JP3788074B2 - チップ型コイルおよびその製造方法 - Google Patents

チップ型コイルおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層型インダクタ、トランス、コモンモードチョークコイルなどのチップ型コイルに関し、特にコイル導体を構成する導体パターン接続用の貫通孔の形状に特徴を有するチップ型コイルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層型インダクタなどのチップ型コイル1は、図11(a)に示すように、絶縁体層2、絶縁体層2間に配された導体パターン3と、導体パターン3の始端または終端に位置して絶縁体層2に形成された貫通孔4に充填された接続導体5とからなる。各層の導体パターン3は、図11(b)に示すように、貫通孔4に充填された接続導体5を介して電気的に接続され、コイル導体3xを形成している。コイル導体3xの始端および終端は、引出電極7aおよび7bに導通している。
【0003】
従来、導体パターン3間の接続用の貫通孔4は、図12に示すように、上側開口部4aと下側開口部4bが同一直径の円形である円筒状であった。これは、貫通孔4が、金型による打ち抜きやレーザビームで形成されていたからである。
【0004】
導体パターン3は、図13に示すように、貫通孔4を形成した絶縁体グリーンシート6表面に、導電性ペースト7で導体パターンをスクリーン印刷して形成する。このとき同時に、貫通孔4にも導電性ペースト7を充填して、接続導体5を形成する。しかしながら、同一直径の円筒状の貫通孔4では、スキージ8を動かして貫通孔4を導電性ペースト7で埋めようとしても、導電性ペースト7が貫通孔4に十分に充填されなかった。
【0005】
また、キャリアフィルム9付絶縁体グリーンシート6aの場合、貫通孔4に導電性ペースト7が十分に充填されないと、絶縁体グリーンシート6aをキャリアフィルム9から剥がす際、図14に示すように、貫通孔4の接続導体5がキャリアフィルム9に奪われてしまうという問題もあった。
【0006】
そこで、特開平7−122854号公報記載の積層セラミック回路基板では、図15に示すように、貫通孔14の導体充填性を高めるために、貫通孔14の壁面をその上側開口面積が下側開口面積よりも大きくなるように傾斜させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような貫通孔14は、上側開口部14aから下側開口部14bに向かって貫通孔14の横断面積が小さくなるよう、貫通孔14の内壁全面に傾斜がついている。したがって、上側開口部14aの直径Dが大きくなり、貫通孔14を形成するのに必要な面積が絶縁体グリーンシート16の上側で大きくなる。
【0008】
上側開口部14aの直径Dが大きい貫通孔14に導電性ペースト7を充填して接続導体5を形成すると、図16に示すように、上側開口部14aにおける導体パターン幅が、下側開口部14bの直径と同じ本来の導体パターン幅Wよりも広くなってしまう。導体パターン3の幅が広くなると、その部分で隣の導体パターンとくっつきやすくなるため、高密度配線が困難となる。また、チップの小型化にも対応しにくい。
【0009】
この発明の目的は、コイル導体を構成する導体パターン間の電気的接合のための貫通孔に関して導体充填性が高く、かつ小型化、高密度配線にも対応できるチップ型コイルを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のチップ型コイルは、導体パターンが形成された絶縁体層が積層されて構成されており、前記導体パターンは、前記絶縁体層を介して隣り合う導体パターンの終端と始端とが、この絶縁体層の貫通孔に充填された接続導体を介して電気的に接続してコイル導体を形成しており、前記貫通孔は、前記絶縁体層の厚み方向の上側から下側に向かって開口面積が小さくなっており、かつ前記上側開口部と下側開口部の形状は互いに相似形をなしておらず、かつ前記上側開口部の前記導体パターンに沿った長さが、該導体パターンに沿った長さと直交する前記上側開口部の長さおよび前記下側開口部の直径より長いことを特徴とする。
【0011】
前記貫通孔は、前記絶縁体層の厚み方向の上側から下側に向かって開口面積が小さくなっており、かつ前記貫通孔の内壁面の一部が大きく傾斜していることが好ましい。
【0012】
前記貫通孔の上側開口部および下側開口部は、前記導体パターンの幅より小さいことが好ましい。
【0013】
前記貫通孔は、上側開口部が導体パターンの線幅に沿って長軸を有する長円形であり、下側開口部が上側開口部に内接するかまたは上側開口部より小さい大きさの円形であることが好ましい。
【0014】
前記貫通孔は、上側開口部が導体パターンの線幅に沿って長軸を有する菱形であり、下側開口部が上側開口部に内接するかまたは上側開口部より小さい大きさの円形であることが好ましい。
【0015】
前記貫通孔は、上側開口部が導体パターンの線幅に沿って長軸を有する滴形であり、下側開口部が上側開口部に内接するかまたは上側開口部より小さい大きさの円形であることが好ましい。
【0016】
この発明の一つのチップ型コイルの製造方法は、絶縁体グリーンシートの所定の位置にレーザビームにより貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔が導体パターンの終端に配置されるように、導電性ペーストを印刷して前記絶縁体グリーンシートに導体パターンを形成するとともに、この貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、前記絶縁体グリーンシートを、前記貫通孔の下側開口部がその下に位置する絶縁体グリーンシートの導体パターンの始端に配置されコイル導体を形成するように所定枚数積層、圧着して焼成する工程と、を有するチップ型コイルの製造方法であって、前記レーザビームにより前記貫通孔を形成する工程は、レーザビームの照射強度を、レーザビーム中央部を強くし、レーザビーム端部を弱くしてマスクに照射し、そのマスクの開口部を通過して絶縁体グリーンシートにレーザビームを照射することにより、前記貫通孔の開口面積を前記絶縁体グリーンシートの厚み方向の上側から下側に向かって小さくし、かつ前記貫通孔の上側開口部の前記導体パターンに沿った長さを、該導体パターンに沿った長さと直交する前記上側開口部の長さおよび前記下側開口部の直径より長くし、かつ前記貫通孔の内壁面の一部を大きく傾斜させることを特徴とする。
【0017】
この発明の他のチップ型コイルの製造方法は、前記レーザビームの照射強度を、レーザビーム一端部を弱くし、レーザビーム他端部に向かって強くしてマスクに照射し、そのマスクの開口部を通過して絶縁体グリーンシートにレーザビームを照射することを特徴とする。
【0018】
これにより、導体パターン幅に収まり、かつ導体充填性が高い貫通孔を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明の一つの実施の形態の積層型インダクタについて図1〜図6を用いて説明する。
積層型インダクタ21は、絶縁体層22、絶縁体層22間に配された導体パターン23a、23b、23c、絶縁体層22に形成された貫通孔24に充填された接続導体25a、25bとからなり、各絶縁体層22間に配された導体パターン23a、23b、23cは、接続導体25a、25bを介して電気的に接続され、コイル導体23を形成している。
【0020】
積層型インダクタ21を絶縁体層22ごとに分解して積層一体化前の状態にしたものが図2である。
図2において、積層型インダクタ21は、焼成後に絶縁体層22になる絶縁体グリーンシート26、26a、26b、26cからなる。絶縁体グリーンシート26はカバーになるもので導体パターンも貫通孔も形成されていない。絶縁体グリーンシート26aは、その上側に一端縁に沿って位置する引出電極27aとそれに導通して、ほぼ3/4ターンの導体パターン23aが形成されている。導体パターン23aの終端部には貫通孔24が形成され、接続導体25aが充填されて絶縁体グリーンシート26aの厚み方向の上側から下側に導通している。絶縁体グリーンシート26bは、その上側に絶縁体シート26aの接続導体25aと重なる位置から、ほぼ1ターンの導体パターン23bが形成されている。導体パターン23bの終端部には貫通孔24が形成され、接続導体25bが充填されて絶縁体グリーンシート26bの厚み方向の上側から下側に導通している。絶縁体グリーンシート26cは、その上側に絶縁体シート26bの接続導体25bと重なる位置から、ほぼ3/4ターンの導体パターン23cと、それに導通して他端縁に沿って位置する引出電極27bが形成されている。
【0021】
積層型インダクタ21は、以下のようにして製造することができる。
まず、Ni−Cu−Zn系フェライトにバインダーを添加してペースト化し、厚み50μmのシート状に伸ばし、所定の大きさに切断して絶縁体グリーンシート26を作製する。
【0022】
次に、この絶縁体シート26の所定の位置に、YAGレーザを用いて、貫通孔24を形成する。図3に示すように、YAGレーザから発振されるレーザビーム28は加工される部分が開口しているマスク29を通り、その開口部形状のレーザビーム28がガルバノミラー30で反射され、レンズ31を通してテーブル32上の絶縁体グリーンシート26に照射し、照射された部分が昇華する。このとき、マスク29は長円形に開口したものを用い、さらに、レーザビーム28のエネルギー強度は、中央部を強くし、端部を弱くして、長円形のマスク像中央部に高エネルギー部分が照射されるようにする。なお、図3は、大きな絶縁体グリーンシート26に複数の貫通孔24を形成する状態を示している。つまり、レーザビーム28の中央部分のエネルギーを高くすることにより、高エネルギー部分のみが絶縁体グリーンシート26を貫通させる。したがって、貫通孔24は、図4(a)、図4(b)に示すように、上側開口部24aが長円形で、上側開口部24aの両端部から中央部に向かって次第に孔が深くなり、中央部の下側開口部24bが上側開口部24aの長円形と内接する円形となる。つまり、貫通孔24の内壁面の一部が大きく傾斜することになる。
【0023】
絶縁体グリーンシートの厚みが50μmの場合、貫通孔24の上側開口部24aの長軸の長さは、短軸、つまり下側開口部24bの2倍程度までが最も充填性が良い。この実施例での貫通孔24は、上側開口部24aの長軸の長さ、つまり導体パターンの線幅に沿った長さLは300μmであり、下側開口部24bの直径D1は150μmであった。
【0024】
一方、Agなどの金属導体の粉末をバインダーでペースト化し、導体パターンを形成する導電性ペースト7を作製する。
【0025】
この導電性ペースト7を用いて、YAGレーザで貫通孔24を形成した上記絶縁体グリーンシート26a、26bに、前記貫通孔24を終端とする引出電極27a、導体パターン23a、および導体パターン23bをスクリーン印刷する。
【0026】
まず、絶縁体グリーンシート26aの上側に、一端縁に沿って位置する引出電極27aと、それに導通してほぼ3/4ターン分の導体パターン23aをスクリーン印刷する。この際、導体パターン23の終端部には、上側開口部が導体パターン23aの線幅に沿って長軸を有する長円形で、かつその下側開口部が前記上側開口部の長円形にほぼ内接する大きさの円形である貫通孔24が設けられており、導体パターン23aを印刷すると同時に、貫通孔24にも接続導体25aが充填される。
【0027】
同様に、絶縁体グリーンシート26bの上側に、絶縁体シート26aの接続導体25aに重なる位置から、ほぼ1ターン分の導体パターン23bをスクリーン印刷する。導体パターン23bの終端部には上述した貫通孔24と同様に貫通孔24が設けられおり、導体パターン23bを印刷すると同時に、貫通孔24にも接続導体25bが充填される。
【0028】
さらに、絶縁体グリーンシート26cの上側に、絶縁体シート26bの接続導体25bに重なる位置から、他端縁に沿って位置する引出電極27bに導通して、ほぼ3/4ターン分の導体パターン23cをスクリーン印刷する。
【0029】
上述のように、導体パターン23a、23bを印刷形成すると同時に、貫通孔24にも導電性ペースト7が充填されて接続導体25a、25bが形成される。この際、貫通孔24は、上側開口部24aから下側開口部24bに向かって貫通孔24の横断面積が小さくなるように、貫通孔24の内壁面に部分的、つまり、導電ペースト7が印刷されるスキージ8が移動する方向に傾斜がついているので、図5に示すように、導電性ペースト7が十分充填される。
【0030】
また、貫通孔24の上側開口部24aは、図6に示すように、例えば、その長軸が導体パターン23aの幅W内に収まっている。したがって、接続導体25aが導体パターン23aの幅Wよりも広がらない。同様に、接続導体25bも導体パターン23bの幅よりも広がらない。
【0031】
上記の絶縁体シート26、26a、26b、26cを積層すると、上から順に、絶縁体グリーンシート26aに形成された接続導体25aが、下の絶縁体グリーンシート26bに形成された導体パターン23bの始端部に重なり、絶縁体グリーンシート26bに形成された接続導体25bが、その下の絶縁体グリーンシート26cに形成された導体パターン23cの始端部に重なる。この積層体を圧着、焼成して積層型インダクタ21を得る。
【0032】
なお、貫通孔24を形成するレーザは、CO2レーザでもよく、CO2レーザを用いる場合、マスク材質にCuなどのCO2レーザの反射率が高い材質を選べば、マスク29を絶縁体グリーンシート26の上に配置することもできる。
【0033】
また、貫通孔24の下側開口部24bは、必ずしも上側開口部24aに内接する必要はなく、上側開口部24aより小さい大きさの円形であり、貫通孔内壁面が上側開口部24aの短軸方向にもいくらか傾斜していてもよい。
【0034】
この発明の他の実施の形態について、図7、図8を用いて説明する。なお、前述の積層型インダクタ21と同一のものについては同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
積層型インダクタ31は、積層型インダクタ21と同様、絶縁体層22、絶縁体層22間に配された導体パターン23a、23b、23c、絶縁体層22に形成された貫通孔34に充填された接続導体25a、25bとからなり、各絶縁体層22間に配された導体パターン23a、23b、23cは、接続導体25a、25bを介して電気的に接続され、コイル導体23を形成している。
【0036】
貫通孔34は貫通孔24と異なり、図8に示すように、上側開口部34aが菱形で、下側開口部34bが上側開口部34aの菱形に内接する大きさの円形をなしている。
【0037】
この積層型インダクタ31は、前述の積層型インダクタ21と同様に製造される。但し、貫通孔34の製造方法については異なるため、図3を援用して以下に説明する。
貫通孔34は絶縁体グリーンシート26の所定の位置に、YAGレーザを用いて形成する。
【0038】
この際に用いるマスクは、図3に示す開口が長円形のマスク29に代えて、開口が菱形に形成されたものである。このマスクに、中央部が強く、端部が弱いレーザビームを照射して、菱形のマスク像を絶縁体グリーンシート26に転写して貫通孔34を形成する。貫通孔34は、図8に示すように、上側開口部34aが菱形で、上側開口部34aの両端部から中央部に向かって次第に孔が深くなって中央部で貫通し、中央部の下側開口部34bが上側開口部34aの菱形と内接する円形となる。つまり、貫通孔34の内壁面の一部が大きく傾斜することになる。
【0039】
貫通孔34は、上側開口部34aの長手方向の長さ、つまり導体パターンに沿った長さL1は300μmであり、下側開口部34bの直径D1は150μmであった。
【0040】
次に、積層型インダクタ21と同様に、導電性ペースト7を用いて、絶縁体グリーンシートに導体パターンをスクリーン印刷し、絶縁体グリーンシートを積層し、圧着し、焼成して積層型インダクタ31を得る。
【0041】
貫通孔34は、上側開口部34aから下側開口部34bに向かって貫通孔34の横断面積が小さくなるように、貫通孔34の内壁面に部分的、つまり、導電ペースト7が印刷されるスキージが移動する方向に傾斜がついているので、図7に示すように、接続導体25a、25bが十分充填される。
【0042】
この発明のさらに他の実施の形態について、図9、図10を用いて説明する。なお、前述の積層型インダクタ21と同一のものについては同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0043】
積層型インダクタ41は、積層型インダクタ21と同様、絶縁体層22、絶縁体層22間に配された導体パターン23a、23b、23c、絶縁体層22に形成された貫通孔44に充填された接続導体25a、25bとからなり、各絶縁体層22間に配された導体パターン23a、23b、23cは、接続導体25a、25bを介して電気的に接続され、コイル導体23を形成している。
【0044】
貫通孔44は貫通孔24と異なり、図10に示すように、上側開口部44aが滴形で、下側開口部44bが上側開口部44aの滴形に内接する大きさの円形をなしている。
【0045】
この積層型インダクタ41は、前述の積層型インダクタ21と同様に製造される。但し、貫通孔44の製造方法については異なるため、図3を援用して以下に説明する。
貫通孔44は絶縁体グリーンシート26の所定の位置に、YAGレーザを用いて形成する。
【0046】
この際に用いるマスクは、図3に示す開口が長円形のマスク29に代えて、開口が滴形に形成されたものである。このマスクに、一端部が弱く、他端部に向かって強くなるレーザビームを照射して、滴形のマスク像を絶縁体グリーンシート26に転写して貫通孔44を形成する。貫通孔44は、図10に示すように、上側開口部44aが滴形で、上側開口部44aの一端部から他端部に向かって次第に孔が深くなって他端部で貫通し、他端部の下側開口部44bが上側開口部44aの滴形と内接する円形となる。つまり、貫通孔44の内壁面の一部が大きく傾斜することになる。
【0047】
貫通孔44は、上側開口部44aの長手方向の長さ、つまり導体パターンに沿った長さL2は300μmであり、下側開口部44bの直径D2は150μmであった。
【0048】
次に、積層型インダクタ21と同様に、導電性ペースト7を用いて、絶縁体グリーンシートに導体パターンをスクリーン印刷し、絶縁体グリーンシートを積層し、圧着し、焼成して積層型インダクタ41を得る。
【0049】
貫通孔44は、上側開口部44aから下側開口部44bに向かって貫通孔44の横断面積が小さくなるように、貫通孔44の内壁面に部分的、つまり、導電ペースト7が印刷されるスキージが移動する方向に傾斜がついているので、図9に示すように、接続導体25a、25bが十分充填される。
【0050】
【発明の効果】
この発明のチップ型コイルは、絶縁体層を介して隣り合う導体パターンを導通させるための貫通孔の内壁面に、上側開口部から下側開口部に向かって貫通孔の横断面積が小さくなるように傾斜が設けられているため、貫通孔への導体充填性が高く、コイル導体の接続信頼性が向上する。
【0051】
さらに、貫通孔の内壁面の傾斜は、導体パターンの線幅に沿って長軸方向の縦断面において大きくついており、導体パターン幅方向にはほとんど傾斜がついていない。したがって、貫通孔の上側開口部におけるコイル導体の導体パターン幅が広がらず、チップ型コイルの小型化、高密度配線に対応しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施形態を示す積層型インダクタの断面図である。
【図2】図1の積層型インダクタの積層前の状態を示す斜視図である。
【図3】この発明の一つの実施形態における貫通孔形成のためのレーザ加工の図解図である。
【図4】この発明の一つの実施形態における貫通孔を示すための、(a)は絶縁体グリーンシートの部分斜視図、(b)は絶縁体グリーンシートの部分平面図である。
【図5】この発明の一つの実施形態における、導体パターン形成とともに、貫通孔に導電性ペーストを充填した状態を示す絶縁体グリーンシートの部分断面図である。
【図6】図4に示した貫通孔に導電性ペーストが充填された絶縁体グリーンシートの部分平面図である。
【図7】この発明の他の実施形態を示す積層型インダクタの断面図である。
【図8】この発明の他の実施形態における貫通孔を示す絶縁体グリーンシートの部分平面図である。
【図9】この発明のその他の実施形態を示す積層型インダクタの断面図である。
【図10】この発明のその他の実施形態における貫通孔を示す絶縁体グリーンシートの部分平面図である。
【図11】従来の積層型インダクタを示し、(a)は断面図、(b)はコイル導体の透視斜視図である。
【図12】従来の積層型インダクタの貫通孔を示す絶縁体グリーンシートの部分斜視図である。
【図13】従来の積層型インダクタにおける、導体パターン形成とともに、貫通孔に導電性ペーストを充填した状態を示す絶縁体グリーンシートの部分断面図である。
【図14】従来の積層型インダクタにおいて、絶縁体グリーンシートからキャリアフィルムをはがした状態を示す部分断面図である。
【図15】他の従来例の積層型インダクタの貫通孔を示す絶縁体グリーンシートの部分斜視図である。
【図16】図15に示した貫通孔に導電性ペーストが充填された絶縁体グリーンシートの部分平面図である。
【符号の説明】
21、31、41 積層型インダクタ
22 絶縁体層
23 コイル導体
23a、23b、23c 導体パターン
24、34、44 貫通孔
24a、34a、44a 上側開口部
24b、34b、44b 下側開口部
25a、25b 接続導体
26 絶縁体グリーンシート
28 レーザビーム
29 マスク

Claims (5)

  1. 導体パターンが形成された絶縁体層が積層されて構成されており、
    前記導体パターンは、前記絶縁体層を介して隣り合う導体パターンの終端と始端とが、この絶縁体層の貫通孔に充填された接続導体を介して電気的に接続してコイル導体を形成しており、
    前記貫通孔は、前記絶縁体層の厚み方向の上側から下側に向かって開口面積が小さくなっており、かつ前記上側開口部と下側開口部の形状は互いに相似形をなしておらず、かつ前記上側開口部の前記導体パターンに沿った長さが、該導体パターンに沿った長さと直交する前記上側開口部の長さおよび前記下側開口部の直径より長いことを特徴とするチップ型コイル。
  2. 前記貫通孔は、前記絶縁体層の厚み方向の上側から下側に向かって開口面積が小さくなっており、かつ前記貫通孔の内壁面の一部が大きく傾斜していることを特徴とする請求項1記載のチップ型コイル。
  3. 前記貫通孔の上側開口部および下側開口部は前記導体パターンの幅より小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のチップ型コイル。
  4. 絶縁体グリーンシートの所定の位置にレーザビームにより貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔が導体パターンの終端に配置されるように、導電性ペーストを印刷して前記絶縁体グリーンシートに導体パターンを形成するとともに、この貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、
    前記絶縁体グリーンシートを、前記貫通孔の下側開口部がその下に位置する絶縁体グリーンシートの導体パターンの始端に配置されコイル導体を形成するように所定枚数積層、圧着して焼成する工程と、を有するチップ型コイルの製造方法であって、
    前記レーザビームにより前記貫通孔を形成する工程は、レーザビームの照射強度を、レーザビーム中央部を強くし、レーザビーム端部を弱くしてマスクに照射し、そのマスクの開口部を通過して絶縁体グリーンシートにレーザビームを照射することにより、前記貫通孔の開口面積を前記絶縁体グリーンシートの厚み方向の上側から下側に向かって小さくし、かつ前記貫通孔の上側開口部の前記導体パターンに沿った長さを、該導体パターンに沿った長さと直交する前記上側開口部の長さおよび前記下側開口部の直径より長くし、かつ前記貫通孔の内壁面の一部を大きく傾斜させることを特徴とするチップ型コイルの製造方法。
  5. 前記レーザビームの照射強度を、レーザビーム一端部を弱くし、レーザビーム他端部に向かって強くしてマスクに照射し、そのマスクの開口部を通過して絶縁体グリーンシートにレーザビームを照射することを特徴とする請求項4記載のチップ型コイルの製造方法。
JP31943998A 1998-11-10 1998-11-10 チップ型コイルおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP3788074B2 (ja)

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