JP4240709B2 - 合成石英ガラスおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成石英ガラスおよびその製造方法、特に波長175nm以下の真空紫外域の光に使用されるレンズやプリズム、エタロン、フォトマスク、ペリクル(ペリクルフレームを含む)などの光学部材として用いられる合成石英ガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成石英ガラスは、近赤外域から真空紫外域までの広範囲の波長域にわたって透明であること、熱膨張係数が極めて小さく寸法安定性に優れていること、また、金属不純物をほとんど含有しておらず高純度であることなどの特徴がある。そのため、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)を光源として用いた光学装置の光学部材には合成石英ガラスが主に用いられてきた。
【0003】
近年、LSIの高集積化に伴い、ウェハ上に集積回路パターンを描画する光リソグラフィ技術において、より線幅の狭い微細な描画技術が要求されており、これに対応するために露光光源の短波長化が進められている。例えば、リソグラフィ用ステッパの光源は、従来のg線、i線から進んで、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)やF2 レーザ(波長157nm)が用いられようとしている。
【0004】
これらの光源が用いられる光学系の光学素子を構成する合成石英ガラスは、波長175nm以下の真空紫外域での光透過性(以下、単に「真空紫外線透過性」という)が要求される。
【0005】
真空紫外線透過性の向上を図るために、特開平8−91867号公報には、OH基含有量が200ppm以下、塩素濃度が2ppm以下、かつ≡Si−Si≡濃度1×1015個/cm3 以下である合成石英ガラスが提案されている。特開平9−235134号公報には、OH基含有量が10〜400ppm、かつ還元型欠陥および酸化型欠陥の濃度がそれぞれ5×1016個/cm3 である合成石英ガラスが提案されている。特開平7−267674号公報には、OH基含有量が100〜2000ppm、かつ遷移金属、アルカリ金属やアルカリ土類金属をそれぞれ所定濃度以下含む合成石英ガラスが提案されている。
従来の合成石英ガラスは、いずれもOH基含有量を所定の範囲にすることにより真空紫外線透過性の向上を図るものであるが、必ずしも波長175nm以下の真空紫外域において高い透過率が得られない場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた真空紫外線透過性を安定して発揮する合成石英ガラスおよびその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、また、耐紫外線性(紫外線照射による透過率低下が少ないこと)に優れた合成石英ガラスおよびその製造方法の提供も目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、波長175nm以下の真空紫外域の光に使用される合成石英ガラスであって、合成石英ガラス中のOH基含有量が10ppm未満であり、かつ還元型欠陥を実質的に含有しないことを特徴とする合成石英ガラス(以下、「第1のガラス」という)を提供する。
【0008】
また、本発明は、波長160nm以下の真空紫外域の光に使用される合成石英ガラスであって、合成石英ガラス中のOH基含有量が5ppm以下であり、かつ還元型欠陥を実質的に含有しないことを特徴とする合成石英ガラス(以下、「第2のガラス」という)を提供する。
なお、以下において、本発明の合成石英ガラスというときは、第1および第2のガラスに共通する事項をいうものとする。
【0009】
本発明者らは、合成石英ガラスの真空紫外線透過性は、(1)合成石英ガラス中のOH基含有量、および(2)≡Si−Si≡で表される還元型欠陥の含有量に大きく左右されることを知見した。すなわち、OH基および還元型欠陥の含有量を制御すれば、高い真空紫外線性が得られることを知見した。
【0010】
そこで、OH基および還元型欠陥の含有が真空紫外線透過性に及ぼす影響を検討した。その結果、合成石英ガラス中のOH基含有量は波長175nm以下の真空紫外域における光透過性に影響を及ぼし、OH基含有量が高いほど光透過性は低下する。10ppm未満であれば高い光透過性が得られ、特に5ppm以下であれば波長165nm以下においても優れた光透過性が得られることを知見した。
【0011】
また、本発明において、還元型欠陥とは≡Si―Si≡のことをさし、波長163nmを中心とする吸収帯を有する。163nmにおける内部透過率T163 (%/cm)は、合成石英ガラス中のOH基含有量COH(ppm)により次式(1)のように推測される。
T163 (%/cm)≧exp(−0.02COH 0.85)×100 (1)
しかし、還元型欠陥があると、163nmを中心とした吸収帯があるため、実際の波長163nmにおける透過率(T163 )は、式(1)の右辺の値よりも小さくなる。そこで、還元型欠陥を実質的に含有しなければ、優れた真空紫外線透過性が得られることを知見し、本発明に至った。
なお本発明において、還元型欠陥を実質的に含有しないとは、163nmにおける内部透過率に関する式(1)を満足することを意味する。
第1および第2のガラスは、波長157nmにおける内部透過率が80%/cm以上であることが好ましい。
【0012】
本発明の合成石英ガラスは、必須ではないが、水素分子含有量が、5×1016分子/cm3 以上であることが好ましい。水素分子は紫外線照射による欠陥生成を抑制する作用があり、含有量が5×1016分子/cm3 以上であれば、十分な耐紫外線性が得られるので、好ましい。より好ましくは1×1017〜5×1018分子/cm3 であり、さらに好ましくは5×1017〜5×1018分子/cm3 である。
【0013】
本発明の合成石英ガラス中のアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属などの金属不純物は、真空紫外線透過性を悪化させるだけでなく、耐紫外線性を低下させる原因ともなるため、その含有量は極力少ない方が好ましい。具体的には金属不純物の合計含有量が100ppb以下、特に50ppb以下であることが好ましい。
また、塩素も耐紫外線性を低下させる原因となるため、合成石英ガラス中の塩素含有量は極力少ない方が好ましく、具体的には100ppb以下、特に50ppb以下が好ましい。
【0014】
本発明において、合成石英ガラスを製造する方法としては、直接法、スート法(VAD法、OVD法)、プラズマ法などを挙げることができる。製造時の温度が低く、塩素および金属などの不純物の混入を避けることができる観点で、スート法が特に好ましい。スート法によれば、合成石英ガラス中のOH基含有量を比較的広範囲で制御することが可能である。
【0015】
スート法によって、本発明の合成石英ガラスを製造する方法を具体的に説明する。
工程(a):ガラス形成原料を火炎加水分解させて得られる石英ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質石英ガラス体を形成させる。ガラス形成原料としては、ガス化可能な原料であれば特に制限されないが、SiCl4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、SiCH3 Cl3 などの塩化物、SiF4 、SiHF3 、SiH2 F2 などのフッ化物、SiBr4 、SiHBr3 などの臭化物、SiI4 などの沃化物、といったハロゲン化ケイ素化合物、またはRn Si(OR)4-n (ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシシランが挙げられる。また前記基材としては石英ガラス製の種棒(例えば特公昭63−24973号公報に記載の種棒)を用いることができる。また棒状に限らず板状の基材を使用してもよい。
【0016】
工程(b):多孔質石英ガラス体を600℃以下の温度でフッ素またはフッ素含有雰囲気下にて保持し、フッ素を含有した多孔質石英ガラス体を得る。
フッ素含有雰囲気としては、含フッ素ガス(例えば、SiF4 、SF6 、CHF3 、CF4 、F2 )を0.1〜100体積%含有する不活性ガス雰囲気が好ましい。
これらの雰囲気下、600℃以下の温度にて圧力0.1〜10気圧で数十分〜数時間処理することが好ましい。なお、本発明において、「気圧」および「Torr」は、ともにゲージ圧ではなく、絶対圧を意味する。
また、工程(b)においては、多孔質石英ガラス体へ均一に短時間でフッ素をドープできることから、600℃以下の温度にし、減圧下(100Torr以下、特に10Torr以下が好ましい。)で保持した状態で含フッ素ガスを常圧になるまで導入し、フッ素含有雰囲気とすることが好ましい。
【0017】
この場合、式(2)に示すように、多孔質石英ガラス体中のOH基をフッ素に置換させることにより、フッ素をドープすることができる。
≡Si−OH + F → ≡Si−F + OH (2)
前記条件以外の範囲で工程(b)を実施すると、その機構は定かでないが、フッ素ガスの反応性が高くなり、合成石英ガラス体中に還元型欠陥(≡Si−Si≡)が形成される傾向にある。ただし、600℃を超える温度でフッ素ドープするときでも、酸素を5〜90体積%含有する雰囲気で行なうことにより、還元型欠陥の生成を抑制できる。また、フッ素含有量は、フッ素ドープにより低減するOH基含有量と等量であることが好ましい。合成石英ガラス中のフッ素含有量は50〜3000ppmが好ましい。
【0018】
工程(c):フッ素を含有した多孔質石英ガラス体を実質的にフッ素を含まない雰囲気下にて透明ガラス化温度まで昇温して透明ガラス化し、合成石英ガラスを得る。
透明ガラス化温度は、通常は1300〜1600℃であり、特に1350〜1500℃であることが好ましい。
実質的にフッ素を含まない雰囲気としては、工程(c)の処理開始時において、含フッ素ガス(例えば、SiF4 、SF6 、CHF3 、CF4 、F2 )が0.1体積%以下であれば特に限定されず、ヘリウムなどの不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウムなどの不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。圧力については、減圧または常圧であればよい。特に常圧の場合はヘリウムガスを用いることができる。また、減圧の場合は100Torr以下が好ましい。
【0019】
工程(b)と(c)との間に、雰囲気を減圧し、フッ素を含有した多孔質石英ガラス体を減圧下に所定時間保持する工程(g)をさらに有することが好ましい。
【0020】
また、本発明の合成石英ガラスは、工程(a)の後に、多孔質石英ガラス体を1Torr以下の圧力で1000〜1300℃の温度にて所定時間保持して脱水を行った後、引き続き1Torr以下の圧力で透明ガラス化温度まで昇温して透明ガラス化する工程(e)によっても製造することができる。
【0021】
さらに、本発明の合成石英ガラスの製造においては、工程(c)あるいは工程(e)の後に、工程(c)あるいは工程(e)で得られた透明石英ガラス体を水素ガスを含んだ雰囲気中にて、温度600℃以下で加熱処理して合成石英ガラス中に水素をドープさせる工程(f)を行うことができる。低温で水素処理を行うことにより、耐紫外線性や真空紫外線透過性の低下をもたらす≡Si−Hや≡Si−Si≡などの欠陥の生成を防止することができる。水素ガスを含んだ雰囲気としては、水素ガスを0.1〜100体積%含有する不活性ガス雰囲気が好ましい。
【0022】
本発明の合成石英ガラスは、投影露光装置用レンズ(例えばステッパレンズなど)やその他の光学部材に用いられる。光学部材として必要な光学特性を与えるため、均質化、成形、アニールなどの各熱処理(以下、光学的熱処理という)を適宜行う必要がある。光学的熱処理は工程(f)の前でもよく後でもよい。
ただし光学的熱処理には800〜1500℃の高温を要するため、工程(f)で水素を含有させたとしても、その後の光学的熱処理により水素分子含有量が低下する可能性がある。したがって、工程(f)以後に光学的熱処理を行う場合は、水素ガスを0.1〜100体積%含み、圧力1〜30atmの雰囲気下にて行うことが好ましい。
また工程(f)以降に光学的熱処理を行う場合は、光学的熱処置のための炉を防爆構造とする必要がある。したがって、工程(f)の前に光学的熱処理を行うことが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(例1〜14)
スート法により、SiCl4 を酸水素火炎中で加水分解させて、形成されたSiO2 微粒子を基材上に堆積させて400mmφ×長さ600mmの多孔質石英ガラス体を作製した。多孔質石英ガラス体を雰囲気制御可能な電気炉に設置し、室温で10Torr以下の減圧状態に保持した後、SiF4 を含んだヘリウムガスを常圧になるまで導入した。この雰囲気下にて常圧・室温で数時間保持することにより、多孔質石英ガラス体中の脱水を行った。続いて、実質的にフッ素を含まない雰囲気下にて圧力10Torr以下の減圧に保持した状態で1450℃まで昇温し、この温度にて10時間保持し合成石英ガラス(200mmφ×長さ450mm)を作製した。
【0024】
さらに、得られた合成石英ガラスを、200mmφ×厚さ10mmに切断し、例1〜13の合成石英ガラスについては、水素含有雰囲気下、表1に示す条件に30時間保持して合成石英ガラス中に水素ドープを行った。
【0025】
上記の製造工程において、多孔質石英ガラス体を製造する際の酸水素炎の酸素および水素ガスの体積比、ならびにフッ素化合物を含んだ雰囲気で多孔質ガラス体を保持する際のフッ素化合物の濃度、処理時間、および処理温度を調整することにより、得られる合成石英ガラス中のOH基含有量および還元型欠陥含有量を制御した。また、合成石英ガラス中の水素分子含有量は、水素ドープを行う際の処理温度、雰囲気中の水素濃度および全圧を調整することにより制御した。なお、各例の製造工程における処理条件の詳細を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
(例15〜19)
スート法により、SiCl4 を酸水素火炎中で加水分解させて、形成されたSiO2 微粒子を基材上に堆積させて400mmφ×長さ600mmの多孔質石英ガラス体を作製した。多孔質石英ガラス体を、雰囲気制御可能な電気炉に設置し、1Torr以下の減圧下で昇温し、1200℃にて所定時間保持し、続いて1450℃まで昇温し、この温度にて10時間保持し合成石英ガラス(200mmφ×長さ450mm)を作製した。
得られた合成石英ガラスを200mmφ×厚さ10mmに切断し、例15〜18の合成石英ガラスについては、水素含有雰囲気下、表2に示す条件にて30時間保持して合成石英ガラス中に水素ドープを行った。
【0028】
上記の製造工程において、1200℃での保持時間を調整することにより、合成石英ガラス中のOH基含有量および還元型欠陥の含有量を制御した。また、合成石英ガラス中の水素分子含有量は、水素ドープを行う際の処理温度、雰囲気中の水素濃度および全圧を調整することにより制御した。なお各例の製造工程における処理条件の詳細を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
例1〜19で得られた合成石英ガラスのOH基含有量、水素分子含有量、163nm内部透過率および還元型欠陥の有無を、下記の方法にしたがって求めた。結果を表3に示す。
(試料の調製)例1〜19で得られた合成石英ガラスの周縁部を研削して180mmφ×厚さ10mmのブロックを用意して試料とした。また、得られた合成石英ガラスの表面部および周縁部を研削して180mmφ×厚さ4mmのブロックを用意して試料とした。
(OH基含有量) 赤外分光光度計による測定を行い、波長2.7μmにおける吸収ピークからOH基含有量を求めた(J.P.Wiiliams et.al.,Ceramic Bulletin,55(5),PP.524,1976)。
【0031】
(水素分子含有量) ラマン分光測定を行い、レーザラマンスペクトルの4135cm-1の散乱ピーク強度I4135と、ケイ素と酸素との間の基本振動である800cm-1の散乱ピーク強度I800 との強度比(=I4135/I800 )より、水素分子含有量[分子/cm3 ]を求めた(V.S.Khotimchenko et.al.,Zhurnal Prikladnoi Spektroskopii,Vol.46,No.6,PP.987〜997,1986)。なお本法による検出限界は1×1016分子/cm3 である。
(還元型欠陥) 真空紫外分光光度計(アクトンリサーチ社製VTMS−502)を用いて厚さ10mmと4mmの合成石英ガラス試料について、163nmの内部透過率を測定し、合成石英ガラス中のOH基含有量から式(1)の右辺により計算される値と比較することにより還元型欠陥の有無を評価した。すなわち、式(1)を満足する場合は還元型欠陥「有り」とし、式(1)を満足しない場合は還元型欠陥「無し」とした。
【0032】
次に例1〜19の合成石英ガラスから調製された試料について、以下の評価1〜3を行った。
(評価1) 真空紫外分光光度計(アクトンリサーチ社製VTMS−502)を用いて、厚さ10mmと4mmの試料について、波長175nm以下の真空紫外域の透過率の指標として172nmの内部透過率を測定した。
(評価2) 真空紫外分光光度計(アクトンリサーチ社製VTMS−502)を用いて厚さ10mmと4mmの試料について、波長160nm以下の真空紫外域の透過率の指標として157nmの内部透過率を測定した。
【0033】
(評価3) Xe2 * エキシマランプ(波長172nm)を10mW/cm2 の条件で、厚さ10mmの試料に3時間照射した。照射前後での163nmにおける透過率を測定し、照射による163nmにおける透過率の変化(ΔT163 )を算出した。ΔT163 が小さいほど耐紫外線性に優れている。
各評価結果を表4に示す。なお例1〜5、例12〜17および例19は実施例、その他は比較例を示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、真空紫外線透過性に優れた合成石英ガラスを得ることができる。また、本発明によれば、耐紫外線性にも優れた合成石英ガラスが得られる。したがって、真空紫外域の光に使用される光学系の素子を構成する素材として好適である。
Claims (2)
- 波長175nm以下の真空紫外域の光に使用される合成石英ガラスであって、合成石英ガラス中のOH基含有量が10ppm未満であり、かつ還元型欠陥を実質的に含有せず、フッ素含有量が50〜3000ppmであることを特徴とする合成石英ガラス。
- 波長160nm以下の真空紫外域の光に使用される合成石英ガラスであって、合成石英ガラス中のOH基含有量が5ppm以下であり、かつ還元型欠陥を実質的に含有せず、フッ素含有量が50〜3000ppmであることを特徴とする合成石英ガラス。
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