JP5050458B2 - シリカガラスおよび光学部材 - Google Patents

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Description

本発明は、SnOおよびTiOを含有するシリカガラス(以下、本明細書ではSnO−TiO−SiOガラスと記す)に関し、特にEUVリソグラフィに使用される光学系を構成する光学部材として用いられるSnO−TiO−SiOガラスに関する。なお、本発明でいうEUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
近年、光リソグラフィ技術においては、集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウエハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられようとしている。また、さらに回路パターンの線幅が100nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、ArFエキシマレーザの露光システムの液浸技術や、露光光源としてFレーザ(波長157nm)を用いる技術が開発されているが、これも線幅が45nm世代までしかカバーできないと見られている。
このような流れにあって、露光光源としてEUV光(極端紫外光)のうち代表的には波長13.5nmの光を用いたリソグラフィ技術が、線幅が45nm以降の複数世代に渡って適用可能と見られ注目されている。EUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィと同じである。しかしながら、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がないために、透過光学系は用いることができず、光学系はすべて反射光学系となる。
EUVLに用いられる露光装置光学部材は、(1)基材 (2)基材上に形成された反射多層膜 (3)反射多層膜上に形成された吸収体層 から基本的に構成される。多層膜は、Mo/Siが交互に積層された膜が検討され、吸収体層の材料としては、TaやCrが検討されている。基材としては、EUV光照射の下においても光吸収の結果生じた熱によって歪みが生じないような低熱膨張係数を有する材料が必要とされている。加えて、EUVLに利用される基材には、従来のフォトリソグラフィにおいて使用されるシリカガラスと比較して、厳しい平坦度や低欠陥特性が要求される。
透過光学系を用いる従来のフォトリソグラフィ技術においては、低熱膨張係数を有することで知られるシリカガラスが基材として使用されている。しかしながら、シリカガラスの熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)はEUVLに用いられる露光装置光学部材としては大きく、EUV光照射の下において歪みが無視できない。
一方、TiOを含有するシリカガラス(以下、本明細書ではTiO−SiOガラスと記す)は、シリカガラスよりも小さい熱膨張係数を有する超低熱膨張材料として知られ、加えて、ガラス中のTiO含有量によって熱膨張係数を制御できるために、これを使用すると熱膨張係数がゼロに近いゼロ膨張ガラスが得られる。したがって、TiO−SiOガラスはEUVL用露光装置光学部材に用いる材料として可能性がある。
特許文献1には、TiO−SiO多孔質ガラス体を形成し、ガラス体にした後、マスク基板を得る方法が開示されている。
特開2005−22954号公報
従来のTiO−SiOガラスでは、熱膨張係数の温度依存性があるために、熱膨張係数がほぼゼロとなる温度領域が室温付近にのみ限られていた。また、従来のTiO−SiOガラスでは、高平坦度を達成するための研磨工程においてピットやスクラッチなどの凹欠陥を生成させてしまうことがあった。
EUVL用露光装置光学部材は、反射膜などの成膜の際には100℃程度の温度になる。また、露光時に高エネルギー線が照射されるので、部材の温度が局所的に上昇するおそれがある。このため、EUVL用露光装置光学部材としては、熱膨張係数が小さいだけでなく、熱膨張係数の温度依存性が小さいことが好ましい。しかしながら、従来のシリカガラスでは、熱膨張係数が大きく、EUVL用露光装置光学部材に用いるには不充分であった。さらに、TiO−SiOガラスにおいては熱膨張係数が非常に低いものの、研磨工程においてピットやスクラッチなどの凹欠陥を生成してしまい、EUVL用露光装置光学部材に用いるには不充分であった。研磨工程における凹欠陥生成は、主としてメカニカルな効果により研磨が行われている場合には、ガラスのビッカース硬度と関連があると考えることができる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱膨張係数が小さく、熱膨張係数の温度依存性が小さく、適当なビッカース硬度を有するEUVLに適した露光用光学部材を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様では、SnO換算で0.1〜10質量%のSnと、TiO換算で3〜10質量%のTiとを含有するシリカガラスであって、0〜100℃での熱膨張係数の温度に対する変動幅が50〜200ppb/℃であり、0〜100℃での熱膨張係数が0±250ppb/℃であることを特徴とするシリカガラスを提供する。
発明の第の態様は態様において、ビッカース硬度が650以下であることを特徴とする上記のシリカガラスを提供する。
本発明の第の態様は態様1または2において、シリカガラスからなるEUVLに使用される光学系を構成する光学部材を提供する。
本発明の第の態様は態様1または2のシリカガラスからなるガラス基板を提供する。
本発明の第の態様は態様において、加工表面を有することを特徴とするガラス基板を提供する。
本発明の第の態様は態様において、加工表面が砥粒を用いて研磨する工程を含む加
工工程にて加工されたことを特徴とするガラス基板を提供する。
本発明によれば、シリカガラスよりも熱膨張係数が小さい、SnO―TiO―SiOガラスを得ることができる。加えて、SnO−TiO−SiOガラスのビッカース硬度は従来のTiO−SiOガラスよりも低く、EUVLに使用される光学系を構成する光学部材の材料として好適である。
本発明のSnO−TiO−SiOガラスとは、SnO換算で0.1〜10質量%のSnとTiO換算で3〜10質量%のTiとを含有するシリカガラスである。Snの含有量が0.1質量%未満であると、シリカガラスに比べて充分に熱膨張係数を小さくできないおそれがある。好ましくは、0.3質量%以上であり、特に好ましくは0.5質量%以上である。また、10質量%を超えると、SnO−TiO−SiOガラス中にSnO結晶が析出し、均質なSnO−TiO−SiOガラスを得ることができないおそれがある。好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。
Tiの含有量が3質量%未満であると、シリカガラスに比べて十分に熱膨張係数を小さくできないおそれがある。また、10質量%を超えると熱膨張係数が負となる可能性がある。Tiの含有量は、より好ましくは3〜7質量%である。特に好ましくは3〜5質量%である。
本発明のSnO−TiO−SiOガラスの熱膨張係数が小さくなるのは以下の理由によると推定される。シリカガラスはクォーツに似た四面体構造により形成されており、Siは4価4配位で安定である。一方、SnO結晶およびTiO結晶はルチル型構造で形成され、SnおよびTiは4価6配位で安定である。ここで、4価4配位のクォーツ型構造であるSnO結晶およびTiO結晶をシミュレーション上で仮定してその体積変化を求めたところ、体積変化は負の温度係数を持つことが示された。この現象は、4配位から6配位へのSnおよびTiの配位数変化によってその構造がクォーツ型構造からルチル型構造に近づくことで、密度上昇が起こるために起こると推定される。したがって、SnおよびTiをシリカガラスに含有させることにより、熱膨張係数を小さくできるものと考えられる。
本発明のSnO−TiO−SiOガラスは、0〜100℃での熱膨張係数の温度に対する変動幅が50〜200ppb/℃である。特に好ましくは、50〜150ppb/℃である。
本発明のSnO−TiO−SiOガラスは、0〜100℃での熱膨張係数が0±250ppb/℃である。より好ましくは0±200ppb/℃であり、さらに好ましくは0±150ppb/℃であり、特に好ましくは0±100ppb/℃である。
本発明のSnO−TiO−SiOガラスのビッカース硬度は、650以下が好ましい。これにより、高平坦度を得るための研磨工程におけるピットやスクラッチなどの凹欠陥の生成を抑制することができると考えられる。また、研磨レートが速くなり、短時間で効率良く高平坦度を有するように研磨することが容易となる。
ビッカース硬度を低くすることで研磨工程におけるピットやスクラッチなどの凹欠陥の生成が抑制されるのは、以下の理由によると推定される。TiO−SiOガラスの化学的耐久性(耐酸、耐水性)は、一般的なアルミノシリケートガラスやソーダライムガラスに比べて非常に高い。そのため、研磨工程ではメカニカルな効果が強く働き、研磨砥粒による微小破壊現象により加工が進行すると考えられる。この時、ビッカース硬度が高いガラスでは微小破壊に対する抵抗が大きいため、研磨砥粒がピットやスクラッチなどの凹欠陥を生成してしまう。したがって、ビッカース硬度を低くすることにより、凹欠陥の生成を抑制することができるものと考えられる。
本発明のSnO−TiO−SiOガラスにおけるOH基の含有量は、質量表示で600ppm以下、特に200ppm以下であることが好ましい。これにより、熱膨張係数の温度依存性をより小さくし、広い温度範囲で熱膨張係数が小さいガラスを得ることができる。
本発明のSnO−TiO−SiOガラスを製造するためには、以下のスート法が採用できる。
スート法により、本発明のSnO−TiO−SiOガラスを製造する場合について説明する。スート法はその作り方により、MCVD法、OVD法、およびVAD法などがある。例えば、以下のような工程が採用できる。
(a)工程
ガラス形成原料であるSn前駆体、Ti前駆体およびSi前駆体を火炎加水分解させて得られるSnO−TiO−SiOガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質SnO−TiO−SiOガラス体を形成させる。
ガラス形成原料としては、ガス化可能な原料であれば特に限定されない。Sn前駆体としては、SnCl、SnBrなどのハロゲン化スズ化合物、またRSn(OR)4−n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシスズが挙げられる。
Ti前駆体としては、TiCl、TiBrなどのハロゲン化チタン化合物、またRTi(OR)4−n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシチタンが挙げられる。
Si前駆体としては、SiCl、SiHCl、SiHCl、SiHClなどの塩化物、SiF、SiHF、SiHなどのフッ化物、SiBr、SiHBrなどの臭化物、SiIなどのヨウ化物といったハロゲン化ケイ素化合物、またRSi(OR)4−n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシシランが挙げられる。
さらに、Si前駆体およびSn前駆体としては、シリコンスズダブルアルコキシドなどのSiとSnの化合物を使用することもできる。
Si前駆体およびTi前駆体としては、シリコンチタンダブルアルコキシドなどのSiとTiの化合物を使用することもできる。
前記基材としては石英ガラス製の種棒(例えば特公昭63−24973号公報記載の種棒)を使用できる。また棒状に限らず板状の基材を使用してもよい。
(b)工程
(a)工程で得られた多孔質SnO−TiO−SiOガラス体を透明ガラス化温度まで昇温して透明ガラス化し、透明SnO−TiO−SiOガラス体を得る。透明ガラス化温度は、光学顕微鏡で空隙が確認できなくなるまで多孔質ガラス体を緻密化できる温度をいうが、通常は1400〜1700℃であり、特に1450〜1650℃であることが好ましい。また、時間は、4時間から20時間程度が好ましい。
雰囲気としては、ヘリウムなどの不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウムなどの不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。圧力については、減圧または常圧であればよい。特に常圧の場合はヘリウムガスを用いることができる。また、減圧の場合は13000Pa以下が好ましい。なお、本明細書における「Pa」は、ゲージ圧ではなく絶対圧の意である。
また工程(a)と(b)の間に、以下のような工程(a)−1の処理を施すことにより、工程(b)により得られる透明SnO−TiO−SiOガラスに含有されるOH基濃度を容易に制御することが可能である。
工程(a)−1:多孔質SnO−TiO−SiOガラス体を塩素やフッ素などのハロゲンを含有する雰囲気下にて室温もしくは透明ガラス化温度以下の温度で、数十分〜数十時間保持することにより、多孔質SnO−TiO−SiOガラス体中のOH基濃度を減少させることができる。
(c)工程
(b)工程で得られた透明SnO−TiO−SiOガラス体を軟化点以上の温度に加熱して所望の形状に成形し、成形SnO−TiO−SiOガラス体を得る。成形加工の温度としては、1500〜1800℃が好ましい。1500℃以下では、SnO−TiO−SiOガラスの粘度が高いため、実質的に自重変形が行われない。1800℃以上では、SiOの昇華が無視できなくなる。
(d)工程
(c)工程で得られた成形SnO−TiO−SiOガラス体を、500℃を超える温度、例えば600〜1200℃の温度にて5時間以上保持した後、10℃/hr以下の平均降温速度で500℃以下まで降温するアニール処理を行うことにより、ガラス体内部のひずみを低減することができる。500℃以下まで降温した後は放冷できる。この場合の雰囲気は、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス100%の雰囲気下、これらの不活性ガスを主成分とする雰囲気下、または空気雰囲気下で、圧力は減圧または常圧が好ましい。
上記工程で得られたSnO−TiO−SiOガラス体を所定の形状に加工し、ガラス表面を砥粒にて研磨してSnO−TiO−SiOガラス基板とする。砥粒としては、コロイダルシリカ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、炭化硼素を使用することができる。
砥粒にて研磨したガラス基板は、更にイオンビームエッチング、ガラスクラスタイオンビームエッチング、プラズマエッチング、ナノアブレージョン、MRF(magnetorheological finishing)により、仕上げ加工を行うこともできる。
本発明により得られるSnO−TiO−SiOガラスは、EUVLに使用されるマスクに用いられるガラス基板、ミラー基材やステージなどの半導体露光装置に用いる光学部材として好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。ここで、例1および2は実施例、例3、例4、例5および例6は比較例である。
[例1]
SnO−TiO−SiOガラスのガラス形成原料であるSnCl、TiClおよびSiClを、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるSnO−TiO−SiOガラス微粒子(スート)を基材に堆積・成長させて、直径約80mm、長さ約100mmの多孔質SnO−TiO−SiOガラス体を形成した。多孔質SnO−TiO−SiOガラス体を形成する工程において、SnCl、TiClおよびSiClの酸水素火炎中への供給量は、それぞれ2.66×10−2g/分、6.03×10−2g/分および1.13g/分とした。得られた多孔質SnO−TiO−SiOガラス体はそのままではハンドリングしにくいので、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持したのち、基材から外した((a)工程)。
これをヘリウムガス100%雰囲気下で1450℃まで昇温し、この温度で4時間保持した((b)工程)。
次いでこのガラス体をアルゴンガス100%雰囲気下で1700℃まで昇温し、この温度で4時間保持することにより透明なSnO−TiO−SiOガラスを得た((c)工程)。
[例2]
例1における(a)工程において、TiClの酸水素火炎中への供給量を3.79×10−2g/分として、SnO−TiO−SiOガラス微粒子(スート)を基材に堆積・成長させた。これ以外は例1と全く同様の方法によりSnO−TiO−SiOガラスを得た。
[例3]
例1における(a)工程において、TiClの酸水素火炎中への供給量を2.07×10−2g/分として、SnO−TiO−SiOガラス微粒子(スート)を基材に堆積・成長させた。これ以外は例1と全く同様の方法によりSnO−TiO−SiOガラスを得た。
[例4]
例1における(a)工程において、TiClの酸水素火炎中への供給量を8.16×10−3g/分として、SnO−TiO−SiOガラス微粒子(スート)を基材に堆積・成長させた。これ以外は例1と全く同様の方法によりSnO−TiO−SiOガラスを得た。
[例5]
TiO−SiOガラスのガラス形成原料であるTiClとSiClを、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO−SiOガラス微粒子(スート)を基材に堆積・成長させて、直径約80mm、長さ約100mmの多孔質TiO−SiOガラス体を形成した。得られた多孔質TiO−SiOガラス体はそのままではハンドリングしにくいので、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持したのち、基材から外した。これをヘリウムガス100%雰囲気下で1450℃まで昇温し、この温度で4時間保持した。次いでこのガラス体をアルゴンガス100%雰囲気下で1680℃まで昇温し、この温度で4時間保持することにより透明なTiO−SiOガラスを得た。
[例6]
SiClのガスを酸水素炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)し、かさ密度0.3g/cmの多孔質シリカガラス体を作製した。これをヘリウムガス100%雰囲気下で1450℃まで昇温し、この温度で4時間保持することにより透明なシリカガラスを得た。
2.評価方法
評価方法については、以下の方法に従って行った。熱膨張係数は、レーザ干渉式熱膨張計(ULVAC理工社製レーザ膨張計LIX−1)を用いて、−150〜200℃の範囲で測定した。SnO−TiO−SiOガラス中のSnO換算でのSn含有量およびTiO換算でのTi含有量は、蛍光X線を使用し、ノンスタンダードFP定量法により求めた。ビッカース硬度は、微小硬さ試験機(アカシ社製微小硬さ試験機MVK−H2)を用いて、荷重100g、負荷時間15秒で測定した。
3.評価結果
評価結果を表1にまとめる。
Figure 0005050458
例1および2では、0〜100℃での熱膨張係数が、例6の値よりも小さい。また、例5よりもビッカース硬度が低く、同一条件で高平坦度を達成するための研磨を行った場合に、ピットやスクラッチなどの凹欠陥が少ないと考えられる。例3および4では、TiO濃度が低く、例1の値に比べて0〜100℃での熱膨張係数を十分に小さくできていない。例5では、例6の値に比べて0〜100℃での熱膨張係数は十分に小さいものの、例1の値に比べてビッカース硬度が高く、高平坦度を達成するための研磨を行った場合に、ピットやスクラッチなどの凹欠陥が生成されるおそれがある。
本発明により得られるSnO−TiO−SiOガラスは、EUVLに使用されるマスク基板、ミラー基材やステージなどの半導体露光装置光学部材として好適である。

Claims (6)

  1. SnO換算で0.1〜10質量%のSnと、TiO換算で3〜10質量%のTiとを含有するシリカガラスであって、0〜100℃での熱膨張係数の温度に対する変動幅が50〜200ppb/℃であり、0〜100℃での熱膨張係数が0±250ppb/℃であることを特徴とするシリカガラス
  2. ビッカース硬度が650以下であることを特徴とする請求項に記載のシリカガラス。
  3. 請求項1または2に記載のシリカガラスからなるEUVLに使用される光学系を構成する光学部材。
  4. 請求項1または2に記載のシリカガラスからなるガラス基板。
  5. 加工表面を有することを特徴とする請求項に記載のガラス基板。
  6. 前記加工表面が、砥粒を用いて研磨する工程を含む加工工程にて加工されたことを特徴
    とする請求項に記載のガラス基板。
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