JP2003176143A - 合成石英ガラス部材 - Google Patents

合成石英ガラス部材

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JP2003176143A JP2001376649A JP2001376649A JP2003176143A JP 2003176143 A JP2003176143 A JP 2003176143A JP 2001376649 A JP2001376649 A JP 2001376649A JP 2001376649 A JP2001376649 A JP 2001376649A JP 2003176143 A JP2003176143 A JP 2003176143A
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Akira Sato
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 使用方向及びオフ軸方向の脈理グレー
ドがAクラス、 使用方向のOH基濃度をオフ軸方向に平均化した際の
平均値の最大値と最小値の差が30ppm以下、使用方
向の仮想温度をオフ軸方向に平均化した際の平均値の最
大値と最小値の差が20℃以下、 オフ軸方向のOH基濃度を使用方向に平均化した際の
平均値の最大値と最小値の差が40ppm以下、オフ軸
方向の仮想温度を使用方向に平均化した際の平均値の最
大値と最小値の差が30℃以下、 合成石英ガラスの使用方向における波長633nmの
光に対する屈折率分布Δnが1×10-6以下、オフ軸方
向の屈折率分布Δnが3×10-6以下の合成石英ガラス
部材。 【効果】 本発明の合成石英ガラス部材は、ArFエキ
シマレーザー用として複屈折が少なく、屈折率の均質性
に優れ、光透過率変化が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エキシマレーザー
用、特にArFエキシマレーザー用に使用されるレン
ズ、プリズム、ミラー、窓材等の光学用素材として好適
な、屈折率の均質性に優れ、複屈折が小さく、かつ使用
に際して光透過率変化の少ないエキシマレーザー用合成
石英ガラス部材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】超LS
Iの高集積化に伴う露光パターンの微細化が進み、回路
パターンを半導体ウエハー上に描画するリソグラフィー
装置においても露光光源はより短波長化が求められてき
ている。この結果、露光装置の光源として、従来のi線
(波長365nm)からKrFエキシマレーザー(波長
248nm)が主流となり、近年ではArFエキシマレ
ーザー(波長193nm)の実用化が始まっている。
【0003】このような光源の短波長化に伴い、露光装
置に使用されるレンズ、ウインドウ、プリズム等の光学
部品についても、より高精度なものが求められてきてい
る。特にArFエキシマレーザーに関しては、屈折率の
均質性に加えて複屈折の低減が極めて重要な課題であ
る。特に、合成石英ガラスの場合、波長200nmより
短波長の光に対しては光弾性係数の一定性が崩れ、急激
に大きくなることが測定されていて、波長193nmで
は波長633nmにおける光弾性係数の1.5倍程度に
増加する。このために、解像度に対する複屈折の影響が
従来以上に大きくなり、屈折率の均質性と同様、極限に
近いレベルでの複屈折の低減が必要となってきている。
【0004】従来から、屈折率分布の均一性Δnを決定
する合成石英ガラス中のパラメーターとしては、OH基
濃度、塩素濃度、仮想温度がよく知られている。特開平
2−239127号公報には、これらの分布形を適当に
組み合わせることにより、屈折率分布を1×10-6のレ
ベルにまで低減する技術が開示されている。しかしなが
ら、これらのパラメータの分布形の組み合わせによって
は、屈折率分布を低減することが可能であっても、複屈
折については全く考慮をしていないために、KrF用の
光学部材としては満足できるものであっても、複屈折に
対する要求が厳しいArF用途には不適切な場合が生じ
ることが判った。
【0005】また、前記特開平2−239127号公報
では、OH基濃度や仮想温度の値として合成石英ガラス
部材のある一点の値について考慮されている。しかし、
屈折率分布や複屈折分布、特に複屈折分布については、
使用方向やオフ軸方向といった目的とする方向における
これらのパラメーターの分布については検討されていな
かった。そこで、本発明者らはこれらのパラメーターを
検討した結果、目的とする方向で平均化し、その平均値
の分布として制御する必要があることが判った。
【0006】一方、ArFやKrFのエキシマレーザー
光は非常に強いエネルギーを持った光であるために、合
成石英ガラス光学部材に対してE*センターと呼ばれる
欠陥を生じさせ、問題となるが、合成石英ガラス中に一
定以上の濃度の水素が存在すると、この欠陥を生じにく
くなり、いわゆるレーザー耐久性が向上することが知ら
れている。KrFエキシマレーザーに比べてArFエキ
シマレーザー光は、数倍強烈なダメージを合成石英ガラ
スに与えるため、特にArF用途の合成石英ガラスに
は、KrF用途の合成石英ガラスに対して数倍の水素濃
度が必要であるが、本発明者らの検討の結果、2×10
17分子/cm3以上の水素は屈折率の均質性に影響を及
ぼすことが判った。
【0007】特開平3−88743号公報には、高均質
性とレーザー耐久性を兼ね備えた石英ガラス光学体とし
て、OH基濃度分布、塩素濃度分布、仮想温度分布を適
切に組み合わせることで、屈折率分布を低減し、なおか
つ水素分子含有量を5×10 16分子/cm3にすること
で適切な特性を得る技術が開示されているが、3×10
17分子/cm3以上の水素濃度は屈折率分布に影響を与
えるために、このような高濃度の水素分子濃度を有する
合成石英ガラスの場合には、水素分子濃度分布をOH基
分布や仮想温度分布と同様に考慮して分布形を選択する
必要があることがわかった。
【0008】更に、ArF用途の合成石英ガラスの場
合、特開平6−16449号公報に示されるように塩素
はエキシマレーザーによる劣化を助長する場合があるた
めに、塩素濃度が20ppm以下の合成石英ガラスがよ
り好ましいことが判ってきたが、塩素は屈折率分布に多
大な影響を及ぼすために、これを微量しか含有しない、
あるいは全く含有しない合成石英ガラスの場合では、前
記特開平2−239127号公報に示されるような分布
形の規定では望ましい効果を得られない場合が生じるこ
とがわかった。
【0009】本発明は上記事情を改善するためになされ
たもので、エキシマレーザー用、特にArFエキシマレ
ーザー用として好適で、屈折率の均質性に優れ、複屈折
が小さく、しかも光透過率変化の少ない合成石英ガラス
部材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた
結果、以下のように合成石英ガラス体の物性を制御する
ことで、エキシマレーザー用、特にArFエキシマレー
ザーを光源とする露光装置の光学用石英ガラス光学部材
に好適な、屈折率の均質性と低い複屈折性を有し、かつ
ArFエキシマレーザーの長期の照射に耐え得る石英ガ
ラス材料を得ることができることを見出した。
【0011】即ち、下記〜の特性を備えた合成石英
ガラス部材が、屈折率の均質性、低複屈折性を有し、光
透過率変化が少なく、これが特にArFエキシマレーザ
ーを光源とする露光装置に用いられる光学部材として好
適であること、またこの場合、屈折率分布として測定波
長633nmの光において1×10-6以下、複屈折率と
して最大値が同じく波長633nmの光での測定値とし
て1nm/cm以下とし、ArFエキシマレーザー光の
照射に対して十分な耐久性を有するため必要な水素濃度
として2×1017分子/cm3以上3×1018分子/c
3以下を有すること、更には略円柱形状を有する塩素
を実質的に含まない合成石英ガラス部材とすることが好
ましいことを知見し、本発明をなすに至った。
【0012】従って、本発明は、下記の合成石英ガラス
部材を提供する。 請求項1:直径150〜380mm、厚さ50〜150
mmの略円柱形状を有する合成石英ガラス部材におい
て、 使用方向及びオフ軸方向の脈理グレードがAクラスで
あること、 使用方向のOH基濃度をオフ軸方向に平均化した際の
平均値の最大値と最小値の差が30ppm以下であり、
使用方向の仮想温度をオフ軸方向に平均化した際の平均
値の最大値と最小値の差が20℃以下であること、 オフ軸方向のOH基濃度を使用方向に平均化した際の
平均値の最大値と最小値の差が40ppm以下であり、
オフ軸方向の仮想温度を使用方向に平均化した際の平均
値の最大値と最小値の差が30℃以下であること、 合成石英ガラスの使用方向における波長633nmの
光に対する屈折率分布Δnが1×10-6以下であり、オ
フ軸方向の屈折率分布Δnが3×10-6以下であること
を特徴とする合成石英ガラス部材。 請求項2:オフ軸方向に平均化した際の使用方向のOH
基濃度分布の分布形が、回転対称で、かつ上に凸の変曲
点を1つ有する分布形であり、かつOH基濃度分布にお
ける回転対称軸で最大値を与える変曲点が1つの略4次
曲線状又は略2次曲線状であり、しかも該回転対称軸が
円柱形状の回転対称軸と一致していることを特徴とする
請求項1記載の合成石英ガラス部材。 請求項3:オフ軸方向に平均化した際の使用方向の仮想
温度分布の分布形が、回転対称で、かつ上に凸の変曲点
を1つ有する分布形であり、かつ仮想温度分布における
回転対称軸で最大値を与える変曲点が1つの略4次曲線
状又は略2次曲線状であり、しかも該回転対称軸が円柱
形状の回転対称軸と一致していることを特徴とする請求
項1又は2記載の合成石英ガラス部材。 請求項4:オフ軸方向に平均化した際の使用方向の水素
分子濃度分布の分布形が回転対称で、かつ上に凸の変曲
点を1つ有する分布形であり、かつ水素分子濃度分布に
おける回転対称軸で最大値を与えるなだらかな曲線状で
あり、平均水素分子濃度の最大値が最低値の3倍未満で
あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記
載の合成石英ガラス部材。 請求項5:含有される塩素濃度が20ppm以下である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の
合成石英ガラス部材。 請求項6:使用方向及びオフ軸方向の複屈折の最大値が
ガラス体の最外部で与えられ、その値が1.5nm/c
m以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
か1項記載の合成石英ガラス部材。 請求項7:使用方向の複屈折を与える応力が使用方向の
最外周において最大で、かつ円周方向に引っ張り応力で
あることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記
載の合成石英ガラス部材。
【0013】なお、本発明において、語句は以下のよう
に定義する。 [使用方向及びオフ軸方向]露光装置に用いられる光学
部材は、扁平なレンズ形状を有するものが最も一般的で
ある。この場合、図1(A)の合成石英ガラス部材10
において、光が透過する面を見込む方向を使用方向、使
用方向と垂直な方向をオフ軸方向と呼ぶ。なお、図1
(B)は使用方向から見た石英ガラス部材10、図1
(C)はオフ軸方向から見た石英ガラス部材10の一例
をそれぞれ示す。
【0014】この場合、使用方向は、図1(A)におけ
る矢印A方向、即ち円柱の軸方向、オフ軸方向は、矢印
B方向、即ちA方向に対し垂直方向であるが、例えば
「使用方向のOH基濃度の分布」、「使用方向の仮想温
度の分布」とは、図1(A)における矢印C方向、即ち
直径方向におけるOH基濃度分布、仮想温度(FT)分
布をいう。一方、「オフ軸方向のOH基濃度の分布」、
「オフ軸方向の仮想温度の分布」とは、矢印D方向、即
ち厚さ方向におけるOH基濃度分布、FT分布をいう。
【0015】[オフ軸方向に平均化]例えば使用方向の
OH基濃度をオフ軸方向に平均化するとは、図2に示し
たように、略円柱状石英ガラス部材10を、その中心点
を通るオフ軸方向において使用方向に沿って薄くスライ
スして薄い石英板12を作製し、この石英板12のOH
基濃度を使用方向に測定し、使用方向の位置とOH基濃
度を相対させる。このような測定を石英板全部について
行い、同じ使用方向の位置に関して、使用方向にそれぞ
れのOH基濃度を平均化することをオフ軸方向に平均化
するという。例えば、図3において、OHx=-4の場合、
そのオフ軸方向の平均値は、 AVERAGE(OHx=-4)=(OH-41+OH-42+O
-43+OH-44+OH-4 5+OH-46)/6 で求められる。一方、使用方向に平均化する場合は、厚
さ方向の同じ位置に関してオフ軸方向に平均化する操作
をいう。
【0016】[脈理のグレード]脈理のグレードは米国
ミリタリー規格(MIL−G−174B規格)に測定方
法を含めて詳細に規定されており、このグレードが光学
ガラス一般の脈理に広く用いられているので、本発明に
おいても同基準に従った脈理グレードを適用している。
即ち、グレードAとは一般的な脈理フリーである。
【0017】[インゴットの成長面及び長手方向]イン
ゴットは断面が円形で細長い回転対称な円柱形状である
が、この断面(円形)を成長面、回転対称軸方向を長手
方向と呼ぶ。
【0018】[略2次曲線状]分布形状が2次曲線状と
は、略円柱状石英ガラス部材の特定の方向に断面をとっ
た場合のOH基濃度、水素濃度、仮想温度の分布形状
が、縦軸を濃度又は温度(Y)、横軸を位置(X)とし
て、X,Yの2次式で表されることを示す。X,Yの2
次式とは、一般的にはAX2+BY2+CXY+DX+E
Y+F=0(A,B,C,D,E,Fは定数)である
が、本発明においてはY=AX2+Bと簡素化された放
物線を表す。また、略2次曲線状とは、ある位置におけ
る計測値(平均値)が、前述の2次曲線で規定される計
算値に比べて最大値−最小値の±15%以内の範囲にあ
ることを意味する。 図4に2次曲線式:Y=AX2+B(この場合A=−2
×103,B=800) の場合の2次近似式値と略2次曲線状とする場合の実際
の値を示す。この図ではXの値域(−100〜100)
において2次曲線から求まる最大値が800、最小値が
780なので、略2次曲線状と認めるための許容誤差は
±3である。
【0019】[略4次曲線状]分布形状が4次曲線状と
は、略円柱状合成石英ガラス部材の特定の方向に断面を
とった場合のOH基濃度、水素濃度、仮想温度の分布形
状が、縦軸を濃度(Y)、横軸を位置(X)として、
X,Yの4次式で表されることを示す。X,Yの4次式
とは、本発明においては回転対称軸が中心軸と一致する
ためにY=AX4+BX2+Cと簡素化された曲線で表さ
れるものとする。また、略4次曲線状とは、ある位置に
おける計測値(平均値)が、前述の4次曲線で規定され
る計算値に比べて最大値−最小値の±15%以内の範囲
にあることを意味する。
【0020】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の合成石英ガラス部材は、直径150〜380m
m、特に180〜320mm、厚さ50〜150mm、
特に50〜100mmの略円柱形状を有するもので、 使用方向及びオフ軸方向の脈理グレードがAクラスで
あること、 使用方向のOH基濃度をオフ軸方向に平均化した際の
平均値の最大値と最小値の差が30ppm以下、好まし
くは20ppm以下であり、使用方向の仮想温度をオフ
軸方向に平均化した際の平均値の最大値と最小値の差が
20℃以下、好ましくは10℃以下であること、 オフ軸方向のOH基濃度を使用方向に平均化した際の
平均値の最大値と最小値の差が40ppm以下、好まし
くは30ppm以下であり、オフ軸方向の仮想温度を使
用方向に平均化した際の平均値の最大値と最小値の差が
30℃以下、好ましくは20℃以下であること、 合成石英ガラスの使用方向における波長633nmの
光に対する屈折率分布Δnが1×10-6以下であり、オ
フ軸方向の屈折率分布Δnが3×10-6以下、好ましく
は2×10-6以下であることが必要である。
【0021】上記において、OH基濃度の平均値の最
大値と最小値の差が30ppmより大きい場合、また仮
想温度の平均値の最大値と最小値の差が20℃より大き
い場合、合成石英ガラス部材の使用方向に対する複屈折
の低減を図ることが難しい。上記において、OH基濃
度の平均値の最大値と最小値の差が40ppmより大き
い場合、また仮想温度の平均値の最大値と最小値の差が
30℃より大きい場合、合成石英ガラス部材のオフ軸方
向に対する複屈折の低減を図ることが難しい。上記に
おいて、使用方向の屈折率分布Δnが1×10-6より大
きと、リソグラフィーレンズとして収差が大きくなり、
オフ軸方向の屈折率分布Δnが3×10-6より大きい
と、曲率の大きなリソグラフィーレンズに使用すること
が適さなくなる。なお、この場合、本発明の合成石英ガ
ラス部材の屈折率分布は、波長633nmの光における
測定値である。
【0022】また、本発明において、合成石英ガラス部
材は、オフ軸方向のOH基濃度を使用方向に平均化した
際の平均値の最大値が700〜1000ppm、特に7
50〜950ppmであり、かつ使用方向のOH基濃度
をオフ軸方向に平均化した際の平均値の最大値が700
〜1000ppm、特に750〜950ppmであるこ
とが好ましく、オフ軸方向の仮想温度を使用方向に平均
化した際の平均値の最大値が850〜980℃、特に9
00〜950℃であり、かつ使用方向の仮想温度をオフ
軸方向に平均化した際の平均値の最大値が850〜98
0℃、特に900〜950℃であることが好ましい。
【0023】OH基濃度を使用方向及びオフ軸方向に平
均化した際の平均値の最大値が700ppm未満では、
レーザー照射初期に急激な吸収の増加を生じてしまう場
合があり、1000ppmを超えると、OH基濃度の最
大値と最小値との差を小さくすることが困難となり、ま
た均質化に手間を要する場合がある。仮想温度を使用方
向及びオフ軸方向に平均化した際の平均値の最大値が9
80℃より高いと、レーザー照射初期に吸収が生じ易
く、850℃より低いと、徐冷操作に時間がかかり過ぎ
るために内部透過率が低下する場合がある。
【0024】更に、本発明の合成石英ガラス部材は、使
用方向にとった水素濃度の平均値の分布が、最小値が2
×1017〜1×1018分子/cm3、特に3×1017
5×1017分子/cm3であり、最大値が5×1017
3×1018分子/cm3、特に1×1018〜2×1018
分子/cm3であることが好ましい。最小値が2×101
7分子/cm3未満では、レーザー照射における長期安定
性の確保が難しく、最大値が3×1018分子/cm3
超えると、レーザー照射初期に急激なダメージが生成
し、193.4nmのレーザー光の透過率が低下してし
まう場合がある。
【0025】更に、本発明の合成石英ガラス部材は、高
い屈折率の均質性と低い複屈折を達成するためにオフ軸
方向に平均化した際の使用方向のOH基濃度分布の分布
形が回転対称でかつ上に凸の変曲点を持たない分布形で
あり、かつOH基濃度分布における回転対称軸で最大値
を与える変曲点が1つの略4次曲線状又は略2次曲線状
であり、しかも該回転対称軸が円筒形状の回転対称軸と
一致していることが好ましく、また、オフ軸方向に平均
化した際の使用方向のOH基濃度分布と組み合わせて高
い屈折率の均質性と低い複屈折を達成するため、オフ軸
方向に平均化した際の使用方向の仮想温度分布の分布形
が回転対称でかつ上に凸の変曲点を持たない分布形であ
り、かつ仮想温度分布における回転対称軸で最大値を与
える略2次曲線状であることが好ましく、更に、上記O
H基濃度分布と仮想温度分布を組み合わせて高い屈折率
の均質性と低い複屈折を達成するため、使用方向に平均
化した際の水素分子濃度分布の分布形が回転対称でかつ
上に凸の変曲点を持たない分布形であり、かつ水素分子
濃度分布における回転対称軸で最大値を与える略2次曲
線状であり、平均水素分子濃度の最大値が最低値の3倍
未満であることが好ましい。
【0026】なお、OH基濃度分布、仮想温度分布、水
素分子濃度分布における回転対称軸で最大値を与える略
2次曲線状からずれる場合、例えば変曲点を有する4次
曲線状の場合には、屈折率分布がなだらかでない、いわ
ゆるクセが生じてしまい、Δnは良好でもレンズとして
は不適切なものになってしまうおそれがある。
【0027】本発明において、合成石英ガラス部材は、
含有される塩素濃度が20ppm以下、特に5ppm以
下であることが好ましく、塩素濃度が20ppmより高
いと、193nmにおける紫外線透過率として内部透過
率99.7%以上を確保することが困難となる場合が生
じる。なお、合成石英ガラス部材は、アルカリ金属、特
にNaが20ppb以下であることが好ましい。
【0028】更に、本発明の合成石英ガラス部材は、使
用方向及びオフ軸方向の複屈折の最大値がガラス体の最
外部で与えられ、その値が0〜1.5nm/cm、より
好ましくは0〜1.0nm/cmであることが好まし
く、更に使用方向の複屈折を与える応力が使用方向の最
外周において最大で、かつ円周方向に引っ張り応力であ
ることが好ましい。なお、この複屈折率値は、波長63
3nmの光での測定値である。複屈折率値が1.5nm
/cmより大きいと、特に193.4nmの複屈折量が
大きくなりすぎて、光学材料として適さない場合があ
る。
【0029】次に、上記のような合成石英ガラス部材を
製造する方法について説明すると、一般的に、合成石英
ガラスを製造する方法には、シリカ原料を火炎加水分解
して得られるシリカ微粒子を溶融しつつ堆積成長する直
接法と、シリカ原料を火炎加水分解して得られるシリカ
微粒子を堆積成長した後、透明ガラス化するスート法と
いう2つの製造方法があり、いずれの方法でもよいが、
高純度のシリコーン化合物の蒸気を直接酸水素火炎中に
導入し、これを火炎加水分解させてシリカ微粒子を生成
させ、直接回転する石英ガラスなどの耐熱性基体上に堆
積・溶融ガラス化させる方法が好適である。
【0030】この場合、原料のシリカ原料化合物として
は有機ケイ素化合物を用い、かつ塩素を含有しない下記
一般式(1)、(2)又は(3)で示されるシラン化合
物、シロキサン化合物が好適に用いられる。
【0031】 (R1nSi(OR24-n (1) (式中、R1,R2は同一又は異種の脂肪族一価炭化水素
基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
【0032】
【化1】 (式中、R3は水素原子又は脂肪族一価炭化水素基を示
し、mは1以上、特に1又は2である。また、pは3〜
5の整数である。)
【0033】成長面での溶融ガラス化温度は、成長面で
温度分布を有しており、この時の最低温度は1800℃
以上、好ましくは2000℃以上であり、上限は250
0℃以下、特に2400℃以下が好ましい。
【0034】なお、シラン化合物、水素等の可燃性ガ
ス、酸素等の支燃性ガスを供給するバーナーは、通常と
同様に、中心部が多重管、特に三重管又は五重管バーナ
ーが用いられる。
【0035】本発明においては、このようにして得られ
たインゴットを均質化し、成型、アニール処理すること
により、合成石英ガラス部材を得ることができる。この
場合、OH基濃度分布は特に均質化に影響され、仮想温
度分布は特にアニール処理に影響され、従って上述した
OH基濃度分布を与えるように、数回繰り返して均質化
処理を行い、また上述した仮想温度分布を与えるよう
に、十分なアニール処理を行うことにより、本発明の合
成石英ガラス部材を得ることができる。
【0036】なお、合成石英ガラスの均質化方法として
効果的な方法は、特開平7−267662号公報に開示
された帯域溶融法をインゴットの成長方向とそれと垂直
な方向に施す方法が最も効率的で有効な方法である。こ
の方法の長所は、インゴットの溶融部分を機械的に攪拌
するために効率のよい均質化を行うことができるため、
例えばOH基濃度の分布を低減できること、均質化に際
して石英ガラスインゴットをバーナーの火炎以外には接
触させず処理を行うために、不純物の外部からの拡散が
少なく、紫外線透過率の低下が少ないこと等が挙げられ
る。
【0037】また、アニール処理は、加熱時の炉から汚
染を防止する目的で均質化処理が終わった合成石英ガラ
ス成型体を合成石英ガラスの容器に入れた状態で、合成
石英ガラスの徐冷温度(1120℃)以上の高温に十分
な時間保持(例えば24時間以上)した後、合成石英ガ
ラス成型体の外周と内部でなるべく温度差が生じないよ
う、ゆっくりと徐冷を行う。徐冷速度は一般的には、1
0℃/時間以下であるが、徐冷速度が速すぎると合成石
英ガラス成型体の仮想温度分布が20℃あるいは30℃
を超えてしまう場合がある。一方、徐冷速度が遅すぎる
と水素分子が石英ガラス成型体から外部拡散してしまう
場合があるので、適当な徐冷速度に設定することが重要
である。
【0038】徐冷が必要なのは、合成石英ガラス成型体
の仮想温度が固定される程度の温度までであるので、例
えば800℃程度に炉の温度が下がったら、炉の通電を
停止し、比較的早い速度で全体を冷却することによっ
て、全体の工程時間を短縮することができる。
【0039】ここで、これらの熱処理によりオフ軸方向
に平均化した合成石英ガラス成型体の使用方向における
仮想温度分布の回転対称軸を合成石英ガラス成型体の中
心軸と一致させるために、合成石英ガラス成型体及び合
成石英ガラス容器は回転対称軸を持つ回転対称体である
ことが好ましい。また、合成石英ガラス容器に合成石英
ガラス成型体を設置する場合、容器と成型体の隙間が均
等であるように極力注意を払うことが好ましい。更に、
合成石英ガラス成型体及び合成石英ガラス容器を炉内に
設置する際にも、炉の発熱体から合成石英ガラス容器ま
での距離をなるべく均等にする等の注意を払うことが望
まれる。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記例で、OH基濃度、透過率、
複屈折、仮想温度、水素分子濃度の測定方法は以下の通
りである。 OH基濃度:赤外分光光度法(具体的には、フーリエ変
換赤外分光光度法にて波数4522cm-1の吸光係数よ
り求める。但し、換算式としてOH基濃度(ppm)=
4522cm-1における吸光係数×4400を用いる)
により測定した。 透過率:紫外分光光度法により測定した。 複屈折:複屈折測定装置(具体的には、米国Hinds
Instruments社製複屈折測定装置(EXI
COR 350AT))を用いて測定した。 仮想温度:レーザーラマン分光光度法(具体的には、T
he American Physical Soci
ety,Vol.28 No.6 pp.3266〜3
271,September,1983に示される方
法)により測定した。 水素分子濃度:レーザーラマン分光光度法(具体的に
は、Zhurnal Priklandnoi Spe
ktroskopii Vol.46 No.6 p
p.987〜991,1987に示される方法)により
測定した。使用機器は日本分光工業製NR−1000、
浜松ホトニクス社製R943−02ホトマルを用い、ホ
トンカウント法にて測定を行った。アルゴンレーザーラ
マン分光光度法による水素分子濃度の測定は検出器の感
度曲線によっては値が変わってしまうことがあるので、
標準試料を用いて値を校正する必要がある。
【0041】[実施例1]テトラメトキシシランを酸素
水素の火炎中にArガスをキャリアとして導入し、火炎
加水分解して、回転する石英ガラスターゲット上に堆積
し、直径130mm、長さ1000mmの石英ガラスイ
ンゴットを得た。この際、火炎の酸素水素比、テトラメ
トキシシランの供給量及び酸素と水素ガスとの比を適当
に設定することで、インゴット中に含まれる水素濃度及
び水素濃度分布を最大値3〜4×1018分子/cm3
範囲で、かつインゴットの回転対称軸において水素濃度
分布が最大値を与える回転対称な分布形を有する分布で
あるように形成した。
【0042】このようにして作製した合成石英ガラスイ
ンゴットの両端を旋盤に把持した合成石英ガラス棒(足
場管)に溶接し、一方の端部を酸水素バーナーで強熱
し、溶融帯域を形成した後、左右のチャックの回転数を
変えて、溶融帯域に剪断応力を与えることで合成石英ガ
ラスインゴットを均質化しつつ、バーナーを一方の端部
から他方の端部まで移動させることでインゴット成長面
内のOH基濃度及び水素濃度を均質化した(帯域溶融法
による均質化)。帯域溶融法による均質化を合成石英ガ
ラスインゴットの全長に亘り1往復した状態で端部を切
り出し、成長面内のOH基濃度の平均値及び分布形を測
定した。結果を表1に示す。表1中の分布形は成長面内
の使用方向のOH基濃度分布を示すが、最大値を与える
のは回転対称軸(表中の図では1点鎖線で表示)ではな
く、それより若干外周方向にずれた位置となる。このた
め、分布形を関数近似した場合、変曲点が3つ存在する
略4次曲線となっている。
【0043】
【表1】
【0044】帯域溶融法による均質化を再度合成石英イ
ンゴットの全長に亘り1往復した。このため、当該合成
石英インゴットにおいては合計2往復の均質化を行った
ことになる。均質化処理が終了後、合成石英インゴット
の端部を取り出し、成長面内の使用方向のOH基濃度の
平均値及び分布形を測定した。測定結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】次いで、該合成石英ガラスインゴットを旋
盤上で軸方向に圧縮し、外径φ200mm、長さ400
mmの略円柱状に成型した後、足場管から切り離し、成
型炉内で内寸200×300×400mmの成型用高純
度グラファイト型内にセットし、炉温度を1800℃に
昇温し、1時間保持後、炉の通電を停止し、自然冷却し
て、合成石英ガラス体を200×200×300mmの
合成石英ガラス棒に成型した。得られた合成石英ガラス
棒の外表面をOH基濃度の低い部分及びグラファイトか
らの汚染を除去する目的で深さ5mm研削して除去し、
更に50重量%フッ酸で1時間エッチングを行った。そ
の結果、合成石英ガラス棒は190×190×290m
mとなった。フッ酸洗浄後の合成石英ガラス棒の使用方
向(長さ290mmの方向)の両端を旋盤に把持した合
成石英ガラス足場管に再度溶接し、合成石英ガラス棒全
体を十分に溶融加熱しながら、旋盤の左右のチャック間
隔を拡大しつつ、左右の回転数に若干の差異を持たせて
回転させることで、円筒形への成型と延伸を同時に行
い、外径φ100mm、長さ1330mmの合成石英ガ
ラスインゴットにした後、帯域溶融法にて1往復の均質
化処理を行った。成型後、第1往復目の均質化処理後、
合成石英ガラスインゴットの端部を切り出し、使用方向
と垂直な面内のOH基濃度の平均値及びOH分布形を測
定した。測定結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】均質化処理の終わった合成石英ガラスイン
ゴットを旋盤上で軸方向に圧縮し、外径φ200mm、
長さ330mmの略円柱状に成型した後、足場管から切
り離し、成型炉内で内寸φ320mm×400mmの成
型用高純度グラファイト型内にセットし、炉温度を18
00℃に昇温、1時間保持後炉の通電を停止し自然冷却
して、合成石英ガラス体をφ320mm×130mmの
合成石英ガラス円盤に成型した。得られた合成石英ガラ
ス棒の外表面をグラファイトからの汚染を除去する目的
で深さ10mm研削して除去し、更に50重量%フッ酸
で1時間エッチングを行った。その結果、合成石英ガラ
ス棒はφ300mm×110mmとなった。得られた合
成石英ガラス円盤を外径φ400mm、内径φ304m
m、高さ140mm、深さ130mmの合成石英ガラス
容器に入れ、更に厚さ10mmの合成石英ガラス板で蓋
をして、電気炉内に縦置きに設置し、1150℃で40
時間保持後、冷却速度2℃/hrで920℃まで徐冷
し、920℃にて24時間保持後、炉の通電を停止し、
室温まで冷却した(徐冷処理)。徐冷処理を行った合成
石英ガラス円盤は徐冷による不純物の影響を排除するた
め外周から半径方向に10mm、厚さ方向にそれぞれ1
0mmずつ研削を行った結果、外径φ280mm、厚さ
90mmとなった。得られた合成石英ガラス円盤の屈折
率の均質性を使用方向及びオフ軸方向について測定を行
った。更に、使用方向及びオフ軸方向の複屈折率を測定
した。また、該合成石英ガラス部材より試験片を切り出
して、波長193.4nmの紫外線に対する内部透過
率、金属不純物濃度、OH基濃度、水素分子濃度、仮想
温度を測定した。また、シュリーレン装置を用い、米国
ミリタリー規格(MIL−G−174B規格)に準じる
方法で試料に関して使用方向及びオフ軸方向の脈理測定
を行った。表4に測定して得られた193.4nmの紫
外光に対する内部透過率及び金属不純物濃度を示す。
【0049】
【表4】
【0050】表5に得られた合成石英ガラス円盤の使用
方向及びオフ軸方向における波長633nmの光に対す
るΔn、複屈折の最大値、脈理のグレードを示す。な
お、複屈折の最大値は最外周(半径130mmの円周部
分)で与えられ、その部分の応力方向は円周方向に引っ
張り応力であった。
【0051】
【表5】
【0052】表6に合成石英ガラス円盤の使用方向にお
けるオフ軸方向に平均化したOH基濃度、仮想温度(F
T)、水素濃度の最大値と最小値の差(Δ)を示す。ま
た、図5、図6にそれぞれOH基濃度の平均値、仮想温
度の平均値の使用方向の分布を示す。
【0053】
【表6】
【0054】表7に実施例1の合成石英ガラス円盤のオ
フ軸方向における使用方向に平均化したOH基濃度、仮
想温度、水素濃度の最大値と最小値の差(Δ)を示す。
また、図7、図8にそれぞれOH基濃度の平均値、仮想
温度の平均値のオフ軸方向の分布を示す。
【0055】
【表7】
【0056】[比較例1]実施例1と同様に合成石英ガ
ラスインゴットを作製し、帯域溶融法で1方向目の均質
化及び3方向目の均質化処理を一回ずつ行った。得られ
た成型体のオフ軸方向に平均化した使用方向のOH基濃
度分布、同仮想温度分布を表8に示す。また、表9に使
用方向に平均化したオフ軸方向のOH基濃度分布、同仮
想温度分布を示す。
【0057】
【表8】
【0058】
【表9】
【0059】表10にオフ軸方向に平均化した使用方向
のOH基濃度及び仮想温度の最大値と最小値の差△OH
と△FT、及び使用方向の屈折率分布Δnと複屈折の最
大値を示す。
【0060】
【表10】
【0061】表11に使用方向に平均化したオフ軸方向
のOH基濃度及び仮想温度の最大値と最小値の差△OH
と△FT、及び使用方向の屈折率分布Δnと複屈折の最
大値を示す。
【0062】
【表11】
【0063】
【発明の効果】本発明の合成石英ガラス部材は、特にA
rFエキシマレーザー用として複屈折が少なく、また屈
折率の均質性に優れ、光透過率変化の少ないものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用方向及びオフ軸方向の意味を説明した図で
あって、(A)は合成石英ガラス部材の一例の斜視図、
(B)は同例の使用方向から見た図、(C)は同例のオ
フ軸方向から見た図である。
【図2】オフ軸方向に平均化するという意味を説明した
図であって、合成石英板を得るためのスライス態様を示
す斜視図である。
【図3】同石英板を用いて使用方向におけるOH基濃度
をオフ軸方向に平均化する場合の説明図である。
【図4】2次曲線状の意味を説明した図である。
【図5】実施例1で得られた合成石英ガラス部材の使用
方向におけるOH基濃度の平均値分布図である。
【図6】実施例1で得られた合成石英ガラス部材の使用
方向における仮想温度の平均値分布図である。
【図7】実施例1で得られた合成石英ガラス部材のオフ
軸方向におけるOH基濃度の平均値分布図である。
【図8】実施例1で得られた合成石英ガラス部材のオフ
軸方向における仮想温度の平均値分布図である。
【符号の説明】
10 ガラス部材 12 石英板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳沼 康之 福島県郡山市田村町金屋字川久保88番地 信越石英株式会社石英技術研究所内 (72)発明者 佐藤 彰 福島県郡山市田村町金屋字川久保88番地 信越石英株式会社石英技術研究所内 (72)発明者 上田 哲司 福島県郡山市田村町金屋字川久保88番地 信越石英株式会社石英技術研究所内 (72)発明者 池田 吉謙 福井県武生市北府2丁目13番60号 信越石 英株式会社武生工場内 Fターム(参考) 4G014 AH12 AH15 AH21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径150〜380mm、厚さ50〜1
    50mmの略円柱形状を有する合成石英ガラス部材にお
    いて、 使用方向及びオフ軸方向の脈理グレードがAクラスで
    あること、 使用方向のOH基濃度をオフ軸方向に平均化した際の
    平均値の最大値と最小値の差が30ppm以下であり、
    使用方向の仮想温度をオフ軸方向に平均化した際の平均
    値の最大値と最小値の差が20℃以下であること、 オフ軸方向のOH基濃度を使用方向に平均化した際の
    平均値の最大値と最小値の差が40ppm以下であり、
    オフ軸方向の仮想温度を使用方向に平均化した際の平均
    値の最大値と最小値の差が30℃以下であること、 合成石英ガラスの使用方向における波長633nmの
    光に対する屈折率分布Δnが1×10-6以下であり、オ
    フ軸方向の屈折率分布Δnが3×10-6以下であること
    を特徴とする合成石英ガラス部材。
  2. 【請求項2】 オフ軸方向に平均化した際の使用方向の
    OH基濃度分布の分布形が、回転対称で、かつ上に凸の
    変曲点を1つ有する分布形であり、かつOH基濃度分布
    における回転対称軸で最大値を与える変曲点が1つの略
    4次曲線状又は略2次曲線状であり、しかも該回転対称
    軸が円柱形状の回転対称軸と一致していることを特徴と
    する請求項1記載の合成石英ガラス部材。
  3. 【請求項3】 オフ軸方向に平均化した際の使用方向の
    仮想温度分布の分布形が、回転対称で、かつ上に凸の変
    曲点を1つ有する分布形であり、かつ仮想温度分布にお
    ける回転対称軸で最大値を与える変曲点が1つの略4次
    曲線状又は略2次曲線状であり、しかも該回転対称軸が
    円柱形状の回転対称軸と一致していることを特徴とする
    請求項1又は2記載の合成石英ガラス部材。
  4. 【請求項4】 オフ軸方向に平均化した際の使用方向の
    水素分子濃度分布の分布形が回転対称で、かつ上に凸の
    変曲点を1つ有する分布形であり、かつ水素分子濃度分
    布における回転対称軸で最大値を与えるなだらかな曲線
    状であり、平均水素分子濃度の最大値が最低値の3倍未
    満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項記載の合成石英ガラス部材。
  5. 【請求項5】 含有される塩素濃度が20ppm以下で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記
    載の合成石英ガラス部材。
  6. 【請求項6】 使用方向及びオフ軸方向の複屈折の最大
    値がガラス体の最外部で与えられ、その値が1.5nm
    /cm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項記載の合成石英ガラス部材。
  7. 【請求項7】 使用方向の複屈折を与える応力が使用方
    向の最外周において最大で、かつ円周方向に引っ張り応
    力であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1
    項記載の合成石英ガラス部材。
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