JP4700787B2 - 合成石英ガラスおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明はエキシマレーザ光等、紫外域の高出力レーザ光を利用する光学装置に使用される光学用合成石英ガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子の縮小化や高密度化要求に伴い、ウェーハ上の回路パターンにおける超微細化が進み、光リソグラフィに用いられる光線として、紫外線からより波長の短い真空紫外域の光が用いられるようになっている。従来、紫外域の光に対するレンズ、プリズム、ウィンドウ、エタロン板、あるいはLSI製造のリソグラフィ用マスク等の光学用材料として、この波長域にて光の透過性のすぐれた石英ガラスが適用されてきた。しかし、石英ガラス中に不純物が多く含まれていると、特定波長の吸収があったり蛍光を発したりするので、とくに透明度などを要求される場合は高純度の合成石英ガラスが用いられる。高純度の珪素化物を酸水素炎などにより加水分解してSiO2とする合成石英ガラスの製造方法では、不純物を極めて少なくすることができる。
【0003】
しかし使用される光がさらに短波長側に移行し、しかも高エネルギー密度のKrF(波長:248nm)やArF(波長:193nm)のエキシマレーザ光が適用されるようになると、この合成石英ガラスもダメージを受けるようになり、透過率の低下を生じて耐用時間が短くなってくる。これは、ガラスを構成している珪素と酸素の結合が切断されたり、切断されて他の位置に再結合したりして、ガラス構造そのものが損傷を受けるためで、その結果、E’センターやNBOHC(Non-Bridge Oxygen hole cennter)と呼ばれる各欠陥に基づく新たな吸収帯を発生したり、局所的な密度変化による屈折率の変化などを生じるからである。
【0004】
このような、電離作用の強い短波長の光による石英ガラスの反復使用時間経過にともなう透過率劣化の対策として、従来、OH基濃度を高め水素を含有させる方法が考えられてきた。OH基は多すぎると石英ガラスの耐熱性を悪くするが、適量の含有は、エキシマレーザ光照射による石英ガラス構造の損傷を修復する作用があり、透過率低下の抑止に有効であることが認められている。
【0005】
水素の含有もこの透過率低下抑止に効果的であり、OH基濃度の制御と併用し活用される。これは照射により石英ガラス構造が切断されてできたSiO端に結合して、OH基を形成することによるとも考えられる。しかし、水素はその含有量の増加には限界があり、石英ガラスが厚くなると、その中心部まで十分に水素濃度を高めることができないことや、透過率低下の抑止効果は含有水素の消費を伴うため、照射光のエネルギ密度が増してくると、含有している水素の消費量が増大し、その効果が短時間で失われてしまう。
【0006】
これに対し、OH基濃度を高めるとともにF(弗素)濃度を高くする方法が提案されている。Fの含有は、水素と同様ガラス構造の切断端に結合すると推定されるが、照射による透過率低下の抑止効果は水素よりはるかに大きく、長期にわたり効果が継続する。たとえば、特開平8-67530号公報に開示された発明は、OH基濃度を10質量ppm以上かつFを1質量%以上(以下濃度はいずれも質量比とする)含有した合成石英ガラスとすることにより、紫外光域での透過率を高めるだけでなく、エキシマレーザ等に対する耐レーザ性が極めてすぐれたものになるとしている。
【0007】
OH基とFとの含有は合成石英ガラスの強力なレーザ光照射による透過率劣化を抑止する効果が大きい。しかしながら、OH基もFもその含有により石英ガラスの屈折率を変化させる作用がある。その上、含有させる方法やその濃度によってはガラス中に偏在することが多く、これらを含有させて透過率劣化を抑止しようとすると、石英ガラス部品全体にわたる屈折率変動幅Δnが大きくなりがちである。そうなると、例えば微細で高精度を要求される超LSIの露光装置の光学部材などに対し、その使用に耐える均質性が得られなくなるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、OH基とFとを含有させた、ArFエキシマレーザ光等短波長の強力な紫外光照射による透明度劣化の耐性にすぐれ、かつ屈折率変動幅Δnの極めて小さい光学用石英ガラスとその製造方法の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高純度の合成石英ガラスにおける短波長高エネルギ密度のKrF(248nm)やArF(193nm)などの、レーザ光照射に対する透過率劣化を改善すべく、とくにFとOH基との含有効果に着目して種々検討をおこなった。それによれば、スート法による高純度の合成石英ガラスにて、これら二つを共に含有させ、しかもその量を増すことは、透過率劣化の抑止に顕著な効果のあることが確認できた。
【0010】
しかしながら、得られた合成石英ガラスについて光学特性を調べたところ、予想されたように、ArFエキシマレーザ光の初期透過率が低いこと、および屈折率の変動幅が大きいことの二つの問題のあることがわかった。初期透過率がよくなければ、たとえ透過率劣化が少なくても光学部材としては好ましくなく、屈折率の変動は、露光装置の画像などの精細度低下をもたらす。
【0011】
まず初期透過率が低いことに関しては、OH基濃度の低減を検討した。その結果、ArFエキシマレーザ光に対し、初期透過率は厚さ10mmにつき99.7%以上であることを目途とすると、OH基濃度は100ppm以下としなければならないことがわかった。
【0012】
屈折率分布に関しては、直径220mmの円内の屈折率分布を調査し、その範囲内にて変動幅Δnをできるだけ小さくすることを目標とし検討をおこなった。OH基濃度を上記のように低下させると、屈折率の変動幅を多少は減少させることができる。しかしながらその効果は大きくない。F濃度も低くすると変動幅Δnはさらに小さくできるが、レーザ光照射による透過率劣化が増してくる。
【0013】
そこで、OH基濃度およびF濃度が、レーザ光照射に対する透過率劣化を十分抑止できる範囲である合成石英ガラスにおいて、この透過率の変動幅をできるだけ小さくするための方法をさらに検討した。このような検討の過程で、透明化後のOH基とFを含む石英ガラスを熱処理した際、雰囲気を大気圧(101325Pa)以下のHeやArなど不活性元素気体の減圧下として、1000℃を超える温度に加熱すると、雰囲気圧力に応じて、合成石英ガラスの屈折率が1×10-2程度変化することが見出された。
【0014】
不活性元素ガスは、通常、他の元素との交互作用を有するとは考えられず、合成石英ガラスに対しても、分圧に比例して溶解量が増すかもしれないが、この場合の雰囲気は大気圧以下であり、その量はほとんど検出不能な程度の極微量であると推測される。それにも関わらず、処理後の屈折率に影響するのであれば、不活性原子の単なる拡散あるいはその存在が、高温での石英ガラス内のOH基やF原子の再配列に影響を及ぼしているのではないかと思われた。
【0015】
このような効果があるとすれば、屈折率分布にも影響を及ぼす可能性があるので、不活性ガスの種類および圧力を変えて熱処理をおこない、屈折率分布を調査した結果、前述の直径220mmの円内における屈折率変動幅Δnが、5×10-7以下に低減できることが明らかになったのである。
【0016】
以上のような知見に基づき、さらにそれぞれの限界条件を明らかにして本発明を完成させた。すなわち本発明の要旨は次のとおりである。
(1)OH基濃度が15ppm以上100ppm以下、F濃度が1ppm以上40ppm以下で、屈折率の変動幅Δnが3×10-7以下であることを特徴とする光学用合成石英ガラス。
(2)合成石英ガラス多孔体を透明化処理した後、不活性元素He、Ne、Ar、KrおよびXeの少なくとも一種の雰囲気中30〜10000Paの圧力下で、1000〜1500℃にて1〜20時間の熱処理をおこなうことを特徴とする、OH基濃度が15ppm以上100ppm以下、F濃度が1ppm以上40ppm以下で、屈折率の変動幅Δnが5×10-7以下である光学用合成石英ガラスの製造方法。
【0017】
屈折率は、その光学材料の光の透過度、レンズの焦点深度、解像度等に大きく影響し、光学用石英ガラスの場合もその制御は重要である。合成石英ガラスの屈折率を変えるために、BやAlなどの他の元素の微量ドープがおこなわれることがあるが、このような場合、ある面内における屈折率の変動を小さくすることは容易ではない。しかし、上記のような不活性雰囲気処理をおこなえば、この変動幅を小さくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の光学用石英ガラスのOH基濃度は100ppm以下とする。OH基はレーザ光照射による透過率の低下抑止のために含有させる。しかし100ppmを超える量含有させると、対象とするKrFまたはArFエキシマレーザ光の、初期透過率が低下してくる。また、少なくなるとその透過率低下抑止効果が得られないので、10ppm以上含有していることが好ましい。
【0019】
石英ガラス中のF濃度は1ppm以上1000ppm以下とする。FはOH基と共に含有させることにより、レーザ光照射による透過率低下を効果的に抑止することができる。しかし、1000ppmを超える量含有させると屈折率の変動幅が大きくなるので、多くても1000ppm以下とし、少なすぎるとその効果が不十分になるので、1ppm以上とするのがよい。屈折率変動幅をより小さくするには、5〜600ppmとするのが望ましい。
【0020】
屈折率の分布はフィゾー型光干渉計を用い、220mmの円の面積内における最大屈折率と最小屈折率の差Δnを求める。このΔnは従来の紫外線用合成石英ガラスでは5×10-6程度であるのに比し、本発明の石英ガラスは5×10-7以下である。Δnが小さいので、この石英ガラスを紫外線の透過する光路に適用すれば、解像度を大きく向上させることができる。
【0021】
不純物のアルカリ金属元素(Li、Na、K)、アルカリ土類金属元素(Mg、Ca)および遷移金属元素(Ti、Cr、Fe、Ni,Cu)の含有量は、それぞれいずれも質量比で50ppb以下とするのが望ましい。これらの元素はいずれも紫外光の初期透過率を低下させ、それとともにレーザ光照射による透過率低下を促進する傾向がある。このような作用は50ppb以下の含有とするとほぼ無視できる。
【0022】
これら不純物は、通常おこなわれている原料の珪素化物の精製方法にて、上記範囲に低減することが可能である。
【0023】
本発明の合成石英ガラスの製造は、OH濃度およびF濃度を目的とする範囲に制御するために、高純度の珪素化物原料を酸水素炎により加水分解して一旦石英多孔体(スート体)とし、それを焼結して透明化する方法が望ましい。Fを所要量含有させるには、通常の方法でスート体とし、これをたとえば650〜800℃に加熱し、HeやArをキャリアガスとし四弗化珪素(SiF4)混ぜて炉内に流入させることにより実施する。キャリアガスに対するSiF4の流量比を選定することにより含有量を制御できる。また、SiF4を原料に添加し、これを加水分解してスート体にしてもよい。
【0024】
OH濃度を100ppm以下にするためには、Fを含有させたスート体において透明化処理温度より低い温度にて焼結処理をおこない、次いで10Pa以下のHeなどの雰囲気圧ないしは真空中で透明化処理をおこなう。
【0025】
透明化処理をおこなった石英ガラスインゴットは、不活性元素He、Ne、Ar、KrおよびXeの少なくとも1種の雰囲気中30〜10000Paの圧力下で、1000〜1500℃にて1〜20時間の不活性雰囲気処理をおこなう。ここで、不活性元素の雰囲気ガスの圧力を30〜10000Paとするのは、30Pa未満のガス圧力では、屈折率変動幅を小さくする効果が十分でなく、10000Paを超える圧力としても、それ以上の向上効果は得られないからである。この処理温度は温度は1000℃未満の場合、効果を得るための処理時間が長くなり、実用的でない。また1500℃を超えるとガラス中に不安定構造が生成するようになり、均質性を悪くするので好ましくない。加熱時間は1時間未満では効果が不十分であり、20時間を超えると効果が飽和し、それ以上の屈折率変動幅の低減は得られない。
【0026】
【実施例】
高純度の四塩化珪素を原料とし、酸素・水素火炎中にて加水分解反応をおこなわせ、多孔質合成石英ガラス(スート体)とした。このスート体を雰囲気炉に入れ、Fを種々の濃度添加するため、700℃、5時間の加熱をおこない、その際にHeをキャリヤとしSiF4の流量比を変えたガスを炉内に導入した。その後100PaのHe中で1100℃、10時間の仮焼処理をおこなった。次に、500PaのHe雰囲気下で、温度と時間を種々変えて焼結処理をおこない、OH基濃度を変化させた。これらF添加の際のSiF4の流量比、および焼結処理の温度と時間について表1に示す。
【0027】
焼結処理の後、20PaのHe雰囲気下で1550℃、10時間の透明化処理をおこなった。このようにして得た透明石英ガラスインゴットから、直径250mm、高さ100mmの試験材を切り出し、不活性元素ガス種、雰囲気圧、処理温度、時間、を変えて処理をおこなった。これら処理条件も併せて表1に示す。
【0028】
得られた石英ガラス試験材から、直径が素材と同じ220mmで、厚さ20mmの円盤を切り出してその上下面を研磨し、フィゾー干渉計を用いたオイルオンプレート法にて屈折率の変動幅Δnを測定した。また、屈折率はプリズム分光計を用い波長248nmの紫外光にて測定した。
【0029】
次にこれら石英ガラス試験材から15mm角の厚さ2mmの試験片を切り出し、赤外線吸収によるOH基濃度測定、紫外線透過率測定をおこなった。Fの濃度は蒸留分離イオンクロマトグラフ法で測定した。紫外線照射に対する耐性は、1ショット当たり200mJ/cm2のKrFエキシマレーザを106ショット照射し、照射前の透過率と照射後の透過率との差から判定した。透過率の測定には真空紫外分光計(日本分光製:VUV-200)を用いた。
【0030】
各試験材の特性評価結果を併せて表1に示す。これから明らかなように、本発明で定める不活性元素ガス雰囲気中で処理された、OH基濃度が100ppm以下で、F濃度が600以下である試験No.1〜11の石英ガラスは、いずれも屈折率のΔnが5×10-7以下であり、レーザ照射後の透過率低下は0.05%/cm以下のすぐれた特性を示している。
【0031】
これに比し、OH基濃度またはF濃度が本発明範囲を逸脱する試験No.12〜18の合成石英ガラスは、不活性元素ガス雰囲気中処理をおこなっても、屈折率分布の変動幅が十分低下していない。また、レーザ照射後の透過率低下も大きな値を示している。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明の合成石英ガラスは、KrFやArFエキシマレーザ等からの高出力の真空紫外線透過における光学的特性劣化に対して、すぐれた耐久性を有し、かつ石英ガラス部材内での屈折率の変動幅が小さい。この石英ガラスは、とくに使用光の波長が短波長かつ高出力化しつつある超LSI用光リソグラフィーの光学系等に効果的に活用できる。
Claims (2)
- OH基濃度が15ppm以上100ppm以下、F濃度が1ppm以上40ppm以下で、屈折率の変動幅Δnが3×10-7以下であることを特徴とする光学用合成石英ガラス。
- 多孔質合成石英ガラス体を透明化処理した後、不活性元素He、Ne、Ar、KrおよびXeの少なくとも一種の雰囲気中30〜10000Paの圧力下で1000〜1500℃にて1〜20時間の熱処理をおこなうことを特徴とする、OH基濃度が15ppm以上100ppm以下、F濃度が1ppm以上40ppm以下で、屈折率の変動幅Δnが5×10-7以下である光学用合成石英ガラスの製造方法。
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