JP2002255577A - 合成石英ガラス部材及びその製造方法 - Google Patents

合成石英ガラス部材及びその製造方法

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JP2002255577A JP2001385595A JP2001385595A JP2002255577A JP 2002255577 A JP2002255577 A JP 2002255577A JP 2001385595 A JP2001385595 A JP 2001385595A JP 2001385595 A JP2001385595 A JP 2001385595A JP 2002255577 A JP2002255577 A JP 2002255577A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 反応域にバーナーからシリカ製造原料ガ
ス、水素ガス、酸素ガス、及び必要によりフッ素化合物
ガスを供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガス
の火炎加水分解反応によりシリカ微粒子を生成させると
ともに、上記反応域に配置された回転可能な基材に上記
シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、
同多孔質シリカ母材をフッ素化合物ガスを含む雰囲気下
で加熱ガラス化して得られた合成石英ガラスインゴット
を加熱成型して合成石英ガラス部材を製造する方法にお
いて、上記加熱成型前に合成石英ガラスインゴットの表
面を除去することを特徴とするフッ素含有合成石英ガラ
ス部材の製造方法。 【効果】 本発明によれば、ガラス化した合成石英ガラ
スインゴットの表面を適当量除去してから成型すること
により、ArFやF2等の200nm以下の真空紫外光
に対して高い透過性を有し、かつ複屈折量が低く屈折率
分布の小さい、光学的に均質な合成石英ガラス部材を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、400nm以下の
波長領域、特に真空紫外領域で使用されるリソグラフィ
用として好適な合成石英ガラス部材及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】合成石
英ガラスは、その高い紫外線透過性のため、半導体製造
におけるリソグラフィ用の光学部材として主要な役割を
果たしている。
【0003】リソグラフィー装置における合成石英ガラ
スの役割は、シリコンウエハ上への回路パターンの露
光、転写工程で用いられるステッパー用レンズ材料やレ
チクル(フォトマスク)基板材料である。
【0004】ステッパー装置は、照明系部、投影レンズ
部、ウエハ駆動部から構成されており、光源から出た光
を照明系が均一な照度の光としてレチクル上に供給し、
投影レンズ部がレチクル上の回路パターンを正確かつ縮
小してウエハ上に結像させる役割をもっている。これら
の素材に要求される品質は、光源からの光の透過性の高
いことはもちろんのこと、透過する光の強度が均一であ
る等光学的均質性も非常に重要なものとなっている。
【0005】近年、LSIは益々多機能、高性能化して
おり、ウエハ上の素子の高集積化技術が研究開発されて
いる。素子の高集積化のためには、微細なパターンの転
写が可能な高い解像度を得る必要があり、解像度は下記
の(1)式で表すことができる。
【0006】 R=k1×λ/NA (1) R:解像度 k1:係数 λ:光源の波長 NA:開口数
【0007】上記(1)式によれば高解像度を得る手段
は2つ考えられる。1つは、開口数を大きくすることで
あり、もう1つの方法は、光源を短波長化することであ
る。しかしながら、開口数を大きくするとそれにともな
い焦点深度が小さくなるため、現状がほぼ限界と考えら
れている。
【0008】一方、現在、光源として利用されている紫
外線の波長は248nm(KrF)が主流であるが、1
93nm(ArF)への移行が急がれており、将来的に
は157nm(F2)への移行が非常に有力になってい
る。
【0009】200nm以下の波長のいわゆる真空紫外
域に使用する素材としては、透過性のみであればフッ化
カルシウム単結晶も使用可能と考えられるが、素材強
度、熱膨張率、レンズとして使用するための表面研磨技
術等、実用レベルで克服すべき問題が多い。このため合
成石英ガラスは、将来的にもステッパーを構成する素材
として非常に重要な役割を担うと考えられる。
【0010】しかしながら、高い紫外線透過性を有して
いる石英ガラスであっても、200nm以下の真空紫外
域では透過性が次第に低下していき、石英ガラスの本質
的な構造による吸収領域である140nm付近になると
光を通さなくなる。
【0011】ここで、本質吸収領域までの範囲における
透過性は、石英ガラス内の欠陥構造の種類と濃度によっ
て決まる。
【0012】例えば、光源波長が157nmであるF2
エキシマレーザーに関していえば、透過率に影響する欠
陥構造としてSi−Si結合及びSi−OH結合が存在
する。Si−Si結合は酸素欠損型欠陥と言われ、吸収
の中心波長を163nmに持つ。この酸素欠損型欠陥
は、215nmに吸収帯を示すSi・欠陥構造(E‘セ
ンター)の前駆体でもあるため、F2(157nm)で
は勿論のこと、KrF(248nm)やArF(193
nm)を光源とする場合にも非常に問題となる。また、
Si−OH結合は160nm付近に吸収帯を示す。よっ
て高い真空紫外線透過性を実現するためには、これらの
欠陥構造を可能な限り低減させる必要がある。
【0013】これを解決するために従来の研究では、シ
リカ原料ガスの火炎加水分解により多孔質シリカ母材を
作製し、これをフッ素化合物ガス雰囲気下で溶融ガラス
化する等の方法が採られてきた。この方法により、石英
ガラス中のSi−OH結合をなくしSi−F結合を生成
させることができる。Si−F結合は結合エネルギーが
大きく、強固な結合であり、その上150〜170nm
に吸収帯をもたない。その結果として、上記方法でフッ
素をドープした石英ガラスはF2(157nm)の真空
紫外線に対して高い透過性を示す。
【0014】しかしながら、このようにして得られた合
成石英ガラスを成型して基板を作製すると、基板面内で
透過率の分布が発生したり、複屈折が非常に高い等の光
学的な不均質性を示す場合が少なくない。光学的に不均
質な基板をレチクル等に使用した場合、転写する像が一
部ぼやけてしまい、材料としての使用が困難になる。そ
のため、高い透過性を有することに加えて、光学的に均
質である合成石英ガラスの製造方法の確立が望まれてい
る。
【0015】従って、本発明は、特に200nm以下の
真空紫外線光に対して高い透過性を有し、かつ複屈折量
が低く、屈折率分布の小さい、光学的に均質な合成石英
ガラス部材及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、ガラス化した合成石英ガラスインゴットの表面を
適当量除去してから成型することにより、ArFやF2
等、200nm以下の真空紫外光に対して高い透過性を
有し、かつ複屈折量が低く屈折率分布の小さい、光学的
に均質な石英ガラスが得られることを知見し、本発明を
なすに至ったものである。
【0017】従って、本発明は、下記のフッ素含有合成
石英ガラス部材の製造方法及びフッ素含有合成石英ガラ
ス部材を提供する。 (1)反応域にバーナーからシリカ製造原料ガス、水素
ガス、酸素ガス、及び必要によりフッ素化合物ガスを供
給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加
水分解反応によりシリカ微粒子を生成させるとともに、
上記反応域に配置された回転可能な基材に上記シリカ微
粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、同多孔質
シリカ母材をフッ素化合物ガスを含む雰囲気下で加熱ガ
ラス化して得られた合成石英ガラスインゴットを加熱成
型して合成石英ガラス部材を製造する方法において、上
記加熱成型前に合成石英ガラスインゴットの表面を除去
することを特徴とするフッ素含有合成石英ガラス部材の
製造方法。 (2)合成石英ガラスインゴットの表面からの除去量
が、外周において外径の50%以下、両端部の合計にお
いて長手方向の長さの50%以下とすることを特徴とす
る(1)記載の合成石英ガラス部材の製造方法。 (3)(1)又は(2)に記載の製造方法により得られ
た合成石英ガラス部材。 (4)複屈折量が、10nm/cm以下であることを特
徴とする(3)に記載の合成石英ガラス部材。 (5)屈折率分布が、5×10-4以下であることを特徴
とする(3)又は(4)に記載の合成石英ガラス部材。 (6)波長157.6nmにおける透過率の最低値が、
80.0%以上であることを特徴とする(3)乃至
(5)のいずれか1項記載の合成石英ガラス部材。 (7)波長157.6nmにおける透過率分布が、1.
0%以下であることを特徴とする(3)乃至(6)のい
ずれか1項に記載の合成石英ガラス部材。 (8)波長193.4nmにおける透過率の最低値が、
90.0%以上であることを特徴とする(3)乃至
(7)のいずれか1項記載の合成石英ガラス部材。 (9)波長193.4nmにおける透過率分布が1.0
%以下であることを特徴とする(3)乃至(8)のいず
れか1項記載の合成石英ガラス部材。
【0018】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、真空紫外光の透過率が高く、かつ光学的に均
質なフッ素含有合成石英ガラス部材及びその製造方法に
係るものである。
【0019】真空紫外光の透過率を高めるためには、石
英ガラスにフッ素原子をドープし、ガラス構造内にSi
−F結合を生成させることが必要である。Si−F結合
の生成にともなって、真空紫外光を吸収するSi−Si
結合やSi−OH結合が減少するからである。その上、
Si−F結合は結合エネルギーが大きいため耐紫外線性
が良好である。
【0020】本発明におけるフッ素含有合成石英ガラス
部材の製造方法は、図1に示す工程を経ることを特徴と
する。即ち、第1工程として多孔質シリカ母材を作製
し、第2工程でフッ素化合物ガス雰囲気下で多孔質シリ
カ母材をガラス化し、第3工程で得られた石英ガラスイ
ンゴットの表面、即ちその外周部及び両端部をそれぞれ
研削及び/又は切断等により所用量除去し、第4工程で
成型し、第5工程で熱処理、切断、研磨等の仕上げを行
うものである。つまり、従来は、ガラス化したインゴッ
トをそのまま成型工程へ投入していたのであるが、本発
明では成型の前にインゴットの表面を研削及び切断にて
ある程度除去する工程を含む。
【0021】以下、各工程について説明する。まず、第
1工程の多孔質シリカ母材の製造方法は、反応域にバー
ナーからシリカ製造原料ガス、水素ガス、酸素ガス、又
はシリカ製造原料ガス、水素ガス、酸素ガス、フッ素化
合物ガスを供給し、この反応域においてシリカ製造原料
ガスの火炎加水分解反応によりシリカ微粒子を生成させ
るとともに、上記反応域に配置された回転可能な基材に
上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製
する。第2工程は、この母材をフッ素化合物ガス含有雰
囲気下で加熱・溶融し石英ガラスを得る。かかる方法自
体は公知の方法、条件を採用することができ、例えば酸
素ガス、水素ガス、シリカ製造原料ガス、フッ素化合物
ガスの流量等は通常の流量範囲で選択することができ
る。
【0022】シリカ製造原料ガスとしては、四塩化ケイ
素等のクロロシランやテトラメトキシシラン等のアルコ
キシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン
等公知のケイ素化合物が使用されるが、Si−Cl結合
の紫外線吸収を考慮すると、Clを含まないアルコキシ
シランが好ましい。
【0023】また、フッ素化合物ガスとしては、SiF
4、CHF3、CF4等が選択されうる。
【0024】火炎加水分解反応により得られた多孔質シ
リカ母材を加熱ガラス化する際には、上記フッ素化合物
ガスやヘリウム、アルゴン等の不活性ガス又はこれらの
混合雰囲気とされる。
【0025】ここで、ガラス化の温度及び時間は、ガラ
ス化雰囲気中のフッ素化合物ガス濃度や多孔質シリカ母
材の密度等により、1200〜1700℃の範囲が好ま
しい。ガラス化後は同炉内にて急冷、徐冷もしくは放冷
にて室温まで冷却される。
【0026】なお、このようにして得られた合成石英ガ
ラスの中心部におけるフッ素量は重量0.01〜2.4
重量%、特に0.1〜1.5重量%であることが好まし
い。
【0027】このようにして得られた合成石英ガラスを
成型し、熱処理・切断・研磨等の工程を経てリソグラフ
ィ用の光学部材を製造するが、従来の方法により例えば
基板を製造すると、基板面内で透過率や屈折率に分布が
生じたり複屈折量が大きい等光学的に不均質な基板とな
る場合が少なくない。光学的な不均質性は、多孔質シリ
カ母材のガラス化の際に発生しやすい。つまり、ガラス
化とともに石英ガラス中にフッ素をドープするが、フッ
素のドープは母材の外周から行われるのでガラス化した
インゴットには内部と外周にフッ素濃度の差が発生す
る。また、母材の両端は母材の成長開始と終了部分に相
当するため、連続成長により得られた直胴部と比べて密
度差が発生し易い。そのため、同条件でガラス化を行な
っても母材密度の差により均一なフッ素ドープが非常に
難しくなる。
【0028】その結果、ガラス化して得られたインゴッ
トはフッ素濃度の分布をもったものとなる。これをその
まま成型しアニールしても、光学的に均質な部材は得ら
れにくい。
【0029】また、フッ素濃度が異なると石英ガラスの
歪点や徐冷点も異なってくるため、設定したアニール条
件で効果のある部分と効果のない部分、時にはアニール
により逆に不均質性が大きくなる部分が発生する。その
結果、従来の工程で基板を製造しても光学的に不均質な
ものとなってしまう。
【0030】そこで、本発明者らは、インゴットの中心
部分のフッ素濃度との差が大きい部分を成型する前に除
去することにより、成型するインゴットでのフッ素濃度
分布を小さくし、アニールの効果がインゴット全体に及
ぶことを可能にした。
【0031】さらに、複屈折はインゴットの中心側の方
が小さいため、より一層の効果が得られる。
【0032】成型前に合成石英ガラスインゴットの表面
を除去する方法は、研削、切断等により適宜選択され、
具体的に合成石英ガラスインゴットからの除去量は、例
えばインゴットの外周において外径の50%以下、好ま
しくは30%以下、さらに好ましくは10%以下の範囲
が好適である。また、母材の成長開始・終了部分に相当
するインゴットの両端部の合計においては、長手方向の
長さの50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ま
しくは10%以下が好適である。なお、除去量は、後述
する複屈折量、屈折率分布、透過率、透過率分布を達成
し得るように選定することができ、また、両端部の切断
長さは、それぞれ本発明の目的に合わせて適宜選定さ
れ、例えば互いにほぼ同じ長さにすることができるが、
これに限定されるものではない。
【0033】このようにして研削、切断された合成石英
ガラスインゴットは、電気炉等で成型され、熱処理・切
断・研磨等の工程を経てリソグラフィ用の光学部材とな
る。
【0034】上記の製造方法により得られた合成石英ガ
ラス部材はレンズや基板等に用いられるが、その物性は
以下の値が好ましい。
【0035】すなわち、複屈折量は、波長633nmの
He−Neレーザーによる光ヘテロダイン法により測定
され、その値は10nm/cm以下、好ましくは5nm
/cm以下、さらに好ましくは1nm/cm以下が好適
である。なお、複屈折量は波長依存性があるため、実際
の波長157.6nm及び193.4nmにおける複屈
折量は、波長633nmにおける測定値を換算すること
により求めることができる(Physics and
Chemistry of Glasses19
(4) 1978)。
【0036】屈折率の分布は、波長633nmのHe−
Neレーザーによる光干渉法により測定され、その値は
5×10-4以下、好ましくは1×10-4以下、さらに好
ましくは1×10-5以下が好適である。
【0037】透過率は分光光度計により測定され、15
7.6nmの場合には透過率の最低値が80.0%以
上、好ましくは83.0%以上、さらに好ましくは8
4.0%以上が好適である。一方、193.4nmの場
合には、透過率の最低値が90.0%以上、好ましくは
90.4%以上、さらに好ましくは90.6%以上が好
ましい。
【0038】透過率分布は、157.6nmの場合には
1.0%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好まし
くは0.3%以下が好ましい。一方、193.4nmの
場合には1.0%以下、好ましくは0.5%、さらに好
ましくは0.2%以下が好ましい。
【0039】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0040】[実施例1]水素ガス、酸素ガス、原料と
してのテトラメトキシシランをバーナーから供給し、酸
水素火炎での加水分解により多孔質シリカ母材を製造し
た。この多孔質シリカ母材をSiF4とHeの混合雰囲
気で1500℃まで加熱して合成石英ガラスインゴット
を得た。
【0041】得られた石英ガラスインゴットの外周を円
筒研削により外径の25%除去し、両端はそれぞれ長手
方向の長さの10%ずつ、あわせて20%を除去した。
外周及び両端を除去したインゴットを電気炉にて成型
し、最終的に152.4mm角で厚さ6.35mmの基
板を作製した。
【0042】この基板の157.6nmにおける透過率
を測定したところ、基板面内で84.0〜84.5%で
あった。193.4nmにおける透過率は、基板面内で
90.60〜90.75%であった。複屈折量は3nm
/cm、屈折率分布は1×10-4であった。
【0043】[実施例2]水素ガス、酸素ガス、原料と
してのテトラメトキシシランをバーナーから供給し、酸
水素火炎での加水分解により多孔質シリカ母材を製造し
た。この多孔質シリカ母材をSiF4とHeの混合雰囲
気で1500℃まで加熱して合成石英ガラスインゴット
を得た。
【0044】得られた石英ガラスインゴットの外周を円
筒研削により外径の5%除去し、両端はそれぞれ長手方
向の長さの2.5%ずつ、あわせて5%を除去した。
【0045】外周及び両端を除去したインゴットを電気
炉にて成型し、最終的に152.4mm角で厚さ6.3
5mmの基板を作製した。
【0046】この基板の157.6nmにおける透過率
を測定したところ、基板面内で83.5〜84.5%で
あった。193.4nmにおける透過率は、基板面内で
90.50〜90.70%であった。複屈折量は10n
m/cm、屈折率分布は3×10-4であった。
【0047】[実施例3]水素ガス、酸素ガス、原料とし
てのテトラメトキシシラン及びSiF4ガスをバーナー
から供給し、酸水素火炎での加水分解によりフッ素を含
有した多孔質シリカ母材を製造した。この多孔質シリカ
母材をSiF4とHeの混合雰囲気で1500℃まで加
熱して合成石英ガラスインゴットを得た。
【0048】得られた石英ガラスインゴットの外周を円
筒研削により外径の10%除去し、両端はそれぞれ長手
方向の長さの5%ずつ、あわせて10%を除去した。
【0049】外周及び両端を除去したインゴットを電気
炉にて成型し、最終的に152.4mm角で厚さ6.3
5mmの基板を作製した。
【0050】この基板の157.6nmにおける透過率
を測定したところ、基板面内で84.2〜84.9%で
あった。193.4nmにおける透過率は、基板面内で
90.55〜90.75%であった。複屈折量は7nm
/cm、屈折率分布は2×10-4であった。
【0051】[比較例1]水素ガス、酸素ガス、原料とし
てのテトラメトキシシランをバーナーから供給し、酸水
素火炎での加水分解により多孔質シリカ母材を製造し
た。この多孔質シリカ母材をSiF4とHeの混合雰囲
気で1500℃まで加熱して合成石英ガラスインゴット
を得た。
【0052】得られた石英ガラスインゴットを表面を研
削及び切断せずに電気炉にて成型し、最終的に152.
4mm角で厚さ6.35mmの基板を作製した。
【0053】この基板の157.6nmにおける透過率
を測定したところ、基板面内で75.0〜83.5%で
あった。193.4nmにおける透過率は、基板面内で
89.50〜90.70%であった。複屈折量の測定値
は65nm/cm、屈折率分布は8×10-4であった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ガラス化した合成石英
ガラスインゴットの表面を適当量除去してから成型する
ことにより、ArFやF2等の200nm以下の真空紫
外光に対して高い透過性を有し、かつ複屈折量が低く屈
折率分布の小さい、光学的に均質な合成石英ガラス部材
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03B 33/06 C03B 33/06 G02B 1/00 G02B 1/00 Fターム(参考) 4G014 AH15 AH21 4G015 FA01 FB03 FC14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応域にバーナーからシリカ製造原料ガ
    ス、水素ガス、酸素ガス、及び必要によりフッ素化合物
    ガスを供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガス
    の火炎加水分解反応によりシリカ微粒子を生成させると
    ともに、上記反応域に配置された回転可能な基材に上記
    シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、
    同多孔質シリカ母材をフッ素化合物ガスを含む雰囲気下
    で加熱ガラス化して得られた合成石英ガラスインゴット
    を加熱成型して合成石英ガラス部材を製造する方法にお
    いて、上記加熱成型前に合成石英ガラスインゴットの表
    面を除去することを特徴とするフッ素含有合成石英ガラ
    ス部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 合成石英ガラスインゴットの表面からの
    除去量が、外周において外径の50%以下、両端部の合
    計において長手方向の長さの50%以下とすることを特
    徴とする請求項1記載の合成石英ガラス部材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法により
    得られた合成石英ガラス部材。
  4. 【請求項4】 複屈折量が、10nm/cm以下である
    ことを特徴とする請求項3に記載の合成石英ガラス部
    材。
  5. 【請求項5】 屈折率分布が、5×10-4以下であるこ
    とを特徴とする請求項3又は4に記載の合成石英ガラス
    部材。
  6. 【請求項6】 波長157.6nmにおける透過率の最
    低値が、80.0%以上であることを特徴とする請求項
    3乃至5のいずれか1項記載の合成石英ガラス部材。
  7. 【請求項7】 波長157.6nmにおける透過率分布
    が、1.0%以下であることを特徴とする請求項3乃至
    6のいずれか1項に記載の合成石英ガラス部材。
  8. 【請求項8】 波長193.4nmにおける透過率の最
    低値が、90.0%以上であることを特徴とする請求項
    3乃至7のいずれか1項記載の合成石英ガラス部材。
  9. 【請求項9】 波長193.4nmにおける透過率分布
    が1.0%以下であることを特徴とする請求項3乃至8
    のいずれか1項記載の合成石英ガラス部材。
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