JP3975334B2 - 合成石英ガラスの熱処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、400nm以下の波長領域、特に真空紫外領域で使用されるリソグラフィ用光学部材の制作に有効な合成石英ガラスの熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
合成石英ガラスは、その高い紫外線透過性のため、半導体製造におけるリソグラフィ用の光学部材として主要な役割を果たしている。リソグラフィ装置における合成石英ガラスの役割は、シリコンウエハ上への回路パターンの露光、転写工程で用いられるステッパー用レンズ材料やレチクル(フォトマスク)基板材料である。
【0003】
ステッパー装置は、照明系部、投影レンズ部、ウエハ駆動部から構成されており、光源から出た光を照明系が均一な照度の光としてレチクル上に供給し、投影レンズ部がレチクル上の回路パターンを正確かつ縮小してウエハ上に結像させる役割を持っている。
【0004】
これらの素材に要求される品質は、光源からの光の透過性の高いことはもちろんのこと、透過する光の強度が均一であるなど、光学的均質性も非常に重要なものとなっている。
【0005】
近年、LSIはますます多機能、高性能化しており、ウエハ上の素子の高集積化技術が研究開発されている。素子の高集積化のためには、微細なパターンの転写が可能な高い解像度を得る必要があり、解像度は(1)式で表すことができる。
R=k1×λ/NA (1)
R :解像度
k1:係数
λ :光源の波長
NA:開口数
【0006】
(1)式によれば高解像度を得る手段は2つ考えられる。1つは、開口数を大きくすることである。しかしながら、開口数を大きくするとそれにつれて焦点深度が小さくなるため、現状がほぼ限界と考えられている。もう1つの方法は、光源を短波長化することである。
【0007】
現在、光源として利用されている紫外線の波長は248nm(KrF)が主流であるが、193nm(ArF)への移行が急がれており、また将来的には157nm(F2)への移行が非常に有力になっている。
【0008】
200nm以下の波長のいわゆる真空紫外域に使用する素材としては、透過性のみであればフッ化カルシウム単結晶も使用可能と考えられるが、素材強度、熱膨張率、レンズやレチクル用基板として使用するための表面研磨技術等、実用レベルで克服すべき問題が多い。このため合成石英ガラスは、将来的にもステッパ−やレチクル用の基板を構成する素材として非常に重要な役割を担うと考えられる。
【0009】
しかしながら、高い紫外線透過性を有している石英ガラスであっても、200nm以下の真空紫外域では透過性が次第に低下していき、石英ガラスの本質的な構造による吸収領域である140nm付近になると光を通さなくなる。本質吸収領域までの範囲における透過性は、石英ガラス内の不安定な構造や欠陥構造によって決まる。
【0010】
不安定な構造とは、石英ガラスの基本骨格であるSi−O−Si結合で不安定な結合角を有するものであり、3員環及び4員環構造をとる。これらがレーザー照射を受けると、そのエネルギーにより開環し、欠陥構造を生成する。欠陥構造に関しては、例えば、光源波長が157nmであるF2エキシマレーザーを例にとると、透過率に影響する欠陥構造としてSi−Si結合及びSi−OH結合が存在する。Si−Si結合は、酸素欠損型欠陥と言われ、吸収の中心波長を163nmに持つ。この酸素欠損型欠陥は、215nmに吸収帯を示すSi・欠陥構造の前駆体でもあるためF2(157nm)ではもちろんのこと、KrF(248nm)やArF(193nm)を光源とする場合にも非常に問題となる。また、Si−OH結合は160nm付近に吸収帯を示す。よって高い真空紫外線透過性を実現するためには、上記の3員環及び4員環構造や欠陥構造を可能な限り低減させる必要がある。これを解決するために従来の研究では、シリカ原料ガスの火炎加水分解により多孔質シリカ母材を作製し、これをフッ素化合物ガス雰囲気下で溶融ガラス化するなどの方法がとられてきた。
【0011】
この方法により、石英ガラス中にフッ素がドープされるわけであるが、フッ素のドープにより3員環及び4員環構造が低減することが知られている。また、フッ素ドープにより石英ガラス中のSi−OH結合をなくし、Si−F結合を生成させることができる。Si−F結合は結合エネルギーが大きく、強固な結合であり、その上150〜170nmに吸収帯をもたない。その結果として、上記方法でフッ素をドープした石英ガラスは、F2(157nm)の真空紫外線に対して高い透過性を示す。しかしながら、このようにして得られた合成石英ガラスを成型し基板を作製すると、基板面内で複屈折が非常に高いなどの光学的な不均一性を示す場合が少なくない。
【0012】
光学的に不均一な基板をレチクル等に使用した場合、転写する像が一部ぼやけてしまい、材料としての使用が困難になる。そのため、高い透過性を有することに加えて、光学的に均質である合成石英ガラスの製造方法の確立が望まれている。
【0013】
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、複屈折量が低く、光学的に均質な石英ガラスを得ることができる合成石英ガラスの熱処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため、ガラス化した合成石英ガラスの熱処理条件を鋭意検討した結果、下記方法により複屈折を向上させることを可能にした。これにより、400nm以下、特にArFやF2等の200nm以下の真空紫外光に対して高い透過性を有し、かつ複屈折量が低い、光学的に均質な石英ガラスが得られることを知見したものである。
【0015】
即ち、本発明は、下記合成石英ガラスの製造方法を提供する。
(1)合成石英ガラスを歪点以上かつ徐冷点以下の温度範囲の一定温度で20時間以上保持する第一の熱処理を行い、次いでこの第一の熱処理の実施温度から500℃までの冷却速度を平均100℃/Hr以上として冷却を行った後、歪点以上かつ上記第一の熱処理温度より低温の温度範囲の一定温度で20時間以上保持する第二の熱処理を行い、次いで500℃までの冷却速度を平均100℃/Hr以上として冷却することを特徴とする合成石英ガラスの熱処理方法、
(2)合成石英ガラスがフッ素ドープされたものであることを特徴とする(1)記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
【0016】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、特に真空紫外光の透過率が高く、かつ光学的に均質な合成石英ガラスの熱処理方法に係るものであり、この場合、真空紫外光の透過率を高めるためには、石英ガラスとして、フッ素原子をドープした合成石英ガラスを用いることが好ましい。これは、フッ素ドープにより、石英ガラス中の不安定な結合状態や欠陥構造を低減させることができるからである。その上、フッ素ドープにより生成したSi−F結合は結合エネルギーが大きいため、耐紫外線性が良好である。
【0017】
本発明では、合成石英ガラス、特にフッ素ドープにより400nm以下の波長領域、特に真空紫外領域で高い透過性を有する石英ガラスにおいて、従来とは異なる条件で熱処理することにより、複屈折を低減させ、光学的均質性を向上させる。即ち、従来、熱処理は石英ガラス内の熱応力による歪などを除去するために行われてきた。その方法としては、石英ガラスの徐冷点以上で一定時間加熱し、歪点以下まで徐冷する。ここで、歪点とは、石英ガラスの粘度が1013.5Pasとなる温度であり、この温度では粘性流動が事実上起こらず、この温度以下ではガラス中の歪を除去できない。また、徐冷点は粘度が1012Pasとなる温度であり、ガラス加工で生じた内部歪が約15分で除去できる温度とされている(非晶質シリカ材料応用ハンドブック、株式会社リアライズ社)。つまり従来の方法としては、15分で歪が除去できるような高温で保持することにより歪を除去し、冷却の際にあらたな歪が発生しないように時間をかけて徐冷する。
【0018】
この方法では、直接法やスート法などで合成した通常の石英ガラスの複屈折を低減させることができるが、F2エキシマレーザー用のようなフッ素をドープした石英ガラスについては、必ずしも複屈折を低減できるとは限らなかった。この理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。石英ガラス中にSi−F結合が高温で存在すると、Si−F結合が一部切れる。フッ素は反応性が非常に高いので、遊離したフッ素原子が他の結合と再結合するかもしれないが、再結合しなかったとしてもフッ素濃度の分布が生じる。このフッ素濃度の分布が、石英ガラス中の密度分布になり、歪を発生させる。この現象を従来の熱処理方法にあてはめると、徐冷点以上の高温で保持している間に熱歪は除去できるが、これを徐冷すると上記のようなSi−F結合の切断・再結合が徐冷中にもおこるので、結果としてあらたな歪が発生する。また、高温であればあるほどSi−F結合の切断が促進されるので、歪の発生が起こり易い。
【0019】
これに対し、本発明の熱処理方法は、第一の熱処理として、合成石英ガラスを歪点以上かつ徐冷点以下の温度範囲において、一定温度で20時間以上保持した後、冷却することを特徴とするものであり、この場合、上記熱処理終了及び冷却後に、第二の熱処理としてその熱処理温度よりも低温の一定温度で20時間以上保持した後、冷却することが好ましい。
【0020】
ここで、本発明のように歪点以上かつ徐冷点以下の温度で一定時間保持した後、冷却(急冷)すると、歪点以上より熱歪が除去され、従来の熱処理温度と比較して低温なのでSi−F結合の切断が最小限に抑えられ、急冷するためにSi−F結合の切断・再結合も最小限に抑えられる。なお、急冷による熱歪の発生が懸念されるかもしれないが、本発明の熱処理温度は徐冷点よりも低い温度であり、粘性流動が大きくない温度であるため、その影響は非常に小さい。
【0021】
本発明の詳細について、例としてF2エキシマレーザー用の石英ガラスについて説明する。まずフッ素ドープ石英ガラスを製造する場合、その方法は、酸素ガス、水素ガス及びシリカ製造原料ガスをバーナーから反応域に供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加水分解によりシリカ微粒子を生成させると共に、上記反応域に回転可能に配置された基材に上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、この母材をフッ素化合物ガス含有雰囲気下で加熱・溶融し石英ガラスを得る。かかる方法自体は公知の方法、条件を採用し得、例えば酸素ガス、水素ガス、シリカ製造原料ガスの流量などは通常の流量範囲を選択し得る。
【0022】
また、フッ素化合物ガスをバーナーから反応域に供給し、フッ素含有多孔質シリカ母材を作製し、これをガラス化してもよい。
【0023】
シリカ製造原料ガスとしては、四塩化ケイ素などのクロロシランやテトラメトキシシランなどのアルコキシシラン、ヘキサメチルジシランなどのジシラン等公知のケイ素化合物が使用されるが、Si−Cl結合の紫外線吸収を考慮すると、Clを含まないアルコキシシランが好ましい。フッ素化合物ガスとしては、SiF4、CHF3、CF4などが選択され得る。
【0024】
加熱・溶融雰囲気としては、上記フッ素化合物ガスやヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス又はこれらの混合雰囲気とされる。
【0025】
ガラス化温度及び時間は、ガラス化雰囲気中のフッ素化合物ガス濃度や多孔質シリカ母材の密度などにより1200〜1700℃の範囲で適切な条件が選択される。ガラス化の前に、ガラス化温度より低い温度で多孔質シリカ母材を加熱する、脱水工程を実施してもよい。この場合の加熱雰囲気も、上記フッ素化合物ガスやヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス又はこれらの混合雰囲気とされる。ガラス化後は同炉内にて急冷、徐冷もしくは放冷にて室温まで冷却される。
【0026】
このようにして得られた合成石英ガラスを成型し、熱処理・切断・研磨等の工程を経てリソグラフィ用の光学部材を製造するのであるが、本発明と従来の方法では、このうちの熱処理方法が異なる。
【0027】
従来では、石英ガラスを電気炉などを利用してその徐冷点以上に加熱保持したのち10℃/Hr以下程度の速度で徐冷するのであるが、本発明では加熱保持する温度が従来より低く、歪点以上かつ徐冷点以下の範囲とする。好ましくはより歪点に近い温度、具体的には歪点±50℃以内が好ましい。歪点未満では成型の際に発生した熱歪を十分に除去することができず、徐冷点を超えると、Si−F結合が切断され易い。また、本発明の熱処理温度は徐冷点以下であるが、歪除去に関して、徐冷点を超えるときと比較して温度が低いために石英ガラス内での粘性流動が小さいことは、熱処理時間を長く設定することにより補われる。本発明の熱処理時間は、20時間以上、特に50時間以上が好ましい。なお、その上限は適宜選定されるが、通常100時間以下である。熱処理後に石英ガラスは冷却されるのであるが、本発明では従来法とは異なり徐冷は行われない。例えば、熱処理温度での保持が終了したら、電気炉のヒーターをOFFにし、炉内にてそのまま冷却する。冷却時に炉内に不活性ガスを導入したり、石英ガラスを炉内から取り出して冷却したり、電気炉を開放して電気炉ごと放冷してもよいが、処理温度が高温なため、これらを実施するには電気炉以外に特別な装置・処置を講ずる必要がある。
【0028】
冷却は、石英ガラス内のSi−F結合が切断されない温度まで急冷する必要があるが、本発明者らによる検討の結果、500℃まで急冷すればよいことが判明した。よって、冷却は熱処理温度から500℃までは平均100℃/Hr以上の速度で行われるのが好ましい。また、冷却はより速い速度が好ましい。500℃から室温までは、石英ガラス内のSi−F結合切断の影響を考えなくてもよいため、急冷、放冷、徐冷のいずれを実施してもよい。
【0029】
上記の熱処理の終了後に再び熱処理を行うと、より複屈折が良好な値になる場合がある。これは、1回目の熱処理によって熱歪がわずかに発生し、これが再熱処理によって除去されるためであると考えられる。この場合、第二の熱処理温度は1回目(第一)の処理温度よりも低い温度で、好ましくは歪点以上の温度とする。なお、その熱処理時間は、20時間以上であり、20〜100時間、特に20〜50時間が好ましく、また熱処理後の冷却条件、冷却方法は上記と同様であることが好ましい。
【0030】
このようにして得られた石英ガラスは、熱処理後の研削・切断加工や研磨などを経てリソグラフィ用の光学部材となる。その結果得られた部材、例えばレチクル用の基板であれば、その物性は以下の値が好ましい。透過率は分光光度計により測定され、157.6nmであれば80.0%以上、好ましくは83.0%以上、更に好ましくは84.0%以上とする。透過率分布は、157.6nmで1.0%以下が好ましい。より好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下である。
【0031】
複屈折量は、波長633nmのHe−Neレーザーによる光ヘテロダイン法により測定され、その値は10nm/cm以下、より好ましくは5nm/cm以下、更に好ましくは1nm/cm以下が適している。複屈折量は、波長依存性があるため、測定値はF2レーザーの使用波長である157.6nmやArFエキシマレーザーの使用波長である193.4nmなどの複屈折量に換算することができる(Physics and Chemistry of Glasses 19 (4) 1978)。
【0032】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、この実施例に記載されている石英ガラスの熱処理温度などの条件は、この発明をその範囲に限定することを意味しない。
【0033】
[参考例1]
H2ガス、O2ガス、原料としてのテトラメトキシシランをバーナーから供給し、酸水素火炎での加水分解により多孔質シリカ母材を製造した。この多孔質シリカ母材をSiF4とHeの混合雰囲気で1500℃まで加熱して合成石英ガラスインゴットを得た。この石英ガラスの歪点及び徐冷点はそれぞれ920℃、1000℃であった。
【0034】
得られた石英ガラスインゴットを150mm角のサイズに加熱成型した後、切断して数個のサンプルにし、そのうちのサンプル1個を電気炉で熱処理した。熱処理前の複屈折を測定したところ、サンプル面内で30nm/cm以下であった。熱処理温度は980℃で、保持時間は100時間とした。熱処理終了後は、電気炉のヒーターを切り、そのまま炉内で冷却した。炉内が500℃まで冷却される速度は、平均で120℃/Hrであった。サンプルの複屈折を測定したところ、サンプル面内で5nm/cm以下であった。結果を表1に示す。
【0035】
[実施例1]
参考例1で熱処理を行ったサンプルを電気炉にて再度熱処理した。熱処理温度は930℃で、保持時間は50時間とした。熱処理終了後は、電気炉のヒーターを切り、そのまま炉内で冷却した。炉内が500℃まで冷却される速度は、平均で120℃/Hrであった。サンプルの複屈折を測定したところ、サンプル面内で2nm/cm以下であった。結果を表1に示す。
【0036】
[比較例1]
参考例1で作製した熱処理前のサンプル1個を電気炉で熱処理した。熱処理前の複屈折を測定したところ、サンプル面内で28nm/cm以下であった。熱処理温度は、1050℃で、保持時間は10時間とした。その後は800℃まで3℃/Hrの速度、800℃から500℃までは10℃/Hrの速度で徐冷したのち電気炉のヒーターを切り、そのまま炉内で冷却した。サンプルの複屈折を測定したところ、サンプル面内で15nm/cm以下であった。結果を表1に示す。
【0037】
[比較例2]
参考例1で作製した熱処理前のサンプル1個を電気炉で熱処理した。熱処理前の複屈折を測定したところ、サンプル面内で30nm/cm以下であった。熱処理温度は800℃で、保持時間は100時間とした。その後は500℃までは10℃/Hrの速度で徐冷したのち電気炉のヒーターを切り、そのまま炉内で冷却した。サンプルの複屈折を測定したところ、サンプル面内で30nm/cm以下であり、ほとんど変化がなかった。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明の合成石英ガラスの熱処理方法により、400nm以下の波長領域、特にF2エキシマレーザー用など200nm以下の真空紫外光に対して複屈折量が低い、光学的に均質な石英ガラスを得ることができる。
Claims (2)
- 合成石英ガラスを歪点以上かつ徐冷点以下の温度範囲の一定温度で20時間以上保持する第一の熱処理を行い、次いでこの第一の熱処理の実施温度から500℃までの冷却速度を平均100℃/Hr以上として冷却を行った後、歪点以上かつ上記第一の熱処理温度より低温の温度範囲の一定温度で20時間以上保持する第二の熱処理を行い、次いで500℃までの冷却速度を平均100℃/Hr以上として冷却することを特徴とする合成石英ガラスの熱処理方法。
- 合成石英ガラスがフッ素ドープされたものであることを特徴とする請求項1記載の合成石英ガラスの熱処理方法。
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