JP2009078968A - ArFエキシマレーザーリソグラフィー用合成石英ガラス部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高純度の合成石英ガラスを均質化処理工程、成型工程及び除歪処理工程を経て合成石英ガラス部材に形成した後、波長260nm以下の連続紫外線を50時間以上照射し波長193.4nmに対する内部透過率を99.8%以上とすることを特徴とするArFエキシマレーザーリソグラフィー用合成石英ガラス部材の製造方法。
【選択図】 なし
Description
i)屈折率分布:フィゾー型干渉計による測定法(波長632.8nmにて測定)。
ii)複屈折量:直交ニコル法における標準検板との目視観察による比較法。
iii)脈理:目視。
iv)193nm内部透過率:193nmにおける石英ガラスの理論透過率90.86%からレイリー散乱におけるロスとして知れる0.18%を減じた90.68%を用いて、厚さ10mmにおける見掛け透過率T%に対し、(T/90.68)×100より求めた測定値。
v)Na濃度:フレームレス原子吸光分析法による測定法
vi)水素分子濃度:V.S.Khotimchenko etal,.J.Appl.Spectrosc.,46.632〜635(1987)に記載の測定法。
気化させた高純度メチルトリメトキシシランを酸水素火炎中に導入し、すす状シリカを生成し、回転する基体上に溶融堆積させる直接火炎加水分解法にて、外径100mm、長さ600mmの合成石英ガラスインゴットを作成した。このインゴットの両端を石英ガラス加工旋盤のチャックに把持された石英ガラス製の支持棒に溶接し、合成石英ガラスインゴットを回転させた。回転しているインゴットをバーナーで局部加熱して溶融帯域を形成し、チャックの回転方向及び回転数を独立に変動させ、溶融帯域に応力を発生させ、インゴットの脈理除去及び均質化を図った。その後石英ガラス加工用旋盤のチャック間を狭め、合成ガラスインゴットを押圧しボール状の合成石英ガラスに変形し、ボール状合成石英ガラスを切り離し、切り離し面を上下にして合成石英ガラスインゴットを支持台の支持棒に取り付け回転しながらバーナーで加熱軟化させ、再度均質化して棒状合成石英ガラスインゴットを製造した。得られたインゴットには3方向で脈理や層状構造は認められなかった。前記合成石英ガラスインゴットを所望の形状に成型するために、Naの灰分20ppm以下のグラファイトルツボ中にインゴットを入れ、ルツボ内を窒素雰囲気で置換したのち炉内温度を1900℃に保温し、10分間保持し成型した。得られた外径200mm、厚さ135mmの石英ガラス部材を純度99%以上のアルミナを炉材とする電気炉内に設置し、1150℃で50時間保持したのち、3℃/hrの冷却速度で600℃まで徐冷し、ついで自然冷却して、除歪操作を行った。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光学軸と直交する面内の屈折率分布Δnは0.8×10−6、光学軸と平行な面内の屈折率分布Δnは3×10−6、複屈折量は1nm/cm以下であった。また、測定された水素分子濃度は6.50×1017分子/cm3であり、金属不純物分析の結果、Li、K、Fe、Cu、Al、Tiなどの不純物濃度は5ppb以下、Naの濃度は45ppbであった。この石英ガラス部材に照度20mW/cm2の低圧水銀ランプによる紫外線を72時間照射した。紫外線照射後に、外径60mm、厚さ10mmの透過率測定用サンプルを切り出して透過率測定を行ったところ、波長193.4nmにおける内部透過率は99.82%と良好な透過性を示した。なお、紫外線照射前の透過率測定用サンプルの内部透過率は99.65%であった。
実施例1において、除歪処理を1150℃で50時間保持したのち、5℃/hrの冷却速度で600℃まで徐冷したのち、自然冷却を行った以外、実施例1と同様の操作で合成石英ガラス部材を作成した。得られた合成石英ガラス部材には3方向の脈理や層状構造がみれなかった。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光学軸と直交する面内の屈折率分布Δnは1×10−6、光学軸と平行な面内の屈折率分布Δnは4×10−6、複屈折量は1nm/cm以下であった。また、測定された水素分子濃度は9.60×1017分子/cm3であり、金属不純物分析の結果、Li、K、Fe、Cu、Al、Tiなどの不純物濃度は5ppb以下、Naの濃度は35ppbであった。この石英ガラス部材に実施例1と同様に照度20mW/cm2の低圧水銀ランプによる紫外線照射を72時間行い、該紫外線照射後に、外径60mm、厚さ10mmの透過率測定用サンプルを切り出して透過率測定を行った。その結果、波長193.4nmにおける内部透過率は99.85%と良好な透過性を示した。なお、紫外線照射前の透過率測定用サンプルの内部透過率は99.70%であった。
気化させた高純度四塩化珪素を酸水素火炎中に導入し、すす状シリカを生成し、回転する基体上に溶融堆積させる直接火炎加水分解法にて、外径110mm、長さ550mmの合成石英ガラスインゴットを作成した。このインゴットに実施例1と同様な条件で均質化処理を施し、層状構造、3方向の脈理及び内部歪を熱的、機械的に除去した。前記合成石英ガラスインゴットを所望の形状に成型するために、実施例1と同様に成型を行った。得られた外径200mm、厚さ140mmの石英ガラス部材を純度99%以上のアルミナを炉材とする電気炉内に設置し、1150℃で50時間保持したのち、6℃/hrの冷却速度で600℃まで徐冷し、ついで自然冷却して、除歪操作を行った。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光学軸と直交する面内の屈折率分布Δnは1×10−6、光学軸と平行な面内の屈折率分布Δnは4×10−6、複屈折量は1nm/cm以下であった。また、測定された水素分子濃度は1.20×1018分子/cm3であり、金属不純物分析の結果、Li、K、Fe、Cu、Al、Tiなどの不純物濃度は5ppb以下、塩素濃度は60ppm,Na濃度は25ppbであった。この石英ガラス部材に照度20mW/cm2の低圧水銀ランプによる紫外線を72時間照射した。紫外線照射後に、外径60mm、厚さ10mmの透過率測定用サンプルを切り出して透過率測定を行ったところ、波長193.4nmにおける内部透過率は99.80%と良好な透過性を示した。なお、紫外線照射前の透過率測定用サンプルの内部透過率は99.42%であった。
気化させた高純度四塩化珪素を酸素ガスをキャリアガスとして、酸水素火炎中に導入し、生成したすす状シリカを回転する基体上に堆積させ、直径約200mm、長さ約400mmの多孔質シリカ母材(スート)を作成した。このスートの嵩密度は約1.2g/cm3であった。前記スートを石英製炉芯管中で温度1450℃、Heガスの雰囲気中で透明ガラス化し、外径140mm、長さ約300mmの透明石英ガラスインゴットを得た。次いで実施例1と同様な条件で均質化処理を行い、層状構造、3方向の脈理及び内部歪を熱的、機械的に除去した。前記合成石英ガラスインゴットを所望の形状に成型するために、実施例1と同様な成型を行った。得られた外径180mm、厚さ160mmの石英ガラス体を純度99%以上のアルミナを炉材とする電気炉内に設置し、1150℃で50時間保持したのち、6℃/hrの冷却速度で600℃まで徐冷し、その後自然冷却して、除歪操作を行った。この合成石英ガラス体から外径180mm、厚さ30mmの石英ガラス部材を切り出し、1気圧の水素ガス中にて、温度650℃で約200時間熱処理し、水素分子を含有させた。この石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光学軸と直交する面内の屈折率分布Δnは1×10−6、光学軸と平行な面内の屈折率分布Δnは3×10−6、複屈折量は1nm/cm以下であった。また、測定された水素分子濃度は3.3×1017分子/cm3であり、金属不純物分析の結果、Li、K、Fe、Cu、Al、Tiなどの不純物濃度は5ppb以下、Na濃度は45ppbであった。前記石英ガラス部材に実施例1と同様な条件で紫外線を照射した。紫外線照射後に、外径60mm、厚さ10mmの透過率測定用サンプルを切り出して透過率測定を行ったところ、波長193.4nmにおける内部透過率は99.80%と良好な透過性を示した。なお、紫外線照射前の透過率測定用サンプルの内部透過率は99.64%であった。
実施例1と同様に、気化させた高純度メチルトリメトキシシランを酸水素火炎中に導入し、すす状シリカを生成し、回転する基体上に溶融堆積させる直接火炎加水分解法にて、外径180mm、長さ250mmの合成石英ガラスインゴットを作成した。前記インゴットを熱的、機械的に層状構造、脈理及び内部歪みを除去する均質化処理することなく、1150℃で70時間保持したのち、2℃/hrの冷却速度で600℃まで徐冷し、ついで自然冷却した。得られた合成石英ガラス体の光学特性を調べたところ、光学軸と直交する面内の屈折率分布Δnは3.0×10−6、光学軸と平行な面内の屈折率分布Δnは5×10−6、複屈折量は1nm/cm以下であった。しかしながら、光学軸と平行な面内を目視で観察したところ、顕著な脈理状の層状構造が観察された。また、測定された水素分子濃度は3.8×1017分子/cm3であり、金属不純物分析の結果、Li、K、Fe、Cu、Al、Tiなどの不純物濃度は5ppb以下、Naの濃度は30ppbであった。この石英ガラス体に実施例1と同様に照度20mW/cm2の低圧水銀ランプによる紫外線を72時間照射した。紫外線照射後に、外径60mm、厚さ10mmの透過率測定用サンプルを切り出して透過率測定を行ったところ、波長193.4nmにおける内部透過率は99.90%と非常に良好な透過性を示したが、脈理状の層状構造が存在しArFエキシマレーザー用光学部材としては不適当なものであった。なお、紫外線照射前の透過率測定用サンプルの内部透過率は99.78%であった。
実施例1において、除歪処理を1150℃で70時間保持したのち、2℃/hrの冷却速度で600℃まで徐冷し、その後自然冷却を行った以外、実施例1と同様の操作で合成石英ガラス体を作成した。得られた合成石英ガラス体には3方向の脈理や層状構造がみれなかった。この合成石英ガラス部材の光学特性を調べたところ、光学軸と直交する面内の屈折率分布Δnは1×10−6、光学軸と平行な面内の屈折率分布Δnは3×10−6、複屈折量は1nm/cm以下であった。また、測定された水素分子濃度は2.80×1017分子/cm3であり、金属不純物分析の結果、Li、K、Fe、Cu、Al、Tiなどの不純物濃度は5ppb以下、Naの濃度は65ppbであった。この石英ガラス部材に実施例1と同様に照度20mW/cm2の低圧水銀ランプによる紫外線を72時間照射した。紫外線照射後に、外径60mm、厚さ10mmの透過率測定用サンプルを切り出して透過率測定を行ったところ、波長193.4nmにおける内部透過率は99.72%と、ArFエキシマレーザー用の光学部材として幾分透過性が不足していた。なお、紫外線照射前の透過率測定用サンプルの内部透過率は99.52%であった。
Claims (5)
- 高純度の合成石英ガラスを均質化処理工程、成型工程及び除歪処理工程を経て合成石英ガラス部材に形成した後、波長260nm以下の連続紫外線を50時間以上照射し波長193.4nmに対する内部透過率を99.8%以上とすることを特徴とするArFエキシマレーザーリソグラフィー用合成石英ガラス部材の製造方法。
- 合成石英ガラス部材の表面粗さRmaxを30μm以下とすることを特徴とする請求項1記載のArFエキシマレーザーリソグラフィー用合成石英ガラス部材の製造方法。
- 合成石英ガラス部材の光学軸と直交する面内の屈折率分布Δnが1×10−6以下、光学軸と平行な面内の屈折率分布Δnが5×10−6以下、複屈折量が2nm/cm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のArFエキシマレーザーリソグラフィー用合成石英ガラス部材の製造方法。
- 合成石英ガラス部材を1気圧以上、温度600〜1200℃で処理し含有する水素分子濃度を2×1017分子/cm3以上とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の内部透過率の高いArFエキシマレーザーリソグラフィー用合成石英ガラス部材の製造方法。
- 合成石英ガラス部材が直径200mm以上の円筒状または少なくとも1面の対角線の長さが200mm以上の角柱状の部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のArFエキシマレーザーリソグラフィー用合成石英ガラス部材の製造方法。
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