JP2024020849A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作者がスムーズな遊技操作を行うことが可能な、メダルレスにかかる遊技機を提供する。【解決手段】遊技機は、遊技制御部と、遊技機と接続された遊技価値記録手段から遊技価値に関する情報を受信することが可能であり、かつ、遊技価値を管理することが可能な価値管理部と、遊技価値のベット操作を受けつけることが可能なベットスイッチと、価値管理部で管理されている遊技価値に関する情報を遊技価値記録手段へ転送させることを、価値管理部に指示することが可能な計数指示部と、出力部と、を備え、価値管理部は、遊技価値に関する情報を遊技価値記録手段へ転送させる旨の指示を計数指示部から受けつけたとき、ベットされている状態の遊技価値の有無を判定する有無判定を実行することが可能であり、出力部は、有無判定の結果に基づいて、操作者が次に行うべき行動を操作者に示唆するためのサポート処理を実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、遊技機に関する。
従来から、操作者が遊技機の前面に設置された投入口に遊技価値(メダル)を投入することで、遊技機内に設けられたメダルセンサによりメダルが投入されたことが検出される遊技機が知られている(特許文献1参照)。
このような現行の遊技機には、その内部に、メダルの受け入れ、および、払い出しを行うホッパーユニットが設けられており、また、遊技機の下部に、メダルを払い出すための払い出し口と、払い出し口から払い出されたメダルを貯留するための下皿と、が設けられている。
現行の遊技機では、現実物品であるメダルが排出されるため、遊技の終了後に遊技機から排出されたメダルを、店舗のスタッフが集計するといった流れとなる。
特開2021-122451号公報
一方で、店舗の管理業務の効率化などの観点から、今後、現実物品であるメダルが用いられない遊技機(以下では、「メダルレス機」という)が開発されることも考えられうる。
このようなメダルレス機では、操作者(遊技を実行しているユーザである遊技者、店舗スタッフ、遊技を終えたユーザを含む)が紙幣をメダル貸出機(メダルユニット)に投入したのちに、メダルユニットから遊技機にメダルデータ(例えば、メダルの数量に関するデータ)が転送され、遊技の進行に伴って遊技機側でメダルデータ(メダルの増減)が管理されることになると想定される。
また、このようなメダルレス機では、操作者が遊技を終了させるときには、操作者が計数ボタンを押下することで転送処理が実行されると想定される。この転送処理により、遊技機内で管理されていたメダルデータはメダルユニットに転送される。その後、操作者は、メダルデータが記録されたカードをメダルユニット側から取り出す。
このようにメダルレス機では、現実物品であるメダルが排出されないため、操作者は、メダルの転送を忘れないように転送処理を指示するための操作を行う必要がある。
現実物品であるメダルを用いる現行の遊技機では、操作者は、遊技を終了する際に、少しだけ残っているメダルをそのまま(すなわち、遊技機にメダルがクレジットされたまま、および/または、ベットされたまま)放置して立ち去ることができる。
これに対して、メダルレス機では、操作者は、残ったメダルに対する処理操作を行って遊技を終了させる必要がある。特に、メダルがベットされたままの場合には、操作者は、遊技を終了する際に、メダルがベットされていない状態とするためのキャンセル処理を行う必要がある。
しかしながら、メダルレス機に慣れていない操作者は、次にどのような操作を行えばよいかを知らないことが多いと考えられる。
本発明の目的は、操作者がスムーズな遊技操作を行うことが可能な、メダルレスにかかる遊技機を提供することである。
本発明は、
遊技機での遊技の進行を制御することが可能な遊技制御部と、
前記遊技機と接続された、または、前記遊技機内に設置された遊技価値記録手段、から前記遊技を行うために必要な遊技価値に関する情報を受信することが可能であり、かつ、前記遊技が進行することで変動する前記遊技価値を管理することが可能な価値管理部と、
前記遊技価値のベット操作を受けつけることが可能なベットスイッチと、
操作者の操作に基づいて、前記価値管理部で管理されている前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させることを、前記価値管理部に指示することが可能な計数指示部と、
前記遊技に関する情報を前記操作者に提供することが可能な出力部と、
を備え、
前記価値管理部は、前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させる旨の指示を前記計数指示部から受けつけたとき、ベットされている状態の前記遊技価値の有無を判定する有無判定を実行することが可能であり、
前記出力部は、前記有無判定の結果に基づいて、前記操作者が次に行うべき行動および/または前記遊技機の状態、を前記操作者に報知および/または示唆するためのサポート処理を実行することが可能である、
遊技機である。
また、本発明では、
前記出力部は、前記有無判定にて有と判定された場合に、前記サポート処理として、ベットされている状態の前記遊技価値がある旨を前記操作者に報知および/または示唆する処理を実行することが可能である、
ことができる。
また、本発明では、
ベットされている状態の前記遊技価値をベットされていない状態とするための操作を受けつけることが可能なキャンセルボタン、
をさらに備え、
前記出力部は、前記有無判定にて有と判定された場合に、前記サポート処理として、前記キャンセルボタンを操作すべき旨を前記操作者に報知および/または示唆するための処理を実行することが可能である、
ことができる。
また、本発明では、
前記価値管理部は、前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させる旨の指示を前記計数指示部から受けつけた場合であって、かつ、前記有無判定にて有と判定された場合には、ベットされている状態の前記遊技価値に関する情報に加えて、ベットされていない状態の前記遊技価値に関する情報も、前記遊技価値記録手段へ転送しないことが可能である、
ことができる。
また、本発明では、
前記出力部は、前記有無判定にて無と判定された場合に、前記サポート処理として、前記遊技を終了させる旨を前記操作者に報知および/または示唆するための処理を実行することが可能である、
ことができる。
また、本発明では、
前記価値管理部は、前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させる旨の指示を前記計数指示部から受けつけた場合であって、かつ、前記有無判定にて有と判定されている場合には、転送分離処理を実行することが可能であり、
前記転送分離処理は、ベットされていない状態の前記遊技価値に関する情報を、前記遊技価値記録手段へ転送するが、ベットされている状態の前記遊技価値に関する情報を、前記遊技価値記録手段へ転送させない、処理である、
ことができる。
また、本発明では、
ベットされている状態の前記遊技価値をベットされていない状態とするための操作を受けつけることが可能なキャンセルボタン、
をさらに備え、
前記出力部は、前記転送分離処理が実行された以降に、前記キャンセルボタンが操作されたことに基づいて、ベットされている状態の前記遊技価値がベットされていない状態となった場合には、前記サポート処理として、前記計数指示部を操作すべき旨を前記操作者に報知および/または示唆するための処理を実行することが可能である、
ことができる。
また、本発明では、
ベットされている状態の前記遊技価値をベットされていない状態とするための操作を受けつけることが可能なキャンセルボタン、
をさらに備え、
前記価値管理部は、前記転送分離処理が実行された以降に、前記キャンセルボタンが操作されたことに基づいて、ベットされている状態の前記遊技価値がベットされていない状態となったことを契機として、その遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させることが可能である、
ことができる。
本発明によれば、操作者がスムーズな遊技操作を行うことが可能な、メダルレスにかかる遊技機を提供することができる。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。 回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。 遊技区間の状態遷移を説明する図である。 第1遊技状態における状態遷移を説明する図である。 第2遊技状態における状態遷移を説明する図である。 レンジ(MY)および有利区間差枚数を説明する図である。 サポート処理が実行されている状態を説明する図である。 スロットマシンの動作処理の流れを示すフロー図である。 貸出処理および転送処理の流れを示すフロー図である。 サポート処理の流れを示すフロー図である。
[第1実施形態]
本発明の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1およびメダルユニット7について、図1~図11を参照して説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更することができる。
<メダルユニット7の構成>
メダルユニット7は、図2に示すとおり、スロットマシン1の外部においてスロットマシン1と通信可能に接続されている。
また、メダルユニット7は、その内部に、現実物品のメダルに代わる電子データとしてのメダルデータを記憶するカード70を格納することができる。
また、メダルユニット7は、主に、以下に述べるメダルデータのスロットマシン1への転送に伴うメダル貸出処理と、逆にスロットマシン1からのメダルデータの転送に伴うカード70の排出処理とを行うことができる。
また、メダルユニット7は、スロットマシン1の媒体管理部613との間で必要なデータを送受信することで、スロットマシン1内のメダルデータの管理を行うことができる。
また、メダルユニット7は、貸出ボタン71を備えている。操作者によってメダルユニット7に紙幣が投入され(メダルユニット7にて生成された投入信号がスロットマシン1へと送信され)、その後、操作者によって貸出ボタン71が押下されることにより、貸出信号が生成されて媒体管理部613へと送信される。
なお、本明細書において、「操作者」は、遊技を実行しているユーザである遊技者、遊技を終了したユーザ、店舗スタッフのすべてを意味するが、必要に応じて、個別に「店舗スタッフ」、「遊技者」などと表記する場合がある。
また、メダルユニット7は、スロットマシン1の計数ボタン44が押下されることにより、転送信号およびメダルデータをスロットマシン1から受信する。
メダルユニット7は、カード70にメダルデータが入っていない場合には、受信したメダルデータをカード70に書き込む処理を実行し、すでにカード70にメダルデータが書き込まれている場合には、カード70のメダルデータを更新する処理および上書きする処理を実行する。
メダルユニット7は、図示しないホールコンピュータ(店舗に設置されるコンピュータ)、ユニット管理コンピュータ(メダルユニット7を管理するコンピュータ)などと通信可能に接続されている。各スロットマシン1に接続されるメダルユニット7は、ホールコンピュータなどに、例えば各スロットマシン1に貯留(クレジット)されているメダルデータなどを送信することができる。これにより、ホールコンピュータなどで、スロットマシン1のメダルデータを管理することができる。
メダルユニット7は、操作者により排出ボタン72が押下されると、格納されていたカード70を外部に排出する。また、カード70が外部に排出される際、メダルユニット7は、カードの排出信号を生成し、その排出信号をスロットマシン1に送信することができてもよい。
<スロットマシン1の構成>
本実施形態のスロットマシン1は、従来のスロットマシンとは異なり、前述のメダルユニット7と通信可能に接続され、現実物品であるメダルを用いることなく遊技を進行させることのできるメダルレス機である。本実施形態のスロットマシン1では、現実物品であるメダルに代えて、電子データとしてのメダルデータを用いて遊技が行われる。なお、以下では、説明の便宜上、「メダルデータ」を単に「メダル」と表現する場合もある。
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を備える。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。操作者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ101、および電飾部102が設けられている。
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
スピーカ101は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
電飾部102は、LEDなどで構成されており、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、ベットスイッチ41、レバー42、デジタルカウンタ43、計数ボタン44、およびキャンセルボタン45などを含む。
操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受けつける。そして、ストップスイッチ40aが押下されると回転リール20aの回転が停止し、ストップスイッチ40bが押下されると回転リール20bの回転が停止し、ストップスイッチ40cが押下されると回転リール40cの回転が停止する。
ベットスイッチ41は、操作者がメダルをベットする際に用いられる。なお、クレジットされているメダル(メダルデータ)およびベットされたメダル(メダルデータ)の数量は、スロットマシン1(後述の媒体管理部613)で管理される。
レバー42は、各回転リール20を回転させるための操作を受けつけるスタートスイッチとして機能する。
デジタルカウンタ43には、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数(獲得枚数)、メダルのベット数などがデジタル表記される。
計数ボタン44は、メダルデータを後述の媒体管理部613からメダルユニット7へ転送するための、操作者による操作を受けつけることができる。操作者による操作を計数ボタン44が受けつけたとき、計数ボタン44にて転送信号が生成される。
キャンセルボタン45は、ベットされている状態のメダルデータをベットされていない状態とするための、操作者による操作を受けつけることができる。
操作者は、遊技を終了させる場合において、メダルがベットされている状態であるか否かに応じて、計数ボタン44および/またはキャンセルボタン45を、押下する順番を含めて適切に押下する必要がある。
例えば、メダルがベットされている状態であれば、操作者はまず、キャンセルボタン45を押下して、メダルがベットされていない状態とする必要がある。メダルがベットされている状態において操作者がキャンセルボタン45を押下すると、ベットを解除するためのキャンセル信号が生成され、このキャンセル信号が媒体管理部613へと送信される。これにより、ベットされている状態のメダルが、ベットされていない状態となる。すなわち、キャンセルボタン45が押下されたこと基づき送信されたキャンセル信号により、メダルのベットに関する状態は、ベットされている状態からベットされていない状態へと切り替えられる。
ついで、メダルがベットされていない状態で操作者が計数ボタン44を押下することにより、スロットマシン1側のメダルデータをメダルユニット7へと転送させるための転送信号が生成される。この転送信号により、媒体管理部613で管理されているすべてのメダルデータは、メダルユニット7へと転送される。また、この際には、後述の有無判定によりベットされている状態のメダルが“無”と判定されることにより、媒体管理部613が、遊技を終了させる旨の信号である第1サポート信号を生成する。この第1サポート信号は、演出制御部620などへと送信される。第1サポート信号の詳細は後述する。
なお、メダルがベットされていない状態で操作者がキャンセルボタン45を押した場合には、キャンセル信号が生成されるものの、すでにメダルはベットされていない状態となっているため、メダルデータへの更新処理はなされない。
一方、メダルがベットされている状態でキャンセルボタン45が押下されることなく計数ボタン44が押下された場合には、転送信号が生成されることなく、有無判定によりベットされている状態のメダルが“有”と判定されることにより、媒体管理部613が、操作者が次にとるべき行動を報知/示唆するための第2サポート信号を生成する。この第2サポート信号は、演出制御部620へと送信される。第2サポート信号の詳細は後述する。
この場合には、ベットされている状態のメダルデータ、および、ベットされていない状態のメダルデータはともに、メダルユニット7へと送信されない。
第2サポート信号が生成された後、キャンセルボタン45が押下された場合(キャンセル信号が生成された場合)には、メダルがベットされている状態からベットされていない状態へと更新(切り替え)されるとともに、媒体管理部613が、操作者が次にとるべき行動を報知/示唆するための第3サポート信号を生成する。この第3サポート信号は、演出制御部620へと送信される。第3サポート信号の詳細は後述する。
ついで、再度計数ボタン44が押下されることで、再度転送信号が生成されて、メダルデータおよび転送信号がメダルユニット7へと送信される。
また、スロットマシン1は、図2に示すとおり、回転リールユニット2、および制御部6を備える。回転リールユニット2、および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
回転リールユニット2は、図1および図2に示すとおり、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。
各回転リール20の表面には、例えば、図3に示すような図柄(シンボル)が配置されている。各回転リール20の回転が停止したときに後述の有効ラインLに表示される図柄の組み合わせが、あらかじめ定められた図柄の組み合わせであるか否かを後述の遊技結果判定部612が判定することで、遊技が進行する。
ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述する回転リール制御部611によって、その回転および停止が制御される。
<操作者による遊技の流れ>
操作者は、ベットスイッチ41を操作することによりクレジットされているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定数量のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー42の操作、すなわち遊技を開始することが可能となる。
図1では、有効ラインLが、右下がりラインの1本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、1本のラインLが有効化される。
以下では、ベル、スイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、メダルの払い出しがなされないリプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。本実施形態における特定の役には、以下に述べる特別役も含まれる。
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ41、レバー42およびストップスイッチ40などを操作して、内部抽せん、入賞判定処理、メダルデータの増減処理を含む、所定の遊技結果を得る一連の動作をいう。
具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー42が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
<遊技状態について>
遊技中は、図4に示すように遊技区間の種類が設定され、図5および図6に示すように複数の遊技状態の中から1つの遊技状態が設定される。設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんおよび所定の抽せんが行われる。
遊技状態には、第1遊技状態(図5参照)および第2遊技状態(図6参照)が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
第1遊技状態は、図5に示すように、特別役非持ち越し状態と、ボーナス内部状態(特別役持ち越し状態)と、特別役実施状態とを含む。特別役非持ち越し状態とボーナス内部状態と特別役実施状態とは、排他的に成立する関係にある。
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより特別役(例えば、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置である1種BB)が当せんしておらず、かつ、特別役の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、例えば、後述の設定値が変更された場合、RAMが初期化された場合(所定条件の一例)、特別役実施状態において所定枚数を超えてメダルが払い出された場合などに設定される。
ボーナス内部状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしているものの、その特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、ボーナス内部状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、その特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、特別役が未だに入賞していない状態をいう。なお、1種BBの入賞が持ち越された状態にある場合には、さらなる1種BBの抽せんは行われない。
特別役実施状態は、内部抽せんにより当せんした特別役が入賞した状態であって、所定枚数を超えるメダルの払い出しがなされていない状態をいう。
スロットマシン1の遊技中、操作者は、持ち越された状態にある特別役を入賞させることなく、第1遊技状態が特別役持ち越し状態のままで遊技を続行する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、AT(アシストタイム)機である。AT機は、例えば店舗開店前に店舗スタッフの操作により第1遊技状態がボーナス内部状態に設定されて、この状態のもとで操作者が第2遊技状態を遷移させて遊技を楽しむものである。
第2遊技状態は、図6に示すように、一般遊技状態またはAT(有利遊技状態の一例)のいずれかをとる。第2遊技状態において一般遊技状態とATとは、排他的に成立する関係にある。
一般遊技状態とは、ATでない状態、つまりアシスト機能が発生しない状態(あるいは、発生しにくい状態)である。例えば、RAMクリア後あるいはAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。
ATとは、内部抽せんにより当せんした前記特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3、スピーカ101、および電飾部102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が作動している状態である。
AT抽せんは、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役(レア役の当せん、所定役の当せん回数など)に応じて行われる。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした(AT移行信号が生成された)場合に、第2遊技状態は、一般遊技状態からATへと移行する。
ATにて遊技が開始されてから所定ゲーム数が経過した場合、ATにて遊技が開始されてからメダルが払い出された総枚数が所定枚数に達した場合、または、アシストが規定回数実行された場合に、第2遊技状態は、ATから一般遊技状態へと移行する。これにより、ATは終了する。
<遊技区間について>
前述した遊技区間とは、指示機能にかかる処理が行われるか否かを決定するための状態(区間)である。図4に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とで構成される。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかをとりうる。
指示機能にかかる処理とは、例えば、指示機能を発揮させる(アシストを行う)処理、モード(ATの当せん確率が定められたモード)抽せん、モード移行処理、CZ(AT当せん確率の高いチャンスゾーン)抽せん処理、CZ処理、AT抽せん処理(ATの継続に関する処理を含む)、AT処理、などのことである。
通常区間は、指示機能にかかる処理を実行することができないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、遊技区間が通常区間である間は、第2遊技状態は一般遊技状態である。
有利区間は、指示機能にかかる処理を実行することが可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、CZまたはATで進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件が満たされるまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。
<制御部6の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部62を備える。
メイン制御部61は、内部抽せん、および、回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。
サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて、演出に関する制御を行う。
メイン制御部61およびサブ制御部62それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。
メイン制御部61のROMには、遊技進行に直接的(例えば、回転リール20の制御、転送処理、出玉制御)にかかわるプログラムが記憶されている。
また、サブ制御部62のROMには、遊技進行に間接的(例えば、液晶画面3の演出制御、電飾部102のLED制御、スピーカ101の音制御)にかかわるプログラムが記憶されている。
メイン制御部61のRAMには、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。
遊技データには、現在のゲーム数のほか、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータなどが含まれる。したがって、本実施形態における遊技データには、第1遊技状態が特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態などであることを示すデータが含まれる。
サブ制御部62のRAMには、演出制御に関する各種データが記憶される。
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61およびサブ制御部62として機能する。
メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611(遊技制御部の一部)、遊技結果判定部612(遊技制御部の一部)、媒体管理部613(価値管理部に相当)、設定値制御部614(遊技制御部の一部)、区間制御部615(遊技制御部の一部)、遊技状態制御部616(遊技制御部の一部)、RT状態制御部617(遊技制御部の一部)、スケジュール管理部618(遊技制御部の一部)、および、機能作動部619(遊技制御部の一部)として機能する。
サブ制御部62は、演出制御部620(出力部に相当)として機能する。
<内部抽せん部610>
内部抽せん部610は、レバー42の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的には、内部抽せん部610は、レバー42が操作されたときの第1遊技状態および第2遊技状態と遊技区間とに基づいて、内部抽せんテーブル(図示略)およびレバー42が操作されたときに取得される乱数に従って内部抽せんを行う。
そして、内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、遊技状態制御部616、および演出制御部620などに送信される。
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルをもとに、レバー42が操作されたときのRT状態(後述)およびボーナスの種類などの組み合わせに応じて内部抽せんを行う。
なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連づけられて1以上設定されている。その役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役のほか、ストップスイッチ40の押し順が正しければメダルが払い出される押し順役(例えば、押し順リプ、押し順ベル)が含まれる。
押し順役が当せんし、その正解の押し順どおりにストップスイッチ40が押下された場合には、その押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば8枚)のメダルを獲得することができる。押し順役が当せんしたにもかかわらず、正解の押し順どおりにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、その押し順役は入賞しないか、またはそのほかの役(1枚役など)が入賞する。
なお、押し順役は、一般遊技状態中にも当せんし成立している。しかしながら、一般遊技状態中に押し順役が当せんした場合には、基本的には正解押し順の報知はなされないため、押し順役は取りこぼされたり、払い出し枚数が1枚となったりする。一方、AT中は、正解押し順が報知されるため、複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される可能性が高くなる。
<回転リール制御部611>
回転リール制御部611は、レバー42または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
具体的には、回転リール20すべての回転が停止している状態にて、レバー42が操作された場合には、回転リール制御部611は、すべての回転リール20の回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合には、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
遊技者による遊技中の回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、内部抽せん結果である当せんフラグ(ただし、特別役のフラグを除く)が示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
また、遊技者による遊技中の回転停止制御では、回転リール制御部611は、内部抽せんにより当せんした役と、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール40の位置と、に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
なお、特別役が当せんした場合に、回転リール制御部611は、その特別役が当せんする直前のレバー42の操作およびその直後のストップスイッチ40の操作に基づいて、回転リール20の回転および停止はさせるものの、その特別役を入賞させないようにすることもできる。
<遊技結果判定部612の説明>
遊技結果判定部612は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、各回転リール20の回転が停止したときにリール窓200を通して見える図柄とに基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かによって判定される。
具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、あらかじめ定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、当せん役が入賞したと判定される。この判定結果は、遊技結果判定信号として遊技結果判定部612から媒体管理部613およびサブ制御部62へ送信される。
<媒体管理部613の説明>
媒体管理部613は、遊技者の操作に基づいてメダルがベットされた場合にはメダルのベット枚数に応じてクレジット数を減少させ、遊技者の操作に基づいてメダルがクレジットされた場合にはクレジット数を増加させる。
また、媒体管理部613は、内部抽せんによって獲得フラグが当せんフラグとして成立し、かつ、遊技者の操作に基づいて獲得当せん役が入賞した場合には入賞した獲得当せん役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に応じてクレジット数を増加させる。
また、媒体管理部613は、図7のとおり、有利区間における(遊技区間が通常区間から有利区間へ移行したのち、再度通常区間へ移行するまでの間の)、メダルの払い出し枚数からメダルのベット枚数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数(以下、「有利区間差枚数」という)を算出する。
本実施形態において、この有利区間差枚数が+2400枚となった場合に、媒体管理部613は、有利区間差枚数を0(ゼロ)に初期化する。例えば、遊技を開始してから差枚数が-300枚となったときに遊技区間が有利区間に移行した場合には、媒体管理部613は、その-300枚を基準として、差枚数が+2100枚となったとき(この場合には、有利区間差枚数が+2400枚となる)に、有利区間差枚数を初期化する。なお、媒体管理部613は、有利区間差枚数が+2400枚となった場合に、その旨の信号を区間制御部615に送信する。これにより、区間制御部615は、遊技区間を通常区間へ移行させる。
また、媒体管理部613は、有利区間差枚数が+2400枚となった場合以外で所定の条件が満たされて有利区間が終了したときに、有利区間差枚数を0(ゼロ)に初期化することができる。
媒体管理部613は、遊技区間が再度有利区間へ移行したときに、有利区間差枚数の算出を開始する。
また、媒体管理部613は、図7のとおり、前回スロットマシン1の電源がオンにされてからの、メダルの払い出し枚数からメダルのベット枚数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数を用いて、差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。このレンジ(MY)は、前述の有利区間差枚数とは異なり、すべての遊技区間(有利区間および通常区間)を対象として、すなわちスロットマシン1の電源がオンし続けられている限りは継続して算出される。また、レンジ(MY)は、所定期間の遊技において払い出された遊技価値に関するパラメータの一例である。
このレンジ(MY)に関する情報は、機能作動部619に送信され、後述するコンプリート機能に用いられる。
媒体管理部613は、コンプリート機能が作動したのちに店舗スタッフによりスロットマシン1の電源がオフにされた場合に、レンジ(MY)をリセットする。
また、媒体管理部613は、計数ボタン44から送信された転送信号を受信したときに、ベットされている状態のメダルデータの有無を判定する有無判定を実行することが可能である。すなわち、この有無判定は、計数ボタン44が押下されたときに、メダルがベットされた状態となっているか否かを判定する処理である。
また、媒体管理部613は、計数ボタン44から転送信号を受信した場合であって、かつ、有無判定にてベットされている状態のメダルデータ“無”と判定された場合には、遊技を終了させる旨の第1サポート信号を生成するとともに、転送信号およびすべてのメダルデータ(具体的には、スロットマシン1が現時点で管理していたメダルの全枚数)を、メダルユニット7へと転送する。これにより、媒体管理部613(スロットマシン1)が管理中のメダルデータは消去され、管理中のメダルの全枚数は0となる。
また、媒体管理部613は、生成した第1サポート信号を演出制御部620へと送信する。これにより、例えば液晶画面3にて「お疲れさまでした。」の第1メッセージが表示される。この処理が、第1サポート処理の一例である。この第1サポート処理とは、遊技が終了した状態を報知/示唆するための処理であり、例えば、「遊技機内にメダルの取り忘れがないこと」、「安心して遊技機から立ち去れること」などを報知/示唆するための処理である。また、この場合において、あわせて、スピーカ101からキャラクタのボイスが出力されてもよい。
一方、媒体管理部613は、計数ボタン44から転送信号を受信した場合であって、かつ、有無判定にてベットされている状態のメダルデータ“有”と判定された場合には、ベットされている状態のメダルデータ、および、ベットされていない状態のメダルデータともに、メダルユニット7へ転送しない。
この場合には、媒体管理部613は、操作者にキャンセルボタン45を押下させるための第2サポート信号を生成し、第2サポート信号を演出制御部620へと送信する。これにより、液晶画面3に「メダルが残っています。ご確認ください。」の第2メッセージが表示される。
すなわち、メダルがベットされている状態で計数ボタン44が押下されても、計数ボタン44が押下されたことに基づいて転送処理は実施されず(この場合には、計数ボタン44の押下に基づく転送指示は無効となる)、第1サポート処理は実行されない。その代わりに、その後に計数ボタン44が押下されることによって、操作者が次に何を行うべきかを表す第2メッセージが表示される。
なお、第2メッセージとして、「メダルが残っています。ご確認ください。」の文字に加えて、あるいは、それに代えて、「キャンセルボタンを押してね。」の文字が表示されてもよい。この第2メッセージの表示処理が、第2サポート処理の一例である。
また、例えば、第2メッセージとして「メダルが残っています。ご確認ください。」の文字が表示されたにもかかわらず再度計数ボタン45が押下された場合には、演出制御部620は、第2メッセージの文字を「キャンセルボタンを押してね。」に変更することもできる。
また、演出制御部620が第2サポート信号を受信したことに基づいて、スピーカ101にてキャラクタのボイスが出力されてもよい。また、演出制御部620は、あわせて、電飾部102を点灯させることもできる。
また、第2サポート信号は、媒体管理部613からキャンセルボタン45へと送信されてもよい。この場合には、キャンセルボタン45が点灯し、操作者は、次にキャンセルボタン45を押下すべきであることを容易に認識することができる。
ついで、第2サポート信号が生成されたのちに操作者がキャンセルボタン45を押下すると、媒体管理部613は、操作者に計数ボタン44を押下させるための第3サポート信号を生成し、この第3サポート信号を演出制御部620へと送信する。これにより、液晶画面3に「計数ボタンを押してね」の第3メッセージが表示される。この処理が、第3サポート処理の一例である。
なお、本実施形態において、少なくとも第2サポート信号が生成されたことがメイン制御部61のRAMおよび/またはサブ制御部62のRAMなどに記憶される。これにより、再度計数ボタン44が押下されても、媒体管理部613が再度の有無判定を行わないようにすることができるが、それとは異なり、媒体管理部613は、第2サポート信号等が記憶されている状態においても、再度の有無判定を行うようにすることもできる。
また、第3メッセージが表示された後に計数ボタン44が押下されることにより、媒体管理部613は、転送信号およびすべてのメダルデータをメダルユニット7へと転送する。なお、すべてのメダルデータとは、ベットされていたがキャンセルボタン45が押下されたことによってベットがキャンセルされて媒体管理部613に戻ってきたメダルデータ、および、ベットされずに管理されていたメダルデータ、を含む、スロットマシン1内で管理されていたすべてのメダルデータをいう。
<設定値制御部614の説明>
設定値制御部614は、店舗スタッフの操作に基づいて、遊技の進行制御の有利度が異なる複数種類の設定値(例えば、1~6)のうちいずれか1つの設定値を用いて遊技進行を行う。この設定値は、スロットマシン1ごとに設定される。設定値制御部614によって設定された設定値の情報は、内部抽せん部610などに送信される。
いずれの設定値が用いられているかによって、遊技進行の有利度、例えば、機械割、共通ベルなど特定の小役の当せん確率、CZの当選確率あるいはATの当選確率などが異なる。例えば、設定値は数字が大きくなるほど(例えば、6に近づくほど)、遊技進行の有利度が大きく(例えば、機械割が大きくなる)なる。
なお、図示はしていないが、スロットマシン1は、設定キーをさらに備える。設定キーは、設定変更モードへの切り替えキーである。設定値制御部614は、店舗スタッフが設定キーをオフにすることで、設定変更モードをオフにし、店舗スタッフが設定キーをオンにすることで、設定変更モードをオンにする。
<区間制御部615>
区間制御部615は、図4のとおり、遊技の際に、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。区間制御部615は、区間移行抽せんに当せんした場合に遊技区間を有利区間に設定(移行)する。所定の抽せん対象役(例えば、チェリー、チャンス目などのレア役)が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するか否か(有利区間を終了させるか否か)を決定する。例えば、区間制御部615は、遊技区間が有利区間のときに、第2遊技状態がATから一般遊技状態に移行したか否かを判定する。例えば第2遊技状態が一般遊技状態に移行した場合に、区間制御部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させることができる。
また、区間制御部615は、媒体管理部613から有利区間差枚数が+2400枚に達した旨の信号を受信した場合、あるいは、+2400枚となった場合以外で所定の条件が満たされた場合に、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。なお、例えば、有利区間となった以降に有利区間差枚数が-1000枚となった場合には、操作者は、1000枚+2400枚=3400枚まで獲得することができる。
また、区間制御部615は、スロットマシン1の電源がオンされた場合、あるいは、RAMがクリアされた場合などに、直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
<遊技状態制御部616>
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態、および、特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態およびATのいずれかに設定する。
遊技状態制御部616は、例えば、メイン制御部61のRAMがクリアされた直後などにおいて、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。
そして、内部抽せんにより特別役が当せんした場合であって、特別役が入賞しなかった場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態に設定する。
ボーナス内部状態において、所定条件が満たされた場合(例えば、RAMがクリアされた場合、または設定値が変更された場合)に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態から特別役非持ち越し状態に移行させる。
特別役非持ち越し状態において、特別役が当せんし、かつ、特別役が入賞した場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態から特別役実施状態へ移行させる。
また、ボーナス内部状態において、特別役が入賞した場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態から特別役実施状態へ移行させる。
また、特別役実施状態において、所定条件が満たされた場合あるいは所定枚数を超えてメダルが払い出された場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態から特別役非持ち越し状態へと移行させる。
また、図6に示すように、遊技状態制御部616は、AT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をATに設定するか否かを判定する。具体的には、遊技区間が有利区間である場合に行われるAT抽せんに当せんした場合に、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をATに設定する。
一方、AT抽せんに当せんしなかった場合には、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定する。
また、ATが終了した場合には、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をATから一般遊技状態に移行させる。
また、遊技状態制御部616は、第2遊技状態について、遊技の進行状況に関する複数種類のモード(例えば、AT抽せんに当せんしにくい通常モード、AT抽せんに当せんしやすい高確率モード)のうちいずれか1つのモードを選択する。そして、遊技状態制御部616は、選択したモードに関連づけられたAT当せん確率にて、AT抽せんを実行する。
<RT状態制御部617の説明>
RT状態制御部617は、複数のRT状態のうちの1つのRT状態を用いて遊技進行を行うことが可能である。複数のRT状態には、それぞれ、リプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率(リプレイ確率)があらかじめ定められており、RT状態制御部617は、所定の役(例えば、特別役)が当せんした場合などに、RT状態を遷移させることができる。
本実施形態において、RT状態制御部617は、特別役実施状態とそれ以外の状態(特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態)とで、RT状態を異ならせる。また、RT状態制御部617は、特別役非持ち越し状態とボーナス内部中とでは、同じRT状態を維持する。そして、RT状態制御部617は、ATが実行されるボーナス内部中では、RT状態を遷移させない。
<スケジュール管理部618>
スケジュール管理部618は、現実の日にち、および/または、時間に関するスケジュールを管理することが可能である。スケジュール管理部618は、例えば、毎週月曜日の10時に所定のイベントを実行するための情報を管理する、および、現時点での日時(Real Time Clock)を管理する。これらの情報は、演出制御部620に送信される。なお、スケジュール管理部618は、連続して遊技されている時間を管理することも可能である。この場合には、連続して遊技されている時間は、例えば、サポート処理で用いられることもできる。
<機能作動部619>
機能作動部619は、媒体管理部613から送信されたレンジ(MY)に関する情報を受信する。
そして、機能作動部619は、レンジ(MY)が例えば18500である第1レンジ以上となったときに、コンプリート機能の作動が近いことを示す事前通知に関する情報を生成する。
このコンプリート機能とは、いわゆる打ち止めの機能であり、コンプリート機能が作動した場合には、スロットマシン1は遊技に関する操作を受けつけなくなり、店舗スタッフによって電源がオフ、オンされない限り、操作者は遊技を続行することができなくなる。
ここでいう遊技に関する操作とは、1ゲームを消化するための操作を意味し、回転リール20を始動させるための操作として特にメダルをベットするためのベットスイッチ41の操作が含まれる。コンプリート機能が作動した場合には、このような遊技に関する操作が受けつけられなくなるため、コンプリート機能が作動した状態のもとで、ベットスイッチ41が操作されたとしても、メダルのベット処理はなされない。
事前通知に関する情報は、例えば、この情報が機能作動部619にて生成されている間、毎ゲーム、演出制御部620へと送信される。これにより、演出制御部620にて事前通知がなされる。
また、レンジ(MY)が第1レンジである18500未満となったときには、機能作動部619は、事前通知に関する情報の生成を停止する。これにより、演出制御部620で事前通知がなされなくなる。
なお、事前通知に関する情報は、事前通知の報知をオンまたはオフにするフラグであってもよい。この場合には、事前通知の報知がオフからオンとなる場合に、フラグが「オン」の情報が演出制御部620に送信され、逆に事前通知の報知がオンからオフとなる場合に、フラグが「オフ」の情報が演出制御部620に送信される。このように、事前通知に関する情報をフラグ式にすることにより、メイン制御部610からサブ制御部620へと伝送する信号が過多となることが抑制することができる。
また、機能作動部619は、レンジ(MY)が第2レンジである19000以上となったときに、コンプリート機能を作動させる。
機能作動部619は、店舗スタッフがスロットマシン1の電源をオフにしたときに、コンプリート機能を解除する。スロットマシン1の電源がオフから再びオンとなった際に、コンプリート機能が解除されるのみならず、レンジ(MY)はリセットされ、0(ゼロ)となっている。したがって、事前通知の報知はなされておらず、コンプリート機能が再び作動するための条件の成立から遠ざかった状態で、スロットマシン1での遊技が可能となる。
<演出制御部620>
演出制御部620は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像(以下では、「遊技演出」という)を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音およびBGMなどをスピーカ101から出力させる。例えば、演出制御部620は、ATに当せんした場合に、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、その演出パターンに従って液晶画面3の表示制御、スピーカ101の音声出力制御、および電飾部102の発光制御を行う。
また、演出制御部620は、AT中に、押し順役が当せんしたときの正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ101の少なくとも1つに行わせる。
また、演出制御部620は、媒体管理部613による有無判定の結果に基づいていずれかのサポート信号(第1~第3サポート信号)を受信したことを契機として、操作者が次に行うべき行動および/またはスロットマシン1の状態、を操作者に報知および/または示唆するためのサポート処理(第1~第3サポート処理)を実行する。
第1サポート処理は、前述のとおり、有無判定にてベットされている状態のメダルが“無”と判定されたとき(演出制御部620が第1サポート信号を受信したとき)に、第1メッセージが表示されることである。第1サポート処理として、例えば、液晶画面3に「お疲れさまでした。」のメッセージが表示される。この場合の第1サポート処理は、スロットマシン1の状態(正常に転送処理が実行されている状態)を操作者に「示唆」するための処理である。
第2サポート処理は、前述のとおり、有無判定にてベットされている状態のメダルが“有”と判定されたとき(演出制御部620が第2サポート信号を受信したとき)に、操作者が次に行うべき行動を操作者に誘導するための処理であって、第2メッセージが表示されることである。
第2メッセージは、液晶画面3に表示される「メダルが残っています。ご確認ください。」のメッセージである。この場合の第2サポート処理は、操作者が次に行うべき行動を操作者に「示唆」するための処理である。
また、第2メッセージは、液晶画面3に表示される「キャンセルボタンを押してね。」のメッセージであってもよい。この場合の第2サポート処理は、操作者が次に行うべき行動を操作者に「報知」するための処理である。
第3サポート処理は、演出制御部620が第2サポート信号を受信した以降に第3サポート信号を受信したときに、第3メッセージが表示されることである。すなわち、第3サポート処理は、有無判定にてベットされている状態のメダルが“有”と判定され、その後、キャンセルボタン45が押下された場合に、操作者が次に行うべき行動を操作者に誘導するための処理といえる。
第3メッセージは、液晶画面3に表示される「計数ボタンを押してね。」のメッセージである。この場合の第3サポート処理は、操作者が次に行うべき行動を操作者に「報知」するための処理である。
なお、本実施形態のサポート処理については、後述する、のめり込み防止表示処理および精算忘れ防止表示処理とあわせて実行される。
そこでまず、のめり込み防止表示処理および精算忘れ防止表示処理について説明する。
演出制御部620は、のめり込み防止表示(のめり込み防止警告の一例)と、精算忘れ防止表示(精算忘れ防止警告の一例)と、を互いに重ね合わせることなく、液晶画面3にて表示(提供の一例)することが可能である。
のめり込み防止表示は、遊技にのめり込みすぎないようにすることを操作者に促すための警告である。のめり込み防止表示は、例えば、「パチスロは適度に楽しむ遊びです」あるいは「のめり込みに注意しましょう」などの文字、画像である。
精算忘れ防止表示は、遊技を終了させるにあたってクレジットされているメダルデータのすべてをメダルユニット7へ転送する操作が必要な場合に、計数ボタン44への操作を忘れないようにすることを操作者に促すための警告、および、カード70を抜くことを忘れないようにすることを操作者に促すための警告である。精算忘れ防止表示は、例えば、「メダル精算忘れにはご注意ください。」、「メダル精算忘れおよびカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。」などの文字、画像である。
(表示態様)
本実施形態において、「のめりこみ防止表示と精算忘れ防止表示とが重ね合わされることなく表示される」態様の例として、例えば、以下の態様1、2がある。
(1)態様1
演出制御部620は、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを、液晶画面3中の異なる箇所に同時期に表示することが可能である。一例としては、演出制御部620は、図8(a)のとおり、例えば液晶画面3の左上にのめり込み防止表示を表示し、それと同時に、液晶画面3の右下に精算忘れ防止表示を表示することができる。これにより、これらの防止表示が互いに重ね合わされることなく液晶画面3に同時期に表示される。
(2)態様2
また、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示のいずれも液晶画面3の同じ箇所(例えば、液晶画面3の左上)に表示することもできる。この場合には、演出制御部620は、図8(b)、(c)のとおり、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示の表示タイミングを異ならせる。
(表示開始条件)
本実施形態では、演出制御部620は、例えば、以下の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件が満たされたときに、図8(a)~(c)のとおり、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を開始することができる。
(1)紙幣がメダルユニット7に投入されたとき
(2)メダルユニット7からメダルデータが媒体管理部613へ転送されたとき
(3)AT終了時
(4)スロットマシン1でエラーが検知されたとき
(5)コンプリート機能の作動が近いとき
(6)コンプリート機能が作動したとき
(7)計数ボタン44が押下され、かつ、有無判定にてベットされているメダルが“無”と判定されたとき
(8)計数ボタン44が押下され、かつ、有無判定にてベットされているメダルが“有”と判定されたとき
なお、(7)の「計数ボタン44が押下され、かつ、有無判定にてベットされているメダルが“無”と判定されたとき」において、演出制御部620は、第1メッセージ(「お疲れさまでした。」の文字)、のめり込み防止表示、および精算忘れ防止表示を重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。この場合には、図8(a)で、「メダルが残っています。ご確認ください。」の代わりに、第1メッセージが表示される。
また、(8)の「計数ボタン44が押下され、かつ、有無判定にてベットされているメダルが“有”と判定されたとき」においても、演出制御部620は、第2メッセージ(「メダルが残っています。ご確認ください。」の文字)、のめり込み防止表示、および精算忘れ防止表示を重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。
この場合には、例えば、図8(a)のとおり、液晶画面3の左上にのめり込み防止表示、中央に第2メッセージ、右下に精算忘れ防止表示が表示される。
このように液晶画面3の中央に第2メッセージが表示されている場合において、所定時間(例えば、5秒)が経過した場合、あるいは、操作者がキャンセルボタン45を押下した場合などに、演出制御部620は、第2メッセージを消去することができる。
そして、演出制御部620は、第2メッセージを消去した以降に、第3メッセージ(「計数ボタンを押してね。」の文字)を表示することができる。第3メッセージが表示されている場合においても、所定時間(例えば、5秒)が経過した場合、あるいは、操作者が計数ボタン44を押下した場合などに、演出制御部620は、第3メッセージを消去することができる。なお、図8(a)の状態から、液晶画面3の中央に表示されるメッセージが、第2メッセージに変更され、ついで、キャンセルボタン45が押下された場合に第3メッセージに変更され、その後、第3メッセージだけが消去されるのではなく、アトラクト画面へ移行することで、すべてのメッセージが同時に消去されてもよい。
この場合において、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示は、第2メッセージおよび第3メッセージの表示/消去にかかわらず、消去されることなくそのまま表示されており、その後、後述の表示停止条件が満たされたときに消去されてもよい。
または、(8)の「計数ボタン44が押下され、かつ、有無判定の結果にてベットされているメダルが“有”と判定されたとき」において、液晶画面3の左上にのめり込み防止表示、それ以外の箇所に第2メッセージのメッセージが表示されてもよい(この時点では、精算忘れ防止表示は表示されない)。その後、操作者がキャンセルボタン45を押下すると、第2メッセージが消去されて、第2メッセージが表示されていた箇所に第3メッセージが表示されてもよい。
そして、操作者が計数ボタン44を押下すると、第3メッセージが消去されて、最後に、液晶画面3の右下(あるいは第3メッセージが表示されていた箇所)に、精算忘れ防止表示としての「カードの取り忘れにはご注意ください。」のメッセージが表示されてもよい。この「カードの取り忘れにはご注意ください。」のメッセージは、メダルユニット7からカード70が抜かれたときに消去されてもよい。
なお、演出制御部620は、有無判定にてベットされているメダルが“無”と判定された場合には、媒体管理部613より第1サポート信号を受信する。これにより、演出制御部620は、液晶画面3に第1メッセージ(「お疲れさまでした。」の文字)、のめり込み防止表示、精算忘れ防止表示を表示させるとともに、スピーカ101にキャラクタのボイスを出力させることができる。
以上のように、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示しつつ、操作者が次にどのような操作をすべきかを示すためのサポート処理を実行することができる。
<表示消去条件>
本実施形態では、演出制御部620は、以下の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件が満たされたときに、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を消去することができる。
(1)のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示が開始されてから一定時間(例えば、5秒)が経過したとき
(2)メダルユニット7からカード70が抜かれたとき
なお、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示は、同時に消去されてもよいし、異なるタイミングで消去されてもよい。例えば、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示が同時に表示されるが、のめり込み防止表示が表示開始から5秒で消去され、精算忘れ防止表示が表示開始から10秒で消去されてもよい。
また、のめり込み防止表示および/または精算忘れ防止表示は、第2メッセージあるいは第3メッセージが消去されると同時に消去されてもよい。あるいは、のめりこみ防止表示、精算忘れ防止表示、第2メッセージなどの消去タイミングは異なっていてもよい。さらには、場面に応じて、のめりこみ防止表示、精算忘れ防止表示、第2メッセージなどの消去タイミングが変更されてもよい。例えば、コンプリート機能が発動して遊技者が遊技をやめるときは、すべての表示が同一タイミングで消去され、コンプリート機能が発動していない状態で遊技者が遊技をやめるときは、それぞれの消去タイミングが異なっていてもよい。
<スロットマシン1の基本的な動作処理の流れ>
図9を用いて、スロットマシン1の基本的な動作処理の流れを説明する。
スロットマシン1の電源がオンにされており、かつ、設定値が変更された状態で、機能作動部619が、スロットマシン1が遊技可能な状態か否か(コンプリート機能作動中か否か)を判定する(ステップS101)。
スロットマシン1が遊技可能な状態ではない場合(S101:NO)には、処理は、後述のステップS115へと進む。
一方、スロットマシン1が遊技可能な状態である場合(S101:YES)には、メダルユニット7からメダルデータが送信されていることを条件として、スロットマシン1のメイン制御部61が、クレジットされているメダルの数量をデジタルカウンタ43に表示させ、操作者によるベットスイッチ41、レバー42などの操作を受けつける。これにより、スロットマシン1が遊技開始状態となる(ステップS102)。
ついで、媒体管理部613が、レンジ(MY)の計数を開始する(ステップS103)。その後、媒体管理部613は、通常区間および有利区間にかかわらず、毎遊技、レンジ(MY)を計数する。
ついで、区間制御部615が、通常区間にて遊技を進行させる(ステップS104)。
ついで、遊技状態制御部616が、一般遊技状態にて遊技を進行させる(ステップS105)。
ついで、区間制御部615が、遊技区間が有利区間であるか否か(区間移行抽せんに当せんしたか否か、有利区間の状態が維持されるか否か、を含む)を判定する(ステップS106)。
遊技区間が有利区間ではない場合(S106:NO)には、処理はステップS104へと戻る。
一方、遊技区間が有利区間である場合(S106:YES)には、区間制御部615が、有利区間差枚数を計数(有利区間に移行したゲームにおいては、有利区間差枚数の計数を開始)する(ステップS107)。これ以降、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である間(一般遊技状態およびATいずれにおいても)、有利区間差枚数の計数を継続する。
ついで、遊技状態制御部616が、第2遊技状態をATへ移行させるか否かを判定する(ステップS108)。
第2遊技状態がATへ移行しない場合(S108:NO)には、処理はステップS105へと戻る。
一方、第2遊技状態がATへ移行する場合(S108:YES)には、遊技状態制御部616が、ATで遊技を進行させる(ステップS109)。
ついで、機能作動部619が、コンプリート機能を作動させるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、機能作動部619は、レンジ(MY)が19000以上となったか否かを判定する。
コンプリート機能が作動する場合(S110:YES)には、処理は、後述のステップS113へと移行する。
一方、コンプリート機能が作動しない場合(S110:NO)には、区間制御部615が、有利区間差枚数が+2400枚以上となったか否かを判定する(ステップS111)。
有利区間差枚数が+2400枚以上となった場合(S111:YES)には、区間制御部615は、遊技区間を通常区間へ移行させ、遊技状態制御部617は、ATを終了させ、かつ、媒体管理部613は、有利区間差枚数をゼロ(0)に初期化し、その後、処理はステップS104へと戻る。
一方、有利区間差枚数が+2400枚以上でない場合(S111:NO)には、遊技状態制御部616が、ATを終了させるか否かを判定する(ステップS112)。
ATが終了する場合(S112:YES)には、処理はステップS105へと戻る。
一方、ATが終了しない場合(S112:NO)には、処理は、ステップS109へと戻る。
ステップS110に戻って、コンプリート機能が作動した場合(S110:YES)には、機能作動部619が、操作者がスロットマシン1で遊技を進行することができないように制御する(ステップS113)。
ついで、操作者(遊技を終えたユーザ)が計数ボタン44を押下したことに応じて、媒体管理部613およびメダルユニット7が必要な情報を送受信することで、転送処理を実行する(ステップS114)。
ついで、店舗スタッフの電断操作に応じて、スロットマシン1の電源がオフとされた(ステップS115)ことに応じて、媒体管理部613がレンジ(MY)を初期化するとともに、機能作動部619がコンプリート機能を解除する(ステップS116)。なお、スロットマシン1が電断復帰のみされた場合には、レンジ(MY)が初期化されるとともにコンプリート機能は解除されるが、有利区間および有利区間差枚数は引き継がれる。
ついで、店舗スタッフの電断復帰操作に応じて、スロットマシン1の電源がオンとなる(ステップS117)。その後、処理は、ステップS102へと戻る。
以上が、スロットマシン1の基本的な動作処理の流れとなる。
<貸出処理および転送処理>
つぎに、図10を用いて、貸出処理および転送処理の流れを詳細に説明する。
まず、メダルユニット7が、操作者による紙幣(例えば、1000円)の投入を受けつける(ステップS201)。このとき、メダルユニット7は、投入信号を生成し、それをスロットマシン1に送信する。
ついで、メダルユニット7が、操作者による貸出ボタン71の押下に応じて、スロットマシン1(媒体管理部613)に、貸出信号、および、50枚分のメダルデータを送信する(ステップS202)。
ついで、媒体管理部613が、スロットマシン1にクレジットされているメダルの数量をデジタルカウンタ43に表示させ、操作者によるベットスイッチ41、レバー42などの操作を受けつける。これにより、スロットマシン1が遊技開始状態となる(ステップS203)。
つぎに、クレジットされているメダルが2枚以下でない場合(S204:NO)には、計数ボタン44が押下されたこと(転送信号が生成されたこと)に基づいて(ステップS205)、図11を用いて説明するサポート処理が実行される(ステップS206)。
サポート処理が実行されることで、メダルユニット7は、転送信号、および、スロットマシン1にクレジットされていたメダルデータ(例えば、105枚分のメダルデータ)を受信する(ステップS207)。
ついで、メダルユニット7が、スロットマシン1にクレジットされていたメダルデータを、カード70に記録する(ステップS208)。
ついで、メダルユニット7が、操作者による排出ボタン72への押下に応じて、カード70をメダルユニット7から排出する(ステップS209)。
ステップS204に戻って、クレジットされているメダルが2枚以下である場合(S204:YES)であって、かつ、操作者が遊技を継続する場合(S210:YES)には、処理はステップS201へと戻る。
一方、操作者が遊技を継続しない場合(S210:NO)には、操作者による計数ボタン44への押下(ステップS205)に応じて、処理は、ステップS206へと移行する。
以上が、貸出処理および転送処理の流れである。
<サポート処理>
つぎに、図11を用いて、サポート処理の流れを詳細に説明する。
まず、操作者が計数ボタン44を押下したことに基づいて(図10のステップS205)、媒体管理部613が、メダルがベットされた状態であるか否かを判定する(ステップS301)。すなわち、操作者が計数ボタン44を押下した(媒体管理部613が転送信号を受信した)場合に、媒体管理部613は、ベットされているメダルの有無判定を実行する。
メダルがベットされた状態でないと判定(有無判定の結果、ベットされているメダルが“無”と判定)された場合(S301:NO)には、媒体管理部613は第1サポート信号を生成する。演出制御部620は、この第1サポート信号を受信して、液晶画面3に第1メッセージ(「お疲れさまでした。」の文字)を表示させる(ステップS306)。その後、転送信号およびメダルユニット7へのメダルデータ転送処理が実行される(ステップS307)。
一方、メダルがベットされた状態であると判定(有無判定の結果、ベットされているメダルが“有”と判定)された場合(S301:YES)には、媒体管理部613は第2サポート信号を生成する。演出制御部620は、この第2サポート信号を受信して、液晶画面3に第2メッセージ(「メダルが残っています。ご確認ください。」の文字)を表示させる(ステップS302)。なお、第2サポート信号は、メイン制御部61のRAMなどに記憶される。
ついで、操作者がキャンセルボタン45を押下した(媒体管理部613がキャンセル信号を受信した)ことに基づいて(ステップS303)、媒体管理部613が第3サポート信号を生成する。演出制御部620は、この第3サポート信号を受信して、第3メッセージ(「計数ボタンを押してね。」の文字)を表示する(ステップS304)。なお、第3サポート信号は、メイン制御部61のRAMなどに記憶される。
ついで、操作者が再度計数ボタン45を押下したとき(ステップS305)、第2サポート信号および第3サポート信号がメイン制御部61のRAMなどに記憶されていることにより、演出制御部620は、再度の有無判定を行うことなく、第1メッセージ(「お疲れさまでした。」の文字)を表示する(ステップS306)。その後、サポート信号は、メイン制御部61のRAMなどから消去される。
ついで、媒体管理部613からメダルユニット7へと転送信号およびメダルデータが送信され、転送処理が実行される(ステップS307)。
以上が、サポート処理の流れである。
以上をまとめると、本発明のスロットマシン1は、
スロットマシン1での遊技の進行を制御することが可能なRT状態制御部617、遊技状態制御部616などと、
スロットマシン1と通信接続されたメダルユニット7から遊技を行うために必要なメダルデータを受信することが可能であり、かつ、遊技が進行することで変動するメダルデータを管理することが可能な媒体管理部613と、
メダルのベット操作を受けつけることが可能なベットスイッチ41と、
操作者の操作に基づいて、媒体管理部613で管理されているメダルデータをメダルユニット7へ転送させるための転送信号を生成することが可能な計数ボタン44と、
遊技に関する情報を操作者に提供することが可能な演出制御部620と、
を備え、
媒体管理部613は、転送信号を受信したとき、ベットされている状態のメダルデータの有無を判定する有無判定を実行することが可能であり、
演出制御部620は、有無判定の結果に基づいて、操作者が次に行うべき行動/スロットマシン1の状態を操作者に報知および示唆するためのサポート処理を実行することが可能である。
<発明の効果>
メダルレス機の扱いに慣れていない操作者は、例えば、メダルデータの転送処理にかかる操作などについて、次にどのような操作を行えばよいか、スロットマシン1が現在どのような状態(例えば、メダルがベットされている状態かベットされていない状態か、メダルがクレジットされている状態など)となっているかを知らないことが多いと想定される。
特に、メダルレス機であるスロットマシン1において、メダルがベットされた状態で計数ボタン44が押下された場合には、メダルがベットされたままとなっているため、操作者はメダルの処理操作を行う必要がある。
これに対して、本実施形態の構成によれば、例えば、メダルがベットされた状態で計数ボタン44が押下されると、のめり込み防止表示などとともに、第2メッセージ(「メダルが残っています。ご確認ください。」の文字)が表示される。また、その後にキャンセルボタン45が押下されると、第3メッセージ(「計数ボタンを押してね。」の文字)が表示される。
そのため、メダルレス機に慣れない操作者であっても、メダルがベットされている状態において遊技を終了するときに、次にどのような操作を行えばよいか、スロットマシン1がどのような状態か、を容易に認識することができる。
一方で、メダルがベットされていない状態で計数ボタン44が押下された場合には、第1メッセージ(「お疲れさまでした。」)が表示されて、そのまま転送処理がなされるため、操作者は次にどのような操作を行えばよいかを認識することができる。
したがって、本実施形態によれば、操作者がスムーズな遊技操作を行うことが可能な、メダルレスにかかる遊技機を提供することができる。
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更することができる。また、各実施形態において説明した各種制御手段および処理手順、処理内容は、単体で構成したり、適宜組み合わせたりすることも可能である。
また、本明細書にて使用される各種定義は、実施例ごとに特段の断りがなされない限り、明細書全体で共通に使用されるものである。
また、前記実施形態に限られず、メダルがベットされていない状態では、キャンセルボタンの押下が受けつけられなくてもよい(ボタンの押下が無効であってもよい)。
また、前記実施形態に限られず、メダルがベットされてない状態では、キャンセルボタンが押下されてもキャンセル信号が生成されなくてもよい。
前記実施形態に限られず、メダルがベットされている状態でキャンセルボタンが押下されることなく計数ボタンが押下された場合には、転送信号が生成されてもよい。なお、この場合において、転送信号が生成された場合であっても、メダルデータがメダルユニットに転送されなくてもよい。
また、媒体管理部は、メイン制御部を構成する主制御CPUとは別のCPUにて、メダル数制御CPUとして構成されていてもよい。この場合には、媒体管理部のCPUが実装されたメダル数制御基板と、媒体管理部以外のメイン制御部の各機能部を実現する主制御CPUが実装された主制御基板とは、別々に設けられる基板であって、これらがシリアル通信にて非同期通信を行うことが可能であってもよい。
また、第1サポート処理として、演出制御部は、前記実施形態における「お疲れさまでした。」以外に、以下のようなメッセージを表示することもできる。例えば、「また遊んでね」など、次回も遊技してもらえるようなメッセージが表示されてもよく、転送したメダルデータに関するメッセージ、あるいは、遊技継続時間に応じたメッセージが表示されてもよい。具体的には、「今日はすごく頑張ったね!ゆっくり休んでね!」、「完全勝利だね!」、「大爆発だったね!」などのメッセージが表示されてもよい。
また、第2サポート処理としては、キャンセルボタンの位置がわからないユーザがいるかもしれないことを考慮して、キャンセルボタンの位置を教えるために、セリフが出力されてもよく、メッセージが表示されてもよく、LEDが点灯することで位置を教えてもよい。
この場合において、演出制御部が計キャンセルボタンの位置を教える際に、操作者がキャンセルボタンではないボタンを押下した場合に、「これじゃないよ」などのセリフが出力されてもよい。一方、操作者がキャンセルボタンを正しく押下した場合には、「そうそう、これだよ!正解」などのセリフが出力されてもよい。
また、第3サポート処理としては、計数ボタンの位置を教えるために、セリフが出力されてもよく、メッセージが表示されてもよく、LEDが点灯することで位置を教えてもよい。
この場合において、演出制御部が計数ボタンの位置を教える際に、操作者が計数ボタンではないボタンを押下した場合に、「これじゃないよ」などのセリフが出力されてもよい。一方、操作者が計数ボタンを正しく押下した場合には、「そうそう、これだよ!お疲れさまでした!」などのセリフが出力されてもよい。
また、前記実施形態では、第2サポート処理と第3サポート処理とは、別々のタイミングで別々に実行される例が記載されているが、これらの処理は同時に実行されてもよい。例えば、「キャンセルボタン、計数ボタンの順に押して」というメッセージが液晶画面に表示されてもよい。
また、前記実施形態に限られず、図11において、第2メッセージが表示されるよりも先にキャンセルボタンが押下された場合には、第2メッセージが表示されなくてもよい。
さらには、各サポート処理は、サポート処理の実施条件が満たされ、かつ、所定時間(例えば、2秒)が経過したのちに、実行されてもよい。これは、操作手順を知っている遊技者からすれば、サポート処理は煩わしいと思う可能性があるためである。
また、前記実施形態では、メダルがベットされている状態およびベットされていない状態の管理を媒体管理部が行っている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、計数ボタンがメダルの状態を管理してもよく、また、媒体管理部および計数ボタン以外の機能あるいはプログラムがメダルの状態を管理してもよい。
また、前記実施形態のサポート処理は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示とあわせて実行されていたが、本発明はこれには限られない。サポート処理が実行されている間に、のめり込み防止表示および/または精算忘れ防止表示は表示されなくてもよい。すなわち、のめり込み防止表示および/または精算忘れ防止表示とは無関係にサポート処理が実行されてもよい。
また、前記実施形態に限られず、媒体管理部は、計数ボタンからの転送信号を受信した場合であって、かつ、有無判定にてベットされているメダルが“有”と判定されている場合には、転送分離処理を実行することが可能であってもよい。
この転送分離処理とは、媒体管理部が、ベットされていない状態のメダルデータをメダルユニットへ転送するが、ベットされている状態のメダルデータをメダルユニットへ転送しない処理のことである。すなわち、転送分離処理は、ベットされていない状態のメダルデータのメダルユニットへの転送タイミングと、ベットされている状態のメダルデータのメダルユニットへの転送タイミングとを異ならせること、であるといえる。
そして、媒体管理部は、転送分離処理が実行された以降の操作者によるキャンセルボタンへの操作に基づいて、ベットされている状態のメダルがベットされていない状態となったことを契機として、他の操作(例えば、操作者による再度の計数ボタンへの操作)がなされなくとも、そのメダルデータをメダルユニットへ転送させることが可能であってもよい。
また、前記に限られず、媒体管理部は、転送分離処理が実行された以降の操作者によるキャンセルボタンへの操作に基づいて、ベットされている状態のメダルがベットされていない状態となり、さらに、液晶画面に「計数ボタンを押してね。」のメッセージが表示されたのちに操作者が再度計数ボタンを押下したことに基づいて、そのメダルデータをメダルユニットへ転送させることが可能であってもよい。
また、前記に限られず、転送処理が実行されるまでの間の操作者の操作量の多さによって、以下のように処理が分けられてもよい。
すなわち、メダルがベットされている状態で計数ボタンが押下されて、その後、キャンセルボタンが押下されたのちに再度計数ボタンが押下された場合と、メダルがベットされていない状態で計数ボタンが押下された場合とで、サポート処理を変更することができる。
例えば、メダルがベットされている状態で計数ボタンが押下されて、その後、キャンセルボタンが押下されたのちに再度計数ボタンが押下された場合には、「大変だったね。」のメッセージが表示され、メダルがベットされていない状態で計数ボタンが押下された場合には、「お疲れさまでした。」のメッセージが表示されてもよい。すなわち、この場合には、メダルベットされているか否かで、計数ボタンが押下された後に表示されるメッセージが変更される。
また、メダルがベットされている状態で計数ボタンが押下されて、その後、キャンセルボタンが押下されたのちに再度計数ボタンが押下された場合には、演出制御部は、例えば、設定示唆、あるいは、滞在中のモードを示唆することができる。一方、メダルがベットされていない状態で計数ボタンが押下された場合には、演出制御部は、設定示唆などをしないようにすることができる。すなわち、この場合には、メダルがベットされているか否かで、計数ボタンが押下された後に設定示唆などがなされるか否かが決定される。
すなわち、スロットマシンが管理しているメダルデータのすべてが計数ボタンの押下によってメダルユニットに転送されるまでに要した操作量、で比較した場合に、後者よりも前者の方が操作量は多い。したがって、前者では、当該操作量のねぎらいとして、出玉とは直接的に関係のないリワードのような恩恵を付与している、といえる。
また、図10、図11の例では、第1メッセージが表示されたのちに転送処理が実行されているが、転送処理が実行されたのちに第1メッセージが表示されてもよく、また、転送処理と第1メッセージの表示とが並行して実行されてもよい。
また、前記実施形態に限られず、メダルがベットされている状態で計数ボタンが押下された場合には、「ベットされたメダルデータもあわせてメダルユニットへ転送します。」のメッセージが液晶画面に表示されるとともに、キャンセルボタンが押下されなくともメダルユニットへメダルデータが転送されてもよい。この場合には、ベットされていたメダルデータもあわせてメダルユニットへ転送されたことを操作者が把握することができるため、よりユーザフレンドリーなスロットマシンを提供することができる。
また、前記に限られず、所定のタイミング(例えば、AT終了時、ユーザが2分以上操作をしなかったとき)で、「メダルがベットされた状態で計数ボタンを押した場合には、ベットされているメダルも自動でメダルユニットへ転送されるよ。」のメッセージ、あるいは、「メダルがベットされているときに遊技を終了するには、計数ボタンの前にキャンセルボタンを押す必要があります。」のメッセージ、が表示されてもよい。
または、メダルがベットされている状態(および/またはメダルがクレジットされている状態)で計数ボタンが押下された場合に、液晶画面に「もう一度計数ボタンを押すと、転送処理が開始されます。ベットスイッチを押すと、そのまま遊技を続けることができます。」などのようにメッセージが表示(あるいは音声出力)されてもよい。この場合には、操作者は、転送処理を実行させる場合には再度計数ボタンを押下すればよいし、遊技を続ける場合にはベットスイッチを押下すればよい。
すなわち、メダルレス機においては、操作者が次にどのボタンを押下すればよいかがわからない、あるいは、遊技を終了させるつもりがないにもかかわらず操作者が間違って計数ボタンを押下する、といった不具合が発生することが考えられる。これに対して、前記構成を採用することにより、操作者が間違って計数ボタンを押下した場合などに、操作者に過度に無駄な操作(例えば、メダルユニットからスロットマシンへのメダルの転送処理操作)を実行させることを抑制することができる。
さらに、メダルがベットされている状態で計数ボタンが押下された場合に、液晶画面に「メダルが残っています。ご確認ください。」のメッセージが表示され、その後再度計数ボタンが押下された場合に、ベットされていたメダルごと、すべてのメダルがメダルユニットに転送されてもよい。一方、遊技を継続したい場合には、液晶画面に「メダルが残っています。ご確認ください。」のメッセージが表示されたのちに、操作者はレバーを操作することができる。
この場合にも、遊技を終了させる意図がないにもかかわらず操作者が間違って計数ボタンを押下した場合などに、操作者はメダルユニットからスロットマシンへ再度メダルを転送する必要がなくなるため、操作者に過度に無駄な操作を実行させることを抑制することができる。
前記実施形態に限られず、メダルのベット数は、デジタル表記に代えて、LEDによる表示がなされてもよい。
また、スロットマシンは、所定のタイミング(例えば、5ゲームごと、10分ごと)で、その時点でスロットマシンにクレジットされているメダルデータをメダルユニットに送信すること(メダルユニットを介してホールコンピュータ、ユニット管理コンピュータなどにメダルデータが送信されることを含む)ができてもよい。
この場合において、メダルユニット(および/または、ホールコンピュータ、ユニット管理コンピュータ。以下、同じ)は、送信されたデータを記録し、最終的に計数ボタンが押下されたときに転送信号とともに送信されるメダルデータと比較して、メダルデータが不正な情報となっていないかを確認することもできる。
さらには、メダルユニットは、所定のタイミングで受信するメダルデータが、スロットマシンでの遊技進行(AT中か否か、ボーナス中か否か、通常区間か否かなど)に基づいて、不正な情報となっていないかを確認することもできてもよい。具体的には、スロットマシンのスペックとしてAT中の1ゲームの純増枚数が2枚であるにもかかわらず、100ゲームで1000枚増えている場合などに、メダルユニットは、メダルデータが不正な状態であることを検知することができる。
なお、ユニット管理コンピュータで管理されるメダルデータは、さらに遊技情報コンピュータに集約され、すべてのスロットマシンのメダルデータを管理することができてもよい。
また、前記実施形態において、操作者は、遊技中の任意のタイミングで休憩をすることができる。この場合において、店舗スタッフは、他のユーザが操作することができないよう、スロットマシンおよび/またはメダルユニットをロックすることができてもよい。
また、前記実施形態においてボーナスは、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。ボーナスは、第一種特別役物、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置、第二種特別役物、または第二種特別役物にかかる役物連続作動装置の少なくともいずれか1つであればよい。
また、前記実施形態では、スロットマシンがAT機である例が記載されているが、スロットマシンはART(アシストリプレイタイム)機であってもよい。
また、遊技区間の種類を表す信号が区間制御部からデジタルカウンタに送信されることで、デジタルカウンタにおいて、例えばドットが表示されるか否かで、遊技区間が有利区間であるか否かを表示することができてもよい。
また、前記実施形態に限られず、例えば、ATが終了した場合、あるいは、有利区間の継続ゲーム数が3000ゲームに到達した場合などに、区間制御部は、遊技区間を有利区間から通常区間へと強制的に移行させてもよい。
また、前記実施形態では、一般遊技状態以外の特別遊技状態がATである例が記載されているが、特別遊技状態はCZであってもよい。
また、前記実施形態においては記載されていないが、モードは特定条件が満たされた場合(例えば、CZに当せんしたがATに当せんしなかった場合、ATが終了した場合、または、有利区間が終了した場合)に、変更されてもよい。
また、前記実施形態においては、コンプリート機能を作動させるにあたって、レンジ(MY)が用いられていたが、これには限られず、メダルの差枚数がコンプリート機能を作動させるか否かの判定に用いられてもよい。
1 スロットマシン(遊技機)
44 計数ボタン(転送指示部)
45 キャンセルボタン
610 内部抽せん部(遊技制御部)
611 回転リール制御部(遊技制御部)
612 遊技結果判定部(遊技制御部)
613 媒体管理部(価値管理部)
614 設置値制御部(遊技制御部)
615 区間制御部(遊技制御部)
616 遊技状態制御部(遊技制御部)
617 RT状態制御部(遊技制御部)
618 スケジュール管理部(遊技制御部)
619 機能作動部(遊技制御部)
620 演出制御部(出力部)

Claims (8)

  1. 遊技機での遊技の進行を制御することが可能な遊技制御部と、
    前記遊技機と接続された、または、前記遊技機内に設置された遊技価値記録手段、から前記遊技を行うために必要な遊技価値に関する情報を受信することが可能であり、かつ、前記遊技が進行することで変動する前記遊技価値を管理することが可能な価値管理部と、
    前記遊技価値のベット操作を受けつけることが可能なベットスイッチと、
    操作者の操作に基づいて、前記価値管理部で管理されている前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させることを、前記価値管理部に指示することが可能な計数指示部と、
    前記遊技に関する情報を前記操作者に提供することが可能な出力部と、
    を備え、
    前記価値管理部は、前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させる旨の指示を前記計数指示部から受けつけたとき、ベットされている状態の前記遊技価値の有無を判定する有無判定を実行することが可能であり、
    前記出力部は、前記有無判定の結果に基づいて、前記操作者が次に行うべき行動および/または前記遊技機の状態、を前記操作者に報知および/または示唆するためのサポート処理を実行することが可能である、
    遊技機。
  2. 前記出力部は、前記有無判定にて有と判定された場合に、前記サポート処理として、ベットされている状態の前記遊技価値がある旨を前記操作者に報知および/または示唆する処理を実行することが可能である、
    請求項1に記載の遊技機。
  3. ベットされている状態の前記遊技価値をベットされていない状態とするための操作を受けつけることが可能なキャンセルボタン、
    をさらに備え、
    前記出力部は、前記有無判定にて有と判定された場合に、前記サポート処理として、前記キャンセルボタンを操作すべき旨を前記操作者に報知および/または示唆するための処理を実行することが可能である、
    請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記価値管理部は、前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させる旨の指示を前記計数指示部から受けつけた場合であって、かつ、前記有無判定にて有と判定された場合には、ベットされている状態の前記遊技価値に関する情報に加えて、ベットされていない状態の前記遊技価値に関する情報も、前記遊技価値記録手段へ転送しないことが可能である、
    請求項1に記載の遊技機。
  5. 前記出力部は、前記有無判定にて無と判定された場合に、前記サポート処理として、前記遊技を終了させる旨を前記操作者に報知および/または示唆するための処理を実行することが可能である、
    請求項1に記載の遊技機。
  6. 前記価値管理部は、前記遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させる旨の指示を前記計数指示部から受けつけた場合であって、かつ、前記有無判定にて有と判定されている場合には、転送分離処理を実行することが可能であり、
    前記転送分離処理は、ベットされていない状態の前記遊技価値に関する情報を、前記遊技価値記録手段へ転送するが、ベットされている状態の前記遊技価値に関する情報を、前記遊技価値記録手段へ転送させない、処理である、
    請求項1に記載の遊技機。
  7. ベットされている状態の前記遊技価値をベットされていない状態とするための操作を受けつけることが可能なキャンセルボタン、
    をさらに備え、
    前記出力部は、前記転送分離処理が実行された以降に、前記キャンセルボタンが操作されたことに基づいて、ベットされている状態の前記遊技価値がベットされていない状態となった場合には、前記サポート処理として、前記計数指示部を操作すべき旨を前記操作者に報知および/または示唆するための処理を実行することが可能である、
    請求項6に記載の遊技機。
  8. ベットされている状態の前記遊技価値をベットされていない状態とするための操作を受けつけることが可能なキャンセルボタン、
    をさらに備え、
    前記価値管理部は、前記転送分離処理が実行された以降に、前記キャンセルボタンが操作されたことに基づいて、ベットされている状態の前記遊技価値がベットされていない状態となったことを契機として、その遊技価値に関する情報を前記遊技価値記録手段へ転送させることが可能である、
    請求項6に記載の遊技機。
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