以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(スロットマシン100等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。このスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114とは、後述する入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否かが判定(入賞判定)されるラインのことである。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)114は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっており、入賞ライン114が有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。
図2は、スロットマシン100が備える図柄表示窓113の拡大図である。本実施形態では、左リール110の中段(図柄領域2)、中リール111の中段(図柄領域5)および右リール112の中段(図柄領域8)で構成される中段水平入賞ラインL1と、左リール110の上段(図柄領域1)、中リール111の中段(図柄領域5)および右リール112の下段(図柄領域9)で構成される右下がり入賞ラインL2と、左リール110の下段(図柄領域3)、中リール111の中段(図柄領域5)および右リール112の上段(図柄領域7)で構成される右上がり入賞ラインL3との3つの入賞ラインが設けられている。なお、入賞ライン114の数については3ラインに限定されるものではない。
図1に戻って、告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、ストップボタン137を左ストップボタン、ストップボタン138を中ストップボタン、ストップボタン139を右ストップボタンと称する場合がある。また、ストップボタン137乃至139を、ストップボタン137(左ストップボタン)→ストップボタン138(中ストップボタン)→ストップボタン139(右ストップボタン)の順番で停止操作することを「順押し」、ストップボタン139(右ストップボタン)→ストップボタン138(中ストップボタン)→ストップボタン137(左ストップボタン)の順番で停止操作することを「逆押し」と称する場合がある。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカ272、277(図3参照)の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」や「コマンド情報」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、リセットボタン290の押下を検出するためのリセットボタンセンサ、設定変更ボタン291の押下を検出するための設定変更ボタンセンサ、設定変更キー293の操作を検出するための設定変更キーセンサ、電源スイッチ294のオン/オフ操作を検出するための電源スイッチセンサ等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動するための駆動信号を出力インタフェース(図5や図7に示す主基板第3コネクタ356。詳細は後述)を介してモータ駆動基板に出力する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動するための駆動信号を出力インタフェース(図5や図7に示す主基板第3コネクタ356)を介してモータ駆動基板に出力する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動するための駆動信号を出力インタフェース(図5や図7に示す主基板第3コネクタ356)を介してモータ駆動基板に出力する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動するための駆動信号を出力インタフェース(図5や図7に示す主基板第4コネクタ357。詳細は後述)を介して扉基板に出力する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース(図5や図7に示す主基板第1コネクタ354と主基板第2コネクタ355。詳細は後述)を備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。ただし、主制御部300と第1副制御部400の双方向の通信を可能としてもよい。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェース(図6や図7に示す第1副基板第1コネクタ454と第1副基板第2コネクタ455。詳細は後述)を介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェース(図6や図7に示す第1副基板第3コネクタ457。詳細は後述)を介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェース(図7に示す通信線C5が接続されるコネクタ)を介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
なお、第1副制御部400と第2副制御部500との情報通信は一方向の通信であり、第1副制御部400は第2副制御部500にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第2副制御部500からは第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できないように構成している。ただし、第1副制御部400と第2副制御部500の双方向の通信を可能としてもよい。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<各種制御基板>
次に、図4〜図6を用いて、スロットマシン100の各種制御基板について説明する。図4は、前面扉102を開放してスロットマシン100の内部構造を示した外観斜視図である。
図4に示すように、本体101内部の背面101a上部(リール110〜112の上方)には、上述の主制御部300を構成する主基板350が、主基板ケース352内に収容された状態で配置され、本体101内部の左側面101b上部(リール110〜112の左上方)には、上述の第1副制御部400を構成する第1副基板450が、第1副基板ケース452内に収容された状態で配置されている。また、前面扉102の背面上部(演出装置160の上方)には、上述の第2副制御部500を構成する第2副基板550が、第2副基板552内に収容された状態で配置されている。なお、これらの制御基板(主基板350、第1副基板450、第2副基板550)の配置場所は特に限定されず、例えば、全ての制御基板を本体101内部に収容してもよい。
<制御基板/主基板>
図5は、主基板350と主基板ケース352の分解斜視図である。主基板350は、2つの短辺と2つの長辺からなる長方形形状とされており、2つの長辺のうちの一方には、外側に向けて突出された矩形状の突出部350aが形成されている。主基板350には、上述の基本回路302を構成するマイクロコンピュータなどの電子部品や、コマンドを外部に出力するための主基板第1コネクタ354および主基板第2コネクタ355や、各種の駆動信号を外部に出力するための主基板第3コネクタ356および主基板第4コネクタ357などが実装されている。
主基板第1コネクタ354は、主基板350の突出部350aに配置されているのに対して、主基板第2コネクタ355は、突出部350aとは反対側の長辺近傍に配置されており、主基板第1コネクタ354および主基板第2コネクタ355は、主基板350の短辺の長さに相当する距離だけ離間した位置に対向配置されている。
また、主基板第3コネクタ356は、2つの短辺のうちの一方に配置されているのに対して、主基板第4コネクタ357は、2つの短辺のうちの他方に配置されており、主基板第3コネクタ356および主基板第4コネクタ357は、主基板350の長辺の長さよりもやや短い長さに相当する距離だけ離間した位置に対向配置されている。
主基板ケース352は、底面が略矩形の角皿状である基板収納体352aおよび蓋体352bを組み合わせて構成される箱体であり、その内部空間には、主基板350が収納される。本実施形態では、基板収納体352aと蓋体352bは、それぞれ透光性の樹脂から構成されており、主基板ケース352外部から、主基板ケース352内部に収納された主基板350を視認することが可能となっている。
また、蓋体352bには、主基板第1〜第4コネクタ354〜357を挿通可能な4つの挿通口352b2が、主基板第1〜第4コネクタ354〜357の各々に対応する位置に形成されており、基板収納体352aと蓋体352bが組み合わされた状態において、主基板第1〜第4コネクタ354〜357の通信線接続部が外部に露出するように構成されている。また、蓋体352bの4つの挿通口352b2によって囲まれた部位には、外側に向かって突出する突出部352b3が形成されている。すなわち、基板収納体352aと蓋体352bが組み合わされた状態において、主基板第1コネクタ354と主基板第2コネクタ355は、突出部352b3を間に挟むようにして配置され、主基板第3コネクタ356と主基板第4コネクタ357も、突出部352b3を間に挟むようにして配置されることになる。このような構成により、主基板第1コネクタ354と主基板第2コネクタ355(または、主基板第3コネクタ356と主基板第4コネクタ357)を不正に接続したり、主基板第1コネクタ354と主基板第2コネクタ355(または、主基板第3コネクタ356と主基板第4コネクタ357)に接続される通信線を通る信号から不正に情報を取得するような不正行為を未然に防止できる場合がある。
また、基板収納体352aおよび蓋体352bの上部中央には、ケース用かしめピン352cを挿入して両者を分離できないように封印(かしめ)するためのケース用かしめ部352a1、352b1が、それぞれ4箇所に設けられている。これらのケース用かしめ部352a1、352b1は、基板収納体352aおよび蓋体352bを組み合わせた場合に、基板収納体352aのケース用かしめ部352a1の挿入孔と、蓋体352bのケース用かしめ部352b1の挿入孔が同軸的に配置され、両方の各々の挿入孔が連通するように構成されている。そして、この連通した各々の挿入孔に挿入されたケース用かしめピン352cが、ケース用かしめ部352a1、352b1のそれぞれに取り外し不可能に係止するようになっている。すなわち、ケース用かしめピン352cを挿入することにより、ケース用かしめ部352a1、352b1が互いに分離不可能に結合され、主基板ケース350が封印される。
<制御基板/第1副基板>
図6は、第1副基板450と第1副基板ケース452の分解斜視図である。第1基板450は、2つの短辺と2つの長辺からなる長方形形状とされている。第1副基板450には、上述の基本回路402を構成するマイクロコンピュータなどの電子部品や、コマンドを外部から入力するための第1副基板第1コネクタ454および第1副基板第2コネクタ455や、コマンドを外部との間で入出力するための第3コネクタ456や、その他のコネクタ457などが実装されている。
第1副基板第1コネクタ454は、2つの短辺のうちの一方に配置されているのに対して、第1副基板第2コネクタ455は、2つの短辺のうちの他方に配置されており、第1副基板第1コネクタ454および第1副基板第2コネクタ455は、第1副基板450の長辺の長さよりもやや短い長さに相当する距離だけ離間した位置に対向配置されている。また、第3コネクタ456やその他のコネクタ457は、2つの長辺のうちの一方に並んで配置されている。
第1副基板ケース452は、底面が略矩形の角皿状である基板収納体452aおよび蓋体452bを組み合わせて構成される箱体であり、その内部空間には、第1副基板450が収納される。本実施形態では、基板収納体452aと蓋体452bは、それぞれ透光性の樹脂から構成されており、第1副基板ケース452外部から、第1副基板ケース452内部に収納された第1副基板450を視認することが可能となっている。
また、蓋体452bには、第1副基板第1〜第3コネクタ454〜456やその他のコネクタ457を挿通可能な4つの挿通口452b1が、第1副基板第1〜第3コネクタ454〜456やその他のコネクタ457の各々に対応する位置に形成されており、基板収納体452aと蓋体452bが組み合わされた状態において、第1副基板第1〜第3コネクタ454〜456やその他のコネクタ457の通信線接続部が外部に露出するように構成されている。
<制御基板の接続態様>
次に、図7を用いて、制御基板の接続態様について説明する。なお、同図は、主基板350と第1副基板450の周辺を拡大して示した部分拡大図である。
主基板ケース352に収容された主基板350は、本体101内部の背面101aに固定され、主基板ケース352から露出する4つの主基板第1〜第4コネクタ354〜357には、それぞれ異なる通信線C1〜C4が接続されている。一方、第1副基板ケース452に収容された第1副基板450は、本体101内部の左側面101bに、主基板350とは離間した位置に固定され、第1副基板ケース452から露出する2つの第1副基板第1〜第3コネクタ454〜456およびその他のコネクタ457には、それぞれ異なる通信線C1〜C2、C5などが接続されている。
より具体的には、主基板350の主基板第1コネクタ354には、通信線C1の一端側に配設されたハウジングC1aが接続され、第1副基板450の第1副基板第1コネクタ454には、通信線C1の他端側に配設されたハウジングC1bが接続されている。すなわち、主基板350と第1副基板450は通信線C1(ハウジングC1a、ハウジングC1bを含む)によって電気的に接続され、これにより主制御部300と第1副制御部400との通信を可能としている。
主基板350の主基板第2コネクタ355には、通信線C2の一端側に配設されたハウジングC2aが接続され、第1副基板450の第1副基板第2コネクタ455には、通信線C2の他端側に配設されたハウジングC2bが接続されている。すなわち、主基板350と第1副基板450は、通信線C1に加え、通信線C2(ハウジングC2a、ハウジングC2bを含む)によっても電気的に接続され、これにより主制御部300と第1副制御部400との通信を可能としている。
また、通信線C1は、ハウジングC1aを基点として主基板第1コネクタ354から上方に向けて折り曲げられた後にさらに第1副基板450の方向に折り曲げられ、背面101aに設けられた2つの支持部370と左側面101bに設けられた2つの支持部370を通過して直線的に配線された後、下方に折り曲げられて、ハウジングC1bを終点として第1副基板第1コネクタ454に接続されている。一方、通信線C2は、ハウジングC2aを基点として主基板第2コネクタ355から下方に向けて折り曲げられた後にさらに第1副基板450の方向に折り曲げられ、背面101aに設けられた2つの支持部370と左側面101bに設けられた2つの支持部370を通過して直線的に配線された後、上方に折り曲げられてハウジングC2bを終点として第1副基板第2コネクタ455に接続されている。
すなわち、通信線C1と通信線C2は、主基板第1コネクタ354と主基板第2コネクタ355の間隔(主基板350の短手方向の間隔とほぼ同一の間隔)、および第1副基板第1コネクタ454と第1副基板第2コネクタ455の間隔(第1副基板450の長手方向の間隔よりもやや短い間隔)以上の間隔を保って配線されている。このような構成とすれば、不正器具を用いてコマンド情報を取得しようとしたときに、間隔が広い通信線C1と通信線C2の両方に不正器具を接続しなければならないため、不正器具の設置が困難で不正行為を未然に防止することができ、たとえ不正器具が設置されたとしても不正器具を容易に発見することができる場合がある。
主基板350の主基板第3コネクタ356には、通信線C3の一端側が接続され、上述の図示しないモータ駆動基板などのコネクタには、通信線C3の他端側が接続されている。すなわち、主基板350とモータ駆動基板などは通信線C3によって電気的に接続され、これにより主制御部300とモータ駆動基板などとの通信を可能としている。
主基板350の主基板第4コネクタ357には、通信線C4の一端側が接続され、上述の図示しない扉基板などのコネクタには、通信線C4の他端側が接続されている。すなわち、主基板350と扉基板などは通信線C4によって電気的に接続され、これにより主制御部300と扉基板などとの通信を可能としている。
なお、詳細な図示は省略するが、第1副基板450の第3コネクタ456には、通信線C5の一端側が接続され、前面扉102の背面上部に配置された第2副基板550のコネクタには、通信線C5の他端側が接続されている。すなわち、第1副基板450と第2副基板550は、通信線C5によって電気的に接続され、これにより第1副制御部400と第2副制御部500との通信を可能としている。また、第1副基板450のその他のコネクタ457と、図示しない電源基板、液晶制御基板、各種照明基板(各種ランプ420などを制御する基板)なども通信線によって電気的に接続され、これにより第1副制御部400と、電源基板、液晶制御基板、各種照明基板などとの通信を可能としている。
<図柄配列>
次に、図8を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置(図柄位置)を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の2番の図柄位置には「セブン1図柄」、中リール111の0番の図柄位置には「ベル図柄」、右リール112の1番の図柄位置には「リプレイ図柄」、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図9を用いて、スロットマシン100の入賞役(条件装置)の種類について説明する。なお、同図は、入賞役(条件装置)、入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出し(メダルの払出枚数)、および備考を示した図である。ここで、本実施形態における入賞役のうち、特別役は特別遊技に移行する役として、また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、これらの作動役も含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、特別役(ボーナス役)に分類される特別役1〜2と、一般役に分類される再遊技役1〜4および小役1〜6がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
<入賞役の種類/特別役>
「特別役1」(以下、「BB(ビッグボーナス)」と称する場合がある)は、入賞によって遊技状態がBB遊技状態(RT4)に移行し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。本実施形態では、BBに対応する図柄組合せは、「セブン1図柄−セブン1図柄−セブン1図柄」である。
また、BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)とともに、遊技状態が特別役1内部当選状態(RT3)に移行するが、この特別役1内部当選状態(RT3)においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でも特別役1内部当選状態(RT3)が維持され、BBに対応する図柄組合せが揃ってBBに入賞する状態にある。
「特別役2」(以下、「SB(シングルボーナス)」と称する場合がある)は、入賞によって遊技状態が1回の遊技だけSB遊技状態に移行し、シングルボーナス遊技(SB遊技)が開始される特別役(作動役)である。本実施形態では、SBに対応する図柄組合せは、「ブランク2図柄−ベル図柄−ベル図柄」である。
<入賞役の種類/一般役>
「再遊技役1〜4」は、入賞によって、前回の遊技で投入した枚数と同じ枚数の遊技を、メダルを投入することなく行うことができる入賞役(作動役)である。なお、以下、再遊技役1〜4を総称して「再遊技役」、再遊技役1を「リプレイ」、再遊技役2を「パンクリプレイ」、再遊技役3を「制御リプレイ1」、再遊技役4を「制御リプレイ2」と称する場合がある。また、再遊技役1〜4に対応する図柄組合せおよび払出しは同図に示す通りである。
主制御部300における遊技状態の遷移(RT遷移)については後述するが、「再遊技役1(リプレイ)」は、入賞によって遊技状態を他の遊技状態に移行させない役であり、「再遊技役2(パンクリプレイ)」は、入賞によって遊技状態を再遊技低確率状態(RT0)に移行させる役であり、「再遊技役3(制御リプレイ1)」および「再遊技役4(制御リプレイ2)」は、制御用リプレイである。
「小役1〜6」は、入賞によって所定数のメダル(本実施形態では、最大10枚)が払い出される入賞役で、対応する図柄組合せおよび払出しは同図に示す通りである。なお、小役1に対応する図柄組合せ「ANY−チェリー−ANY」の場合、ANYで示される図柄はどの図柄でもよいことを示している。
また、図9の下段に示す「SBこぼし目」は、上述の逆押しで特別役2(SB)に対応する図柄組合せを狙ったときに当該特別役2(SB)の取りこぼしによって、対応する「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが入賞ラインに停止表示される。再遊技低確率状態(RT0)において当該図柄組合せが停止表示された場合、遊技状態が再遊技高確率状態(RT1)に移行するが、メダルの払出しは行われない。
<入賞役の抽選値>
次に、図10を用いて、入賞役の抽選値について説明する。なお、同図は、条件装置の名称、RTモード別の内部当選確率、および備考を示した図である。
詳細は後述するが、スロットマシン100の遊技状態は、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率状態(RT1)、特別役1内部当選状態(RT2)、BB遊技状態(RT3)の4種類があり、各々の遊技状態ごとに(RTモード別)に入賞役の内部当選確率が予め定められている。なお、以下、遊技状態を単にRT0〜RT3と称する場合がある。
各々の入賞役の内部当選確率は、条件装置の組合せに対応付けされた抽選値を、内部抽選時に取得される乱数値の数値範囲の大きさ(本実施形態では65535)で除した値で求められる。一例を挙げると、RT0〜RT1における特別役1(BB)の内部当選確率は、それぞれ256/65536であり、RT0における再遊技役1(リプレイ)の内部当選確率は、9362/65536、RT1における再遊技役1(リプレイ)の内部当選確率は、17100/65536、RT2における再遊技役1(リプレイ)の内部当選確率は、32768/65536であることを示している。
これらの抽選値は、乱数値の数値範囲(本実施形態では0〜65535)のうちのいずれかの数値範囲に予め対応付けされており、主制御部300は、得られた乱数値が、いずれの入賞役に対応する抽選値であったかを判定して内部抽選役を決定する役抽選処理を行う。また、抽選値は少なくとも1つの入賞役の内部当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
同図に示す内容を例示すると、NO1の特別役1(BB)およびNO2の特別役2(SB)は、遊技状態がRT0〜RT1の場合にのみ内部当選可能とされている。NO3の再遊技役1(リプレイ1)は、遊技状態がRT0〜RT2の場合にのみ内部当選可能とされている。また、この再遊技役1(リプレイ1)は、ストップボタン137〜139の押し順に関係なくリプレイに入賞するように構成される。
NO4の再遊技役1、2(リプレイ1、2)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役2(パンクリプレイ)の組合せであり、遊技状態がRT1の場合にのみ内部当選(重複当選、同時当選)可能とされている。また、この再遊技役1、2(リプレイ1、2)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって左リール110を停止させた場合(第1停止左の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、第1停止操作によって左リール110以外を停止させた場合には再遊技役2(パンクリプレイ)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ1」とも称される。
NO5の再遊技役1、2、3(リプレイ1、2、3)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役2(パンクリプレイ)、再遊技役3(制御リプレイ1)の組合せであり、遊技状態がRT1の場合にのみ内部当選(重複当選、同時当選)可能とされている。また、この再遊技役1、2、3(リプレイ1、2、3)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって中リール111を停止させた場合(第1停止中の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、第1停止操作によって中リール111以外を停止させた場合には再遊技役2(パンクリプレイ)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ2」とも称される。
NO6の再遊技役1、2、4(リプレイ1、2、4)は、再遊技役1(リプレイ)、再遊技役2(パンクリプレイ)、再遊技役4(制御リプレイ2)の組合せであり、遊技状態がRT0の場合にのみ内部当選(重複当選、同時当選)可能とされている。また、この再遊技役1、2、4(リプレイ1、2、4)は、対応する備考の項目に示すように、第1停止操作によって右リール112を停止させた場合(第1停止右の場合)には再遊技役1(リプレイ)に入賞し、第1停止操作によって右リール112以外を停止させた場合には再遊技役2(パンクリプレイ)に入賞するように構成され、「押し順リプレイ3」とも称される。NO7の小役1(チェリー)およびNO8の小役2(スイカ)は、全ての遊技状態で内部当選可能とされている。
NO9の小役3(青ベル)は、遊技状態がRT0〜RT2の場合にのみ内部当選可能とされている。この小役3(青ベル)は、左リール110に施されたセブン2図柄(青7図柄)が有効ライン上に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲内にあるときに、左リール110を停止させた場合に、「セブン2図柄(青7図柄)−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、10枚のメダルが払出しされる。一方、左リール110に施されたセブン2図柄(青7図柄)が有効ライン上に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲外にあるときに、左リール110を停止させた場合に、ベルこぼし目に対応する「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示される。この小役3(青ベル)は、「3択ベル1」とも称される。
NO10の小役4(赤ベル)は、遊技状態がRT0〜RT2の場合にのみ内部当選可能とされている。この小役4(赤ベル)は、左リール110に施されたセブン1図柄(赤7図柄)が有効ライン上に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲内にあるときに、左リール110を停止させた場合に、「セブン1図柄(赤7図柄)−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、10枚のメダルが払出しされる。一方、左リール110に施されたセブン1図柄(赤7図柄)が有効ライン上に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲外にあるときに、左リール110を停止させた場合に、ベルこぼし目に対応する「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示される。この小役4(赤ベル)は、「3択ベル2」とも称される。
NO11の小役5(黒ベル)は、遊技状態がRT0〜RT2の場合にのみ内部当選可能とされている。この小役5(黒ベル)は、左リール110に施されたBAR図柄(黒BAR図柄)が有効ライン上に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲内にあるときに、左リール110を停止させた場合に、「BAR図柄(黒BAR図柄)−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、10枚のメダルが払出しされる。一方、左リール110に施されたBAR図柄(黒BAR図柄)が有効ライン上に停止表示することが可能な引き込み範囲の範囲外にあるときに、左リール110を停止させた場合に、ベルこぼし目に対応する「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示される。この小役5(黒ベル)は、「3択ベル3」とも称される。
NO12の小役6(1枚小役)は、全ての遊技状態で内部当選可能とされている。NO13の小役3、4、5(青ベル、赤ベル、黒ベル)は、遊技状態がRT3の場合に内部当選(重複当選、同時当選)可能とされ、左リール110を停止させた停止操作の態様(目押し位置)に応じて、「セブン2図柄(青7図柄)/セブン1図柄(赤7図柄)/BAR図柄(黒BAR図柄)−ベル図柄−ベル図柄」のうち、いずれかの図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、10枚のメダルが払出しされる。
<主制御部のRT遷移>
次に、図11を用いて、主制御部300の遊技状態の遷移(RT遷移)について説明する。なお、同図は主制御部のRT遷移の一例を示した図である。上述のとおり、スロットマシン100の遊技状態は、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率状態(RT1)、特別役1内部当選状態(RT2)、BB遊技状態(RT3)の5種類がある。
<再遊技低確率状態(RT0)>
再遊技低確率状態(RT0)は、スロットマシン100の電源投入後やリセット後に最初に移行する初期の遊技状態であり、通常遊技状態とも称される。再遊技低確率状態(RT0)の内容は特に限定されないが、本実施形態では、入賞役の内部抽選の結果が概ねハズレとなる設定、または、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされているとともに、再遊技役の内部当選確率が低確率に設定され、当該遊技状態において獲得可能なメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態である。よって、遊技者にとっては、後述する再遊技高確率状態やBB遊技状態などに比べて不利となる遊技状態である。
この再遊技低確率状態(RT0)では、SBこぼし目の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に再遊技高確率状態(RT1)に移行する。
<再遊技高確率状態(RT1)>
再遊技高確率状態(RT1)は、再遊技役の内部当選確率が再遊技低確率状態(RT0)よりも高確率に設定され、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態である。よって、遊技者にとっては、上述の再遊技低確率状態に比べて有利となる遊技状態である。
この再遊技高確率状態(RT1)では、再遊技役2(パンクリプレイ)の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に再遊技低率状態(RT0)に移行し、特別役1(BB)に内部当選した場合に特別役1内部当選状態(RT2)に移行する。
<特別役1内部当選状態(RT2)>
特別役1内部当選状態(RT2)は、上述した再遊技低確率状態(RT0)または再遊技高確率状態(RT1)において、特別役1(BB)に内部当選した場合に移行する遊技状態であり、特別役1(BB)に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止表示させることが可能となっている遊技状態である。この特別役1内部当選状態(RT2)では、特別役1(BB)に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合にBB遊技状態(RT3)に移行し、BB遊技が開始される。
<BB遊技状態(RT3)>
BB遊技状態(RT3)は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態であり、遊技者にとっては、上述の再遊技低確率状態や再遊技高確率状態に比べて有利となる遊技状態である。BB遊技状態(RT3)の内容は特に限定されないが、本実施形態では、上述の小役3、4、5に高確率で内部当選することによって小役3、4、5に対応するメダルの払出しを受けることが可能で、予め定められた規定枚数(本実施形態では、BBが294枚)を超えるメダルの払出しを行った場合に再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
<主制御部メイン処理>
次に、図12を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
この主制御部メイン処理は、スロットマシン100に電源が投入されたときや、主制御300のシステムリセットが解除されたときなどに開始される処理である。最初に、ステップS101では、I/O310の初期化、RAM308の初期化などを含む初期設定処理を行うとともに、電源投入後や設定変更後には、第1副制御部400に対して設定変更コマンドを送信する準備を行う。なお、主制御部300が第1副制御部400に送信するコマンドの詳細については<主制御部のコマンド>で詳細に説明する。
続いて、ステップS102では、第1副制御部400に対して遊技開始コマンドを送信する準備を行った後に、メダルの投入の有無やスタートレバー135の操作の有無をチェックし、次のステップS103では、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させ、有効な入賞ラインを確定する。また、ステップS102では、メダルの投入を検出した場合には、第1副制御部400に対してメダル投入コマンドを送信する準備を行い、スタートレバー135の操作を受付けた場合には、第1副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドと演出情報コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。
ステップS104では、乱数取得処理を行う。この乱数取得処理では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得した後に、ステップS105に進む。ステップS105では、入賞役内部抽選を行う。この入賞役内部抽選では、ステップS104の乱数取得処理で取得した乱数値が、上述のいずれかの入賞役に対応する抽選値であったかどうかを判定して内部抽選役を決定し、この内部当選役を示す内部当選役情報をRAM308に記憶する。また、抽選で決定した入賞役(内部当選した入賞役)の情報を含む内部抽選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS106では、リール停止データ選択処理を行う。このリール停止データ選択処理では、ステップS105の入賞役内部抽選の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択し、次のステップS107では、全てのリール110〜112の回転を開始するとともに、第1副制御部400に対して回胴回転開始コマンドを送信する準備を行う。
ステップS108では、ストップボタン137〜139が操作されたか否かのチェックを行い、上述の第1停止操作を受付けた場合には、第1副制御部400に対して第1停止操作によって停止されたリールの情報を含む停止ボタン1受付コマンドを送信する準備を行い、上述の第2停止操作を受付けた場合には、第1副制御部400に対して第2停止操作によって停止されたリールの情報を含む停止ボタン2受付コマンドを送信する準備を行い、上述の第3停止操作を受付けた場合には、第1副制御部400に対して第3停止操作によって停止されたリールの情報を含む停止ボタン3受付コマンドを送信する準備を行う。
また、このステップS108では、全てのリール110〜112が停止したか否かを判定し、全てのリール110〜112が停止した場合には次のステップS109に進む。ステップS109では、表示判定処理を行う。この表示判定処理では、有効ラインL1〜L3上に何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合に、その入賞役に入賞したと判定するとともに、第1副制御部400に対して表示判定コマンドを送信する準備を行う。ステップS110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数や遊技状態に応じて払い出すとともに、第1副制御部400に対して表示演出コマンドを送信する準備を行う。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、上述のRT0〜RT3の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行させる。また、更新した遊技状態(RT0〜RT3)の情報を含む遊技状態更新コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。以上により1ゲームが終了し、以降、ステップS102〜S111の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図13を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.504msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS202では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.504msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。また、精算ボタン134に対応する信号状態記憶領域に検出信号ありの情報が記憶された場合(精算ボタン134の操作を受付けた場合)には、精算ボタンコマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
ステップS204では、各種遊技処理を行う。この各種遊技処理では、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。ステップS205では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、各種タイマを更新(カウントアップまたはカウントダウン)する処理を行う。
ステップS206では、コマンド設定送信処理を行い、これにより各種のコマンド情報が第1副制御部400に送信される。コマンド情報のデータ構成の詳細については、<コマンド情報のデータ構成>において後述するが、1つのコマンド情報は、2バイト(16ビット)長の第1コマンドおよび第2コマンドによって構成され、このステップS206では、コマンド情報を16ビットのデータ幅を有する通信線C1または通信線C2のいずれか一方を用いたパラレル通信によって、第1コマンド→第2コマンドの順番で2回に分けて第1副制御部400に送信する処理を行う。また、コマンド情報の送信手順の詳細については、<コマンド情報の送信手順>において後述するが、このステップS206では、1つのコマンド情報を2つの通信線C1と通信線C2を交互に用いて第1副制御部400に送信する処理や、認証用パスワードの設定処理等を行う。
なお、本実施形態では、1つのコマンド情報を2つの通信線C1と通信線C2を交互に用いて第1副制御部400に送信するように構成しているが、例えば、コマンドを送信する度に2つの通信線C1と通信線C2から1つの通信線をランダムに選択し、選択した通信線を用いてコマンド情報を送信してもよいし、遊技台の電源投入時に2つの通信線C1と通信線C2から1つの通信線を選択し、遊技台の電源が遮断されるまで、選択した通信線を用いてコマンド情報を送信してもよい。また、通信線の数も2つに限定されるものではなく、3つ以上でもよい。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS207では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS208では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理(例えば、ステップS207で送信するエラー発生コマンドの送信準備を行う処理)を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS209では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS211に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS210に進む。
ステップS210では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定する処理等を行う。その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS211では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。
<主制御部のコマンド>
次に、主制御部300が第1副制御部400に送信するコマンドについて説明する。図14は、主制御部300が第1副制御部400に送信するコマンドの種別と、コマンド送信の外部契機と、コマンド名と、コマンドの上位および下位バイトの数値と、下位バイトの内容を示した図である。
主制御部300が送信するコマンド情報は、「例外」と「遊技中」の2種類に大別することができ、コマンド種別の「例外」には、同図に示す2種類のコマンドが含まれる。例えば、設定変更コマンドは、電源投入や設定変更を契機として送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、設定変更中を表す情報や設定変更終了を表す情報が設定される。なお、固定値については図14に示す通りであるため、以下、その説明は省略する。エラー発生コマンドは、エラーの発生を契機として送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、扉開放中やホッパーエラーなどのエラー状態を表す情報が設定される。
また、コマンド種別の「遊技中」には、同図に示す12種類のコマンドが含まれ、例えば、遊技開始コマンドは、遊技開始を契機として(例えば、上記ステップS102のメダル投入・スタート操作受付処理の実行開始直後に)送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、再遊技の作動の有無を表す情報が設定される。メダル投入コマンドは、メダル投入を契機として(例えば、上記ステップS102のメダル投入・スタート操作受付処理においてメダルの投入を検出した場合に)送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、投入メダル数を表す情報が設定される。精算ボタンコマンドは、精算ボタン134の受付を契機として(例えば、上記ステップS203の入力ポート状態更新処理において精算ボタン134の操作を受付けた場合に)送信されるコマンドである。
スタートレバー受付コマンドは、スタートレバー135の受付を契機として(例えば、上記ステップS102のメダル投入・スタート操作受付処理においてスタートレバー135の操作を受付けた場合に)送信されるコマンドであり、下位バイトにはメダルの投入枚数(この例では3)が設定される。演出情報コマンドは、スタートレバー135の受付を契機として(例えば、上記ステップS102のメダル投入・スタート操作受付処理においてスタートレバー135の操作を受付けた場合に)送信されるコマンドであり、3種類のコマンドが連続して送信される。具体的には、上位バイトが固定値(14H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに6段階設定値を表す情報が設定されるコマンド1と、上位バイトが固定値(15H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに遊技状態1〜4(RT0〜RT3)を表す情報が設定されるコマンド2と、上位バイトが固定値(16H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに内部当選役を表す情報が設定されるコマンド3が、この順番で送信される。
回胴回転開始コマンドは、スタートレバー135の受付を契機として(例えば、上記ステップS106のリール停止データ選択処理においてスタートレバー135の受付を契機として全てのリール110〜112の回転を開始した場合に)送信されるコマンドである。停止ボタン1受付コマンドは、停止ボタン1の受付(上述の第1停止操作)を契機として(例えば、上記ステップS108のリール停止制御において第1停止操作を受付けた場合に)送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、第1停止操作されたストップボタンに関する情報が設定される。停止ボタン2受付コマンドは、停止ボタン2の受付(上述の第2停止操作)を契機として(例えば、上記ステップS108のリール停止制御において第2停止操作を受付けた場合に)送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、第2停止操作されたストップボタンに関する情報が設定される。停止ボタン3受付コマンドは、停止ボタン3の受付(上述の第3停止操作)を契機として(例えば、上記ステップS108のリール停止制御において第3停止操作を受付けた場合に)送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、第3停止操作されたストップボタンに関する情報が設定される。
表示判定コマンドは、全回胴停止後(全てのリール110〜112の停止後)、ストップボタン137〜139が離されたことを契機として(例えば、上記ステップS109の表示判定処理においてストップボタン137〜139が離されたことを検出した場合に)送信されるコマンドであり、可変値の下位バイトには、表示結果(有効ラインL1〜L3上に停止表示された図柄組合せに関する情報)が設定される。
表示演出コマンドは、払い出しのある何らかの入賞役に入賞した場合にメダルの払い出しが終了したことを契機として(例えば、上記ステップS110のメダル払出しにおいてメダルの払い出しが終了した場合に)送信されるコマンドである。遊技状態更新コマンドは、払い出しのある何らかの入賞役に入賞した場合にメダルの払い出しが終了したことを契機として(例えば、上記ステップS110のメダル払出しにおいてメダルの払い出しが終了した場合に)送信されるコマンドであり、4種類のコマンドが連続して送信される。具体的には、上位バイトが固定値(22H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに遊技状態1〜4(RT0〜RT3)を表す情報が設定されるコマンド1と、上位バイトが固定値(50H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに役物入賞残回数を表す情報が設定されるコマンド2と、上位バイトが固定値(51H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに役物遊技残回数を表す情報が設定されるコマンド3と、上位バイトが固定値(52H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに役連中獲得メダル枚数を表す情報が設定されるコマンド4が、この順番で送信される。
<コマンド情報のデータ構成>
次に、コマンド情報のデータ構成について説明する。図15(a)は、コマンド情報のデータ構成例を示した図である。
1つのコマンド情報は、2バイト(16ビット)長の第1コマンドおよび第2コマンドによって構成され、第1コマンドの上位1バイト(8ビット)には、1ビット長のストローブ信号の情報と7ビット長のコマンド種別の情報が設定され、下位1バイト(8ビット)には、データ値(内容)が設定される。
また、第2コマンドの上位1バイト(8ビット)には、8ビット長のコマンド種別(パスワード)の情報が設定され、下位1バイト(8ビット)には、4ビット長の次回用パスワードの情報と4ビット長の認証用パスワードの情報が設定される。ここで、次回用パスワードには、コマンド種別(パスワード)に基づいてコマンドの送信毎に決定される4ビットの乱数値が設定され、認証用パスワードには、直前に送信したコマンド情報に含まれる次回用パスワードと同一の情報が設定される。
主制御部300は、コマンド情報を、16ビットのデータ幅を有する通信線C1または通信線C2のいずれか一方を用いたパラレル通信によって、第1コマンド→第2コマンドの順番で2回に分けて主制御部300から第1副制御部400に送信する。
<コマンド情報の送信手順>
次に、主制御部300におけるコマンド情報の送信手順について説明する。図15(b)は、主制御部300が演出情報コマンドを通信線C1と通信線C2を介して第1副制御部400に送信した場合の送信手順の一例を示した図である。
上述のとおり、演出情報コマンドは、スタートレバー135の受付を契機として、3種類のコマンド、すなわち、上位バイトが固定値(14H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに6段階設定値を表す情報が設定されるコマンド1と、上位バイトが固定値(15H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに遊技状態1〜4(RT0〜RT3)を表す情報が設定されるコマンド2と、上位バイトが固定値(16H)に設定され、かつ可変値の下位バイトに内部当選役を表す情報が設定されるコマンド3を、この順番で連続して送信するコマンドである。
この例では、主制御部300は、コマンド1の第1コマンド(コマンド種別=14H、データ値=設定値)と第2コマンド(コマンド種別(パスワード)、認証用パスワード、次回用パスワード)を通信線C1を介して第1副制御部400に送信している。
続いて、主制御部300は、コマンド2の第1コマンド(コマンド種別=15H、データ値=遊技状態)と第2コマンド(コマンド種別(パスワード)、認証用パスワード、次回用パスワード)を、コマンド1の送信で用いた通信線C1とは異なる通信線C2を介して第1副制御部400に送信している。
ここで、主制御部300は、コマンド2の第2コマンドに含まれる認証用パスワードとして、前回のコマンド(この例では、演出情報コマンドのコマンド1)の第2コマンドに含まれる次回用パスワードと同一のパスワードを設定するようにしている。このため、第1副制御部400は、前回受信したコマンドに含まれていた次回用パスワードと、今回受信したコマンドに含まれている認証用パスワードを照合することによって、今回受信したコマンドが主制御部300から送信された正規なコマンドであるかどうかを確認することができ、例えば、パスワードが一致しない不正なコマンドを排除したり、不正なコマンドの受信に基づいて所定の処理(例えば、エラー処理)を行ったりすることができる(詳細は後述)。
続いて、主制御部300は、コマンド3の第1コマンド(コマンド種別=16H、データ値=内部当選役)と第2コマンド(コマンド種別(パスワード)、認証用パスワード、次回用パスワード)を、コマンド2の送信で用いた通信線C2とは異なる通信線C1を介して第1副制御部400に送信している。
すなわち、この例では、主制御部300は、コマンドを2つの通信線C1と通信線C2を交互に用いて第1副制御部400に送信するように構成している。このため、第1副制御部400は、受信したコマンドが2つの通信線C1と通信線C2を用いて交互に送信されているか否か(コマンドの送信手順が正しいかどうか)を確認することによって、今回受信したコマンドが主制御部300から送信された正規なコマンドであるかどうかを確認することができ、例えば、通信線C1または通信線C2の一方を用いて連続送信されるような不正なコマンドを排除したり、不正なコマンドの受信に基づいて所定の処理(例えば、エラー処理)を行ったりすることができる。
なお、コマンドを2つの通信線C1と通信線C2を交互に用いて第1副制御部400に送信するように構成した場合に、一方の通信線を用いて正規のコマンドを送信しているときに、他方の通信線を用いてダミーのコマンドを送信するように構成してもよい。このよな構成とすれば、正規のコマンドとダミーのコマンドの区別が困難で、たとえ解析を試みたとしても解析に多大な時間を要するため、不正にコマンドを取得するような行為を防止できる場合がある。
<第1副制御部400の処理>
次に、図16を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
スロットマシン100に電源が投入され、第1副制御部400に電源が供給されると、第1副制御部400のCPU404にて、同図(a)に示すメイン処理が実行される。まず、ステップS301では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS302では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS303の処理に移行する。ステップS303では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS304では、第1副制御部コマンド処理を行う(詳細は後述)。ステップS305では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップS304で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出指示情報をRAM408から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS306では、ステップS305の処理結果に基づいて音制御処理を行う。この音制御処理では、例えば、ステップS305で読み出した演出指示情報の中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS307では、ステップS305の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、例えば、ステップS305で読み出した演出指示情報の中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS308では、ステップS305の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS305で読み出した演出指示情報の中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合(演出画像表示装置157に関する情報などがある場合)には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS302に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS501では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS501では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS302において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS302において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。また、ステップS502では、ステップS308で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第1副制御部コマンド処理>
次に、図17を用いて、上述の第1副制御部メイン処理の第1副制御部コマンド処理(ステップS304)について詳細に説明する。なお、同図は第1副制御部コマンド処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS601では、上述のコマンド記憶領域を参照し、主制御部300から受信したコマンドの中に未処理のコマンドがあるか無いかを判定し、未処理のコマンドがある場合にはステップS602に進み、未処理のコマンドが無い場合には処理を終了する。
ステップS602では、RAM408に設けた次回用パスワード記憶領域に記憶されている次回用パスワードと、コマンド記憶領域に新たに記憶されたコマンドに含まれる認証用パスワードを比較し、ステップS603では、次回用パスワードと認証用パスワードが一致した場合には、コマンド記憶領域に新たに記憶されたコマンドに含まれる次回用パスワードを、上述の次回用パスワード記憶領域に記憶した後に(次回用パスワードを更新した後に)ステップS604に進み、次回用パスワードと認証用パスワードが一致しない場合にはステップS607に進む。
ステップS604では、コマンド情報に含まれるコマンド種別を取得し、ステップS605では、ステップS604で取得したコマンド種別が、連送コマンド(例えば、演出情報コマンド、遊技状態更新コマンド)のうちの途中のコマンド(例えば、演出情報コマンドの場合には14H,15H、遊技状態更新コマンドの場合には22H,50H,51H)であるかどうかを判定し、該当する場合にはステップS601に戻ってコマンド処理を継続し、該当しない場合にはステップS606に進む。
ステップS606では、コマンドに応じた処理ジャンプする。ここで、「コマンドに応じた処理」としては、主制御部300から遊技開始コマンドを受信した場合に実行される遊技開始時処理、主制御部300からメダル投入コマンドを受信した場合に実行されるメダル投入時処理、主制御部300から精算ボタン受付コマンドを受信した場合に実行される精算ボタン受付時処理、主制御部300からスタートレバー受付コマンドを受信した場合に実行されるスタートレバー受付時処理、主制御部300から演出情報コマンド(連送コマンド)を受信した場合に実行される内部抽選時処理、主制御部300から停止ボタン1〜3受付コマンドを受信した場合に実行される停止ボタン1〜3受付時処理、主制御部300から表示判定コマンドを受信した場合に実行される表示判定時処理、主制御部300から表示演出コマンドを受信した場合に実行される表示演出時処理、主制御部300から遊技状態更新コマンド(連送コマンド)を受信した場合に実行される遊技状態更新時処理などが挙げられる。
また、ステップS607では、エラー処理を行う。このエラー処理では、例えば、第2副制御部500に対して演出画像表示装置157を用いてエラー表示を行うように指令を出したり、各種ランプ420を点滅させたり、スピーカ272、277からエラーを知らせる音を出力するなどの処理を行う。
<内部抽選時処理>
次に、図18(a)を用いて、上述の第1副制御部コマンド処理のステップS604で実行される処理の一つである内部抽選時処理について詳細に説明する。なお、同図(a)は内部抽選時処理の流れを示すフローチャートである。
この内部抽選時処理は、主制御部300から演出情報コマンドを受信した場合に実行する処理である。具体的には、ステップS701では、演出情報コマンドに含まれる内部当選役の情報を、RAM408に設けた内部抽選情報に記憶して内部抽選情報を更新する。ステップS702では、AT抽選処理を行い(詳細は後述)、ステップS703では、演出情報コマンドに含まれる遊技状態の情報に基づいて遊技状態に合わせた演出の設定を行うなど、演出情報コマンドに基づくその他の処理を実行した後に処理を終了する。
<AT抽選処理>
次に、図18(b)を用いて、上述の内部抽選時処理におけるAT抽選処理(ステップS702)について詳細に説明する。なお、同図(b)はAT抽選処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS801では、BB遊技中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップS802に進み、該当しない場合にはステップS805に進む。ステップS802では、上述の内部抽選情報を参照して小役6(1枚小役)に当選したか否かを判定し、該当する場合にはステップS804に進み、該当しない場合にはステップS803に進む。ステップS803では、上述の内部抽選情報を参照してハズレに当選したか否かを判定し、該当する場合にはステップS804に進み、該当しない場合には処理を終了する。ステップS804では、AT遊技をセットした後に処理を終了する。
ステップS805では、上述の内部抽選情報を参照して小役6(1枚小役)に当選したか否かを判定し、該当する場合にはステップS806に進み、該当しない場合には処理を終了する。ステップS806では、AT抽選を実行し、ステップS807では、AT抽選に当選した場合にはステップS804に進んでAT遊技をセットした後に処理を終了し、AT抽選に当選しなかった場合には処理を終了する。
<第2副制御部500の処理>
次に、図19を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
スロットマシン100に電源が投入され、第2副制御部500に電源が供給されると、第2副制御部500のCPU504にて、同図(a)に示すメイン処理が実行される。
ステップS901では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップS902では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS903の処理に移行する。
ステップS903では、タイマ変数に0を代入する。ステップS904では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS905では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップS904で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS906では、ステップS905の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS905で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS907では、ステップS905の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS905で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS902に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS1001では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS1101では、第2副制御部メイン処理におけるステップS902において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS902において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS1102では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS907の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS1201では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS1202では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS1203に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS1203では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS1201でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS1204では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS1205では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS1206に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS1206では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<他の実施形態>
上記実施形態1では、主制御部300は、16ビットのデータ幅を有する通信線C1または通信線C2のいずれか一方を用いたパラレル通信によって、第1コマンド→第2コマンドの順番で主制御部300から第1副制御部400に送信する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図20は、シリアル通信によってコマンド情報を送信する場合のコマンド情報のデータ構成例を示した図である。この例では、1つのコマンド情報は、1バイト(8ビット)長のコマンド種別に、各々が1ビット長のストップビット、パリティビット、およびスタートビットを付加した11ビット長の第1コマンドと、8ビット長のデータ値(内容)の情報に、各々が1ビット長のストップビット、パリティビット、およびスタートビットを付加した11ビット長の第2コマンドと、4ビット長の次回用パスワードの情報と4ビット長の認証用パスワードの情報に、各々が1ビット長のストップビット、パリティビット、およびスタートビットを付加した11ビット長の第3コマンドによって構成される。
主制御部300は、このようなコマンド情報を、図示しない2本のシリアル通信線のいずれか一方を用いたシリアル通信によって、第1コマンド→第2コマンド→第3コマンドの順番に連続で主制御部300から第1副制御部400にシリアル送信する。また、主制御部300は、複数のコマンド情報を送信する場合には、第1副制御部400に2本のシリアル通信線を交互に用いて送信(例えば、第1のコマンド情報を第1のシリアル通信線を用いて送信した後に、第2のコマンド情報を第2のシリアル通信線を用いて送信した後に、第3のコマンド情報を第1のシリアル通信線を用いて送信)するように構成している。
また、図21は、1つのコマンド情報を2つに分離し、一方を通信線C1で他方を通信線C2で送信する場合のデータ構成例を示した図である。ここでは、上記実施形態1に係るコマンド情報の第1コマンドを例に挙げており、主制御部300は、第1コマンドを送信する前に、当該第1コマンドを、1ビット長のストローブ信号の情報と7ビット長のコマンド種別の情報で構成される上位バイトと、1ビット長のストローブ信号の情報と7ビット長のデータ値(内容)の情報で構成される下位バイトに分離する処理を行う。
続いて、主制御部300は、分離後の上位バイトを、パラレル通信線(またはシリアル通信線)によって構成される通信線C1を用いて第1副制御部400に送信した後に、分離後の下位バイトを、パラレル通信(またはシリアル通信)によって構成される通信線C2を用いて第1副制御部400に送信するように構成している。一方、第1副制御部400は、通信線C1を介して受信した上位バイトと、通信線C2を介して受信した下位バイトを結合してコマンド情報を生成し、当該コマンド情報に基づいた処理を行う。
なお、この例では、分離後のコマンド情報を上位バイト→下位バイトの順番で送信する例を示したが、下位バイト→上位バイトの順番で送信してもよい。また、2バイト長のコマンド情報を1バイト長の上位バイトと1バイト長の下位バイトに分離したが、この例に限定されず、例えば、4ビット長の4つのデータに分離してもよい。
また、上記実施形態では、2つのパラレル通信線を用いる例と、2つのシリアル通信線を用いる例を示したが、1つのパラレル通信線と1つのシリアル通信線を用い、コマンド情報をパラレル通信線とシリアル通信線で交互に送信してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン100は、電子部品(例えば、基本回路402を構成するマイクロコンピュータなど)が実装され、所定のコマンド情報(例えば、図14に示すコマンド)を送信する第一の基板(例えば、主制御部300を構成する主制御基板350、第1副制御部400を構成する第1副基板450)と、前記第一の基板から離間して設けられ、前記第一の基板から受信したコマンド情報に基づく処理を行う第二の基板(例えば、第1副制御部400を構成する第1副基板450、第2副制御部500を構成する第2副基板550)と、前記コマンド情報の通信に用いられる複数の通信線(例えば、ハウジングC1a、C1bを含む通信線C1と、ハウジングC2a、C2bを含む通信線C2)と、前記コマンド情報の通信処理を行う通信処理手段(例えば、主制御部300のコマンド設定送信処理、第1副制御部400の第1副制御部コマンド受信割込処理、第2副制御部500の第2副制御部コマンド受信割込処理)と、を備えた遊技台であって、前記複数の通信線は、前記第一の基板に設けられた第一の接続部(例えば、主基板第1コネクタ354)と、前記第二の基板に設けられた第二の接続部(例えば、第1副基板第1コネクタ454)に、を接続され、所定の位置に配線された第一の通信線(例えば、ハウジングC1a、C1bを含む通信線C1)と、前記第一の基板に設けられた、前記第一の接続部とは別体となる第三の接続部(例えば、主基板第2コネクタ355)と、前記第二の基板に設けられた、前記第二の接続部とは別体となる第四の接続部(例えば、第1副基板第2コネクタ455)と、に接続され、前記所定の位置から離間した位置に配線された第二の通信線(例えば、ハウジングC2a、C2bを含む通信線C2)と、を含み、前記通信処理手段は、前記コマンド情報の通信処理を行う場合に、一の前記コマンド情報を前記第一の通信線と前記第二の通信線のいずれか一方を用いた通信処理を行う、または一の前記コマンド情報のうちの一部(例えば、図15(a)に示す第1コマンド、図21に示す上位バイト)を前記第一の通信線を用い、かつ前記一のコマンド情報のうちの一部以外(例えば、図15(a)に示す第2コマンド、図21に示す上位バイト)を前記第二の通信線を用いた通信処理を行う、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係るスロットマシン100によれば、第一の通信線と第二の通信線の複数箇所からコマンド情報を取得しなければならないことに加えて、コマンド情報が第一の通信線と第二の通信線を用いてどのように送信されているかを知らなければコマンド情報の内容を解析することができないため、複数の制御部の間で送受信されるコマンドを不正に取得したり不正に書き換えたりする不正行為を未然に防止することができる場合がある。
なお、スロットマシンにおける不正行為としては、例えば、内部抽選結果を第一の抽選結果から遊技者にとって有利な第二の抽選結果に不正に書き換える偽装コマンド(例えば、AT抽選の権利を得ることができないハズレから、AT抽選の権利を得ることができる小役6(1枚小役)に不正に書き換えるような偽装コマンド)を主制御部から副制御部に不正に送信する行為、異常ありの情報を異常無しの情報に不正に書き換える偽装コマンド(例えば、扉が開放されたことを示す異常ありの情報を、扉が閉鎖されたことを示す異常無しの情報に不正に書き換える偽装コマンド)を主制御部から副制御部に不正に送信する行為、主制御部から副制御部に送信するコマンド情報を不正に取得して行う不正行為(例えば、内部抽選結果から目押し役や押し順役を把握し、目押し対象の図柄を操作ボタンのランプで報知させるような行為)などが挙げられる。
また、第一の通信線または第二の通信線の少なくとも一方が複数の通信線で構成されていてもよく、例えば、第一の通信線が複数の通信線で構成され、かつ、第二の通信線が単一の通信線で構成される場合、複数の第一の通信線は、各々の通信線に対応して設けられた複数の第一の接続部および第二の接続部にそれぞれ接続され、また、第一の通信線が単一の通信線で構成され、かつ、第二の通信線が複数の通信線で構成される場合、複数の第二の通信線は、各々の通信線に対応して設けられた複数の第三の接続部および第四の接続部にそれぞれ接続され、また、第一の通信線および第二の通信線の両方が複数の通信線で構成される場合、複数の第一の通信線は、各々の通信線に対応して設けられた複数の第一の接続部および第二の接続部にそれぞれ接続され、かつ複数の第二の通信線は、各々の通信線に対応して設けられた複数の第三の接続部および第四の接続部にそれぞれ接続される。
また、前記第一の接続部(例えば、主基板第1コネクタ354)と前記第三の接続部(例えば、主基板第2コネクタ355)は、離間して配置され、前記第二の接続部(例えば、第1副基板第1コネクタ454)と前記第四の接続部(例えば、第1副基板第2コネクタ454)は、離間して配置され、前記第一の通信線(例えば、ハウジングC1a、C1bを含む通信線C1)と前記第二の通信線(例えば、ハウジングC2a、C2bを含む通信線C2)は、すくなくとも前記第一の接続部と前記第三の接続部の間隔、または前記第二の接続部と第四の接続部の間隔のいずれか狭い方の間隔以上は、間隔を保って配線されていてもよい。
このような構成とすれば、不正器具を用いてコマンド情報を取得しようとしたときに、間隔が広い第一の通信線と第二の通信線の両方に不正器具を接続しなければならないため、不正器具の設置が困難で、不正行為を未然に防止することができ、たとえ不正器具が設置されたとしても不正器具を容易に発見することができる場合がある。
また、前記第一の接続部(例えば、主基板第1コネクタ354)は、前記第一の基板における一の辺(例えば、図5に示すように、主基板350の長辺の一方)に沿って配置され、前記第三の接続部(例えば、主基板第2コネクタ355)は、前記第一の基板における一の辺とは異なる他の辺(例えば、図5に示すように、主基板350の長辺の他方)に沿って配置され、前記第二の接続部(例えば、第1副基板第1コネクタ454)は、前記第二の基板における一の辺(例えば、図6に示すように、第1副基板450の短辺の一方)に沿って配置され、前記第四の接続部(例えば、第1副基板第2コネクタ455)は、前記第二の基板における一の辺とは異なる他の辺(例えば、図6に示すように、第1副基板450の短辺の他方)に沿って配置されていてもよい。
このような構成とすれば、不正器具の設置が困難で、不正行為を未然に防止することができ、たとえ不正器具が設置されたとしても不正器具を容易に発見することができる場合がある。
また、前記第一の基板は、前記第一の通信線を用いた通信処理で送信するコマンド情報と前記第二の通信線を用いた通信処理で送信するコマンド情報の両方に所定の共通情報(例えば、パスワード)を含ませるとともに、前記第一の通信線を用いた通信処理と前記第二の通信線を用いた通信処理とを交互に行い、前記第二の基板は、前記第一の通信線を用いた通信処理で受信したコマンド情報と前記第二の通信線を用いた通信処理で受信したコマンド情報の両方に前記共通情報が含まれているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた処理を実行してもよい。
このような構成とすれば、第二の基板は第一の基板から受信したコマンド情報の信ぴょう性を確認することができ、コマンドの信ぴょう性が低い場合にはエラー処理を行う等、。適切な処理を行うことができる場合がある。
また、前記第一の基板は、前記一のコマンド情報のうちの上位バイト(例えば、図21に示すように、2バイト長のコマンド情報のうちの上位バイト)を前記第一の通信線を用いた通信処理で送信し、かつ前記一のコマンド情報の下位バイト(例えば、図21に示すように、2バイト長のコマンド情報のうちの下位バイト)を前記第二の通信線を用いた通信処理で送信してもよい。
このような構成とすれば、コマンド情報の内容を解析することが一層、困難となるため、複数の制御部の間で送受信されるコマンドを不正に取得したり不正に書き換えたりする不正行為を未然に防止できる場合がある。
なお、本発明に係る遊技台は、上記実施形態に係るスロットマシン100の構成に限定されず、例えば、第一の基板と第二の基板との間に1または複数の他の基板(例えば、中継基板と払出基板の2つの基板)を設け、第一の基板が送信したコマンド情報を、1または複数の他の基板を介して第二の基板に送信し、該第二の基板が、受信したコマンド情報に基づく処理を行うように構成してもよい。
また、本発明に係る遊技台を、図22に示すパチンコ機1100に適用することもできる。なお、同図はパチンコ機1100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機1100は、外部的構造として、外枠1102と、本体1104と、前面枠扉1106と、球貯留皿付扉1108と、発射装置1110と、遊技盤1200と、をその前面に備える。外枠1102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。本体1104は、内枠と呼ばれ、外枠1102の内部に備えられ、ヒンジ部1112を介して外枠1102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体1104は、枠状に形成され、内側に空間部1114を有している。また、本体1104が開放された場合、本体1104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉1106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機1100の前面側となる本体1104の前面に対しヒンジ部1112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉1106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材1118が設けられ、前面側には、スピーカ1120や枠ランプ1122が取り付けられている。前面枠扉1106の後面と遊技盤1200の前面とで遊技領域1124を区画形成する。また、前面枠扉1106が開放された場合、前面枠扉1106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉1108は、パチンコ機1100の前面において本体1104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉1108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置1110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿1126と、上皿1126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿1128と、遊技者の操作によって上皿1126に貯留された遊技球を下皿1128へと排出させる球抜ボタン1130と、遊技者の操作によって下皿1128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー1132と、遊技者の操作によって発射装置1110へと案内された遊技球を遊技盤1200の遊技領域1124へと打ち出す球発射ハンドル1134と、遊技者の操作によって各種演出装置1206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン1136と、チャンスボタン1136を発光させるチャンスボタンランプ1138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン1140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン1142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部1144と、を備える。また、下皿1128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置1110は、本体1104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル1134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆1146と、遊技球を発射杆1146の先端で打突する発射槌1148と、を備える。遊技盤1200は、前面に遊技領域1124を有し、本体1104の空間部1114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体1104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域1124は、遊技盤1200を本体1104に装着した後、開口部から観察することができる。
図23は、図22のパチンコ機1100を背面側から見た外観図である。パチンコ機1100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク1150と、この球タンク1150の下方に位置し、球タンク1150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置1152に導くためのタンクレール1154とを配設している。
払出装置1152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール1154を通過して払出装置1152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置1152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部1600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機1100の表側に配設した上皿1126に到達するように構成しており、パチンコ機1100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置1152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部1300を構成する主基板1156を収納する主基板ケース1158、主制御部1300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部1400を構成する第1副基板1160を収納する第1副基板ケース1162、第1副制御部1400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部1500を構成する第2副基板1164を収納する第2副基板ケース1166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部1600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ1168を備える払出基板1170を収納する払出基板ケース1172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部1630を構成する発射基板1174を収納する発射基板ケース1176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部1660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ1178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部1300に出力するRWMクリアスイッチ1180とを備える電源基板1182を収納する電源基板ケース1184、および払出制御部1600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部1186を配設している。
図24は、遊技盤1200を正面から見た略示正面図である。遊技盤1200には、外レール1202と内レール1204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域1124を区画形成している。
遊技領域1124の略中央には、演出装置1206を配設している。この演出装置1206には、略中央に装飾図柄表示装置1208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置1210と、第1特別図柄表示装置1212と、第2特別図柄表示装置1214と、普通図柄保留ランプ1216と、第1特別図柄保留ランプ1218と、第2特別図柄保留ランプ1220と、高確中ランプ1222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。演出装置1206は、演出可動体1224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置1208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置1208は、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208b、右図柄表示領域1208cおよび演出表示領域1208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域1208a、中図柄表示領域1208bおよび右図柄表示領域1208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域1208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置1208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。
普図表示装置1210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置1212および第2特図表示装置1214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施例では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ1216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ1218および第2特図保留ランプ1220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施例では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ1222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置1206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口1226と、普図始動口1228と、第1特図始動口1230と、第2特図始動口1232と、可変入賞口1234を配設している。
一般入賞口1226は、本実施例では遊技盤1200に複数配設しており、この一般入賞口1226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口1226に入賞した場合)、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿1126に排出する。上皿1126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口1226に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口1228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域1124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施例では遊技盤1200の左側に1つ配設している。普図始動口1228を通過した球は一般入賞口1226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口1228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機1100は、普図表示装置1210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口1230は、本実施例では遊技盤1200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口1230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第1特図表示装置1212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口1230に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口1232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口1230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口1232は、左右に開閉自在な羽根部材1232aを備え、羽根部材1232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置1210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材1232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口1232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿1126に排出するとともに、第2特図表示装置1214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口1232に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口1234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤1200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口1234は、開閉自在な扉部材1234aを備え、扉部材1234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材1234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口1234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置1152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿1126に排出する。なお、可変入賞口1234に入球した球は、パチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材1236や、遊技釘1238を複数個、配設していると共に、内レール1204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口を設けている。
このパチンコ機1100は、遊技者が上皿1126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆1146および発射槌1148によって外レール1202、内レール1204を通過させて遊技領域1124に打ち出す。そして、遊技領域1124の上部に到達した球は、打球方向変換部材1236や遊技釘1238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口1226、可変入賞口1234)や始動口(第1特図始動口1230、第2特図始動口1232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口1228を通過するのみでアウト口1240に到達する。
<演出装置1206>
次に、パチンコ機1100の演出装置1206について説明する。この演出装置1206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置1242およびステージ1244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体1224を配設している。また、演出装置1206の背面側には、装飾図柄表示装置1208および遮蔽装置1246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置1206において、装飾図柄表示装置1208および遮蔽手段は、ワープ装置1242、ステージ1244、および演出可動体1224の後方に位置することとなる。
ワープ装置1242は、演出装置1206の左上方に設けたワープ入口1242aに入った遊技球を演出装置1206の前面下方のステージ1244にワープ出口1242bから排出する。
ステージ1244は、ワープ出口1242bから排出された球や遊技盤1200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ1244の中央部には、通過した球が第1特図始動口1230へ入球し易くなるスペシャルルート1244aを設けている。
演出可動体1224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部1224aと前腕部1224bとからなり、肩の位置に上腕部1224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部1224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体1224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置1208の前方を移動する。
遮蔽装置1246は、格子状の左扉1246aおよび右扉1246bからなり、装飾図柄表示装置1208および前面ステージ1244の間に配設する。左扉1246aおよび右扉1246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉1246aおよび右扉1246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉1246aおよび右扉1246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置1208を視認し難いように遮蔽する。左扉1246aおよび右扉1246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置1208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置1208の表示の全てを視認可能である。また、左扉1246aおよび右扉1246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉1246aおよび右扉1246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置1208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置1208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置1208を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図25を用いて、このパチンコ機1100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機1100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部1400と、第1副制御部1400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部1500と、主制御部1300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部1600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部1630と、パチンコ機1100に供給される電源を制御する電源制御部1660と、によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1100の主制御部1300について説明する。主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御する基本回路1302を備えており、この基本回路1302には、CPU1304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM1306と、一時的にデータを記憶するためのRAM1308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1312と、プログラム処理の異常を監視するWDT1314を搭載している。なお、ROM1306やRAM1308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部1400についても同様である。この基本回路1302のCPU1304は、水晶発振器1316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路1302には、水晶発振器1316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路1318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路1318および基本回路1302に出力するためのセンサ回路1322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置1212や第2特図表示装置1214の表示制御を行うための駆動回路1324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置1210の表示制御を行うための駆動回路1326と、各種状態表示部1328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ1218、第2特図保留ランプ1220、高確中ランプ1222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば第2特図始動口1232の羽根部材1232aや可変入賞口1234の扉部材1234a等を開閉駆動する各種ソレノイド1332を制御するための駆動回路1334を接続している。
なお、第1特図始動口1230に球が入賞したことを球検出センサ1320が検出した場合には、センサ回路1322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路1318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路1318は、第1特図始動口1230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口1230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路1318は、第2特図始動口1232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口1232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口1232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路1302には、情報出力回路1336を接続しており、主制御部1300は、この情報出力回路1336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路1350にパチンコ機1100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部1300には、電源制御部1660から主制御部1300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路1338を設けており、この電圧監視回路1338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路1302に出力する。
また、主制御部1300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)1340を設けており、CPU1304は、この起動信号出力回路1340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部1300は、第1副制御部1400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部1600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部1400および払出制御部1600との通信を可能としている。なお、主制御部1300と第1副制御部1400および払出制御部1600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は第1副制御部1400および払出制御部1600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部1400および払出制御部1600からは主制御部1300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機1100の第1副制御部1400について説明する。第1副制御部1400は、主に主制御部1300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部1400の全体を制御する基本回路1402を備えており、この基本回路1402には、CPU1404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM1406と、一時的にデータを記憶するためのRAM1408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1412を搭載している。この基本回路1402のCPU1404は、水晶発信器1414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM1406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路1402には、スピーカ1120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC1416と、各種ランプ1418(例えば、チャンスボタンランプ1138)の制御を行うための駆動回路1420と、遮蔽装置1246の駆動制御を行うための駆動回路1432と、遮蔽装置1246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ1430と、チャンスボタン1136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ1426と、遮蔽装置センサ1430やチャンスボタン検出センサ1426からの検出信号を基本回路1402に出力するセンサ回路1428と、CPU1404からの信号に基づいてROM1406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM1436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置1208に画像を表示するVDP1434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。
次に、パチンコ機1100の第2副制御部1500について説明する。第2副制御部1500は、第1副制御部1400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部1500の全体を制御する基本回路1502を備えており、この基本回路1502は、CPU1504と、一時的にデータを記憶するためのRAM1508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O1510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ1512を搭載している。基本回路1502のCPU1504は、水晶発振器1514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部1500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM1506が設けられている。
また、基本回路1502には、演出可動体1224の駆動制御を行うための駆動回路1516と、演出可動体1224の現在位置を検出する演出可動体センサ1424と、演出可動体センサ1424からの検出信号を基本回路1502に出力するセンサ回路1518と、遊技盤用ランプ1532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路1530と、遊技台枠用ランプ1542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路1540と、遊技盤用ランプ駆動回路1530と遊技台枠用ランプ駆動回路1540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路1520と、を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源制御部>
次に、パチンコ機1100の払出制御部1600、発射制御部1630、電源制御部1660について説明する。払出制御部1600は、主に主制御部1300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置1152の払出モータ1602を制御すると共に、払出センサ1604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部1606を介して、パチンコ機1100とは別体で設けられたカードユニット1608との通信を行う。
発射制御部1630は、払出制御部1600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル1134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル1134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆1146および発射槌1148を駆動する発射モータ1632の制御や、上皿1126から発射装置1110に球を供給する球送り装置1634の制御を行う。
電源制御部1660は、パチンコ機1100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部1300、第1副制御部1400等の各制御部や払出装置1152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部1660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部1300のRAM1308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部1660から払出制御部1600と第2副制御部1500に所定電圧を供給し、払出制御部1600から主制御部1300と第2副制御部1500と発射制御部1630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
本実施形態に係るパチンコ機1100は、電子部品が実装され、所定のコマンド情報を送信する第一の基板(例えば、主制御部1300を構成する主基板1156、第1副制御部1400を構成する第1副基板1160)と、前記第一の基板から離間して設けられ、前記第一の基板から受信したコマンド情報に基づく処理を行う第二の基板(例えば、第1副制御部1400を構成する第1副基板1160、第2副制御部1500を構成する第2副基板1164)と、前記コマンド情報の通信に用いられる複数の通信線と、前記コマンド情報の通信処理を行う通信処理手段と、を備えた遊技台であって、前記複数の通信線は、前記第一の基板と接続される第一の接続部と、前記第二の基板と接続される第二の接続部と、を接続し、所定の位置に配線された第一の通信線と、前記第一の基板と接続され、前記第一の接続部とは別体となる第三の接続部と、前記第二の基板と接続され、前記第二の接続部とは別体となる第四の接続部と、を接続し、前記所定の位置から離間した位置に配線された第二の通信線と、を含み、前記通信処理手段は、前記コマンド情報の通信処理を行う場合に、一の前記コマンド情報を前記第一の通信線と前記第二の通信線のいずれか一方を用いた通信処理を行う、または前記一のコマンド情報のうちの一部を前記第一の通信線を用い、かつ前記一のコマンド情報の一部以外を前記第二の通信線を用いた通信処理を行う、ことを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係るパチンコ機1100によれば、第一の通信線と第二の通信線の2箇所からコマンド情報を取得しなければならないことに加えて、コマンド情報が第一の通信線と第二の通信線を用いてどのように送信されているかを知らなければコマンド情報の内容を解析することができないため、複数の制御部の間で送受信されるコマンドを不正に取得したり不正に書き換えたりする不正行為を未然に防止することができる場合がある。
なお、パチンコ機における不正行為としては、例えば、異常ありの情報を異常無しの情報に不正に書き換える偽装コマンド(例えば、扉開放異常、電波異常、磁石異常などを示す異常ありの情報を、異常無しの情報に不正に書き換える偽装コマンド)を主制御部から副制御部に不正に送信する行為、主制御部から副制御部に送信するコマンド情報を不正に取得して行う不正行為(例えば、コマンド情報の送信タイミングに基づいて乱数の周期を把握し、大当りを狙う行為)、遊技者に払い出される遊技球(賞球)の払出数を書き換える偽装コマンド(賞球数を水増したり、1回の入賞当りの賞球数を書き換えたり、1回のコマンド情報の送信で1回の賞球のカウントアップを行う場合にコマンド情報の送信回数を増やすような偽装コマンド)を主制御部から払出制御部に不正に送信する行為などが挙げられる。
また、上記実施形態では、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンなどにも、本発明は適用可能である。さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。また、複数の異なる実施形態を組み合わせて本発明を実現してもよい。