JP2005336047A - 合成石英ガラス製光学部材およびその製造方法 - Google Patents

合成石英ガラス製光学部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザなどの光源から発せられる高エネルギー光の照射により発生する合成石英ガラスの照射部の屈折率変化量を低減する。
【解決手段】使用するレーザ光のエネルギー密度に応じて光学部材のOH基濃度を設定することによって、レーザによる累積照射エネルギー量(KJ/cm)に対する光学部材の屈折率変化量の比R(KJ/cm・ppb)-1を0≦R≦0.2とし、レーザ光照射による合成石英ガラス製光学部材の屈折率変化量を一定範囲内とする合成石英ガラス製光学部材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等を光源とする光学装置の、レンズ、プリズム、フォトマスク、窓材など、屈折率均質性に優れ、複屈折が小さく、かつ、エキシマレーザ、特にArFエキシマレーザで使用した際の屈折率変化量の小さい光学部品材料として用いられる、合成石英ガラス製光学部材に関する。
従来から光リソグラフィ技術において、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、高解像度の回路パターンを深い焦点深度でウェハ面上に結像させることが露光装置に求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)やi線(波長365nm)から進んで、KrFエキシマレーザ(波長248nm)やArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられている。また、近年では液浸技術を用いたArFエキシマレーザ(波長193nm)の使用が検討されはじめている。
こうした光源を用いた光学装置に使用される光学部材には、
(1)紫外線領域における屈折率分布Δnが小さいこと
(2)紫外線照射による絶対屈折率変化量(コンパクションおよびレアファクション)が少ないこと、すなわち、耐紫外線性が高いこと
(3)複屈折が小さいこと
が要求される。
従来用いられてきた合成石英ガラスは、例えばKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザなどの光源から発せられる高エネルギー光を照射すると、コンパクションおよびレアファクションと呼ばれる現象が起こることが知られている。
コンパクションは紫外線照射により照射部の合成石英ガラスの密度が増加し、この密度変化に伴い照射部の合成石英ガラスの屈折率が上昇する現象である。一方、レアファクションは紫外線照射により照射部の合成石英ガラスの密度が減少し、この密度変化に伴い照射部の合成石英ガラスの屈折率が低下する現象である。
コンパクションあるいはレアファクションのいずれの現象を示すかは、合成石英ガラスの種類や照射条件(エネルギー密度、累積照射エネルギー量)に依存しており、その現象は複雑である。
また、同じ組成の合成石英ガラスであれば、照射する光のパルスエネルギー密度が高い程、合成石英ガラスはコンパクション傾向を示し、パルスエネルギー密度が低い程、合成石英ガラスはレアファクション傾向を一般的に示す(非特許文献1参照。)。
半導体露光装置においては、フォトマスク上の微細なパターンをウェハ上に縮小投影するため、投影レンズは極めて高い屈折率均質性が要求される。紫外線照射により投影レンズの屈折率が全体的あるいは局所的に変化すると、焦点位置がずれるなどの悪影響を及ぼし、所望のパターンの縮小投影が不可能になる。
さらに紫外線照射により照射部の合成石英ガラスの密度が変化すると、照射部および照射周辺部において応力が発生し、合成石英ガラスの複屈折が変化する。この複屈折変化も投影レンズの結像性能に悪影響を及ぼすため、問題となる。
紫外線照射による合成石英ガラスの密度変化の原因は、現状では明確にわかっていないが、これまでにいくつかの改善方法が提案されている。
例えば、コンパクション量の小さい合成石英ガラスの製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。同報における製造方法は、VAD法により合成した多孔質石英ガラス体を酸化性雰囲気下で加熱処理した後、透明ガラス化し、次いで透明ガラス化した合成石英ガラスブロックを水素ガス含有雰囲気中で加熱処理することにより、石英ガラス中に水素分子をドープするものである。
同方法で得られた合成石英ガラスは、酸素欠乏型欠陥(≡Si−Si≡)を含まず、紫外線照射時のコンパクション量が小さい。同方法によれば屈折率均質性など他の特性を損なうことなくコンパクションに優れた合成石英ガラスが得られる。しかしながら、同方法による合成石英ガラスであっても、紫外線の照射条件によっては、レアファクションを示すなど合成石英ガラスの屈折率変化量が大きい場合があり、紫外線照射時の合成石英ガラスの屈折率変化量は必ずしも満足するものではなかった。
特開2000−191329号公報 Chris Van Peski、"Behavior of Fused Silica Under 193nm Irradiation"、International SEMATECH Technical Report#00073974A−TR、(米国)、International SEMATECH 2000年7月25日
本発明は上記課題を改善するためになされたもので、紫外線、特にArFエキシマレーザ(193nm)用に適し、屈折率変化量が小さく、かつ複屈折が小さく、屈折率分布に優れた合成石英ガラスおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、ArFエキシマレーザ光あるいはKrFエキシマレーザ光を光源とする光学装置内で、所定のエネルギー密度にて使用される合成石英ガラス製光学部材の製造方法であって、使用するレーザ光のエネルギー密度に応じて光学部材のOH基濃度を設定することによって、レーザによる累積照射エネルギー量(KJ/cm)に対する光学部材の屈折率変化量の比R(KJ/cm・ppb)-1を0≦R≦0.2とする工程を含むことを特徴とする合成石英ガラス製光学部材の製造方法を提供する。
態様2は、エネルギー密度が10〜500μJ/cm/pulseの、ArFエキシマレーザ光あるいはKrFエキシマレーザ光を光源とする光学装置内で使用される合成石英ガラス製光学部材であって、合成石英ガラスのOH基濃度が10〜60ppm、ハロゲン濃度が50ppm以下であって、エネルギー密度が200μJ/cm/pulseにおけるレーザによる累積照射エネルギー量(KJ/cm)に対する光学部材の屈折率変化量の比R(KJ/cm・ppb)-1が0≦R≦0.2を満たすことを特徴とする合成石英ガラス製光学部材を提供する。
態様3は、態様2において、光学部材内のOH基濃度が60ppm以下、複屈折率が波長633nmにおいて0.8nm/cm以下、屈折率分布が波長633nmにおいて1.5×10−6以下である記載の合成石英ガラス製光学部材を提供する。
本発明によれば、投影露光装置の光学部材、特に投影系の光学部材として適しており、屈折率均質性に優れ、複屈折が小さく、屈折率変化量の小さい、すなわち、耐紫外線性に優れた合成石英ガラスを得ることができる。
本発明者らは、上記の効果を有する合成石英ガラスを得るため、紫外線を照射した場合の合成石英ガラスの屈折率変化量を低減することを目的として、合成石英ガラス中のOH基濃度と屈折率変化の挙動について詳細な検討を行った。その結果、一定のレーザ光で合成石英ガラスを照射した場合、図1に示すようにレーザ光照射による合成石英ガラスの屈折率変化量と合成石英ガラス中のOH基濃度とに正の相関があることを見出した。
すなわち、合成石英ガラス中のOH基濃度が小さくなるにしたがい照射による合成石英ガラスの屈折率変化量も小さくなることを見出した。ここで、レーザ光の照射条件は、周波数が2KHz、エネルギー密度が10mJ/cm/pulse、照射回数は25×10回である。
また、上記の結果から、合成石英ガラスのOH含有濃度と、レーザ光の累積照射エネルギー量(KJ/cm)に対する合成石英ガラスの屈折率変化量の比R(KJ/cm・ppb)-1との間に一定に関係にあることが推察され、ハロゲンの含有量が少ない合成石英ガラスの場合、OH基濃度がレーザ照射による屈折率変化の主要因と考えることができる。
本発明は、使用するレーザ光のエネルギー密度に対応させて合成石英ガラス中のOH含有量を設定することで、実使用条件下での屈折率変化量を安定させる合成石英ガラス製光学部材およびその製造方法である。
具体的な合成石英ガラス製光学部材の製造方法を以下に記す。まず、光学装置で使用すると想定されるレーザ光のエネルギー密度で所定の累積照射エネルギー量(KJ/cm)照射した後の屈折率の変化量と、合成石英ガラス中のOH基濃度との検量線を作成する。
次いで、作成した検量線および実際に使用するレーザ光のエネルギー密度の範囲から最も屈折率の変化量の少ないと予想されるOH基濃度を決定する。合成石英ガラスを決定したOH基濃度にするには、多孔質合成石英ガラス体を処理する際の処理温度と処理時間を調整すればよい。その他、OH濃度を調整する方法としては多孔質性石英ガラス体を乾燥した高温のガス中で処理する方法等がある。
本発明でいう実使用条件とは、ArFエキシマレーザ(193.6nm)において10〜500μJ/cm/pulseのエネルギー密度である。
本発明において合成石英ガラス中のOH基濃度は、例えば、エネルギー密度200μJ/cm/pulseで使用する場合は、10ppm〜60ppmが好ましく、10〜30ppmがより好ましい。これらのOH基濃度の合成石英ガラスであれば、10〜500μJ/cm/pulseのエネルギー密度においても使用することが実質的に可能である。
OH基濃度は、文献(Cer.Bull.,55(5),524,(1976))にしたがって赤外分光光度計によって測定する。本測定の検出限界は1ppmである。
複屈折は、波長633nmにおいて0.8nm/cm以下であることが好ましく、0.5nm/cm以下であることがより好ましい。投影系光学部品材料としては、低複屈折であることが必要だからである。
複屈折は、φ360mmの合成石英ガラス試料を23℃の雰囲気に3時間以上保持した後、ユニオプト社製の自動複屈折測定装置(ABR−10A−40A)により試料の中心からφ320mmの領域について測定する。
屈折率分布は波長633nmにおいて1.5×10−6以下であることが好ましく、1.0×10−6以下であることがより好ましい。
屈折率分布は、φ360mmの合成石英ガラス試料の光軸方向の2面を6分のウェッジをつけて研磨し、Zygo社製のフィゾー干渉計(Mark−IV)を用いてP−ホモ法によって、試料の中心からφ320mmの領域について測定する。
絶対屈折率はMOLLER−WEDEL社製ゴニオメータースペクトロメーター1型UV−VIS−IRを用いて最小偏角法で測定する。測定は1013.25hPaの窒素ガス雰囲気で行い、測定温度は23℃とする。633nmから185nmの間の11波長に対する屈折率を用いて、分散式(n=A+Aλ+Aλ―2+Aλ―4+Aλ―6+Aλ―8+Aλ―10)の定数を最小自乗法によって決定し、この分散式より193nmでの屈折率を求める。
合成石英ガラス中のハロゲン濃度は50ppm以下が好ましく、10ppm以下が、より好ましい。実質的にハロゲンを含まないことが特に好ましい。紫外線照射時の透過率低下および屈折率変化量を十分低いレベルに抑えることができるからである。
合成石英ガラス中の塩素濃度の測定は蛍光X線により行うことができる。本測定の検出限界は10ppmである。
また本発明の合成石英ガラスは、水素分子を5×1015個/cm〜1×1017個/cmの範囲で含有させることが好ましい。合成石英ガラス中の水素分子は、紫外線照射により生成するE’センターや非架橋酸素ラジカルなどの常磁性欠陥を修復する働きがあり、紫外線照射時の透過率低下を抑制する効果を有するからである。
本発明において、合成石英ガラス中のアルカリ金属(Na,K,Liなど)、アルカリ土類金属(Mg,Caなど)および遷移金属(Fe,Ni,Cr,Cu,Mo,W,Al,Ti,Ceなど)などの金属不純物は、紫外域から真空紫外域における光透過率を低下させるだけでなく、耐光性を悪化させる原因となるため、その含有量は極力少ない方が好ましい。具体的には金属不純物の合計含有量は100ppb以下が好ましく、50ppb以下が特に好ましい。
次に本発明の合成石英ガラスの製造方法について説明する。合成石英ガラスを合成する方法は、石英ガラス製バーナーに合成原料としてSiを含む化合物、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスなどを供給し、合成原料を酸水素火炎中で加水分解反応あるいは/および酸化反応させることにより石英ガラスを合成するものであり、直接法とスート法(VAD法、OVD法、間接法)の2種類を挙げることができる。
直接法は、Siを含む化合物を1500〜2000℃の温度にて火炎加水分解してSiO粒子を合成し、基材上に堆積、融着させることにより透明合成石英ガラスを直接合成する合成方法である。
一方、VAD法はSiを含む化合物を1000〜1500℃の温度にて火炎加水分解してSiO粒子を合成し、基材上に堆積させることにより多孔質合成石英ガラス体を得、次いで1400〜1500℃の温度に昇温することにより多孔質合成石英ガラス体を緻密化し、透明合成石英ガラス体を得る方法である。
合成時の反応温度が比較的低い、組成や欠陥濃度を比較的自由に制御できるなどの観点から、合成石英ガラスを合成する方法としてはVAD法が好ましい。特に合成時の反応温度が低いことから、SiClなどの塩素を含有する原料を使用して合成した場合、合成石英ガラス中の塩素濃度はVAD法の方が直接法に比べて少なく、この点でもVAD法が好ましい。
また合成石英ガラスの合成原料は、ガス化可能な原料であれば特に制限されないが、SiCl、SiHCl、SiHCl、SiCHClなどの塩化物、SiF、SiHF、SiHなどのフッ化物といったハロゲン化珪素化合物、またはRSi(OR)4−n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシシランや(CHSi−O−Si(CHなどのハロゲンを含まない珪素化合物が挙げられる。
塩化物を合成原料に用いると合成石英ガラス中に合成原料中の塩素が若干残留するため、合成原料としては塩素を含まない有機珪素化合物もしくはフッ化物が好ましい。ただし、フッ化物を合成原料に用いると合成時にフッ酸(HF)が反応副生成物として生成し、安全面および取り扱い面で問題が多い。したがって、合成原料としては、ハロゲンを含まない有機珪素化合物がより好ましい。
前記基材としては石英ガラス製の種棒(例えば特公昭63−24973号公報記載の種棒)を使用できる。また棒状に限らず板状の基材を使用してもよい。
多孔質石英ガラス体を得た後、多孔質石英ガラス体を透明ガラス化温度まで昇温して透明ガラス化し、石英ガラス体を得る。透明ガラス化温度は通常1300〜1600℃であり、特に1350℃から1500℃であることが好ましい。雰囲気としてはヘリウムなどの不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウムなどの不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。圧力については、減圧または常圧であればよい。特に常圧の場合はヘリウムガスを用いることができる。また、減圧の場合は133Pa以下が好ましい。なお、本明細書における「Pa」は、ゲージ圧ではなく絶対圧の意である。
更に減圧下においてはOH基低減化処理と透明ガラス化処理を同時に行うことができる。この場合、減圧下において1200〜1350℃の間で20〜70時間温度を保ちOH基を低減させた後、1350〜1500℃に昇温して透明ガラス化を行う。OH基濃度は、処理時間と処理温度により調整し、10〜60ppmとする。同じ処理温度では処理時間が長い程、OH基濃度は低減される。処理温度は低過ぎるとガラス中で脱水反応が起きず、また高すぎると焼結が進み緻密化してガラス中の水分が外に抜けなくなるため、処理温度は1000〜1350℃の範囲が好ましい。
こうして得られた石英ガラス体を軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形して石英成形ガラス体を得る。成形加工の温度域は1650℃〜1800℃が好ましい。1650℃未満では石英ガラスの粘度が高いため、実質的に自重変形が行われず、またSiOの結晶相であるクリストバライトの成長が起こり、いわゆる失透が生じる恐れがあるからである。また、1800℃以上ではSiOの昇華が無視できなくなるからである。石英ガラス体の自重変形を行わせる方向は多孔質石英ガラス体の成長方向と同一であることがより好ましい。
次いで得られた石英成形ガラス体を常圧または減圧下で徐冷点以上の温度、およそ1100℃〜1250℃に昇温し、一定時間保持した後、徐冷点近傍の温度領域を所定の冷却速度以下で徐冷し、複屈折を低減しかつ均質性の高い石英ガラスインゴットを得る。冷却速度は石英ガラス体の大きさにもよるが0.25〜5℃/時間の間が好ましい。5℃/時間以上では十分に除歪することができず、本発明の目的である複屈折率=0.5nm/cmを得ることができなくなるおそれがある。石英の徐冷点は概ね1100℃であるので0.25〜5℃/時間で冷却する温度領域は1250℃〜500℃が適当である。
次いで得られた石英成形ガラス体を水素雰囲気下におき、水素をドープし光学用合成石英ガラスを得る。600℃以下の温度で処理することが好ましく、低温で水素処理を行うことで、還元型欠陥の生成を防止することができる。圧力は1〜30気圧である。水素雰囲気としては水素ガスを0.1〜100体積%含有する不活性ガス雰囲気が好ましい。
以上のような工程を経て得られる合成石英ガラス体は典型的にはCl含有量が10ppm以下、OH含有量が10〜60ppm、重金属およびアルカリ金属の合量が10ppb以下、仮想温度は1000℃以上1100℃以下、複屈折は0.8nm/cm以下であり、屈折率分布はφ360mm厚さ80mmの試料の中心からφ320mmの領域において1.5×10−6以下である。
以下に本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
SiClを原料に用いたVAD法により(直径400mm×厚み800mm)の多孔質石英ガラス体を作製する。続いて多孔質ガラス体を133Pa以下の減圧下にて500℃/時間の昇温速度で1250℃まで昇温する。引き続き1250℃にて48時間保持してOH基濃度を低減させた後、1450℃まで昇温し、この温度にて2時間保持し直径240mm×厚み450mmの透明ガラス体を得る。
さらに得られた透明石英ガラス体をφ400のカーボン型枠内に設置し、アルゴンガス100%、101kPaの雰囲気にて1750℃に昇温することにより、直径400mmの石英成形ガラス体を得る。
続いて外周部からの不純物の拡散を防ぐために石英成形ガラス体の側面および上下面を20mm研削する。その後、石英成形ガラス体を電気炉内に設置し、133Pa以下まで減圧した後、1250℃まで昇温し、この温度で24時間保持した後、500℃まで0.25℃/時間の冷却速度で徐冷を行い、500℃で電気炉への給電を中止し、放冷する。
さらに直径360mm、厚み80mmになるまで研削した後、20体積%の水素含有雰囲気下、101kPaの圧力、500℃で450時間保持して石英ガラス中に水素ドープを行う。
このようにして得られた合成石英ブロックについて各物性値の測定結果を表1に記す。なお、各物性値の測定方法は、上述の方法を用いる。
Figure 2005336047
エネルギー密度が200μJ/cm/pulseのレーザ光により、累積照射エネルギー量が8000KJ/cmとなるまで本サンプルを照射した場合、累積照射エネルギー量(KJ/cm)に対する光学部材の屈折率変化量の比R(KJ/cm・ppb)-1は、7×10−2程度となり、レーザ照射による屈折率変化量を所定の範囲内とすることができる。
レーザ光照射による合成石英ガラスの屈折率変化量とOH基濃度の関係

Claims (3)

  1. ArFエキシマレーザ光あるいはKrFエキシマレーザ光を光源とする光学装置内で、所定のエネルギー密度にて使用される合成石英ガラス製光学部材の製造方法であって、
    使用するレーザ光のエネルギー密度に応じて光学部材のOH基濃度を設定することによって、レーザによる累積照射エネルギー量(KJ/cm)に対する光学部材の屈折率変化量の比R(KJ/cm・ppb)-1を0≦R≦0.2とする工程を含むことを特徴とする合成石英ガラス製光学部材の製造方法。
  2. エネルギー密度が10〜500μJ/cm/pulseの、ArFエキシマレーザ光あるいはKrFエキシマレーザ光を光源とする光学装置内で使用される合成石英ガラス製光学部材であって、
    合成石英ガラスのOH基濃度が10〜60ppm、ハロゲン濃度が50ppm以下であって、エネルギー密度が200μJ/cm/pulseにおけるレーザによる累積照射エネルギー量(KJ/cm)に対する光学部材の屈折率変化量の比R(KJ/cm・ppb)-1が0≦R≦0.2を満たすことを特徴とする合成石英ガラス製光学部材。
  3. 光学部材内のOH基濃度が60ppm以下、複屈折率が波長633nmにおいて0.8nm/cm以下、屈折率分布が波長633nmにおいて1.5×10−6以下である請求項2に記載の合成石英ガラス製光学部材。
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