りBを特定した場合には15R大当りB図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、15R大当りCを特定した場合には15R大当りC図柄(15R大当りC図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が15R大当りA図柄、15R大当りB図柄または15R大当りC図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができるが、15R大当りA図柄、15R大当りB図柄及び15R大当りC図柄として共通の図柄を用いているため、15R大当りA、15R大当りBまたは15R大当りCのいずれかを判別することができない。
図229に示す15R大当り遊技状態A〜C時の実行テーブルは、上記主制御MPU1310aのROM4100dに記憶され、1〜15ラウンド目における大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、がそれぞれ関連付けされている。図230(A)は、15R大当り遊技状態A時の実行テーブルに従って実行される1〜15回目の開放のタイミングチャートであり、図230(B)は、15R大当り遊技状態B時の実行テーブルに従って実行される1〜15回目の開放のタイミングチャートであり、図231(C)は、15R大当り遊技状態C時の実行テーブルに従って実行される1〜15回目の開放のタイミングチャートである。
図229に示すように、15R大当り遊技状態A〜Cでは、大入賞口2006の動作スケジュールとして、大入賞口2006の1〜5回目の開放時にはそれぞれ大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)し、大入賞口2006の6〜30回目の開放時にはそれぞれ大入賞口2006を長時間開放(2秒)するように設定されている。また、振分片2433の動作スケジュールとして、大入賞口2006の1〜5回目の開放時にはそれぞれ大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)するときに振分片2433を短時間作動(0.2秒)し、大入賞口2006の6〜30回目の開放時にはそれぞれ大入賞口2006を長時間開放(2秒)するときに振分片2433を長時間作動(1秒)するように設定されている。
また、15R大当り遊技状態Aでは、大入賞口2006の1〜5回目の開放時をそれぞれ1〜5ラウンド目とし、大入賞口2006の6〜13回目の開放時を6ラウンド目とし、大入賞口2006の14〜21回目の開放時をそれぞれ7〜14ラウンドとし、大入賞口2006の22〜30回目の開放時を15ラウンドとするように設定されている。また、15R大当り遊技状態Bでは、大入賞口2006の1〜4回目の開放時をそれぞれ1〜4ラウンド目とし、大入賞口2006の5〜10回目の開放時を5ラウンド目とし、大入賞口2006の11回目の開放時を6ラウンド目とし、大入賞口2006の12〜22回目の開放時を7ラウンド目とし、大入賞口2006の23〜30回目の開放時をそれぞれ8〜15ラウンド目とするように設定されている。また、15R大当り遊技状態Cでは、大入賞口2006の1〜4回目の開放時をそれぞれ1〜4ラウンド目とし、大入賞口2006の5〜13回目の開放時を5ラウンド目とし、大入賞口2006の14〜21回目の開放時を6ラウンド目とし、大入賞口2006の22〜30回目の開放時をそれぞれ7〜15ラウンド目とするように設定されている。
第二実施形態では、第二受入口2432の状態設定スケジュールとして、15R大当り遊技状態A〜Cにおける6ラウンド目及び15ラウンド目では、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されているが、6ラウンド目及び15ラウンド目を除いたラウンド数では、非特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。すなわち、15R大当り遊技状態Aでは、大入賞口2006の6〜13回目の開放時及び22〜30回目の開放時に、特別状態に設定されている。また、15R大当り遊技状態Bでは、大入賞口2006の11回目の開放時及び30回目の開放時に、特別状態に設定されている。また、15R大当り遊技状態Cでは、大入賞口2006の14〜21回目の開放時及び30回目の開放時に、特別状態に設定されている。
また、15R大当り遊技状態Aでは、大入賞口2006の30回の開放時のうちトータル15回の開放時に、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。また、15R大当り遊技状態Bでは、大入賞口2006の30回の開放時のうちトータル2回の開放時に、特別状態に設定されている。また、15R大当り遊技状態Cでは、大入賞口2006の30回の開放時のうちトータル9回の開放時に、特別状態に設定されている。このため、15R大当り遊技状態A〜Cのうち15R大当り遊技状態Aでは、特別状態に設定されている開放回数がもっとも多いことから、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率がもっとも高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率がもっとも高くなっている。一方、15R大当り遊技状態A〜Cのうち15R大当り遊技状態Bでは、特別状態に設定されている開放回数がもっとも少ないことから、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率がもっとも低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率がもっとも低くなっている。
図230(A),(B)及び図231(C)に示すように、15R大当り遊技状態A〜Cでは、1〜15ラウンド目として大入賞口2006を30回開放するようにし、大入賞口2006の開放時間及び開放回数、開放タイミングが全て同じとなっている。また、15R大当り遊技状態A〜Cでは、1〜15ラウンド目の各々のラウンドにおける大入賞口2006の開放回数を異ならせているが、実行中のラウンド数については遊技者に通知していない。このように、15R大当り遊技状態A〜Cでは、1〜15ラウンド目の全体として、大入賞口2006の開放パターンを同じにし、且つ、振分片2433の作動パターン(振分片2433の作動時間や作動タイミングなど)も同じにしているため、15R大当り遊技状態A〜Cのいずれであるかを遊技者が判別不可能となっている。
第二実施形態では、15R大当り遊技状態A〜Cのいずれも大入賞口2006の1〜5回目の開放時には、短時間開放(0.5秒)しかしないため、大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが極めて困難であり、さらに大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2433を短時間作動(0.2秒)しかしないため、大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。
また、第二実施形態では、15R大当り遊技状態A〜Cのいずれも大入賞口2006の6〜30回目の開放時には、長時間開放(2秒)するため、大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが容易であり、さらに大入賞口2006を長時間開放(2秒)する期間中に振分片2433を長時間作動(1秒)するため、大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが容易となっている。ただし、15R大当り遊技状態Aでは、大入賞口2006の6〜13回目の開放時(6ラウンド目)及び22〜30回目の開放時(15ラウンド目)に、15R大当り遊技状態Bでは、大入賞口2006の11回目の開放時(6ラウンド目)及び30回目の開放時(15ラウンド目)に、15R大当り遊技状態Cでは、大入賞口2006の14〜21回目の開放時(6ラウンド目)及び30回目の開放時(15ラウンド目)に、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。このように、15R大当り遊技状態A〜Cでは、1〜15ラウンド目として大入賞口2006を30回開放するようにし、6ラウンド目及び15ラウンド目で特別状態に設定するようにしているが、大入賞口2006の1〜30回目の開放時のうち、特別状態に設定されている開放時期(何回目の開放時か)については異ならせている。より詳細には、大入賞口2006の1〜30回目の開放時のうち、特別状態に設定されている開放期間の開始時期(何回目の開放時から特別状態に設定されるか)、特別状態に設定されている開放期間の終了時期(何回目の開放時に特別状態の設定が終了するか)、特別状態に設定されている開放回数(1〜30回の開放時のうち何回の開放時に特別状態に設定されるか)、の全てを異ならせている。また、大入賞口2006の開放時が何ラウンド目であるのか、加えて、特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかについては、遊技者に通知していない。このため、大入賞口2006の開放時に、大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられた(受け入れられた)としても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者が判別困難となっている。
また、第二実施形態では、大入賞口2006の6〜30回目の開放時のうちいずれの開放時にも、15R大当り遊技状態A〜Cのいずれかに基づいた特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)が設定されている。また、大入賞口2006の開放時が何ラウンド目であるのか、加えて、特別状態に設定されているか又は非特別状態に設定されているかについては、遊技者に通知していない。このため、大入賞口2006の6〜30回目の開放時のうち、大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられた(受け入れられた)開放時がいずれの開放時であっても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する可能性があることから、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者に通知するまでは、高確率状態となる期待をもって遊技を継続させることができる。また、大入賞口2006の6〜30回目の開放時のうち、大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられた(受け入れられた)開放時がいずれの開放時であっても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しない可能性があることから、大入賞口2006の6〜30回目の開放が終了するまでは、大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を継続させることができる。
次に、第二実施形態の演出表示装置1600における15R大当り遊技状態A〜Cの実行時の具体的な演出例について、図232を参照して説明する。第二実施形態では、少なくとも15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の1〜5回目の開放時と、6〜30回目の開放時と、で、それぞれ演出表示装置1600にて共通の演出を実行するようにしている。
まず、演出表示装置1600では、周辺制御基板1510が受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するように表示制御されるが、装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りAを特定した場合には15R大当りA図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りBを特定した場合には15R大当りB図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、15R大当りCを特定した場合には15R大当りC図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御するようにしている。このように、15R大当りA〜Cのいずれに決定した場合にも、演出表示装置1600に装飾図柄の停止図柄として共通の停止図柄を表示制御することで、装飾図柄の停止図柄からは15R大当りA〜Cのいずれかを判別することができない。
次に、上記したステップS190の処理でインターバルタイマにセットされた大当り遊技状態を開始するまでの待機時間が経過するまでの間には、15R大当り遊技状態A〜Cの6〜30回目の開放時における遊技方法を説明する説明演出を実行している。具体的には、図232(A)に示すように、演出表示装置1600において、「Vアタッカー開放中にV通過すれば確変かも!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなるチャンスが生じることを遊技者に理解させることができる。
次に、15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の1〜5回目の開放時には、6〜30回目の開放を開始するまでの待機時間をカウントダウンするカウントダウン演出を実行している。具体的には、図232(B)に示すように、演出表示装置1600において、「カウントダウン!」というメッセージを遊技者に通知するとともに、画面中央部に時間が経過するのに伴って「5」、「4」、「3」、「2」、「1」のように表示し、6〜30回目の開放を開始するまでの待機時間を遊技者に通知するようにしている。また、上記したように、大入賞口2006の1〜5回目の開放時には、短時間開放(0.5秒)しかしないため、大入賞口2006に遊技球が受け入れられることが極めて困難であり、さらに大入賞口2006を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2433を短時間作動(0.2秒)しかしないため、大入賞口2006に受け入れられた遊技球が第二受入口2432に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。このため、大入賞口2006の1〜5回目の開放時には、大入賞口2006及び第二受入口2432への遊技球の入球に対する期待が減退しがちであるが、カウントダウン演出を実行することで、その後に開始される大入賞口2006の6〜30回目の開放に対する期待を煽るようになり、大入賞口2006及び第二受入口2432への遊技球の入球に対する期待が減退しないようにしている。
次に、15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の6〜30回目の開放時には、第二受入口2432に遊技球が受け入れられるように第二受入口2432の開放時(振分片2433の作動時)を狙うべき旨を示す標的指示演出を実行している。具体的には、図232(D)に示すように、演出表示装置1600において、「チャンスモード中!ココを狙え!」というメッセージを遊技者に通知し、大入賞口2006や第二受入口2432、振分片2433などが含まれるアタッカユニット2400を模写した画像とともに、遊技者が狙うべき第二受入口2432の場所を示す画像を表示している。これにより、大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるためには、遊技領域5a上のどこを狙えばよいのかを明確に知ることができる。なお、15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の6〜30回目の開放時には、特別状態または非特別状態のいずれかの期間内に第二受入口2432に遊技球が受け入れられるごとに、その第二受入口2432に遊技球が受け入れられた旨を示すV通過時演出を実行している。このV通過時演出では、図211(C)に示した画像と同じく、演出表示装置1600において、「V通過!」というメッセージを遊技者に通知している。これにより、例えば実際に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かを遊技者が見逃した場合であっても、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた旨を明確に知ることができ、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる期待を高めることができる。
第二実施形態では、15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の1〜30回目の開放時、すなわち、全てのラウンド数を消化するまでは、大入賞口2006の開放中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを判別することができないが、その後の遊技において、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか(制御したか)又は高確率状態に制御しないか(制御していないか)を判別できるようにしている。例えば、15R大当り遊技状態A〜Cの15ラウンド目の終了時(終了前後)において、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者に通知したり、15R大当り遊技状態A〜Cの終了後から特別図柄の変動表示として数変動〜数十変動が行われた後に、高確率状態に制御されているか又は高確率状態に制御されていないかを遊技者に通知したりすればよい。これらのうち、15R大当り遊技状態A〜Cの終了後にも、高確率状態に制御されているか又は高確率状態に制御されていないかを潜伏させる場合には、高確率状態に制御されているかも知れないという期待をもって遊技を継続させることができる。
以上、第二実施形態によれば、第二受入口2432を有する大入賞口2006の6回目以降の開放中に特別状態及び非特別状態のいずれかを設定することで、第二受入口2432に遊技球が受け入れられた(振り分けられた)としても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかを遊技者が判別困難となる。これにより、第一実施形態と同様に、第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても遊技者に安心感を与えず、高確率状態に制御するか又は高確率状態に制御しないかの期待感や緊張感を遊技者に与えたまま大当り遊技を継続させることが可能となる。
また、第二実施形態によれば、第一実施形態により得られる各種の効果に加え、以下の効果を奏することができる。すなわち、「第二受入口2432に遊技球が受け入れられることが可能とされる大入賞口2006の複数回開放が行われる間、できるだけ多くの大入賞口2006の開放で遊技球を入球させ、且つ、第二受入口2432に遊技球が受け入れられることで、利益付与(高確率状態の付与)の可能性が高まる」というゲーム性を実現可能となる。より詳しくは、「大入賞口2006の複数回開放の全てで第二受入口2432に遊技球が受け入れられた場合には、確実に利益を付与する(安心感を与える)一方で、大入賞口2006の複数回開放のうち第二受入口2432に遊技球が受け入れられた回数が減少するほど利益付与の可能性が低下する(第二受入口2432に遊技球が受け入れられた回数が増加するほど期待感を与える)」という特異なゲーム性を実現できる。こうしたゲーム性により、従来に比して「第二受入口2432に遊技球が受け入れられた回数」に遊技者を注目させる新たな面白みを付加することができる。
[12−1.第二実施形態の別演出例について]
上記した第二実施形態では、15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の1〜30回目の開放時において、第二受入口2432に遊技球が受け入れられる(振り分けられる)かどうかの遊技が行われているが、演出表示装置1600にて共通の演出を実行することで、演出からは15R大当り遊技状態A〜Cのいずれであるかを遊技者が判別困難としている。このため、第二大入賞口2006の開放時に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたとしても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態が付与される可能性が高いのかどうかすら判別できない仕様となっている。これに対し、第一実施形態における第四の別演出例のように、15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の一部の開閉態様、例えば、15R大当り遊技状態A〜Cにおける大入賞口2006の開放回数を異ならせ、その開放回数の違いによって遊技者に比較的有利な大当りである可能性を示唆する仕様としてもよい。このような仕様とした場合について、第二実施形態の別演出例として、図233乃至図235を参照して説明する。
図233に示すように、第二実施形態の別演出例の図柄決定テーブルには、判定結果毎(16R大当りA1、16R大当りA2、16R大当りB1、16R大当りB2、16R大当りC1、16R大当りC2)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、第二実施形態の別演出例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.1〜15ラウンド目の全てで、第二実施形態の15R大当りAに基づいた15R大当り遊技状態Aと同じように大入賞口2006を開閉制御した後、さらに16ラウンド目(最終ラウンド)として大入賞口2006を1回開放する16R大当り遊技状態A1に制御する16R大当りA1
2.1〜15ラウンド目の全てで、第二実施形態の15R大当りAに基づいた15R大当り遊技状態Aと同じように大入賞口2006を開閉制御した後、さらに16ラウンド目(最終ラウンド)として大入賞口2006を2回開放する16R大当り遊技状態A2に制御する16R大当りA2
3.1〜15ラウンド目の全てで、第二実施形態の15R大当りBに基づいたた15R大当り遊技状態Bと同じように大入賞口2006を開閉制御した後、さらに16ラウンド目(最終ラウンド)として大入賞口2006を1回開放する16R大当り遊技状態B1に制御する16R大当りB1
4.1〜15ラウンド目の全てで、第二実施形態の15R大当りBに基づいたた15R大当り遊技状態Bと同じように大入賞口2006を開閉制御した後、さらに16ラウンド目(最終ラウンド)として大入賞口2006を2回開放する16R大当り遊技状態B2に制御する16R大当りB2
5.1〜15ラウンド目の全てで、第二実施形態の15R大当りCに基づいたた15R大当り遊技状態Cと同じように大入賞口2006を開閉制御した後、さらに16ラウンド目(最終ラウンド)として大入賞口2006を1回開放する16R大当り遊技状態C1に制御する16R大当りC1
6.1〜15ラウンド目の全てで、第二実施形態の15R大当りCに基づいたた15R大当り遊技状態Cと同じように大入賞口2006を開閉制御した後、さらに16ラウンド目(最終ラウンド)として大入賞口2006を2回開放する16R大当り遊技状態C2に制御する16R大当りC2、の6種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、16R大当りA1及び16R大当りA2は、特別状態(第二受入口2432に遊技球が受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている大入賞口2006の開放回数が、第二実施形態の15R大当りAと同じであることから、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りである。また、16R大当りB1及び16R大当りB2は、特別状態に設定されている大入賞口2006の開放回数が、第二実施形態の15R大当りBと同じであることから、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当りである。また、16R大当りC1及び16R大当りC2は、特別状態に設定されている大入賞口2006の開放回数が、第二実施形態の15R大当りCと同じであることから、16R大当りA1及び16R大当りA2ほどではないが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りである。
第二実施形態の別演出例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図233に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、6種類の大当りのうち、遊技者に比較的有利な16R大当りA1及び16R大当りA2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して合計で25個の判定値の振分けが設定され、同様に遊技者に比較的有利な16R大当りC1及び16R大当りC2(16R大当りA1及び16R大当りA2ほどではないが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して合計で25個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な16R大当りB1及び16R大当りB2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)に対して合計で50個の判定値の振分けが設定されている。
より詳細には、上記した第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、遊技者に比較的有利な16R大当りA1及び16R大当りA2のうち、16ラウンド目(最終ラウンド)で大入賞口2006を1回開放する16R大当りA1に対して1個の判定値の振分けが設定されているのに対し、16ラウンド目(最終ラウンド)で大入賞口2006を2回開放する16R大当りA2に対して24個の判定値の振分けが設定されている。また、上記した第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、16R大当りA1及び16R大当りA2ほどではないが、遊技者に比較的有利な16R大当りC1及び16R大当りC2のうち、16ラウンド目(最終ラウンド)で大入賞口2006を1回開放する16R大当りC1に対して5個の判定値の振分けが設定されているのに対し、16ラウンド目(最終ラウンド)で大入賞口2006を2回開放する16R大当りC2に対して20個の判定値の振分けが設定されている。また、上記した第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、遊技者に比較的不利な16R大当りB1及び16R大当りB2のうち、16ラウンド目(最終ラウンド)で大入賞口2006を1回開放する16R大当りB1に対して45個の判定値の振分けが設定されているのに対し、16ラウンド目(最終ラウンド)で大入賞口2006を2回開放する16R大当りB2に対して5個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、6種類の大当りのうち、遊技者に比較的有利な16R大当りA2に対してのみ判定値の振分けが設定されている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、16R大当りA1に決定した場合には大当り図柄として16R大当りA1図柄に決定し、16R大当りA2に決定した場合には大当り図柄として16R大当りA2図柄に決定し、16R大当りB1に決定した場合には大当り図柄として16R大当りB1図柄に決定し、16R大当りB2に決定した場合には大当り図柄として16R大当りB2図柄に決定し、16R大当りC1に決定した場合には大当り図柄として16R大当りC1図柄に決定し、16R大当りC2に決定した場合には大当り図柄として16R大当りC2図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、16R大当りA2に決定した場合には大当り図柄として16R大当りA2図柄に決定する。
また、周辺制御MPU1511aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち16R大当りA1を特定した場合には16R大当りA1図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、16R大当りA2を特定した場合には16R大当りA2図柄(16R大当りA1図柄と共通)に決定し、16R大当りB1を特定した場合には16R大当りB1図柄(16R大当りA1図柄と共通)に決定し、16R大当りB2を特定した場合には16R大当りB2図柄(16R大当りA1図柄と共通)に決定し、16R大当りC1を特定した場合には16R大当りC1図柄(16R大当りA1図柄と共通)に決定し、16R大当りC2を特定した場合には16R大当りC2図柄(16R大当りA1図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が16R大当りA1図柄、16R大当りA2図柄、16R大当りB1図柄、16R大当りB2図柄、16R大当りC1図柄または16R大当りC2図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができるが、16R大当りA1図柄、16R大当りA2図柄、16R大当りB1図柄、16R大当りB2図柄、16R大当りC1図柄及び16R大当りC2図柄として共通の図柄を用いているため、16R大当りA1、16R大当りA2、16R大当りB1、16R大当りB2、16R大当りC1または16R大当りC2のいずれかを判別することができない。
図234に示す16R大当り遊技状態A1,A2,B1,B2,C1,C2時の実行テーブルは、上記主制御MPU1310aのROM4100dに記憶され、1〜16ラウンド目における大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、がそれぞれ関連付けされている。図235は、16R大当り遊技状態A1,A2,B1,B2,C1,C2時の実行テーブルに従って実行される16ラウンド目(最終ラウンド)のタイミングチャートである。
図234に示すように、16R大当り遊技状態A1及び16R大当り遊技状態A2では、1〜16ラウンド目のうち15ラウンド目までは、大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、が、図229に示した15R大当り遊技状態Aと同じである。そして、16R大当り遊技状態A1では、16ラウンド目(最終ラウンド)における大入賞口2006の動作スケジュールとして、大入賞口2006の31回目の開放時に大入賞口2006を長時間開放(2秒)するように設定されている。また、16R大当り遊技状態A2では、16ラウンド目(最終ラウンド)における大入賞口2006の動作スケジュールとして、大入賞口2006の31回目の開放時に大入賞口2006を長時間開放(2秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(10秒)が経過した後に32回目の開放として大入賞口2006を長時間開放(2秒)するように設定されている。なお、大入賞口2006の31回目の開放及び32回目の開放においては、振分片2433を作動しないため、原則として第二受入口2432に遊技球が受け入れられることがなく、第二受入口2432の状態を「無効状態」としている。
また、図234に示すように、16R大当り遊技状態B1及び16R大当り遊技状態B2では、1〜16ラウンド目のうち15ラウンド目までは、大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、が、図229に示した15R大当り遊技状態Bと同じである。そして、16R大当り遊技状態B1では、16ラウンド目(最終ラウンド)における大入賞口2006の動作スケジュールとして、大入賞口2006の31回目の開放時に大入賞口2006を長時間開放(2秒)するように設定されている。また、16R大当り遊技状態B2では、16ラウンド目(最終ラウンド)における大入賞口2006の動作スケジュールとして、大入賞口2006の31回目の開放時に大入賞口2006を長時間開放(2秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(10秒)が経過した後に32回目の開放として大入賞口2006を長時間開放(2秒)するように設定されている。なお、大入賞口2006の31回目の開放及び32回目の開放においては、振分片2433を作動しないため、原則として第二受入口2432い遊技球が受け入れられることがなく、第二受入口2432の状態を「無効状態」としている。
図234に示すように、16R大当り遊技状態C1及び16R大当り遊技状態C2では、1〜16ラウンド目のうち15ラウンド目までは、大入賞口2006の動作スケジュールと、振分片2433の動作スケジュールと、第二受入口2432の状態設定スケジュールと、が、図229に示した15R大当り遊技状態Cと同じである。そして、16R大当り遊技状態C1では、16ラウンド目(最終ラウンド)における大入賞口2006の動作スケジュールとして、大入賞口2006の31回目の開放時に大入賞口2006を長時間開放(2秒)するように設定されている。また、16R大当り遊技状態C2では、16ラウンド目(最終ラウンド)における大入賞口2006の動作スケジュールとして、大入賞口2006の31回目の開放時に大入賞口2006を長時間開放(2秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(10秒)が経過した後に32回目の開放として大入賞口2006を長時間開放(2秒)するように設定されている。なお、大入賞口2006の31回目の開放及び32回目の開放においては、振分片2433を作動しないため、原則として第二受入口2432に遊技球が受け入れられることがなく、第二受入口2432の状態を「無効状態」としている。
図235に示すように、16大当り遊技状態A1〜C1では、16ラウンド目(最終ラウンド)として、大入賞口2006の31回目の開放が行われるのに対し、16R大当り遊技状態A2〜C2では、16ラウンド目(最終ラウンド)として、大入賞口2006の31回目の開放から32回目の開放が行われるものであり、1〜16ラウンド目の全てでの大入賞口2006の開放回数を異ならせている。また、16R大当り遊技状態A1〜C1では、大入賞口2006の31回目の開放時まで、大入賞口2006の開放パターン(開放時間及び開放回数、開放タイミング)を同じにしているため、16R大当り遊技状態A1であるか、16R大当り遊技状態B1であるか又は16R大当り遊技状態C1であるかを遊技者が判別困難となっている。同様に、16R大当り遊技状態A2〜C2では、大入賞口2006の32回目の開放時まで、大入賞口2006の開放パターン(開放時間及び開放回数、開放タイミング)を同じにしているため、16R大当り遊技状態A2であるか、16R大当り遊技状態B2であるか又は16R大当り遊技状態C2であるかを遊技者が判別困難となっている。
また、16大当り遊技状態A1〜C1と、16R大当り遊技状態A2〜C2とでは、大入賞口2006の31回目の開放時まで、大入賞口2006の開放パターン(開放時間及び開放回数、開放タイミング)を同じにしているため、16大当り遊技状態A1〜C1であるか又は16R大当り遊技状態A2〜C2であるかを遊技者が判別困難となっているが、大入賞口2006の32回目の開放が行われたときには、16R大当り遊技状態A2〜C2のいずれかである旨を遊技者が判別することができる。このため、第二実施形態の別演出例では、大入賞口2006の31回目の開放が行われた後、32回目の開放が行われるかどうかに注目させることができる。また、大入賞口2006の31回目の開放時までは、それぞれの開放間隔が2秒に設定されているのに対し、大入賞口2006の32回目の開放時には、31回目の開放時から開放間隔が10秒に設定されており、大入賞口2006の31回目の開放時までの開放間隔よりも長くしていることから、大入賞口の2006の開放回数が多いことに遊技者に容易に気付かせることができる。
上記したように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、遊技者に比較的有利な16R大当りA1及び16R大当りA2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)のうち、大入賞口2006を31回開放する16R大当りA1に対して1個の判定値の振分けが設定されているのに対し、大入賞口2006を32回開放する16R大当りA2に対して24個の判定値の振分けが設定されている。また、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、遊技者に比較的有利な16R大当りC1及び16R大当りC2(16R大当りA1及び16R大当りA2ほどではないが、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)のうち、大入賞口2006を31回開放する16R大当りC1に対して5個の判定値の振分けが設定されているのに対し、大入賞口2006を32回開放する16R大当りC2に対して20個の判定値の振分けが設定されている。また、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、遊技者に比較的不利な16R大当りB1及び16R大当りB2(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)のうち、大入賞口2006を31回開放する16R大当りB1に対して45個の判定値の振分けが設定されているのに対し、大入賞口2006を32回開放する16R大当りB2に対して5個の判定値の振分けが設定されている。すなわち、遊技者に比較的有利な16R大当りA1及び16R大当りA2のうち、96%の割合で16R大当りA2に決定し、大入賞口2006を32回開放するのに対し、16R大当りA1及び16R大当りA2ほどではないが、遊技者に比較的有利な16R大当りC1及び16R大当りC2のうち、80%の割合で16R大当りC2に決定し、大入賞口2006を32回開放する。また、遊技者に比較的不利な16R大当りB1及び16R大当りB2のうち、10%の割合で16R大当りB2に決定し、大入賞口2006を32回開放する。このように、大当りの種類が16R大当りA1及び16R大当りA2などの遊技者に比較的有利な大当りであるほど、大入賞口2006を32回開放する割合を高くすることで、大入賞口2006の32回目の開放が行われたときに16R大当りA1及び16R大当りA2などの遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆するようにしている。そして、大入賞口2006の32回目の開放が行われることによって遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨が示唆されたときには、16R大当りA1及び16R大当りA2や16R大当りC1及び16R大当りC2が、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当りであることから、大当り遊技状態の終了後における高確率状態に制御されているかどうかの遊技を、期待をもって行わせることができる。
また、上記したように、大入賞口2006を32回開放する16R大当り遊技状態A2〜C2は、大当りの種別(16R大当りA2、16R大当りB2、16R大当りC2に決定するか否か)に基づいて実行するものであり、大入賞口2006の30回目までの開放時(特別状態及び非特別状態が設定されている間)において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられたか否かについては考慮していない。このため、16R大当りA1及び16R大当りA2や16R大当りC1及び16R大当りC2では、大入賞口2006の30回目までの開放時において、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高くなっているが、例えば、特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられなかった場合にも、大入賞口2006の32回目の開放が高い割合で行われることとなる。
上記したように、第二実施形態の別演出例では、大入賞口2006を31回開放する16R大当り遊技状態A1〜C1と、大入賞口2006を32回開放する16R大当り遊技状態A2〜C2と、を用意し、大当りの種類が遊技者に比較的有利な大当り(特別状態中に第二受入口2432に遊技球が受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)であるほど、大入賞口2006を32回開放する割合を高くしているが、さらに大入賞口2006を33回開放する16R大当り遊技状態を用意し、大当りの種類が遊技者に比較的有利な大当りであるほど、大入賞口2006を31回よりも32回、32回よりも33回開放する割合を高くすることで、大入賞口2006の開放回数が多くなるほど、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高い旨を示唆するようにしてもよい。このような場合には、、大入賞口2006の31回目以降の開放時において、大入賞口2006の開放回数が多くなるほど、遊技者に比較的有利な大当りである可能性が高くなることから、大入賞口2006の開放回数がいつまで継続するかに期待をもって注目させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。