JP4439072B2 - 光学用合成石英ガラス、その熱処理方法および熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキシマレーザーなどを使用するリソグラフィー装置に用いられる光学部材に好適な高光透過性及び高レーザー耐性を有する高均質な合成石英ガラス、その熱処理方法および熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フォトマスク上のパターンをレーザー光を用いてウエハー上に転写する光リソグラフィー技術は、他の電子ビームやX線を用いる技術に比較してコスト面で優れていることから、半導体集積回路を製造するための露光装置用に広く用いられている。
【0003】
近年、LSIの微細化、高集積化に伴い、露光用の光源の短波長化が進んでおり、従来の描画線幅0.4〜0.5μmのパターン形成を可能にするi線(波長365nm)あるいは、描画線幅0.25〜0.35μmのパターン形成を可能にするKrFエキシマレーザー(波長248.3nm)を用いた露光装置が実用的に使われてきた。そして最近では、描画線幅0.13〜0.2μmのパターン形成を可能にするArFエキシマレーザー(波長193.4nm)を用いた露光装置の実用化に向けて、開発が進められている。そして、このArFエキシマレーザーリソグラフィー装置に用いられる光学部材には、従来以上に、均質性、透過性および耐レーザー性等を高いレベルで充たすことが要求されている。
【0004】
これらの要求に適合する光学部材の材料として、高純度の合成石英ガラスが用いられてきており、それらの材料は製造条件の最適化によって、光透過性やレーザー耐性の向上が図られ、同時に、均質性や複屈折といった光学特性のさらなる改良が進められている。そのうち均質性の向上や複屈折の低減には、光学部材の製造工程において石英ガラスの歪除去のために徐冷を伴う熱処理(アニール処理)を施すことが必要とされており,その熱処理としては,加熱炉内で高温に長時間保持するのが一般的な方法とされてきた。
【0005】
ところで、石英ガラス中に溶存する水素分子は、短波長光に対する石英ガラスの耐性、特にレーザー耐性に寄与する性質があり、例えば、一定量以上の水素分子を含有した石英ガラスは、長時間のエキシマレーザー照射によっても透過率の低下や蛍光の発生、屈折率の増大を抑えられることが知られている(特開平3−88743号、特開平9−124337号など)。
【0006】
前記熱処理においては、石英ガラスを高温に長時間晒すため、石英ガラス中に含有される水素分子量が処理中に低減され、レーザー耐性が低減してしまう、という問題がある。
【0007】
また、前記熱処理は、通常は加熱炉(電気炉等)内で高温に長時間保持することにより行われるため、使用される加熱炉の炉材や治具および雰囲気等から放出ないし移動したアルカリ金属元素等の不純物を、処理中の石英ガラスが取り込んでしまう、という工程汚染の問題もあった。光学用石英ガラス中に含有される金属不純物は、その石英ガラスの透過性やレーザー耐性の低下を引き起こすため、レーザーリソグラフィー装置用に好適な光学部材を得るためには、金属不純物特にNaによる汚染を極力抑えなければならない。
【0008】
前記熱処理工程におけるこれらの問題点を克服するために、被処理物を適当な被覆体で覆って熱処理をする方法が提案されている。例えば特開平10−279322号においては、被処理物を合成石英ガラスで覆うことにより汚染を防ぐ方法が提案されているが、汚染防止のみが目的であり、溶存水素分子濃度の低減については何ら考慮がされていない。また特開平8−91857号においては、均質性の高い石英ガラスを得るために被処理物をシリカの板や粉末で覆って熱処理する方法が提案されているが、上記の特開平10−279322号の場合と同様、溶存水素分子濃度の低減に対する対策に関する考慮が全くない。なお、低減した水素分子濃度を回復する方法の一つとして水素分子ドープがあるが、ドープのために特別な工程が必要となり、製造時間が長くなるとともに、コストアップに繋がっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたもので、より良好な透過性やレーザー耐性を示す光学用合成石英ガラス、その熱処理方法および熱処理装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、本発明の下記構成のいずれかにより達成される。
(1) 加熱炉内で光学用合成石英ガラスを熱処理する方法において、被処理物である合成石英ガラス体の周囲を、溶存水素分子濃度が平均で1×1019個/cm3以上のSiO2粉体で覆って加熱炉内で熱処理することを特徴とする光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(2) 前記SiO2粉体の総重量が、被処理物である合成石英ガラス体の重量の25%以上である上記(1)の光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(3) 前記SiO2粉体が、Na含有量30ppb以下の合成SiO2粉体である上記(1)または(2)の光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(4) 前記SiO2粉体の95重量%以上が、粒径1000μm以下である上記(1)〜(3)のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(5) 光学用合成石英ガラスを熱処理する加熱炉を備える光学用合成石英ガラスの熱処理装置において、石英ガラスで形成され、被処理物である合成石英ガラス体の体積の1.5倍以上の容積を有し、前記熱処理の際に該合成石英ガラスを収容した状態で前記加熱炉内に配置される蓋付き容器、および溶存水素分子濃度が平均で1×1019個/cm3以上であって、前記容器内に前記被処理物である合成石英ガラス体の周囲を覆うようにして充填されるSiO2粉体を備える光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
(6) 前記SiO2粉体の総重量が、被処理物である合成石英ガラスの重量の25%以上である上記(5)の光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
(7) 前記SiO2粉体が、Na含有量30ppb以下の合成SiO2粉体である上記(5)または(6)の光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
(8) 前記SiO2粉体の95重量%以上が、粒径1000μm以下である上記(5)〜(7)のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理装置は、被処理物である合成石英ガラス体を熱処理する加熱炉を備えている。この加熱炉自体は、従来から用いられているものを用いることができるので、これ以上の説明は省略する。
本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理装置は、さらに、石英ガラスで形成され、前記熱処理の際に該合成石英ガラス体を収容した状態で前記加熱炉内に配置される蓋付き容器を備えている。
【0012】
図1に示されているように、この蓋付き容器10は、内部に収容される被処理物である扁平な円柱状の合成石英ガラス体Gとほぼ相似形の円筒状のものであり、環状側壁12、円盤状の底板14および円盤状の蓋16を備えている。上記環状側壁12および底板14は、別体であっても、一体であってもよい。
この蓋付き容器10の容積は、被処理物である合成石英ガラス体の体積の1.5倍以上、特に2〜10倍の容積を有することが好ましい。
上記被処理物である合成石英ガラス体Gは、半径が50〜200mm、厚みが30〜200mm程度のものであるので、上記蓋付き容器10の容積は、450〜250000cm3程度であることが好ましい。また、この容器10の外径/高さの比は、1.8以上、特に2.0以上であることが好ましい。この比については、特に上限はないが、極端に偏平な被処理物を扱わない限りは、実用上10程度であると考えられる。
【0013】
また、上記容器10のNa含有量は、100ppb以下、特に40ppb以下、更に5ppb以下であることが好ましい。後に説明するSiO2粉体により、容器等から放出されるNaは、大部分がトラップされるので、合成石英ガラス体Gまで到達する量は限られるものの、上記容器10のNa含有量は上記の範囲であることが好ましい。
【0014】
更に、本発明の製造装置は、上記容器10内に、上記被処理物である合成石英ガラス体Gの周囲を覆うようにして充填されるSiO2粉体20(図1参照)を備える。このSiO2粉体としては、高圧水素処理で水素をドープしたもので、溶存水素分子濃度が平均で1×1019個/cm3以上、特に好ましくは2〜5×1019個/cm3のSiO2粉体を用いる。この溶存水素分子濃度は、用いるSiO2粉体の総体の平均であってよく、従って、上記の水素ドープをしたものと、しないものを混合して用いてもよい。
【0015】
このSiO2粉体は、熱処理中に、上記被処理物である合成石英ガラス体Gから水素分子が抜け出てしまうのを防止するためのものであり、上記SiO2粉体の総重量は、被処理物である合成石英ガラス体の総重量の25%以上であることが好ましく、50〜200%であることがより好ましい。上記SiO2粉体の総重量が、上記25%未満であると、合成石英ガラス体の水素分子の放出防止という目的を十分に達成することが困難であり、また上記200%を超えると、上記目的達成のためには工業上の過剰を生じさせるものであり、効率的でない。
【0016】
上記SiO2粉のNa含有量は、30ppb以下、特に10ppb以下であることが好ましい。このNa含有量は、少なければ少ないほど望ましいが、現在のところ下限値は5ppb程度である。
上記SiO2粉体としては、用いる粉体の総重量の95%以上が、好ましくは0.1〜1000μm程度、より好ましくは0.5〜500μm程度の粒径のものを用いるとよい。粒径が1000μmを超える粉体が混在すると、粉体自体の上記高圧水素処理工程において、一部の粉体に十分な量の水素分子を溶存させることができなくなるおそれがあり、また、粒径が0.1μm未満の粉体が混在すると、取り扱い上の問題が生じてくるので、好ましくない。なお、使用する粉体の粒径が大きくなりすぎると、充填密度を上げることが困難となるため、その点からも粒径が1000μmを超える粉体を用いないことが望ましいが、粒径が0.1〜1000μmの範囲内であれば、粒径が異なる粉体を混合してもよく、むしろ粒度分布にある程度の広がりを有する方が、しばしば充填性を向上させることがある。ただし、用いるSiO2粉体が実質的に上記粒径の範囲内であれば、本発明の効果を得ることができる。具体的には、前記SiO2粉体の総重量の5%未満の粉体が上記粒径範囲外であっても、実用上の問題はない。
なお、上記SiO2粉体は、上記の諸条件から合成石英ガラス粉体であることが特に好ましい。
【0017】
本発明の加熱炉内で熱処理して光学用合成石英ガラスを製造する方法は、上記した装置を用い、被処理物である合成石英ガラス体の周囲を、溶存水素分子濃度が平均で1×1019個/cm3以上のSiO2粉体で覆って加熱炉内で熱処理することによって行われる。熱処理雰囲気は大気であってよい。保持温度、保持時間および昇温速度、降温速度等の熱処理条件は通常のものであってよい。
【0018】
以上の本発明方法によれば、溶存水素分子濃度が2×1017個/cm3以上、193.4nmにおける初期透過率が99.7%以上である光学用合成石英ガラスを得ることができる。
上記溶存水素分子濃度は、特に5×1017個/cm3以上であることが好ましい。この溶存水素分子濃度が上記2×1017個/cm3未満であると、目的のレーザー耐性が得られない。この溶存水素分子濃度の上限値は、現在のところ5×1019個/cm3程度である。
本発明の光学用合成石英ガラスにおいては、Naの含有量が10ppb以下、特に5ppb以下であることが好ましい。また、半径方向での屈折率変動Δnは、1.0×10−6以下が好ましい。
【0019】
【実施例】
以下に、一部図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。但し、以下の実施形態に記載されている寸法、材質、形状、相対的配置その他については、別途特段の記載がない限り単なる例示または説明に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0020】
光学部材用合成石英ガラス用として、直接法で製造した外径200mm、厚さ60mmの合成石英ガラス体(被処理物)6個を準備した。これらの合成石英ガラス体は、いずれもNa濃度5ppb以下、193.4nmにおける初期透過率99.8%、水素分子(H2)濃度1.8×1018個/cm3であった。これらの合成石英ガラス体を以下の方法で、図2の温度プロファイルで大気中にて行った。
【0021】
[実施例1]
Na不純物濃度が20ppbで、水素分子をほとんど含有しておらず、粒径が53〜710μmの高純度合成石英ガラス粉体4kgにオートクレーブを利用して600℃、100気圧にて100時間の高圧水素処理を行った。処理前後の圧力差からこの粉体の平均水素分子濃度を求めると、2.0×1019個/cm3であった。
次に、外径250mm、高さ100mm、肉厚5mmの合成石英ガラス容器の中へ、熱処理の被処理物である合成石英ガラス体がちょうどこの容器のほぼ中央部に位置するように、上記高圧水素処理により得られた粉体2.9kgを充填しながら、上記合成石英ガラス体を粉体中に埋め込み、その上に外径250mm、肉厚5mmの合成石英ガラス板を載せて、上記熱処理を行った。すなわち、図1に示す状態で、熱処理炉内に配置し、熱処理を行った。したがって、このときの合成石英ガラス粉体の総重量は、上記合成石英ガラス体の重量の70%であった。
【0022】
[実施例2]
高純度合成石英ガラス粉体の代わりに、粒径が53〜710μmのIOTA(商品名)粉を塩素含有雰囲気で純化処理し、Na濃度を50ppbとした天然石英(水晶)粉体を用いた以外は、実施例1と同様にして熱処理を行った。なお、この実施例に用いた天然石英粉体の平均水素分子濃度も2.0×1019個/cm3であった。
【0023】
[実施例3]
実施例1における高圧水素処理をした合成石英ガラス粉体に同処理を行わない合成石英ガラス粉体を混合し、平均水素分子濃度を1.5×1019個/cm3と調整したこと以外は、実施例1と同様にして熱処理を行った。
【0024】
[比較例1]
被処理物である合成石英ガラス体を、実施例1と同じ蓋付き容器で単に覆って(合成石英ガラス粉体を用いずに)熱処理炉内に設置して熱処理を行った。他は、実施例1と同様にした。
【0025】
[比較例2]
実施例1において、高純度合成石英ガラス粉体を高圧水素処理をしないでそのまま用いたこと以外は、実施例1と同様にして熱処理を行った。
【0026】
[比較例3]
実施例1において、高純度合成石英粉の高圧水素処理時間を5時間と短くしたこと以外は、実施例1と同様にして熱処理を行った。なお、この比較例に用いた合成石英粉の水素分子濃度は3.0×1018個/cm3であった。
以上の充填に用いたSiO2粉体の物性等を図3の表にまとめた。
【0027】
以上の実施例および比較例により得られた合成石英ガラスの被処理物につき、それぞれ水素分子(H2)濃度、Na濃度、193.4線でのT%、および熱処理前後の屈折率変動Δnを測定した。その結果を図4の表にまとめた。
図4の表から明らかなように、実施例1の被処理物の光学用合成石英ガラスにおいては、その水素分子濃度が7.2×1017個/cm3、Na濃度が2ppb以下、193.4nmにおける初期透過率が99.8%であり、リソグラフィー装置向けの光学部材として、十分な紫外線透過性を示した。
【0028】
実施例1の光学用合成石英ガラスでは、上記熱処理後の合成石英ガラスGの屈折率変動Δnが、0.6×10−6と極めて小さくできた。これは、熱処理における冷却の際に、容器、石英粉を含めた全体があたかも被処理物となり、温度勾配の小さい芯の部分に実際の被処理物である光学用合成石英ガラスが位置したためであると考えられる。なお、容器、石英粉は、再利用出来るので、極めて経済的である。
【0029】
実施例2の被処理物の光学用合成石英ガラスにおいては、その水素分子濃度が6.5×1017個/cm3、Na濃度が5ppb、193.4nmにおける初期透過率が99.7%であり、リソグラフィー装置向けの光学部材として、実施例1のものよりはやや劣るが十分な紫外線透過性及び水素分子濃度を示した。
また、実施例2の光学用合成石英ガラスでは、実施例1と同様、上記屈折率変動Δnが、0.8×10−6と極めて小さくできた。
【0030】
実施例3の被処理物の光学用合成石英ガラスにおいては、その水素分子濃度が4.0×1017個/cm3と実施例1のものよりはやや劣るが十分な水素分子濃度を示した。他の特性は、実施例1のものとほぼ同じであった。
【0031】
一方、比較例1の被処理物における水素分子濃度は1.4×1017個/cm3、Na濃度は50ppb、193.4nmにおける初期透過率は99.5%であり、リソグラフィー装置向けの光学部材としては不十分な水素分子濃度、および紫外線透過率であった。また、この比較例1の被処理物では、上記屈折率変動Δnが、2.1×10−6と実施例のものに比べて大きかった。
【0032】
比較例2の被処理物における水素分子濃度は1.1×1017個/cm3と低下したがNa濃度は2ppbを維持でき、屈折率変動Δnも0.6×10−6と実施例1と同等であった。その結果、193.4nmにおける初期透過率は99.8%であり、初期透過率および折率変動Δnは満足の行くものであったが、リソグラフィー装置向けの光学部材としては不十分な水素分子濃度であった。
【0033】
比較例3の被処理物における水素分子濃度は1.6×1017個/cm3と低下し、リソグラフィー装置向けの光学部材としては不十分な水素分子濃度であった。
以上により、本発明の効果が明らかである。
【0034】
実施例、比較例に記述した物性値の測定方法等は以下の通りである。
1)水素分子濃度の測定法:V.S.Khotimchenko et al.,J.Appl.Spectrosc.,46.632〜635(1987)に記載の測定法。
2)Na不純物濃度の測定法:フレームレス原子吸光分析法による測定法。
3)193.4nm初期透過率の測定法:193.4nmにおける石英ガラスの理論透過率である90.86%から、レイリー散乱におけるロスとして知られる0.18%を減じた90.68%を用いて、厚さ10mmにおける見かけ透過率T%に対し、(T/90.68)×100より求めた測定法。
4)屈折率変動Δnの測定法:He−Neレーザ(633nm)を光源とする光干渉法による測定法。
ただし、直径180mmエリアにおける値を示す。
5)合成石英ガラス粉体の水素分子濃度の測定法:水素処理前の圧力と水素処理後の圧力の差を計測し、その数値と処理される合成石英ガラス粉体の総重量より算出する測定法。
6)合成石英ガラス粉体の粒径:53μmおよび710μmのナイロン製のスクリーンを備えたJIS篩により分級した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理装置における主要部である容器およびSiO2粉体を、被処理物である合成石英ガラス体とともに示した図であり、(A)は垂直断面図、図1(B)は図1(A)の線B−Bに沿う断面図である。
【図2】 本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理方法における温度プロファイルの一例を示す図である。
【図3】 本発明の実施例および比較例における、充填に用いたSiO2粉体の物性等を示す表である。
【図4】 本発明の実施例および比較例における、熱処理前後の被処理物の物性等を示す表である。
【符号の説明】
10 容器
12 環状側壁
14 底板
16 蓋
20 SiO2粉体
G 被処理物である光学用合成石英ガラス
Claims (8)
- 加熱炉内で光学用合成石英ガラスを熱処理する方法において、被処理物である合成石英ガラス体の周囲を、溶存水素分子濃度が平均で1×1019個/cm3以上のSiO2粉体で覆って加熱炉内で熱処理することを特徴とする光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 前記SiO2粉体の総重量が、被処理物である合成石英ガラス体の重量の25%以上である請求項1の光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 前記SiO2粉体が、Na含有量30ppb以下の合成SiO2粉体である請求項1または2の光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 前記SiO2粉体の95重量%以上が、粒径1000μm以下である請求項1〜3のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 光学用合成石英ガラスを熱処理する加熱炉を備える光学用合成石英ガラスの熱処理装置において、石英ガラスで形成され、被処理物である合成石英ガラス体の体積の1.5倍以上の容積を有し、前記熱処理の際に該合成石英ガラスを収容した状態で前記加熱炉内に配置される蓋付き容器、および溶存水素分子濃度が平均で1×1019個/cm3以上であって、前記容器内に前記被処理物である合成石英ガラス体の周囲を覆うようにして充填されるSiO2粉体を備える光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
- 前記SiO2粉体の総重量が、被処理物である合成石英ガラスの重量の25%以上である請求項5の光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
- 前記SiO2粉体が、Na含有量30ppb以下の合成SiO2粉体である請求項5または6の光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
- 前記SiO2粉体の95重量%以上が、粒径1000μm以下である請求項5〜7のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理装置。
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