JP5489611B2 - レーザ照射装置、レーザ加工装置、およびフラットパネルディスプレイの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、レーザ光を走査すれば走査範囲の両端部分において走査方向が反転するために停止状態が発生し、両端部分における温度が高くなりすぎるおそれがある。
しかしながら、枠状に形成された封止部と同じ形状の透過部を備えたマスクとすれば、照射対象の品種毎に異なるマスクが必要となる(特許文献2の図6を参照)。
また、封止部の幅寸法にほぼ等しい幅寸法を有する直線状の透過部を備えたマスクとすれば、封止部の角部分を照射しながら移動する際などに、進行方向に合わせてマスクを回転移動させることが必要となる(特許文献2の図5、[0023]段落を参照)。
そのため、レーザ光の照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布が不均一となり、接合不良が発生したり過大な熱応力が発生したりするおそれがある。また、レーザ光の照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布を所望のものとすることもできない。
図1は、第1の実施形態に係るレーザ照射装置、レーザ加工装置を例示するための模式図である。なお、図1中の矢印XYZは互いに直交する三方向を表しており、XYは水平方向、Zは鉛直方向を表している。
レーザ照射装置2は、載置部3の載置面3aに対向するようにして設けられ、載置面3aに載置、保持された被処理物100の封止部101に向けてレーザ光を照射できるようになっている。
レーザ照射装置2には、レーザ光源4、照射部5、照射強度制御部6が設けられている。
レーザ光源4には光ファイバ7の受光端7aが接続されており、照射部5には光ファイバ7の出射端7bが接続されている。そのため、レーザ光源4から出射したレーザ光を光ファイバ7を介して照射部5に伝送、導入することができるようになっている。
コリメートレンズ8は、ファイバ7を介して導入されたレーザ光をコリメートする。なお、コリメートレンズ8は必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜設けるようにすればよい。また、コリメートレンズ8の配設数や配設形態などは図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
走査部10は、方向制御部9を介して導入されたレーザ光を走査することで照射面上(封止部101上)に擬似的に線状の集光を行う。
方向制御部9と走査部10とは、例えば、図示しない駆動部によりミラーを高速で揺動させるガルバノミラーなどとすることができる。ただし、これに限定されるわけではなく、レーザ光の方向を変化させることができるものを適宜選択することができる。例えば、多面鏡回転方式(ポリゴンミラ−)などとすることもできる。
また、方向制御部9に設けられた駆動部と走査部10に設けられた駆動部とには走査制御部13が電気的に接続されている。そして、走査制御部13により方向制御部9に設けられたミラーと走査部10に設けられたミラーとを協働させることで走査の形態を変化させることができるようになっている。例えば、「直線状」の走査をしたり、「略L字状」の走査をしたりすることができるようになっている。すなわち、走査制御部13は、方向制御部9と、走査部10と、を協働させることで走査の形態を変化させる。
照射強度制御部6は、走査範囲における所定の位置に対するレーザ光を制御することで照射範囲における照射強度分布を制御する。すなわち、照射強度制御部6には、レーザ光を透過させる透過部6aと、所定の位置に対するレーザ光の透過を抑制する透過抑制部6bとが設けられている。そして、透過抑制部6bにより走査されたレーザ光の一部を制御することで照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布を制御することができるようになっている。後述するように所定の位置は、例えば、走査範囲の両端近傍とすることができる。
透過部6aはレーザ光を透過させることができるものであればよく、例えば、開口としたり、ガラスなどの透明体から形成されたものとすることができる。透過抑制部6bはレーザ光を遮光したり、減衰させたりするものから形成されるものとすることができる。
なお、照射強度制御部6についての詳細は後述する。
なお、移動部12として、載置、保持された被処理物100を移動させるものを例示したが、レーザ照射装置2側を移動させるものとすることもできる。すなわち、載置部3に載置、保持された被処理物100と、レーザ照射装置2と、の相対的な位置を変化させることができるものであればよい。
図2は、ガラス基板の表面に設けられた封止部を例示するための模式図である。
図2に示すように、一方のガラス基板(図2に例示をするものの場合はガラス基板102)の表面には、フリットからなる封止部101が設けられている。フリットは、例えば、ガラス粉末に酸化物粉末などを含ませたものとすることができる。酸化物粉末としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カリウム(K2O)などを例示することができる。ただし、これらに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
図2に例示をしたように、封止部101はガラス基板の周縁に枠状に設けられる。そのため、枠状に設けられた封止部101の角部分(コーナ部分)において照射の方向変換が容易となるように、スポット107の形状は一般的には図3(a)に示すような円形とされる。
ここで、図3(c)に示すように、スポット107の大きさを大きくすれば照射面積を大きくすることができるので、相対的な照射時間を長くすることができる。そのため、レーザ光の出力を抑えることができるので、封止部101やガラス基板102、103が急加熱、急冷却されるのを抑制することができる。
しかしながら、レーザ光を走査するようにすれば、走査範囲の両端部分において走査方向が反転するために停止状態が発生し、両端部分における温度が高くなりすぎるおそれがある。
図4は、レーザ光を走査した際の照射強度(エネルギー強度)分布を例示するための模式グラフ図である。
図4(a)に示すように、レーザ光を走査するようにすれば、走査範囲の両端部分において走査方向が反転するために停止状態が発生し、両端部分における照射強度(エネルギー強度)が上昇することになる。そのため、レーザ光の照射範囲における温度分布が不均一となる。この場合、照射範囲の両端部分における温度を適正な範囲とすると中央部分などにおいて接合不良などが発生するおそれがある。また、照射範囲の中央部分などにおける温度を適正な範囲とすると両端部分において過大な熱応力などが発生するおそれがある。なお、図4(a)に示すような場合には、走査範囲と照射範囲とが同一となる。
例えば、照射強度制御部6により走査範囲の両端部分におけるレーザ光を制御することで照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布が略均一となるように制御している。
そのため、走査範囲の両端部分におけるレーザ光を遮光する場合には、走査範囲の一端においてスポットの半分の大きさと同じ寸法の範囲(スポット1/2個分)以上を透過抑制部6bにより遮光するようにすることが好ましい。
図1に例示をした照射強度制御部6には、レーザ光を遮光する透過抑制部6bが区画されるようにして設けられている。そのため、透過部6aと透過抑制部6bとの境界においてレーザ光の照射強度(エネルギー強度)が急激に変化する。
これに対し、図5に例示をする照射強度制御部16は、透過部16aと透過抑制部16bとの境界において透過率が漸次変化するようになっている。すなわち、透過抑制部16bは、透過部16a側から外側に向かって透過率が漸減するような透過率分布を有している。そのため、透過部16aの周縁部における照射強度(エネルギー強度)を低下させることができる。また、透過率を漸減させることで照射強度(エネルギー強度)の変化を緩やかにすることができる。
図6は、照射部分の形状に対する走査範囲の形状と走査範囲の端部の位置との関係を例示するための模式図である。なお、封止部101が設けられたガラス基板102の周辺に描かれた図は、各照射部分における走査範囲110の形状と走査範囲110の端部の位置とを表すための模式図である。
この場合、例えば、2枚の遮光板を用いて走査範囲の両端部分を遮光するようにすれば、封止部101の角部分(コーナ部分)において照射部5と2枚の遮光板との相対的な位置を変化させる(例えば、回転させる)ことが必要となる。その結果、装置構成や装置制御などが複雑化するおそれがある。
図7、図8は、透過部の大きさ、形状を例示するための模式図である。なお、封止部101は、図2や図6に例示をしたような矩形の枠状形状を呈し、角部分(コーナ部分)が円弧で構成されたものとしている。
また、照射強度(エネルギー強度)分布の均一性の悪化を抑制しつつ照射範囲の拡大を図ることを考慮すれば、図4(c)において例示をしたように、走査範囲の一端においてスポットの半分の大きさと同じ寸法の範囲(スポット1/2個分)を遮光できるような直径寸法とすることが好ましい。すなわち、この様な場合には、直径寸法は、直線状に走査をした場合の振幅長さよりスポットの大きさ分だけ短くなるようにすることが好ましい。
また、図8(a)は、走査の振幅長さが封止部101の角部分(コーナ部分)における曲率半径寸法rの6倍程度の場合、図8(b)は、走査の振幅長さが封止部101の角部分(コーナ部分)における曲率半径寸法rの12倍程度の場合、図8(c)は、走査の振幅長さが封止部101の角部分(コーナ部分)における曲率半径寸法rの20倍程度の場合である。
図8(a)〜(c)から分かるように、封止部101の角部分(コーナ部分)における曲率半径寸法rに対する走査の振幅長さが長くなるほど、略菱形形状を呈する透過部6aの角部分における曲率半径寸法Rが小さくなる。
ここで、透過部6aの各部寸法は、図4において例示をした照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布の均一化の観点から決定することができる。
また、照射強度(エネルギー強度)分布の均一性の悪化を抑制しつつ照射範囲の拡大を図ることを考慮すれば、図4(c)において例示をしたように、走査範囲の一端においてスポットの半分の大きさと同じ寸法の範囲(スポット1/2個分)を遮光できるような対角寸法Lとすることが好ましい。すなわち、この様な場合には、対角寸法Lは、直線状に走査をした場合の振幅長さよりスポットの大きさ分だけ短くなるようにすることが好ましい。
また、図9(b)に表す透過部6aの角部分における弦の長さ寸法が、封止部101の角部分(コーナ部分)における曲率半径寸法rの略2倍となるようにすることが好ましい。
まず、図示しない搬送手段により、被処理物100が載置部3の載置面3a上に載置、保持される。なお、ガラス基板102には枠状に封止部101が設けられており、枠状の封止部101の内側には、電子素子や回路などが設けられている。
この場合、透過率が漸次変化するような透過率分布を有する透過抑制部16bを備えた照射強度制御部16である場合には、照射強度(エネルギー強度)の変化を緩やかにすることができる。また、所望の透過率を適宜選定することで、レーザ光の照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布を所望のものとすることもできる。
このような場合には、例えば、レーザ加工装置1をチャンバなどの気密容器に収納し、気密容器内を不活性ガス雰囲気とすればよい。
被処理物100に設けられたすべての封止部101の溶融、封止が終了した場合には、図示しない搬送手段により封止がされた被処理物100が搬出される。
また、レーザ光を連続的に出射するレーザ光源4とすることができるので、装置の簡易化を図ることができる。
レーザ照射装置22は、載置部3の載置面3aに対向するようにして設けられ、載置面3aに載置、保持された被処理物100の封止部101に向けてレーザ光を照射できるようになっている。
レーザ照射装置22には、レーザ光源24、照射部25、照射強度制御部26が設けられている。
走査部30は、方向制御部29を介して導入されたレーザ光を走査することで照射面上(封止部101上)に擬似的に線状の集光を行う。走査部30には、ミラー32と駆動部33が設けられ、駆動部33によりミラー32を高速で揺動させることができるようになっている。
方向制御部29と走査部30とは、例えば、ガルバノミラーなどとすることができる。ただし、これに限定されるわけではなく、レーザ光の方向を変化させることができるものを適宜選択することができる。例えば、多面鏡回転方式(ポリゴンミラ−)などとすることもできる。
駆動部31と駆動部33とには走査制御部34が電気的に接続されている。そして、走査制御部34によりミラー38とミラー32とを協働させることで走査の形態を変化させることができるようになっている。例えば、「直線状」の走査をしたり、「略L字状」の走査をしたりすることができるようになっている。すなわち、走査制御部34は、方向制御部29と、走査部30と、を協働させることで走査の形態を変化させる。
例えば、走査範囲の両端部分においてレーザ光の照射を停止させることで、照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布が略均一となるように制御するようにすることができる。この場合、レーザ光の照射が停止される範囲は、移動部26dを制御することで任意に設定することができる。
また、図4(c)に例示をしたものと同様に、走査範囲の一端においてスポットの半分の大きさと同じ寸法の範囲(スポット1/2個分)におけるレーザ光の照射を停止させるようにすることができる。この様にすれば、照射強度(エネルギー強度)分布の均一性の悪化を抑制しつつ照射範囲の拡大を図ることができる。
図11(a)に示すように、透過率が漸次変化するような透過率分布を有する透過抑制部とすれば、照射強度制御部を透過するレーザ光のエネルギー強度も漸次変化することになる。そのため、図11(b)に示すように、照射強度制御部を透過したレーザ光のエネルギー強度の変化を緩やかにすることができる。また、照射強度(エネルギー強度)分布の制御をより精密に行うことができるようになる。
図12(a)に示すように、透過部36は回転方向に沿って面積が漸次変化するものとされている。また、透過部36の最も面積が大きくなる部分の寸法(照射強度制御部の半径方向寸法)は、レーザ光のスポット37の直径寸法以下となっている。この様な透過部36とすれば、透過部36の回転方向への移動にともない透過するレーザ光の断面積を変化させることができる。そのため、図12(b)に示すように、照射強度制御部を透過するレーザ光のエネルギー強度を漸次変化させることができる。また、照射強度制御部を透過したレーザ光のエネルギー強度の変化を緩やかにすることができる。また、照射強度(エネルギー強度)分布の制御をより精密に行うことができるようになる。
まず、図示しない搬送手段により、被処理物100が載置部3の載置面3a上に載置、保持される。なお、ガラス基板102には枠状に封止部101が設けられており、枠状の封止部101の内側には、電子素子や回路などが設けられている。
なお、透過率が漸次変化するような透過率分布を有する透過抑制部や、面積が漸次変化する透過部を備えた照射強度制御部である場合には、照射強度(エネルギー強度)分布の変化を緩やかにすることができる。また、所望の透過率や透過部の面積を適宜選定することで、レーザ光の照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布を所望のものとすることもできる。
封止部101に照射されたレーザ光により封止部101が加熱、溶融されてガラス基板102、103が気密に接合される。この際、被処理物100の内部に封止部101により画された空間が形成される。また、ガラス基板102、103上において封止部101により画された領域が画素領域となる。
このような場合には、例えば、レーザ加工装置21をチャンバなどの気密容器に収納し、気密容器内を不活性ガス雰囲気とすればよい。
被処理物100に設けられたすべての封止部101の溶融、封止が終了した場合には、図示しない搬送手段により封止がされた被処理物100が搬出される。
また、レーザ光を連続的に出射するレーザ光源24とすることができるので、装置の簡易化を図ることができる。
レーザ照射装置42は、載置部3の載置面3aに対向するようにして設けられ、載置面3aに載置、保持された被処理物100の封止部101に向けてレーザ光を照射できるようになっている。
レーザ照射装置42には、レーザ光源24、照射部25、照射強度制御部46が設けられている。また、照射部25には、コリメートレンズ28、方向制御部29、走査部30、fθレンズ11が設けられている。
電気光学部47には、加えられる電界の強度に応じて屈折率が変化する電気光学材料(誘電体材料)から形成された透過部47cと、透過部47cに電界を加えるための電極47a、電極47bとが設けられている。電気光学材料(誘電体材料)としては、例えば、タンタル酸ニオブ酸カリウム結晶などを例示することができる。ただし、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、レーザ光の照射を停止させる場合には、印加する電圧を制御して透過部47cの内部を透過するレーザ光を偏向させて、レーザ光の光路が遮光板48に向くようにする。
例えば、走査範囲の両端部分においてレーザ光の照射を停止させることで、照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布が略均一となるように制御するようにすることができる。なお、レーザ光の照射が停止される範囲は、電極47a、電極47bに印加する電圧を制御することで任意に設定することができる。
また、図4(c)に例示をしたものと同様に、走査範囲の一端においてスポットの半分の大きさと同じ寸法の範囲(スポット1/2個分)におけるレーザ光の照射を停止させるようにすることができる。この様にすれば、照射強度(エネルギー強度)分布の均一性の悪化を抑制しつつ照射範囲の拡大を図ることができる。
まず、図示しない搬送手段により、被処理物100が載置部3の載置面3a上に載置、保持される。なお、ガラス基板102には枠状に封止部101が設けられており、枠状の封止部101の内側には、電子素子や回路などが設けられている。
封止部101に照射されたレーザ光により封止部101が加熱、溶融されてガラス基板102、103が気密に接合される。この際、被処理物100の内部に封止部101により画された空間が形成される。また、ガラス基板102、103上において封止部101により画された領域が画素領域となる。
このような場合には、例えば、レーザ加工装置41をチャンバなどの気密容器に収納し、気密容器内を不活性ガス雰囲気とすればよい。
被処理物100に設けられたすべての封止部101の溶融、封止が終了した場合には、図示しない搬送手段により封止がされた被処理物100が搬出される。
また、レーザ光を連続的に出射するレーザ光源24とすることができるので、装置の簡易化を図ることができる。
また、レーザ光の照射と停止との切り換えを電気的に行うことができるので、応答性を向上させることができる。また、機械的な故障の低減を図ることができるので、生産性を向上させることができる。
なお、一例として、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイの製造方法について例示をする。
有機ELディスプレイの製造工程は、アノード電極や隔壁などが設けられたアクセプタ基板を形成する工程、アクセプタ基板に転写体(ドナー基板)を載置、密着させてレーザ光を照射することで転写を行う転写工程、フリットからなる封止部を有する封止基板を形成する工程、アクセプタ基板と封止基板とを重ね合わせフリットにレーザ光を照射することで封止を行う封止工程などからなる。
この場合、走査範囲における所定の位置は、走査範囲の両端近傍とすることができる。この場合、図4(b)に例示をしたものと同様に、走査範囲の一端においてスポットの大きさと同じ寸法の範囲(スポット1個分)におけるレーザ光の照射を停止させるようにすることができる。この様にすれば、走査方向が反転するために停止する部分におけるレーザ光の照射を停止させることができる。そのため、照射範囲における照射強度(エネルギー強度)分布の均一化を図ることができる。
また、図4(c)に例示をしたものと同様に、走査範囲の一端においてスポットの半分の大きさと同じ寸法の範囲(スポット1/2個分)におけるレーザ光の照射を停止させるようにすることができる。この様にすれば、照射強度(エネルギー強度)分布の均一性の悪化を抑制しつつ照射範囲の拡大を図ることができる。
また、走査範囲における所望の位置に対するレーザ光を制御することで、任意の位置における照射強度分布を制御するようにすることもできる。
また、一例として、有機ELディスプレイの製造方法を例示したがこれに限定されるわけではない。封止工程を備えるフラットパネルディスプレイの製造方法に広く適用させることができる。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、電解放出ディスプレイ(FED)などの製造にも適用させることができる。なお、このような場合であっても封止以外のものは、各フラットパネルディスプレイにおける既知の技術を適用させることができるので、それらの説明は省略する。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、レーザ加工装置1、レーザ加工装置21、レーザ加工装置41などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (5)
- レーザ光源と、
前記レーザ光源から導入されたレーザ光の方向を制御する方向制御部と、
前記方向制御部を介して導入されたレーザ光を走査することで照射面上に擬似的に線状の集光を行う走査部と、
前記方向制御部と、前記走査部と、を協働させることで走査の形態を変化させる走査制御部と、
走査範囲における所定の位置に対するレーザ光を制御することで照射範囲における照射 強度分布を制御する照射強度制御部と、
を備え、
前記照射強度制御部は、前記レーザ光を透過させる透過部と、前記所定の位置に対するレーザ光の透過を抑制する透過抑制部と、を有し、
前記透過部の透過方向に略直交する方向の形状は、菱形、または角部が曲線からなる菱形であり、
前記菱形、または前記角部が曲線からなる菱形の対角寸法は、直線状に前記走査をした場合の振幅長さから前記レーザ光のスポットの寸法を引いた長さより短いことを特徴とするレーザ照射装置。 - 前記所定の位置は、前記走査範囲の両端近傍であること、を特徴とする請求項1記載のレーザ照射装置。
- 請求項1または2に記載のレーザ照射装置と、
被処理物を載置する載置部と、
前記レーザ照射装置と前記載置部との相対的な位置を変化させる移動部と、
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。 - 一対の基板の間に形成される封止部にレーザ光を照射して、前記一対の基板の間に形成された空間を気密封止する封止工程を有するフラットパネルディスプレイの製造方法であって、
前記封止工程において、前記封止部に倣ってレーザ光を走査する際に、
前記レーザ光を透過させ、透過方向に略直交する方向の形状が、菱形、または角部が曲線からなる菱形であり、
前記菱形、または前記角部が曲線からなる菱形の対角寸法が、直線状に前記走査をした場合の振幅長さから前記レーザ光のスポットの寸法を引いた長さより短い透過部と、
所定の位置に対するレーザ光の透過を抑制する透過抑制部と、を有する照射強度制御部を用いて、走査範囲における前記所定の位置に対する前記レーザ光を制御することで、照射範囲における照射強度分布を制御すること、を特徴とするフラットパネルディスプレイの製造方法。 - 前記所定の位置は、前記走査範囲の両端近傍であること、を特徴とする請求項4記載のフラットパネルディスプレイの製造方法。
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