JP3787850B2 - シリカ系ガラス及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規なシリカ系ガラス及びその製造方法に関する。本発明によるシリカ系ガラスは光通信用機器等に用いられる導波路型光部品作成用シリカ系ガラスとして有利である。
【0002】
【従来の技術】
光導波路作成技術としては、従来、微細加工技術によるもの(文献:西原浩、春名正光、栖原敏明共著「光集積回路」(オーム社)1985年刊)、イオンの拡散を用いたもの(文献:同上)、及び光照射による局所的な屈折率変化を利用したもの(文献:V.Mizrahi et al. Appl. Phys. Lett. 63, 13 (1993) p.1727 )が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光導波路作成技術のうち、微細加工技術を用いたものは、高精度に屈折率の制御された透明な多層薄膜の作成と、さらに高精度の微細加工技術を必要としているため、工程数が多く、そのため、製品の安定性も良くないという問題があった。また、イオンの拡散を利用した方法は、溶液中から固体内部への拡散現象を利用することから、プロセス速度が非常に遅く、大量の工業生産には向かない。
上記第三番目の方法は、シリカ系ガラスには光照射すると屈折率が変化するものがあることを利用しており、この現象はまだ完全には解明されていないが、導波路型の光部品を大量に生産する方法として期待されている。しかし、現時点では、高屈折率変化を得るためにシリカ系ガラス中への欠陥導入や、高圧の水素ガス中に長時間暴露して水素ガスを拡散させる必要があり、処理に約20日間もかかっているので、工業プロセスとしては極めて効率が悪いものに留まっている。本発明は、光照射を用いて従来より工程が少なく、処理時間も短く、しかも高屈折率変化を得られる新規なシリカ系ガラス及びその製造方法を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する手段として本発明は、SiO2 又はSiO2 とGeO2 からなるガラス多孔質体を、少なくとも20容量%以上のSiCl4 ガスを含有する不活性ガス雰囲気中で温度1000℃以上に保持し、次に不活性ガス雰囲気中で加熱透明化することにより波長165nmでの光の吸収係数を1cm-1以上の透明ガラス体を得ることを特徴とするシリカ系ガラスの製造方法を提供する。
また本発明は、上記不活性ガス雰囲気中での加熱透明化の後、1000℃まで冷却されたガラスを常温まで急冷することを特徴とする上記のシリカ系ガラスの製造方法を提供する。
また本発明は、上記SiO2 又はSiO2 とGeO2 からなるガラスにはSi、Ge、O以外の元素を導入しないことを特徴とする上記シリカ系ガラスの製造方法を提供する。
さらに本発明は、波長165nmでの光の吸収係数が1cm-1以上であることを特徴とするシリカ系ガラスを提供する。
なお、光の吸収係数とは光が長さtcmの物質(この場合はガラス)を通過する際にその強さがI0からIになったとすると、吸収係数αは下記数1
【数1】
で定義される。
【作用】
本発明者らは、従来の水素雰囲気中での長時間暴露を必要とせずに、光照射により高屈折率変化できるシリカ系ガラスを得る手段を見いだした。以下に本発明のシリカ系ガラスとその製造方法を具体的に説明する。
本発明の原材料シリカ系ガラス多孔質体としては、Si,Ge、O以外の元素を含有しないものが好ましい。これは、光照射により屈折率を変化させるために必要な元素はSi、O、Geのみであり、その他の元素の存在は光の透過率を低減させてしまうという理由から好ましくない。
このようなガラスとしては高純度石英ガラス(SiO2 99.9999%以上含有)、GeO2 含有の高純度石英ガラス(GeO2 −SiO2 )等が挙げられ、製法としては特に限定されるところはないが、例えばゾル−ゲル法、VAD法等の気相法によるものが挙げられる。多孔質体のカサ密度範囲は多孔質体として存在できて、かつ以下に説明する第一の加熱処理によりガラス内にCl2 を取り込める範囲にあれば特に限定されない。
【0006】
該ガラス多孔質体を少なくとも20容量%以上のCl2 ガス又はSiCl4 ガスを含有する不活性ガス雰囲気中、特に好ましくは20容量%以上のCl2 ガス又はSiCl4 ガスを含有するHeガス雰囲気中、1000℃以上、好ましくは1000〜1200℃、特に好ましくは1150〜1200℃で加熱処理する。1000℃未満では所期の効果を得難く、また1200℃を越えると一部透明化する場合がある。この処理により脱水及びガラス中へのCl2 取り込みが行われる。当該混合ガス雰囲気中のCl2 ガス又はSiCl4 ガスの濃度は20容量%〜100容量%であり、処理時間は〜30分が一般的である。
【0007】
上記の第一の加熱処理が終了した後、更に高温で加熱し透明ガラス化する。この第二の加熱処理の際の雰囲気は不活性ガスのみが好ましく、特に好ましくはHe100%雰囲気中、温度1500〜1650℃に加熱する。透明ガラス化が終了した後、当該ガラス体を1000℃までHe雰囲気中でゆっくり冷却する。1000℃迄冷却した透明ガラス体を次に常温まで急冷する。具体的には例えば常温の液体中に投入して急冷する。該液体としては水が好適である。なお、本発明にいう常温とは10〜30℃である。
以上で得られたガラス体を部品作成用に切断研磨した後、光回路を描画後、匡体に組み込み製品を完成する。
【0008】
本発明の作用は次のとおりである。
(1)処理の雰囲気ガスとして20容量%以上のCl2 又はSiCl4 を用いるのでガラス内へのCl2 の取り込み率が高く、光照射に対して高感度化させるのに必要な欠陥、すなわち波長165nmにおける吸収を有する−Si−Si−欠陥、を高濃度でガラス中に導入することが可能となる。
このような SiSi欠陥を高濃度に有するガラスは、波長165nmの光の照射により高屈折率に変化し、この変化は永久的である。
(2)加熱透明化の後1000℃までは比較的ゆっくりと冷却することによりガラス中の仮想温度を設定する効果が得られる。なお、ガラスが高温状態から急冷されるとその構造を維持したまま固化する、つまり、ガラスは元の状態を記憶しいてることになり、この温度を仮想温度という。
(3) 冷却の際に、1000℃から急冷することにより、ガラス中の仮想温度を固定でき、得られる透明ガラス体の初期屈折率を低く抑えることができ、光照射による大きな屈折率変化を達成することが可能になる。
(4) 水素ドープ等の処理が不必要なので処理時間を大幅に短縮することができる。
(5) 本発明による波長165nmでの光の吸収係数が1cm-1以上という SiSi欠陥が高濃度であるガラスは、光の照射に対する屈折率変化を大きくすることができる。このようなガラスは従来得られていないものである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
シリカ系ガラスの母材を図2に示すような構成のVAD法により作成した図1において、6はガラス多孔質体、7は反応容器、8はガラス多孔質体合成用バーナに導入されるガラス原料ガスと燃焼ガスおよび助燃ガスの混合ガス、9は排気を意味する。原料ガスとしては、SiCl4 を用いた。
得られた多孔質ガラス体を、石英製の炉中で、温度1100℃にてSiCl4 :He (1:1)雰囲気中で60分間脱水処理した。次に、炉温を1600℃に上昇し、He ガス(100%)雰囲気中で60分間保持して透明なガラスとした。その後、1000℃まで3℃/分の速度でゆっくり1000℃まで降温し、該透明ガラス体を炉から取り出し、常温(27℃)に保たれた水中に投入し急冷した。得られたガラスの波長165nmでの光の吸収係数は30cm-1であった。また、このガラスの初期屈折率は1.4598であったが、波長165nmのSR光〔Synchrotron Radiation:シンクロトロン放射光〕、小型SRリングNIJI−II号のアンジュレータ光、を30分間照射したところ、屈折率は1.4602に変化することを確認した。また、光照射後の165nmでの光の吸収係数は25cm-1であった。
【0010】
実施例1で得られたシリカガラス(光照射していないもの)を部品作製用に切断研磨した。図1の(a)に示すように、実施例1で得た屈折率が1.4598のシリカガラス2の上にパターン形成用マスク3を被せ、上記した波長165nmのSR光1を照射することにより、屈折率を1.4602以上に変化させた部分4を形成して光回路を描画した後、図1の(b)に示すように屈折率1.4598のシリカガラスからなる被覆部5をクラッドとして火炎堆積法により形成した。得られた光部品を匡体に組み込み製品とした。
【0011】
〔実施例2〕
実施例1において温度1100℃での脱水処理の雰囲気をSiCl4 :Cl2 :He (1:1:1)とした以外は同様にして、急冷後の初期屈折率1.4578、波長165nmでの光吸収係数が20cm-1のシリカ系ガラスを得た。また、波長165nmのSR光を30分間照射することにより、屈折率1.4582、光吸収係数が18cm-1に変化した。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシリカ系ガラス及びその製法は、水素ドープの必要はなく、しかも容易に高屈折率変化を得られるので、従来の導波型光部品作製プロセスに比較して処理時間を大幅に短縮することが可能であり、効率良く大量生産できるため、産業上非常に利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明のシリカ系ガラスを用いた光部品の作成工程を説明する概略断面図である。
【図2】は本発明の製法に用いるガラス多孔質体の製造の一具体例を説明する概略図である。
Claims (4)
- SiO2又はSiO2とGeO2からなるガラス多孔質体を、少なくとも20容量%以上のSiCl4ガスを含有する不活性ガス雰囲気中で温度1000℃以上に保持し、次に不活性ガス雰囲気中で加熱透明化することにより波長165nmでの光の吸収係数を1cm-1以上の透明ガラス体を得ることを特徴とするシリカ系ガラスの製造方法。
- 上記不活性ガスが、Cl 2 ガスを含有することを特徴とする請求項1記載のシリカ系ガラスの製造方法。
- 上記不活性ガス雰囲気中での加熱透明化の後、1000℃まで冷却されたガラスを、ガラス中の仮想温度を固定できる程度に冷却することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシリカ系ガラスの製造方法。
- 上記SiO2又はSiO2とGeO2からなるガラスにはSi、Ge、O以外の元素を導入しないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシリカ系ガラスの製造方法。
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