JP2004049513A - スロットマシン及び当該スロットマシンの遊技制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者と遊技店との両者の利益を守りつつ、法律的な規制の範囲で遊技者が求めるメダルの払出に大きな波を作ることを容易にするスロットマシンを提供することを目的とする。
【解決手段】遊技者の腕によってメダルの払出枚数が大幅に異なる遊技結果となり得るスロットマシンにおいて、前記メダルの払出枚数とメダル投入枚数との差枚数カウンタを設けるとともに、予め定められた差枚数に前記差枚数カウントの計数値が至った場合に打止制御する打止手段を設ける。これによって、遊技者の腕によって払出枚数が異なるスロットマシンに好適な打ち止め制御がなされ、より技術介入性が高く遊技の波が大きいようなスロットマシンの設計が法的規制の範囲で容易に設計することができる。
【選択図】 図11
【解決手段】遊技者の腕によってメダルの払出枚数が大幅に異なる遊技結果となり得るスロットマシンにおいて、前記メダルの払出枚数とメダル投入枚数との差枚数カウンタを設けるとともに、予め定められた差枚数に前記差枚数カウントの計数値が至った場合に打止制御する打止手段を設ける。これによって、遊技者の腕によって払出枚数が異なるスロットマシンに好適な打ち止め制御がなされ、より技術介入性が高く遊技の波が大きいようなスロットマシンの設計が法的規制の範囲で容易に設計することができる。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、打ち止め機能を有するスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
古くは、パチンコホールの人的な管理によって、パチンコ遊技機に打ち止め方式を導入し、この打ち止め方式を利用してパチンコホールが出球をコントロールしていた。しかしながら、近年では、このような打ち止め方式は排除されている関係から、ホール側が出球のコントロールが出来ないようにしている関係や、この種の遊技機では射幸心を煽らないことを目的に警察等の規制もあって、爆発的な賞球を行うような遊技機を提供することは困難であった。
【0003】
しかしながら、遊技者側からすると、爆発的な賞球があると面白いと感じるもので、遊技者の製造メーカとしては、ある一定時間内の賞球が所定の賞球数内に常に収まるような波のある乱数を作りこむことが、販売する遊技機のホールおよび警察側と遊技者側との要求を満足する課題となっている。このような、ある時間内の賞球が警察などの要求内に収まる賞球であって、遊技者が要求する爆発的な賞球演出も存在するような乱数の作成は非常に困難なものであるが各遊技機メーカとも前記課題を解消するために努力している。
【0004】
一方、従来から知られているこの種のスロットマシンとしても、打ち止め機能を設けていないのが一般的であり、パチンコ遊技機と同様に、前記スロットマシンにおいても、射幸心を煽らないことを目的とした遊技機メーカの自主規制や前記警察などによる法規制から爆発的なメダルの払い出しのための演出を実行することが難しいといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように乱数の作り込みによって、射幸心を煽らないようにしつつ、遊技者に喜んでもらえる程度の爆発的な払出の演出も伴い上記両課題を達成するような遊技機の設計は、当該遊技機の製造過程で前記乱数自体に癖が出ることもあるため困難であるため、本願発明者は、発想を変えて従来パチンコ遊技機に実際に人的な管理で行われていた打ち止め機能をスロットマシン自体に設けて、上述したような射幸心を煽らないようにしつつ遊技者に対して波のある払出演出を提供することが可能なスロットマシンを提供することを考えた。
【0006】
ところが、最近のスロットマシンの場合には、パチンコ遊技機とは異なり、遊技者の腕によって払出メダルの数が異なる遊技性を備えたものが殆どであり、予め、当りの種類に応じて打ち止め機能を発動させることは遊技者の腕の優劣によっては不公平なものとなるため、スロットマシンにおいては不適なものであると本願発明者は考えた。
【0007】
また、払出されたメダルの数に応じて打ち止め機能を発動させるものとしては、特開平7−204316号公報が知られており、この公報の技術では、その公開公報カラム2段落番号0009に記載されているように、メダル払出枚数に基づく打ち止めモード、ビックボーナス回数に基づく打ち止めモードが設定できるようにすることによって、遊技店側の営業方法に柔軟に対応することができることを狙ったものである。
【0008】
しかしながら、実際には、前述したように、最近のスロットマシン(所謂、パチスロ)では、AT(アシストタイム)機能とかCT(チャレンジタイム)機能といったように小役を遊技者の腕によって沢山入賞し得るような遊技形態をとるようになっているため、単純に当該公報(特開平7−204316号)のように、メダル払出枚数やビックボーナス回数をトリガーとして打ち止め機能を発動させると、遊技者の腕の差によっては極端に少ないメダル払出数で打ち止めとなってしまう恐れがあるといった問題が生じる。つまり、ビックボーナスの当選確率が非常に低く、小役の当選確率を高く設定しているような遊技機の場合には、ビックボーナス回数を打ち止めトリガーとしても、小役を極めて沢山入賞されると遊技店側の利益が守れないし、メダル払出数を制限した場合には、長時間遊技を実行して可也のメダルを投入している場合には、メダルの払出数で打ち止め制限されると遊技者の利益が守れないものである。
【0009】
このような事情に鑑み、この発明では、遊技者と遊技店との両者の利益を守りつつ、法律的な規制の範囲で遊技者が求めるメダルの払出に大きな波を作ることを容易にするスロットマシンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題に鑑み、遊技者の腕によってメダルの払出枚数が大幅に異なる遊技結果となり得るスロットマシンにおいて、前記メダルの払出枚数とメダル投入枚数との差枚数カウンタを設けるとともに、予め定められた差枚数に前記差枚数カウントの計数値が至った場合に打止制御する打止手段を設けることを案出した。
【0011】
「遊技者の腕によってメダルの払出枚数が大幅に異なる遊技結果となり得るスロットマシン」とは、内部抽選で成立する役が、前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有する遊技制御を制御手段により実行するスロットマシンである。そして、一般的には、上記大役より小役が高確率で成立するように前記制御手段によって制御される。より具体的には、以下の発明を提供する。
【0012】
第1の発明は、「メダルを投入することを条件として、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、各前記複数の領域において前記所定の図柄が停止した場合に、遊技者にメダルを払い出す制御手段を備えたスロットマシンであって、
前記役は、前記内部抽選によって成立した役が前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有し、
前記制御手段は、前記役の入賞を条件に遊技者に払い出されるメダルと、前記投入されたメダルとの差枚数カウンタの計数値に応じて打止手段を発動させることを特徴とする」構成を採用したスロットマシンを提供する。
【0013】
この発明では、小役に対して設定された所定の図柄で停止させるか否かが遊技機側の制御下でない遊技者の腕で決定される遊技機に適用することによって、容易にある所定のメダル払出数内に制限することが可能となる。
【0014】
また、このように、メダル払出数が遊技者によって実行される遊技結果ではなく、メダルの投入と払出の差を予め設定することによって終了する形態とすることによって、遊技機の遊技演出を払出枚数を気にすることなく法的な制限に抑えることが可能となるから、遊技機の遊技性をよりメダル払出に大きな波が生じるように設定することが容易になる。
【0015】
前記差枚数カウンタの計数は、スロットマシンに電源を供給してから電源を遮断するまでの間でメダルの差枚数を累積的にカウントする方式でも良いし、他の方法としては、専用の鍵によって開閉可能なスロットマシンの筐体内に計数リセットスイッチを設け、この計数リセットスイッチによって適宜に遊技店側が計数開始時期を決定できるように構成しても良い。前者のように、遊技店の関与が少ない(遊技途中に電源を遮断することは常識的にできないから)方式を採用した場合には、遊技者に対しての不公平感が解消されるであろうし、後者の場合には、そのスロットマシンの遊技者が変更された場合ごとに差枚数カウントを意図的にリセットすることによって、打ち止め間際のスロットマシンで遊技を開始した遊技者が直ぐにビックボーナスを入賞させて打ち止め終了となってしまうといった理不尽な現象を回避することができる。
【0016】
前記計数リセットスイッチ(リセット手段)は、スロットマシンに設けられたIDカードのカードリーダに接続され、IDカードによって異なる遊技者に変更されるごとにリセットするように構成することも可能である。このようにリセットさせることを目的として、遊技者がIDカードの抜き差しを意図的に行う不正遊技が予測されるから、このような不正遊技を低減させるためにタイマーによってある一定期間(30分、又は1時間)の間に同じIDカードで遊技を開始した場合には、前述したようにリセットすることなしに、前の計数値で継続遊技として取り扱うことが可能なように、リセット後においても、前記スロットマシンの記憶手段に少なくとも前回の計数値とIDカードに認証コードを記憶残留させるようにしても良い。
【0017】
このように構成した発明によれば、前述したように、ある遊技者がスロットマシンで可也のメダルの払出を得、予め打ち止めのためのメダル差枚数として設定された計数値に近い状態まで遊技を行っていた状態から、次の遊技者にかわってた場合に直ぐに打ち止めとなってしまう問題を解消できることになる。
【0018】
さらに、この発明のように差枚数で打ち止めに移行するスロットマシンにおいては、前記差枚数カウンタによって計数した累積的なメダル払出数を遊技者に対して報知しないようにすることが好ましい。
【0019】
第2の発明としては、第1の発明の構成に加え、前記制御手段に差枚数可変設定手段を設けてなる。この差枚数設定手段は、後述する実施の形態の「予定到達数」をマニュアルで設定できるように構成することによって、遊技店ごとに特色のある予定到達数を各々設定することも可能となる。勿論、このような差枚数設定手段を設けることなく、予め設定された予定差枚数の変更を不能とすることによって、射幸心を煽らないように一日の差枚数を遊技機ごとに強制的に一定値に管理することが可能となるといったメリットも存在する。
【0020】
第3の発明としては、上記第1及び第2の発明に加え、前記制御手段に前記打止手段による打ち止めの発動とともに、遊技者に対して予め設定した差枚数に達したことを報知する報知手段を設けてなる。この発明によれば、報知手段によって「おめでとうございます。予定差枚数に到達しましたので終了します。」といったような報知を行なうことによって、遊技者が故障ではないかといった疑いを持つことを回避することができる。
【0021】
第4の発明としては、上記第1乃至第3の発明の何れかの発明の構成に加え、前記制御手段に前記差枚数カウントの計数値を前記打止手段の発動後に、所定の条件に応じて自動的にリセットとして遊技可能状態に移行せしめるリセット手段を設けてなる。この発明によれば、電源をOFFするといったことなく、記憶されている差枚数をリセットして再遊技を可能とすることができるから、遊技店の操作が簡便なものとすることができる。
【0022】
第5の発明としては、上記第1乃至第3の発明の何れかの発明の構成に加え、前記制御手段には、前記打止手段による打ち止めの発動を外部に出力するための外部出力手段を設けてなる。この発明によれば、外部のホールコンピュータに大して打ち止めとなったことを伝達して、その後の清算などの遊技者に対するサービスの提供を遊技店が容易に行えるようにすることができる。
【0023】
第6の発明としては、「メダルを投入することを条件として、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、各前記複数の領域において前記所定の図柄が停止した場合に、遊技者にメダルを払い出す制御手段を備えたスロットマシンの遊技制御方法であって、
前記役は、前記内部抽選によって成立した役が前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有し、
前記制御手段が、前記役の入賞を条件に遊技者に払い出されるメダルと、前記投入されたメダルとの差枚数を差枚数カウンタで計数する段階と、
前記差枚数カウンタで計数された計数値が予め設定された計数値と比較し、当該比較結果に応じて打止手段によって打止制御を実行する段階とを備えることを特徴とする」スロットマシンの遊技制御方法を提供する。
【0024】
この方法の発明によれば、前述した発明と同様の効果を有するスロットマシンの遊技制御方法を提供することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態に関わるスロットマシンの外観斜視図、図2は図1のスロットマシンの正面図、図3は図1のスロットマシンの左側面図、図4は図1のスロットマシンの右側面図、図5は図1のスロットマシンの平面図、図6はスロットマシンの底面図、図7は背面図であり、図8は図1のスロットマシンの筐体の内部構造を示す正面図をそれぞれ示している。
【0026】
(外観構成の説明)
図示するスロットマシン1は、ボックス形状の筐体2の前面開口に扉部3を開閉自在に取り付けて構成されている。前記筐体2の内部空間には、当該筐体2の前面略中央位置に設けられた透明素材からなる主表示部8(左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8C)の裏面側に、外周に図柄を設けたリールユニット10や、後述する制御手段6が搭載された制御基板4(メイン基板4A、サブ基板4B)などが組み込まれ、下方には、多数枚数のメダルを収容するホッパー5Aを有するメダル払出手段5が組み込まれている。
【0027】
上記主表示部8は、この実施の形態では、透明に構成された左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8Cとからなり、前記扉部3の裏面側に配置されたリールユニット10の各リール12,13,14の外周に設けた図柄を、前記扉部3の前面側から遊技者が視認可能なようにしているが、これに限らず、主表示部8自体を液晶やプラズマディスプレイ又はCRTモニターなどのそれ自体に映像表示画面を有するような表示手段を採用することも可能である。
【0028】
前記リールユニット10は、金属フレーム11に3個のリール12(左リール),13(中リール),14(右リール)と、当該リール12,13,14の駆動原となるステッピングモータ12A,13A,14Aと、後述する前記ステッピングモータの回転を制御するための左,中,右リールドライバ12B,13B,14Bと、各リール12,13,14の回転位置を検出するためのセンサ12C,13C,14Cとを主な構成としている。
【0029】
前記リール12,13,14は、何れも円筒状の筒体の外周面に複数の図柄を連続して列状にシルクスクリーン印刷により印刷した帯状シートを貼着して構成している。この帯状シートを前記リール12,13,14に貼り付けた状態で、前記リール12,13,14の内周側に設けられた光源の光によって、前記帯状シートの外周面の図柄を目立つようにすることができるように、帯状シート自体を透光性の性質を有する樹脂で構成するとともに、リール12,13,14自体の素材を透光性樹脂で形成するか、或いは、図柄の印刷した背面に光通過穴を設ける構成を採用している。
【0030】
前記図柄とは、「7」「チェリ」「ベル」「バー」などの遊技者にとって他の図柄と識別可能なシンボルを使用しているが、この実施の形態では、RB役の図柄とか、ある特定の小役の図柄といった表現にしている。
【0031】
また、筐体2の扉3は、内部のメダルが簡単に窃盗されることがないように金属フレームによって頑強に製作されており、筐体2に対して図示しないヒンジで開閉自在に設けられるとともに鍵3Aで施錠できるようになっている。また、前記扉3の前面開口には、前記筐体2の内部空間に連通した内部に光源を備えた報知光源用の第1のパネル7と、図柄変動表示用の複数の領域を形成するための窓しての主表示部8(左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8C)を形成する第2のパネルと、スロットマシンの機種名やタイトルロゴを施した化粧用の第3のパネル9(腰部パネルとも言う)とが組み付けられている。
【0032】
前記第2のパネルと第3のパネル9との間には、メダルを直接機体に投入するためのメダル投入口20が設けられている。また、第2パネルの左側には本発明の特徴部分である内部抽選の抽選結果によって役が成立したこと、又は、その成立した役で各リール12,13,14を停止させるための停止ボタンスイッチ23の操作順序を遊技者に対して告知するための告知手段として、液晶パネルを含む副表示部21が設けられている。つまり、前記副表示部21は、主表示部8(左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8C)の左側位置に設けられている。この副表示部21の下側には、後述するスタートレバースイッチ22が設けられている。
【0033】
また、メダル投入口20と同様に第2パネルと第3パネル9との間には、スタートレバースイッチ22と、停止入力手段としての停止ボタンスイッチ23(左停止ボタンスイッチ23A,中停止ボタンスイッチ23B,右停止ボタンスイッチ23C)と、精算スイッチ25が同一水平面H上に一列状に配置して設けられている。符号24は、ベットボタンスイッチ24(MAXベットスイッチ24A,1枚ベットスイッチ24B)であり、このベットスイッチ24を操作して遊技者がメダルの賭数を所定枚数に設定することが可能となる。
【0034】
更に、第2のパネルと第1のパネル7との間には、正面の遊技者に向かって音を発するための一対のスピーカ16と、第3のパネル9の下方にはウーハとしてのスピーカ26を設けている。上記したベットスイッチボタン24、精算スイッチ25及びスピーカ16、26に関しては、後述するハードブロック図としての図10に図示せずに省略している。つまり、前述したように、前記主表示部8の下側位置であって同一水平面H上に一列状に配置された複数の停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cを設ける一方、該複数の停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cの列方向の左側位置には、ベットボタンスイッチ24及び前記可変表示装置としてのリールユニット10のスタートレバースイッチ22とを配置している。
【0035】
したがって、前記副表示部21は、前記ベットボタンスイッチ24及び前記スタートボタンスイッチ22の上側位置であって、前記主表示部8の左側位置に配置されることになるから、遊技者は、メダル投入口20にメダルを投入してクレジットを1ゲーム可能なように新たに投入するか、予めストックしたクレジットを使用して遊技をスタートする場合に、極力、遊技者の頭を左右又は上下に動作させることを少なく遊技を行うことが可能となる。このように、左右や上下に頭を動作させないようにして遊技を行うことが可能になることは、場合によっては遊技店の開店から閉店までの10時間以上も長時間、遊技を継続する遊技者が存在するこの種のスロットマシンにおいては極めて重要な要因となるのである。しかも、人間の多くの人の癖として、左右を確認する場合には、まず、左から確認して右側に頭を振るようにすることが一般的であるが、このような人間の癖を利用したより遊技者の体に対して遊技の負担が体にかかりにくいといった効果を得ることが可能となる。
【0036】
また、図1及び図2において、符号27はメダル払出し口,当該メダル払出し口27と連通したメダル受け皿28などが設けられている。前記精算スイッチ25を遊技者が操作して貯留メダルを精算すると、メダル払出し口27よりメダル受け皿28に貯留されたメダルを払出しすることができる。
【0037】
前記第2のパネルの下方中央部分には、役の入賞によって払い出されるメダル数を表示するための図示しないPAY表示手段、ボーナスの数を表示するためのボーナス数/メダル貯留総数表示手段、投入メダル数を表示するためのベット表示手段とを設けている。これらの表示手段は何れも7セグメントLEDを採用している。
【0038】
また、停止ボタンスイッチ23の裏面側には、内部抽選の抽選結果によって役が成立してから副表示部21により告知されるまでの間に、副表示部21の告知と同期して体感的に遊技者に予告させる演出を行う予告演出手段としての図示しない振動手段が、停止ボタンスイッチ23を振動させるべく停止ボタンスイッチ23の近傍の位置に設けられている。
【0039】
なお、図において、符号50は、副表示部21と同様に、内部的な抽選結果に応じた映像を表示するための他の副表示部であり、この他の副表示部50には、遊技の状態をアニメーションを使った物語状に表示する目的で使用される。しかしながら、前記副表示部21とは異なり、この他の副表示部50の表示情報は、停止ボタンスイッチ23を入力操作するタイミングを告知することはなく、停止ボタンスイッチの入力操作に有用な情報を表示するものではない。繰り返しになるが、副表示部21に表示される情報は、遊技者にとって前記停止ボタンスイッチの入力操作に有用な情報を表示するようにしている。したがって、この副表示部21は、遊技者にとって停止ボタンスイッチ23を入力操作する前に見易い位置に設けることが重要であるとの新規な課題に着目して配置されている。
【0040】
そして、前記筐体2は、前面側を開口2Aしたボックス形状を呈しており、当該筐体2の前面開口2Aに扉部3を開閉自在に設けるとともに、当該扉部3の裏面側であって該扉部3の副表示部21用窓部(図9のハッチン部分参照)に対向して、前記副表示部21としての液晶を前記扉部の開閉動作に追随するように一体的に取着してなる。このようなに、副表示部21としての液晶を当該副表示部21用の窓部の裏面に、扉部3の裏面と一体的に開閉する構造とすることによって、筐体2の内部に液晶としての副表示部21を設ける場合に比べて液晶に表示される映像を良好に遊技者に対して表示するための位置合せが容易となる。すなわち、液晶は視野角が小さく又、自発光でないためにバックライトと液晶との位置関係や、表示窓と液晶との奥行き方向の距離関係の微調整が筐体2に設けた場合に必要となるが、この実施の形態のように扉部3に一体的に設けた場合には、当該扉部3のヒンジ部分の経時的な遊びの増大などの影響も受け難いといったメリットがある。
【0041】
(ハード構成の説明)
次に、図10、図11に基づいて、前述した図1乃至8に示すスロットマシン1のハード構成について説明する。
【0042】
図において、6は制御手段であり、前述した制御基板4のメイン基板4Aとサブ基板4Bを総称して1ブロックで示している。この制御手段6には、メダル投入口20に投入されたメダルを検出しカウントするためのメダル検出手段30と、スターレバー22の操作を検出するためのスタート検出手段31と、前述した左,中,右リールドライバ12B,13B,14Bと、ステッピングモータ12A,13A,14Aによって回転するリール12,13,14の位置検出センサー12C,13C,14Cに接続されて位置検出を実行する回転位置検出手段32とが接続されている。この位置検出センサー12C,13C,14Cは、リール12,13,14の所定位置に設けられた貫通穴を利用して透過型或いは反射型のフォトセンサを採用することができる。
【0043】
また、前記制御手段6には、前記リール12,13,14の変動表示中にそのリール12,13,14の回転を止めるための停止ボタンスイッチ23として、右停止ボタンスイッチ23A,中停止ボタンスイッチ23B,右停止ボタンスイッチ23Cが操作入力検出手段33を介して接続されており、この停止ボタンスイッチ23に対する遊技者の操作を受けて操作入力検出手段33がその操作を検知するとともに、この検知したことを受けて制御手段6が左,中,右リールドライバを制御してリール12,13,14を停止させる制御が可能となっている。次に、前述したメダル払出手段を電気的に制御手段6が制御するために、払出ドライバー34を介して制御手段6に接続されており、精算ボタンを操作したり、貯留メダルのストック数が上限(例えば、50枚)を超えると、その払出すべきメダルの数だけ払出手段5に払い出す制御を前記制御手段6によって実行する。
【0044】
また、同様に制御手段6に接続された、乱数発生手段35、クロック発生手段36、左リールカウンタ37、中リールカウンタ38、右リールカウンタ39、払出率設定手段40、引き込み設定手段41、蹴飛ばし設定手段42、図柄テーブル43、未払出記憶手段44、記憶手段45の機能については、後術する。クロック発生手段36はクロック信号を発生し、このクロック信号に基づいて記憶手段45に予め記憶された各種の制御プログラムや遊技プログラムなどのプログラムを制御手段6が実行する。記憶手段45には、この制御プログラムを実行する場合のワークメモリ領域が形成されている。また、前記制御手段6には、そのスロットマシン1での遊技結果のメダル投入枚数とメダル払出枚数とのメダル差枚数に応じて当該スロットマシン1を打ち止めにする制御を担うための打止手段46が接続されている。この打止制御手段46の機能についての詳細な説明は後述する。
【0045】
ここで、制御手段6は、スタートレバースイッチ22を操作したことに応じて乱数発生手段35からの操作される乱数に基づいて内部的な抽選を実行し、その抽選結果が役の成立であった場合に、その役に応じて予め設定された前記図柄でリール12,13,14を停止させることができた時に入賞として制御し、以下の動作を実行する。前記役としては、ビックボーナス役、レギュラーボーナス役、及び、複数の小役とを有している。
なお、図示しないが、制御手段6には打止手段46の打ち止めを発動させたことを外部に出力するための外部出力手段が設けられている。この外部出力手段は、ホールコンピュータと接続されて当該ホールコンピュータに対して終了となった遊技機を特定可能とすることにより、遊技店側の様々なサービス提供に貢献することが可能となる。
【0046】
(BB役に応じた特別遊技)
抽選結果がビックボーナス役の成立であった場合には、ビックボーナスフラグを立てて、ビックボーナス図柄としての例えば「7」を、前記引き込み設定手段41に予め定められたビックボーナス役の成立時の引き込みコマ数を参照しつつ、引き込み制御を有効ラインA〜Eに前記「7」を揃えるようなリール制御を制御手段6が実行する。この有効ラインA〜E(図14参照)の何れかの有効ラインにビックボーナス役の図柄「7」がゾロ目で揃うと、制御手段6がビックボーナス役に応じた所定の図柄で停止したと認識して、メダルの払出制御を行う。このような引き込み制御を伴う前記リール制御によって、前記図柄の変動状態・停止状態を見るための領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)を遊技者が視認識しつつ、停止させたい図柄を狙って副表示部21で事前に告知された順番で停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cを操作する時に、その操作タイミングに多少のズレ(失敗)があっても狙った図柄で停止できるようになるのである。そして、一旦成立したビックボーナス役の成立フラグは後述する小役の成立フラグとは異なり、図柄が変動して停止するまでの1サイクル遊技で消滅することなく、ビックボーナスの入賞(ビックボーナス役に対する所定の図柄で停止)できるまで、消滅することがなく次のサイクル遊技に持ち越す制御を制御手段6が実行するのである。
【0047】
ここで、リール12,13,14に対応したカウンタ37,38,39が設けられており、制御手段6は、ステッピングモータ12A,13A,14Aに駆動パルスを出力したときは対応するカウンタ37,38,39を駆動パルス数だけインクリメントするとともに、位置検出センサー12C,13C,14Cがリール12,13,14の基準回転位置を検出したときはカウンタ37,38,39をリセットするようにしている。このようにして、制御手段6は、カウンタ37,38,39のカウント値に基づいてリール12,13,14の基準回転位置からの現在の回転位置を判断する。しかし、回転位置を判断できてもどの図柄で停止するかを判断できなければ、前述したような引き込み制御は実現できないため、このような図柄の判断のために前述した操作入力検出手段33、図柄テーブル43を利用する。つまり、操作入力検出手段33は、各停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cに対する操作を検出して制御手段6に通知する。この通知を受けた制御手段6は、操作入力検出手段33から通知に動じて、リール12,13,14の回転位置と図柄種類との位置関係を記憶した図柄テーブル43を利用して、引き込み停止動作を実行するのである。このように、リール12,13,14の外周のどの位置にどのような図柄が設けられているかを示す図柄テーブルを利用することによって、引込設定手段41により設定された引込数で実行される引き込み制御や、蹴飛設定手段42により設定された蹴飛ばし制御が実行できるのである。このような引き込み制御や蹴飛ばし制御は、一般的に日本においてはパチスロとも呼ばれるスロットマシンにおいて周知の技術である。
【0048】
また、BB役などの各種役の成立のための確率を複数段階に設定できる機能として、払出率設定手段40を設けている。このようにスロットマシン1の払出率を複数段階に設定できることは現在のスロットマシンではポピュラーなものとなっている。しかして、ビックボーナスに入賞すると、制御手段6は、払出ドライバ34を駆動させて所定枚数のメダルの払出制御を実行するのある。
【0049】
(RB役に応じた特別遊技)
複数の図柄列を外周面に設けたリール12,13,14のそれぞれの3図柄を同時に表示可能な大きさを有する3つの表示領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)で変動表示し、内部抽選の抽選結果によってRB役が成立したことに応じて、遊技者の停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cの図柄停止操作により、前記複数の領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)において前記役ごとに設定された所定の図柄としてのRB役の図柄で停止制御可能としてなり、更に、前記役は、複数の小役と、BBとRBとの2つのボーナス役とを有し、前記抽選結果として前記RB役と小役との2つの役が同時に成立した状態となり得る制御内容を担う制御プログラムが記憶手段45内に記憶されている。
【0050】
また、制御手段6は、内部抽選の抽選結果によって、RBやBBなどの役が成立した際に、副表示部21を用いて事前に停止ボタンスイッチ23の押し順を遊技者に対して告知するべく制御を行うとともに、副表示部21に告知を行わせる時期について決定する制御を行うための告知時期決定手段としての役割も果たす。
また、前記制御手段6は、前記打止手段46による打ち止めの発動とともに、遊技者に対して予め設定した差枚数に達したことを副表示部21に文字などの画像で報知する制御も実行する。このような報知を実行する際には、前記副表示部21は差枚数到達のための報知手段として機能することになる。
【0051】
副表示部21は、図示はしないが、演出画像を表示するための液晶表示パネル、及び演出画像に関するキャラクタや背景などの画像データを記憶する画像記憶部、及びこの画像記憶部に記憶された画像データを順次液晶表示パネルへ送信し動画として表示駆動させる表示駆動回路を備える。画像記憶部には、役の成立を告知するための告知パターンとしてキャラクタが登場してコメントを出す演出画像が記憶されている。演出内容は、遊技者が内部的な役の成立に応じた図柄で停止させ易いように、スタートレバースイッチ22を入力したことを契機として、その成立役に応じた停止ボタンスイッチ23(23A,23B,23C)の停止順序又は停止させるべき成立した役に応じた図柄を告知するなどの停止ボタンスイッチ23の入力に有用な情報を表示するものである。
【0052】
また、副表示部21において、これら演出画像を表示して役の成立を告知するか否かは、内部抽選の抽選結果として入賞に応じた役が成立した後、何回目の変動表示ゲームにおいて実行するかを、図示しない乱数表を参照しながら抽選するか、もしくは乱数発生手段によって発生した乱数から抽選することによって決定される。
【0053】
さらに、副表示部21における告知を予告する予告演出パターンを振動手段を併用して行うか否かは、図示しない別の乱数表を参照するか、上述した乱数発生手段を用いて抽選によって決定される。
【0054】
(打止手段のハード構成)
図10における打止手段46は、図11に示すように差枚数カウンタ46A、当該差枚数カウンタ46Aによって計数された計数値をリセットするためのリセット手段としてのリセットスイッチ46B、スロットマシン1に設けられた図示しないカードリーダに挿入されたIDカードのデータを当該カードリーダが読み取り、この読み取られたデータに基づいて認証を実行する認証手段46C、この認証手段46Cによって読み取られた認証データの読み取り時期及び読み取り解除時期を認識するために参照されるタイマー手段46D、当該時期及び前記認証コード並びに前記計数値を記憶するための計数値及び認証コード記憶手段46Eとから構成されている。この計数値及び認証コード記憶手段46Eには、差枚数カウンタ46Aで計数された計数値と比較するための予定到達数(終了目標値)が記憶されている。しかも、この予定到達数は、仮想線で示す差枚数設定手段47によってマニュアルで設定できるように構成することも可能である。
なお、この実施の形態では、前記記憶手段46Eを随時書き換え可能なスタティックRAMやフラッシュメモリとしているが、この記憶手段46Eとは別の第2の記憶手段に前記予定到達数を記憶させるように構成することもできる。そして、到達予定数を書き換え不可なマスクROMなどのメモリを採用すれば、打止手段を発動させる差枚数を変更できないように構成するとともに、例えば、この書き換え不可のメモリを法的な規制機関又はメーカが一元的管理しつつ供給するようにすることによって射幸心を極端に煽るような爆裂スロットマシンを世に供給させないようにすることも可能である。
【0055】
(動作フロー)
次に、図11及び図12の動作フローに基づいて、この実施の形態のスロットマシン1の動作について説明する。なお、以下手順を説明する際に、遊技者がメダルを投入し、スタートレバー22を操作して、各停止ボタンスイッチ23を操作することにより、各リール12,13,14が停止するまでを一回のサイクル遊技と称する。また、副表示部21が役の成立を告知するとか、停止ボタンスイッチ23の押し順を告知するか否かの時期は、全ての停止ボタンスイッチ23の入力前に行うことなく、一つ目の停止ボタンスイッチ23を入力した後に、残りの2つの停止ボタンスイッチ23の入力順序をのみを告知することも考えられるが、この実施の形態では、3つの停止ボタンスイッチ23の全ての押し順を告知するように設定している。
【0056】
ます、図11に示すように、遊技を実行するに際して、遊技者がメダル投入口20へメダルを投入するか、何れかのベットボタンスイッチ24により投入操作する(ステップS1:Y)をされたことを制御手段6が検知すると、打止手段46の差枚数カウンタ46Aが記憶手段46Eに記憶された差枚数カウンタ46Aの計数値から投入されたメダルの数を減算処理する(ステップS2)。
【0057】
次に、制御手段6は、その投入されたメダル数に応じて有効ラインを設定する(ステップS3)。
【0058】
そして、遊技者がスタートレバー22を操作すると、スタートレバー22を操作したか否かの判定がなされる(ステップS4)。
【0059】
スタートレバー22が操作されたと制御手段6により判定される(ステップS4:Y)と、既に前述したフラグの持ち越し役であるBB役又はRB役が成立していないかどうかを判断するとともに、BB役又はRB役が既に成立している場合には小役の内部抽選を、既に成立していない場合は、BB役又はRB役を含む内部抽選を制御手段6が実行する(ステップS5)。
【0060】
次に、上記抽選結果に応じて、役が成立した又は既に成立している役を停止させるための押し順を図示しない押し順テーブルから選択し、その選択された押し順に応じた告知表示情報の記憶手段のデータを抽出するとともに(ステップS6)、抽出されたデ゛ータに基づいて副表示部21で事前の告知表示を実行する(ステップS7)。
【0061】
そして、この遊技者が停止ボタンスイッチ23を入力操作するに有用な情報である押し順の告知表示後に、制御手段6はリール12,13,14の回転スタートを実行する(ステップS8)。
【0062】
次に、停止ボタンスイッチ23によって、停止ボタンスイッチの入力操作が検出されると(ステップS9:Y)、リール停止処理(ステップS10)が実行されるが、事前に副表示部21で押し順が告知された場合には、その告知した押し順と一致しているか否かが制御手段6によって判定されて、もし一致していない場合には、例え、遊技者の停止ボタンスイッチ23の入力タイミングが成立している役に応じた図柄を停止させるに良好なタイミングで入力されたとしても、前述した蹴飛ばし制御を実行して、内部抽選で成立した役での入賞を阻止する一方、遊技者の停止ボタンスイッチ23の入力タイミングが良好なタイミングで入力されなかった場合でも前述した引き込み制御の引き込み数を増大制御するリール制御を実行するようにしている(ステップS10)。このように遊技者の腕などによって、役を入賞させるかどうかが異なる遊技性を有し、特に、小役の場合には内部抽選で役が成立してフラグた立っても次の遊技までは持ち越されないことから、同じ状態の遊技をスロットマシンが遊技者に提供してもメダル払出枚数にバラつきが生じることになるのである。
【0063】
そして、全リールの停止処理が完了して全リールが停止すると判断された場合には(ステップS11:Y)、次に、停止した図柄の判定処理を実行する(ステップS12)。
【0064】
そして、停止図柄が内部抽選で既に成立している小役に合致していることが確認されると、その小役に応じた払出処理を実行し、小役が成立していない場合には、払いださない処理を実行する(ステップS14)。
【0065】
前記停止図柄が既に内部的な抽選で成立しているBB役又はRB役に応じた停止図柄で停止した場合(ステップS15)には、特別遊技処理を実行する(ステップS16)。このような特別遊技処理とは、前述したBB役及びRB役に応じた特別遊技である。
【0066】
前述したステップS14の小役の払出処理又はステップS16の特別遊技処理において払出処理を実行された結果に応じて、前記差枚数カウンタによる計数値が、予め記憶手段46Eに記憶された上限払出枚数を超えた場合(ステップS17:Y)に打止処理(ステップS18)を制御手段6の制御の基に実行する。この打止処理が実行されると、前記報知手段としての副表示部21に対して「打ち止め終了です。おめでとうございます。」との表示が前記記憶手段45内に予め記憶された画像データにより制御手段6が実行する。そして、それと同時に、貯留メダル及びクレジットを全てメダル払出し口27より受け皿28に払い出す処理が実行され、それ以後のメダルの投入及び遊技継続が停止される(ステップS20)。
【0067】
この実施の形態では、差枚数が予め設定された予定差枚数に到達するとスロットマシンがそれ以上の遊技を継続できないように停止するようにするだけの制御としているが、これに限らず、前記制御手段6に対して外部出力手段としての通信インタフェースを設け、この通信インターフェースと遊技店のホールコンピュータとを接続し、当該ホールコンピュータと接続された打ち止め報知手段を通じて遊技店員に打ち止めがなされたことを放置して、遊技店が各種のサービスを提供できるように構成することもできる。勿論、単に遊技店のどこかのスロットマシンで打ち止めが発動されたことを報知するだけでなく、どのスロットマシンが打ち出めになったのかの位置情報を前記ホールコンピュータと接続された位置情報表示手段によって表示することにより、大型の遊技店のであっても的確に打ち止めされたスロットマシンを店員が把握し、直ちに、打ち止め後に各種サービスを遊技者に対して提供することができるようになる。
【0068】
続いて、図示しないIDカードの認証データの読み取りのためのカードリーダに新たなIDカードが挿入され、打止手段46の認証手段46Cによって前回の遊技者とは異なる遊技者であることが認証されるか、打止手段46のタイマー手段46Dによってカウントされた時間が所定の時間を越えていた場合には、同じ遊技者と認証しても打止解除処理が実行される。このようにIDカードの認証によって自動的に打止を解除する方式だけでなく、古くから行われているように鍵3Aの操作を制御手段6が認識して手動で打止解除する方式も併用している。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者の腕によって払出枚数が異なるスロットマシンに好適な打ち止め制御がなされ、より技術介入性が高く遊技の波が大きいようなスロットマシンの設計が法的規制の範囲で容易に設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に関わるスロットマシンの外観斜視図である。
【図2】図1のスロットマシンの正面図である。
【図3】図1のスロットマシンの左側面図である。
【図4】図1のスロットマシンの右側面図である。
【図5】図1のスロットマシンの平面図である。
【図6】図1のスロットマシンの底面図である。
【図7】図1のスロットマシンの背面図である。
【図8】図1のスロットマシンの筐体の内部構造を示す正面図である。
【図9】図5の平面図の扉部3における透明部分を斜線で説明する図である。
【図10】図1のスロットマシンのハードブロック図である。
【図11】図10の打止手段の詳細を示すハードブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態を示すスロットマシンの動作フロー図である。
【図13】この発明の実施の形態を示すスロットマシンの動作フロー図である。
【図14】主表示部の図柄の変動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
6 制御手段
8 主表示部
12 左リール
13 中リール
14 右リール
21 副表示部
22 スタートレバー
23 停止ボタンスイッチ
23A 左リール停止ボタンスイッチ
23B 中リール停止ボタンスイッチ
23C 右リール停止ボタンスイッチ
46 打止手段
【発明の属する技術分野】
この発明は、打ち止め機能を有するスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
古くは、パチンコホールの人的な管理によって、パチンコ遊技機に打ち止め方式を導入し、この打ち止め方式を利用してパチンコホールが出球をコントロールしていた。しかしながら、近年では、このような打ち止め方式は排除されている関係から、ホール側が出球のコントロールが出来ないようにしている関係や、この種の遊技機では射幸心を煽らないことを目的に警察等の規制もあって、爆発的な賞球を行うような遊技機を提供することは困難であった。
【0003】
しかしながら、遊技者側からすると、爆発的な賞球があると面白いと感じるもので、遊技者の製造メーカとしては、ある一定時間内の賞球が所定の賞球数内に常に収まるような波のある乱数を作りこむことが、販売する遊技機のホールおよび警察側と遊技者側との要求を満足する課題となっている。このような、ある時間内の賞球が警察などの要求内に収まる賞球であって、遊技者が要求する爆発的な賞球演出も存在するような乱数の作成は非常に困難なものであるが各遊技機メーカとも前記課題を解消するために努力している。
【0004】
一方、従来から知られているこの種のスロットマシンとしても、打ち止め機能を設けていないのが一般的であり、パチンコ遊技機と同様に、前記スロットマシンにおいても、射幸心を煽らないことを目的とした遊技機メーカの自主規制や前記警察などによる法規制から爆発的なメダルの払い出しのための演出を実行することが難しいといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように乱数の作り込みによって、射幸心を煽らないようにしつつ、遊技者に喜んでもらえる程度の爆発的な払出の演出も伴い上記両課題を達成するような遊技機の設計は、当該遊技機の製造過程で前記乱数自体に癖が出ることもあるため困難であるため、本願発明者は、発想を変えて従来パチンコ遊技機に実際に人的な管理で行われていた打ち止め機能をスロットマシン自体に設けて、上述したような射幸心を煽らないようにしつつ遊技者に対して波のある払出演出を提供することが可能なスロットマシンを提供することを考えた。
【0006】
ところが、最近のスロットマシンの場合には、パチンコ遊技機とは異なり、遊技者の腕によって払出メダルの数が異なる遊技性を備えたものが殆どであり、予め、当りの種類に応じて打ち止め機能を発動させることは遊技者の腕の優劣によっては不公平なものとなるため、スロットマシンにおいては不適なものであると本願発明者は考えた。
【0007】
また、払出されたメダルの数に応じて打ち止め機能を発動させるものとしては、特開平7−204316号公報が知られており、この公報の技術では、その公開公報カラム2段落番号0009に記載されているように、メダル払出枚数に基づく打ち止めモード、ビックボーナス回数に基づく打ち止めモードが設定できるようにすることによって、遊技店側の営業方法に柔軟に対応することができることを狙ったものである。
【0008】
しかしながら、実際には、前述したように、最近のスロットマシン(所謂、パチスロ)では、AT(アシストタイム)機能とかCT(チャレンジタイム)機能といったように小役を遊技者の腕によって沢山入賞し得るような遊技形態をとるようになっているため、単純に当該公報(特開平7−204316号)のように、メダル払出枚数やビックボーナス回数をトリガーとして打ち止め機能を発動させると、遊技者の腕の差によっては極端に少ないメダル払出数で打ち止めとなってしまう恐れがあるといった問題が生じる。つまり、ビックボーナスの当選確率が非常に低く、小役の当選確率を高く設定しているような遊技機の場合には、ビックボーナス回数を打ち止めトリガーとしても、小役を極めて沢山入賞されると遊技店側の利益が守れないし、メダル払出数を制限した場合には、長時間遊技を実行して可也のメダルを投入している場合には、メダルの払出数で打ち止め制限されると遊技者の利益が守れないものである。
【0009】
このような事情に鑑み、この発明では、遊技者と遊技店との両者の利益を守りつつ、法律的な規制の範囲で遊技者が求めるメダルの払出に大きな波を作ることを容易にするスロットマシンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題に鑑み、遊技者の腕によってメダルの払出枚数が大幅に異なる遊技結果となり得るスロットマシンにおいて、前記メダルの払出枚数とメダル投入枚数との差枚数カウンタを設けるとともに、予め定められた差枚数に前記差枚数カウントの計数値が至った場合に打止制御する打止手段を設けることを案出した。
【0011】
「遊技者の腕によってメダルの払出枚数が大幅に異なる遊技結果となり得るスロットマシン」とは、内部抽選で成立する役が、前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有する遊技制御を制御手段により実行するスロットマシンである。そして、一般的には、上記大役より小役が高確率で成立するように前記制御手段によって制御される。より具体的には、以下の発明を提供する。
【0012】
第1の発明は、「メダルを投入することを条件として、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、各前記複数の領域において前記所定の図柄が停止した場合に、遊技者にメダルを払い出す制御手段を備えたスロットマシンであって、
前記役は、前記内部抽選によって成立した役が前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有し、
前記制御手段は、前記役の入賞を条件に遊技者に払い出されるメダルと、前記投入されたメダルとの差枚数カウンタの計数値に応じて打止手段を発動させることを特徴とする」構成を採用したスロットマシンを提供する。
【0013】
この発明では、小役に対して設定された所定の図柄で停止させるか否かが遊技機側の制御下でない遊技者の腕で決定される遊技機に適用することによって、容易にある所定のメダル払出数内に制限することが可能となる。
【0014】
また、このように、メダル払出数が遊技者によって実行される遊技結果ではなく、メダルの投入と払出の差を予め設定することによって終了する形態とすることによって、遊技機の遊技演出を払出枚数を気にすることなく法的な制限に抑えることが可能となるから、遊技機の遊技性をよりメダル払出に大きな波が生じるように設定することが容易になる。
【0015】
前記差枚数カウンタの計数は、スロットマシンに電源を供給してから電源を遮断するまでの間でメダルの差枚数を累積的にカウントする方式でも良いし、他の方法としては、専用の鍵によって開閉可能なスロットマシンの筐体内に計数リセットスイッチを設け、この計数リセットスイッチによって適宜に遊技店側が計数開始時期を決定できるように構成しても良い。前者のように、遊技店の関与が少ない(遊技途中に電源を遮断することは常識的にできないから)方式を採用した場合には、遊技者に対しての不公平感が解消されるであろうし、後者の場合には、そのスロットマシンの遊技者が変更された場合ごとに差枚数カウントを意図的にリセットすることによって、打ち止め間際のスロットマシンで遊技を開始した遊技者が直ぐにビックボーナスを入賞させて打ち止め終了となってしまうといった理不尽な現象を回避することができる。
【0016】
前記計数リセットスイッチ(リセット手段)は、スロットマシンに設けられたIDカードのカードリーダに接続され、IDカードによって異なる遊技者に変更されるごとにリセットするように構成することも可能である。このようにリセットさせることを目的として、遊技者がIDカードの抜き差しを意図的に行う不正遊技が予測されるから、このような不正遊技を低減させるためにタイマーによってある一定期間(30分、又は1時間)の間に同じIDカードで遊技を開始した場合には、前述したようにリセットすることなしに、前の計数値で継続遊技として取り扱うことが可能なように、リセット後においても、前記スロットマシンの記憶手段に少なくとも前回の計数値とIDカードに認証コードを記憶残留させるようにしても良い。
【0017】
このように構成した発明によれば、前述したように、ある遊技者がスロットマシンで可也のメダルの払出を得、予め打ち止めのためのメダル差枚数として設定された計数値に近い状態まで遊技を行っていた状態から、次の遊技者にかわってた場合に直ぐに打ち止めとなってしまう問題を解消できることになる。
【0018】
さらに、この発明のように差枚数で打ち止めに移行するスロットマシンにおいては、前記差枚数カウンタによって計数した累積的なメダル払出数を遊技者に対して報知しないようにすることが好ましい。
【0019】
第2の発明としては、第1の発明の構成に加え、前記制御手段に差枚数可変設定手段を設けてなる。この差枚数設定手段は、後述する実施の形態の「予定到達数」をマニュアルで設定できるように構成することによって、遊技店ごとに特色のある予定到達数を各々設定することも可能となる。勿論、このような差枚数設定手段を設けることなく、予め設定された予定差枚数の変更を不能とすることによって、射幸心を煽らないように一日の差枚数を遊技機ごとに強制的に一定値に管理することが可能となるといったメリットも存在する。
【0020】
第3の発明としては、上記第1及び第2の発明に加え、前記制御手段に前記打止手段による打ち止めの発動とともに、遊技者に対して予め設定した差枚数に達したことを報知する報知手段を設けてなる。この発明によれば、報知手段によって「おめでとうございます。予定差枚数に到達しましたので終了します。」といったような報知を行なうことによって、遊技者が故障ではないかといった疑いを持つことを回避することができる。
【0021】
第4の発明としては、上記第1乃至第3の発明の何れかの発明の構成に加え、前記制御手段に前記差枚数カウントの計数値を前記打止手段の発動後に、所定の条件に応じて自動的にリセットとして遊技可能状態に移行せしめるリセット手段を設けてなる。この発明によれば、電源をOFFするといったことなく、記憶されている差枚数をリセットして再遊技を可能とすることができるから、遊技店の操作が簡便なものとすることができる。
【0022】
第5の発明としては、上記第1乃至第3の発明の何れかの発明の構成に加え、前記制御手段には、前記打止手段による打ち止めの発動を外部に出力するための外部出力手段を設けてなる。この発明によれば、外部のホールコンピュータに大して打ち止めとなったことを伝達して、その後の清算などの遊技者に対するサービスの提供を遊技店が容易に行えるようにすることができる。
【0023】
第6の発明としては、「メダルを投入することを条件として、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、各前記複数の領域において前記所定の図柄が停止した場合に、遊技者にメダルを払い出す制御手段を備えたスロットマシンの遊技制御方法であって、
前記役は、前記内部抽選によって成立した役が前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有し、
前記制御手段が、前記役の入賞を条件に遊技者に払い出されるメダルと、前記投入されたメダルとの差枚数を差枚数カウンタで計数する段階と、
前記差枚数カウンタで計数された計数値が予め設定された計数値と比較し、当該比較結果に応じて打止手段によって打止制御を実行する段階とを備えることを特徴とする」スロットマシンの遊技制御方法を提供する。
【0024】
この方法の発明によれば、前述した発明と同様の効果を有するスロットマシンの遊技制御方法を提供することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態に関わるスロットマシンの外観斜視図、図2は図1のスロットマシンの正面図、図3は図1のスロットマシンの左側面図、図4は図1のスロットマシンの右側面図、図5は図1のスロットマシンの平面図、図6はスロットマシンの底面図、図7は背面図であり、図8は図1のスロットマシンの筐体の内部構造を示す正面図をそれぞれ示している。
【0026】
(外観構成の説明)
図示するスロットマシン1は、ボックス形状の筐体2の前面開口に扉部3を開閉自在に取り付けて構成されている。前記筐体2の内部空間には、当該筐体2の前面略中央位置に設けられた透明素材からなる主表示部8(左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8C)の裏面側に、外周に図柄を設けたリールユニット10や、後述する制御手段6が搭載された制御基板4(メイン基板4A、サブ基板4B)などが組み込まれ、下方には、多数枚数のメダルを収容するホッパー5Aを有するメダル払出手段5が組み込まれている。
【0027】
上記主表示部8は、この実施の形態では、透明に構成された左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8Cとからなり、前記扉部3の裏面側に配置されたリールユニット10の各リール12,13,14の外周に設けた図柄を、前記扉部3の前面側から遊技者が視認可能なようにしているが、これに限らず、主表示部8自体を液晶やプラズマディスプレイ又はCRTモニターなどのそれ自体に映像表示画面を有するような表示手段を採用することも可能である。
【0028】
前記リールユニット10は、金属フレーム11に3個のリール12(左リール),13(中リール),14(右リール)と、当該リール12,13,14の駆動原となるステッピングモータ12A,13A,14Aと、後述する前記ステッピングモータの回転を制御するための左,中,右リールドライバ12B,13B,14Bと、各リール12,13,14の回転位置を検出するためのセンサ12C,13C,14Cとを主な構成としている。
【0029】
前記リール12,13,14は、何れも円筒状の筒体の外周面に複数の図柄を連続して列状にシルクスクリーン印刷により印刷した帯状シートを貼着して構成している。この帯状シートを前記リール12,13,14に貼り付けた状態で、前記リール12,13,14の内周側に設けられた光源の光によって、前記帯状シートの外周面の図柄を目立つようにすることができるように、帯状シート自体を透光性の性質を有する樹脂で構成するとともに、リール12,13,14自体の素材を透光性樹脂で形成するか、或いは、図柄の印刷した背面に光通過穴を設ける構成を採用している。
【0030】
前記図柄とは、「7」「チェリ」「ベル」「バー」などの遊技者にとって他の図柄と識別可能なシンボルを使用しているが、この実施の形態では、RB役の図柄とか、ある特定の小役の図柄といった表現にしている。
【0031】
また、筐体2の扉3は、内部のメダルが簡単に窃盗されることがないように金属フレームによって頑強に製作されており、筐体2に対して図示しないヒンジで開閉自在に設けられるとともに鍵3Aで施錠できるようになっている。また、前記扉3の前面開口には、前記筐体2の内部空間に連通した内部に光源を備えた報知光源用の第1のパネル7と、図柄変動表示用の複数の領域を形成するための窓しての主表示部8(左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8C)を形成する第2のパネルと、スロットマシンの機種名やタイトルロゴを施した化粧用の第3のパネル9(腰部パネルとも言う)とが組み付けられている。
【0032】
前記第2のパネルと第3のパネル9との間には、メダルを直接機体に投入するためのメダル投入口20が設けられている。また、第2パネルの左側には本発明の特徴部分である内部抽選の抽選結果によって役が成立したこと、又は、その成立した役で各リール12,13,14を停止させるための停止ボタンスイッチ23の操作順序を遊技者に対して告知するための告知手段として、液晶パネルを含む副表示部21が設けられている。つまり、前記副表示部21は、主表示部8(左リール用窓8A,中リール用窓8B,右リール用窓8C)の左側位置に設けられている。この副表示部21の下側には、後述するスタートレバースイッチ22が設けられている。
【0033】
また、メダル投入口20と同様に第2パネルと第3パネル9との間には、スタートレバースイッチ22と、停止入力手段としての停止ボタンスイッチ23(左停止ボタンスイッチ23A,中停止ボタンスイッチ23B,右停止ボタンスイッチ23C)と、精算スイッチ25が同一水平面H上に一列状に配置して設けられている。符号24は、ベットボタンスイッチ24(MAXベットスイッチ24A,1枚ベットスイッチ24B)であり、このベットスイッチ24を操作して遊技者がメダルの賭数を所定枚数に設定することが可能となる。
【0034】
更に、第2のパネルと第1のパネル7との間には、正面の遊技者に向かって音を発するための一対のスピーカ16と、第3のパネル9の下方にはウーハとしてのスピーカ26を設けている。上記したベットスイッチボタン24、精算スイッチ25及びスピーカ16、26に関しては、後述するハードブロック図としての図10に図示せずに省略している。つまり、前述したように、前記主表示部8の下側位置であって同一水平面H上に一列状に配置された複数の停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cを設ける一方、該複数の停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cの列方向の左側位置には、ベットボタンスイッチ24及び前記可変表示装置としてのリールユニット10のスタートレバースイッチ22とを配置している。
【0035】
したがって、前記副表示部21は、前記ベットボタンスイッチ24及び前記スタートボタンスイッチ22の上側位置であって、前記主表示部8の左側位置に配置されることになるから、遊技者は、メダル投入口20にメダルを投入してクレジットを1ゲーム可能なように新たに投入するか、予めストックしたクレジットを使用して遊技をスタートする場合に、極力、遊技者の頭を左右又は上下に動作させることを少なく遊技を行うことが可能となる。このように、左右や上下に頭を動作させないようにして遊技を行うことが可能になることは、場合によっては遊技店の開店から閉店までの10時間以上も長時間、遊技を継続する遊技者が存在するこの種のスロットマシンにおいては極めて重要な要因となるのである。しかも、人間の多くの人の癖として、左右を確認する場合には、まず、左から確認して右側に頭を振るようにすることが一般的であるが、このような人間の癖を利用したより遊技者の体に対して遊技の負担が体にかかりにくいといった効果を得ることが可能となる。
【0036】
また、図1及び図2において、符号27はメダル払出し口,当該メダル払出し口27と連通したメダル受け皿28などが設けられている。前記精算スイッチ25を遊技者が操作して貯留メダルを精算すると、メダル払出し口27よりメダル受け皿28に貯留されたメダルを払出しすることができる。
【0037】
前記第2のパネルの下方中央部分には、役の入賞によって払い出されるメダル数を表示するための図示しないPAY表示手段、ボーナスの数を表示するためのボーナス数/メダル貯留総数表示手段、投入メダル数を表示するためのベット表示手段とを設けている。これらの表示手段は何れも7セグメントLEDを採用している。
【0038】
また、停止ボタンスイッチ23の裏面側には、内部抽選の抽選結果によって役が成立してから副表示部21により告知されるまでの間に、副表示部21の告知と同期して体感的に遊技者に予告させる演出を行う予告演出手段としての図示しない振動手段が、停止ボタンスイッチ23を振動させるべく停止ボタンスイッチ23の近傍の位置に設けられている。
【0039】
なお、図において、符号50は、副表示部21と同様に、内部的な抽選結果に応じた映像を表示するための他の副表示部であり、この他の副表示部50には、遊技の状態をアニメーションを使った物語状に表示する目的で使用される。しかしながら、前記副表示部21とは異なり、この他の副表示部50の表示情報は、停止ボタンスイッチ23を入力操作するタイミングを告知することはなく、停止ボタンスイッチの入力操作に有用な情報を表示するものではない。繰り返しになるが、副表示部21に表示される情報は、遊技者にとって前記停止ボタンスイッチの入力操作に有用な情報を表示するようにしている。したがって、この副表示部21は、遊技者にとって停止ボタンスイッチ23を入力操作する前に見易い位置に設けることが重要であるとの新規な課題に着目して配置されている。
【0040】
そして、前記筐体2は、前面側を開口2Aしたボックス形状を呈しており、当該筐体2の前面開口2Aに扉部3を開閉自在に設けるとともに、当該扉部3の裏面側であって該扉部3の副表示部21用窓部(図9のハッチン部分参照)に対向して、前記副表示部21としての液晶を前記扉部の開閉動作に追随するように一体的に取着してなる。このようなに、副表示部21としての液晶を当該副表示部21用の窓部の裏面に、扉部3の裏面と一体的に開閉する構造とすることによって、筐体2の内部に液晶としての副表示部21を設ける場合に比べて液晶に表示される映像を良好に遊技者に対して表示するための位置合せが容易となる。すなわち、液晶は視野角が小さく又、自発光でないためにバックライトと液晶との位置関係や、表示窓と液晶との奥行き方向の距離関係の微調整が筐体2に設けた場合に必要となるが、この実施の形態のように扉部3に一体的に設けた場合には、当該扉部3のヒンジ部分の経時的な遊びの増大などの影響も受け難いといったメリットがある。
【0041】
(ハード構成の説明)
次に、図10、図11に基づいて、前述した図1乃至8に示すスロットマシン1のハード構成について説明する。
【0042】
図において、6は制御手段であり、前述した制御基板4のメイン基板4Aとサブ基板4Bを総称して1ブロックで示している。この制御手段6には、メダル投入口20に投入されたメダルを検出しカウントするためのメダル検出手段30と、スターレバー22の操作を検出するためのスタート検出手段31と、前述した左,中,右リールドライバ12B,13B,14Bと、ステッピングモータ12A,13A,14Aによって回転するリール12,13,14の位置検出センサー12C,13C,14Cに接続されて位置検出を実行する回転位置検出手段32とが接続されている。この位置検出センサー12C,13C,14Cは、リール12,13,14の所定位置に設けられた貫通穴を利用して透過型或いは反射型のフォトセンサを採用することができる。
【0043】
また、前記制御手段6には、前記リール12,13,14の変動表示中にそのリール12,13,14の回転を止めるための停止ボタンスイッチ23として、右停止ボタンスイッチ23A,中停止ボタンスイッチ23B,右停止ボタンスイッチ23Cが操作入力検出手段33を介して接続されており、この停止ボタンスイッチ23に対する遊技者の操作を受けて操作入力検出手段33がその操作を検知するとともに、この検知したことを受けて制御手段6が左,中,右リールドライバを制御してリール12,13,14を停止させる制御が可能となっている。次に、前述したメダル払出手段を電気的に制御手段6が制御するために、払出ドライバー34を介して制御手段6に接続されており、精算ボタンを操作したり、貯留メダルのストック数が上限(例えば、50枚)を超えると、その払出すべきメダルの数だけ払出手段5に払い出す制御を前記制御手段6によって実行する。
【0044】
また、同様に制御手段6に接続された、乱数発生手段35、クロック発生手段36、左リールカウンタ37、中リールカウンタ38、右リールカウンタ39、払出率設定手段40、引き込み設定手段41、蹴飛ばし設定手段42、図柄テーブル43、未払出記憶手段44、記憶手段45の機能については、後術する。クロック発生手段36はクロック信号を発生し、このクロック信号に基づいて記憶手段45に予め記憶された各種の制御プログラムや遊技プログラムなどのプログラムを制御手段6が実行する。記憶手段45には、この制御プログラムを実行する場合のワークメモリ領域が形成されている。また、前記制御手段6には、そのスロットマシン1での遊技結果のメダル投入枚数とメダル払出枚数とのメダル差枚数に応じて当該スロットマシン1を打ち止めにする制御を担うための打止手段46が接続されている。この打止制御手段46の機能についての詳細な説明は後述する。
【0045】
ここで、制御手段6は、スタートレバースイッチ22を操作したことに応じて乱数発生手段35からの操作される乱数に基づいて内部的な抽選を実行し、その抽選結果が役の成立であった場合に、その役に応じて予め設定された前記図柄でリール12,13,14を停止させることができた時に入賞として制御し、以下の動作を実行する。前記役としては、ビックボーナス役、レギュラーボーナス役、及び、複数の小役とを有している。
なお、図示しないが、制御手段6には打止手段46の打ち止めを発動させたことを外部に出力するための外部出力手段が設けられている。この外部出力手段は、ホールコンピュータと接続されて当該ホールコンピュータに対して終了となった遊技機を特定可能とすることにより、遊技店側の様々なサービス提供に貢献することが可能となる。
【0046】
(BB役に応じた特別遊技)
抽選結果がビックボーナス役の成立であった場合には、ビックボーナスフラグを立てて、ビックボーナス図柄としての例えば「7」を、前記引き込み設定手段41に予め定められたビックボーナス役の成立時の引き込みコマ数を参照しつつ、引き込み制御を有効ラインA〜Eに前記「7」を揃えるようなリール制御を制御手段6が実行する。この有効ラインA〜E(図14参照)の何れかの有効ラインにビックボーナス役の図柄「7」がゾロ目で揃うと、制御手段6がビックボーナス役に応じた所定の図柄で停止したと認識して、メダルの払出制御を行う。このような引き込み制御を伴う前記リール制御によって、前記図柄の変動状態・停止状態を見るための領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)を遊技者が視認識しつつ、停止させたい図柄を狙って副表示部21で事前に告知された順番で停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cを操作する時に、その操作タイミングに多少のズレ(失敗)があっても狙った図柄で停止できるようになるのである。そして、一旦成立したビックボーナス役の成立フラグは後述する小役の成立フラグとは異なり、図柄が変動して停止するまでの1サイクル遊技で消滅することなく、ビックボーナスの入賞(ビックボーナス役に対する所定の図柄で停止)できるまで、消滅することがなく次のサイクル遊技に持ち越す制御を制御手段6が実行するのである。
【0047】
ここで、リール12,13,14に対応したカウンタ37,38,39が設けられており、制御手段6は、ステッピングモータ12A,13A,14Aに駆動パルスを出力したときは対応するカウンタ37,38,39を駆動パルス数だけインクリメントするとともに、位置検出センサー12C,13C,14Cがリール12,13,14の基準回転位置を検出したときはカウンタ37,38,39をリセットするようにしている。このようにして、制御手段6は、カウンタ37,38,39のカウント値に基づいてリール12,13,14の基準回転位置からの現在の回転位置を判断する。しかし、回転位置を判断できてもどの図柄で停止するかを判断できなければ、前述したような引き込み制御は実現できないため、このような図柄の判断のために前述した操作入力検出手段33、図柄テーブル43を利用する。つまり、操作入力検出手段33は、各停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cに対する操作を検出して制御手段6に通知する。この通知を受けた制御手段6は、操作入力検出手段33から通知に動じて、リール12,13,14の回転位置と図柄種類との位置関係を記憶した図柄テーブル43を利用して、引き込み停止動作を実行するのである。このように、リール12,13,14の外周のどの位置にどのような図柄が設けられているかを示す図柄テーブルを利用することによって、引込設定手段41により設定された引込数で実行される引き込み制御や、蹴飛設定手段42により設定された蹴飛ばし制御が実行できるのである。このような引き込み制御や蹴飛ばし制御は、一般的に日本においてはパチスロとも呼ばれるスロットマシンにおいて周知の技術である。
【0048】
また、BB役などの各種役の成立のための確率を複数段階に設定できる機能として、払出率設定手段40を設けている。このようにスロットマシン1の払出率を複数段階に設定できることは現在のスロットマシンではポピュラーなものとなっている。しかして、ビックボーナスに入賞すると、制御手段6は、払出ドライバ34を駆動させて所定枚数のメダルの払出制御を実行するのある。
【0049】
(RB役に応じた特別遊技)
複数の図柄列を外周面に設けたリール12,13,14のそれぞれの3図柄を同時に表示可能な大きさを有する3つの表示領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)で変動表示し、内部抽選の抽選結果によってRB役が成立したことに応じて、遊技者の停止ボタンスイッチ23A,23B,23Cの図柄停止操作により、前記複数の領域(左リール用窓,中リール用窓,右リール用窓)において前記役ごとに設定された所定の図柄としてのRB役の図柄で停止制御可能としてなり、更に、前記役は、複数の小役と、BBとRBとの2つのボーナス役とを有し、前記抽選結果として前記RB役と小役との2つの役が同時に成立した状態となり得る制御内容を担う制御プログラムが記憶手段45内に記憶されている。
【0050】
また、制御手段6は、内部抽選の抽選結果によって、RBやBBなどの役が成立した際に、副表示部21を用いて事前に停止ボタンスイッチ23の押し順を遊技者に対して告知するべく制御を行うとともに、副表示部21に告知を行わせる時期について決定する制御を行うための告知時期決定手段としての役割も果たす。
また、前記制御手段6は、前記打止手段46による打ち止めの発動とともに、遊技者に対して予め設定した差枚数に達したことを副表示部21に文字などの画像で報知する制御も実行する。このような報知を実行する際には、前記副表示部21は差枚数到達のための報知手段として機能することになる。
【0051】
副表示部21は、図示はしないが、演出画像を表示するための液晶表示パネル、及び演出画像に関するキャラクタや背景などの画像データを記憶する画像記憶部、及びこの画像記憶部に記憶された画像データを順次液晶表示パネルへ送信し動画として表示駆動させる表示駆動回路を備える。画像記憶部には、役の成立を告知するための告知パターンとしてキャラクタが登場してコメントを出す演出画像が記憶されている。演出内容は、遊技者が内部的な役の成立に応じた図柄で停止させ易いように、スタートレバースイッチ22を入力したことを契機として、その成立役に応じた停止ボタンスイッチ23(23A,23B,23C)の停止順序又は停止させるべき成立した役に応じた図柄を告知するなどの停止ボタンスイッチ23の入力に有用な情報を表示するものである。
【0052】
また、副表示部21において、これら演出画像を表示して役の成立を告知するか否かは、内部抽選の抽選結果として入賞に応じた役が成立した後、何回目の変動表示ゲームにおいて実行するかを、図示しない乱数表を参照しながら抽選するか、もしくは乱数発生手段によって発生した乱数から抽選することによって決定される。
【0053】
さらに、副表示部21における告知を予告する予告演出パターンを振動手段を併用して行うか否かは、図示しない別の乱数表を参照するか、上述した乱数発生手段を用いて抽選によって決定される。
【0054】
(打止手段のハード構成)
図10における打止手段46は、図11に示すように差枚数カウンタ46A、当該差枚数カウンタ46Aによって計数された計数値をリセットするためのリセット手段としてのリセットスイッチ46B、スロットマシン1に設けられた図示しないカードリーダに挿入されたIDカードのデータを当該カードリーダが読み取り、この読み取られたデータに基づいて認証を実行する認証手段46C、この認証手段46Cによって読み取られた認証データの読み取り時期及び読み取り解除時期を認識するために参照されるタイマー手段46D、当該時期及び前記認証コード並びに前記計数値を記憶するための計数値及び認証コード記憶手段46Eとから構成されている。この計数値及び認証コード記憶手段46Eには、差枚数カウンタ46Aで計数された計数値と比較するための予定到達数(終了目標値)が記憶されている。しかも、この予定到達数は、仮想線で示す差枚数設定手段47によってマニュアルで設定できるように構成することも可能である。
なお、この実施の形態では、前記記憶手段46Eを随時書き換え可能なスタティックRAMやフラッシュメモリとしているが、この記憶手段46Eとは別の第2の記憶手段に前記予定到達数を記憶させるように構成することもできる。そして、到達予定数を書き換え不可なマスクROMなどのメモリを採用すれば、打止手段を発動させる差枚数を変更できないように構成するとともに、例えば、この書き換え不可のメモリを法的な規制機関又はメーカが一元的管理しつつ供給するようにすることによって射幸心を極端に煽るような爆裂スロットマシンを世に供給させないようにすることも可能である。
【0055】
(動作フロー)
次に、図11及び図12の動作フローに基づいて、この実施の形態のスロットマシン1の動作について説明する。なお、以下手順を説明する際に、遊技者がメダルを投入し、スタートレバー22を操作して、各停止ボタンスイッチ23を操作することにより、各リール12,13,14が停止するまでを一回のサイクル遊技と称する。また、副表示部21が役の成立を告知するとか、停止ボタンスイッチ23の押し順を告知するか否かの時期は、全ての停止ボタンスイッチ23の入力前に行うことなく、一つ目の停止ボタンスイッチ23を入力した後に、残りの2つの停止ボタンスイッチ23の入力順序をのみを告知することも考えられるが、この実施の形態では、3つの停止ボタンスイッチ23の全ての押し順を告知するように設定している。
【0056】
ます、図11に示すように、遊技を実行するに際して、遊技者がメダル投入口20へメダルを投入するか、何れかのベットボタンスイッチ24により投入操作する(ステップS1:Y)をされたことを制御手段6が検知すると、打止手段46の差枚数カウンタ46Aが記憶手段46Eに記憶された差枚数カウンタ46Aの計数値から投入されたメダルの数を減算処理する(ステップS2)。
【0057】
次に、制御手段6は、その投入されたメダル数に応じて有効ラインを設定する(ステップS3)。
【0058】
そして、遊技者がスタートレバー22を操作すると、スタートレバー22を操作したか否かの判定がなされる(ステップS4)。
【0059】
スタートレバー22が操作されたと制御手段6により判定される(ステップS4:Y)と、既に前述したフラグの持ち越し役であるBB役又はRB役が成立していないかどうかを判断するとともに、BB役又はRB役が既に成立している場合には小役の内部抽選を、既に成立していない場合は、BB役又はRB役を含む内部抽選を制御手段6が実行する(ステップS5)。
【0060】
次に、上記抽選結果に応じて、役が成立した又は既に成立している役を停止させるための押し順を図示しない押し順テーブルから選択し、その選択された押し順に応じた告知表示情報の記憶手段のデータを抽出するとともに(ステップS6)、抽出されたデ゛ータに基づいて副表示部21で事前の告知表示を実行する(ステップS7)。
【0061】
そして、この遊技者が停止ボタンスイッチ23を入力操作するに有用な情報である押し順の告知表示後に、制御手段6はリール12,13,14の回転スタートを実行する(ステップS8)。
【0062】
次に、停止ボタンスイッチ23によって、停止ボタンスイッチの入力操作が検出されると(ステップS9:Y)、リール停止処理(ステップS10)が実行されるが、事前に副表示部21で押し順が告知された場合には、その告知した押し順と一致しているか否かが制御手段6によって判定されて、もし一致していない場合には、例え、遊技者の停止ボタンスイッチ23の入力タイミングが成立している役に応じた図柄を停止させるに良好なタイミングで入力されたとしても、前述した蹴飛ばし制御を実行して、内部抽選で成立した役での入賞を阻止する一方、遊技者の停止ボタンスイッチ23の入力タイミングが良好なタイミングで入力されなかった場合でも前述した引き込み制御の引き込み数を増大制御するリール制御を実行するようにしている(ステップS10)。このように遊技者の腕などによって、役を入賞させるかどうかが異なる遊技性を有し、特に、小役の場合には内部抽選で役が成立してフラグた立っても次の遊技までは持ち越されないことから、同じ状態の遊技をスロットマシンが遊技者に提供してもメダル払出枚数にバラつきが生じることになるのである。
【0063】
そして、全リールの停止処理が完了して全リールが停止すると判断された場合には(ステップS11:Y)、次に、停止した図柄の判定処理を実行する(ステップS12)。
【0064】
そして、停止図柄が内部抽選で既に成立している小役に合致していることが確認されると、その小役に応じた払出処理を実行し、小役が成立していない場合には、払いださない処理を実行する(ステップS14)。
【0065】
前記停止図柄が既に内部的な抽選で成立しているBB役又はRB役に応じた停止図柄で停止した場合(ステップS15)には、特別遊技処理を実行する(ステップS16)。このような特別遊技処理とは、前述したBB役及びRB役に応じた特別遊技である。
【0066】
前述したステップS14の小役の払出処理又はステップS16の特別遊技処理において払出処理を実行された結果に応じて、前記差枚数カウンタによる計数値が、予め記憶手段46Eに記憶された上限払出枚数を超えた場合(ステップS17:Y)に打止処理(ステップS18)を制御手段6の制御の基に実行する。この打止処理が実行されると、前記報知手段としての副表示部21に対して「打ち止め終了です。おめでとうございます。」との表示が前記記憶手段45内に予め記憶された画像データにより制御手段6が実行する。そして、それと同時に、貯留メダル及びクレジットを全てメダル払出し口27より受け皿28に払い出す処理が実行され、それ以後のメダルの投入及び遊技継続が停止される(ステップS20)。
【0067】
この実施の形態では、差枚数が予め設定された予定差枚数に到達するとスロットマシンがそれ以上の遊技を継続できないように停止するようにするだけの制御としているが、これに限らず、前記制御手段6に対して外部出力手段としての通信インタフェースを設け、この通信インターフェースと遊技店のホールコンピュータとを接続し、当該ホールコンピュータと接続された打ち止め報知手段を通じて遊技店員に打ち止めがなされたことを放置して、遊技店が各種のサービスを提供できるように構成することもできる。勿論、単に遊技店のどこかのスロットマシンで打ち止めが発動されたことを報知するだけでなく、どのスロットマシンが打ち出めになったのかの位置情報を前記ホールコンピュータと接続された位置情報表示手段によって表示することにより、大型の遊技店のであっても的確に打ち止めされたスロットマシンを店員が把握し、直ちに、打ち止め後に各種サービスを遊技者に対して提供することができるようになる。
【0068】
続いて、図示しないIDカードの認証データの読み取りのためのカードリーダに新たなIDカードが挿入され、打止手段46の認証手段46Cによって前回の遊技者とは異なる遊技者であることが認証されるか、打止手段46のタイマー手段46Dによってカウントされた時間が所定の時間を越えていた場合には、同じ遊技者と認証しても打止解除処理が実行される。このようにIDカードの認証によって自動的に打止を解除する方式だけでなく、古くから行われているように鍵3Aの操作を制御手段6が認識して手動で打止解除する方式も併用している。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技者の腕によって払出枚数が異なるスロットマシンに好適な打ち止め制御がなされ、より技術介入性が高く遊技の波が大きいようなスロットマシンの設計が法的規制の範囲で容易に設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に関わるスロットマシンの外観斜視図である。
【図2】図1のスロットマシンの正面図である。
【図3】図1のスロットマシンの左側面図である。
【図4】図1のスロットマシンの右側面図である。
【図5】図1のスロットマシンの平面図である。
【図6】図1のスロットマシンの底面図である。
【図7】図1のスロットマシンの背面図である。
【図8】図1のスロットマシンの筐体の内部構造を示す正面図である。
【図9】図5の平面図の扉部3における透明部分を斜線で説明する図である。
【図10】図1のスロットマシンのハードブロック図である。
【図11】図10の打止手段の詳細を示すハードブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態を示すスロットマシンの動作フロー図である。
【図13】この発明の実施の形態を示すスロットマシンの動作フロー図である。
【図14】主表示部の図柄の変動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
6 制御手段
8 主表示部
12 左リール
13 中リール
14 右リール
21 副表示部
22 スタートレバー
23 停止ボタンスイッチ
23A 左リール停止ボタンスイッチ
23B 中リール停止ボタンスイッチ
23C 右リール停止ボタンスイッチ
46 打止手段
Claims (6)
- メダルを投入することを条件として、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、各前記複数の領域において前記所定の図柄が停止した場合に、遊技者にメダルを払い出す制御手段を備えたスロットマシンであって、
前記役は、前記内部抽選によって成立した役が前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有し、
前記制御手段は、前記役の入賞を条件に遊技者に払い出されるメダルと、前記投入されたメダルとの差枚数カウンタの計数値に応じて打止手段を発動させることを特徴とするスロットマシン。 - 前記制御手段には、差枚数可変設定手段を設けてなることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
- 前記制御手段には、前記打止手段による打ち止めの発動とともに、遊技者に対して予め設定した差枚数に達したことを報知する報知手段を設けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスロットマシン。
- 前記制御手段には、前記差枚数カウントの計数値を前記打止手段の発動後に、所定の条件に応じて自動的にリセットとして遊技可能状態に移行せしめるリセット手段を設けてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のスロットマシン。
- 前記制御手段には、前記打止手段による打ち止めの発動を外部に出力するための外部出力手段を設けてなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のスロットマシン。
- メダルを投入することを条件として、複数の図柄を少なくとも3つ以上の領域で変動表示し、内部抽選の抽選結果によって役が成立したことに応じて、遊技者の図柄停止操作入力により前記複数の領域において前記役ごとに設定された所定の図柄で停止制御可能とし、各前記複数の領域において前記所定の図柄が停止した場合に、遊技者にメダルを払い出す制御手段を備えたスロットマシンの遊技制御方法であって、
前記役は、前記内部抽選によって成立した役が前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されなかった場合に、次回以降の前記図柄停止入力によって前記所定の図柄で停止されるまで持ち越される大役と、持ち越されない小役とを有し、
前記制御手段が、前記役の入賞を条件に遊技者に払い出されるメダルと、前記投入されたメダルとの差枚数を差枚数カウンタで計数する段階と、
前記差枚数カウンタで計数された計数値が予め設定された計数値と比較し、当該比較結果に応じて打止手段によって打止制御を実行する段階とを備えることを特徴とするスロットマシンの遊技制御方法。
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