JP4462720B2 - 光学用合成石英ガラスの熱処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキシマレーザーなどを使用するリソグラフィー装置に用いられる光学部材に好適な高光透過性及び高レーザー耐性を有する高均質な合成石英ガラスの熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フォトマスク上のパターンをレーザー光を用いてウエハー上に転写する光リソグラフィー技術は、他の電子ビームやX線を用いる技術に比較してコスト面で優れていることから、半導体集積回路を製造するための露光装置用に広く用いられている。
【0003】
近年、LSIの微細化、高集積化に伴い、露光用の光源の短波長化が進んでおり、従来の描画線幅0.4〜0.5μmのパターン形成を可能にするi線(波長365nm)あるいは、描画線幅0.25〜0.35μmのパターン形成を可能にするKrFエキシマレーザー(波長248.3nm)を用いた露光装置が実用的に使われてきた。そして最近では、描画線幅0.13〜0.2μmのパターン形成を可能にするArFエキシマレーザー(波長193.4nm)を用いた露光装置の実用化に向けて、開発が進められている。そして、このArFエキシマレーザーリソグラフィー装置に用いられる光学部材には、従来以上に、均質性、透過性および耐レーザー性等を高いレベルで充たすことが要求されている。
【0004】
これらの要求に適合する光学部材の材料として、高純度の合成石英ガラスが用いられてきており、それらの材料は製造条件の最適化によって、光透過性やレーザー耐性の向上がはかられ、同時に、均質性や複屈折といった光学特性のさらなる改良が進められている。そのうち均質性の向上や複屈折の低減には、光学部材の製造工程において石英ガラスの歪除去のために徐冷を伴う熱処理(アニール処理)を施すことが必要とされており、その熱処理としては、加熱炉内で高温に長時間保持するのが一般的な方法とされてきた。
【0005】
しかしながら、上記アニール処理における降温時に、被処理物の中央部分と外周部分とで温度分布を生じ、その温度分布がアニール処理後においても密度の差として残り、屈折率分布及び複屈折の改善が十分ではなかった。
【0006】
そこで、石英ガラスの屈折率分布及び複屈折の更なる改善を図るため、被処理物の外周側の降温速度を遅くして温度分布をコントロールする目的で、被処理物をリング中または容器内もしくは粉体中に置いてアニールを行う方法が考案された。これらの方法を用いる場合、降温時の被処理物の温度分布、とりわけ外周部分と中央部分の温度差を極力抑えるため、容器の形状は外周方向に厚いものが好ましい。
【0007】
しかし、この手法を用いた場合、加熱炉内に設置できる被処理物の数が、容器を用いない場合に比べて極めて少なくなり、従って一度の熱処理で処理できる被処理物の数が少なく、製造効率の悪化につながっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたもので、より高均質であり、高純度である光学用合成石英ガラスを効率よく熱処理できる熱処理方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の課題は、本発明の下記構成(1)〜(5)により達成される。
(1) 被処理物である扁平円柱状の合成石英ガラス体を加熱炉内で熱処理する方法において、石英ガラスで構成され、被処理物である合成石英ガラス体の収容空間が扁平円柱状である容器を準備し、この容器内に、前記被処理物である合成石英ガラス体を2個以上並置し、間隙にSiO2粉体を充填し、蓋をした状態で前記容器を加熱炉内に設置し、前記熱処理を行う光学用合成石英ガラスの熱処理方法であって、前記SiO 2 粉体が、水素分子濃度1.0×10 19 個/cm 2 以上のSiO 2 粉体であることを特徴とする光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(2) 前記2個以上の被処理物である合成石英ガラス体の直径が同直径であって、前記収容空間の直径が該合成石英ガラス体の直径の2.1倍以上である上記(1)の光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(3) 被処理物である合成石英ガラス体の容器内での設置個所が、容器の外径の80%以内にある上記(1)または(2)光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(4) 前記SiO2粉体が、Na濃度30ppb以下の合成SiO2粉である上記(1)〜(3)のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
(5) 前記SiO2粉体の95重量%以上が、粒径1000μm以下である(1)〜(4)のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理方法に用いられる熱処理装置は、被処理物である合成石英ガラス体を熱処理する加熱炉を備えている。この加熱炉自体は、従来から用いられているものを用いることができるので、これ以上の説明は省略する。
本光学用合成石英ガラスの熱処理装置は、さらに、石英ガラスで形成され、前記熱処理の際に該合成石英ガラス体を2個以上収容した状態で前記加熱炉内に配置される蓋付き容器を備えている。
【0011】
図1に示されているように、この蓋付き容器10は、内部に収容される被処理物である扁平な円柱状の合成石英ガラス体Gの直径の2倍以上(2個以上の合成石英ガラス体Gの直径が全て同じ場合)の直径の扁平な円柱状の収容空間10aを持つものであり、環状側壁12、円盤状の底板14および円盤状の蓋16を備えている。上記環状側壁12および底板14は、別体であっても、一体であってもよい。
上記収容空間10aの直径は、上記被処理物である合成石英ガラス体Gの直径の2.1倍以上であることが好ましい。
この蓋付き容器10の容積は、被処理物である合成石英ガラスの体積の好ましくは1.8倍以上、特に2〜10倍程度の容積を有することが好ましい。
上記被処理物である合成石英ガラス体Gは、直径が70〜400mm、厚みが5〜150mm程度であるので、上記蓋付き容器10の収容空間は、実用上、直径が150〜1500mm程度であり、高さが10〜200mm程度、容積が200〜300000cm3程度であることが好ましい。また、この容器10の収容空間の直径/高さの比が、1.8以上、特に2以上であることが好ましい。この比については、特に上限はないが、10程度であると考えられる。
【0012】
上記被処理物である合成石英ガラス体Gは、図1に示したように、容器10の収容空間10a内に2個以上並置(すなわち、面一に設置)されるが、このとき被処理物である合成石英ガラス体Gの容器内での設置箇所(下記する参考例ではサンプル箇所と称す)が、容器10の外径の80%以内にあることが好ましい。
【0013】
また、上記容器10のNa含有量は、100ppb以下、特に40ppb以下、更に5ppb以下であることが好ましい。後に説明するSiO2粉体により、容器等から放出されるNaは、大部分がトラップされるので、合成石英ガラス体Gまで到達する量は限られるものの、上記容器10のNa含有量は上記の範囲であることが好ましい。
【0014】
更に、本熱処理装置は、上記容器10内に、上記被処理物である合成石英ガラス体Gの周囲を覆うようにして充填されるSiO2粉体20(図1参照)を備える。このSiO2粉体としては、予め高圧水素処理で水素をドープしたSiO2粉体を用いてもよい。この場合、被処理物の水素分子濃度をより高く維持することができる。この水素ドープしたSiO2粉体の溶存水素分子濃度は、平均で1×1019個/cm3以上が好ましい。この溶存水素分子濃度は、用いるSiO2粉体の総体の平均であってよく、従って、上記の水素ドープをしたものと、しないものを混合して用いてもよい。
【0015】
上記SiO2粉のNa含有量は、30ppb以下、特に10ppb以下であることが好ましい。このNa含有量は、少なければ少ないほど望ましい。
【0016】
上記SiO2粉体としては、用いる粉体の総重量の95%以上の粒径が、1000μm以下、好ましくは0.1〜1000μm程度、より好ましくは0.5〜500μm程度のものを用いるとよい。使用する粉体の粒径が大きすぎる場合、充填密度の低下により、十分な保温性を確保できなくなるおそれがあるため、粒径が1000μmを超える粉体は用いないことが望ましい。また、粉体の粒径が小さすぎる場合、取り扱い上の問題が生じてくるので、粒径が0.1μm未満の粉体は用いない方が実用的であると言える。なお、水素ドープした粉体を用いようとする場合は、粒径が大きすぎると、高圧水素処理等において一部の粉体に十分な量の水素分子を溶存させることが困難となるおそれがあるため、その点からも粒径が1000μmを超える粉体の使用は避けることが望ましい。また、上記充填密度については、粒径が0.1〜1000μmの範囲内であれば、粒径が異なる粉体を混合してもよく、むしろ粒度分布にある程度の広がりを有する方が、しばしば充填性を向上させることがある。ただし、用いるSiO2粉体が実質的に上記粒径の範囲内であれば、本発明の効果を得ることができる。具体的には、上記SiO2粉体の総重量の5%未満の粉体が上記粒径範囲外であっても、実用上の問題はない。
なお、上記SiO2粉体は、上記の諸条件から合成石英ガラス粉体であることが特に好ましい。
また、上記合成石英ガラス製容器およびSiO2粉体は再利用が可能であるので、サイズや処理数に応じて適宜繰り返し使用すると経済的である。
【0017】
本発明の加熱炉内で熱処理して光学用合成石英ガラスを熱処理する方法は、上記した装置を用い、図1に示したように、容器10内に被処理物である合成石英ガラス体Gを複数個並置し、これらの合成石英ガラス体Gの周囲をSiO2粉体20で覆い、蓋16をして容器10を加熱炉内に設置し、この状態で熱処理することによって行われる。処理雰囲気は大気であってよい。保持温度、保持時間および昇温速度、降温速度等の熱処理条件は通常のものであってよい。
【0018】
以上の本発明の熱処理方法によれば、熱処理中の降温時の被処理物である合成石英ガラス体G、SiO2粉体20および容器10の一体物の温度分布が図2に示したようになるため、被処理物である合成石英ガラス体自体の半径方向で見た温度勾配を小さくすることができ、従って半径方向で見た屈折率変動および複屈折を小さくすることが出来る。
したがって、本発明によれば、屈折率変動Δnが1.0×10−6以下、複屈折量が0.5nm/cm以下である光学用合成石英ガラスを得ることができる。
また、本発明の光学用合成石英ガラスにおいては、Naの含有量が10ppb以下、特に5ppb以下であることが好ましい。Naの含有量を少なくすることにより、193.4nmにおける初期透過率を向上させることができ、初期透過率が99.7%以上である光学用合成石英ガラスを得ることも可能となる。
更にまた、本発明の光学用合成石英ガラスにおいては、溶存水素分子濃度が2×1017個/cm3以上、さらには5×1017個/cm3以上であることが好ましい。
【0019】
【参考例】
以下に、一部図面を参照して参考例を説明する。但し、以下の実施形態に記載されている寸法、材質、形状、相対的配置その他については、別途特段の記載がない限り単なる例示または説明に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0020】
被処理物となる光学部材用合成石英ガラスのサンプル(以下単にサンプルと称することがある)として、参考例1および2ならびに比較例1および2については、直接法で製造した直径300mm、厚さ80mmの合成石英ガラス体を3個ずつ、参考例3については、同じく直接法で製造した直径340mm、厚さ80mmの合成石英ガラス体を2個、それぞれ準備した。これらの合成石英ガラス体は、いずれもNa濃度5ppb以下、水素分子(H2)濃度1.8×1018個/cm3であった。これらの合成石英ガラス体を以下の方法で、図3の温度プロファイルで大気中にて熱処理を行った。
【0021】
[参考例1]
外径900mm、内径800mm、高さ200mm、収容空間の高さ100,肉厚50mmの合成石英ガラス容器(以下単に容器と称することがある)、およびNa不純物濃度が20ppbで、水素分子をほとんど含有しておらず、粒径が53〜710μmの高純度合成石英ガラス粉体(以下単に粉体と称することがある)を準備した。
次に、上記容器の中へ、上記サンプルを図1に示した状態となるように、上記粉体を充填しながら収容し、この状態で、熱処理炉内に配置し、熱処理を行った。容器内の各サンプル間の間隔(側面間の間隔)は50mmで、サンプル設置個所は78%であった。
【0022】
[参考例2]
参考例1におけるサンプル間の間隔を120mmとし、サンプル箇所を87%としたこと以外は、参考例1と同様にして熱処理を行った。
【0023】
[参考例3]
高純度合成石英ガラス粉体の代わりに、粒径が53〜710μmのIOTA(商品名)粉を塩素含有雰囲気で純化処理し、Na濃度を50ppbとした天然石英(水晶)粉体を用い、サンプルの直径を340mm、処理数を2個、サンプル間隔を20mmとし、それ以外の条件は参考例1と同様にして熱処理を行った。
【0024】
[比較例1]
合成石英ガラス粉体を用いずに、参考例1と同じ蓋付き容器中にサンプルをそのまま置く状態で収容し、それ以外の条件等は参考例1と同様にして、熱処理を行った。
【0025】
[比較例2]
粉体および容器を用いずに、サンプルを熱処理炉内にそのまま配置し、それ以外の条件等は参考例1と同様にして、熱処理を行った。
【0026】
以上のサンプル間の間隔およびサンプル箇所ならびに充填に用いたSiO2粉体のNa含有量を図4の表にまとめた。
【0027】
以上の参考例および比較例により得られた合成石英ガラスの被処理物であるサンプルにつき、それぞれ熱処理前後の屈折率変動Δn、処理後の複屈折、処理後の193.4線での透過率%、および処理後のNa濃度を測定した。その結果を図4の表にまとめた。
【0028】
図4の表から明らかなように、参考例1の被処理物の3個のサンプル(光学用合成石英ガラス)においては、その熱処理後の屈折率変動Δnが0.7以下と低減し、複屈折も0.30nm/cm以下と小さく、193.4nmにおける初期透過率がいずれも99.8%であり、Na濃度がいずれも2ppbであり、リソグラフィー装置向けの光学部材として、十分な均質性および紫外線透過性を示した。
【0029】
参考例2の被処理物の光学用合成石英ガラスにおいては、その熱処理前後の屈折率変動Δnが1.0以下、複屈折が0.42nm/cm以下、193.4nmにおける透過率がいずれも99.8%であり、Na濃度がいずれも2ppbであり、リソグラフィー装置向けの光学部材として、均質性の点で参考例1のものよりはやや劣るが、十分な均質性および紫外線透過性を示した。
【0030】
参考例3の被処理物の光学用合成石英ガラスにおいては、その熱処理前後の屈折率変動Δnが0.9以下、複屈折が0.45nm/cm以下、193.4nmにおける透過率が99.8%または99.7%であり、リソグラフィー装置向けの光学部材として、参考例1のものよりはやや劣るが十分な均質性および紫外線透過性を示した。
【0031】
一方、比較例1の被処理物においては、その熱処理前後の屈折率変動Δnが1.2〜1.8の範囲、複屈折が0.61〜0.99nm/cmの範囲、193.4nmにおける初期透過率がいずれも99.7%、リソグラフィー装置向けの光学部材として、参考例1のものよりはやや劣るが十分な紫外線透過性を示したが、均質性の点で問題があった。
【0032】
比較例2の被処理物においては、その熱処理前後の屈折率変動Δnが2.2〜2.7の範囲、複屈折が1.32〜1.84nm/cmの範囲、193.4nmにおける初期透過率が99.5〜99.6%の範囲であり、リソグラフィー装置向けの光学部材として、均質性および紫外線透過性のいずれもの点で問題があった。
【0033】
以上により、本発明の効果が推測できる。
【0034】
参考例、比較例に記述した物性値の測定方法等は以下の通りである。
1)屈折率変動Δnの測定法:He−Neレーザ(633nm)を光源とする光
干渉法による測定法。
ただし、サンプルの直径の90%エリアにおける値を示す。
2)複屈折量の測定法:偏光板歪み計を用いたレターデーション測定法。
ただし、サンプルの直径の90%エリアにおける値を示す。
3)193.4nm透過率の測定法:193.4nmにおける石英ガラスの理論
透過率である90.86%から、レイリー散乱におけるロスとして知られる
0.18%を減じた90.68%を用いて、厚さ10mmにおける見かけ透
過率T%に対し、(T/90.68)×100より求めた測定法。
4)Na不純物濃度の測定法:フレームレス原子吸光分析法による測定法。
5)合成石英ガラス粉体の粒径:53μmおよび710μmのナイロン製のスク
リーンを備えたJIS篩により分級した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理装置における主要部である容器およびSiO2粉体を、被処理物である合成石英ガラス体とともに示した図であり、図1(A)は水平断面図、図(B)は図1(A)の線I−Iに沿う断面図である。
【図2】 本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理装置における被処理物である合成石英ガラス体の冷却時における温度分布を示した図であり、図2(A)は水平断面図、図2(B)は図2(A)の線II−IIに沿う断面図である。
【図3】 本発明の光学用合成石英ガラスの熱処理方法における温度プロファイルの一例を示す図である。
【図4】 本発明の参考例および比較例における、熱処理前後の被処理物の物性等を示す表である。
【符号の説明】
10 容器
12 環状側壁
14 底板
16 蓋
20 SiO2粉体
G 被処理物である合成石英ガラス体
Claims (5)
- 被処理物である扁平円柱状の合成石英ガラス体を加熱炉内で熱処理する方法において、石英ガラスで構成され、被処理物である合成石英ガラス体の収容空間が扁平円柱状である容器を準備し、この容器内に、前記被処理物である合成石英ガラス体を2個以上並置し、間隙にSiO2粉体を充填し、蓋をした状態で前記容器を加熱炉内に設置し、前記熱処理を行う光学用合成石英ガラスの熱処理方法であって、前記SiO2粉体が、水素分子濃度1.0×1019個/cm2以上のSiO2粉体であることを特徴とする光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 前記2個以上の被処理物である合成石英ガラス体の直径が同直径であって、前記収容空間の直径が該合成石英ガラス体の直径の2.1倍以上である請求項1の光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 被処理物である合成石英ガラス体の容器内での設置個所が、容器の外径の80%以内にある請求項1または2光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 前記SiO2粉体が、Na濃度30ppb以下の合成SiO2粉である請求項1〜3のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
- 前記SiO2粉体の95重量%以上が、粒径1000μm以下である請求項1〜4のいずれかの光学用合成石英ガラスの熱処理方法。
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