JP2018184312A - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
v≦(Re+390×S/V)/1.0 ・・・(1)
を満たすように前記徐冷速度vを決定することが好ましい。
v≧0.8×(Re+390×S/V)/1.0 ・・・(2)
のいずれも満たす範囲で前記徐冷速度vを決定することが好ましい。
・母材である合成石英ガラスを熱処理炉に投入する工程、
・前記熱処理炉内の温度を、前記合成石英ガラスの徐冷点以上である所定の保持温度まで昇温させる昇温工程、
・前記熱処理炉内の温度を前記保持温度で保持する第1の保持工程、
・前記第1の保持工程の後、前記熱処理炉内を加熱しながら、前記熱処理炉内の温度を徐々に低減し、所定温度まで冷却することにより、前記合成石英ガラスを徐冷する徐冷工程、
・前記徐冷を行った合成石英ガラスを前記熱処理炉から搬出する工程。
v≦(Re+390×S/V)/1.0 ・・・(1)
この式(1)の導き方は後述する。
v≧0.8×(Re+390×S/V)/1.0 ・・・(2)
v≦(Re+390×S/V)/1.0 ・・・(1)
直径320mm、厚さ130mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.028mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図4で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、5.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を用いて徐冷速度vを計算すると、v≦15.9[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を15.5℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度(第1の保持工程における保持温度t1)である1200℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度(第2の保持工程における保持温度t2)である1030℃まで11時間かけて徐冷し(工程e)、第2の保持温度で2時間保持した(工程f)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径210mm、厚さ200mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.029mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図4で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、5.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を用いて徐冷速度vを計算すると、v≦16.3[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を15.5℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度1200℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度1030℃まで11時間かけて徐冷し(工程e)、第2の保持温度で2時間保持した(工程f)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径180mm、厚さ270mmの円柱形状の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.030mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図4で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、5.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を用いて徐冷速度vを計算すると、v≦16.6[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を15.5℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度1200℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度1030℃まで11時間かけて徐冷し(工程e)、第2の保持温度で2時間保持した(工程f)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径240mm、厚さ225mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.026mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図4で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、5.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を用いて徐冷速度vを計算すると、v≦15.0[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を14.2℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度1200℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度1030℃まで12時間かけて徐冷し(工程e)、第2の保持温度で2時間保持した(工程f)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径240mm、厚さ225mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.026mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図4で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、2.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を徐冷速度vを計算すると、v≦12.0[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を12.0℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度1250℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度1070℃まで15時間かけて徐冷し(工程e)、第2の保持温度で2時間保持した(工程f)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径240mm、厚さ225mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.026mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図4で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、10.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を用いて徐冷速度vを計算すると、v≦20.0[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を18.9℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度1150℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度980℃まで9時間かけて徐冷し(工程e)、第2の保持温度で2時間保持した(工程f)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径300mm、厚さ150mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.027mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図4で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、10.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を用いて徐冷速度vを計算すると、v≦20.4[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を19.2℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度1250℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度1020℃まで12時間かけて徐冷し(工程e)、第2の保持温度で2時間保持した(工程f)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径150mm、厚さ250mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラス(母材である合成石英ガラス)を準備した。この母材合成石英ガラスのS/V値は0.035mm2/mm3である。この母材合成石英ガラスに図1及び図3で示したアニール処理を行い、徐冷後の合成石英ガラスを得ることとした。徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Reを、2.0nm/cm以下とした。上記S/V値及び複屈折値から、式(1)を用いて徐冷速度vを計算すると、v≦15.5[℃/時間]となった(工程a)。このことから、実際の徐冷速度を14.2℃/時間と決定した。これは式(2)も満たしている。この合成石英ガラスを、常温の電気炉内に投入した(工程b)。投入後、第1の保持温度1200℃まで上昇させた(工程c)のち1時間保持した(工程d)。その後、第2の保持温度1030℃まで12時間かけて徐冷した(工程e)。その後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行い(工程g)、熱処理炉内から合成石英ガラスを搬出した(工程h)。すなわち、この実施例8では、第2の保持工程(工程f)を行っていない。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たしていることがわかる。
直径240mm、厚さ225mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラスを常温の電気炉内で第1の保持温度1200℃まで上昇させたのち1時間保持し、第2の保持温度1030℃まで10時間かけて徐冷し、第2の保持温度で2時間保持した後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行った。すなわち、このときの徐冷速度は、17.0[℃/時間]である。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。このアニール処理により目標とした複屈折値は5.0nm/cm以下であったが、徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たせていなかったことがわかる。式(1)に基づいて計算すると、この直径240mm、厚さ225mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラスの徐冷において必要な徐冷速度vは、v≦15.0[℃/時間]である。実際の徐冷速度はこの範囲を満たしていなかった。
直径320mm、厚さ220mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラスを常温の電気炉内で第1の保持温度1200℃まで上昇させたのち1時間保持し、第2の保持温度1030℃まで12時間かけて徐冷し、第2の保持温度で2時間保持した後、ヒーターをOFFにして室温まで自然放冷を行った。すなわち、このときの徐冷速度は、14.2[℃/時間]である。取り出したガラスの複屈折値を複屈折測定装置で測定した。結果を表2に示す。このアニール処理により目標とした複屈折値は5.0nm/cm以下であったが、徐冷後の合成石英ガラスにおける複屈折値は、目標とした複屈折値を満たせていなかったことがわかる。式(1)に基づいて計算すると、この直径320mm、厚さ220mmの円柱形状(円板形状)の合成石英ガラスの徐冷において必要な徐冷速度vは、v≦13.4[℃/時間]である。実際の徐冷速度はこの範囲を満たしていなかった。
Claims (10)
- 合成石英ガラスのアニール処理を含む合成石英ガラスの製造方法であって、
前記アニール処理を、
母材である合成石英ガラスを熱処理炉に投入する工程と、
前記熱処理炉内の温度を、前記合成石英ガラスの徐冷点以上である所定の保持温度まで昇温させる昇温工程と、
前記熱処理炉内の温度を前記保持温度で保持する第1の保持工程と、
前記第1の保持工程の後、前記熱処理炉内を加熱しながら、前記熱処理炉内の温度を徐々に低減し、所定温度まで冷却することにより、前記合成石英ガラスを徐冷する徐冷工程と、
前記徐冷を行った合成石英ガラスを前記熱処理炉から搬出する工程と
を含むものとし、
前記母材である合成石英ガラスの表面積をS[mm2]とし、体積をV[mm3]としたときのS/V[mm2/mm3]の値、及び、前記徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Re[nm/cm]に基づいて、前記徐冷工程において前記合成石英ガラスを徐冷する速度である徐冷速度v[℃/時間]を決定する工程を有し、該決定した徐冷速度vで前記徐冷工程を行うことを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。 - 前記徐冷速度v[℃/時間]を決定する工程において、
前記S/V[mm2/mm3]の値及び前記目標とする複屈折値Re[nm/cm]から、下記式(1)
v≦(Re+390×S/V)/1.0 ・・・(1)
を満たすように前記徐冷速度vを決定することを特徴とする請求項1に記載の合成石英ガラスの製造方法。 - 請求項2に記載の合成石英ガラスの製造方法において、
前記式(1)及び下記式(2)
v≧0.8×(Re+390×S/V)/1.0 ・・・(2)
のいずれも満たす範囲で前記徐冷速度vを決定することを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。 - 前記アニール処理において、前記合成石英ガラスの周囲に保温材を用いないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の合成石英ガラスの製造方法。
- 前記母材である合成石英ガラスの形状を円柱形状又は円板形状とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の合成石英ガラスの製造方法。
- 前記母材である合成石英ガラスを、前記S/Vの値が0.012mm2/mm3以上0.4mm2/mm3以下のものとすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の合成石英ガラスの製造方法。
- 前記徐冷を行った後の合成石英ガラスにおいて目標とする複屈折値Re[nm/cm]を、1.0nm/cm以上10.0nm/cm以下とすることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の合成石英ガラスの製造方法。
- 前記第1の保持工程における保持温度を1040℃以上1300℃以下の範囲内とし、
前記徐冷工程において、前記第1の保持工程における保持温度から、前記第1の保持工程における保持温度よりも低くかつ950℃以上1160℃以下の範囲内の温度まで徐冷することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の合成石英ガラスの製造方法。 - 前記徐冷工程の後に、前記熱処理炉内の加熱を停止して前記熱処理炉内の温度を低下させる放冷工程を有し、該放冷工程の後、前記徐冷を行った合成石英ガラスを前記熱処理炉から搬出することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の合成石英ガラスの製造方法。
- 前記徐冷工程の後に、該徐冷工程の終了する温度で保持する第2の保持工程を有し、前記第2の保持工程の後に、前記熱処理炉内の加熱を停止して前記熱処理炉内の温度を低下させる放冷工程を有し、該放冷工程の後、前記徐冷を行った合成石英ガラスを前記熱処理炉から搬出することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の合成石英ガラスの製造方法。
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