[第1実施形態]
本発明の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1について、図1~図16を参照して説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更することができる。
本実施形態におけるスロットマシン1は、図1のとおり、現実物品であるメダルを用いることなく遊技をすることができるメダルレス機である。以下では、まず、このスロットマシン1に接続されるメダルユニット7について説明する。
<メダルユニット7の構成>
メダルユニット7は、図2に示すとおり、スロットマシン1の外部においてスロットマシン1と通信可能に接続されている。
また、メダルユニット7は、その内部に、現実物品のメダルに代わる電子データとしてのメダルデータを記憶するカード70を格納することができる。
また、メダルユニット7は、主に、以下に述べるメダルデータのスロットマシン1への転送に伴うメダル貸出処理と、逆にスロットマシン1からのメダルデータの転送に伴うカード70の排出処理とを行うことができる。
また、メダルユニット7は、スロットマシン1の媒体管理部613(後述)との間で必要なデータを送受信することで、スロットマシン1内のメダルデータの管理を行うことができる。
また、メダルユニット7は、貸出ボタン71を備えている。操作者によってメダルユニット7に紙幣が投入され(メダルユニット7にて生成された投入信号がスロットマシン1へと送信され)、その後、操作者によって貸出ボタン71が押下されることにより、貸出信号が生成されて媒体管理部613へと送信される。
なお、本明細書において、「操作者」は、遊技を実行しているユーザである遊技者、遊技を終了したユーザ(店舗内を歩いているユーザを含む)、店舗スタッフのすべてを意味するが、必要に応じて、個別に「店舗スタッフ」、「遊技者」などと表記する場合がある。
また、メダルユニット7は、スロットマシン1の計数ボタン44が押下されることにより、転送信号およびメダルデータをスロットマシン1から受信する。
メダルユニット7は、カード70にメダルデータが入っていない場合には、受信したメダルデータをカード70に書き込む処理を実行し、すでにカード70にメダルデータが書き込まれている場合には、カード70のメダルデータを更新する処理および上書きする処理を実行する。
メダルユニット7は、図示しないホールコンピュータ(店舗に設置されるコンピュータ)、ユニット管理コンピュータ(メダルユニット7を管理するコンピュータ)などと通信可能に接続されている。各スロットマシン1に接続されるメダルユニット7は、ホールコンピュータなどに、例えば各スロットマシン1に貯留(クレジット)されているメダルデータなどを送信することができる。これにより、ホールコンピュータなどで、スロットマシン1のメダルデータを管理することができる。
メダルユニット7は、操作者により排出ボタン72が押下されると、格納されていたカード70を外部に排出する。また、カード70が外部に排出される際、メダルユニット7は、カードの排出信号を生成し、その排出信号をスロットマシン1に送信することができてもよい。
<スロットマシン1の構成>
本実施形態のスロットマシン1は、前述のとおり、現実物品であるメダルを用いることなく遊技を進行させることのできるメダルレス機である。本実施形態のスロットマシン1では、現実物品であるメダルに代えて、電子データとしてのメダルデータを用いて遊技が行われる。メダルデータは、遊技価値の一例である。なお、以下では、説明の便宜上、「メダルデータ」を単に「メダル」と表現する場合もある。
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を備える。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。この前面扉100は、遊技の進行中は施錠されている。
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。操作者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ101、および電飾部102が設けられている。
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
スピーカ101は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
電飾部102は、LEDなどで構成されており、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、ベットスイッチ41、レバー42、デジタルカウンタ43、計数ボタン44、キャンセルボタン45を含む。
操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受けつける。そして、ストップスイッチ40aが押下されると回転リール20aの回転が停止し、ストップスイッチ40bが押下されると回転リール20bの回転が停止し、ストップスイッチ40cが押下されると回転リール40cの回転が停止する。
ベットスイッチ41は、操作者がメダルをベットする際に用いられる。なお、クレジットされているメダル(メダルデータ)およびベットされたメダル(メダルデータ)の数量は、スロットマシン1(後述の媒体管理部613)で管理される。以下において、「クレジットされているメダル(メダルデータ)」という場合には、媒体管理部613で管理されているメダル(メダルデータ)のことを意味する。
レバー42は、各回転リール20を回転させるための操作を受けつけるスタートスイッチとして機能する。
デジタルカウンタ43には、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数(獲得枚数)、メダルのベット数などがデジタル表記される。
計数ボタン44は、メダルデータを後述の媒体管理部613からメダルユニット7へ転送するための、操作者による操作を受けつけることができる。本実施形態では、計数ボタン44は、スロットマシン1のうち操作者に視認可能な位置に配置されている。視認可能な位置とは、操作者が、開錠して前面扉100を開けることなく、手に触れることのできる位置であり、本実施形態では、筐体10の前面である。計数ボタン44が操作者の操作を受けつけたとき、計数ボタン44にて転送信号が生成される。
なお、計数ボタン44が押下された以降に、例えばレバー42が上げ下げされることにより、操作者が指定する任意の数量のメダルデータがメダルユニット7へ転送することができてもよい。この場合において、操作者が任意の数量のメダルデータを転送するためのボタンは、計数ボタン44であってもよく、また、計数ボタン44とは異なるボタンであってもよい。あるいは、操作者がメダルユニット7側のボタンを操作することにより、操作者が指定する任意の数量のメダルデータが、スロットマシン1に転送することができてもよい。
キャンセルボタン45は、ベットされている状態のメダルデータをベットされていない状態とするための、操作者による操作を受けつけることができる。キャンセルボタン45が操作者の操作を受けつけたとき、キャンセルボタン45にてキャンセル信号が生成される。その後、キャンセル信号を受信した媒体管理部613は、ベットされている状態のメダルデータをベットされていない状態として管理する。
また、筐体10の内部には、リセットボタン5が設けられる。リセットボタン5は、後述するメダル数制御通信異常E7およびメダルユニット接続異常E8を解除するためのボタンである。このリセットボタン5は、店舗スタッフが操作することができる。すなわち、リセットボタン5は、通常時(例えば、遊技実行中、アイドリング中)は施錠されている筐体10内に配置されているため、鍵を所持していないユーザ(店舗スタッフ以外のユーザ)はリセットボタン5に触れることができない。
また、スロットマシン1は、図2に示すとおり、回転リールユニット2、および制御部6を備える。回転リールユニット2、および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
回転リールユニット2は、図1および図2に示すとおり、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。
各回転リール20の表面には、例えば、図3に示すような図柄(シンボル)が配置されている。各回転リール20の回転が停止したときに後述の有効ラインLに表示される図柄の組み合わせが、あらかじめ定められた図柄の組み合わせであるか否かを後述の遊技結果判定部612が判定することで、遊技が進行する。
ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述する回転リール制御部611によって、その回転および停止が制御される。
<操作者(遊技者)による遊技の流れ>
操作者は、ベットスイッチ41を操作することによりクレジットされているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定数量のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー42の操作、すなわち遊技を開始することが可能となる。
図1は、有効ラインLが、右下がりラインの1本で構成されている例である。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、1本のラインLが有効化される。
以下では、ベル、スイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、メダルの払い出しがなされないリプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。本実施形態における特定の役には、以下に述べる特別役も含まれる。
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ41、レバー42およびストップスイッチ40などを操作して、内部抽せん、入賞判定処理、メダルデータの増減処理を含む、所定の遊技結果を得る一連の動作をいう。
具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー42が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
なお、これらの所定の遊技結果が得られるまでの遊技の進行に関する情報の少なくとも一部(例えば、ベットスイッチ41が押下されたこと、レバー42が操作されたこと、ストップスイッチ40が押下されたこと、内部抽せんが実行されたこと、所定役が当せんしたこと、回転リールが回転したことなど)は、第1制御部61Aで管理される。
<遊技状態について>
遊技中は、図4に示すように遊技区間の種類が設定され、図5および図6に示すように複数の遊技状態の中から1つの遊技状態が設定される。設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんおよび所定の抽せんが行われる。
遊技状態には、第1遊技状態(図5参照)および第2遊技状態(図6参照)が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
第1遊技状態は、図5に示すように、特別役非持ち越し状態と、ボーナス内部状態(特別役持ち越し状態)と、特別役実施状態とを含む。特別役非持ち越し状態とボーナス内部状態と特別役実施状態とは、排他的に成立する関係にある。
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより特別役(例えば、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置である1種BB)が当せんしておらず、かつ、特別役の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、例えば、後述の設定値が変更された場合、RAMが初期化された場合(所定条件の一例)、特別役実施状態において所定枚数を超えてメダルが払い出された場合などに設定される。
ボーナス内部状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしているものの、その特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、ボーナス内部状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、その特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、特別役が未だに入賞していない状態をいう。なお、1種BBの入賞が持ち越された状態にある場合には、さらなる1種BBの抽せんは行われない。
特別役実施状態は、内部抽せんにより当せんした特別役が入賞した状態であって、所定枚数を超えるメダルの払い出しがなされていない状態をいう。
スロットマシン1の遊技中、操作者は、持ち越された状態にある特別役を入賞させることなく、第1遊技状態が特別役持ち越し状態のままで遊技を続行する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、AT(アシストタイム)機である。AT機は、例えば店舗開店前に店舗スタッフの操作により第1遊技状態がボーナス内部状態に設定されて、この状態のもとで操作者が第2遊技状態を遷移させて遊技を楽しむものである。
第2遊技状態は、図6に示すように、一般遊技状態またはAT(特別遊技状態の一例)のいずれかをとる。第2遊技状態において一般遊技状態とATとは、排他的に成立する関係にある。
一般遊技状態とは、AT(ATの当せん確率が高いチャンスゾーンであるCZが存在する場合は、CZを含む)でない状態、つまりアシスト機能が発生しない状態(あるいは、発生しにくい状態)である。例えば、RAMクリア後あるいはAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。
ATとは、内部抽せんにより当せんした前記特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3、スピーカ101、および電飾部102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が作動している状態である。
AT抽せんは、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役(レア役の当せん、所定役の当せん回数など)に応じて行われる。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした(AT移行信号が生成された)場合に、第2遊技状態は、一般遊技状態からATへと移行する。
ATにて遊技が開始されてから所定ゲーム数が経過した場合、ATにて遊技が開始されてからメダルが払い出された総枚数が所定枚数に達した場合、アシストが規定回数実行された場合、または、特定の役(例えば、押し順ベル)にかかるアシストが規定回数実行された場合などに、第2遊技状態は、ATから一般遊技状態へと移行する。これにより、ATは終了する。
CZは、当せんした役に基づいてCZ抽せんに当せんした場合、ゲーム数が所定ゲーム数に到達した場合、あるいは、所定の場合に蓄積されるポイントが所定値に到達した場合など、なんらかの条件が成立したときに突入する。本実施実施形態では、CZは、図5の高確率モードとは別の概念として説明されているが、高確率モードがCZであってもよい。
<遊技区間について>
前述した遊技区間とは、指示機能にかかる処理が行われるか否かを決定するための状態(区間)である。図4に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とで構成される。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかをとりうる。
指示機能にかかる処理とは、例えば、指示機能を発揮させる(アシストを行う)処理、モード(ATの当せん確率が定められたモード)抽せん、モード移行処理、CZ抽せん処理、CZ処理、AT抽せん処理(ATの継続に関する処理を含む)、AT処理、などのことである。
通常区間は、指示機能にかかる処理を実行することができないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、遊技区間が通常区間である間は、第2遊技状態は一般遊技状態である。
有利区間は、指示機能にかかる処理を実行することが可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、CZまたはATで進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件が満たされるまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。
<制御部6の構成>
図2に示すように、制御部6は、メイン制御部(第1制御部61Aおよび第2制御部61B)、およびサブ制御部62を備える。
第1制御部61A、第2制御部61Bおよびサブ制御部62それぞれは、CPU、記憶部(ROM、RAM、RWM)で構成される。
本実施形態では、第1制御部61A、第2制御部61Bおよびサブ制御部62ごとに、各制御部61A、61B、62の構成物品が1つの基板に実装されている。これにより、第1制御部61A、第2制御部61Bおよびサブ制御部62のそれぞれは、個別の基板にて構成されている。これらの基板は、インターフェースを介して、配線にて接続されている。
前述のとおり、本実施形態のスロットマシン1のメイン制御部は、第1制御部61Aおよび第2制御部61Bの2チップで構成されている。
本実施形態において、2チップの構成をメイン制御部に採用した理由は、主に以下のとおりである。
(1)本実施形態のスロットマシン1がメダルレス機であり、スロットマシン1とメダルユニット7との間でメダルデータの送受信が必要である
(2)第1制御部61Aは、規則(例えば、遊技機の認定および型式の検定等に関する規則)により容量が限られているところ、仮にメダルデータの管理・メダルユニット7への送受信についても第1制御部61Aで行った場合には、第1制御部61Aの容量がさらに圧迫される
(3)これに対し、メダルデータの管理およびメダルユニット7への送受信を実行するチップとそれ以外のメイン制御を行うチップとの2チップの構成が採用されることで、第1制御部61Aがメダルデータの管理処理を行う必要がなくなり、第1制御部61Aのリソースを他の機能に充てることができる
なお、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間での通信方法は、非同期シリアル通信である。
また、第1制御部61Aおよび第2制御部61Bの少なくとも1つは、メダルユニット7と通信接続されている。第1制御部61Aおよび/または第2制御部61Bとメダルユニット7との間での通信方法も、非同期シリアル通信である。
<第1制御部61Aの説明>
第1制御部61AのROMには、遊技進行に直接的(例えば、回転リール20の制御、出玉制御)にかかわるプログラムが記憶されている。
第1制御部61AのRAM、RWMには、遊技進行に必要な遊技データ(遊技の進行に関する情報)が記憶される。
遊技データには、現在のゲーム数のほか、遊技ステータス(各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるか)を示すデータなどが含まれる。本実施形態における遊技データには、例えば、第1遊技状態が特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態などであることを示すデータなどが含まれる。
第1制御部61Aは、第1制御部61AのCPU、記憶部の動作により、内部抽せん部610(遊技制御部の一部)、回転リール制御部611(遊技制御部の一部)、遊技結果判定部612(遊技制御部の一部)、設定値制御部614(遊技制御部の一部)、区間制御部615(遊技制御部の一部)、遊技状態制御部616(遊技制御部の一部)、RT状態制御部617(遊技制御部の一部)、検知部618、および、機能作動部619(遊技制御部の一部)として機能する。
すなわち、本実施形態において、第1制御部61Aは、遊技進行に直接的にかかわる制御のうち、第2制御部61Bで実行されるメダル数制御(後述)以外の制御を行う。具体的には、第1制御部61Aで実行される制御は、例えば、内部抽せん処理、回転リール20の制御、各種遊技状態および/または遊技区間制御、スロットマシン1とメダルユニット7との間での通信接続監視および第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間での通信接続監視などの各種のエラー監視、エラー処理などである。
なお、前記エラーとしては、例えば、第1制御部61A、第2制御部61B、およびサブ制御部62でのシステム異常のほか、メダル数制御通信異常E7、メダルユニット接続異常E8、メダル数上限到達E9などがある。このメダル数制御通信異常E7、メダルユニット接続異常E8、メダル数上限到達E9については、後述する。
また、第1制御部61Aは、スロットマシン1での遊技に関するコマンドを生成することができる。生成されるコマンドには、第1制御部61A内の各機能に向けて送信されるもの(例えば、回転リール20を回転させるためのコマンド、遊技結果を判定するためのコマンド)のほか、第2制御部61Bに送信される要求コマンドが含まれる。
第2制御部61Bに送信される要求コマンドには、図7のとおり、第2制御部61Bが応答する必要のある要求コマンド、および、第2制御部61Bが応答する必要のない要求コマンド、が含まれている。
ここで、図7は、要求コマンド名、第2制御部61Bが要求コマンドを受けつけるタイミング、および、コマンド情報、を示した図である。
要求コマンド名のうち「応答対象」となっている「メダル数確認要求コマンド」から「1遊技終了要求コマンド」までの間の要求コマンドは、第2制御部61Bが応答する必要がある要求コマンドである。
そして、図7中の「〇」は、要求コマンドが第2制御部61Bに適切なタイミングで送信された場合に、第2制御部61Bが応答することを意味している。
具体的には、第2制御部61Bが応答する必要のある要求コマンドには、例えば、第2制御部61Bが、「遊技開始前」に受信する要求コマンド、「遊技中」に受信する要求コマンド、当せん役の「入賞処理待ち」中に受信する要求コマンド、および、「1遊技の終了待ち」中に受信する要求コマンド、がある。
第2制御部61Bが「遊技開始前」に受信しうる要求コマンドは、例えば、クレジットされているメダルデータの数量の確認を行うための「メダル数確認要求コマンド」、メダルをベットするための「投入要求コマンド」、転送処理を行うための「精算要求コマンド」、レバー43の操作を受けつけるための「レバーオン受付要求コマンド」である。
また、第2制御部61Bが「遊技中」に受信しうる要求コマンドは、例えば、3つのストップスイッチ40のうち最後のストップスイッチ40が押下された以降の処理を行うための「第3停止後要求コマンド」である。
また、第2制御部61Bが「入賞処理待ち」中に受信しうる要求コマンドは、メダルの払い出しにかかる「払出要求コマンド」、メダルの払い出し処理にかかる「払出処理完了要求コマンド」である。
また、第2制御部61Bが「1遊技終了待ち」中に受信するコマンドは、1遊技が終了した以降の処理を行うための「1遊技終了要求コマンド」である。
一方、要求コマンド名のうち「-」となっている「チップ個別ナンバー」などは、常時受けつけている要求コマンドであり、第2制御部61Bが応答する必要がない要求コマンド(常時受付コマンド)である。
具体的には、常時受付コマンドは、第1制御部61Aを識別するIDを示す「チップ個別ナンバー」、スロットマシン1の「機種情報」、「アクティブ」である。この「アクティブ」とは、例えば、スロットマシン1が不正状態となっていないか、コンプリート機能が作動していないか、AT、特別遊技状態実施中などの遊技状態、などを示すコマンドである。
また、図7の「コマンド情報」には、「コマンドグループ」、「コマンドNo.」、「コマンド」の情報が格納されている。
「コマンドグループ」は、第2制御部61Bが要求コマンドを受けつけるタイミングが同じタイミングである要求コマンド同士がまとめられたものである。すなわち、例えば、「メダル数確認要求コマンド」、「投入要求コマンド」、「精算要求コマンド」、「レバーオン受付コマンド」はすべて、受けつけるタイミングが「遊技開始前」である要求コマンドであるため、これらすべての「コマンドグループ」は「0」とされている。
「コマンドNo.」は、同一コマンドグループ内でそれぞれの要求コマンドを識別するために割り振られたIDである。例えば、「メダル数確認要求コマンド」は、「コマンドグループ」は「0」であって「コマンドNo.」は「0」であり、「投入要求コマンド」は、「コマンドグループ」は「0」であって「コマンドNo.」は「1」である。このように、同じコマンドグループであっても「コマンドNo.」が異なるため、それぞれの要求コマンドが一意に識別される。
「コマンド」は、コマンドを識別する内容そのものである。すなわち、「コマンド」は、「コマンドグループ」および「コマンドNo.」に基づいて、それぞれの要求コマンドを識別するためのIDである。例えば、「コマンド」が「0x00」である要求コマンドは、「メダル数確認要求コマンド」であることが一意に決まる。
これらの第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間でやり取りされる要求コマンドを用いて、第2制御部61Bにおいて、遊技ステータスに基づくエラー判定としての「応答可否決定処理」が行われる。この応答可否決定処理については、第2制御部61Bの説明箇所で詳述する。
また、第1制御部61Aは、例えば、第2制御部61Bから送信された「管理されているクレジット数に関するコマンド」に応じて、MAX BETさせるためのベットスイッチ41のランプの点灯/消灯制御、ベットスイッチ41の有効/無効制御を行うことができる。これにより、ベットスイッチ41は、例えば、メダルデータのクレジット数が3枚以上ならランプが点灯(操作が有効化)し、クレジット数が2枚以下ならランプが消灯(操作が無効化)する。
つぎに、メダル数制御通信異常E7、メダルユニット接続異常E8、メダル数上限到達E9、および計数催促表示について説明する。
(メダル数制御通信異常E7の説明)
メダル数制御通信異常E7は、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間で発生する通信接続異常である。
このメダル数制御通信異常E7が発生している間は、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間での通信が確立されていないため、そもそも第2制御部61Bで応答可否決定処理が実行されない。
メダル数制御通信異常E7は、第1制御部61A(検知部618)によって検知される。具体的には、第1制御部61Aは、第2制御部61Bに通信接続確認コマンドを送信した以降に待ち時間である約380m秒が経過しても第2制御部61Bから通信応答コマンドを受信できない場合に、メダル数制御通信異常E7が発生していると検知する。
メダル数制御通信異常E7が発生した場合には、第1制御部61Aはその旨の信号(E7信号)を生成し、サブ制御部62にE7信号を送信する。これにより、第2制御部611Bの機能である演出制御部620が、図9(a)のとおり、液晶画面3にて「E7 メダル数制御通信異常」の文字を表示させる。
また、メダル数制御通信異常E7が発生した場合には、第1制御部61Aは、スロットマシン1を遊技不可状態にする。
この「遊技不可状態」とは、スロットマシン1が、ベットスイッチ41、レバー42、ストップスイッチ40、計数ボタン44、キャンセルボタン45などへの操作者による操作を無効化する状態をいう。ここでいう「無効化」とは、各種スイッチおよびボタンを操作されてもその操作を受けつけないこと、各種スイッチなどへの操作は受けつけても当該操作に応じた動作および処理は行わないこと、があげられる。また、それに伴って、ベットスイッチ41、ストップスイッチ40などのランプが消灯され、点灯しなくなる。
一方、「遊技可能状態」は、スロットマシン1が、ベットスイッチ41などへの操作を有効化、および、ベットスイッチ41などのランプを点灯させることをいう。「有効化」とは、各種スイッチなどへの操作を受けつけて、当該操作に応じた動作および処理を行うことをいう。
なお、メダル数制御通信異常E7は、店舗スタッフが前面扉100を開錠して筐体10の内側に配置されたリセットボタン5を押下することで解除される。すなわち、メダル数制御通信異常E7は、遊技者の操作によって解除されることは想定されていない。
(メダルユニット接続異常E8の説明)
メダルユニット接続異常E8は、スロットマシン1とメダルユニット7との間で発生する通信接続異常である。
スロットマシン1とメダルユニット7との間では、メダルの貸し出しにかかる信号、メダルユニット7からメダルの貸し出しを受けたことを示す信号、メダルの転送処理にかかる信号、遊技機情報(例えば、総投入枚数、総払出枚数、後述のレンジ(MY)、第1制御部61Aなどのチップ個別ナンバー、スロットマシン1とホールコンピュータとの間で送受信される不正監視情報など)にかかる信号などの送受信が行われる。
第1制御部61A(検知部618)がメダルユニット接続異常E8を検知するにあたって、図2のとおり、スロットマシン1とメダルユニット7との間に設けられた接続確認用伝送線路81に5.0Vの電圧(電源電圧VL)が印加される。電源電圧VLを生成する電源生成装置は、スロットマシン1とメダルユニット7との間での接続を監視するために、例えばメダルユニット7に設けられる。
また、図2のとおり、スロットマシン1とメダルユニット7との間には、接続確認用伝送線路81に対するグラウンド印加用伝送線路82が設けられている。
そして、接続確認用伝送線路81に電源電圧VLが印加されている場合(以下、接続確認用電源VL“オン”と称することがある)、第1制御部61Aは、メダルユニット接続異常E8を検知しない。
一方、接続確認用伝送線路81に電源電圧VLが印加されていない場合であって(以下、接続確認用電源VL“オフ”と称することがある)、かつ、その状態が一定時間(例えば、1分間)継続する場合には、第1制御部61Aは、メダルユニット接続異常E8を検知する。
前記のように、接続確認用電源VLがオフとなっていることのみをもってメダルユニット接続異常E8が検知されない理由(「接続確認用電源VLがオフとなっている状態が一定時間継続していること」をメダルユニット接続異常E8の検知条件の1つとする理由)は、以下のとおりである。
すなわち、例えば、スロットマシン1およびメダルユニット7の電源を同時にオンとした場合には、メダルユニット7のほうがスロットマシン1よりも起動に時間を要することがある。この場合には、スロットマシン1の起動が先に完了したときに接続確認用電源VLがオフと判定され、本来のスロットマシン1およびメダルユニット7間の接続異常が生じているかどうかまでは明確にわからないにもかかわらず、直ちにメダルユニット接続異常E8が検知される。そしてこの場合には、そのスロットマシン1は遊技不可状態となってしまう。
そこで、本実施形態では、このような不具合を回避するため、接続確認用電源VLがオフとなっているときであって、かつ、その状態が一定時間継続する場合に、第1制御部61Aがメダルユニット接続異常E8を検知することとしている。
なお、メダルユニット接続異常E8は、第1制御部61Aの起動時以外にも、第1制御部61Aによって常時監視されている。具体的には、第1制御部61Aは、1遊技が終了して次のレバーオンがなされるまでの間(すなわち、いずれかの回転リール20a~20cが回転している「遊技実行中」は除かれる)、メダルユニット接続異常E8が発生していないかを検知する。
メダルユニット接続異常E8が発生した場合には、第1制御部61Aはその旨の信号(E8信号)を生成し、E8信号を第2制御部61B(演出制御部620)へ送信する。これにより、図9(b)のとおり、メダルユニット接続異常E8が発生している旨の文字が液晶画面3に表示される。
また、メダルユニット接続異常E8が発生した場合には、第1制御部61Aは、スロットマシン1を遊技不可状態にする。この遊技不可状態は、前述のメダル数制御通信異常E7における遊技不可状態と同様である。
メダルユニット接続異常E8が発生している旨の情報(E8信号)は、スロットマシン1の電源がオフとなっているときでも第1制御部61Aの記憶部にて記憶される。
また、メダルユニット接続異常E8は、店舗スタッフがスロットマシン1内に設けられたリセットボタン5を押下することで解除される。すなわち、メダルユニット接続異常E8は、遊技者の操作によって解除されることは想定されていない。
なお、遊技の実行中に停電(あるいは瞬停)が発生した場合には、スロットマシン1において、遊技の終了から次にレバーオンされるまでの間にメダルユニット接続異常E8が検知される。そして、復電した場合に、接続確認用電源VLがオンになり、メダルユニット接続異常E8が解除される。
(計数催促表示の説明)
計数催促表示は、デジタルカウンタ43に表示されるメダルのクレジット数が多くなりすぎることを防止するために、適切なタイミングで操作者に転送処理を促すためのものである。
具体的には、第1制御部61Aは、第2制御部61Bの媒体管理部613から、クレジットされているメダルデータを受信する。
本実施形態では、メダルデータの管理に関する状態(メダル管理状態)には、クレジットされているメダルが、17000枚未満である(未達状態)場合と、17000枚以上である(到達状態)場合とが設けられている。
そして、まず、クレジットされているメダルが前記到達状態よりも低い15000枚未満である場合に、第1制御部61Aは、パラメータである計数催促コマンドを「0」に設定する。そして、クレジットされているメダルが15000枚以上となった場合には、第1制御部61Aは、計数催促コマンドを「0」から「1」に変更し、計数催促コマンド「1」を第2制御部61Bに送信する。これにより、図9(c)のとおり、演出制御部620が液晶画面3に「計数を行ってください」などの文字を表示させる(計測催促表示)。
なお、第1制御部61Aは、クレジットされているメダルが15000枚以上であるか否かを、ベット待ち状態からレバーオンまでの間において判定する。
また、計数催促表示が表示されたことは、第1制御部61Aの記憶部に記憶されて保持されるが、スロットマシン1の電断によって計数催促表示が表示された旨の情報は初期化される。
なお、計数催促表示は、遊技者が計数ボタン44を押下すること、あるいは、遊技の進行に伴ってクレジットされているメダルが減少すること、によってクレジットされているメダルデータが15000枚未満となることで消去される。すなわち、計数催促表示は、遊技者自身の操作によって解除することができ、店舗スタッフに解除してもらう必要がない。
また、計数催促表示は、図9(c)のようにレバー42が操作された以降(遊技実行中)に表示され続けてもよいが、遊技実行中に一時的に消去され、1遊技が終了した以降であってベット待ちの状態となったときに再度表示されてもよい。
なお、遊技をまたぐ場合にも計数催促コマンドに変化がなければ、計数催促コマンド「1」は再送信されない。また、第1制御部61Aは、スロットマシン1の電断復帰時に、計数催促コマンドが「0」か「1」かにかかわらず、初回のアイドル中に一度は計数催促コマンドを第2制御部61Bに送信する。
また、クレジットされているメダルデータがいったん15000枚以上となった場合には、14999枚以下になるまで計数催促コマンド「1」は再送信されない。すなわち、例えば、メダル数上限到達E9が発生した以降に、クレジットされているメダルデータが17000枚未満となって(到達状態が解除されて)メダル数上限到達E9が解除されたとしても、引き続きメダルデータが15000枚以上である場合には、計数催促コマンド「1」は再送信されない。
また、本実施形態のスロットマシン1では、計数催促表示が表示されている間は、少なくとも、アトラクト画面(待機画面)の表示、遊技の実行中の音量を調整するための操作受付、スロットマシン1の各種操作内容を設定するためのメニュー画面への移行、が実行されない。
また、計数催促表示が表示されている間、メダル数上限到達E9にかかる処理が実行されるまでの残りメダル枚数が表示されてもよい。この場合には、例えば液晶画面3に「あと300枚でメダル数上限到達E9が発生するよ!」などの文字が表示される。
(メダル数上限到達E9の説明)
メダル数上限到達E9は、操作者(操作者のうちでも、特に遊技者)に転送処理を強制させるためのものである。
第1制御部61Aは、クレジットされているメダルが、計数催促表示の契機となる15000枚よりも多い“17000枚”以上であるか否かを、ベット待ち状態からレバーオンまでの期間に判定する。
そして、クレジットされているメダルが17000枚以上である(メダル管理状態が到達状態となった)場合には、第1制御部61Aは、メダル数上限到達E9が発生した旨の信号(E9信号)を生成し、E9信号を第2制御部61Bへ送信する。
これにより、メダル管理状態が到達状態となっていることを示す情報として、演出制御部620は、図9(d)のとおり、液晶画面3に「計数を行うと遊技可能になります」などの文字を表示させる。当該表示は、計数催促表示とは異なる内容である。また、第1制御部61Aは、第1制御部61A用の7セグメントディスプレイ(詳細には、第1制御部61AのCPUが実装されたメイン制御基板上の7セグメントディスプレイ)に、メダル数上限到達E9が検知されたことを報知/示唆させることもできる。
なお、この7セグメントディスプレイは、メダル数上限到達E9以外の他のエラー(メダル数制御通信異常E7、メダルユニット接続異常E8など)を表示するためのセグメントディスプレイを兼ねていてもよい。
また、この7セグメントディスプレイは、前記のエラー以外にも、遊技に関する管理情報(例えば、有利区間、出玉率)を表示するためのセグメントディスプレイを兼ねていてもよい。
なお、メダル管理状態が未達状態(すなわち、メダル管理状態が到達状態ではない)であることを示す情報として、演出制御部620は、液晶画面3に「まだ転送処理は不要です」のメッセージを表示させる、計数催促表示が表示されるまでの残りメダル枚数を表示させる、または、転送処理に関して一切の情報を表示させないようにすることができる。
また、メダル数上限到達E9が発生した場合には、第1制御部61Aは、スロットマシン1を遊技不可状態とする。この遊技不可状態は、前述のメダル数制御通信異常E7における遊技不可状態と同様である。
また、メダル数上限到達E9が検知された場合には、第1制御部61Aは、E9信号を演出制御部620に送信することで、LEDを発光させてエラー報知を行うこともできる。このエラー報知は、音声としての出力がされなくてもよいが、音声として出力されることもできる。
また、メダル数上限到達E9が検知された(メダル管理状態が到達状態となった)ことは、第1制御部61Aの記憶部に記憶され保持されるが、エラー履歴としては記憶されない。
メダル数上限到達E9は、遊技者が計数ボタン44を押下することによってクレジットされているメダルデータが17000枚未満となる(メダル管理状態が未達状態となる)ことで解除される。すなわち、メダル数上限到達E9は、計数催促表示と同様、遊技者自身の操作によって解除することができ、店舗スタッフに解除してもらう必要がない。
なお、メダル数上限到達E9は、遊技者自身の操作によって解除することができるため、悪意をもった遊技者に故意に発生させられるおそれがある。前述のとおりメダル数上限到達E9が検知されたことがエラー履歴として記憶されない理由は、そのような情報をエラー履歴として残すことが、遊技機の管理上好ましくないためである。
<第2制御部61Bの説明>
第2制御部61BのROMには、遊技進行に直接的(例えば、転送処理)にかかわるプログラムが記憶されている。
第2制御部61BのRAM、RWMには、遊技進行に必要な遊技データ(遊技の進行に関する情報)が記憶される。
遊技データには、クレジット数、ベット数などで構成されるメダルデータのほか、それらのデータから算出される差枚数などを示すデータが含まれる。
第2制御部61Bは、第2制御部61BのCPU、記憶部の動作により、媒体管理部613(価値管理部に相当)として機能する。
具体的には、第2制御部61Bは、媒体管理部613の制御、すなわち、主にメダルデータを管理するための制御を行う。第2制御部61Bで実行される制御としては、例えば、クレジットされているメダルデータに関する管理、メダルのベット・払い出しに関する処理、メダルデータのバックアップエラーに関する監視および処理などがある。
例えば、第2制御部61B(媒体管理部613)は、メダルのベット・払い出しに関する処理をするにあたって、第1制御部61Aからメダル3枚のベット要求があった場合には、メダル3枚をベットすることが可能であるとするベット可能応答を行う。これに伴い、第2制御部61Bは、クレジットされているメダルデータから3枚分のメダルデータを減算する。
また、第2制御部61B(媒体管理部613)は、当せん役が入賞したことに伴って、クレジットされるメダルデータを入賞役の払い出し分だけ増加させる。
また、第2制御部61Bは、第1制御部61Aから送信される遊技ステータスに関する情報を記憶部に記憶させており、現在の遊技ステータスを把握している。すなわち、現在の遊技ステータスは、第1制御部61A、第2制御部61Bそれぞれで個別に管理されている。
遊技ステータスとしては、前述のとおり、例えば、遊技開始前(メダル投入待ち)の状態か否か、遊技中(回転リール20の回転中)の状態か否か、入賞処理待ち状態か否か、役物作動中あるいは再遊技中か否か、エラー中か否か(メダルユニット接続異常E8か否かなどを含む)、AT中か否か、指示情報、遊技回数、などがある。
そして、第2制御部61Bは、図7のとおり、自身が管理する現在の遊技ステータスを参照して、第1制御部61Aから送信された要求コマンドに対して応答するか否かを決定する応答可否決定処理を実行することが可能である。
すなわち、まず、第2制御部61Bは、受信した要求コマンドのコマンド種別に基づいて、その要求コマンドが応答すべきコマンドであるか否かを判別する。
また、第2制御部61Bは、受信した要求コマンドが応答すべきコマンドである場合には、受信したタイミングに応じて、応答コマンドを生成するか否かを決定する。
そして、第2制御部61Bは、受信した要求コマンドに対して応答することを決定した場合には、応答コマンド(可/不可)を生成して第1制御部61Aに送信する。
例えば、第2制御部61Bは、メダルを3枚ベットしてほしい旨の要求コマンドである「投入要求コマンド」を受信した場合には、図7のとおり、この要求コマンドは「応答対象」であるため、応答すべきコマンドであると判定する。
さらに、第2制御部61Bは、「投入要求コマンド」を受信した時点で第2制御部61Bが把握している遊技ステータスが「遊技開始前」である場合には、現在の遊技ステータスから当該コマンドの受信は適切であると判定する。これは、図7のとおり、第2制御部61Bが受信したコマンド「投入要求コマンド」が、現在の遊技ステータスとの関係において正しいタイミングで受信されたものだからである。
ついで、媒体管理部613が管理しているメダルデータ(クレジットされているメダルデータ)が3枚以上であれば、第2制御部61Bは、「可」とする投入要求応答コマンドを生成し、第1制御部61Aに送信する。
一方、媒体管理部613が管理しているメダルデータが2枚以下であれば、第2制御部61Bは、「不可」とする投入要求応答コマンドを生成し、第1制御部61Aに送信する。
また、第2制御部61Bは、「投入要求コマンド」を受信した時点で第2制御部61Bが把握している遊技ステータスが「遊技中」である場合には、現在の遊技ステータスでは当該コマンドの受信は不適切であると判定し、「投入要求コマンド」には応答しないことを決定する。
これは、第2制御部61Bが本来「投入要求コマンド」を受信するべきステータスは図7のとおり「遊技開始前」であるところ、第2制御部61Bが把握している現在の遊技ステータスは「遊技中」であり、受信したコマンド「投入要求コマンド」は、現在の遊技ステータスとの関係において正しいタイミングで受信されたものではない、といえるためである。
そして、この場合には、第2制御部61Bは、受信した「投入要求コマンド」を破棄し、エラー情報を生成する。このエラー情報は、第2制御部61Bが制御する7セグメントディスプレイにて表示されるとともに、ホールコンピュータにも送信される。このように、第2制御部61Bが、受信した要求コマンドの種別およびその受信タイミングが不適切であると判定したときにその要求コマンドを破棄するのは、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間での処理負荷を軽減するため、および、処理が複雑化することを回避するためである。
なお、第2制御部61Bが制御する7セグメントディスプレイは、第2制御部61BのCPUが実装された第2メイン制御基板上に設けられてもよいし、筐体10の前面扉100の外表面に設けられて、クレジット表示あるいは払出枚数表示などを行うことができてもよい。
なお、第2制御部61Bは、生成したエラー情報を第1制御部61Aへは送信しない。これに対して、第1制御部61Aは、割込処理を行って第2制御部61Bから応答コマンドが送信されてくるのを待つが、応答コマンドが送信されてこないため、これに基づいて、第2制御部61Bとは別に、独自のエラー情報を生成する。
また、第2制御部61Bによるエラー情報の生成処理は、前述の「現在の遊技ステータスと合致しない要求コマンドを受信したとき」に限られず、例えば、以下の状態においても実行されてもよい。
(1)第1制御部61Aから連続して要求コマンドが送信されたが、コマンド間の通番が連続していないとき
(2)常時受付コマンドを除き、スロットマシン1の起動が完了する前に第1制御部61Aからの要求コマンドを受信したとき
(3)不正な要求コマンド(例えば、データを改ざんさせるようなコマンド)を受信したとき
なお、第2制御部61Bによるエラー情報の生成処理には、受信した要求コマンドを破棄する処理も含まる。
また、本来の遊技機において、メイン制御部(第1制御部61Aおよび第2制御部61B)は、サブ制御部62などの他制御部に対して一方向の通信を実施することが通常であり、他制御部からメイン制御部への情報の送信は禁じられている。これに対し、本実施形態では、前述のとおり、第1制御部61Aが第2制御部61Bに要求コマンドを送信すると、第2制御部61Bは第1制御部61Aに応答コマンド(「可」、「不可」など)を送信する。
すなわち、本実施形態では、メイン制御部同士ともいえる第1制御部61Aおよび第2制御部61Bにおいては、双方向通信をすることが可能である。このように第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間での通信が双方向であるのは、以下の理由による。
1つめの理由は、第1制御部61Aが、第2制御部61Bが要求コマンドを正常に受信したことを監視するためである。
また、2つめの理由は、例えば、第1制御部61AがコマンドAに対する応答コマンドを待ち受けているときにスロットマシン1の電源がオフになり、それ以降に電源がオンにされたときにさらに第1制御部61AがコマンドBを新たに送信する、などのような特殊な状態に対して、プログラムを複雑化させることなく対応する必要があるためである。
これらの理由に対処するため、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間での通信を双方向とし、第1制御部61Aが応答コマンドを受信しない場合には、第1制御部61Aは、第2制御部61Bとの間でエラーが発生していると検知し、エラー報知を行う。
なお、要求コマンドおよび応答コマンドは、コマンドの長さを表す電文長、コマンドコードを表すコマンド、計数通番または貸出通番のシーケンス番号を表す通番、コマンドデータを表すデータ部、および、電文長からデータ部までのデータから算出されるチェックサム、で構成される。
<第1制御部61Aおよび第2制御部61Bによる機能の説明>
以下では、第1制御部61Aにおける、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、設定値制御部614、区間制御部616、遊技状態制御部616、RT状態制御部617、検知部618、機能作動部619、および、第2制御部61Bにおける、媒体管理部613について説明する。
<内部抽せん部610>
第1制御部61Aの機能の1つとしての内部抽せん部610は、レバー42の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的には、内部抽せん部610は、レバー42が操作されたときの第1遊技状態および第2遊技状態と遊技区間とRT状態とに基づいて、内部抽せんテーブル(図示略)およびレバー42が操作されたときに取得される乱数に従って内部抽せんを行う。
そして、内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号(遊技の進行に関する情報の一例)は、内部抽せん部610から、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、遊技状態制御部616、および演出制御部620などに送信される。
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルをもとに、レバー42が操作されたときのRT状態(後述)およびボーナスの種類などの組み合わせに応じて内部抽せんを行う。
なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連づけられて1以上設定されている。その役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役のほか、ストップスイッチ40の押し順が正しければメダルが払い出される押し順役(例えば、押し順リプ、押し順ベル)が含まれる。
押し順役が当せんし、その正解の押し順どおりにストップスイッチ40が押下された場合には、その押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば8枚)のメダルを獲得することができる。押し順役が当せんしたにもかかわらず、正解の押し順どおりにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、その押し順役は入賞しないか、またはそのほかの役(1枚役など)が入賞する。
なお、押し順役は、一般遊技状態(例えば、ATおよびCZ以外)中にも当せんし成立している。しかしながら、一般遊技状態中に押し順役が当せんした場合には、基本的には正解押し順の報知はなされないため、押し順役は取りこぼされたり、払い出し枚数が1枚となったりする。一方、AT中は、正解押し順が報知されるため、複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される可能性が高くなる。
<回転リール制御部611>
第1制御部61Aの機能の1つとしての回転リール制御部611は、レバー42または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
具体的には、すべての回転リール20回転が停止している状態においてレバー42が操作された場合には、回転リール制御部611は、すべての回転リール20の回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合には、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
遊技者による遊技中の回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、内部抽せん結果である当せんフラグ(ただし、特別役のフラグを除く)が示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
また、遊技者による遊技中の回転停止制御では、回転リール制御部611は、内部抽せんにより当せんした役と、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール40の位置と、に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
なお、特別役が当せんした場合に、回転リール制御部611は、その特別役が当せんする直前のレバー42の操作およびその直後のストップスイッチ40の操作に基づいて、回転リール20の回転および停止はさせるものの、その特別役を入賞させないようにすることもできる。
<遊技結果判定部612の説明>
第1制御部61Aの機能の1つとしての遊技結果判定部612は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、各回転リール20の回転が停止したときにリール窓200を通して見える図柄とに基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かによって判定される。
具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、あらかじめ定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、当せん役が入賞したと判定される。この判定結果(遊技の進行に関する情報の一例)は、遊技結果判定信号として遊技結果判定部612から媒体管理部613、検知部618、およびサブ制御部62などへ送信される。
<媒体管理部613の説明>
第2制御部61Bの機能の1つとしての媒体管理部613は、メダルのクレジット数およびベット枚数を管理する。
媒体管理部613は、第1制御部61Aからの投入要求(何枚投入してほしい旨の要求)または払出要求(何枚払い出してほしい旨の要求)を受信して、以下の処理を実行する。
具体的には、媒体管理部613は、遊技者の操作に基づいてメダルがベットされた場合(投入要求がなされた場合)にはメダルのベット枚数に応じてクレジット数(遊技の進行に関する情報の一例)を減少させ、遊技者の操作に基づいてメダルがクレジットされた場合にはクレジット数を増加させる。
また、媒体管理部613は、内部抽せんによって獲得フラグが当せんフラグとして成立し、かつ、遊技者の操作に基づいて獲得当せん役が入賞した場合(払出要求がなされた場合)には入賞した獲得当せん役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に応じてクレジット数を増加させる。
また、媒体管理部613は、図8のとおり、通常区間および有利区間のいずれかにかかわらず、また、一般遊技状態およびATのいずれかにかかわらず、メダルの払い出し枚数からメダルのベット枚数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数(遊技の進行に関する情報の一例)を算出する。なお、メダルの差枚数は、後述の、有利区間差枚数の算出、コンプリート機能の作動の有無などに用いられる。
また、媒体管理部613は、図8のとおり、有利区間における(遊技区間が通常区間から有利区間へ移行したのち、再度通常区間へ移行するまでの間の)メダルの差枚数である、有利区間差枚数を算出する。
本実施形態において、この有利区間差枚数が+2400枚となった場合に、媒体管理部613は、有利区間差枚数を0(ゼロ)に初期化する。例えば、遊技を開始してから差枚数が-300枚となったときに遊技区間が有利区間に移行した場合には、媒体管理部613は、それ以降に2700枚が払い出されたとき(この場合には、有利区間差枚数が+2400枚となる)に、有利区間差枚数を初期化する。なお、媒体管理部613は、有利区間差枚数が+2400枚となった場合に、その旨の信号を区間制御部615に送信する。これにより、区間制御部615は、遊技区間を通常区間へ移行させる。
また、媒体管理部613は、有利区間差枚数が+2400枚となった場合以外で所定の条件が満たされて有利区間が終了したときに、有利区間差枚数を0(ゼロ)に初期化することができる。
媒体管理部613は、遊技区間が再度有利区間へ移行したときに、有利区間差枚数の算出を開始する。
また、媒体管理部613は、図8のとおり、前回スロットマシン1の電源がオンにされてからの、メダルの払い出し枚数からメダルのベット枚数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数を用いて、差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。このレンジ(MY)は、前述の有利区間差枚数、メダルの差枚数などとは異なり、すべての遊技区間(有利区間および通常区間)を対象として、すなわちスロットマシン1の電源がオンし続けられている限りは継続して算出される。
このレンジ(MY)に関する情報は、機能作動部619に送信され、後述するコンプリート機能に用いられる。
媒体管理部613は、店舗スタッフによりスロットマシン1の電源がオフにされた場合に、レンジ(MY)をリセットする。
なお、媒体管理部613にて算出されるメダルのベット数、クレジット数、差枚数などは、遊技の進行に関する情報として、遊技状態制御部616、演出制御部620などへ送信される。
<設定値制御部614の説明>
第1制御部61Aの機能の1つとしての設定値制御部614は、店舗スタッフの操作に基づいて、遊技の進行制御の有利度が異なる複数種類の設定値(例えば、1~6)のうちいずれか1つの設定値を用いて遊技進行を行う。この設定値は、スロットマシン1ごとに設定される。設定値制御部614によって設定された設定値の情報は、内部抽せん部610、演出制御部620などへ送信される。
いずれの設定値が用いられているかによって、遊技進行の有利度、例えば、機械割、共通ベルなど特定の小役の当せん確率、CZの当せん確率あるいはATの当せん確率などが異なる。例えば、設定値は数字が大きくなるほど(例えば、6に近づくほど)、遊技進行の有利度が大きく(例えば、機械割が大きくなる)なる。
なお、図示はされていないが、スロットマシン1は、設定キーをさらに備える。設定キーは、設定変更モードへの切り替えキーである。設定値制御部614は、店舗スタッフが設定キーをオフにすることで、設定変更モードをオフにし、店舗スタッフが設定キーをオンにすることで、設定変更モードをオンにする。
<区間制御部615>
第1制御部61Aの機能の1つとしての区間制御部615は、図4のとおり、遊技の際に、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。区間制御部615は、区間移行抽せんに当せんした場合に遊技区間を有利区間に設定(移行)する。所定の抽せん対象役(例えば、チェリー、チャンス目などのレア役)が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するか否か(有利区間を終了させるか否か)を決定する。例えば、区間制御部615は、遊技区間が有利区間のときに、第2遊技状態がATから一般遊技状態に移行したか否かを判定する。例えば第2遊技状態が一般遊技状態に移行した場合に、区間制御部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させることができる。
また、区間制御部615は、媒体管理部613から有利区間差枚数が+2400枚に達した旨の信号を受信した場合、あるいは、+2400枚となった場合以外で所定の条件が満たされた場合に、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。なお、例えば、有利区間となった以降に有利区間差枚数が-1000枚となった場合には、操作者(特に遊技者)は、1000枚+2400枚=3400枚まで獲得することができる。
また、区間制御部615は、スロットマシン1の電源がオンされた場合、あるいは、RAMがクリアされた場合などに、直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
なお、区間制御部615は、遊技区間に関する情報(通常区間、有利区間のいずれであるか)を、遊技の進行に関する情報として、媒体管理部613、遊技状態制御部616、演出制御部620などへ送信することができる。
<遊技状態制御部616>
第1制御部61Aの機能の1つとしての遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態、および、特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態およびATのいずれかに設定する。
遊技状態制御部616は、例えば、第1制御部61AのRAMがクリアされた直後などにおいて、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。
そして、内部抽せんにより特別役が当せんした場合であって、特別役が入賞しなかった場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態に設定する。
ボーナス内部状態において、所定条件が満たされた場合(例えば、RAMがクリアされた場合、または設定値が変更された場合)に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態から特別役非持ち越し状態に移行させる。
特別役非持ち越し状態において、特別役が当せんし、かつ、特別役が入賞した場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態から特別役実施状態へ移行させる。
また、ボーナス内部状態において、特別役が入賞した場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態から特別役実施状態へ移行させる。
また、特別役実施状態において、所定条件が満たされた場合あるいは所定枚数を超えてメダルが払い出された場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態から特別役非持ち越し状態へと移行させる。
また、図6に示すように、遊技状態制御部616は、AT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をATに設定するか否かを判定する。具体的には、遊技区間が有利区間である場合に行われるAT抽せんに当せんした場合に、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をATに設定する。
一方、AT抽せんに当せんしなかった場合には、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定する。
また、ATが終了した場合には、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をATから一般遊技状態に移行させる。
また、遊技状態制御部616は、第2遊技状態について、遊技の進行状況に関する複数種類のモード(例えば、AT抽せんに当せんしにくい通常モード、AT抽せんに当せんしやすい高確率モード)のうちいずれか1つのモードを選択する。そして、遊技状態制御部616は、選択したモードに関連づけられたAT当せん確率にて、AT抽せんを実行する。
なお、遊技状態制御部616は、第1遊技状態に関する情報および第2遊技状態に関する情報を、遊技の進行に関する情報として、媒体管理部613、演出制御部620などへ送信することができる。
<RT状態制御部617>
第1制御部61Aの機能の1つとしてのRT状態制御部617は、複数のRT状態のうちの1つのRT状態を用いて遊技進行を行うことが可能である。複数のRT状態には、それぞれ、リプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率(リプレイ確率)があらかじめ定められており、RT状態制御部617は、所定の役(例えば、特別役)が当せんした場合などに、RT状態を遷移させることができる。
本実施形態において、RT状態制御部617は、特別役実施状態とそれ以外の状態(特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態)とで、RT状態を異ならせる。また、RT状態制御部617は、特別役非持ち越し状態とボーナス内部中とでは、同じRT状態を維持する。そして、RT状態制御部617は、ATが実行されるボーナス内部中では、RT状態を遷移させない。
なお、RT状態制御部617は、RT状態に関する情報(RT0、リプレイの当せん確率がRT0よりも高いRT1、などのうちのいずれのRT状態であるか)を、遊技の進行に関する情報として、演出制御部620などへ送信することができる。
<検知部618>
第1制御部61Aの機能の1つとしての検知部618は、メダル数制御通信異常E7、メダルユニット接続異常E8、メダル数上限到達E9などをはじめとしたエラーを検知する。前述のとおり、例えば、検知部618は、第2制御部61Bに通信接続確認コマンドを送信した以降に待ち時間である約380m秒が経過しても第2制御部61Bから通信応答コマンドを受信できない場合に、メダル数制御通信異常E7が発生していると検知する。
<機能作動部619>
第1制御部61Aの機能の1つとしての機能作動部619は、媒体管理部613から送信されたレンジ(MY)に関する情報を受信する。
そして、機能作動部619は、レンジ(MY)が例えば18500である第1レンジ以上となったときに、コンプリート機能の作動が近いことを示す事前通知に関する情報を生成する。
このコンプリート機能とは、いわゆる打ち止めの機能であり、コンプリート機能が作動した場合には、スロットマシン1は遊技に関する操作を受けつけなくなり、店舗スタッフによって電源がオフ、オンされない限り、操作者は遊技を続行することができなくなる(遊技不可状態となる)。
ここでいう遊技に関する操作とは、1ゲームを消化するための操作を意味し、回転リール20を始動させるための操作として特にメダルをベットするためのベットスイッチ41の操作が含まれる。コンプリート機能が作動した場合には、このような遊技に関する操作が受けつけられなくなるため、コンプリート機能が作動した状態のもとで、ベットスイッチ41が操作されたとしても、メダルのベット処理はなされない。
事前通知に関する情報は、例えば、この情報が機能作動部619にて生成されている間、毎ゲーム、演出制御部620へと送信される。これにより、演出制御部620にて事前通知がなされる。
また、レンジ(MY)が第1レンジである18500未満となったときには、機能作動部619は、事前通知に関する情報の生成を停止する。これにより、演出制御部620で事前通知がなされなくなる。
なお、事前通知に関する情報は、事前通知の報知をオンまたはオフにするフラグであってもよい。この場合には、事前通知の報知がオフからオンとなる場合に、フラグが「オン」の情報が演出制御部620に送信され、逆に事前通知の報知がオンからオフとなる場合に、フラグが「オフ」の情報が演出制御部620に送信される。このように、事前通知に関する情報をフラグ式にすることにより、第1制御部61A0からサブ制御部620へ伝送する信号が過多となることが抑制することができる。
また、機能作動部619は、レンジ(MY)が第2レンジである19000以上となったときに、コンプリート機能を作動させる。
機能作動部619は、店舗スタッフがスロットマシン1の電源をオフにしたときに、コンプリート機能を解除する。スロットマシン1の電源がオフから再びオンとなった際に、コンプリート機能が解除されるのみならず、レンジ(MY)はリセットされ、0(ゼロ)となっている。したがって、事前通知の報知はなされておらず、コンプリート機能が再び作動するための条件の成立から遠ざかった状態で、スロットマシン1での遊技が可能となる。
<サブ制御部62の説明>
サブ制御部62のROMには、遊技進行に間接的(例えば、液晶画面3の演出制御、電飾部102のLED発光制御、スピーカ101の音声出力制御)にかかわるプログラムが記憶されている。
サブ制御部62のRAM、RWMには、演出制御に関する各種データが記憶される。
サブ制御部62は、第1制御部61Aから送信された信号に基づいて、演出に関する制御を行う。すなわち、サブ制御部62は、演出制御部620(出力部に相当)として機能する。
なお、第1制御部61Aとサブ制御部62との間の通信方法、および、第2制御部61Bとサブ制御部62との間での通信方法は、ともに非同期シリアル通信である。
<サブ制御部62の機能の説明>
以下では、サブ制御部62の機能としての演出制御部620について説明する。
<演出制御部620>
演出制御部620は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像(以下では、「遊技演出」という)を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音およびBGMなどをスピーカ101から出力させる。例えば、演出制御部620は、ATに当せんした場合に、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、その演出パターンに従って液晶画面3の表示制御、スピーカ101の音声出力制御、および電飾部102の発光制御を行う。
また、演出制御部620は、AT中に、押し順役が当せんしたときの正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ101の少なくとも1つに行わせる。
演出制御部620は、実行されている遊技演出にかかる情報を、サブ制御部620の記憶部に記憶させる。これにより、メダルユニット接続異常E8が発生したときに遊技演出が中断された場合であっても、メダルユニット接続異常E8が解消された以降に、演出制御部620は、サブ制御部620の記憶部の情報を参照して、中断された遊技演出を、例えば中断される直前の状態から再開することができる。
例えば、遊技演出がシーンA、シーンB、シーンCで構成されており、シーンBが出力(報知)されているときにメダル接続異常E8が発生した場合に、メダルユニット接続異常E8が解消されたのちに、演出制御部620は、シーンBから遊技演出を再開することができる。
また、演出制御部620は、図9(a)のようなメダル数制御通信異常E7にかかる表示処理、図9(b)のようなメダルユニット接続異常E8にかかる表示処理、図9(c)のような計数催促表示の表示処理、図9(d)のようなメダル数上限到達E9にかかる表示処理、などを実行することができる。
なお、演出制御部620は、メダル数制御通信異常E7にかかる処理、メダルユニット接続異常E8にかかる処理、メダル数上限到達E9にかかる処理を、次のような優先順位で実行する。すなわち、本実施形態では、メダルユニット接続異常E8にかかる処理、メダル数制御通信異常E7にかかる処理、メダル数上限到達E9にかかる処理、の順に異常状態を処理する優先順位が設定されている(優先順位:メダルユニット接続異常E8にかかる処理>メダル数制御通信異常E7にかかる処理>メダル数上限到達E9にかかる処理)。
そして、演出制御部620は、これらの状態異常のうちの少なくとも2つの状態異常が重複して処理されうる場合に、前述の優先順位の高いものから順に処理を実行する。
具体的には、例えば、メダルユニット接続異常E8にかかる表示処理と、メダル数制御通信異常E7(あるいはメダル数上限到達E9)にかかる表示処理とが同じタイミングで実行されうる場合(これらの状態異常が同時に発生した場合)には、演出制御部620は、メダル数制御通信異常E7(あるいはメダル数上限到達E9)にかかる表示処理を実行することなく、まずメダル数接続異常E8にかかる表示処理を実行する、あるいは、メダル数制御通信異常E7(あるいはメダル数上限到達E9)にかかる表示内容よりも上のほうのレイヤにメダル数接続異常E8にかかる表示内容を設定する。
なお、メダルユニット接続異常E8などの状態異常にかかる処理として、以下では、視覚的な「表示処理」を例に記載しているが、本発明はこれには限られない。例えば、状態異常にかかる処理として、聴覚的な「音声出力処理」が実行されてもよい。
そして、例えば、メダルユニット接続異常E8にかかる音声出力処理が実行される場合には、演出制御部620は、メダル数制御通信異常E7(あるいはメダル数上限到達E9)にかかる出力音量を、メダルユニット接続異常E8にかかる出力音量よりも小さくする(または、メダル数制御通信異常E7などにかかる出力音量をゼロにする)などをすることができる。
以下では、特に視覚的な「表示処理」が例として記載されるが、「表示処理」が「音声出力処理」に置き換えられた場合には、演出制御部620は、音量を調節する、あるいは、優先順位の高い処理にかかる音声を先に出力する、などを行うことにより、優先順位の高い処理を優先的に実行することができる。
以下では、これらの表示処理の表示態様について説明する。演出制御部620は、以下の表示態様のうちからいずれか、または、それらの組み合わせを実行することができる。
・表示態様1
また、第2遊技状態が、一般遊技状態、AT(CZを含む)のときに、演出制御部620は、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示を、遊技演出よりも優先順位を高くして表示する。
この場合には、演出制御部620は、例えば、遊技演出にかかる表示内容よりも上のほうのレイヤに、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示内容を設定することができる。
また、演出制御部620は、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示の文字・画像が、遊技演出にかかる文字・画像よりも目立つように、計数催促表示などを遊技演出にかぶせる、遊技演出にかかる文字・画像の濃淡を薄くする(あるいは、半透明化する、または、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示の文字・画像を濃くするなど)、遊技演出にかかる文字・画像の表示サイズを小さくする、などをすることができる。
・表示態様2
また、第2遊技状態がAT(CZを含む)のときであって、内部抽せんにより押し順役が当せんして正解押し順を報知または示唆するアシスト(以下、「押し順ナビ」という)が表示されるときに、演出制御部620は、液晶画面3における、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9などを表示する表示領域と、押し順ナビが報知される表示領域とを異ならせる、あるいは、これらの表示領域を同じとしつつ、表示させるタイミングを異ならせるなどをすることができる。
なお、演出制御部620は、液晶画面3における、遊技演出の表示領域を、押し順ナビ、計数催促表示、メダル数上限到達E9にかかる表示内容の表示領域と重畳させてもよい。この場合には、演出制御部620は、遊技演出についての液晶画面3における表示領域を押し順ナビなどの表示領域よりも小さくする、遊技演出についての表示領域を表示するレイヤを下のほうのレイヤに設定する、など、遊技演出にかかる処理の優先順位を低くすることができる。
またこの場合において、遊技演出中にキャラクタの会話、名称などの文字が含まれる場合には、演出制御部620は、それらの文字と、例えば押し順ナビの文字とが重複しないように表示する。
また、演出制御部620は、押し順ナビ、計数催促表示、メダル数上限到達E9にかかる表示内容を液晶画面3に同時に表示させる場合であって、これらの表示内容の少なくとも一部が互いに重畳する場合には、押し順ナビの表示内容の優先順位を最も高くすることができる。
演出制御部620が押し順ナビの表示内容の優先順位を最も高くする例としては、例えば、押し順ナビ、計数催促表示、メダル数上限到達E9にかかる表示内容を互いに重複させることなく、押し順ナビの文字を大きくする、押し順ナビの文字の書体を変える、押し順ナビの文字を小さくする代わりに回転リール20の枠を囲う演出を追加する、次に停止されるべき回転リール20を発光させる、など、押し順ナビの表し方を、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示内容の表示前後で変更することが考えられる。
・表示態様3
また、第2遊技状態がATのときに、演出制御部620は、遊技演出として「AT中での獲得枚数1000枚突破!」、ATのエンディング終了までの情報としての「エンディング終了まで残り10G」、「エンディング終了まで残り30枚」など(以下、これらをまとめて「AT演出」という)を表示する際に、AT演出にかかる文字と、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示内容の文字と、が重複しないようにすることができる。
具体的には、演出制御部620は、AT演出にかかる文字が変動している間(例えば、メダルの獲得枚数などがカウントアップされている間)、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示内容を表示しないようにすることができる。これにより、AT演出にかかる文字と、計数催促表示などにかかる文字との混同を防止することができる。
また、AT演出が、エンディング、プレミア演出、連続演出などのように特殊な演出であって、遊技者に特に見せたい演出である場合には、演出制御部620は、計数催促表示などにかかる表示内容を、AT演出にかかる表示内容よりも小さく表示することができる。
また、メダル数上限到達E9にかかる処理が、ATのエンディング処理よりも先に実行される場合には、演出制御部620は、計数催促表示にその旨(例えば、「ATのエンディングよりも先にメダル数上限到達E9が発生するよ」などのメッセージ)を表示することができる。これにより、遊技者にATのエンディングを楽しんでもらうことができる。
・表示態様4
また、第2遊技状態が一般遊技状態あるいはATであるときであってメダル数上限到達E9が発動する前に、演出制御部620は、計数催促表示を表示することに代えて、遊技演出を変更することもできる。具体的には、演出制御部620は、例えば、「クレジットされているメダルの数が多いから、遊技をいったん中断しないといけないかもー」などの文字を、遊技演出にかかるキャラクタのセリフとして、液晶画面3に表示させることができる。
・表示態様5
また、メダル数上限到達E9にかかる処理が実行された以降に、演出制御部620は、設定値を示唆する設定示唆演出を実行することもできる。この設定示唆演出は、例えば、遊技者が設定値の推測がしやすくなるような「設定値は、1か6のどちらかだよ」などの文字とすることができる。
また、演出制御部620は、メダル数上限到達E9にかかる表示処理を実行しているときに設定示唆演出を実行する場合には、設定示唆を液晶画面3に表示させてもよいし、設定示唆をスピーカ101に音声出力させることもできる。
また、演出制御部620は、メダル数上限到達E9が発生したことを契機として、それ以降に設定示唆演出を実行する頻度を高めることもできる。
すなわち、メダル数上限到達E9が発生した後に設定示唆演出が実行される確率は、メダル数上限到達E9が発生する前よりも高くなる。この確率は、あらかじめテーブルにて決定されてもよい。なお、変更された頻度(確率)は、設定値が変更されたとき、リセットボタン5が操作されたとき、RAMがクリアされたときなどにおいて、もとの確率に戻すことができてもよい。
・表示態様6
また、計数催促表示にかかる表示処理と事前通知にかかる表示処理とが同じタイミングで実行されうる場合には、演出制御部620は、計数催促表示にかかる表示処理を事前通知にかかる表示処理よりも高い優先度で実行することができる。この場合には、例えば、演出制御部620は、事前通知にかかる表示内容よりも上のほうのレイヤに計数催促表示を表示させる、あるいは、計数催促表示を先のタイミングで表示させ、それ以降のタイミングで、事前通知にかかる表示内容を表示させることができる。このように計数催促表示が優先されるのは、ユーザ自身の手で計数催促表示を解除することができるためである。
なお、前記とは異なり、計数催促表示にかかる表示処理と事前通知にかかる表示処理とが同じタイミングで実行される場合には、演出制御部620は、事前通知にかかる表示処理を計数催促表示にかかる表示処理よりも高い優先度で実行することもできる。
・表示態様7
また、メダル数上限到達E9にかかる表示処理と事前通知にかかる表示処理とが同じタイミング実行されうる場合には、演出制御部620は、メダル数上限到達E9にかかる表示処理を、事前通知にかかる表示処理よりも高い優先度で実行することができる。この場合には、例えば、演出制御部620は、メダル数上限到達E9にかかる表示内容を、事前通知にかかる表示内容よりも上のほうのレイヤに表示する、あるいは、メダル数上限到達E9にかかる表示内容を先のタイミングで表示させ、それ以降のタイミングで、事前通知にかかる表示内容を表示させる。
・表示態様8
また、演出制御部620は、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示に加えて、例えば、ATの終了時などのリザルト演出において、のめり込み防止表示(のめり込み防止警告の一例)と、精算忘れ防止表示(精算忘れ防止警告の一例)とを、液晶画面3にて提供することが可能である。
のめり込み防止警告とは、遊技にのめり込みすぎないようにすることを操作者に促すための警告である。のめり込み防止警告は、例えば、「パチスロは適度に楽しむ遊びです」あるいは「のめり込みに注意しましょう」などの文字、画像、音声である。
精算忘れ防止警告とは、遊技を終了させるにあたってクレジットされているメダルデータのすべてをメダルユニット7へ転送する操作が必要な場合に、計数ボタン44への操作を忘れないようにすることを操作者に促すための警告、および、カード70を抜くことを忘れないようにすることを操作者に促すための警告である。精算忘れ防止警告は、例えば、「メダル精算忘れにはご注意ください。」、「メダル精算忘れおよびカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。」などの文字、画像、音声である。
そして、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示処理は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示にかかる表示処理よりも優先順位を低くすることができる。具体的には、演出制御部620は、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示内容を、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示にかかる表示内容を表示するレイヤよりも下のほうのレイヤに設定することができる。
また、演出制御部620は、計数催促表示あるいはメダル数上限到達E9にかかる表示内容、のめり込み防止表示、および、精算忘れ防止表示を、液晶画面3の同一箇所に表示する場合には、のめり込み防止表示、精算忘れ防止表示の順に表示し、それらを削除した以降のタイミングで、計数催促表示などを表示することもできる。このように制御される理由は、これらの表示が重複して表示されることにより遊技者にメッセージが伝わりにくくなることを回避するためである。
また、演出制御部620は、計数催促表示あるいはメダル数上限到達E9にかかる表示内容、のめり込み防止表示、および、精算忘れ防止表示、を液晶画面3の異なる箇所に表示することもできる。
このように、演出制御部620は、のめり込み防止表示、および、精算忘れ防止表示を、計数催促表示およびメダル数到達上限E9にかかる表示内容と重複することがないように、操作者に認識させやすい態様で表示することができる。
<スロットマシン1の基本的な動作処理の流れ>
図10を用いて、スロットマシン1の基本的な動作処理の流れを説明する。
スロットマシン1の電源がオンにされており、かつ、設定値が変更された状態で、機能作動部619が、スロットマシン1が遊技可能な状態か否か(コンプリート機能作動中か否か)を判定する(ステップS101)。
スロットマシン1が遊技可能な状態ではない場合(S101:NO)には、処理は、後述のステップS115へ進む。
一方、スロットマシン1が遊技可能な状態である場合(S101:YES)には、メダルユニット7からメダルデータが送信されていることを条件として、スロットマシン1の第1制御部61Aが、クレジットされているメダルの数量をデジタルカウンタ43に表示させ、操作者によるベットスイッチ41、レバー42などの操作を受けつける。これにより、スロットマシン1が遊技開始状態となる(ステップS102)。
ついで、媒体管理部613が、レンジ(MY)の計数を開始する(ステップS103)。その後、媒体管理部613は、通常区間および有利区間にかかわらず、毎遊技、レンジ(MY)を計数する。
ついで、区間制御部615が、通常区間にて遊技を進行させる(ステップS104)。
ついで、遊技状態制御部616が、一般遊技状態にて遊技を進行させる(ステップS105)。
ついで、区間制御部615が、遊技区間が有利区間であるか否か(区間移行抽せんに当せんしたか否か、有利区間の状態が維持されるか否か、を含む)を判定する(ステップS106)。
遊技区間が有利区間ではない場合(S106:NO)には、処理はステップS104へ戻る。
一方、遊技区間が有利区間である場合(S106:YES)には、媒体管理部613が、有利区間差枚数を計数(有利区間に移行したゲームにおいては、有利区間差枚数の計数を開始)する(ステップS107)。これ以降、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である間(一般遊技状態およびATいずれにおいても)、有利区間差枚数の計数を継続する。
ついで、遊技状態制御部616が、第2遊技状態をATへ移行させるか否かを判定する(ステップS108)。
第2遊技状態がATへ移行しない場合(S108:NO)には、処理はステップS105へ戻る。
一方、第2遊技状態がATへ移行する場合(S108:YES)には、遊技状態制御部616が、ATで遊技を進行させる(ステップS109)。
ついで、機能作動部619が、コンプリート機能を作動させるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、機能作動部619は、レンジ(MY)が19000以上となったか否かを判定する。
コンプリート機能が作動する場合(S110:YES)には、処理は、後述のステップS113へ移行する。
一方、コンプリート機能が作動しない場合(S110:NO)には、区間制御部615が、有利区間差枚数が+2400枚以上となったか否かを判定する(ステップS111)。
有利区間差枚数が+2400枚以上となった場合(S111:YES)には、区間制御部615は、遊技区間を通常区間へ移行させ、遊技状態制御部617は、ATを終了させ、かつ、媒体管理部613は、有利区間差枚数をゼロ(0)に初期化し、その後、処理はステップS104へ戻る。
一方、有利区間差枚数が+2400枚以上でない場合(S111:NO)には、遊技状態制御部616が、ATを終了させるか否かを判定する(ステップS112)。
ATが終了する場合(S112:YES)には、処理はステップS105へ戻る。
一方、ATが終了しない場合(S112:NO)には、処理は、ステップS109へ戻る。
ステップS110に戻って、コンプリート機能が作動した場合(S110:YES)には、機能作動部619が、操作者がスロットマシン1で遊技を進行することができないように制御する(ステップS113)。
ついで、計数ボタン44が押下されたことに応じて、媒体管理部613およびメダルユニット7が必要な情報を送受信することで、転送処理を実行する(ステップS114)。
ついで、店舗スタッフの電断操作に応じて、スロットマシン1の電源がオフとされた(ステップS115)ことに応じて、媒体管理部613がレンジ(MY)を0(ゼロ)に初期化するとともに、機能作動部619がコンプリート機能を解除する(ステップS116)。なお、スロットマシン1が電断復帰のみされた場合には、レンジ(MY)が初期化されるとともにコンプリート機能は解除されるが、有利区間および有利区間差枚数は引き継がれる。
ついで、店舗スタッフの電断復帰操作に応じて、スロットマシン1の電源がオンとなる(ステップS117)。その後、処理は、ステップS102へ戻る。
以上が、スロットマシン1の基本的な動作処理の流れとなる。
<貸出処理および転送処理>
つぎに、図11を用いて、貸出処理および転送処理の流れを詳細に説明する。
まず、メダルユニット7が、操作者による紙幣(例えば、1000円)の投入を受けつける(ステップS201)。このとき、メダルユニット7は、投入信号を生成し、それをスロットマシン1に送信する。
ついで、メダルユニット7が、貸出ボタン71が押下されたことに応じて、スロットマシン1(媒体管理部613)に、貸出信号、および、50枚分のメダルデータを送信する(ステップS202)。
ついで、媒体管理部613が、スロットマシン1にクレジットされているメダルの数量をデジタルカウンタ43に表示させ、操作者によるベットスイッチ41、レバー42などの操作を受けつける。これにより、スロットマシン1が遊技開始状態となる(ステップS203)。
つぎに、クレジットされているメダルが2枚以下でない場合(S204:NO)には、計数ボタン44が押下されたこと(転送信号が生成されたこと)に基づいて(ステップS205)、メダルユニット7は、転送信号、および、スロットマシン1にクレジットされていたメダルデータ(例えば、105枚分のメダルデータ)を受信する(ステップS206)。
ついで、メダルユニット7が、スロットマシン1にクレジットされていたメダルデータを、カード70に記録する(ステップS207)。
ついで、メダルユニット7が、排出ボタン72が押下されたことに応じて、カード70をメダルユニット7から排出する(ステップS208)。
ステップS204に戻って、クレジットされているメダルが2枚以下である場合(S204:YES)であって、かつ、操作者が遊技を継続する場合(S209:YES)には、処理はステップS201へ戻る。
一方、操作者が遊技を継続しない場合(S209:NO)には、計数ボタン44が押下された(ステップS205)ことに応じて、処理は、ステップS206へ移行する。
以上が、貸出処理および転送処理の流れである。
<発生優先処理>
つぎに、図12を用いて、発生優先処理の流れを詳細に説明する。なお、ここでは、各接続異常の発生の優先順にかかる処理を主に説明し、各接続異常の検知方法、および、それに付随する処理などについては後述のフローを用いて詳細に説明する。
まず、第1制御部61Aが、例えばタイマ割込み待ち中に、接続確認用電源VLが一定期間オフになっているか否かを判定する(ステップS301)。
接続確認用電源VLが一定期間オフになっていないと判定された場合(S301:NO)には、第1制御部61Aは、メダルユニット接続異常E8が発生していないと判定する(ステップS304)。
接続確認用電源VLが一定期間オフになっていると判定された場合(S301:YES)には、第1制御部61Aは、メダルユニット接続異常E8が発生していると判定する(ステップS302)。
ついで、第1制御部61Aは、接続確認用電源VLがオフからオンになった状態で、リセットボタン5が押下されたか否かを判定する(ステップS303)。
接続確認用電源VLがオフのまま、または、接続確認用電源VLがオフからオンになったがリセットボタン5が押下されていない場合(S303:NO)には、リセットボタン5が押下されるまで、ステップS303の処理が繰り返される。
一方、接続確認用電源VLがオンになった状態でリセットボタン5が押下された場合(S303:YES)には、第1制御部61Aは、メダルユニット接続異常E8を解除する(ステップS304)。
第1制御部61Aは、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間で通信状態が確立されているか否かを判定する(ステップS305)。
通信状態が確立されていると判定された場合(S305:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数制御通信異常E7が発生していないと判定する(ステップS308)。
一方、通信状態が確立されていないと判定された場合(S305:NO)には、第1制御部61Aは、メダル数制御通信異常E7が発生していると判定する(ステップS306)。
ついで、第1制御部61Aは、リセットボタン5が押下されたか否かを判定する(ステップS307)。
リセットボタン5が押下されていないと判定された場合(S307:NO)には、処理はステップS306へ戻る。
一方、リセットボタン5が押下されたと判定された場合(S307:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数制御通信異常E7を解除する(ステップS308)。
メダルユニット接続異常E8およびメダル数制御通信異常E7のいずれも発生していない場合には、第1制御部61Aは、第2制御部61Bからメダルデータを受信して、その情報を第1制御部61Aの記憶部に記憶させる(ステップS309)。
ついで、第1制御部61Aは、クレジットされているメダルが17000枚以上であるか否かを判定する(ステップS310)。
クレジットされているメダルが17000枚未満であると判定された場合(S310:NO)には、第1制御部61Aは、メダル数上限到達E9が発生していないと判定する(ステップS313)。
一方、クレジットされているメダルが17000枚以上であると判定された場合(S310:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数上限到達E9が発生したと判定する(ステップS311)。
ついで、第1制御部61Aは、計数ボタン44が押下されたか否かを判定する(ステップS312)。
計数ボタン44が押下されていないと判定された場合(S312:NO)には、処理はステップS311へ戻る。
一方、計数ボタン44が押下されたと判定された場合(S312:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数上限到達E9が解除されたと判定する(ステップS313)。その後、発生優先処理は終了される。
以上が、発生優先処理の流れである。
<メダル数上限到達処理>
つぎに、図13を用いて、メダル数上限到達処理の流れを詳細に説明する。
クレジットされているメダルが17000枚未満である場合(メダル管理状態が未達状態である場合)に、サブ制御部62に配置された演出制御部620は、メダル管理状態が未達状態であることを示唆する(ステップS401)。メダル管理状態が未達状態であることを示唆する情報として、演出制御部620は、例えば、液晶画面3に「まだ転送処理は不要です」のメッセージを表示させる。
また、第1制御部61Aは、遊技進行を可能(例えば、レバー42への操作を受けつけることが可能な状態、ストップスイッチ40の押下を受けつけることが可能な状態、ベットスイッチ41への操作を受けつけることが可能な状態、ベットスイッチ41などのLEDを点灯させることが可能な状態)にする(ステップS402)。
ついで、第1制御部61Aは、第2制御部61Bからのメダルデータに基づいて、クレジットされているメダルが15000枚以上であるか否かを判定する(ステップS403)。
クレジットされているメダルが15000枚未満であると判定された場合(S403:NO)には、処理はステップS401へ戻る。
一方、クレジットされているメダルが15000枚以上であると判定された場合(S403:YES)には、第1制御部61Aは、計数催促表示にかかる処理を実行する(ステップS404)。
具体的には、第1制御部61Aが生成した計数コマンド「1」を受信した演出制御部620が、液晶画面3に「計数を行ってください」とのメッセージを表示させる。この際に、演出制御部62は、遊技演出などよりも高い優先度で計数催促表示を表示させる。また、計数催促表示が表示されている間、演出制御部620は、アトラクト画面などの表示を行わない。
ついで、第1制御部61Aは、計数ボタン44が押下されたか否かを判定する(ステップS405)。
計数ボタン44が押下された場合(S405:YES)には、第1制御部61Aは、計数催促表示を解除する(ステップS412)。その後、メダル数上限到達処理は終了される。
一方、計数ボタン44が押下されない場合(S405:NO)には、計数催促表示が表示されたまま(遊技実行中に一時的に計数催促表示が消去される場合を含む)、第1制御部61Aは、クレジットされているメダルが17000枚以上となった(メダル管理状態が到達状態となった)か否かを判定する(ステップS406)。
クレジットされているメダルが17000枚未満であると判定された場合(S406:NO)には、処理はステップS405へ戻る。
一方、クレジットされているメダルが17000枚以上であると判定された場合(S406:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数上限到達E9が発生したと判定する(ステップS407)。
ついで、第1制御部61Aは、遊技進行を不可(例えば、レバー42への操作を受けつけない、ストップスイッチ40の押下を受けつけない、ベットスイッチ41への操作を受けつけない、ベットスイッチ41などのLEDを消灯する)にする(ステップS408)。すなわち、本実施形態において、メダル管理状態が到達状態である場合は、未達状態である場合よりも実行されうる処理の内容が制限される。
ついで、第1制御部61Aは、計数ボタン44が押下されたか否かを判定する(ステップS409)。
計数ボタン44が押下されない場合(S409:NO)には、処理はステップS407へ戻る。
計数ボタン44が押下された場合(S409:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数上限到達E9を解除する(ステップS410)。
ついで、第1制御部61Aは、遊技進行を可能にする(ステップS411)。その後、メダル数上限到達処理は終了される。
以上が、メダル数上限到達処理の流れである。
<メダル数制御通信異常処理>
つぎに、図14を用いて、メダル数制御通信異常処理の流れを詳細に説明する。
まず、第1制御部61Aが、第2制御部61Bに対して通信接続確認コマンドを送信する(ステップS501)。そして、第1制御部61Aは、第2制御部61Bからの応答を待つ。
第2制御部61Bから応答があった(通信状態が確立されている)場合(S502:YES)には、第1制御部61Aは、遊技進行を可能にする(ステップS508)。その後、メダル数制御通信異常処理は終了される。
一方、第2制御部61Bから応答がなかった(通信状態が確立されていない)場合(S502:NO)には、第1制御部61Aは、その状態で所定時間(待ち時間。例えば、380m秒)経過したか否かを判定する(ステップS503)。
第2制御部61Bからの応答はないが所定時間(待ち時間)が経過していない場合(S503:NO)には、処理はステップS502へ戻る。
第2制御部61Bからの応答がないまま所定時間が経過した場合(S503:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数制御通信異常E7が発生したと判定する(ステップS504)。
ついで、第1制御部61Aは、遊技進行を不可にする(ステップS505)。
ついで、第1制御部61Aは、リセットボタン5が押下されたか否かを判定する(ステップS506)。
ステップS506は、リセットボタン5が押下されるまで繰り返される。
リセットボタン5が押下された場合(S506:YES)には、第1制御部61Aは、メダル数制御通信異常E7を解除する(ステップS507)。
ついで、第1制御部61Aは、遊技進行を可能にする(ステップS508)。その後、メダル数制御通信異常処理は終了される。
以上が、メダル数制御通信異常処理の流れである。
<コマンド応答処理>
つぎに、図15を用いて、コマンド応答処理の流れを詳細に説明する。
まず、第1制御部61Aが、第2制御部61Bに対して遊技ステータスを送信する(ステップS601)。これにより、第1制御部61Aおよび第2制御部61Bの双方にて、共通の遊技ステータスが、個別に管理される。
ついで、第1制御部61Aが、第2制御部61Bに対して要求コマンドを送信する(ステップS602)。
ついで、第2制御部61Bが、受信した要求コマンドに対して応答が必要か否かを判定する(ステップS603)。
要求コマンドに対して応答が不要である場合(S603:NO)には、要求コマンドは放置され、その後、コマンド応答処理は終了される。
一方、要求コマンドに対して応答が必要である場合(S603:YES)には、第2制御部61Bは、自身が管理する現在の遊技ステータスを参照して、要求コマンドが送信されたタイミングが適切であるか否かを判定する(ステップS604)。
要求コマンドが送信されたタイミングが適切ではない場合(S604:NO)には、第2制御部61Bは、要求コマンドを破棄するとともにエラー報知を行う(ステップS607)。また、第1制御部61Aは、ステップS602からの応答待ちをしているものの(割込み255)、その間に応答がないため、第2制御部61Bとの間における通信に問題が発生したと判断してエラー報知を行う。その後、コマンド応答処理は終了される。
一方、要求コマンドが送信されたタイミングが適切である場合(S604:YES)には、第2制御部61Bは、当該要求コマンドに対して応答する。第1制御部61Aは、第2制御部61Bから応答コマンド「可」が送信されたか否かを判定する(ステップS605)。
第2制御部61Bから応答コマンド「可」が送信された場合(S605:YES)には、第1制御部61Aは応答コマンドを受信して正常な処理(応答コマンドに対応する処理)を実行し、その後、コマンド応答処理は終了される。
一方、第2制御部61Bから応答コマンド「可」が送信されなかった(ないしは、応答コマンド「不可」が送信された)場合(S605:NO)には、第1制御部61Aはエラー報知を行う(ステップS606)。その後、コマンド応答処理は終了される。
以上が、コマンド応答処理の流れである。
<メダルユニット接続異常処理>
つぎに、図16を用いて、メダルユニット接続異常処理の流れを詳細に説明する。
まず、スロットマシン1とメダルユニット7との間の接続確認用電源VLがオンとなっている状態で、サブ制御部62の機能である演出制御部620が、液晶画面3およびスピーカ101などに遊技演出を出力させるとともに、サブ制御部62の記憶部に出力中の遊技演出の情報を記憶させる(ステップS601)。
それ以降のタイミングで、第1制御部61Aが、メダルユニット7との間の接続確認用電源VLがオフになっているか否かを判定する(ステップS702)。なお、この判定は、回転リール20が回転していないときに実行される。
接続確認用電源VLがオンになっている(オフになっていない)場合(S702:NO)には、遊技は正常な状態でそのまま続行され、メダルユニット接続異常処理は終了される。つまりこの場合には、メダルユニット接続異常処理E8が発生していないと判定される。
一方、接続確認用電源VLがオフになっている場合(S702:YES)には、第1制御部61Aは、その状態で一定期間が経過したか否かを判定する(ステップS703)。
ステップS703は、一定期間が経過するまで繰り返される。
接続確認用電源VLがオフになっている状態で一定期間が経過した場合(S703:YES)には、第1制御部61Aは、メダルユニット接続異常E8が発生したと判定する(ステップS704)。
ついで、第1制御部61Aは、遊技進行を不可にする(ステップS705)。
また、サブ制御部62(演出制御部620)は、出力中の遊技演出を中断させる(ステップS706)。
ついで、第1制御部61Aが、接続確認用電源VLがオンとなった以降にリセットボタン5が押下されたか否かを判定する(S707)。
ステップS707は、リセットボタン5が押下されるまで繰り返される。
リセットボタン5が押下された場合(S707:YES)には、第1制御部61Aは、メダルユニット接続異常E8を解除する(ステップS708)。
ついで、第1制御部61Aは、遊技進行を可能にする(ステップS709)。
ついで、サブ制御部62(演出制御部620)は、第2制御部61Bの記憶部を参照して、メダルユニット接続異常E8が発生する前に出力されていた遊技演出の情報に基づいて、中断されていた遊技演出の出力を再開させる(ステップS710)。その後、遊技は正常な状態で続行され、メダルユニット接続異常処理は、終了される。
以上が、メダルユニット接続異常処理の流れである。
<第1発明>
以上をまとめると、本発明のスロットマシン1は、
スロットマシン1での遊技の進行を制御することが可能な遊技状態制御部616、区間制御部615などと、
スロットマシン1と接続されたメダルユニット7からメダルデータを受信することが可能であり、かつ、遊技が進行することで変動するメダルを管理することが可能な媒体管理部613と、
所定操作に基づいて、メダルデータを媒体管理部613からメダルユニット7へ転送することを指示することが可能な計数ボタン44と、
遊技の進行に伴って実行される遊技演出を含む、遊技に関する遊技情報、を出力することが可能な演出制御部620と、
を備え、
媒体管理部613が管理することのできるメダルの量の上限値が定められており、
メダルの管理に関する状態には、媒体管理部613が管理するメダルの量が上限値に到達するまでの未達状態と、媒体管理部613が管理するメダルの量が上限値に到達した以降であって計数ボタン44に対して所定操作がなされるまで維持される到達状態と、が含まれ、
未達状態と到達状態とでは、実行されうる処理内容が異なる。
<発明の効果>
本実施形態のスロットマシン1のようなメダルレス機では、その内部(媒体管理部613)でメダルデータが管理されており、デジタルカウンタ43にその枚数が表示されるようになっている。ここで、デジタルカウンタ43で表示される枚数が多くなると、操作者がメダルの枚数を把握しにくくなってしまうおそれがある。
具体的には、デジタルカウンタ43の表示上限が4桁(「9999」)であって、表示上限を超えるメダルがクレジットされている場合には、操作者はその数を把握することができない。そのため、メダルレス機では、操作者に適度に計数ボタン44を押下させて、転送処理を実行させることが好ましいと考えられる。
本実施形態のスロットマシン1では、メダル管理状態として、メダルの量が上限値に到達していない未達状態と、メダルの量が上限値に到達している到達状態と、が設けられており、未達状態と到達状態とでは、実行されうる処理内容等が異なる。そのため、操作者は、現在が未達状態であるのか、到達状態であるのか、を容易に把握することができる。これにより、操作者に適切に転送処理を促すことができる。
<第2発明>
また、本発明のスロットマシン1において、
演出制御部620は、
媒体管理部613が管理するメダルの量が上限値に到達するまでに、メダルデータをメダルユニット7へ転送するように促すための報知処理である計数催促表示を実行することが可能であり、かつ、
計数催促表示を、遊技の進行に伴って実行される遊技演出を出力する遊技演出処理よりも高い優先度で実行することが可能である。
<発明の効果>
前述のとおり、メダルレス機では、到達状態となる前に、適度にメダルデータをメダルユニット7へ転送するよう操作者に促す必要があると考えられる。
本実施形態のスロットマシン1によれば、メダル管理状態が未達状態のときに演出制御部620が計数催促表示を実行するため、遊技者に適切なタイミングで計数ボタン44を押下するよう促すことができる。
特に、演出制御部620は、計数催促表示を、遊技演出処理よりも高い優先度で実行することが可能である。そのため、操作者は、遊技実行中であっても、遊技演出に埋もれることなく計数催促表示を確認することができる。これにより、操作者に適切に転送処理を促すことができる。
<第3発明>
また、本発明のスロットマシン1は、
メダルユニット7とスロットマシン1との間での接続異常の発生を検知することが可能な検知部618をさらに備え、
演出制御部620は、例えば押し順ナビ(例えば、2番めに押すべきストップスイッチ40の報知)を出力しているときに、メダルユニット接続異常E8の発生が検知された場合には、その押し順ナビの出力を中断し、メダルユニット接続異常E8が解消された以降に、続き(2番めに押すべきストップスイッチ40の報知)から押し順ナビを出力することが可能である。
<発明の効果>
メダルレス機は、操作者の指示による転送処理を実行するために、メダルユニット7との間での接続状態が常に確立されている必要があると考えられる。しかしながら、なんらかの理由によって、スロットマシン1とメダルユニット7との間で通信接続エラーが発生することもありうる。この場合には、スロットマシン1は遊技進行不可状態となり、遊技演出が中断されると想定される。
本実施形態のスロットマシン1によれば、メダルユニット接続異常E8が発生することによって遊技演出などが中断されても、メダルユニット接続異常E8が解除された以降に、遊技演出を再開することができる。そのため、メダルユニット接続異常E8が発生した後であっても、遊技者が遊技への没入感を損なうことを抑制しつつ、遊技者を自然な状態で遊技へ誘導することができる。
<第4発明>
また、本発明のスロットマシン1は、
スロットマシン1での遊技に関する要求コマンドを生成することが可能な第1制御部61Aと、
第1制御部61Aから送信された要求コマンドを受信することが可能な第2制御部61Bと、
を少なくとも備え、
第1制御部61Aは、少なくとも、
遊技状態制御部616、
を備え、
第2制御部61Bは、少なくとも、
媒体管理部613、
を備え、
第2制御部61Bは、遊技状態制御部616などの制御に基づく現在の遊技ステータスに応じて、受信した要求コマンドに対して応答するか否かを決定する応答可否決定処理が可能である。
<発明の効果>
特に本実施形態のようにメイン制御部が2チップで構成されているメダルレス機では、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間で、頻繁にデータの送受信がなされると考えられる。
しかしながら、第2制御部61Bが第1制御部61Aから送信される要求データにすべて応答するとした場合には、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間で送受信されるデータが多くなり、これらの制御部の処理負荷が大きくなってしまうおそれがある。また、第1制御部61Aが適切ではないタイミングで要求データを送信することもありうるし、第2制御部61Bが応答する必要のない要求コマンドが送信されることもありうる。さらには、第1制御部61Aになんらかの不正な処理(例えば、いわゆるゴト行為)がなされることもありうる。
本実施形態のスロットマシン1では、これらの点を考慮して、第2制御部61Bが管理する現在の遊技ステータスに応じて、要求コマンドに応答するか否かを第2制御部61Bが決定することが可能である。そのため、第2制御部61Bは、自身が管理している遊技ステータスによっては要求コマンドに応答する必要がなくなり、その要求コマンドを放置あるいは破棄することもできる。これにより、第1制御部61Aと第2制御部61Bとの間で送受信されるデータ量を削減することができるとともに、処理が複雑になることを防止することができるとともに第1制御部61Aの処理負荷が過大になることを抑制することができる。
以上により、本実施形態によれば、メダルレス機特有の構成および内部処理に基づく問題点を解決することのできる遊技機を提供することができる。
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更することができる。また、各実施形態において説明した各種制御手段および処理手順、処理内容は、単体で構成したり、適宜組み合わせたりすることも可能である。
また、本明細書にて使用される各種定義は、実施例ごとに特段の断りがなされない限り、明細書全体で共通に使用されるものである。
前記実施形態では、メイン制御部が第1制御部および第2制御部の2チップで構成される例が記載されているが、第4発明を除き、本発明はこれには限られない。すなわち、メイン制御部が、第1制御部と第2制御部とに分かれておらず、1チップで構成されていてもよい。
また、前記実施形態では、メダル数上限到達E9などの異常状態が発生しているか否かの判定は、第1制御部が行っている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、第2制御部がこれらの異常状態の判定を行ってもよく、第1制御部、第2制御部、および、サブ制御部、とは異なる第3制御部(あるいは、メダルユニット7などの外部装置)がこれらの異常状態の判定を行ってもよい。
なお、本明細書において、「処理Aが、処理Bよりも高い優先度で実行される」とは、例えば、処理Aが実行されるタイミングと処理Bが実行されるタイミングとが同じタイミング(または、少なくとも一部が重複するタイミング)である場合に、
(1)処理Aは実行されるが、処理Bはキャンセルされて実行されない
(2)処理Bが実行されているタイミングで処理Aの実行が決まった場合には、処理Bがキャンセル(あるいは中断)されて、処理Aが実行される
(3)処理Aで表示される画像が、処理Bで表示される画像よりも上のほうのレイヤに表示される
(4)処理Aで表示される画像(あるいは表示領域)が、処理Bで表示される画像(あるいは表示領域)よりも大きい、あるいは、色が濃い(目立ちやすい、認識されやすい)
(5)処理Aで出力される音声が、処理Bで出力される音声よりも大きい(あるいは、処理Bにかかる音量がゼロとなる)
(6)処理Bが待機状態となり、処理Aが終了した以降に、処理Bが実行される
などを意味する。
また、前記実施形態では、メダル管理状態(未達状態および到達状態)を第2制御部の媒体管理部が管理する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、媒体管理部とは別の機能/手段(例えば、第1制御部の検知部)によってメダル管理状態が管理されてもよい。
前記施形態では、計数ボタンは、スロットマシンのうち操作者に視認可能な位置(操作者が前面扉100を開錠することなく手に触れられる位置)に配置されている例が記載されているが、「視認可能な位置」としては以下の態様も考えられうる。
例えば、計数ボタンが、スロットマシンの筐体の凹部に配置されており、その凹部に例えば透明なカバーが被せられているような場合である。この場合には、操作者は、そのカバーを開け、その奥にある計数ボタンを押下することができる。また、例えば、計数ボタンは、スロットマシンとは別に設けられた装置に設置されていてもよい。
前記実施形態では、第2制御部が、第1制御部から送信された要求コマンドに応答しないことを決定した場合に、エラー情報を第1制御部へ送信しない例が記載されているが、本発明はこれには限られない。すなわち、第2制御部は、エラー情報を第1制御部へ送信することもできてもよい。この場合には、第1制御部は、いわゆるゴト行為(不正行為)対策用の処理(例えば、店舗スタッフによる操作でしか解除されない、スロットマシンの遊技不可処理)をすばやく実行することが可能となる。
また、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9が発生している間、第1制御部および第2制御部は、7セグメントディスプレイに計数催促表示などが発生していることを示す情報を表示させることもできるし、表示させないようにすることもできる。
前記実施形態では、媒体管理部がメダルの差枚数、有利区間差枚数などを算出する例が記載されているが、メダルの差枚数などは、例えば区間制御部など、他の制御部が算出してもよい。
前記実施形態では、メダル管理状態が未達状態であることが示唆される例が記載されているが、メダル管理状態が未達状態であることは示唆/報知されなくてもよい。
なお、前記実施形態に限られず、スロットマシンが7セグメントディスプレイを備える一方で、液晶画面を備えない場合もありうる。その場合には、演出制御部は、例えば、以下のように処理を実行することができてもよい。
・処理1
第2遊技状態が一般遊技状態であるときであって、クレジット数が15000枚に到達したとき、演出制御部は、7セグメントディスプレイに計数催促表示を表示させることができてもよい。
・処理2
第1遊技状態が特別役実施状態であるときであって、特別役実施状態が終了するまでの残りメダル枚数が7セグメントディスプレイに表示されている場合には、演出制御部は、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9にかかる表示内容を表示させるにあたって、これらを7セグメントディスプレイの異なる箇所に表示させることができてもよい。
また、演出制御部は、メダル数上限到達E9の発生が確定している状態での特別役実施状態において、そのときに出力する楽曲を通常の特別役実施状態とは異なる楽曲とする、LEDの点灯の仕方を通常の特別役実施状態とは異ならせる、などとすることもできる。
また、演出制御部は、計数催促表示を表示させるのにあわせて、メダル数上限到達E9が発動するまでの残りメダル枚数を7セグメントディスプレイに表示させることもできる。
特に、特別役実施状態の終了直後にメダル数上限到達E9が発生する場合には、演出制御部は、特別役実施状態の終了までの残りメダル枚数と、メダル数上限到達E9が発動するまでの残りメダル枚数とを、7セグメントディスプレイの異なる位置に表示させることもできる。
なお、第1制御部は、特別役実施状態の終了まではメダル数上限到達E9の発動を実行させないようにすることもできる。この場合には、特別役実施状態が終了するまで、第1制御部は、遊技進行不可状態としない。
・処理3
第2遊技状態がATであるときには、演出制御部は、ATの実行中に獲得可能な残りメダル枚数(および/またはATの実行中の獲得枚数。以下、同じ)と、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9と、押し順ナビと、を7セグメントディスプレイに表示させることができてもよい。
この場合には、演出制御部は、獲得可能な残りメダル枚数と、押し順ナビと、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9とを、7セグメントディスプレイの異なる箇所に同一タイミングで表示させることができてもよい。
または、この場合において、演出制御部は、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9、獲得可能な残りメダル枚数、のうちの少なくとも2つを、タイミングをずらして、7セグメントディスプレイの同一箇所に表示させることができてもよい。この場合には、押し順ナビは、獲得可能な残りメダル枚数などとは異なる箇所に表示される。
または、この場合において、演出制御部は、押し順ナビ、計数催促表示および/またはメダル数上限到達E9、獲得可能な残りメダル枚数、のすべてを、それぞれ異なるタイミングで、7セグメントディスプレイの同一箇所(あるいは異なる箇所)に表示させることができてもよい。
また、前記実施形態に限られず、演出制御部は、遊技演出を出力しているときにメダルユニット接続異常E8が発生した場合には、その遊技演出を中断し、以下のように再開処理を実行することができてもよい。
・再開処理1
演出制御部は、メダルユニット接続異常E8が解消された場合に、メダルユニット接続異常E8が発生する直前に出力されていた遊技演出を、その遊技演出についての所定タイミング以降から、出力することができてもよい。この場合には、例えば、遊技演出に複数のポイントが設けられており、メダルユニット接続異常E8が解消された場合に、演出制御部は、メダルユニット接続異常E8が発生したときに直近で出力されたポイントまで戻って、そのポイントから遊技演出を再開することができる。この場合には、遊技演出の連続性を維持して、遊技者を自然な状態で遊技に誘導することができる。
・再開処理2
演出制御部は、メダルユニット接続異常E8が解消された場合に、メダルユニット接続異常E8が発生する直前に出力されていた遊技演出を最初から(前記実施形態の例では、シーンAから)出力することができてもよい。この場合には、いったん途切れた遊技演出が最初から表示されるため、遊技者に遊技への没入感を与えることができる。
・再開処理3
演出制御部は、メダルユニット接続異常E8が解消された場合に、アトラクト画面を出力することができてもよい。この場合には、操作者は遊技進行にかかわる操作をすることで自然に遊技に戻ることができる。
また、前記実施形態においては、スロットマシンがメダルレス機である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。スロットマシンは、現実物品であるメダルが遊技に使用されうるように、例えば、メダル投入口、ホッパーユニット、メダル払い出し口、下皿などを備えていてもよい。
前記実施形態に限られず、メダルのベット数は、デジタル表記に代えて、LEDによる表示がなされてもよい。
また、スロットマシンは、所定のタイミング(例えば、5ゲームごと、10分ごと)で、その時点でスロットマシンにクレジットされているメダルデータをメダルユニットに送信すること(メダルユニットを介してホールコンピュータ、ユニット管理コンピュータなどにメダルデータが送信されることを含む)ができてもよい。
この場合において、メダルユニット(および/または、ホールコンピュータ、ユニット管理コンピュータ。以下、同じ)は、送信されたデータを記録し、最終的に計数ボタンが押下されたときに転送信号とともに送信されるメダルデータと比較して、メダルデータが不正な情報となっていないかを確認することもできる。
さらには、メダルユニットは、所定のタイミングで受信するメダルデータが、スロットマシンでの遊技進行(AT中か否か、ボーナス中か否か、通常区間か否かなど)に基づいて、不正な情報となっていないかを確認することもできてもよい。具体的には、スロットマシンのスペックとしてAT中の1ゲームの純増枚数が2枚であるにもかかわらず、100ゲームで1000枚増えている場合などに、メダルユニットは、メダルデータが不正な状態であることを検知することができる。
なお、ユニット管理コンピュータで管理されるメダルデータは、さらに遊技情報コンピュータに集約され、すべてのスロットマシンのメダルデータを管理することができてもよい。
また、前記実施形態において、操作者は、遊技中の任意のタイミングで休憩をすることができる。この場合において、店舗スタッフは、他のユーザが操作することができないよう、スロットマシンおよび/またはメダルユニットをロックすることができてもよい。
また、前記実施形態においてボーナスは、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。ボーナスは、第一種特別役物、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置、第二種特別役物、または第二種特別役物にかかる役物連続作動装置の少なくともいずれか1つであればよい。
また、前記実施形態では、スロットマシンがAT機である例が記載されているが、スロットマシンはART(アシストリプレイタイム)機であってもよく、また、AT、ARTなどを実行しないボーナスのみのスロットマシン、あるいは、ボーナスおよびAT(またはART)の双方を実行しうるスロットマシンであってもよい。
また、遊技区間の種類を表す信号が区間制御部からデジタルカウンタに送信されることで、デジタルカウンタにおいて、例えばドットが表示されるか否かで、遊技区間が有利区間であるか否かを表示することができてもよい。
また、前記実施形態に限られず、例えば、ATが終了した場合、あるいは、有利区間の継続ゲーム数が3000ゲームに到達した場合などに、区間制御部は、遊技区間を有利区間から通常区間へと強制的に移行させてもよい。また、スロットマシンは、遊技区間(有利区間および通常区間)を備えていなくてもよい。
また、前記実施形態では、一般遊技状態以外の特別遊技状態がATである例が記載されているが、特別遊技状態はCZであってもよい。
また、前記実施形態においては記載されていないが、モードは特定条件が満たされた場合(例えば、CZに当せんしたがATに当せんしなかった場合、ATが終了した場合、または、有利区間が終了した場合)に、変更されてもよい。
また、前記実施形態においては、コンプリート機能を作動させるにあたって、レンジ(MY)が用いられていたが、これには限られず、メダルの差枚数がコンプリート機能を作動させるか否かの判定に用いられてもよい。