JPH0627013B2 - 紫外線レーザ用合成シリカガラス光学体及びその製造方法 - Google Patents

紫外線レーザ用合成シリカガラス光学体及びその製造方法

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JPH0627013B2
JPH0627013B2 JP2154081A JP15408190A JPH0627013B2 JP H0627013 B2 JPH0627013 B2 JP H0627013B2 JP 2154081 A JP2154081 A JP 2154081A JP 15408190 A JP15408190 A JP 15408190A JP H0627013 B2 JPH0627013 B2 JP H0627013B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、略400nm 以下の紫外線レーザに使用されるレ
ンズ、窓部材、ミラー、プリズム、フィルタ、エタロン
板、その他のレーザ光用の合成シリカガラス製光学体及
びその製造方法に関する。
「従来の技術」 近年における LISの微細化、高集積化の進展は極めて著
しく、すでにチップ当りの素子数が百万以上のVLSIの時
代に入っている。これに伴ないウエハ上に集積回路パタ
ーンを描画するリソグラフィ技術においてもその開発が
急速に進み、より微細な線巾例えば1MビットDRAMに対応
する線巾1μm、4MビットDRAMに対応する線巾0.8 μm
が開発されている。そして今やサブミクロンの線巾すな
わち16M ビット乃至256MビットDRAMに対応する0.5 乃至
0.2μmの線巾で描画可能なリソグラフィ技術の開発が
急務とされている。
しかしながら従来の光リソグラフィ技術はその欠点とし
て露光波長が大きいため、回折により解像力が制限され
るという問題があり、上記要請を満足することはできな
い。
光の短波長化を図る為に、400nm 以下の紫外線を用いた
技術が開示されているが、従来の光学ガラスを用いたレ
ンズでは使用波長が365nm (i線)付近より光透過率が急
激に低下するために、レンズ材料を従来の光学ガラスか
ら石英ガラスに代える必要があるが、石英ガラスに通常
の紫外線を通過した場合光スペクトル巾が広いために色
収差が発生してしまう。
そこでスペクトル巾の狭い且つ紫外域で発振する高出力
パルスレーザであるエキシマレーザ、特にサブミクロン
単位のより鮮明画像を得るために短波長な KrF(248nm),
ArF(193nm)を前記光リソグラフィー用の光源として用い
た技術が検討されている。
しかしながらエキシマレーザ光は従来のg線等に比較し
て極めてパターが大であり而も発振波長の短波長化が進
むにつれ、例え前記石英ガラスを用いて前記レーザ光用
光学部材を製作したとしても該レーザ光が長時間照射さ
れるとレンズ等の光学部材がダメージを受け、透過率の
低下等の光学特性が低下し、最終的にクラックが発生す
るという問題が生じる。
ところで、従来水晶を溶融して造った天然石英ガラスを
水素ガス雰囲気中で約 400〜1000℃で加熱することによ
り電離線の作用によりその石英ガラスが着色を生じるの
を防止しようとする技術が提案されている(特公昭40-1
0228号参照)が、このような単に水素処理を施しただけ
にすぎない石英ガラスでは耐レーザ性が不充分であり、
前記問題点を解決することができない。
他方、本出願人等は先に特開昭64-28240号において、略
400nm 以下の紫外線レーザ光に使用される光学用石英ガ
ラス部材において、脈理除去、特に三方向脈理フリーの
石英ガラス材よりなり、光が透過する区域において屈折
率変動幅Δnが5×10-6以下の均質性を有することを特
徴とする光学用石英ガラス部材を提案した。しかし、か
かる光学部材は高純度合成石英ガラス塊を加熱し脈理を
除去した後、円柱状等の所望形状に成型し、更に内部歪
除去と均質化を図る為に加熱−徐冷処理(アニール処
理)し、光学部材を作製するものであるので、該徐冷工
程時に該光学部材の中心域と周縁域とでの温度差を生
じ、仮想温度(Fictive temperature) 分布が発生する。
該仮想温度分布の発生は結果として屈折率変動の分布を
引き起し更なる改良が望まれていた。
「発明が解決しようとする課題」 前記徐冷工程において徐冷速度を極力遅くしても、外気
と接する周縁側と中心域側の徐冷速度を均一化しながら
徐冷する事は不可能であり、該徐冷中高温状態にあるガ
ラス塊の中心域より周縁域の冷却速度が必然的に早くな
ってしまい、いわゆる中心域より周縁側に向け同心状に
して且つその断面内における仮想温度(Fictve temperat
ure) が中心域から周縁部に向って順次大きな値を示す
仮想温度分布を示す。
従って前記シリカガラス塊の屈折率分布の均一化を図る
為には、シリカガラスの合成による高純度化とともに、
その後における前記熱処理時における仮想温度分布の平
坦化を図らねばならないが、その改善には限界があり、
結果として前記屈折率分布の均質化を図るのは極めて困
難である。
そこで本発明は、OH基濃度分布による屈折率変動を効果
的に組合せることにより、前記問題を解決することを目
的とする。
「課題を解決する為の手段」 本発明は、屈折率分布の変動要因たる仮想温度差を極力
0に近づけて、光学部材における屈折率の高均一性を得
るのではなく、逆に前記仮想温度差を実質的に0にする
事が不可能である為に、前記変動要因の温度差の発生を
許容しつつ該温度差に対応させてOH基濃度分布状態を各
々適切に規制する事により、前記各々の分布状態に起因
して発生する屈折率変動を互いに打消し、結果として少
なくとも一の断面方向における屈折率分布の変動幅を2
×10-6以下に抑制した点にある。
更に、本発明の第二の特徴とする所は、内容歪除去の加
熱処理若しくは加熱処理と同時に行う水素ドーピング処
理にて紫外線レーザ照射による光透過率低下を抑制する
に充分な量の水素ガスをドープした点にある。
前記水素ドープ量の有効な範囲は、水素分子濃度の測定
か又は水素分子放出量として測定することにより決定し
うる その好ましい範囲は、前記水素ガスが5×1016(molecul
es/cm3) 分子濃度以上、若しくは真空下での1000℃昇温
時における放出量が少なくとも1×1020(molecles/m2)
以上になるように水素ガスをドープさせるのがよい。
尚、本発明による光学体は略400nmまでの紫外線、
特にレーザ光に好適に使用される。そしてかかる光学体
の製造方法として、 OH基を含有し、所定のOH濃度分布を有する合成シリ
カラス塊、具体的にはOH濃度が中心域から周縁域へ向
けて変曲点をもつことなく順次高くなるように設定した
合成シリカガラス塊を、 温度1000から1200℃に一定時間加熱し徐冷する
事により内部歪除去の処理を施すとともに、 この徐冷工程において、前記OH基濃度分布に基づく屈
折率変動分布を打消し合う方向に、例えば前記ガラス塊
の周縁域から中心域方向に形成される仮想温度に基づく
屈折率変動分布を形成しながら徐冷を行い、 ついでこのガラス塊を常圧乃至加圧の水素ガス雰囲気中
で例えば1000〜200℃の範囲内で加熱処理する事
により、 紫外光照射による光透過率低下を抑制するのに充分な量
の水素分子をドープすることにより形成される。
この場合前記水素ドープに先立って、減圧下で200〜100
0℃の範囲で加熱して脱ガス処理を施すことにより、一
層好ましく水素ドープが促進される。
又前記水素ドープ工程は独立した処理工程とする異な
く、素ガス雰囲気下で一定時間加熱し徐冷する事により
内部歪除去の処理を施すとともに、 この水素ガス雰囲気下における徐冷工程において、前記
OH基濃度分布に基づく屈折率変動分布を打消し合う方
向に、前記ガラス塊の仮想温度に基づく屈折率変動分布
を形成しながら徐冷を行うようにしても良い。
「作用」 本発明の作用を第1図に基づいて詳細に説明する。
前記したように高純度で且つ均一組成の合成シリカガラ
ス塊を用いて加熱−徐冷処理を行った場合は、屈折率分
布は前記仮想温度分布に依存してしまう為に、ガラス塊
の中心域より周縁域に移行するに連れ順次屈折率が大で
ある曲線、例えば(B) に示すような軸対称で且つ凹型曲
線状の屈折率分布が生じてしまう。
そこで前記屈折率分布を打消し、(試料番号1のA)に示
すような平坦な屈折率分布を得る為には、加熱処理前の
シリカガラス塊の屈折率分布を(試料番号1のC)のよう
な、母材中心域から周縁域に移行するに連れ順次小にな
るよう軸対称で且つ凸型曲線状の分布形状にすればよ
い。
一方OH基濃度分布と屈折率分布は第1図に示すように逆
相関関係にある為に、第1図の試料番号1及び2に示す
ようにその曲率カーブを任意に設定する事により、前記
仮想温度分布に依存する屈折率分布(B) を打消す屈折率
分布(C) の形成が容易であり、これにより本願の効果を
円滑に達成する事が可能となる。
尚、耐レーザ性能の評価要素である透過率や屈折率等の
変化はOH基の濃度分布のみならず、その含有量に依存
し、従ってOH基含有量を増大させる事により、蛍光特
性、屈折率、透過率等の光学特性の安定性が向上するの
は既に本発明者が先の出願(特願平1-134562号、特願昭
63-219628号)において記載した通りである。
ただし、その理由はシリカガラスに強力なレーザ光を照
射すると、ガラス網目構造を構成する原子間の結合が切
断され、その結果透過率が低下し、吸収バンドが現われ
る。又、蛍光強度も増加するが、これら原子間の切断も
ガラス組織中に含まれるOH基やH2の存在等により大部分
が修復されるものと推定される。
そこで、本発明は前記OH基濃度分布における最少濃度領
域におけるOH基濃度量を少なくとも50ppm 以上に設定し
ている。
さて、レーザ光用光学部材2は第2図に示すように、少
なくとも前記OH基濃度分布を有する断面方向から直交す
る面方向にレーザー光入射面2aを設定する訳であるが、
該光学部材2の場合は第2図に示す光学体1の一部を使
用するものである為に、前記濃度分布の極大又は極小点
が中心域にあるとは限らず第2図の2A,2C に示すように
極大点又は極小点さえない場合もある。そこで請求項2)
に記載した発明においては、水素ガスを含有する高純度
合成シリカガラスを用いて形成するとともに、その入射
面と直交する面内における屈折率分布変動幅(Δn)を
抑制する為に、該面内におけるOH基濃度が、最少濃度領
域から最大濃度領域に向けて変曲点をもつことなく順次
大きい値を示す曲面状の分布になるように設定したこと
を特徴としている。
「実施例」 次に製造手順に従って、本発明の好ましい実施例を説明
する。
先ず原料のケイ素化合物、CH3Si(OCH3)3を蒸留処理して
不純物を除去させた後沸素樹脂ライニング付ステンレス
製容器に貯溜した高純度原料を用意し、該高純度のCH3
Si(OCH3)3 原料を酸水素炎中で加水分解反応させ円柱状
の合成シリカガラスインゴットを製造するとともに、前
記限量酸素及び水素の各種ガスの混合比を調整して円柱
軸に対して、直交する断面におけるOH基濃度が中心域で
最小値を示し、周縁域に移行するに従い順次大きくなる
値を示す曲線状の分布、具体的にはOH基最小濃度が中心
域にある軸対称の上に凹型分布曲線(略二次分布曲線)
になるように制御し、もしくは該OH基濃度が中心域で最
大値を示し、周縁域に移行するに従い順次小さくなる値
を示す曲線状の分布、具体的にはOH基最大濃度が中心域
にある軸対称の上に凸型分布曲線になるように制御し、
もしくは該OH基濃度が均一であるように制御した。
尚、前記合成シリカガラスインゴット中のOH基濃度及び
OH基濃度分布は原料ガスと酸水素ガスとの混合比率を調
整するのみならず、合成装置のバーナー形状、バーナー
位置等を変化させて制御することが可能である。
次に、これらインゴットを一定の直径の棒状体に延伸し
た後、横型浮遊体域融解法(FZ法)により混練り均質化
し、三方向脈理フリーとした。そして前記インゴット群
よりOH基の含有量が3ppm以下、略100ppm、略400ppmのイ
ンゴット1′(弟2図参照)を分取した。
そして、前記のようにして合成されたインゴット1′を
加熱成型し室温まで放冷した後円柱体側面の外周研削と
上下面の平面研削を行いφ 200×t60mmのガラス光学体
を形成し、OH基濃度分布測定を行った。
この結果、前記OH基濃度分布曲線に対応する屈折率分布
曲線の最大点と最小点間の屈折率変動幅(Δn)は、後
記する加熱−徐冷処理による仮想温度分布と対応させて
逆相関分布に設定され、具体的には現状の熱処理による
仮想温度分布差が前記合成シリカガラスの直径によって
も異なるが有効域(光透過域)において多くとも4℃以
内の範囲にあることから、前記OH基濃度の最小点を100p
pm以上に設定しつつそのOH基濃度分布(最大点と最小
点の濃度差:ΔOH)を略60ppm以内になるように
設定される。
次に、前記各種OH基濃度を有するシリカガラスインゴッ
トを電気加熱炉内の石英ガラスチャンバー内に設置し
て、各々HCl 雰囲気下(表1の試料番号1′,2′)
と、5%のHCl を加味したH2雰囲気下(表1及び図1の試
料番号1〜6)にて、各々1100〜1200℃で一定時間保持
した後、仮想温度分布差が有効域(光透過域)において
略2℃FTになるように制御しながら約 200℃の温度以下
になるまで一定のプログラムにより徐冷を行い、その後
大気放冷を行った。
この際、熱処理温度を1100〜1200℃の範囲とした理由
は、合成シリカガラスの歪点が約1020℃、徐冷点が約11
20℃とされており、1020℃から1120℃のガラス転移領域
を含む温度領域で熱処理することが有効であると考えら
れるからである。
この結果、前記仮想温度分布による屈折率分布が軸を通
る断面内における屈折率曲線が軸において最小値を示
し、周縁域に移行するに従い順次大きい値を示す曲線、
具体的には屈折率の最小値が母材中心域にある上に凹型
曲線(略二次曲線)状になり、OH基濃度分布に基づく屈
折率分布と対称形状となる。(第1図(A) の試料番号1,
2) 従って前記熱処理後のシリカガラスインゴットの周縁域
を研削したシリカガラス光学体(φ160 ×t30mm)の屈
折率分布は、前記仮想温度分布により形成される屈折率
分布と、OH基濃度分布により形成される屈折率分布が加
算される結果、屈折率変動幅(Δn)の小さい高均質な
シリカガラス光学体1を得ることができる。
そして、該光学体の所望部分を必要に応じて研磨その他
の加工をされた光学体は、屈折率変動幅(Δn)2×10
-6以下という高い均質性を示すことになる。(第1図
(A) の試料番号1、2) しかしながら、OH基を含有しないインゴットやOH基濃度
略400ppmでかつ均一なOH基濃度分布を有するインゴット
では、前記内部歪除去のための徐冷工程において発生す
る仮想温度分布による屈折率分布をOH基濃度分布による
屈折率分布で打ち消すことができないために、加熱処理
されたシリカガラスインゴットを研削して作られた合成
シリカガラス光学体において、Δn(屈折率変動幅)が2
×10-6以下という高均質性は得られなかった。
(第1図(A),(B) の試料番号3、4) さらに、該OH基濃度分布が前記徐冷工程において発生す
る仮想温度分布による屈折率分布を打ち消すような分布
を有しないインゴットでは、加熱処理された該インゴッ
トを研削して作られた合成シリカガラス光学体のΔn(屈
折率変動幅)は7〜8×10-6という不均質なものであっ
た。(第1図(B) の試料番号5、6) 次に、前記熱処理後の各インゴットについてアルカリ金
属元素Li,Na,K,アルカリ土類金属元素MgCa及び遷移金属
元素Ti,Cr,Fe,Ni,Cuの各元素の微量分析を原子吸光光度
法及び中性子放射化分析法にて行ってみると、いずれも
アルカリ金属元素が0.05ppm 以下、アルカリ土類が0.01
ppm 前後、遷移金属元素が0.01ppm 以下と高純度が維持
されていた。
そして、このようにして形成した内部歪のない複屈折が
5(nm/cm)以下のインゴットを40×30×t30mm の寸法に切
断しかつ両面鏡面仕上を行ってエキシマレーザ照射実験
用試験片を作成するのと同時にH2ガス測定用サンプルと
して寸法40×20×t1mmでかつ両面を鏡面仕上したもの及
び寸法10×10×20(1)mm でかつ3面を鏡面仕上したもの
を作成してH2放出量及びH2濃度の測定を行う。前記H2
ス放出量の測定はサンプルをセットした石英チャンバー
内を真空雰囲気にした後、4℃/minで1000℃まで昇温さ
せた後、該1000℃にて2hr保持する。その時放出される
各種ガスを四重極型質量分析計に導入し、分子の種類と
量を測定する。(森本幸裕、他、照明学会 東京支部大
会誌PP.16 〜25、1989) さらに、レーザマラン散乱測定法によるH2ガス濃度測定
では、サンプルをセットした後Arレーザ(488nm) で照射
し4135(cm-1)と800(cm-1) の散乱光の強度比よりH2ガス
濃度を計算する。(V.S.Khotimchenko,et,al.Zhurnal
Prikladnoi Spektroskopii,Vol.46,No.6,PP.987 〜
991,1986)これら測定結果によれば、試料番号1,2 にお
けるH2放出量は2×1020(molecules/m2)、試料番号1,2,
3,4,5,6 ではH2濃度3×1017〜5×1017(molcules/cm3)
という値を得た(第1図(A),(B) 参照)。
次に前記耐エキシマレーザー性評価用の試験片に対し
て、KrFエキシマレーザ(248nm) を用い、パルス当りエ
ネルギー密度100,200,400(mJ/cm2・pulse) 及び照射パル
ス数1×105、1×106、1×107 (pulse) の組合わせから
成る照射条件にて照射を行った。
そして、前記照射終了後の各試験片について、透過率の
測定を行い、また、前記耐エキシマレーザ性評価用の別
の試験片に対してArF エキシマレーザ(193nm) を用い、
パルス当りエネルギー密度を100(mJ/cm2・pulse)、周波
数を100(Hz) にて連続照射を行い、5.8eV(略215nm)にお
ける内部透過率が2%低下するまでの照射パルス数を測定
し、KrFエキシマレーザ(248nm) でのデータと比較を行
った(表2参照)。
この結果、OH基を略100ppm以上含有しかつ水素分子濃度
略5×1016(molecles/cm3) 以上又は水素分子放出量略
1×1020(molecules/m2)以上の値を有する試料では、非
常に高い耐エキシマレーザ性が得られたが(第1図(A),
(B) 及び表1の試料番号1,2,4,5,6)、一方水素分子濃度
略5×1016(molecules/cm3) 以上又は水素分子放出量略
1×1020(molecules/m2)以上の値を有するがOH基を実質
的に含有しない試料(試料番号3)では、好ましい耐エ
キシマレーザ性は得られなかった。
以上の実験結果を総合すると試料番号1と2が優れた耐
エキシマレーザ性を示し、Δn(屈折率変動幅) が2×10
-6以下、複屈折率5(nm/cm)以下、脈理フリーの高均質性
を有することが確認された。
「発明の効果」 以上記載の如く本発明によれば、脈理フリーで内部歪の
ない合成シリカガラス体をその仮想温度分布に基づく屈
折率変動とOH基濃度分布に基づく屈折率変動で互いに打
消し、実質的に屈折率変動のない構成にし、更に水素ド
ープを組合わせて、長期間にわたりエキシマレーザ光照
射に対し透過率の低下を生ぜず耐レーザ性の優れた光学
部材をうることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B) は合成シリカガラス光学体のOH基濃度分
布とその屈折率分布換算及び仮想温度分布とその屈折率
分布換算並びに屈折率分布の実測値を示すグラフ図であ
る。 第2図は本発明の合成シリカガラス母材から光学体を切
り出した時のOH基含有量分布を示す製造手順図である。 1……合成シリカガラス光学体 1′……合成シリカガラスインゴット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−75604(JP,A) 特開 平2−124739(JP,A) 特開 平2−80343(JP,A) 特開 平1−320232(JP,A)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】OH基が含有されてなる紫外線レーザ用合
    成シリカガラス光学体において、 前記OH基の濃度分布に基づく屈折率変動分布を打消し
    合う方向に、前記光学体の仮想温度に基づく屈折率変動
    分布を形成し、該2つの屈折率変動分布により実質的に
    屈折率変動がないように前記光学体を形成すると共に、 該光学体に前記紫外線光照射による光透過率低下を抑制
    するのに充分な量の水素分子を含有させたことを特徴と
    する合成シリカガラス光学体
  2. 【請求項2】前記合成シリカガラス光学体は、OH基の
    最低濃度領域におけるOH基濃度が少なくとも50pp
    m以上であり、 且つ該OH基濃度が低濃度領域から高濃度領域へ変曲点
    をもつことなく順次増加する分布である請求項1記載の
    合成シリカガラス光学体
  3. 【請求項3】前記光学体の水素分子の含有量が略5×10
    16(molecules/cm3) 以上である事を特徴とする請求項
    1)記載の光学体
  4. 【請求項4】前記光学体が、水素分子真空下での1000℃
    昇温時における水素分子放出量が略1×1020(molecules
    /m2) 以上になるように水素分子を含有させてある事を
    特徴とする請求項1)記載の光学体
  5. 【請求項5】前記光学体が、アルカリ金属(Li,Na、
    K)の含有量が150ppb以下、アルカリ土類金属(Mg、C
    a)の含有量が100ppb以下、遷移金属(Ti,Cr,Fe,Ni、C
    u)の含有量が50ppb以下の合成シリカガラスである特徴
    とする請求項1)記載の光学体
  6. 【請求項6】前記光学体が、アルカリ金属Li,Na、Kの
    夫々の含有量が50ppb以下、アルカリ土類金属Mg、Caの
    夫々の含有量が10ppb以下、遷移金属Ti,Cr,Fe,Ni、Cuの
    夫々の含有量が10ppb以下の合成シリカガラスである特
    徴とする請求項1)記載の光学体
  7. 【請求項7】前記光学体が、三方向脈理フリーの合成シ
    リカガラスである特徴とする請求項1)記載の光学体
  8. 【請求項8】前記光学体が、複屈折率5(nm/cm)以下
    の合成シリカガラスである特徴とする請求項1)記載の光
    学体
  9. 【請求項9】前記光学体のΔn(屈折率の変動幅)の値
    が2×10-6以下である請求項1)記載の光学体
  10. 【請求項10】OH基を含有し、所定のOH濃度分布を
    有する合成シリカガラス塊を、 温度1000から1200℃に一定時間加熱し徐冷する
    事により内部歪除去の処理を施すとともに、 この徐冷工程において、前記OH基濃度分布に基づく屈
    折率変動分布を打消し合う方向に、前記ガラス塊の仮想
    温度に基づく屈折率変動分布を形成しながら徐冷を行
    い、 ついでこのガラス塊を常圧乃至加圧の水素ガス雰囲気中
    で加熱処理する事により、 紫外光照射による光透過率低下を抑制するのに充分な量
    の水素分子をドープすることを特徴とする合成シリカガ
    ラス光学体の製造方法
  11. 【請求項11】前記内部歪除去の処理工程を経たガラス
    塊について、水素分子ドープに先立って、減圧下で200
    〜1000℃の範囲で加熱する事により脱ガス処理を施すこ
    とを特徴とする請求光10)記載の製造方法
  12. 【請求項12】OH基を含有し、所定のOH濃度分布を
    有する合成シリカガラス塊を、 水素ガス雰囲気下で一定時間加熱し徐冷する事により内
    部歪除去の処理を施すとともに、 この水素ガス雰囲気下における徐冷工程において、前記
    OH基濃度分布に基づく屈折率変動分布を打消し合う方
    向に、前記ガラス塊の仮想温度に基づく屈折率変動分布
    を形成しながら徐冷を行う事を特徴とする合成シリカガ
    ラス光学体の製造方法
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